JP4008686B2 - テクスチャ編集装置、テクスチャ編集システムおよび方法 - Google Patents

テクスチャ編集装置、テクスチャ編集システムおよび方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、実在する建物や看板、門などの建造物に対応して作成された3次元モデルの正面にテクスチャ情報を貼り合わせて仮想3次元都市空間の構築を支援するためのテクスチャ編集装置、テクスチャ編集システムおよび方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建物の3次元モデルへの写真テクスチャの貼り付けでは、建物の撮影および建物写真と3次元モデルとの対応付け、建物写真のテクスチャ加工、3次元モデルへのテクスチャ貼り付けの順序で作業が行われる。従来例としては、文献「“景観シミュレーションのための対話的建物形状入力”(川村和也、他、情報処理学会第57回全国大会論文集5P-5、pp.2-181〜2-182)」や、文献「“都市景観用テクスチャ作成と画像処理における作業効率の検討”(宮嶋賢、他、情報処理学会第56回全国大会論文集3R-8、pp.2-299〜2-300)」などの例を挙げることができる。
【0003】
これらの従来手法では、3次元モデルに対応した建物の側面を複数の角度からデジタルカメラで撮影し、写真の中から切り出す建物側面部分のエッジ(建物の角、または縁)を指定して切り出し、建物の側面形状に合わせた変形処理を指示することによってテクスチャを整形する。テクスチャの整形においては、縦横比を指示して画像処理市販ツール(例えばPHOTOSHOP)を用いて変形する処理が一般的である。また、テクスチャの3次元建物モデルへの貼り付けは、3次元モデルの編集ツール(例えばMaya)を用い、操作員が貼り付ける面や位置を指示して貼り付けていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のテクスチャ貼り付け方法では、次のような問題がある。まず、映像と3次元モデルとのマッチングに関しては、1件づつ撮影を行う必要があるので、大きなビル群や、広範囲にわたる大量の建物の撮影が困難である。また、撮影した建物の映像と貼り付ける建物の3次元モデルとの対応付けは、操作員が内容を見て判断しなくてはならないので、撮影した建物の数が多いと、3次元モデルの建物と対応付ける画像の数も増え、管理が複雑になり、また大量の建物の3次元データに対して、対応した映像を大量の映像データの中から探すのに手間がかかる。
【0005】
また、テクスチャの加工に関しては、映像の中から建物部分の画像を切り出す操作では、操作員が映像1枚1枚について映っている建物の範囲を指示しなければならないので、建物と他の物体の重なりがある場合に、重なり部分の建物側面のテクスチャは再現できない。
【0006】
テクスチャの変形に関しては、映像の中に映っている建物の表面部分を抽出した後に建物の正面から切り出した建物部分の画像は、斜めに傾いていたり台形形状になっている。これを建物の面と同じ縦横比の形状に変形するときに、操作員が、縦横比を入力して画像編集ツールを操作しなくてはならない。このとき、3次元モデルの面の縦横比をデータの中身を調べて取得する作業も必要であるので、効率が悪い。
【0007】
遮蔽物の除去に関しては、映像から建物が映っている部分の画像を切り出した場合に、建物の前に木や駐車中の車両などの遮蔽物が映っているときは、画像編集ツールを用いて遮蔽物を消し、代わりに本来遮蔽物の後ろに見えるであろう建物の表面テクスチャと同じような色またはパターンの図柄を描かなくてはならないという面倒な作業が必要である。
【0008】
テクスチャの合成に関しては、建物が大きくて、1枚の映像には建物が入りきらない場合には、複数の映像から切り出した建物の画像を位置合わせを行いながらの試行錯誤によって貼り合わせているので、手間がかかる。
【0009】
テクスチャのつなぎ目に関しては、複数の映像から切り出した建物の画像を貼り合わせる場合に、1枚1枚の映像に映っている建物の明るさが異なるため、つなぎ目で色が違って見えるという不具合が生じる。
【0010】
テクスチャの生成に関しては、建物の3次元モデルの面のうち、貼り付け面以外の面に対応する面についてはテクスチャを貼り付けることができない。また、3次元モデルの件数と、撮影した映像に映っている建物の件数が異なっている場合はテクスチャを貼り付けることができない。
【0011】
テクスチャの貼り付けに関しては、3次元モデルへのテクスチャの貼り付けは、3次元モデル編集ツールを用いて操作員が面や頂点を指定して貼り付けるといった作業が必要になり、面倒である。
【0012】
さらに、全体に関わる問題として、3次元の建物モデルに対応した建物のテクスチャを撮影して、切り出し、加工し、貼り付ける場合に、上記複数の問題点を回避するためには、例えば対応する画像を探したり、加工したり、映像に映っている建物以外の遮蔽物を取り除いたりといった手作業が必要である。その結果、撮影した映像から3次元の建物モデルにテクスチャを貼り付けるまでに時間がかかる。
【0013】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、3次元モデル化した建物や看板の表面にテクスチャ画像を貼り付ける場合に、3次元モデルとテクスチャ画像を切り出す映像とのマッチング、切り出し、加工、遮蔽物除去など、テクスチャ画像を貼り付けるまでに行われる一連の作業が自動的に実行でき、操作員の負担を大幅に軽減できるテクスチャ編集装置、テクスチャ編集システムおよび方法を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明にかかるテクスチャ編集装置は、建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータが記憶される3次元モデル記憶手段と、入力される指定位置情報に基づき前記3次元モデル記憶手段から該当する3次元モデルを選択するモデル選択手段と、撮影した映像のファイル名、当該映像が動画像である場合にはさらにコマ番号、当該映像の撮影位置を示す経度と緯度と高度、および当該映像の撮像に関する情報で構成される撮影位置情報が記憶される撮影位置情報記憶手段と、入力される前記指定位置情報に基づき前記撮影位置情報記憶手段から該当する撮影位置情報を選択する選択手段と、撮影された静止画像と動画像の一方または双方がファイル名とともに記憶される映像記憶手段と、前記選択手段にて選択された撮影位置情報に基づき、前記モデル選択手段が選択した3次元モデルの位置が映っている映像を前記映像記憶手段から選択する映像選択手段と、前記モデル選択手段にて選択された3次元モデルの前記選択手段にて選択された撮影位置情報から得られる撮影位置から見た画像を作成して当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面を選択し、前記テクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像を前記映像選択手段にて選択された映像から切り出すテクスチャ切り出し手段とを備え、前記テクスチャ切り出し手段は、前記映像選択手段にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した前記候補点のうち、前記撮影位置が正確である場合に切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、位置情報の指定入力があると、モデル選択手段によって、該当する3次元モデル(ファイル名)が3次元モデル記憶手段から読み出され、同時に選択手段によって、当該3次元モデルの位置が映っている映像を指定する撮影位置情報が撮影位置情報記憶手段から読み出される。また、映像選択手段では、選択手段にて選択された撮影位置情報に含まれるファイル名に基づき、モデル選択手段が選択した3次元モデルの位置が映っている映像が映像記憶手段から選択される。その結果、テクスチャ切り出し手段では、モデル選択手段にて選択された3次元モデルがそのファイル名によって3次元モデル記憶手段から読み出され、また、撮影位置情報から撮影位置が取り出される。次いで、撮影位置から見た3次元モデルの画像が作成され、当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面が選択される。そして、映像選択手段にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した候補点のうち、撮影位置が正確である場合に切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択し、その選択した角位置に従って、そのテクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像が映像選択手段にて選択された映像から切り出される。これによって、撮影位置情報が示す撮影位置に誤差があっても、正確に建物部分の画像を切り出すことができる。
【0020】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集装置は、上記の発明において、前記テクスチャ画像中に映っている遮蔽物を、当該テクスチャ画像が静止画像である場合は撮影位置の異なる複数画像の重ね合わせ方式によって検出し、当該テクスチャ画像が動画像である場合は一連のコマ画像を用いて撮影位置に近い画像と遠い画像とを判別することによって検出し、当該遮蔽物を除去する遮蔽物除去手段を備えたことを特徴とする。
【0021】
この発明によれば、遮蔽物除去手段では、テクスチャ画像中、建造物の前に木や自動車などの遮蔽物が映っている場合には、その遮蔽物が静止物である場合は、重ね合わせ方式によって検出することで、その遮蔽物が移動体である場合は、カメラ撮影位置に近い方を検出することで、当該遮蔽物を除去する処理動作が行われる。
【0022】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集装置は、上記の発明において、前記テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせることで前記モデル選択手段にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像を生成するテクスチャ合成手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
この発明によれば、テクスチャ合成手段では、テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせることで、モデル選択手段にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像が自動的に生成される。
【0030】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集装置は、上記の発明において、前記テクスチャ画像を、前記モデル選択手段にて選択されたVRML形式で記述されている3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に貼り付ける処理を該VRMLのデータ内容に前記テクスチャ切り出し手段または前記テクスチャ合成手段から受け取った前記テクスチャ貼り付け面の形状を定める頂点座標値を示すテクスチャ貼り付け記述を加入して実行するテクスチャ貼り付け手段を備えたことを特徴とする。
【0031】
この発明によれば、テクスチャ貼り付け手段では、モデル選択手段にて選択された3次元モデルがVRML形式で記述されているので、当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面が曲面であっても、テクスチャ画像をテクスチャ貼り付け面に自動的に貼り付けることができる
【0032】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集システムは、撮影装置とテクスチャ編集装置とで構成されるテクスチャ編集システムであって、前記撮影装置は、移動しながら周囲の映像を取得する映像取得手段と、前記映像取得手段による撮影時の位置情報を取得する位置情報取得手段と、前記映像と前記撮影位置情報とを前記テクスチャ装置に送出する通信手段とを備え、前記テクスチャ編集装置は、建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータが記憶される3次元モデル記憶手段と、入力された指定位置情報に基づき前記3次元モデル記憶手段から該当する3次元モデルを選択するモデル選択手段と、前記撮影装置から送られてきた撮影位置情報と映像とを関連付けて記憶する関連付け手段と、入力された前記指定位置情報に基づき前記関連付け手段にて関連付けて記憶された撮影位置情報と映像の中から対応する撮影位置情報と映像とを選択する選択手段と、前記モデル選択手段にて選択された3次元モデルの前記選択手段にて選択された撮影位置情報から得られる撮影位置から見た画像を作成して当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面を選択し、前記テクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像を前記選択手段にて選択された映像から切り出すテクスチャ切り出し手段とを備え、前記テクスチャ切り出し手段は、前記映像選択手段にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した前記候補点のうち、前記撮影位置が正確である場合に切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択することを特徴とする。
【0033】
この発明によれば、撮影装置では、映像取得手段にて撮像された移動中の周囲の都市景観などの映像が映像記憶手段に蓄積される。また、映像取得手段の撮影時の位置情報が位置情報経取得手段によって取得され、それらが適宜な間隔で、通信手段によってテクスチャ編集装置に送られる。テクスチャ編集装置では、3次元モデル記憶手段に、建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータが記憶されている。また、撮影装置から送られてきた撮影位置情報および映像が関連付け手段によって関連付けされて逐一記憶される。そして、位置情報の指定がなされると、モデル選択手段によって、該当する3次元モデルが3次元モデル記憶手段から読み出され、同時に選択手段によって、当該3次元モデルの位置が映っている映像および撮影位置情報が読み出される。また、テクスチャ切り出し手段にて、モデル選択手段にて選択された3次元モデルが3次元モデル記憶手段から読み出され、また撮影位置情報から撮影位置が取り出される。次いで、撮影位置から見た3次元モデルの画像が作成され、当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面が選択される。そして、映像選択手段にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した候補点のうち、撮影位置が正確である場合に切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択し、その選択した角位置に従って、そのテクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像が映像選択手段にて選択された映像から切り出される。これによって、撮影位置情報が示す撮影位置に誤差があっても正確に建物部分の画像を切り出すことができる。
【0038】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集システムは、上記の発明において、前記テクスチャ編集装置は、前記テクスチャ画像中に映っている遮蔽物を、当該テクスチャ画像が静止画像である場合は撮影位置の異なる複数画像の重ね合わせ方式によって検出し、当該テクスチャ画像が動画像である場合は一連のコマ画像を用いて撮影位置に近い画像と遠い画像とを判別することによって検出し、当該遮蔽物を除去する遮蔽物除去手段を備えたことを特徴とする。
【0039】
この発明によれば、テクスチャ編集装置では、遮蔽物除去手段にて、テクスチャ画像中、建造物の前に木や自動車などの遮蔽物が映っている場合には、その遮蔽物が静止物である場合は、重ね合わせ方式によって検出することで、その遮蔽物が移動体である場合は、カメラ撮影位置に近い方を検出することで、当該遮蔽物を除去する処理動作が行われる。
【0040】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集システムは、上記の発明において、前記テクスチャ編集装置は、テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせることで、前記モデル選択手段にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像を生成するテクスチャ合成手段を備えたことを特徴とする。
【0041】
この発明によれば、テクスチャ編集装置では、テクスチャ合成手段にて、テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせて、モデル選択手段にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像が自動的に生成される。
【0048】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集システムは、上記の発明において、前記テクスチャ編集装置は、前記テクスチャ画像を、前記モデル選択手段にて選択されたVRML形式で記述されている3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に貼り付ける処理を、該VRMLのデータ内容に前記テクスチャ切り出し手段または前記テクスチャ合成手段から受け取った前記テクスチャ貼り付け面の形状を定める頂点座標値を示すテクスチャ貼り付け記述を加入して実行するテクスチャ貼り付け手段を備えたことを特徴とする。
【0049】
この発明によれば、テクスチャ編集装置では、テクスチャ貼り付け手段にて、テクスチャ画像が、モデル選択手段にて選択されたVRML形式で記述されている3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に、そのテクスチャ貼り付け面が曲面であっても、自動的に貼り付けられる。
【0050】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集方法は、建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータを3次元モデル記憶手段に記憶させる3次元モデル記憶工程と、入力される指定位置情報に基づき前記3次元モデル記憶手段から該当する3次元モデルを選択するモデル選択工程と、撮影した映像のファイル名、当該映像が動画像である場合にはさらにコマ番号、当該映像の撮影位置を示す経度と緯度と高度、および当該映像の撮像に関する情報で構成される撮影位置情報を撮影位置情報記憶手段に記憶させる工程と、入力される前記指定位置情報に基づき前記撮影位置情報記憶手段から該当する撮影位置情報を選択する選択工程と、撮影された静止画像と動画像の一方または双方がファイル名とともに映像記憶手段に記憶させる映像記憶工程と、前記選択工程にて選択された撮影位置情報に基づき、前記モデル選択工程にて選択された3次元モデルの位置が映っている映像を前記映像記憶手段から選択する映像選択工程と、前記モデル選択工程にて選択された3次元モデルの前記選択工程にて選択された撮影位置情報から得られる撮影位置から見た画像を作成して当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面を選択し、前記テクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像を前記映像選択工程にて選択された映像から切り出すテクスチャ切り出し工程と、を含み、前記テクスチャ切り出し工程は、前記映像選択工程にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した前記候補点のうち、前記撮影位置が正確である場合に切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択することを特徴とする。
【0051】
この発明によれば、位置情報の指定入力があると、モデル選択工程にて、該当する3次元モデル(ファイル名)が3次元モデル記憶手段から読み出され、同時に選択工程にて、当該3次元モデルの位置が映っている映像を指定する撮影位置情報が撮影位置情報記憶手段から読み出される。また、映像選択工程では、選択工程にて選択された撮影位置情報に含まれるファイル名に基づき、モデル選択工程にて選択された3次元モデルの位置が映っている映像が映像記憶手段から選択される。その結果、テクスチャ切り出し工程では、モデル選択工程にて選択された3次元モデルがそのファイル名によって3次元モデル記憶手段から読み出され、また撮影位置情報から撮影位置が取り出される。次いで、撮影位置から見た3次元モデルの画像が作成され、当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面が選択される。そして、映像選択工程にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した候補点のうち、撮影位置が正確である場合に切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択し、その選択した角位置に従って、そのテクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像が映像選択工程にて選択された映像から切り出される。これによって、撮影位置情報が示す撮影位置に誤差があっても、正確に建物部分の画像を切り出すことができる。
