JP4009007B2 - 連続脱水器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱水槽と排出部体間に濾過帯を配設し、該濾過帯に被処理液中の液分を透過して、被処理液から濾過物を回収する連続脱水器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内部が被処理液の供給路と接続される脱水槽と、排水路と連通する排水面を備えた排出部体とを上下に相対的離間移動可能に配設し、脱水槽と排出部体間に濾過帯を配設して、該濾過帯の排水面を覆う単位濾過領域が、排水面上に位置する濾過位置と、濾過帯上の濾過物が排出される排出位置とに間欠走行するようにし、濾過位置で濾過帯を介して排水面を脱水槽で覆って、供給路から脱水槽内に供給した被処理液の液分を濾過帯を透過して脱水処理を行なうようにしてなる連続脱水器が提案されている。
この連続脱水器は、濾過帯の単位濾過領域を順次使用するものであるから、目詰まりのたびに、濾過材を取り外して交換しなくとも良く、脱水工程を迅速かつ連続的に行なうことができる優れた利点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のこの種の連続脱水器は、一脱水工程毎に、濾過帯を所定量間欠送りして、次の単位濾過領域を脱水槽と排水面間に配置するものであり、濾過帯の消耗が早く、該濾過帯は不織布をロール状に巻回してなるものであるから比較的高価であり、ランニングコストが高くなるという問題があった。一方、一回の脱水工程では、目詰まりを生じない場合がほとんどであり、このため、実際の現場では、使用完了して巻取ったロール状濾過帯を、再び供給して、再使用するようにしている。ところがかかる手段にあっては、数度のロール状濾過帯の再装着を要して、面倒であった。
本発明は、濾過帯に無駄がなく、長時間の連続使用が可能な連続脱水器を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、内部が被処理液の供給路と接続される脱水槽と、排水路と連通する排水面を備えた排出部体とを上下に相対的離間移動可能に配設し、脱水槽と排出部体間に濾過帯を配設して、該濾過帯の排水面を覆う単位濾過領域が、排水面上に位置する濾過位置と、濾過帯上の濾過物が排出される排出位置とに間欠走行するようにし、濾過位置で濾過帯を介して排水面を脱水槽で覆って、供給路から脱水槽内に供給した被処理液の液分を濾過帯を透過して脱水処理を行なうようにしてなる連続脱水器において、
前記濾過帯を間欠往復走行する間欠駆動手段と、
該間欠駆動手段により排出位置に到来した単位濾過領域を濾過位置へ逆送して、該濾過位置で脱水工程を行なう再使用作動を所要回数実行し、その後に次の単位濾過領域が濾過位置に来ると脱水工程を行なう更新作動を実行する走行制御手段とを備えていることを特徴とする連続脱水器である。
【0005】
ここで、単位濾過領域Fとは、排水面上を覆う長さ領域をいう。すなわち、一濾過工程で用いられる領域をいい、濾過帯はこの単位濾過領域が連続していると考えることができる。
【0006】
かかる構成にあって、通常は、再使用作動により、濾過帯は、濾過位置と排出位置とを往復移動し、濾過位置で、脱水槽内に供給された被処理液は、その液分のみが濾過帯を透過して排除され、脱水槽と排出部体とを相対的に離間させると、濾過帯上に濾過物が残留し、濾過帯が排出位置へ移行すると該濾過物が排出される。次に、逆送して、使用された単位濾過領域は再び排水面上に位置して、再び脱水工程が行なわれる。このように、数回の脱水工程を減ると、濾過帯に目詰まりを生じ、通液性が低下する。そこで、更新作動に移行し、次の単位濾過領域が、濾過工程に入り、単位濾過領域の交換がなされる。
【0007】
この作動を繰り返すことにより、濾過帯の連続する単位濾過領域が、無駄なく使用されることとなる。
【0008】
ここで、前記再使用作動の回数は、その被処理液の状態に対応して、あらかじめ、回数設定しても良いが、本発明は、各単位濾過領域の目詰まりの状態を検出して、その回数を自動的に設定することとしている。
【0009】
すなわち、本発明は、走行制御手段の制御内容にあって、再使用作動の所要回数を、目詰まり検知手段による目詰まりの検知がなされるまでの回数としている。
【0010】
