JP4007874B2 - 生態関連物質の検査用の反応容器およびそれに用いられるスライドチップ - Google Patents

生態関連物質の検査用の反応容器およびそれに用いられるスライドチップ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子等の生態関連物質の検査に用いられる反応容器に関し、特に、DNAマイクロアレイを用いた生態関連物質の検査に好適に適用される反応容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ヒトを含む多くの生物やイネをはじめとする多くの植物の遺伝子等の生態関連物質の解析が進められている。
【0003】
遺伝子等の生態関連物質の検査は、これまでは一般に電気泳動法により行なわれていた。電気泳動法では、検査に長い時間を必要とし、一度に行なえる検査の数も少数に限られる。
【0004】
最近では、半導体等にDNAを規則正しく配列したDNAチップあるいはDNAマイクロアレイを用いた新規な検査方法が開発されている。この新規な検査方法では、同時に複数の遺伝子等の生態関連物質を検査することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この新規な検査方法は、検査に長い時間を必要とし、再現性の良い分析結果を得ることが難しい。
【0006】
本出願人は、特願2001−232501号において、三次元DNAマイクロアレイを用いた、簡便に短時間で遺伝子を検査し得る遺伝子検査装置と遺伝子検出方法を提案している。
【0007】
この遺伝子検査では、反応液は、多孔質のフィルターを坦体とする三次元DNAマイクロアレイ(反応部)によって仕切られた液体収容部に入れられ、ポンプたとえばシリンジポンプによる加圧・減圧によって繰り返し反応部を通過させられる。これにより短時間の内に再現性良く核酸が得られる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、特願2001−395140号において、このような遺伝子等の生態関連物質の検査に好適に適用され得る反応容器を提案している。
【0009】
その反応容器は、反応容器の上面に開口した上側ウェルを規定する開口部を有する上側容器半体と、上側ウェルの下方に位置する下側ウェルを規定する開口部と、下側ウェルと外部空間を連絡する流路を規定する中空部とを有する下側容器半体と、上側容器半体と下側容器半体との間に配置されるスライドチップであって、上側ウェルと下側ウェルの間に配置される反応部を有しているスライドチップとを備えており、上側ウェルと下側ウェルと流路は共働して反応液を収容する空間を構成し、反応容器の上面に開口した上側ウェルは、反応容器の上方からの反応部の光学的な観察を可能にしている。
【0010】
スライドチップは、固相坦体と、これを間に挟んで貼り合わされる上側支持部材と下側支持部材とを備えており、上側支持部材と下側支持部材はそれぞれ上側開口部と下側開口部を有しており、これらの開口部を通して露出している固相坦体の部分が反応部を構成している。
【0011】
上側開口部と下側開口部は共に円形で同じ直径を有している。このため、大抵のスライドチップでは、上側開口部と下側開口部は、完全に合っているわけではなく、僅かながらずれている。従って、上側支持部材の上側開口部の内側に下側支持部材の一部が入り込んでいる。
【0012】
このような上側開口部と下側開口部の位置ずれは、DNAマイクロアレイとして良好に利用できる領域を低下させる。また、上側支持部材の上側開口部の内側に入り込んでいる下側支持部材の部分は、蛍光反応検出結果に悪影響を与えるおそれもある。
【0013】
本発明は、このような不具合を改善するスライドチップ向けられている。このスライドチップは、固相坦体と、これを間に挟んで貼り合わされる上側支持部材と下側支持部材とを備えており、上側支持部材と下側支持部材はそれぞれ上側開口部と下側開口部を有しており、上側開口部は下側開口部よりも小さい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0015】
反応容器100は、少なくとも一つの反応液収容部、好ましくは複数の反応液収容部、例えば図1と図2に示されるように四つの反応液収容部を有している。反応液収容部の各々は、図3に示されるように、反応容器100の上面に開口した上側ウェル152と、上側ウェル152の下方に位置する下側ウェル112と、下側ウェル112と外部空間を連絡する流路114とを有している。
【0016】
続く説明では、反応容器100は、これに限定されるわけではないが、四つの反応液収容部を有しているものとして進める。
【0017】
反応容器100は、上側ウェル152と下側ウェル112の間に配置された反応部132を更に有している。言い換えれば、上側ウェル152と下側ウェル112は反応部132によって仕切られている。
【0018】
反応容器100は、その上面に開口した上側ウェル152を有しており、このような上側ウェル152は、反応容器100の上方からの反応部132の光学的な観察を可能にしている。
【0019】