【0056】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集方法は、上記の発明において、前記テクスチャ画像中に映っている遮蔽物を、当該テクスチャ画像が静止画像である場合は撮影位置の異なる複数画像の重ね合わせ方式によって検出し、当該テクスチャ画像が動画像である場合は一連のコマ画像を用いて撮影位置に近い画像と遠い画像とを判別することによって検出し、当該遮蔽物を除去する遮蔽物除去工程を含むことを特徴とする。
【0057】
この発明によれば、遮蔽物除去工程では、テクスチャ画像中、建造物の前に木や自動車などの遮蔽物が映っている場合には、その遮蔽物が静止物である場合は、重ね合わせ方式によって検出することで、その遮蔽物が移動体である場合は、カメラ撮影位置に近い方を検出することで、当該遮蔽物を除去する処理動作が行われる。
【0058】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集方法は、上記の発明において、前記テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせることで前記モデル選択手段にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像を生成するテクスチャ合成工程を含むことを特徴とする。
【0059】
この発明によれば、テクスチャ合成工程では、テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせて、モデル選択工程にて選択された3次元モデルの1つの面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像が自動的に生成される。
【0066】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集方法は、上記の発明において、前記テクスチャ画像を、前記モデル選択工程にて選択されたVRML形式で記述されている3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に貼り付ける処理を該VRMLのデータ内容に前記テクスチャ切り出し工程または前記テクスチャ合成工程にて取得された前記テクスチャ貼り付け面の形状を定める頂点座標値を示すテクスチャ貼り付け記述を加入して実行するテクスチャ貼り付け工程を含むことを特徴とする。
【0067】
この発明によれば、テクスチャ貼り付け工程では、テクスチャ画像が、モデル選択手段にて選択されたVRML形式で記述されている3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に、そのテクスチャ貼り付け面が曲面であっても、自動的に貼り付けられる。
【0068】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集方法は、撮影装置とテクスチャ編集装置とで構成されるテクスチャ編集システムにおけるテクスチャ編集方法であって、前記撮影装置は、移動しながら周囲の映像を取得する映像取得工程と、前記映像取得工程での撮影時の位置情報を取得する位置情報取得工程と、前記映像と前記撮影位置情報とを前記テクスチャ装置に通信手段を介して送出する送出工程とを含み、前記テクスチャ編集装置は、建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータを3次元モデル記憶手段に記憶させる3次元モデル記憶工程と、入力された指定位置情報に基づき前記3次元モデル記憶手段から該当する3次元モデルを選択するモデル選択工程と、前記撮影装置から送られてきた撮影位置情報と映像とを関連付けて記憶する関連付け工程と、入力された前記指定位置情報に基づき前記関連付け工程にて関連付けて記憶された撮影位置情報と映像の中からと対応する撮影位置情報と映像とを選択する選択工程と、前記モデル選択工程にて選択された3次元モデルの前記選択工程にて選択された撮影位置情報から得られる撮影位置から見た画像を作成して当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面を選択し、前記テクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像を前記選択工程にて選択された映像から切り出すテクスチャ切り出し工程と含み、前記テクスチャ切り出し工程は、前記映像選択工程にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した前記候補点のうち、前記撮影位置が正確である場合に切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択することを特徴とする。
【0069】
この発明によれば、撮影装置では、映像取得工程にて撮像された移動中の周囲の都市景観の映像が映像記憶手段に蓄積される。また、映像取得工程での撮影時の経度緯度が経度緯度取得工程によって取得され、それらが適宜な間隔で、送出工程によってテクスチャ編集装置に送られる。テクスチャ編集装置では、3次元モデル記憶手段に、建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータが記憶されている。また、撮影装置から送られてきた撮影位置情報および映像が関連付け工程にて関連付けされて逐一記憶される。そして、位置情報の指定がなされると、モデル選択工程によって、該当する3次元モデルが3次元モデル記憶手段から読み出され、同時に選択工程によって、当該3次元モデルの位置が映っている映像および撮影位置情報が読み出される。また、テクスチャ切り出し工程にて、モデル選択工程にて選択された3次元モデルが3次元モデル記憶手段から読み出され、また撮影位置情報から撮影位置が取り出される。次いで、撮影位置から見た3次元モデルの画像が作成され、当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面が選択される。そして、映像選択工程にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した候補点のうち、撮影位置が正確である場合に切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出すテクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択し、その選択した角位置に従って、そのテクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像が映像選択工程にて選択された映像から切り出される。これによって、撮影位置情報が示す撮影位置に誤差があっても、正確に建物部分の画像を切り出すことができる。
【0074】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集方法は、上記の発明において、前記テクスチャ編集装置は、前記テクスチャ画像中に映っている遮蔽物を、当該テクスチャ画像が静止画像である場合は撮影位置の異なる複数画像の重ね合わせ方式によって検出し、当該テクスチャ画像が動画像である場合は一連のコマ画像を用いて撮影位置に近い画像と遠い画像とを判別することによって検出し、当該遮蔽物を除去する遮蔽物除去工程を含むことを特徴とする。
【0075】
この発明によれば、テクスチャ編集装置では、遮蔽物除去工程にて、テクスチャ画像中、建造物の前に木や自動車などの遮蔽物が映っている場合には、その遮蔽物が静止物である場合は、重ね合わせ方式によって検出することで、その遮蔽物が移動体である場合は、カメラ撮影位置に近い方を検出することで、当該遮蔽物を除去する処理動作が行われる。
【0076】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集方法は、上記の発明において、前記テクスチャ編集装置は、前記テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせることで前記モデル選択工程にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像を生成するテクスチャ合成工程を含むことを特徴とする。
【0077】
この発明によれば、テクスチャ編集装置では、テクスチャ合成工程にて、テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせ、モデル選択手段にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像が自動的に生成される。
【0084】
つぎの発明にかかるテクスチャ編集方法は、上記の発明において、前記テクスチャ編集装置は、前記テクスチャ画像を、前記モデル選択工程にて選択されたVRML形式で記述されている3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に貼り付ける処理を、該VRMLのデータ内容に前記テクスチャ切り出し工程または前記テクスチャ合成工程にて取得された前記テクスチャ貼り付け面の形状を定める頂点座標値を示すテクスチャ貼り付け記述を加入して実行するテクスチャ貼り付け工程を含むことを特徴とする。
【0085】
この発明によれば、テクスチャ編集装置では、テクスチャ貼り付け工程にて、テクスチャ画像が、モデル選択手段にて選択されたVRML形式で記述されている3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に、そのテクスチャ貼り付け面が曲面であっても、自動的に貼り付けられる。
【0086】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるテクスチャ編集装置およびテクスチャ編集方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0087】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1では、3次元モデルとテクスチャ情報である映像とのマッチングを自動的に行う場合の構成例が示されている。
【0088】
図1において、テクスチャ編集装置は、3次元モデル記憶部101と、モデル選択部102と、映像記憶部103と、撮影位置情報記憶部104と、映像選択部105と、地図記憶部106,107と、経度緯度発生部108とを備えている。
【0089】
3次元モデル記憶部101には、実在する建物、看板、門などの面を持つ構造物を3次元データで表現した3次元モデルが経度緯度と関連付けられて記憶されている。図2は、3次元モデルの一例である。図2では、直方体形状の3次元モデルが示されている。図2に示すように、3次元モデルの形状は、3つ以上の頂点座標から構成できる面によって表現されている。3次元モデルデータの座標原点は、予め設定した経度、緯度、高度で定まる3次元位置である。座標系は、東西、南北、高度のそれぞれが例えばX軸、Y軸、Z軸となるように決められている。各座標のスケールは、例えば1座標間隔が1センチメートルに相当するとしている。3次元モデルデータの記述形式は、例えばVRML(Virtual Realty Modeling Language)形式である。
【0090】
モデル選択部102は、経度緯度発生部108から入力する経度緯度109、または外部から入力される経度緯度110が示す地点に存在する建物や看板などに対応する3次元モデルを3次元モデル記憶部101から選択し、当該選択した3次元モデルのファイル名を出力する。
【0091】
映像記憶部103には、建物や看板などの3次元モデルの正面に貼り付ける図柄であるテクスチャ情報としての撮影された映像が記憶されている。この実施の形態では、実在する建物や看板、街並みなどを、狭い画角のカメラで撮影した映像(動画像、静止画像)と、全方位レンズまたは全方位ミラーを用いて撮影した視野角が360度または180度の映像(動画像、静止画像)とがファイル名を付されて記憶されている。
【0092】
図3は、映像記憶部103に記憶される映像の一例を示している。(a)は全方位レンズを建物に向けて撮影した画像の例、(b)は全方位レンズを真上に向けて撮影した画像の例である。全方位レンズを用いた撮影では、図3(a)に示すように、建物面にカメラを向けて撮影してもよく、図3(b)に示すように、レンズを真上に向けて撮影してもよい。図3(a)の例では、左右方向の画角は180度となる。また、図3(b)の例では、周囲の360度の画像が全て映っているので、画角は360度となる。
【0093】
撮影位置情報記憶部104には、映像記憶部103に記憶される映像のファイル名、その映像を撮影した位置、方向、画角などで構成される撮影位置情報が記憶されている。図4は、撮像位置情報記憶部104に記憶される撮像位置情報の構成および映像記憶部103に記憶される映像との関係を説明する図である。図4(a)に示すように、映像記憶部103に記憶される映像が、動画像である場合には、1つの動画像を構成する各コマの画像が時系列に記憶されている。1つの動画像に1つのファイル名が付され、各コマはコマ番号で識別するようになっている。図4(a)では、「コマ番号15の画像」「コマ番号16の画像」「コマ番号17の画像」が示されている。
【0094】
撮像位置情報は、図4(b)に示すように、映像と1対1対応で規定されている。静止画像に対する撮像位置情報は、映像のファイル名、撮影位置東経、撮影位置北緯、撮影位置高度、撮影方向、撮影画角で構成される。動画像に撮像位置情報は、さらに何コマ目のコマ画像であるかというコマ番号が追加されるようになっている。図4(b)では、図4(a)に示す動画像を対象にしているので、コマ番号15〜17が追加記録されている。また、図4(b)では、1つの撮像位置情報に2つのファイル名が示されている。これは、撮影位置や画角が同じであれば、一度に複数の動画ファイル名の1コマまたは複数の静止画ファイル名を対応付けていてもよいことを示している。
【0095】
ここで、撮影方向には、真北を向いた方向を基準方向として、何度東方向に向けてまたは何度西方向に向けて撮影したかという左右方向(東西方向)での角度と、水平方向を基準方向として、何度上に向けてまたは何度下に向けて撮影したかという上下方向(高度方向)での角度との2つがある。撮影画角には、カメラを向けた中心方向から左右に何度までが撮影できているかという角度と、上下に何度までが撮影できているかという角度との2つがある。また、画角と合わせて焦点距離を記述しておいてもよい。
【0096】
全方位を撮影した画像の場合、図3(a)の例では、撮影方向が定まり、画角は180度となる。図3(b)の例では、撮影方向は地上から上空へ鉛直方向であるが、東西南北方向への撮影方向を示している。したがって、図3(b)のように周囲360度が映っている場合は、撮影位置情報における撮影方向としては、方向は特に決めずに、360度映っているとして、撮影方向を記録しておく。
【0097】
映像選択部105は、経度緯度発生部108から入力する経度緯度109、または外部から入力される経度緯度110に従って撮影位置情報記憶部104を検索し、モデル選択部102で選択された3次元モデルの地理上の位置が映っている映像に対する撮影位置情報を抽出し、抽出した撮影位置情報からファイル名、または、ファイル名とコマ番号を取り出して出力する。つまり、対象映像が静止画像であればファイル名が出力され、動画像であればファイル名とコマ番号とが出力される。このとき、必要あれば撮影に関する情報も出力される。
【0098】
また、映像選択部105は、必要に応じて、ファイル名に従って静止画像を映像記憶部103から読み出して出力し、ファイル名およびコマ番号に従って動画のコマ画像を映像記憶部103から読み出して出力することも行えるようになっている。地図記憶部106には、2次元地図(市販の地図データ)が記憶されている。例えばベクトルデータによって地図が表現されている。地図記憶部107には、市販の衛星写真またはビットマップ地図が記憶されている。
【0099】
経度緯度発生部108は、操作員の手動操作によって経度緯度109を出力する機能と自動的に経度緯度109を出力する機能とを備えている。手動操作によって経度緯度109を出力する場合には、一般的な地図表示ソフトウェアが用いられる。この地図表示ソフトウェアは、操作員が住所や郵便番号、経度と緯度を入力すると、該当する地点付近の地図(2次元地図、または衛星写真、またはビットマップ形式の地図)を表示する機能を有している。そして、操作員が表示された地図上の1地点を指定すると、指定した地点の経度緯度109を表示するとともに、その経度緯度109をモデル選択部102と映像選択部105とに出力する。自動的に経度緯度109を出力する場合については後述する。
【0100】
また、図1では、経度緯度110が外部からモデル選択部102と映像選択部105とに入力する場合があることが示されている。この外部からの経度緯度110は、次の2つの方法で入力される。1つは、操作員がキーボードを操作して経度緯度110を直接入力する方法である。2つ目は、外部に存在する処理装置における地図表示ソフトウェアを用いて指定地点の経度緯度110を取得する方法である。外部から経度緯度110を取得する場合には、地図記憶部106,107と経度緯度発生部108は、不要となる。この点は、以下に示す各実施の形態において同様である。
【0101】
次に、以上のように構成されるテクスチャ編集装置の動作を説明する。まず、モデル選択部102と映像選択部105に経度緯度を与える方法を説明する。なお、ここでは、経度緯度発生部108から経度緯度109を与える場合について説明する。
【0102】
操作員は、経度緯度発生部108が備える地図表示ソフトウェアの機能を用いてテクスチャ貼り付けを行いたい地域の地図(2次元地図、衛星写真、ビットマップ地図)を表示する。操作員は、経度緯度発生部108が表示する地図上で1地点を指定する。指定する地点は、地図上で建物が建っている地点である。地図と実際の街並みは、建物の建替などで異なる場合もあるので、地図上で建物が建っていなくても道路脇で建物が建っていそうな場所を指定してもよい。地図として撮影してから日数の経っていない衛星写真を使っている場合は、実際の街並みの状況とほぼ同じであるので、衛星写真の中の建物位置を指示すればよい。
【0103】
以上は、手動で位置指定を行う場合である。操作員は、地図上の地点を指示しなくても、自動的に地図上の地点を選ぶように設定することができる。自動的に地点を選ぶ場合は、地図を画面上に表示しなくてもよい。この場合は、表示上必要とされる地図記憶部106,107は不要になる場合がある。自動的に地図上の地点を選ぶ場合としては、例えば次のような場合を示すことができる。
【0104】
まず、地図データを用いる例としては、当該地図データが予め家の存在する所の位置を含んでいるような地図データであれば、地図上の家が存在する地点を順番に選択して行く設定にするとよい。また、地図データを用いない例としては、予め映像を撮影したときにGPS衛星から取得した位置情報を経度緯度発生部108に与え、経度緯度発生部108においてそのGPSの位置情報に基づき、撮影点から撮影方向に向かい実空間のスケールで例えば10m先にある地点を自動的に選ぶように設定してもよい。さらに、3次元モデル記憶部101には、建物などの3次元モデルが既に記録されているので、経度緯度発生部108が3次元モデル記憶部101をアクセスして3次元モデル(建物)が存在する地点を順番に選ぶように設定してもよい。
【0105】
このようにして経度緯度発生部108から経度緯度109がモデル選択部102と映像選択部105に出力される。または、外部から経度緯度110がモデル選択部102と映像選択部105に入力される。
【0106】
モデル選択部102は、3次元モデル記憶部101から大量の3次元モデルのファイルを読み込み、経度緯度109または経度緯度110が指定した経度と緯度上にある建物等の3次元モデルを選択する。具体的には、モデル選択部102は、3次元モデルの座標を実際の経度緯度へ計算して換算し、経度と緯度の外接長方形の中に指定された経度緯度109または経度緯度110が入っている3次元モデルを選択する。実施の形態1では、3次元モデルが1つだけ見つかることとする。モデル選択部102は、選択した3次元モデルのファイル名を出力する。
【0107】
ここで、モデル選択部102が行う出力とは、選択したファイル名を画面表示すること、予め決めたファイル名のテキストファイルに選択したファイル名を書き込むこと、また、選択した3次元モデルを画面に表示することの少なくとも1つを意味する。3つ目の実例を挙げれば、COSMOPLAYERというソフトウェアを用いて3次元モデルを表示する例がある。
【0108】
また、選択した3次元モデルの表示では、例えば選択した3次元モデルが1件であっても、その周りの複数件の3次元モデル(建物)を合わせて表示すると、周りの3次元モデル(建物)との関係から選択した3次元モデル(建物)が分かり易くなるので、周りの複数件の3次元モデル(建物)を合わせて表示するようにしてもよい。この場合には、指定された経度緯度109または経度緯度110から予め設定した経度差以内で、かつ予め設定した緯度差以内に頂点座標のある3次元モデル(建物)を隣接した3次元モデル(建物)として選択する。
【0109】