さらに、前記目詰まり検知手段を、脱水工程において、被処理液を加圧供給した際に、規定時間以内に内圧が所定圧に到達した場合には目詰まりがあると判定するようにしている。
【0011】
かかる手段にあって、各単位濾過領域は、実際の状態に対応して、再使用作動が行なわれるから、無理の無い濾過処理がなされることとなる。
【0012】
また、前記間欠駆動手段としては、濾過帯の両端を、逆送モータに連係された供給側巻取りボビンと、正送モータに連係された回収側巻取りボビンに夫々巻回し、単位濾過領域が濾過位置から排出位置へ移行させる場合には、前記正送モータを所定量駆動させ、単位濾過領域が排出位置から濾過位置へ移行させる場合には、前記逆送モータを所定量駆動させることにより、前記濾過帯を間欠可逆送行させるようにして構成したものが提案される。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1,2は、本発明の連続脱水器1を示し、かかる構成を詳細に説明する。
基台2には、昇降シリンダ3が取付けられ、該昇降シリンダ3のロッド4には、昇降ユニット5が装着されている。この昇降ユニット5はロッド4に固定された排出部体6と、該排出部体6の側面に固定された装着板15,15に装着された濾材給送装置16とで構成される。
【0014】
前記排出部体6は、ロッド4の上面に固定された基板7の上面に、周枠8が形成され、該周枠8内に網材等の通液性担持材9を設けて、後述する濾過帯25を安定的に支持するようにし、その上面を排水面10とし、かつ周枠8内を排出管11と接続するようにしている。この排出管11の他端には可撓性ホース等が接続され、排水路12が確保される。
【0015】
次に濾材給送装置16の構成を説明する。
この濾材給送装置16は、濾過帯25を間欠往復走行する間欠駆動手段を構成するものである。ここで、前記排出部体6の前後位置で、装着板15に、回動軸17,18が支持され、さらにその上部で案内ローラ19a,19bが遊転可能に支持される。また、前記回動軸17には、逆送モータ20が連係され、回動軸18には正送モータ21が連係される。そして、各回動軸17,18には、ボビン23,23が夫々装着され、回動軸17に装着されたボビン23に嵌装される濾過ロールrから濾過帯25を引出して、案内ローラ19aに掛渡し、排水面10上で案内ローラ19a,19b間を水平に差し渡し、さらに、案内ローラ19bに掛渡して、案内ローラ19bに装着されたボビン23に巻回する。また、案内ローラ19bと回動軸18間にはスクレーバ29が設けられ、後述するように、濾過帯25上の濾過物が掻き取られる。
【0016】
一方、前記排出部体6上には、脱水槽30が配設される。この脱水槽30の内空部31は、下方が開放され、昇降シリンダ3が駆動して、昇降ユニット5が上昇した位置(図2参照)で、脱水槽30の下端周囲に、周枠8が当接し、内空部31が液封状態となる。脱水槽30の上面には、供給口32と、エアー口33とが形成されている。また内空部31の内部には、被処理液の供給圧が濾過帯25及び単位濾過領域Fに均一に作用するように、邪魔板35が配設されている。
【0017】
ここで昇降シリンダ3のロッド4の最上昇位置と、最下降位置はリミットスイッチLS1 ,LS2 により規定される(図4参照)。また、前記供給口32には、ポンプ41,電磁バルブ42が介装された供給管40が接続される。該供給管40は被処理液の貯留槽43と接続される。さらには、前記エアー口33には、エアーバルブ45により開閉制御されるエアー供給管46が接続され、圧力空気が前記エアーバルブ45の開放作動により圧入される。
【0018】
上述した、前記濾材給送装置16による濾過帯25の間欠往復走行制御、昇降シリンダ3の昇降制御及び濾過工程制御は、シーケンサー,中央制御装置等からなる走行制御手段により制御され、被処理物は連続的に濾過処理されてゆく。かかる制御態様を説明する。
【0019】
まず、昇降ユニット5が下降位置(図1,3参照)となるように昇降シリンダ3を駆動変換して、正送モータ21を駆動し、濾過帯25の単位濾過領域Fを排水面10上(濾過位置イ)に配置する。然る後に、昇降シリンダ3を駆動し、昇降ユニット5に伴って排出部体6及び濾材給送装置16を一体的に上昇させ、図2で示すように、脱水槽30の内空部31の開口を濾過帯25及び排水面10で遮蔽する。次に、ポンプ41を駆動し、貯留槽43内の液を、供給管40及び供給口32を介して内空部31内に圧入する。内空部31内に被処理液を充填し、さらに圧送すると、濾過帯25を透過した液が排水面10から排出管11側へ排出する。ここで、前記単位濾過領域Fとは、排水面10上を覆う長さ領域をいい、図5で示すように、濾過帯25は、単位濾過領域Fが連続して形成されたものと考えることができる。