反応容器100は、上述した構造を得るため、図1に示されるように、上側ウェル152を規定する開口部を有する上側容器半体150と、下側ウェル112を規定する開口部と、流路114を規定する中空部とを有する下側容器半体110と、反応部132を備えたスライドチップ130とを有している。下側容器半体110と上側容器半体150は、例えばポリカーボネート製であり、スライドチップ130を間に挟んで、ねじ止めや接着など任意の適当な手法によって互いに固定される。
【0020】
反応容器100は、好ましくは、上側ウェル152と反応部132を液密に保つために上側容器半体150とスライドチップ130の間に設けられた上側パッキン部材と、下側ウェル112と反応部132を液密に保つために下側容器半体110とスライドチップ130の間に設けられた下側パッキン部材とを更に備えている。
【0021】
例えば、図3に示されるように、上側パッキン部材はOリング155で構成され、下側パッキン部材はOリング117で構成される。これに対応して、上側容器半体150は、上側ウェル152の周りを周回している、Oリング155を収容するリング状の溝を有している。下側容器半体110は、下側ウェル112の周りを周回している、Oリング117を収容するリング状の溝を有している。
【0022】
このような上側容器半体150とスライドチップ130の間あるいは下側容器半体110とスライドチップ130の間に設けられたパッキン部材は、ウェルの各々を液密に保ち、これにより、外部空間からの影響を遮断すると共に、ウェルの間同士の影響をも遮断する。
【0023】
上側容器半体150は、上側ウェル152を規定するためのテーパー状の貫通孔と、上側容器半体150の上面を貫通孔(上側ウェル152)から延びている溝154とを有している。
【0024】
下側容器半体110は、下側ウェル112を規定するための凹部と、凹部(下側ウェル112)と外部空間を連絡する流路114とを有している。より詳しくは、下側容器半体110は、平らな側面118を有しており、流路114は、凹部(下側ウェル112)の底面から延び、下側容器半体110の側面118で終端している。
【0025】
反応容器100は、後述するように、例えば図4に示される反応容器保持機構200に取り付けられる。その際、例えば、反応容器100には、反応容器保持機構200との間を液密に保つために、パッキン部材が設けられる。
【0026】
パッキン部材は例えばOリングで構成される。これに対応して、下側容器半体110は、更に、流路114が終端している側面すなわち流路終端側面118に、流路114の開口端を取り囲んでいる、Oリングを収容するためのリング溝116を有している。
【0027】
パッキン部材は、Oリングに限定されるものではなく、パッキン部材(あるいはシール部材)として知られている他の任意の部材が適用可能である。例えば、パッキン部材は、図7に示されるガスケット180であってもよい。その場合、下側容器半体110はOリングを収容するリング状の溝を有している必要はない。
【0028】
下側容器半体110は、さらに、反応部132の破損すなわち裂けや破れを避けるために、反応部132の変形を抑えるための、凹部(下側ウェル112)の底面に形成された一つまたは複数の突起を有していてもよい。突起は、ピン状の形状であっても、板状の形状であってもよい。
【0029】
前述したように、反応液収容部は、図3に示されるように、上側ウェル152と下側ウェル112と流路114とで構成されている。下側ウェル112と流路114の容積の合計は、上側ウェル152の容積よりも大きい。従って、下側ウェル112と流路114は、最初に上側ウェル152に入れられる反応液の全量を収容し得る。流路114は、十分な容積を得るために、拡張部分いわゆる液だまりを有していてもよい。
【0030】
反応液の蒸発を抑えるため、好ましくは、反応容器100は平らな上面を有し、その上にカバーガラス410が載せられる。カバーガラス410は、上側ウェル152の全体を覆い、溝154を部分的に覆うように置かれる。上側ウェル152の全体的な覆いは反応液の蒸発を最小に抑え、溝154の部分的な覆いは上側ウェル152と外部空間の間の空気の流通を与える。
【0031】
より好ましい反応容器では、空気の流通を確実に確保するため、上側容器半体150はカバーガラス410の載置位置を定めるための凹部156を更に有し、凹部156は平らな底面を有しており、溝154は凹部156の外にまで延びている。このような構造的特徴は、カバーガラス410によって溝154の全体が覆われるのを確実に避け得る。
【0032】
反応容器100は、例えば図4に示される反応容器保持機構200に着脱可能に取り付けられる。
【0033】
反応容器保持機構200は、載置台210と、載置台210に設けられた受け部230と、反応容器100を固定するための一対の押し付け機構250とを有している。受け部230は、反応容器100の流路終端側面118が押し当てられる当て付け面232を有している。押し付け機構250は、反応容器100を受け部230に押し付けて、反応容器100を保持する。
【0034】