このとき、隣接した3次元モデル(建物)は表面を白い色で表示し、指定された経度緯度109または経度緯度110にある3次元モデル(建物)は表面を青い色で表示することとする。隣接する3次元モデル(建物)のファイル名も、隣接または近くにある3次元モデル(建物)としてファイル名を画面表示するか、予め決めたファイル名のテキストファイルにファイル名を書き込むようにする。
【0110】
映像選択部105は、指定された経度緯度109または経度緯度110に基づき撮影位置情報記憶部104に記憶されている撮影位置情報を調べ、該当する位置が映っている映像のファイル名が記録されている撮影位置情報を選び出し、当該映像のファイル名を出力する。具体的には、映像選択部105では、撮影位置情報記憶部104に記憶されている全ての撮影位置情報を1つ1つ確認して該当する位置が映っている映像のファイル名を出力する。
【0111】
すなわち、映像選択部105では、まず、撮影位置情報記憶部104に記憶されている各撮影位置情報において、撮影位置の経度緯度と、指定された経度緯度109または経度緯度110とを比較する。その差が、予め設定した値以下の経度差または緯度差の撮影位置情報を候補とする。
【0112】
次に、その候補の中から指定された経度緯度109または経度緯度110が映っている動画像の1場面または静止画像を検索する。図5を参照して説明する。図5は、映像選択部105が行う撮影範囲に入っていることの確認動作を説明する図である。図5において、X軸は経度方向であり、Y軸は緯度方向である。ここでは、真北をY軸の正方向としている。XY座標の原点Gは、撮影位置でる。撮影方向Nは、原点Gから見てY軸からX軸の正方向に所定角度傾いた方向にある。
【0113】
このXY平面上において、原点Gから撮影方向Nに向かって撮影方向直線Cを引く。撮影方向直線Cは、原点で止まっており、反対方向に直線はないとする。原点Gを通り撮影方向直線Cの左右に、画角の半分の角度βだけ傾いた補助直線H1,H2を引く。このとき、撮影方向直線Cから時計回り方向にあるのが補助直線H1であり、反時計回り方向にあるのが補助直線H2であるとする。補助直線H1,H2に挟まれた範囲内に指定された経度緯度109または経度緯度110の地点Qがあるとき、この動画像の1場面または静止画像に指定された経度緯度109または経度緯度110の地点Qが映っていると判断する。図5では、地点Qは、撮影方向直線Cと左側の補助直線H2との間に存在することが示されている。
【0114】
全方位を撮影した画像のうち、図3(a)に示すように、撮影方向が定まる画像では、上記手法を用いる。一方、図3(b)に示すように、全方向が撮影方向となる画像では、指定された経度緯度109または経度緯度110は映っていると判断し、図5に示すように、原点Gから指定された経度緯度109または経度緯度110の地点Qに向けて補助直線H3を引く。そして、この補助直線H3が真北の方向から何度東方向に向いているか、または西方向に向いているかという方角を撮影範囲として撮影位置情報に追加する。図3(b)に示すような全方位を撮影した画像の場合は、指定された経度緯度109または経度緯度110に対応して、撮影位置情報に含まれる撮影方向を新たに追加するようにする。つまり、図3(b)に示すように全方位が映っているという記録と、特定の指定した地点が映っている記録とを2重に持つこととする。
【0115】
映像選択部105は、指定した地点が映っていると判断した撮影位置情報にコマ番号が無いときは、動画像ではないので、静止画像を示すファイル名を選択する。コマ番号がある場合は、動画像であるので、動画像のファイル名と合わせてコマ番号を選択する。つまり、映像選択部105は、静止画像の場合には選択したファイル名を出力し、動画像の場合にはファイル名とコマ番号とを出力する。
【0116】
ここで、映像選択部105が行う出力とは、選択したファイル名を画面表示すること、予め決めたファイル名のテキストファイルに選択したファイル名を書き込むこと、また、選択した映像を画面に表示することの少なくともいずれか1つを意味している。表示では、静止画像の場合は該当するファイル名の画像を表示し、動画像の場合は、該当するファイル名中のコマ番号で指定されたコマ画像を表示する。動画像の表示の場合は、指定されたコマ画像の前後数コマを表示してもよい。
【0117】
以上のように、実施の形態1によれば、地図上で建物のある位置またはありそうな位置を経度緯度によって指定するだけで、その位置に実在する建物をモデル化した3次元モデル(ファイル名)を選択し、同時にその建物の映っている映像(ファイル名)を選択することができる。したがって、貼り付ける3次元モデル(建物)と撮影した映像の対応付けは、操作員が内容を見て判断しなくてもよくなる。また、大量の建物の3次元データの中で、指定した位置にある建物の3次元データを探す手間が省ける。さらに、選択した位置にある建物の映像を大量の映像データの中から探す手間が不要になり、操作員の負担が大幅に軽減される。
【0118】
そして、自動的に選択された3次元モデル(建物)と映像は、正確に1対1に対応しているが、入力された経度緯度109,110の精度や3次元モデル(建物)の位置誤差によって多少のずれが生ずる。そこで、操作員が必要に応じて確認等の処理が行えるようになっている。
【0119】
例えば、映像には建物が1件だけ映っているとは限らないので、3次元モデルを表示したときに隣接する3次元モデル(建物)との形状関係が解ると、選択した3次元モデル(建物)が映像中のどの建物と対応するかが分かり易くなる。そこで、実施の形態1では、操作員が必要に応じて表示操作を行うときは、選択した3次元モデル(建物)を青色で表示し、その近辺の3次元モデル(建物)を白色で表示するようにし、3次元モデル(建物)の選択結果が視覚的に分かり易くなるようにしている。
【0120】
また、映像選択部105が選択した映像も表示できるので、本装置を用いて選択した3次元モデルが正確でなかった場合には、近くに建っている建物が選択する3次元モデルである場合も多いので、これを選択できるようにしている。具体的には、操作員が、3次元モデル(建物)と映像の双方を表示し、次のような操作が行えるようになっている。
【0121】
すなわち、操作員は、モデル選択部102が青色で表示している3次元モデル(建物)と映像選択部105が選択した映像とを見比べて、青色で表示している3次元モデル(建物)の周辺にある白色で表示している3次元モデル(建物)の形状と位置との相対関係から、検索結果の映像を貼り付けたい3次元モデル(建物)を変更したいと判断する場合には、3次元モデル(建物)の表示を行っている画面において、青く表示している3次元モデル(建物)ではなく、周辺に白色で表示している3次元モデル(建物)の中から指定したい3次元モデル(建物)をマウスで指定する。すると、操作員が指定した3次元モデル(建物)が、恰もモデル選択部102の選択結果であるかのように、3次元モデルのファイル名が出力されるようになっている。
【0122】
その結果、本装置の出力(3次元モデルのファイル名、テクスチャ情報である映像のファイル名)を受ける図示しない処理装置では、画像処理ツールソフトウェアを用いてテクスチャ画像の切り出し、加工、貼り付けが簡単に行えるようになる。すなわち、3次元モデル編集ソフトウェアを用いて、モデル選択部102の選択した3次元モデルを3次元モデル記憶部101から読み込み、映像選択部105が選択した映像(テクスチャ情報)をそのファイル名に従って映像記憶部103から読み込み、3次元モデルに貼り付けることができる。
【0123】
このとき、市販の画像編集ソフトウェアを用いて事前に映像選択部105で選択した映像からテクスチャ画像を切り抜いたり、色を変換して加工することもできる。また、本装置にて上記のように自動的に選択された映像と3次元モデルとを表示したとき、表示した3次元モデルの形状と映像に映っている建物の形状とが異なっている場合は、隣接する3次元モデル(建物)を3次元モデル編集ソフトウェアで読み込んで形状を操作員が目視確認し、最も映像に近い建物を選択し、この選択した3次元モデル(建物)に映像から切り抜いた表面画像であるテクスチャ画像を貼り付けることも行える。
【0124】
実施の形態2.
図6は、この発明の実施の形態2であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態2では、実施の形態1で示したテクスチャ編集装置の出力を受けて、自動的にテクスチャ画像の切り出し処理を行う場合の構成例が示されている。すなわち、図6に示すように、図1に示した構成において、テクスチャ切り出し部201が設けられている。映像選択部105は、選択した映像のファイル名を含む前述した撮影位置情報をテクスチャ切り出し部201に出力する。その他は、図1に示した構成と同様である。ここでは、実施の形態2に関わる部分を中心に説明する。
【0125】
図6において、テクスチャ切り出し部201は、モデル選択部102が出力するファイル名によって3次元モデル記憶部101から該当する3次元モデルを読み込み、映像選択部105が出力するファイル名によって映像記憶部103から該当する映像(テクスチャ情報)を読み込む。そして、モデル選択部102が選択した3次元モデル(建物)の正面に合わせて、映像選択部105が選択した映像から建物の表面画像であるテクスチャ部分(テクスチャ画像)を切り出す処理を行う。この実施の形態2では、テクスチャ切り出し部201は、撮影位置情報を用いて画角が180度または360度の画像からも3次元モデル(建物)のテクスチャ画像が切り出せるようになっている。
【0126】
次に、図6〜図13を参照して、テクスチャ切り出し部201の動作について説明する。なお、図7は、映像記憶部105に記憶される全方位レンズを用いて撮影した画像の説明図である。図8は、図7に示すような全方位レンズを用いて撮影した画像を狭い画角の画像に変換する方式の説明図である。図9は、図8に示す変換を行う際に用いる極座標系の説明図である。図10は、撮影位置から見た3次元モデルの画像を作成する方式の説明図である。図11は、3次元モデルの表面選択方式の説明図である。図12は、映像から建物面を切り出す方式の説明図である。図13は、エッジ抽出を用いて映像から建物面を切り出す方式の説明図である。
【0127】
モデル選択部102、映像選択部105が3次元モデルおよび映像のファイル名を選択するまでの動作は実施の形態1と同じである。実施の形態2では、映像選択部105は、映像のファイル名を含む撮影位置情報を出力する。前述したように、撮影位置情報には、映像のファイル名(映像が動画像である場合には、さらにコマ番号)の他、当該映像の撮影位置および撮影に関する情報が記録されている。
【0128】
テクスチャ切り出し部201は、検索対象となっている画像が全方位レンズで撮影した画像の場合には、図7で説明するように歪みがあるので、図8で説明する全方位レンズで撮影した画像の変換方式に従って、一旦、画角が例えば90度または60度といった狭い画角の画像に変換してから、後述するテクスチャ切り出し処理を行う。このとき、変換した後の画像の撮影方向および画角の情報は、当然変換した後の値を用いる。なお、対象画像が全方位レンズで撮影した画像ではなく、例えば画角が40度といったビデオカメラやデジタルカメラで撮影した画像の場合は、画像の変換は行わないで、直接後述するテクスチャ切り出し処理が行われる。
【0129】
図7は、全方位レンズを装着したカメラを建物に向けて撮影する場合の様子を示している。この場合には、カメラの撮影位置203から物体204を見たときに、上下左右の画角が180度の範囲まで撮影でき、図3(a)に示したような画像が得られる。
【0130】
図7において、全方位レンズを備えるカメラの撮影位置203から焦点距離(例えば8mm)205を半径とする半球のスクリーン206上に物体204の像が写る。半球のスクリーン206上の像を、撮影位置203を含み焦点距離205を半径とする円平面207上に射影した像208が物体204の撮影画像である。円平面207上に射影した像208から理解できるように、建物が映っている部分は、歪んでいるので、単純に建物のテクスチャ画像としては利用できない。
【0131】
図8において、XYZの直交3軸を定め、XY面に全方位レンズで撮影した画像が得られる半径rの円平面305を設定する。原点Oは、撮影点である。この円平面305上において、原点Oを中心として矩形配置される点S,T,U,Vが撮影された画像の頂点位置であるとする。円平面305からZ軸の正方向に向かう半径rのスクリーン半球面306を設定する。このスクリーン半球面306は、xx+yy+zz=rr,z≧0と規定される。円平面305上の点S,T,U,Vをスクリーン半球面306に射影した点をS’,T’,U’,V’とする。次に、撮影点Oとスクリーン半球面306上の点S’,T’,U’,V’とを結ぶ線が、Z軸上の任意の距離に円平面305と平行に定めたスクリーン平面307と交わる点をS”,T”,U”,V”とする。
【0132】
ここで、全方位レンズで撮影した画像中の点S,T,U,Vの色情報を、スクリーン平面307上の点S”,T”,U”,V”の値とする。これによって、全方位レンズで撮影した画像を、画角はある範囲で有限であるが、物体の像を平面上に射影した画像に変換することができる。スクリーン平面307上の点Pの位置は、図9に示すように、角度θ、φで規定する極座標で表現できる。したがって、点Sは、x=rsinθcosφ、y=rsinθsinφ、z=0、と表現できる。
【0133】
点Sにおける角度θ,φを求めた後、スクリーン半球面306上にある点S’の位置を求め、次いで撮影点Oと点S’とを結ぶ線がスクリーン平面307と交わる点S”の位置を求めることによって、点Sの色情報を点S”にコピーすることができる。他の3点についても同様である。このようにして、全方位画像のどの点であっても画角の狭いレンズで撮影した画像に変換できる。このとき、新しい画像の画角は、∠S”OT”または∠T”OU”となる。この円平面305に射影した像が全方位レンズを備えるカメラで撮影された出力画像である。
【0134】
今の例では、Z軸の正方向をカメラの向いている方向として変換しているが、半径rの球面上どの位置に向いた画像でも作成できる。すなわち、この場合には、変換したい半径rの球面上の任意位置がZ軸の正方向に向くように、図8における空間全体に回転行列をかけてしまえば、上記の手法によって画像の変換が可能である。
【0135】
以上のような画像の変換によって、図3(a)に示す全方位画像は、建物を中心として、例えば60度といった狭い画角の画像に変換できる。また、図3(b)に示す全方位画像は、撮影地点から、特定のビルの方向に向いて、例えば60度といった狭い画角の画像に変換できる。
【0136】
次に、図10〜図13を参照して、テクスチャ切り出し処理について説明する。まず、図10(a)(b)に示す手順で、選択された3次元モデルM2を撮影位置P2から見た画像を作成する。図10において、(a)は上から見た図、(b)は作成する画像の説明図である。
【0137】
図10(a)において、3次元モデルM2は、3次元座標における東西方向を経度、南北方向を緯度とした2次元空間での状態が示されている。図10(a)において、撮影位置P2から撮影画角G2の範囲を示す補助直線H21,H22を引く。撮影位置P2からの撮影方向に直交する仮想スクリーンS2の線を引く。仮想スクリーンS2の線と補助直線H21,H22と交わる点をh’,r’とする。また、3次元モデルM2の3頂点PA、PB、PCに対して撮影位置P2から直線(破線となっている)を引き、仮想スクリーンS2の線と交わる点a’,b’,c’を求める。ここで、点h’と点a’との間隔をa1とし、点a’と点b’との間隔をb1とし、点b’と点c’との間隔をc1とし、点c’と点r’との間隔をd1とする。
【0138】
図10(b)において、テクスチャ切り出し部201は、幅と高さ方向の画角の比に対応した縦横比の画像枠GWを作成し、a1:b1:c1:d1=A1:B1:C1:D1の比と同じ比になるように、画像枠GWの左端から値A1の距離に位置PA、位置PAから値B1の距離に位置PB、位置PBから値C1の距離に位置PCの点を描く。図10(b)では、真上から見た図(図10(a))を元に説明している。作成した画像中で、真横から見ても同様の操作によって位置PA,PB,PCの縦方向の座標位置を決めることができ、位置PA,PB,PCの撮影位置から映っている3次元モデルM2中の位置を求めることができる。図10(a)(b)では3点を示したが、テクスチャ切り出し部201は、全ての座標について画像中の位置を求め、撮影位置P2から見た3次元モデルM2の画像を作成する。この作成された画像を作成画像MG2と称することとする。
【0139】
次に、テクスチャ切り出し部201は、撮影位置P2から見た3次元モデルM2の作成画像MG2のうち、面が見えている部分、すなわち正面(表面)を図11に示す手順で選択する。図11において、経度、緯度、高度の3軸によって表現できる3次元空間に設定した3次元モデルM2の作成画像MG2の頂点位置に、撮影位置P2の座標位置から直線を引く。
【0140】
図11に示すように、撮影位置P2から頂点位置への直線が作成画像MG2の面と交差していない頂点A,B,C,Dによって構成できる面ABCDは、正面(表面)であると判断する。同様に、撮影位置P2から延ばした直線が作成画像MG2の面と交差する頂点E,Fと交差しない頂点A,Bによって構成できる面ADFEは正面(表面)ではないと判断する。テクスチャ切り出し部201は、このようにして、作成画像MG2の撮影位置P2から見える正面(表面)を構成する4頂点を選択する。図11の例では、この4頂点がA,B,C,Dであったことが示されている。
【0141】
図12において、(a)は画像枠と作成画像MG2との関係図、(b)は映像選択部105の選択した映像と切り出す部分画像との関係図である。図12(a)において、作成画像MG2の頂点A,B,C,Dは、上記のようにして選択された正面を構成する頂点である。テクスチャ切り出し部201は、図12(b)に示すように、映像選択部105の選択した映像から、作成画像MG2における頂点A,B,C,Dの位置に対応した位置A’,B’,C’,D’の部分画像を切り出して出力する。
【0142】
図12(a)において作成画像MG2の頂点Aを例にとれば、頂点Aの位置は、画像枠GW1の左端から右に向かった距離rで、かつ画像枠GW1の右端から左に向かった距離sであったとする。この場合、図12(b)に示すように、r:s=r’:s’で、かつr’+s’が映像選択部105の選択した映像GW2の横幅となるような位置r’,s’を求める。同様の位置決めを縦方向についても行う。つまり、t:u=t’:u’で、かつt’+u’が映像選択部105の選択した映像GW2の縦幅となるような位置t’,u’を求める。
【0143】
これによって、作成画像MG2における頂点Aに対応する映像選択部105の選択した映像GW2の中の位置A’を求めることができる。同様に、作成画像MG2における頂点B,C,Dに対応する映像選択部105の選択した映像GW2の中の位置B’,C’,D’を求めることができる。その結果、位置A’,B’,C’,D’によって囲まれる範囲を切り出し範囲KD2として部分画像を切り出すことができる。以上の切り出し処理は、撮影位置や撮影方向が正確であることを前提としている。
【0144】
次に、図13を参照して、多少のずれがあっても正確に映像選択部105の選択した映像の中の建物枠部分を切り出す手順について説明する。図13において、映像選択部105の選択した映像(図13(a))に縦方向のエッジ抽出処理(図13(b))、横方向のエッジ抽出処理(図13(c))をかける。そして、縦方向エッジの抽出結果(図13(b))の縦線と、横方向エッジの抽出結果(図13(c))の横線とを重ねて表示したときに(図13(d))、交差している点KS1および、縦エッジ、横エッジの端点が予め設定した距離よりも近い点KS2,KS3を候補として選ぶ。縦エッジ、横エッジの端点が近い点の場合、縦エッジ、横エッジの延長上の点を候補とする。次いで、候補点の中から、前述の図12の比率を用いた計算によって求めた映像選択部105の選択した映像GW2の中の頂点位置に最も近い点を選択する。
【0145】
テクスチャ切り出し部201は、切り出したひし形や台形といった四角形の部分画像をファイルとして出力し、映像選択部105の選択した映像の中の頂点位置の情報もテキストファイルとして出力する。また、テクスチャ切り出し部201は、撮影位置から3次元モデルを見たときに正面を向いている面の頂点の座標をファイルにテキスト形式で出力する。
【0146】
テクスチャ切り出し部201は、3次元モデルを表示し、撮影位置から3次元モデルを見たときに正面を向いている面の色を変えて表示してもよい。また、映像選択部105の選択した映像を表示し、テクスチャ切り出し部201が求めた切り出し範囲KD2の頂点位置を画像の上にマークで表示してもよい。このとき、操作員がマークの位置をずらすと、ずらした後の位置でテクスチャを切り出すことができるようにする。
【0147】
以上のように、実施の形態2によれば、自動的に3次元モデルの中でテクスチャを貼り付ける面を選択し、選択した3次元モデルの面(位置)が映っている映像から3次元モデルの面に対応した部分の画像だけを切り出すことができる。したがって、3次元モデル(建物)に画像から建物表面の部分画像を切り出して貼り付けるときに、画像の中から建物部分だけを切り出す位置の指定を操作員がしなくてもよくなる。
【0148】
その結果、本装置の出力(テクスチャ画像、3次元モデル)を受ける図示しない処理装置では、画像処理ツールソフトウェアを用いてテクスチャの加工、貼り付けが簡単に行えるようになる。すなわち、3次元モデル編集ソフトウェアを用いて、モデル選択部102の選択した3次元モデルを3次元モデル記憶部101から読み込み、それにテクスチャ切り出し部201で切り出した画像を貼り付けることができる。このとき、市販の画像編集ソフトウェアを用いて画像の色を変換したり形状を加工しておくこともできる。
【0149】
実施の形態3.