【0020】
濾過帯25の単位濾過領域Fに目詰まりがないと、かかる圧力を加えた場合に、液分が濾過帯25を透過するため、内空部31の内圧の上昇は緩徐となる。そこで、規定時間T内に、所定圧力(例えば2kg/cm2 )に到達した場合には目詰まりを生じているとして次工程は更新作動に移行し、それ以外の場合には、再使用作動に移行するようにする。かかる目詰まり検知手段は、圧力計とタイマーとで簡易に構成され得る。ここで、規定時間Tは、ポンプ41の駆動開始から計測し、例えば20分程度等、経験的に設定する。
【0021】
次に、かかる被処理液の加圧供給が上述の規定時間T又は所定圧力となると供給を完了し、ポンプ41を駆動停止して、電磁バルブ42を閉鎖駆動すると共に、エアーバルブ45を開放し、内空部31内に圧力空気を導入する。これにより、被処理液中の液分は濾過帯25を透過して排水面10から、排出管11,排水路12を経て排出され、この排出により、内空部31内の圧力が低下する。そこで、この圧力低下を検知し、昇降シリンダ3を駆動して、排水面10を下降する。このとき、内空部31内には、濾過物(スラッジ)が充填されているから、さらに圧力空気を供給すると、内空部31内の濾過物は濾過帯25の単位濾過領域F上に落下する。そして、これにともない、正送モータ21を駆動して単位濾過領域Fを排出位置ロに移行させ、この位置で、スクレーバ29により濾過物が単位濾過領域F上から掻き取られ、回収筐40(図4参照)に収容される。
【0022】
ところで、上述したように、単位濾過領域Fに目詰まりを生じない場合には、再使用作動が実行され、逆送モータ20が駆動して、濾過帯25は逆送し、使用した単位濾過領域Fが再び排水面10上の濾過位置イに位置決めされ、上述した脱水工程が繰り返される。そして、この工程は、上述したように、規定時間T内に圧力が所定圧力にならない場合には、反復して繰り返される。
【0023】
そして、規定時間内に所定圧力に到達した場合には、目詰まりを生じているのであるから、更新作動に移行する。このとき、濾過帯25を可及的に連続使用するために、次に連接する単位濾過領域Fを排水面10上に位置決めされるように、逆送モータ20を駆動して、若干逆送させるようにしても良い。
【0024】
または、逆送せずに濾過位置イにある部分を、そのまま次の単位濾過領域Fとして用いても良い。すなわち、単位濾過領域Fが排出位置に移行すると、逆送せずにそのまま昇降シリンダ3を上昇駆動し、次の単位濾過領域Fを使用して脱水工程に入るようにしても良い。図5はかかる構成を前提として、単位濾過領域Fを間隔を置いて割り振ったものである。
【0025】
かかる更新作動により、新しい単位濾過領域Fが使用されることとなる。そして、再び正送モータ21による正送と、逆送モータ20による逆送とが交互に繰り返されて反復して単位濾過領域Fが使用される再使用作動となる。而して、濾過帯25は、その全面にわたって、目詰まりするまで使用されることとなり、連続走行時間が長くなると共に、ランニングコストが低廉となる。
【0026】
ここで、上述の実施例では、再使用作動を、規制時間T内に所定圧力に到達したかどうかで目詰まりの有無を検出するようにした目詰まり検知手段を採用したが、その他種々の目詰まり検知手段が適用されると共に、該目詰まり検知手段を用いないで、濾過帯の材料や、被処理液によりあらかじめ再使用作動の回数を設定するようにしても良い。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、濾過帯25を間欠可逆送行可能とし、単位濾過領域Fを所要回数、排出位置ロから濾過位置イへ逆送して脱水工程を行なう再使用工程を実行するようにし、しかる後に、次の単位濾過領域を用いて脱水工程を行なう更新作動を実行するようにしたものであるから、濾過帯25が無駄なく使用され、長時間の連続使用が可能となって、ランニングコストが低い。
【0028】