図14は、この発明の実施の形態3であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態3では、実施の形態2で示したテクスチャ編集装置の出力を受けて、自動的にテクスチャの加工処理(変形処理)を行う場合の構成例が示されている。すなわち、図14に示すように、図6に示した構成において、テクスチャ切り出し部201の出力を受けるテクスチャ変形部301が設けられている。テクスチャ切り出し部201の出力は、3次元モデルの正面を構成する頂点座標、および、映像選択部105が選択した映像から切り出した画像(テクスチャ画像)である。その他は、図6に示した構成と同様である。ここでは、実施の形態3に関わる部分を中心に説明する。
【0150】
図14において、テクスチャ変形部301は、テクスチャ切り出し部201の出力を受けて、3次元モデル(建物)の正面に合わせて映像(静止画像、動画像)から切り出した建物の表面画像であるテクスチャ画像の縦横比を変形する処理を行う。
【0151】
次に、図14、図15を参照して、テクスチャ変形部301の動作について説明する。なお、図15は、テクスチャ変形部301の動作説明図である。図14において、テクスチャ変形部301は、テクスチャ切り出し部201から入力する3次元モデルの正面を構成する頂点座標に基づき、当該3次元モデルの正面の縦横比を計算する。次いで、テクスチャ変形部301は、図15に示す手順で縦横比の変形処理を行う。
【0152】
図15(a)は、テクスチャ切り出し部201から入力された画像(映像選択部105が選択した映像から切り出した画像)である。この切り出された画像を画像KG3と称すれば、テクスチャ変形部301は、この画像KG3について、縦方向の辺のうち長い方の辺が垂直となるように画像全体に回転を加える(図15(b))。
【0153】
次に、テクスチャ変形部301は、回転を加えた画像KG3を縦方向に引き伸ばして外接長方形GS3の高さと一致させる(図15(c))。また、縦方向に引き伸ばした画像KG3を横方向に引き伸ばして外接長方形GS3の幅と一致させる(図15(d))。テクスチャ変形部301は、このようにして外接長方形GS3と一致させた画像KG3の縦横比を3次元モデルの正面に対応した縦横比に変換し(図15(e))、3次元モデルの正面形状に対応した形状に合わせた画像KG31を得る(図15(f))。得られた画像KG31は、ファイル名が付されて出力される。
【0154】
以上のように、実施の形態3によれば、3次元モデルの正面に対応して選択された映像(静止画像、動画像)から切り出した画像を、自動的に3次元モデルの正面形状に合わせて変形することができるので、画像から建物表面の部分を切り出して3次元モデル(建物)の正面に貼り付けるときに、操作員が画像の変形を画像編集ソフトウェアを用いて行わなくてもよくなる。
【0155】
その結果、本装置の出力(テクスチャ画像、3次元モデル)を受ける図示しない処理装置では、画像処理ツールソフトウェアを用いてテクスチャの貼り付けが簡単に行えるようになる。すなわち、3次元モデル編集ソフトウェアを用いて、モデル選択部102の選択した3次元モデルを3次元モデル記憶部101から読み込み、それにテクスチャ変形部301で変形された画像を貼り付けることができる。このとき、市販の画像編集ソフトウェアを用いて画像の色を変換しておくこともできる。
【0156】
実施の形態4.
図16は、この発明の実施の形態4であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態4では、実施の形態2で示したテクスチャ編集装置の出力を受けて、自動的にテクスチャ画像の加工処理(遮蔽物除去処理)を行う場合の構成例が示されている。すなわち、図16に示すように、図6に示した構成において、テクスチャ切り出し部201の出力を受ける遮蔽物除去部401が設けられている。テクスチャ切り出し部201の出力は、映像選択部105が選択した映像から切り出した画像(テクスチャ画像)である。その他は、図6に示した構成と同様である。ここでは、実施の形態4に関わる部分を中心に説明する。
【0157】
図16において、遮蔽物除去部401は、テクスチャ切り出し部201から入力される複数のテクスチャ画像を用いて、それらに映っている建物の表面画像であるテクスチャ画像の前に車や街路樹等の遮蔽物がある場合に、それを取り除いたテクスチャ画像を作成する処理を行う。
【0158】
次に、図16〜図20を参照して、遮蔽物除去部401の動作について説明する。なお、図17は、テクスチャ画像が静止画像である場合の遮蔽物除去方式の説明図である。図18〜図20は、テクスチャ画像が動画像である場合の遮蔽物除去方式の説明図である。各図の説明では、説明の便宜から、遮蔽物除去部401に入力されるテクスチャ画像は、大きさが同じ長方形であるとしている。
【0159】
まず、図17を参照して、テクスチャ画像が静止画像である場合の遮蔽物除去動作について説明する。この場合には、重ね合わせによる方式が用いられる。図17(a)に示す3つのテクスチャ画像TE1,TE2,TE3は、それぞれ撮影した位置が異なる静止画像であり、例えば木のような遮蔽物411,412,413が映っている。3つのテクスチャ画像TE1,TE2,TE3のそれぞれにグレースケール化処理(図17(b))を施したテクスチャ画像TE11,TE21,TE31(図17(c))に対して、排他的論理和処理(図17(d))と論理積処理(図17(e))とを施す。これによって、テクスチャ画像TE1,TE2,TE3それぞれの遮蔽物411,412,413の位置が明確になる。なお、図17(d)(e)において、点線部分は、消えて見えない部分を示している。
【0160】
図17(d)において、画像421は、テクスチャ画像TE11,TE21の排他的論理和を取った画像であり、遮蔽物411,412が消えずに残っている。画像422は、テクスチャ画像TE21,TE31の排他的論理和を取った画像であり、遮蔽物412,413が消えずに残っている。画像423は、テクスチャ画像TE11,TE31の排他的論理和を取った画像であり、遮蔽物411,413が消えずに残っている。
【0161】
図17(e)において、画像431は、画像421,423の論理積を取った画像であり、テクスチャ画像TE1に映っている遮蔽物411が消えずに残り、存在位置が明確に示されている。画像432は、画像421,422の論理積を取った画像であり、テクスチャ画像TE2に映っている遮蔽物412が消えずに残り、存在位置が明確に示されている。画像433は、画像422,423の論理積を取った画像であり、テクスチャ画像TE3に映っている遮蔽物413が消えずに残り、存在位置が明確に示されている。
【0162】
例えば、テクスチャ画像TE1に映っている遮蔽物411を除去する場合、図17(f)に示すように、遮蔽物411が存在する部分の外接長方形441の範囲を遮蔽物411があることにより建物の壁面が映っていない無効部分442とする。そして、テクスチャ画像TE3からテクスチャ画像TE1の無効部分442と同じ位置の画像443を切り出して、無効部分442に貼り付ける。このとき、テクスチャ画像TE3から切り出す画像443が、テクスチャ画像TE3における無効部分ではないことを確認しておく。
【0163】
このようにテクスチャ画像TE1の無効部分442にテクスチャ画像TE3の無効でない部分の画像443を貼り付けた画像は、建物面の遮蔽物を取り除いたテクスチャ画像となる。他のテクスチャ画像TE2,TE3についても、同様の手法によって遮蔽物412,413を除去したテクスチャ画像を得ることができる。遮蔽物除去部401では、以上の手法によって遮蔽物を除去したテクスチャ画像が取得され、出力としてファイルに書き込まれる。
【0164】
次に、図18〜図20を参照して、テクスチャ画像が動画像である場合の遮蔽物除去動作について説明する。図18は、コマ画像と評価位置との関係図である。目的の建物が映っているテクスチャ画像(動画像)には、連続する複数のコマ画像が映っている。ここでは、説明の便宜から、3つのコマ画像が適宜な時間間隔で映っている場合を説明する。
【0165】
図18では、動画像を構成するコマ画像CG1,CG2,CG3が、画像枠450の下辺側に時間T1、T2、T3の順序に従って配置されている。コマ画像CG1,CG2,CG3には、例えば車など遮蔽物451,452,453が映っている。時間T1のコマ画像CG1は、画像枠450の横方向中央から右端側よりに位置し、遮蔽物451が右端側に映っている。時間T2のコマ画像CG2は、画像枠450の横方向中央に位置し、遮蔽物452がほぼ中央に映っている。時間T3のコマ画像CG3は、画像枠450の横方向中央から左端側に位置し、遮蔽物453が左端に映っている。なお、コマ画像CG1,CG2,CG3は、予めグレースケール化または2値化しておいてもよい。
【0166】
評価位置460を示す水平方向の直線は、画像枠450の上辺からh画素だけ下がった位置に引かれている。画素数hは、操作員が任意に設定するか、または、予め設定されるようになっている。
【0167】
図19は、評価画像およびエッジ抽出処理の説明図である。図19(a)に示す評価画像は、図18において評価位置460が存在する直線上の画素を抜き出して、時間順に並べた画像である。すなわち、図19(a)に示す評価画像は、「時間T1のコマ画像CG1から切り出した部分」の画像461と、「時間T2のコマ画像CG2から切り出した部分」の画像462と、「時間T3のコマ画像CG3から切り出した部分」の画像463とで構成されている。なお、抜き出す直線上の画素数は、垂直方向は1画素であっても数画素であってもよく、予め決めた画素数としてもよい。図19(a)において、太い斜線465は、遮蔽物の軌跡線であり、両側の細い斜線467,468は、コマ画像の枠軌跡線である。
【0168】
図19(a)に示す評価画像に縦方向のエッジ抽出処理を行うと、図19(b)に示すように、評価画像470には、斜めの線471,472,473,474が出てくる。これらの線は、次のようにして特定する。このエッジ抽出結果の線として、例えば線472に注目すると、評価画像470の上端に線472が接している部分481から、1画素下にある画素を順番に辿り、評価画像470の下端に線472が接している部分482への直線を求めることで、線472を特定する。このとき、途中に交点483があった場合は、直進性の高い方向へ辿ることによって、できるだけ真っ直ぐな直線となるようにする。今の例では、評価画像470の下端に線472が接している部分482が直進性の高い端点であり、評価画像470の下端に線471が接している部分484は直進性の低い端点である。
【0169】
図20(a)では、上記のようにして特定できた直線L1,L2,L3,L4が示されている。直線L1は、線471に対応している。直線L2は、線472に対応している。直線L3は、線473に対応している。直線L4は、線474に対応している。このように、直線L1,L2,L3,L4が求まると、次に、評価画像487の横方向をX軸、縦方向をY軸としたときのXY平面における傾きの絶対値を求める。この絶対値が大きいほど、その直線はカメラの近くにある物が映っている画像の軌跡を示している。ここで、直線L1の傾きの絶対値をLA1、直線L2の傾きの絶対値をLA2、直線L3の傾きの絶対値をLA3、直線L4の傾きの絶対値をLA4とする。
【0170】
予め設定した値以下の違いは無視するならば、図20(a)からLA1=LA4、LA2=LA3、LA1<LA2となる。これは直線L2と直線L3に挟まれた部分は、直線L1と直線L4に挟まれた部分よりも手前にあることを意味している。但し、画像上の遮蔽物が画像に映っている建物の幅よりも十分狭いことを条件としている。また、建物よりも遠方の物が画面内にあまり映っていないか、評価位置の設定において、操作員がこれらの条件を満たすように設定することを前提としている。なお、評価画像中の遮蔽物の判断は、評価画像を見た操作員が評価画像上で斜めに傾く縞模様を見て傾きが大きいところが遮蔽物として判断するのでもよい。この場合は判断した位置を評価画面上で指示して遮蔽物の位置を特定するとよい。
【0171】
次に、評価画像487上の直線L2と直線L3の間が遮蔽物であるとわかった場合、評価画像487を作成した手順と逆の手順で、元画像中の遮蔽物のある部分を抽出できる。図19(a)の評価画像では、時間T2のコマ画像CG2から切り出した部分において、遮蔽物452は当該コマ画像CG2の中央付近に映っているので、時間T2で映っている部分は使えない。したがって、図20(a)の評価画像487において、時間T2のコマ画像CG2から切り出した部分に相当する水平位置線490と直線L2,L3との交点V1、V2の間の画像は使えない。
【0172】
そこで、図20(b)に示すように、時間T2における交点V1〜V2の間の部分画像を無効な部分とする。その後は、前述した図17における補完の処理(図17(f))と同様の処理を行う。この場合の補完処理では、目的の建物が映っている複数の画像(動画の各コマ画像)における無効部分のかわりに、他のコマ画像の同じ位置の画像を貼り付ける。同じ位置というのは、画像枠450が同じ大きさであるとしたときの、その画像枠450の中の位置である。動画像の画面枠の中の位置ではない。補完した画像は遮蔽物除去部401の出力としてファイルに書き込まれる。
【0173】
なお、上記した無効部分の補完処理を行う前に、建物部分のテクスチャの切り出しを実施の形態2におけるテクスチャ切り出し部201と同じように行ってもよい。また、実施の形態3で示したように、建物の面の形状に合わせてテクスチャを変形する処理をして、各コマから取り出したテクスチャ画像が同じ形状になるようにしておいてもよい。
【0174】
以上のように、実施の形態4によれば、建物の表面を撮影した映像に映っている木や自動車等の遮蔽物を自動的に除去できるので、画像から建物表面の部分を切り出して3次元モデル(建物)の正面に貼り付けるときに、操作員が画像編集ソフトウェアを用いて画像中の遮蔽物を取り除く作業を行わなくてもよくなる。
【0175】
その結果、本装置の出力(テクスチャ画像、3次元モデル)を受ける図示しない処理装置では、画像処理ツールソフトウェアを用いてテクスチャの貼り付けが簡単に行えるようになる。すなわち、3次元モデル編集ソフトウェアを用いて、モデル選択部102の選択した3次元モデルを3次元モデル記憶部101から読み込み、それに遮蔽物除去部401で遮蔽物が除去されたテクスチャ画像を貼り付けることができる。このとき、市販の画像編集ソフトウェアを用いて画像の色を変換しておくこともできる。
【0176】
なお、実施の形態4では、実施の形態2への適用例を示したが、実施の形態3のテクスチャ変形部301の出力結果に対して遮蔽物除去操作を行うようにしてもよい。
【0177】
実施の形態5.
図21は、この発明の実施の形態5であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態5では、実施の形態2で示したテクスチャ編集装置の出力を受けて、自動的にテクスチャ画像の加工処理(合成処理)を行う場合の構成例が示されている。すなわち、図21に示すように、図6に示した構成において、テクスチャ切り出し部201の出力を受けるテクスチャ合成部501が設けられている。テクスチャ切り出し部201の出力は、3次元モデルの正面を構成する頂点座標、および、映像選択部105が選択した映像から切り出したテクスチャ画像である。その他は、図6に示した構成と同様である。ここでは、実施の形態5に関わる部分を中心に説明する。
【0178】
図21において、テクスチャ合成部501は、映像選択部105によって選択された映像(静止画像、動画像)の中に、1枚の映像では1件の3次元モデル(建物)の表面が入りきらない映像がある場合に、複数の映像に映っている映像を合成して1件の3次元モデル(建物)の面に貼り付けるテクスチャ画像を作成する処理を行う。
【0179】
次に、図21〜図24を参照して、テクスチャ合成部501の動作について説明する。なお、図22は、合成対象テクスチャの説明図である。図23は、選択された3次元モデルの説明図である。図24は、合成テクスチャ画像の説明図である。
【0180】
映像選択部105は、実施の形態2で説明した動作によって、建物の映っているテクスチャ画像を検索し、図22に示すようなテクスチャ画像511,512の2枚を選択したとする。このテクスチャ画像511,512について、テクスチャ切り出し部201が切り出しを行う場合について考える。テクスチャ画像511,512は、次のようなものである。
【0181】
図22において、建物521,522は、上から見た状態を示している。テクスチャ画像511は、この建物521を撮影位置531から撮影したものである。建物521の横方向は、1400画素分あるが、撮影範囲541は建物521に対し少し左側にずれたところにあるので、撮影範囲541には建物521の左側から1200画素分が入っていて、残りの右側200画素分は入っていない。したがって、テクスチャ画像511には、画像枠551の左端側に撮影範囲541のずれた分に相当する間隔を置いた位置から、画像枠551の右端まで建物521の左側から1200画素分の建物が映っていて、残りの右側200画素分の建物は映っていない。
【0182】
また、テクスチャ画像512は、建物522を撮影位置532から撮影したものである。建物522の横方向は、1400画素分あるが、撮影範囲542は建物522に対し大きく右側にずれたところにあるので、撮影範囲542には建物522の左側から900画素分は入っておらず、残りの右側500画素分が入っている。したがって、テクスチャ画像512には、建物522の左側から900画素分の建物は映っておらず、画像枠552の左端から500画素分の領域に建物522の右側200画素分の建物が映っており、そこから画像枠552の右端までは映像は映っていない。
【0183】
テクスチャ切り出し部201は、実施の形態2で説明した動作によってテクスチャ部分を切り出すが、上記のように選択されたテクスチャ画像511,512の中に建物1件分のテクスチャ画像が映っていない。そこで、テクスチャ切り出し部201では、まず、実施の形態2で説明したように、3次元モデル(建物)の正面を選択し、モデル選択部102から図23に示すような3次元モデルの正面を構成する頂点座標A,B,C,Dを取得する。図23において、取得した3次元モデルの正面の縦横比は2:7であるとする。
【0184】
次に、テクスチャ切り出し部201は、実施の形態2で説明した手法によってテクスチャ画像511の中から頂点ABCDに対応する点を求める。しかし、テクスチャ画像511では、頂点A,Bに対応した頂点A’、B’の2点しか見つからない。頂点C、Dに対応する点は、テクスチャ画像511の右外側の位置CX,DXとなる。頂点A’と位置DXとを結ぶ線、頂点B’と位置CXとを結ぶ線がテクスチャ画像511の右端と交わる点をC”,D”とすると、A’B’C”D”で囲まれる面が利用できる面である。これを切り出しテクスチャ合成部501に出力する。図22の例では、A’D”、B’C”がそれぞれ1200画素であり、A’B’およびC”D”が400画素である。3次元モデルの縦横比率が2:7である場合、横方向は1400画素中1200画素が映っていることになる。
【0185】
同様にしてテクスチャ画像512においても全体のうちどの範囲が映っているかを求める。図22の例では、テクスチャ画像512の右端から1400画素分あるテクスチャのうち、500画素が映っている。テクスチャ切り出し部201は、これを切り出しテクスチャ合成部501に出力する。
【0186】
テクスチャ合成部501は、図24に示すように、テクスチャ画像511から切り出された1200画素×400画素の利用できる面561と、テクスチャ画像512から切り出された500画素×400画素の利用できる面562とを、貼り付ける正面の縦横比と同じになるように合成する。なお、図24では、左右の合成について示したが、上下の合成も全く同じである。また、3枚以上の画像に分かれて映っている画像についても同様である。正面から見た建物の画像のうち、右端および左端の映っていない物については、撮影した位置情報を元に撮影した映像の枠からはみ出る頂点を求めて映っているテクスチャ部分がテクスチャ画像全体のどの範囲かを判断することにより合成する。このように合成されたテクスチャ画像がテクスチャ合成部501の出力としてファイルに書き込まれる。
【0187】
以上のように、実施の形態5によれば、1枚の映像には映りきらない建物画像も、複数の画像に映っている部分部分の画像を自動的に貼り合わせて建物全体のテクスチャ画像を合成することができるので、操作員が画像編集ソフトウェアを用いて複数の画像に映っている建物部分の画像を貼り合わせなくてもよくなる。
【0188】
その結果、本装置の出力(テクスチャ画像、3次元モデル)を受ける図示しない処理装置では、画像処理ツールソフトウェアを用いてテクスチャ画像の貼り付けが簡単に行えるようになる。すなわち、3次元モデル編集ソフトウェアを用いて、モデル選択部102の選択した3次元モデルを3次元モデル記憶部101から読み込み、それにテクスチャ合成部501で合成されたテクスチャ画像を貼り付けることができる。このとき、市販の画像編集ソフトウェアを用いて画像の色を変換しておくこともできる。
【0189】
なお、実施の形態5では、実施の形態2への適用例を示したが、実施の形態3、4に対しても同様に適用できることはいうまでもない。
【0190】
実施の形態6.
図25は、この発明の実施の形態6であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態6では、実施の形態5で示したテクスチャ編集装置の出力を受けて、自動的にテクスチャ画像の加工処理(繋ぎ目の補正処理)を行う場合の構成例が示されている。すなわち、図25に示すように、図21に示した構成において、テクスチャ合成部501の出力を受けるテクスチャ補正部601が設けられている。その他は、図21に示した構成と同様である。ここでは、実施の形態6に関わる部分を中心に説明する。
【0191】
図25において、テクスチャ補正部601は、テクスチャ合成部501にて合成された各テクスチャ画像の色の違いを補正し、繋ぎ目を分かり難くする色補正処理を行う。
【0192】
次に、図25、図26を参照して、テクスチャ補正部601の動作について説明する。なお、図26は、テクスチャ補正部601が行う繋ぎ目を分かり難くする色補正処理動作の説明図である。
【0193】
テクスチャ合成部501は、実施の形態5で説明したように、複数の画像から1枚のテクスチャ画像を合成し、貼り合わせた位置情報とともに、テクスチャ補正部601に出力する(図26(a))。図26(a)では、テクスチャ画像511(図22)から切り出した部分画像611とテクスチャ画像512(図22)から切り出した部分画像612とが繋ぎ合わされ、1つのテクスチャ画像としてテクスチャ補正部601に入力する場合が示されている。合成されたテクスチャ画像は、横方向の総画素数が1400画素である。そのうち左側の1000画素分を部分画像611が分担し、右側の400画素分を部分画像612が分担している。
【0194】
部分画像611と部分画像612は、それぞれ異なる明るさになっているので、繋ぎ目で色が違って見えている。そこで、テクスチャ補正部601は、まず部分画像611と部分画像612の境界において、幅5画素の矩形領域621,622を切り出し(図26(b))、切り出した矩形領域621,622の画素をグレースケール化し(図26(c))、各画素には明暗の情報だけがあるようにする。このとき、1画素の値は、0〜255の値をもつとし、値「0」が黒で、値「255」が白となり、明るさを示すこととする。
【0195】
次に、テクスチャ補正部601は、切り出した矩形領域621,622の中の画素の値の平均を求める(図26(d))。図26の例では、部分画像611の平均値は130で、部分画像612の平均値は100であったとする。異なっているので、合成した境目部分で、明るさが異なっていることを示す。そこで、明るさが同じようになるように補正を行う。
【0196】
すなわち、テクスチャ補正部601は、明るさの低い部分画像612の各画素の値を130/100=1.3倍し、四捨五入した値を入れる(図26(e))。但し、255を超えた場合は255とする。このとき、元の画像がカラーであった場合は、各画素の各色の色要素の値を1.3倍することとする。
【0197】
次に、テクスチャ補正部601は、何も変更していない部分画像611と、部分画像612の各画素の値を1.3倍した部分画像632とを繋ぎ合わせて合成する(図26(f))。合成した画像641は、補正済みのテクスチャ画像としてファイルに書き込まれる。
【0198】
以上のように、実施の形態6によれば、複数の映像を繋ぎ合わせて建物全体のテクスチャ画像を合成したその合成境界での色の違いを自動的に修正することができるので、操作員が画像編集ソフトウェアを用いてテクスチャ画像の合成部分の色補正を行わなくてもよくなる。なお、色の相違を補正する場合を説明したが、パターンの相違を目立たなくする補正も行えるようになっている。
【0199】
その結果、本装置の出力(テクスチャ画像、3次元モデル)を受ける図示しない処理装置では、画像処理ツールソフトウェアを用いてテクスチャ画像の貼り付けが簡単に行えるようになる。すなわち、3次元モデル編集ソフトウェアを用いて、モデル選択部102の選択した3次元モデルを3次元モデル記憶部101から読み込み、それにテクスチャ補正部601で補正されたテクスチャ画像を貼り付けることができる。
【0200】
実施の形態7.
図27は、この発明の実施の形態7であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態7では、実施の形態2で示したテクスチャ編集装置の出力を受けて、自動的にテクスチャ画像の加工処理(見えない部分に貼り付けるテクスチャ画像の生成処理)を行う場合の構成例が示されている。すなわち、図27に示すように、図6に示した構成において、テクスチャ切り出し部201の出力を受ける側面テクスチャ生成部701が設けられている。その他は、図6に示した構成と同様である。ここでは、実施の形態7に関わる部分を中心に説明する。
【0201】
図27において、側面テクスチャ生成部701は、テクスチャ切り出し部201から入力されるテクスチャ画像が貼り付けられる3次元モデル(建物)のテクスチャ貼り付け面以外の面に貼り付けるテクスチャ画像を、テクスチャ切り出し部201から入力されるテクスチャ画像に基づき作成する処理を行う。
【0202】
次に、図27、図28を参照して、側面テクスチャ生成部701の動作について説明する。なお、図28は、側面テクスチャ生成部701が行う見えない部分のテクスチャ画像を生成する動作の説明図である。
【0203】
図28では、3次元モデル(建物)が、4つの側面を持つ直方体形状をしている場合が示されている。この3次元モデルは、4つの側面として、正面711と右側面712と背面713と左側面714と備えている。正面711がテクスチャ貼り付け対象面であり、他の3側面はテクスチャ貼り付け対象面になっていないとする。
【0204】
すなわち、実施の形態2で説明したテクスチャ切り出し部201は、テクスチャを貼り付けるべき3次元モデルのファイル名と、テクスチャ画像を貼り付ける正面711の頂点座標とが分かっていて、正面711に貼り付けるテクスチャ画像を切り出して出力する。正面711に貼り付けるテクスチャ画像をテクスチャ画像TG1とすれば、このテクスチャ画像TG1には、3次元モデルの右側面712や背面713、左側面714に対応する映像は映っていない。
【0205】
そこで、側面テクスチャ生成部701は、テクスチャ画像TG1から右側面712や背面713、左側面714に貼り付けるテクスチャ画像を次のようにして生成する。側面テクスチャ生成部701は、まず、テクスチャ画像TG1で使用されている色の種類を調べ、一番多く使っている色C1、2番めに使っている色C2などと特定する。多くの色を使っている場合は、近い色を選ばないように、ある程度近い色は候補に選ばないようにする。色の選択は、各画素の各色成分を示す数値によって判断する。
【0206】
次に、側面テクスチャ生成部701は、右側面712、背面713、左側面714の各頂点座標を取得し、取得した頂点座標から右側面712、背面713、左側面714それぞれの縦横比を求める。次いで、右側面712、背面713、左側面714の縦横比に合った白色のテクスチャ画像TG2,TG3,TG4をそれぞれ作成し、これらの画像の色を一番多く使っている色C1にする。次いで、これらの画像の中に、2番めに使っている色C2の色線をランダムに入れる。色線の幅は例えば全体の1/8以下、本数は縦3本以下、横5本以下というように制限を加えておいてもよい。
【0207】
側面テクスチャ生成部701は、このようして作成したテクスチャ画像TG2,TG3,TG4を右側面712用、背面713用、左側面714用のテクスチャ画像として、右側面712、背面713、左側面714の座標とともにファイルに出力する。
【0208】
以上のように、実施の形態7によれば、側面テクスチャ生成部701は、入力されたテクスチャ画像には映っていない3次元モデル(建物)の側面や裏面用のテクスチャ画像を生成することができる。その結果、本装置の出力(テクスチャ画像、3次元モデル)を受ける図示しない処理装置では、画像処理ツールソフトウェアを用いてテクスチャ画像の貼り付けが簡単に行えるようになる。すなわち、3次元モデル編集ソフトウェアを用いて、モデル選択部102の選択した3次元モデルを3次元モデル記憶部101から読み込み、入力されるテクスチャ画像を貼り付ける3次元モデルのテクスチャ貼り付け面以外の面に、側面テクスチャ生成部701で作成されたテクスチャ画像を貼り付けることができる。
【0209】
なお、実施の形態7では、実施の形態2への適用例を示したが、実施の形態3〜6に対しても同様に適用できることはいうまでもない。
【0210】
実施の形態8.