さらに、再使用作動の所要回数を、目詰まり検知手段による目詰まりの検知がなされるまでの回数としたため、各単位濾過領域Fは、実際の状態に対応して、再使用作動が行なわれるから、無理のない処理がなされる。
【0029】
さらに、目詰まり検知手段を、脱水工程において、被処理液を加圧供給した際に、規定時間以内に内圧が所定圧に到達した場合には目詰まりがあると判定するようにして構成したため、濾過工程で用いられる圧力計とタイマーとを利用するだけで検知可能となり、構成が簡易となる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の連続脱水器1の脱水槽30を縦断して示す縦断側面図であり、昇降ユニット5が下降位置にある状態を示す。
【図2】同上の縦断側面図にあって、昇降ユニット5が上昇位置にある状態を示す。
【図3】連続脱水器1の正面図である。
【図4】連続脱水器1の管路図である。
【図5】排水面10と単位濾過領域Fの関係を示す平面図である。
【符号の説明】
1 連続脱水器
3 昇降シリンダ
6 排出部体
9 周枠
10 排水面出管
16 濾材給送装置
17,18 回動軸
20 逆送モータ
21 正送モータ
23 ボビン
25 濾過帯
30 脱水槽
31 内空部
32 供給口
33 エアー口
F 単位濾過領域
Claims (2)
- 内部が被処理液の供給路と接続される脱水槽と、排水路と連通する排水面を備えた排出部体とを上下に相対的離間移動可能に配設し、脱水槽と排出部体間に濾過帯を配設して、該濾過帯の排水面を覆う単位濾過領域が、排水面上に位置する濾過位置と、濾過帯上の濾過物が排出される排出位置とに間欠走行するようにし、濾過位置で濾過帯を介して排水面を脱水槽で覆って、供給路から脱水槽内に供給した被処理液の液分を濾過帯を透過して脱水処理を行なうようにしてなる連続脱水器において、
前記濾過帯を間欠往復走行する間欠駆動手段と、該間欠駆動手段により排出位置に到来した単位濾過領域を濾過位置へ逆送して、該濾過位置で脱水工程を行なう再使用作動を所要回数実行し、その後に次の単位濾過領域が濾過位置に来ると脱水工程を行なう更新作動を実行する走行制御手段とを備え、
走行制御手段の制御内容にあって、再使用作動の所要回数を、目詰まり検知手段による目詰まりの検知がなされるまでの回数とすると共に、前記目詰まり検知手段を、脱水工程において、被処理液を加圧供給した際に、規定時間以内に内圧が所定圧に到達した場合には目詰まりがあると判定するようにして構成したものであることを特徴とする連続脱水器。 - 前記間欠駆動手段を、濾過帯の両端を、逆送モータに連係された供給側巻取りボビンと、正送モータに連係された回収側巻取りボビンに夫々巻回し、単位濾過領域が濾過位置から排出位置へ移行させる場合には、前記正送モータを所定量駆動させ、単位濾過領域が排出位置から濾過位置へ移行させる場合には、前記逆送モータを所定量駆動させることにより、前記濾過帯を間欠可逆送行させるようにして構成したことを特徴とする請求項1記載の連続脱水器。
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JP11411698A Expired - Lifetime JP4009007B2 (ja) | 1998-04-08 | 1998-04-08 | 連続脱水器 |
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Cited By (2)
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US11976035B2 (en) | 2019-06-12 | 2024-05-07 | Nouryon Chemicals International B.V. | Process for the production of diacyl peroxides |
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1998
- 1998-04-08 JP JP11411698A patent/JP4009007B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
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