図29は、この発明の実施の形態8であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態8では、実施の形態2で示したテクスチャ編集装置の出力を受けて、自動的にテクスチャ画像の加工処理(テクスチャ画像の合成、分割)を行う場合の構成例が示されている。すなわち、図29に示すように、図6に示した構成において、テクスチャ切り出し部201の出力を受けるテクスチャ調整部801が設けられている。その他は、図6に示した構成と同様である。ここでは、実施の形態8に関わる部分を中心に説明する。
【0211】
以上説明した各実施の形態では、1回の選択操作で選択された3次元モデル(建物)と映像とは、1対1に対応しそのまま使用できる場合を説明したが、画像枠の大小関係から、3次元モデル(建物)の選択操作を複数回行う必要が生ずる場合がある。そこで、この実施の形態8では、テクスチャ切り出し部201は、選択された3次元モデル(建物)の件数が1で、選択された映像に映っている建物の件数が複数となる場合と、選択された3次元モデル(建物)の件数が複数で、選択された映像に映っている建物の件数が1となる場合とのそれぞれにおいて、対応する3次元モデル(建物)と映像とをテクスチャ調整部801に与える。テクスチャ調整部801は、選択された3次元モデル(建物)の件数と選択された映像に映っている建物の件数とが異なるときに、映像に映っている建物のテクスチャ画像を合成するか、分離することによって3次元モデル(建物)に適したテクスチャ画像を作成する処理を行うようにしている。
【0212】
次に、図29〜図34を参照して、テクスチャ切り出し部201とテクスチャ調整部801の動作について説明する。なお、図30は、選択された3次元モデル(建物)の件数が1で、選択された映像に映っている建物の件数が複数となる場合のテクスチャ切り出し部の動作説明図である。図31は、選択された3次元モデル(建物)の件数が複数で、選択された映像に映っている建物の件数が1となる場合のテクスチャ切り出し部の動作説明図である。図32は、テクスチャ調整部801が合成テクスチャ画像を作成する場合の説明図である。図33は、テクスチャ調整部801が分割テクスチャ画像を作成する場合の座標値取得説明図である。図34は、テクスチャ調整部801が分割テクスチャ画像を作成する場合の説明図である。
【0213】
まず、図30,図31を参照して、選択された3次元モデル(建物)の件数と選択された映像に映っている建物の件数とが異なる場合のテクスチャ切り出し部201の動作について説明する。図30において、選択された3次元モデル(建物)の件数が1で、選択された映像に映っている建物の件数が複数となるケースは、選択された3次元モデル(建物)の画像枠が選択された映像のそれよりも大きい場合に起こる。
【0214】
図30(a)に示す3次元モデル(建物)M5は、テクスチャ切り出し部201が図10,図11で説明した手順で選択された3次元モデル(建物)であり、候補点A”,B”,C”,D”が求められた場合を示している。また、テクスチャ切り出し部201は、映像選択部105が選択した映像に対して図12,図13で説明した処理を3次元モデル(建物)M5の画像枠の範囲内において実行し、求めた縦エッジと横エッジの交差点または近くにある頂点を候補点として求め、求めた画像の候補点と3次元モデル(建物)の候補点とを重ねる。このとき、それぞれの4つの候補点が重なり閉ループを形成すれば、3次元モデル(建物)と映像が1対1に対応している。その後は、実施の形態2で説明した処理が行われる。
【0215】
ところが、図30(b)に示すように、映像選択部105が選択した映像から候補点K1,K2,K3,K4を持つ画像TE5と、候補点K5,K6,K7,K8を持つ画像TE6と抽出できる場合、候補点A”は候補点K1と重なり、候補点B”は候補点K2と重なり、候補点C”は候補点K7と重なり、候補点D”は候補点K8と重なるが、候補点K1,K2,K7,K8は閉ループを形成しない。しかも、3次元モデル(建物)M5の4候補点による閉ループには、映像の複数の閉ループが接している。図示例では、K1−K2−K3−K4の閉ループとK5−K6−K7−K8の閉ループとが接している。
【0216】
このような場合、テクスチャ切り出し部201は、映像選択部105が選択した映像から抽出できた複数の閉ループ部分の画像をそれぞれ切り出す。図示例では、K1−K2−K3−K4の閉ループ部分の画像TE5と、K5−K6−K7−K8の閉ループ部分の画像TE6とを切り出し、候補点A”,B”,C”,D”を持つ3次元モデル(建物)M5とともに、テクスチャ調整部801に出力する。このように、テクスチャ調整部801には、1つの3次元モデル(建物)に対して複数の建物が映っている映像が入力される。
【0217】
次に、図31において、選択された3次元モデル(建物)の件数が複数で、選択された映像に映っている建物の件数が1となるケースは、選択された映像の画像枠が選択された3次元モデル(建物)のそれよりも大きい場合に起こる。図31(a)に示す3次元モデル(建物)M6は、テクスチャ切り出し部201にて図10,図11で説明した手順で選択された3次元モデル(建物)であり、候補点A”,B”,C”,D”が求められた場合を示している。図30(b)に示す画像TE7は、テクスチャ切り出し部201が映像選択部105の選択した映像に対して図12,図13で説明した処理を実行し、求めた縦エッジと横エッジの交差点または近くにある頂点を候補点として求め、切り出された画像である。
【0218】
切り出した画像TE7は、候補点K1,K2,K3,K4を持つが、横幅が3次元モデル(建物)M5よりも大きいものである場合、切り出した画像TE7の候補点と3次元モデル(建物)M6の候補点とを重ねると、図31(c)に示すように、画像TE7では、候補点K1は候補点A”と重なり、候補点K2は候補点B”と重なるが、候補点K3,K4は重なる対象がない。
【0219】
この場合には、テクスチャ切り出し部201は、モデル選択部102に対して読み出しの指示を出し、取得した1件1件の新たな3次元モデル(建物)に対し、図10,図11で説明したように、映像と同じ視点で見た画像を作成し、候補点を重ねる操作を繰り返す。その結果、図31(d)に示すように、画像TE7の候補点K3,K4と重なる候補点G”,H”を持つ3次元モデル(建物)M7が得られる。3次元モデル(建物)M7は、候補点E”,F”,G”,H”を持っている。このように、選択された1つの映像に対し複数の3次元モデル(建物)が選択され、テクスチャ調整部801に出力される。図31では、選択された1つの映像TE7に対し、2つの3次元モデル(建物)M6,M7が選択された場合が示されている。
【0220】
さて、テクスチャ調整部801では、テクスチャ切り出し部201から図30で説明した関係を持つ3次元モデル(建物)と映像が与えられた場合には、次のようにして合成テクスチャ画像を作成する。図32において、(a)は、モデル選択部102にて選択された3次元モデル(建物)の貼り付け面の形状を示している。このように、選択された3次元モデル(建物)は1件である。これに対し、(b)は、テクスチャ切り出し部201にて該当する位置にあるとして選択された映像を示し、切り出した建物範囲(画像枠)811内に2件の建物821,822が映っている。
【0221】
実施の形態2で説明したように、テクスチャ切り出し部201は、撮影位置から見た3次元モデル(建物)の画像を判断し、図11で説明したように表が映っている面を特定し、図12で説明したように建物部分を切り出す。図32(b)は、このようにして切り出されたテクスチャ画像である。テクスチャ調整部801は、図32(c)に示すように、切り出されたテクスチャ画像にエッジ抽出処理をかけ、エッジの端点、またはエッジの端点の延長線が交差する点831、エッジの交点のうちで、切り出した画像の四隅に一番近い各点を結んだ4点A,B,C、Dによってできる四角形ABCDの範囲でテクスチャ画像を切り出す。つまり、2件の建物821,822の映像を合成して1つのテクスチャ画像とする。
【0222】
このとき、元々切り出したテクスチャ画像の範囲811に建物が入りきっていないことを考慮して、切り出した画像よりも予め決められた画素数だけ上下左右に大きい画像を元の映像から切り出し、これに対して同様の切り出し処理を行ってもよい。このように切り出された画像は、2件の映像が映っているが、1件の3次元モデルに貼るためのテクスチャ画像として保存する。
【0223】
次に、テクスチャ調整部801では、テクスチャ切り出し部201から図31で説明した関係を持つ3次元モデル(建物)と映像が与えられた場合には、次のようにして分割テクスチャ画像を作成する。テクスチャ調整部801は、モデル選択部102にて選択された3次元モデル(建物)が2件ある場合には、図10で説明したような手順で、2件の3次元モデルの撮影位置から見た画像を作成し(図33,図34)、それぞれの画像におけるテクスチャ貼り付け面を特定し、テクスチャ切り出し部201にて切り出された1件の建物が映っている画像をテクスチャ画像として割り当てることを行う(図34)。
【0224】
図33は、図10(a)と同様に、選択された3次元モデルM2,M3の撮影位置P2から見た状態を上から見た図である。図10(a)と同様に、3次元モデルM2,M3は、3次元座標における東西方向を経度、南北方向を緯度とした2次元空間での状態が示されている。(a)は、撮影位置P2から見た3次元モデルM2,M3の頂点座標値を取得する説明図である。(b)は、撮影位置P2から見た3次元モデルM2,M3の間隔位置座標を取得する説明図である。
【0225】
図33(a)(b)において、撮影位置P2から撮影画角G2の範囲を示す補助直線H21,H22を引く。撮影位置P2からの撮影方向に直交する仮想スクリーンS2の線を引く。仮想スクリーンS2の線と補助直線H21,H22と交わる点をh’,r’とする。
【0226】
図33(a)において、左側の3次元モデルM2では、右側の3次元モデルM3と反対側にある頂点PAが撮影位置P2から見えている。撮影位置P2から頂点PAに線(破線となっている)を引き仮想スクリーンS2の線と交わる点a’を求める。右側の3次元モデルM3では、左側の3次元モデルM2と反対側にある頂点PB,PCが撮影位置P2から見えている。撮影位置P2から頂点PB,PCに線(破線となっている)を引き、仮想スクリーンS2の線と交わる点b’,c’を求める。ここで、点h’と点a’との間隔をa2とし、点a’と点b’との間隔をb2とし、点b’と点c’との間隔をc2とし、点c’と点r’との間隔をd2とする。
【0227】
図33(b)において、左側の3次元モデルM2と右側の3次元モデルM3とが対面する所では、3次元モデルM2の頂点PEと3次元モデルM3の頂点PFとが、撮影位置P2から見えている。撮影位置P2から頂点PE,PFに線(破線となっている)を引き、仮想スクリーンS2の線と交わる点e’,f’を求める。ここで、点h’と点e’の間隔をeとし、点e’と点f’の間隔をfとし、点f’と点r’の間隔をgとする。
【0228】
次に、図34において、テクスチャ調整部801は、幅と高さ方向の画角の比に対応した縦横比の画像枠GWを作成し、a2:b2:c2:d2=A2:B2:C2:D2の比と同じ比になるように、画像枠GWの左端から値Aの距離に位置PA、位置PAから値Bの距離に位置PB、位置PBから値Cの距離に位置PCを描く。また、e:f:g=E:F:Gの比と同じ比になるように、画像枠GWの左端からEの距離に位置PE、位置PEからFの距離に位置PFを描く。位置PFからGの距離にある位置は画像枠GWの右端となっている。このように、2件の3次元モデルM2,M3について、上から見た3次元モデルM2の頂点PA,PE、3次元モデルM3の頂点PF,PB,PC、および、3次元モデルM2,M3の間隔EFを求め、撮影位置P2から見た2件の3次元モデルM2,M3の画像を作成する。これを作成画像GM2,GM3と称することとする。
【0229】
次に、図11で説明した手順で、表に映っている面を特定する。この時点で、2つの3次元モデルM2、M3の正面が候補になっているとする。また、図12で説明したように建物部分を切り出すと、切り出した映像には1件分の建物が映っているとする。実施の形態2では、作成画像GM2の1つの面を候補とし、図11における面ABCDを正面とした。実施の形態8では、図34に示す作成画像GM2,GM3のうち、作成画像GM2の面PA−P0−PE−P1、作成画像GM3面P3−PF−P4−PBをそれぞれ正面と判断する。これらの面をここでは面SM2、面SM3とする。
【0230】
テクスチャ調整部801は、このように撮影位置から見た3次元モデルの候補が2つあった場合、テクスチャ切り出し部201が行ったように(図12、図13)、面SM2、面SM3に対応したテクスチャ画像を映像選択部105が選択した映像の中からそれぞれ切り出す。このとき、映像選択部105が選択した映像からエッジ抽出した結果の画像において、面SM2、面SM3の四隅の位置に対応したエッジの端点やエッジの交点が見つからなかった場合、図12(a)で説明した正面を向いている面の範囲を、面SM2、面SM3を含んで外接する長方形とし、面SM2、面SM3を合わせた範囲において図12、図13で説明した手順を実行して映像からテクスチャ画像を切り出す。
【0231】
このように切り出したテクスチャ画像は面SM2、面SM3の両方の建物の面を合わせた範囲のテクスチャ画像であり、改めてこのテクスチャ画像の面を面SM4とする。次に、面SM4を次のようにして分割する。すなわち、面SM2、面SM3の幅の比率が2:3であり、面SM2と面SM3の間隔が面SM2の幅の半分であるとする。また、面SM2、面SM3は正面から向かって左側が面SM2であったとする。ここでは、面SM2の幅:面SM2と面SM3の間隔:面SM3の幅=2:1:3となっている。そこで、面SM4を正面から見て左から1/3の範囲の画像を面SM2に貼るためのテクスチャ画像とし、右から半分の範囲の画像を面SM3に貼るためのテクスチャ画像として出力する。
【0232】
なお、以上は1つのテクスチャ画像を切り出した後にこれを分割する場合を説明したが、テクスチャ調整部801では、面SM2と面SM3に対応した複数のテクスチャ画像を切り出すようにしてもよい。
【0233】
以上のように、実施の形態8によれば、テクスチャ調整部801は、実際の現場を撮影した映像に映っている建物の件数と、同じ場所にある3次元モデル(建物)の件数が異なっていても、適切なテクスチャ画像を切り出すことができる。その結果、本装置の出力(テクスチャ画像、3次元モデル)を受ける図示しない処理装置では、画像処理ツールソフトウェアを用いてテクスチャ画像の貼り付けが簡単に行えるようになる。すなわち、3次元モデル編集ソフトウェアを用いて、モデル選択部102の選択した複数の3次元モデルを3次元モデル記憶部101から読み込み、それにテクスチャ調整部801で分割したそれぞれのテクスチャ画像を貼り付ける。また、3次元モデル編集ソフトウェアを用いて、モデル選択部102の選択した3次元モデルを読み込み、テクスチャ調整部801で合成した2件以上の建物のテクスチャ画像を貼り付けることが行えるようになる。
【0234】
なお、実施の形態8では、実施の形態2への適用例を示したが、実施の形態3〜7に対しても同様に適用できることはいうまでもない。
【0235】
実施の形態9.
図35は、この発明の実施の形態9であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。この実施の形態9では、実施の形態2で示したテクスチャ編集装置の出力を受けて、自動的にテクスチャ画像の貼り付け処理を行う場合の構成例が示されている。すなわち、図35に示すように、図6に示した構成において、テクスチャ切り出し部201の出力を受けるテクスチャ貼り付け部901が設けられている。その他は、図6に示した構成と同様である。ここでは、実施の形態9に関わる部分を中心に説明する。
【0236】
図35において、テクスチャ貼り付け部901は、テクスチャ切り出し部201にて切り出されたテクスチャ画像を3次元モデル(建物)の正面に貼り付ける処理を行う。
【0237】
次に、図35〜図37を参照して、テクスチャ貼り付け部901およびテクスチャ切り出し部201の動作について説明する。なお、図36は、テクスチャ切り出し部201がテクスチャ貼り付け面として曲面を有する3次元モデルの撮影位置から見た画像を作成する動作の説明図である。図37は、作成した3次元モデルの表面(テクスチャ貼り付け曲面)を選択する動作の説明図である。
【0238】
実施の形態2で説明した手順で、モデル選択部102は、3次元モデル(建物)を出力し、テクスチャ切り出し部201は、映像からテクスチャ画像を切り出す。テクスチャ貼り付け部901には、選択された3次元モデルと、それに貼り付けるとして切り出されたテクスチャ画像と、そのテクスチャ画像を貼り付ける3次元モデルの貼り付け面を規定する頂点座標値とが入力される。
【0239】
テクスチャ貼り付け部901は、3次元モデルがVRML形式で記述されている場合には、貼り付け面の頂点座標がわかれば、VRMLのデータ内容にテクスチャ貼り付け記述を加えるだけで貼り付け処理が実行できる。具体的には、アジソン・ウェスレイ・パブリッシャーズ・ジャパン株式会社発行の「VRML2.0ハンドブック」の194頁に記載された方法を用いて実現することができる。すなわち、上記ハンドブックによれば、texture Image Texture 文によりテクスチャ画像を指定し、テクスチャ貼り付け面を表現しているgeometry Index FaceSet文の面に対して、texCoord Coordinate文によって指定した範囲にテクスチャ画像を貼ることができる。
【0240】
このように、テクスチャ貼り付け部901は、3次元モデルがVRML形式で記述されている場合には、指定した頂点座標により構成された表面に指定するテクスチャ画像を貼り付けることができる。また、テクスチャ貼り付け部901は、VRML形式であれば、テクスチャ面が平面でない場合でも、テクスチャ面の境界を示す頂点を一筆書きの要領で指定することにより、テクスチャ貼り付け面の形状を指定することや、そのテクスチャ貼り付け面へのテクスチャ画像の貼り付けを指定することも可能である。
【0241】
ところで、実施の形態2では、テクスチャ切り出し部201は、貼り付け面として、平坦な矩形範囲を選択しているように説明したが、元々、貼り付け面が曲面である場合でも、対応するテクスチャ画像が切り出せるようになっている。これによって、テクスチャ貼り付け部901は、上記したようにして、曲面にテクスチャ画像の貼り付けが行えるようになる。
【0242】
以下に、この実施の形態9に関わる部分として、テクスチャ切り出し部201が、曲面に貼り付けるテクスチャ画像の切り出しを行う動作について説明する。映像選択部105は、選択した映像のファイル名を含む撮影位置情報(図4(b))を撮影位置情報記憶部104から読み出してテクスチャ切り出し部201に出力する。
【0243】
テクスチャ切り出し部201は、実施の形態2で説明した手順で、3次元モデルの撮影位置から見た画像を作成し、テクスチャ貼り付け面である正面(表面)を特定し、次いで、特定した面が曲面である場合にはその曲面を微細な矩形状平面で表現することを行う(図36、図37)。
【0244】
図36(a)に示す3次元モデルM4は、3次元座標における東西方向を経度、南北方向を緯度とした2次元空間での状態が示されている。この3次元モデルM4の撮影位置P2から見た面(テクスチャ貼り付け面)は曲面形状をしている。図36(a)において、撮影位置P2から撮影画角G2の範囲を示す補助直線H21,H22を引く。撮影位置P2からの撮影方向に直交する仮想スクリーンS2の線を引く。仮想スクリーンS2の線と補助直線H21,H22と交わる点をh’,r’とする。また3次元モデルM4の3頂点PA,PB,PCに対して撮影位置P2から直線(破線となっている)を引き、仮想スクリーンS2の線と交わる点a’,b’,c’を求める。ここで、点h’と点a’の間隔をa3とし、点a’と点b’の間隔をb3とし、点b’と点c’の間隔をc3とし、点c’と点r’の間隔をd3とする。なお、頂点PAと頂点PBの間の曲面は、図36(b)に示すように、複数の縦に長い矩形状平面によって表現できていることとする。
【0245】
テクスチャ切り出し部201は、幅と高さ方向の画角の比に対応した縦横比の画像枠GWを作成し、a3:b3:c3:d3=A3:B3:C3:D3の比と同じ比になるように画像枠GWの左端から値A3の距離に位置PA、位置PAから値B3の距離にPB、位置PBから値C3の距離に位置PCの点を描く。このとき、位置PAと位置PBの間にある縦長の矩形領域の頂点は処理の対象としない。つまり、テクスチャ切り出し部201は、3次元モデルM4の頂点間の座標の距離を計算し、例えば位置PAから右側に向いた一定距離以内に位置PEなる頂点があるが、位置PEと反対方向の左側に向いた一定距離以内に頂点がないという点だけを処理の対象とする。さらに具体的にいえば、図36(b)において、位置PEでは、一定距離以内に位置PAと位置PFがあるが、位置PEから見て位置PAと反対方向から予め定めた角度以内の角度の方向に位置PFがあるような位置PEは処理対象としない。
【0246】
図36(b)では、真上から見た図(図36(a))を元に説明している。作成した画像中で、真横から見ても同様の操作により位置PA,PB,PCの縦方向の座標位置を決めることができ、位置PA,PB,PCの撮影位置から映っている画像中の位置を求めることができる。図36(a)(b)では3点を示したが、テクスチャ切り出し部201は、処理対象とする座標について画像中の位置を求め、撮影位置P2から見た3次元モデルM4の画像を作成する。この画像を作成画像MG4と称することとする。
【0247】
次に、テクスチャ切り出し部201は、撮影位置P2から見た3次元モデルM4の作成画像MG4のうち、面が見えている部分を図37に示す手順で選択する。図37おいて、経度、緯度、高度の3軸によって表現できる3次元空間に設定した3次元モデルM4の作成画像MG4の頂点に、撮影位置P2の座標位置から直線を引く。図37に示すように、撮影位置P2から各頂点への直線が作成画像MG4の面と交差していない頂点A,B,C,Dによって構成できる面ABCDは、正面(表面)であると判断する。同様に、撮影位置P2から延ばした直線が作成画像MG4の面と交差する頂点E,Fによって構成できる面ADFEは正面(表面)ではないと判断する。なお、この時点においても、図36(b)に示す位置PA、位置PBに対応する図37における頂点A、頂点Bの間にある曲面を表現するための複数の矩形領域を構成する頂点は処理対象としない。
【0248】
テクスチャ切り出し部201は、このようにして、作成画像MG4の中に撮影位置P2から見える正面(表面)にある面を構成する4頂点を選択する。図37の例では、この4頂点がA,B,C,Dであったことが示されている。テクスチャ切り出し部201は、実施の形態2で説明した手順によって、切り出したひし形や台形といった四角形の部分画像をファイルとして出力し、映像選択部105の選択した映像の中の頂点位置の情報もテキストファイルとして出力する。また、テクスチャ切り出し部201は、撮影位置P2から3次元モデルM4を見たときに正面を向いている面の頂点座標をファイルにテキスト形式で出力する。
【0249】
次に、正面を向いている面が曲面である場合について説明する。テクスチャ切り出し部201は、図37に示す作成画像MG4において、線AB、線BC、線CD、線DAに含まれる頂点を全て読み出し、夫々の線を構成する頂点を求める。これを図36(b)を参照して説明する。図36(b)において、テクスチャ切り出し部201が選択した面が面PA−PB−PK−PJであったとする。線PA−PBの間には、縦長の矩形状領域の頂点が複数ある。
【0250】
間にあるという判断処理は、対象位置が、位置PAから位置PBを向いて上下左右に予め定めた角度以内で、かつ位置PBよりも近い位置であり、位置PBから位置PAを向いて上下左右に予め定めた角度以内で、かつ位置PAよりも近い位置であることを調べることによって行われる。
【0251】
線PA−PB間には、位置PE、位置PF、その他の位置が存在する。同様に、線PB−PK、線PJ−PA、線PK−PJについても頂点を求める。これらの頂点だけで作成画像MG4の正面を構成する頂点であるものを選択する。例えば面PE−PF−PH−PGである。このように、テクスチャ貼り付け面が複数の面で構成される場合は、テクスチャ切り出し部201は、全ての面とその周囲の頂点の座標を出力する。
【0252】
したがって、テクスチャ貼り付け部901では、前述したVRMLのテクスチャ貼り付けの手法を用いて、モデル選択部102の選択した3次元モデルの表面に、その面が平面であるか曲面であるかを問わず、テクスチャ切り出し部201が映像から切り出した建物のテクスチャ画像を貼り付けることができる。
【0253】
以上のように、実施の形態9によれば、例えば、地図を表示した画面上の建物の位置を操作員が指示すると、地図に対応する実際の現場を撮影した映像に映っている建物のテクスチャ画像が自動的に切り出され、切り出された建物のテクスチャ画像がその建物を予めモデル化してある3次元モデルの表面に自動的に貼り付くようにすることができる。
【0254】
また、実施の形態9によれば、経度緯度発生部108において、操作員が地図上の建物のある場所を指示する動作をしないで済むようにすることができる。すなわち、例えば、経度緯度発生部108において、建物や看板などの3次元モデルデータを3次元モデル記憶部101から順番に読み込む。そして、1つの3次元モデルデータを読み込む毎にその3次元モデルデータの座標から、3次元モデルデータがモデル化している経度と緯度を求め、その経度緯度109を経度緯度発生部108の出力としてモデル選択部102と、映像選択部105とに伝えるようにする。
【0255】
この場合、経度緯度発生部108は、特に地図を表示しなくてもよく、地図を表示する場合でも、現在処理中の建物の位置を地図上に表示するだけでもよい。また、処理中の建物、処理済の建物、処理していないが対応する3次元モデルのある建物、処理をしたが対応する映像がみつからなかった建物の位置および建物の形状を地図上に随時表示してもよい。これによって、操作員は何の指示や入力を行わなくとも、3次元モデルと建物を撮影した映像があれば、自動的に建物が映っている映像から建物部分を切り出し、対応する3次元モデルに貼り付けることができる。また、処理過程を随時地図を見ながら確認することができる。
【0256】
なお、以上は、経度緯度発生部108から経度緯度109を出力する場合であるが、前述したように外部から経度緯度110を取得することによっても同様の作用、効果が得られる。また、実施の形態9では、実施の形態2への適用例を示したが、実施の形態3〜8に対しても同様に適用できることはいうまでもない。
【0257】
実施の形態10.
図38は、この発明の実施の形態10であるテクスチャ編集システムの構成を示すブロック図である。この実施の形態10では、建物や看板などの3次元モデルへのテクスチャ画像の貼り付けを実時間で可能にする構成例が示されている。
【0258】
図38に示すテクスチャ編集システムは、車載装置1001とテクスチャ編集装置1101とで構成されている。テクスチャ編集装置1101は、車載装置1001と同じ車両に搭載され有線接続されるか、あるいは事務所などの適宜な拠点に設置され無線伝送路を介して車載装置1001に接続されている。なお、図38では、出力部を含む送受信系は示されていない。
【0259】
車載装置1001は、車両から周囲都市景観の映像を取得するビデオカメラ1021と、ビデオカメラ1021にて取得された映像の編集等を行う画像キャプチャソフトウェア1022と、画像キャプチャソフトウェア1022にて編集等がなされた映像が記憶される映像記憶装置1023と、GPS衛星電波を受信して車両の現在位置を取得するGPS装置1024と、GPS装置1024の駆動や取得された位置情報から経度緯度を生成するGPS装置ドライバソフトウェア1025と、ビデオカメラ1021の撮影方向を検出できる方位センサ1026と、方位センサ1026の駆動や取得された角度情報からビデオカメラ1021の撮影方向を生成する方位センサドライバソフトウェア1027と、GPS装置ドライバソフトウェア1025が出力する経度緯度と方位センサドライバソフトウェア1027が出力する撮影方向とを含む撮影位置情報が映像記憶装置1023に記憶される映像と関連付けて記憶される撮影位置情報記憶装置1028とを備えている。
【0260】
テクスチャ編集装置1101は、都市景観の映像および撮影位置情報を車載装置1001から取得して蓄積する点を除いて、実施の形態1〜9で説明したテクスチャ編集装置の機能を有している。また、建物や看板などを3次元モデル化した3次元データが記憶される3次元モデル記憶装置1102と、2次元地図や衛星写真、ビットマップ地図などが記憶される地図記憶装置1103とは外部に抜き出して示されている。
【0261】
この構成によれば、車載装置1001を搭載した車両を走行しながら、車載装置1001で映像情報と、撮影位置および撮影方向などの撮影位置情報とを取得し、蓄積する。蓄積する過程で映像情報、撮影位置情報を随時テクスチャ編集装置1101に伝送することができる。
【0262】
テクスチャ編集装置1101は、事前に3次元モデル記憶装置1102から3次元モデルを取り込み、地図記憶装置1103から例えば2次元地図を取り込み、いつでも3次元モデルの地図上への表示ができるように用意している。したがって、車載装置1001から映像情報と位置情報が送られてくると、操作員が指定した地図上の位置において、リアルタイムに、3次元モデルと映像とのマッチング(実施の形態1)、テクスチャ画像の切り出し(実施の形態2)、変形(実施の形態3)、遮蔽物除去(実施の形態4)、合成(実施の形態5)、補正(実施の形態6)、側面テクスチャ画像生成(実施の形態7)、調整(実施の形態8)、貼り付け(実施の形態9)の一連の処理が行われ、3次元モデルへのテクスチャ画像の貼り付けが行える。これによって、町並みを撮影すると同時に、従来できなかった実時間での3次元モデル(建物)へのテクスチャ画像の貼り付けができるようになる。
【0263】
従来では、映像を撮影するスタッフが映像を撮影し、映像編集の業者が映像中の建物を探して画像枠を抜き出し、画像加工の業者が複数枚の画像枠から画像を切り出して合成し、また遮蔽物を取り除く加工を行い、3次元モデルの加工業者が建物の面にテクスチャを貼り付けるというように、複数の業者がそれぞれの過程を専門の知識を持って処理していた。それに対し、この実施の形態10によれば、複数業者によって行われていた膨大な作業が、撮影と同時に、画像や3次元モデル加工についてノウハウの無い操作員にも簡単にできるようになる。
【0264】
以上のように、実施の形態1〜10によれば、3次元モデル(建物)に対応した建物の映像(テクスチャ情報)を撮影して、切り出し、加工し、貼り付けるテクスチャ編集において、対応する画像を探したり、加工したり、映像に映っている建物以外の遮蔽物を取り除いたりといった作業を自動化することができるので、操作員の手作業による労力を大幅に低減できるようになる。
【0265】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、位置情報を指定するだけで、テクスチャ画像を貼り付ける3次元モデルと当該3次元モデルの位置が映っているテクスチャ画像となる映像との対応付けが自動的に行えるようになるので、操作員は映像を検索しないで済むようになる。そして、撮影位置情報が示す撮影位置に誤差がある場合でも、正確に建物部分の画像を切り出すことができるので、操作員は、映像に映っている建造物の部分を切り出して3次元モデルの正面に貼り付けるときに、その切り出す位置の指定操作をしないで済むようになるだけでなく、正確に建物部分の画像が映っているテクスチャ画像を得ることができる。
【0268】
つぎの発明によれば、上記の発明において、遮蔽物除去手段では、テクスチャ画像中、建造物の前に木や自動車などの遮蔽物が映っている場合には、当該遮蔽物を除去する処理動作が行われる。したがって、操作員は、映像に映っている建造物の部分を切り出して3次元モデルの正面に貼り付けるときに、画像編集ソフトウェアを用いて画像中の遮蔽物を取り除く作業をしないで済むようになる。
【0269】
つぎの発明によれば、上記の発明において、テクスチャ合成手段では、テクスチャ画像の複数個を繋ぎ合わせることで、モデル選択手段にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像が自動的に生成される。したがって、操作員は、映像に映っている建造物の部分を切り出して3次元モデルの正面に貼り付けるときに、画像編集ソフトウェアを用いて複数の画像に映っている建造物の部分画像を貼り合わせる作業をしないで済むようになる。
【0273】
つぎの発明によれば、上記の発明において、テクスチャ貼り付け手段では、モデル選択手段にて選択された3次元モデルのテクスチャ貼り付け面が曲面であっても、テクスチャ画像をその選択された3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に自動的に貼り付けることができる。したがって、操作員は、位置情報を指定するだけで、自動的に、3次元モデルのテクスチャ貼り付け面が平面であるか曲面であるかを問わず、テクスチャ画像の貼り付いた3次元モデルが得られるようになる。
【0274】
つぎの発明によれば、撮影装置では、映像取得手段にて撮像された移動中の周囲の都市景観などの映像が映像記憶手段に蓄積される。また、映像取得手段の撮影時の位置情報が位置情報取得手段によって取得され、それらが、適宜な間隔で、通信手段によってテクスチャ編集装置に送られる。テクスチャ編集装置では、3次元モデル記憶手段に、建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータが記憶されている。また、撮影装置から送られてきた撮影位置情報および映像が関連付け手段によって関連付けされて逐一記憶される。そして、位置情報の指定がなされると、モデル選択手段によって、該当する3次元モデルが3次元モデル記憶手段から読み出され、同時に選択手段によって、当該3次元モデルの位置が映っている映像および撮影位置情報が読み出される。そして、テクスチャ切り出し手段によって、撮影位置情報が示す撮影位置に誤差があっても、正確に建物部分の画像が切り出される。したがって、都市景観などの撮影と同時に実時間で、テクスチャ画像を貼り付ける3次元モデルと当該3次元モデルの位置が映っているテクスチャ画像となる映像との対応付けが行えるようになるだけでなく、正確に建物部分の画像が映っているテクスチャ画像の貼り付いた3次元モデルを得ることができる。
【0277】
つぎの発明によれば、上記の発明において、テクスチャ編集装置では、遮蔽物除去手段にて、テクスチャ画像中、建造物の前に木や自動車などの遮蔽物が映っている場合には、当該遮蔽物を除去する処理動作が行われる。したがって、都市景観などの撮影と同時に実時間で、切り出されたテクスチャ画像中の遮蔽物が自動的に除去されるので、遮蔽物のないテクスチャ画像を得ることができるようになる。
【0278】
つぎの発明によれば、上記の発明において、テクスチャ編集装置では、テクスチャ合成手段にて、テクスチャ画像の複数個を繋ぎ合わせることで、モデル選択手段にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像が自動的に生成される。したがって、都市景観などの撮影と同時に実時間で、複数のテクスチャ画像から3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる適切なテクスチャ画像を自動的に生成することができるようになる。
【0282】
つぎの発明によれば、上記の発明において、テクスチャ編集装置では、テクスチャ貼り付け手段にて、テクスチャ画像が、モデル選択手段にて選択された3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に、そのテクスチャ貼り付け面が曲面であっても、自動的に貼り付けられる。したがって、都市景観などの撮影と同時に実時間で、位置情報を指定するだけで、自動的に、3次元モデルのテクスチャ貼り付け面が平面であるか曲面であるかを問わず、テクスチャ画像の貼り付いた3次元モデルが得られるようになる。
【0283】
つぎの発明によれば、位置情報を指定するだけで、テクスチャ画像を貼り付ける3次元モデルと当該3次元モデルの位置が映っているテクスチャ画像となる映像との対応付けが自動的に行えるので、操作員は映像を検索しないで済むようになる。そして、撮影位置情報が示す撮影位置に誤差がある場合でも、正確に建物部分の画像を切り出すことができるので、操作員は、映像に映っている建造物の部分を切り出して3次元モデルの正面に貼り付けるときに、その切り出す位置の指定操作をしないで済むようになるだけでなく、正確に建物部分の画像が映っているテクスチャ画像を得ることができる。
【0286】
つぎの発明によれば、上記の発明において、遮蔽物除去工程では、テクスチャ画像中、建造物の前に木や自動車などの遮蔽物が映っている場合には、当該遮蔽物を除去する処理動作が行われる。したがって、操作員は、映像に映っている建造物の部分を切り出して3次元モデルの正面に貼り付けるときに、画像編集ソフトウェアを用いて画像中の遮蔽物を取り除く作業をしないで済むようになる。
【0287】
つぎの発明によれば、上記の発明において、テクスチャ合成工程では、テクスチャ画像の複数個を繋ぎ合わせることで、モデル選択工程にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像が自動的に生成される。したがって、操作員は、映像に映っている建造物の部分を切り出して3次元モデルの正面に貼り付けるときに、画像編集ソフトウェアを用いて複数の画像に映っている建造物の部分画像を貼り合わせる作業をしないで済むようになる。
【0291】
つぎの発明によれば、上記の発明において、テクスチャ貼り付け工程では、モデル選択工程にて選択された3次元モデルのテクスチャ貼り付け面が曲面であっても、テクスチャ画像をその選択された3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に自動的に貼り付けることができる。そのテクスチャ貼り付け面が平面であるか曲面であるかを問わず、自動的に貼り付けられる。したがって、位置情報を指定するだけで、自動的に、3次元モデルのテクスチャ貼り付け面が平面であるか曲面であるかを問わず、テクスチャ画像の貼り付いた3次元モデルが得られるようになる。
【0292】
つぎの発明によれば、撮影装置では、映像取得工程にて撮像された移動中の周囲の都市景観などの映像が映像記憶手段に蓄積される。また、映像取得工程での撮影時の位置情報が位置情報取得工程によって取得され、それらが適宜な間隔で、送出工程によってテクスチャ編集装置に送られる。テクスチャ編集装置では、3次元モデル記憶手段に、建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータが記憶されている。また、撮影装置から送られてきた撮影位置情報および映像が関連付け工程によって関連付けされて逐一記憶される。そして、位置情報の指定がなされると、モデル選択工程によって、該当する3次元モデルが3次元モデル記憶手段から読み出され、同時に選択工程によって、当該3次元モデルの位置が映っている映像および撮影位置情報が読み出される。そして、テクスチャ切り出し工程によって、撮影位置情報が示す撮影位置に誤差があっても、正確に建物部分の画像が切り出される。したがって、都市景観などの撮影と同時に実時間で、テクスチャ画像を貼り付ける3次元モデルと当該3次元モデルの位置が映っているテクスチャ画像となる映像との対応付けが行えるようになるだけでなく、正確に建物部分の画像が映っているテクスチャ画像の貼り付いた3次元モデルを得ることができる
【0295】
つぎの発明によれば、上記の発明において、テクスチャ編集装置では、遮蔽物除去工程にて、テクスチャ画像中、建造物の前に木や自動車などの遮蔽物が映っている場合には、当該遮蔽物を除去する処理動作が行われる。したがって、都市景観などの撮影と同時に実時間で、切り出されたテクスチャ画像中の遮蔽物が自動的に除去されるので、遮蔽物のないテクスチャ画像を得ることができるようになる。
【0296】
つぎの発明によれば、上記の発明において、テクスチャ編集装置では、テクスチャ合成工程にて、テクスチャ画像の複数個を繋ぎ合わせることで、モデル選択工程にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできるテクスチャ画像が自動的に生成される。したがって、都市景観などの撮影と同時に実時間で、複数のテクスチャ画像から3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる適切なテクスチャ画像を自動的に生成することができるようになる。
【0300】
つぎの発明によれば、上記の発明において、テクスチャ編集装置では、テクスチャ貼り付け工程にて、テクスチャ画像が、モデル選択手段にて選択された3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に、そのテクスチャ貼り付け面が曲面であっても、自動的に貼り付けられる。したがって、都市景観などの撮影と同時に実時間で、位置情報を指定するだけで、自動的に、3次元モデルのテクスチャ貼り付け面が平面であるか曲面であるかを問わず、テクスチャ画像の貼り付いた3次元モデルが得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す3次元モデル記憶部に記憶される3次元モデルデータの説明図である。
【図3】 図1に示す映像記憶部に記憶される映像の一例を示す図である。(a)は全方位レンズを建物に向けて撮影した画像の例、(b)は全方位レンズを真上に向けて撮影した画像の例である。
【図4】 図1に示す撮像位置情報記憶部に記憶される撮像位置情報の構成および図1に示す映像記憶部に記憶される映像との関係を説明する図である。
【図5】 図1に示す映像選択部が行う撮影範囲に入っていることの確認動作の説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態2であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。
【図7】 図6に示す映像記憶部に記憶される全方位レンズを用いて撮影した画像の説明図である。
【図8】 図7に示すような全方位レンズを用いて撮影した画像を狭い画角の画像に変換する方式の説明図である。
【図9】 図8に示す変換を行う際に用いる極座標系の説明図である。
【図10】 撮影位置から見た3次元モデルの画像を作成する方式の説明図である。
【図11】 3次元モデルの表面選択方式の説明図である。
【図12】 映像から3次元モデルの正面を切り出す方式の説明図である。
【図13】 エッジ抽出を用いて映像から建物面を切り出す方式の説明図である。
【図14】 この発明の実施の形態3であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。
【図15】 図14に示すテクスチャ変形部の動作説明図である。
【図16】 この発明の実施の形態4であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。
【図17】 図16に示す遮蔽物除去部の動作説明図である(テクスチャ画像が静止画像の場合)。
【図18】 図16に示す遮蔽物除去部の動作説明図である(テクスチャ画像が動画像の場合:コマ画像と評価位置との関係図)。
【図19】 図16に示す遮蔽物除去部の動作説明図である(テクスチャ画像が動画像の場合:評価画像およびエッジ抽出処理の説明図)。
【図20】 図16に示す遮蔽物除去部の動作説明図である(テクスチャ画像が動画像の場合:遮蔽物除去の説明図)。
【図21】 この発明の実施の形態5であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。
【図22】 図21に示すテクスチャ合成部の動作説明図である(合成対象テクスチャの説明図)。
【図23】 図21に示すテクスチャ合成部の動作説明図である(選択された3次元モデルの説明図)。
【図24】 図21に示すテクスチャ合成部の動作説明図である(合成テクスチャ画像の説明図)。
【図25】 この発明の実施の形態6であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。
【図26】 図25に示すテクスチャ補正部の動作説明図である。
【図27】 この発明の実施の形態7であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。
【図28】 図27に示す側面テクスチャ生成部の動作説明図である。
【図29】 この発明の実施の形態8であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。
【図30】 図29に示すテクスチャ切り出し部の動作説明図である(選択された3次元モデル(建物)の件数が1で、選択された映像に映っている建物の件数が複数となる場合)。
【図31】 図29に示すテクスチャ切り出し部の動作説明図である(選択された3次元モデル(建物)の件数が複数で、選択された映像に映っている建物の件数が1となる場合)。
【図32】 図29に示すテクスチャ調整部の動作説明図である(合成テクスチャ画像の作成)。
【図33】 図29に示すテクスチャ調整部の動作説明図である(分割テクスチャ画像を作成するための座標値取得)。
【図34】 図29に示すテクスチャ調整部の動作説明図である(分割テクスチャ画像の作成)。
【図35】 この発明の実施の形態9であるテクスチャ編集装置の構成を示すブロック図である。
【図36】 図35に示すテクスチャ貼り付け部の動作説明図である(撮影位置から見た3次元モデルの画像を作成する方式の説明図)。
【図37】 図35に示すテクスチャ貼り付け部の動作説明図である(3次元モデルの表面選択方式の説明図)。
【図38】 この発明の実施の形態10であるテクスチャ編集システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101 3次元モデル記憶部、102 モデル選択部、103 映像記憶部、104 撮影位置情報記憶部、105 映像選択部、106,107 地図記憶部、108 位置情報発生部、109,110 位置情報、201 テクスチャ切り出し部、301 テクスチャ変形部、401 遮蔽物除去部、501 テクスチャ合成部、601 テクスチャ補正部、701 側面テクスチャ生成部、801 テクスチャ調整部、901 テクスチャ貼り付け部、1001 撮影装置、1021 ビデオカメラ、1022 画像キャプチャソフトウェア、1023 映像記憶装置、1024 GPS装置、1025 GPS装置ドライバソフトウェア、1026 方位センサ、1027 方位センサドライバソフトウェア、1028 撮影位置情報記憶装置、1101 テクスチャ編集装置、11023次元モデル記憶装置、1103 地図記憶装置。

Claims (16)

  1. 建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータが記憶される3次元モデル記憶手段と、
    入力される指定位置情報に基づき前記3次元モデル記憶手段から該当する3次元モデルを選択するモデル選択手段と、
    撮影した映像のファイル名、当該映像が動画像である場合にはさらにコマ番号、当該映像の撮影位置および撮像に関する情報で構成される撮影位置情報が記憶される撮影位置情報記憶手段と、
    入力される前記指定位置情報に基づき前記撮影位置情報記憶手段から該当する撮影位置情報を選択する選択手段と、
    撮影された静止画像と動画像の一方または双方がファイル名とともに記憶される映像記憶手段と、
    前記選択手段にて選択された撮影位置情報に基づき、前記モデル選択手段が選択した3次元モデルの位置が映っている映像を前記映像記憶手段から選択する映像選択手段と、
    前記モデル選択手段にて選択された3次元モデルの前記選択手段にて選択された撮影位置情報から得られる撮影位置から見た画像を作成して当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面を選択し、前記テクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像を前記映像選択手段にて選択された映像から切り出すテクスチャ切り出し手段と、を備え、
    前記テクスチャ切り出し手段は、
    前記映像選択手段にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した前記候補点のうち、前記撮影位置が正確である場合に切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択する、
    ことを特徴とするテクスチャ編集装置。
  2. 前記テクスチャ画像中に映っている遮蔽物を、当該テクスチャ画像が静止画像である場合は撮影位置の異なる複数画像の重ね合わせ方式によって検出し、当該テクスチャ画像が動画像である場合は一連のコマ画像を用いて撮影位置に近い画像と遠い画像とを判別することによって検出し、当該遮蔽物を除去する遮蔽物除去手段、
    を備えたことを特徴とする請求項に記載のテクスチャ編集装置。
  3. 前記テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせることで前記モデル選択手段にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像を生成するテクスチャ合成手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のテクスチャ編集装置。
  4. 前記テクスチャ画像を、前記モデル選択手段にて選択されたVRML形式で記述されている3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に貼り付ける処理を該VRMLのデータ内容に前記テクスチャ切り出し手段または前記テクスチャ合成手段から受け取った前記テクスチャ貼り付け面の形状を定める頂点座標値を示すテクスチャ貼り付け記述を加入して実行するテクスチャ貼り付け手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のテクスチャ編集装置。
  5. 撮影装置とテクスチャ編集装置とで構成されるテクスチャ編集システムであって、
    前記撮影装置は、
    移動しながら周囲の映像を取得する映像取得手段と、
    前記映像取得手段による撮影時の位置情報を取得する位置情報取得手段と、
    前記映像と前記撮影位置情報とを前記テクスチャ装置に送出する通信手段と、を備え、
    前記テクスチャ編集装置は、
    建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータが記憶される3次元モデル記憶手段と、
    入力された指定位置情報に基づき前記3次元モデル記憶手段から該当する3次元モデルを選択するモデル選択手段と、
    前記撮影装置から送られてきた撮影位置情報と映像とを関連付けて記憶する関連付け手段と、
    入力された前記指定位置情報に基づき前記関連付け手段にて関連付けて記憶された撮影位置情報と映像の中から対応する撮影位置情報と映像とを選択する選択手段と、
    前記モデル選択手段にて選択された3次元モデルの前記選択手段にて選択された撮影位置情報から得られる撮影位置から見た画像を作成して当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面を選択し、前記テクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像を前記選択手段にて選択された映像から切り出すテクスチャ切り出し手段と、を備え、
    前記テクスチャ切り出し手段は、
    前記映像選択手段にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した前記候補点のうち、前記撮影位置が正確である場合に切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択する、
    ことを特徴とするテクスチャ編集システム。
  6. 前記テクスチャ編集装置は、
    前記テクスチャ画像中に映っている遮蔽物を、当該テクスチャ画像が静止画像である場合は撮影位置の異なる複数画像の重ね合わせ方式によって検出し、当該テクスチャ画像が動画像である場合は一連のコマ画像を用いて撮影位置に近い画像と遠い画像とを判別することによって検出し、当該遮蔽物を除去する遮蔽物除去手段、
    を備えたことを特徴とする請求項に記載のテクスチャ編集システム。
  7. 前記テクスチャ編集装置は、
    前記テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせることで、前記モデル選択手段にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像を生成するテクスチャ合成手段、
    を備えたことを特徴とする請求項5または6に記載のテクスチャ編集システム。
  8. 前記テクスチャ編集装置は、
    前記テクスチャ画像を、前記モデル選択手段にて選択されたVRML形式で記述された3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に貼り付ける処理を該VRMLのデータ内容に前記テクスチャ切り出し手段または前記テクスチャ合成手段から受け取った前記テクスチャ貼り付け面の形状を定める頂点座標値を示すテクスチャ貼り付け記述を加入して実行するテクスチャ貼り付け手段、
    を備えたことを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載のテクスチャ編集システム。
  9. 建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータを3次元モデル記憶手段に記憶させる3次元モデル記憶工程と、
    入力される指定位置情報に基づき前記3次元モデル記憶手段から該当する3次元モデルを選択するモデル選択工程と、
    撮影した映像のファイル名、当該映像が動画像である場合にはさらにコマ番号、当該映像の撮影位置および撮像に関する情報で構成される撮影位置情報を撮影位置情報記憶手段に記憶させる工程と、
    入力される前記指定位置情報に基づき前記撮影位置情報記憶手段から該当する撮影位置情報を選択する選択工程と、
    撮影された静止画像と動画像の一方または双方がファイル名とともに映像記憶手段に記憶させる映像記憶工程と、
    前記選択工程にて選択された撮影位置情報に基づき、前記モデル選択工程にて選択された3次元モデルの位置が映っている映像を前記映像記憶手段から選択する映像選択工程と、
    前記モデル選択工程にて選択された3次元モデルの前記選択工程にて選択された撮影位置情報から得られる撮影位置から見た画像を作成して当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面を選択し、前記テクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像を前記映像選択工程にて選択された映像から切り出すテクスチャ切り出し工程と、を含み、
    前記テクスチャ切り出し工程は、
    前記映像選択工程にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した前記候補点のうち、前記撮影位置が正確である場合に切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択する、
    ことを特徴とするテクスチャ編集方法。
  10. 前記テクスチャ画像中に映っている遮蔽物を、当該テクスチャ画像が静止画像である場合は撮影位置の異なる複数画像の重ね合わせ方式によって検出し、当該テクスチャ画像が動画像である場合は一連のコマ画像を用いて撮影位置に近い画像と遠い画像とを判別することによって検出し、当該遮蔽物を除去する遮蔽物除去工程、
    を含むことを特徴とする請求項に記載のテクスチャ編集方法。
  11. 前記テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせることで前記モデル選択手段にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像を生成するテクスチャ合成工程、
    を含むことを特徴とする請求項9または10に記載のテクスチャ編集方法。
  12. 前記テクスチャ画像を、前記モデル選択工程にて選択されたVRML形式で記述されている3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に貼り付ける処理を該VRMLのデータ内容に前記テクスチャ切り出し工程または前記テクスチャ合成工程にて取得された前記テクスチャ貼り付け面の形状を定める頂点座標値を示すテクスチャ貼り付け記述を加入して実行するテクスチャ貼り付け工程、
    を含むことを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載のテクスチャ編集方法。
  13. 撮影装置とテクスチャ編集装置とで構成されるテクスチャ編集システムにおけるテクスチャ編集方法であって、
    前記撮影装置は、
    移動しながら周囲の映像を取得する映像取得工程と、
    前記映像取得工程での撮影時の位置情報を取得する位置情報取得工程と、
    前記映像と前記撮影位置情報とを前記テクスチャ装置に通信手段を介して送出する送出工程と、を含み、
    前記テクスチャ編集装置は、
    建造物の面形状を定める3以上の頂点位置を地理上の位置と関連付けて規定される座標系を用いて表現した3次元モデルのデータを3次元モデル記憶手段に記憶させる3次元モデル記憶工程と、
    入力された指定位置情報に基づき前記3次元モデル記憶手段から該当する3次元モデルを選択するモデル選択工程と、
    前記撮影装置から送られてきた撮影位置情報と映像とを関連付けて記憶する関連付け工程と、
    入力された前記指定位置情報に基づき前記関連付け工程にて関連付けて記憶された撮影位置情報と映像の中から対応する撮影位置情報と映像とを選択する選択工程と、
    前記モデル選択工程にて選択された3次元モデルの前記選択工程にて選択された撮影位置情報から得られる撮影位置から見た画像を作成して当該3次元モデルのテクスチャ貼り付け面を選択し、前記テクスチャ貼り付け面に対応したテクスチャ画像を前記選択工程にて選択された映像から切り出すテクスチャ切り出し工程と、含み、
    前記テクスチャ切り出し工程は、
    前記映像選択工程にて選択された映像に縦方向および横方向のエッジ抽出処理を施し、抽出された縦エッジ画像および横エッジ画像を重ねて、端点が交差している縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線との交差端点と、所定距離以内に近接している端点を有する縦エッジ画像の縦線と横エッジ画像の横線とをそれぞれ近接端点側に延長した線上にできる交点と、のそれぞれを、切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に対する候補点として抽出し、抽出した前記候補点のうち、前記撮影位置が正確である場合に切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置に最も近い候補点を今回切り出す前記テクスチャ画像の枠形状に存する角位置として選択する、
    ことを特徴とするテクスチャ編集方法。
  14. 前記テクスチャ編集工程は、
    前記テクスチャ画像中に映っている遮蔽物を、当該テクスチャ画像が静止画像である場合は撮影位置の異なる複数画像の重ね合わせ方式によって検出し、当該テクスチャ画像が動画像である場合は一連のコマ画像を用いて撮影位置に近い画像と遠い画像とを判別することによって検出し、当該遮蔽物を除去する遮蔽物除去工程、
    を含むことを特徴とする請求項13に記載のテクスチャ編集方法。
  15. 前記テクスチャ編集工程は、
    前記テクスチャ画像の複数個を、それぞれにおける画像の映っている範囲を勘案して繋ぎ合わせることで前記モデル選択工程にて選択された3次元モデルの1つのテクスチャ貼り付け面に貼ることのできる1つのテクスチャ画像を生成するテクスチャ合成工程、
    を含むことを特徴とする請求項13または14に記載のテクスチャ編集方法。
  16. 前記テクスチャ編集工程は、
    前記テクスチャ画像を、前記モデル選択工程にて選択されたVRML形式で記述されている3次元モデルのテクスチャ貼り付け面に貼り付ける処理を該VRMLのデータ内容に前記テクスチャ切り出し工程または前記テクスチャ合成工程にて取得された前記テクスチャ貼り付け面の形状を定める頂点座標値を示すテクスチャ貼り付け記述を加入して実行するテクスチャ貼り付け工程、
    を含むことを特徴とする請求項13〜15のいずれか一つに記載のテクスチャ編集方法。
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