押し付け機構250の各々は、例えば、ねじを利用した機械的な機構であり、載置台210に固定された固定部252と、回転操作されるレバー部254と、レバー部254の回転操作に応じて移動するスライダー部256とを有している。一対の固定部252は、反応容器100の幅よりも若干広い間隔で配置されており、装着される反応容器100の横位置を規定するガイドを兼ねている。
【0035】
受け部230は、図5に示されるように、その内部を貫通する貫通孔234を有している。貫通孔234の一端は当て付け面232で終端し、貫通孔234の他端にはチューブ430が取り付けられている。チューブ430は、図示しないポンプ、例えばシリンジピストンと流体的に連結されている。受け部230の貫通孔234は、反応容器100の流路114の開口端と同じピッチで並んでいる。
【0036】
反応容器100は、流路終端側面118を受け部230の当て付け面232に向けて、載置台210の上に置かれる。反応容器100の横位置は、一対の押し付け機構250の固定部252によってほぼ決められ、また、反応容器100の縦位置も、受け部230とスライダー部256によってほぼ決められる。
【0037】
レバー部254の回転によりスライダー部256が受け部230に向けて移動される。スライダー部256の移動は、反応容器100を受け部230に押し付ける。反応容器100は、Oリング420を介して、受け部230と気密に連結される。
【0038】
このような反応容器保持機構200による反応容器100の固定により、反応容器100の流路114は、受け部230の貫通孔234と流体的に連絡される。従って、反応容器100の流路114は、受け部230の貫通孔234とチューブ430を介して、シリンジピストン等のポンプと流体的に連結される。
【0039】
このように反応容器保持機構200は反応容器100を容易に着脱可能に保持し得る。
【0040】
反応容器保持機構200は、反応容器100の温度を制御するための容器温度調整機構の一部を有している。容器温度調整機構は、例えば、反応容器100を加熱するための加熱手段を有している。容器温度調整機構は、より応答性の速い温度制御のために、反応容器100を冷却するための冷却手段を更に有していてもよい。
【0041】
このため、載置台210は、例えば、電流供給に応じて発熱するヒーターを有している。あるいは、載置台210は、高温の流体、例えば液体や気体を循環させるための循環路を有していてもよい。
【0042】
反応容器保持機構200は、カバーガラス410の曇り発生を避けるために、カバーガラス410の近傍の雰囲気の温度を調整するための雰囲気温度調整機構の一部を有している。雰囲気温度調整機構は、カバーガラス410の近傍の雰囲気を反応容器100の温度よりも高い温度にするための加熱手段を有している。
【0043】
このため、反応容器保持機構200は、図4と図5に示されるように、反応容器100の上面の近くに、反応容器100から離して配置される板状部材270を有し、板状部材270は、例えば、電流供給に応じて発熱するヒーターを有している。あるいは、板状部材270は、高温の流体、例えば液体や気体を循環させるための循環路を有していてもよい。
【0044】
板状部材270は、反応容器100の着脱作業を容易にするために、好ましくは、図4と図5に示されるように、リンク272を介して載置台210に対して移動可能に設けられている。
【0045】
板状部材270は、上方からの反応容器の光学的観察を可能にする窓274を有している。板状部材270の窓274は、好ましくは、反応容器の上面近傍に、反応容器よりも高温の雰囲気を効率良く作るために、光学的に透明な部材で覆われている。このような部材は、例えばガラスであるが、熱伝導率が高く透明度が高い材質がより好ましい。
【0046】
反応容器保持機構200は、図6に概略的に示されるように、XYステージ310を介して、光学顕微鏡300のステージ、例えばZステージ320に組み付けられる。反応容器保持機構200に保持された反応容器100は、光学顕微鏡300によって上方より光学的に観察される。前述したように反応容器100の上側ウェル152は上面に開口しているため、光学顕微鏡300によって、反応部132で起きる反応が上方から観察され得る。
【0047】
反応容器100は反応容器保持機構200に適宜装着される。装着された反応容器100の流路114は、受け部230の貫通孔234とこれに接続されたチューブ430を介して、ポンプと連絡される。これにより、反応容器100の反応液収容部内(上側ウェル152と下側ウェル112と流路114)の反応液は、空気層を途中に挟んで、ポンプの内部空間と流体的に連絡される。
【0048】
ポンプは、反応液との間に存在する空気を吸引し、従って反応容器の流路114を減圧し得る。減圧に応じて、反応液は、反応部132を通って、上側ウェル152から下側空間(下側ウェル112と流路114の空間)へ移動する。
【0049】
前述したように反応液収容部の下側空間(下側ウェル112と流路114)の全容積は、上側ウェル152の容積よりも大きいため、最初に上側ウェル152に入れられた反応液は、その全量が下側空間内に収容され得る。ポンプによる下側空間の減圧は、反応液が反応容器内に留まっている範囲で行なわれる。
【0050】
また、ポンプは、反応容器の流路114を加圧し得る。加圧に応じて、反応液は、反応部132を通って、下側空間(下側ウェル112と流路114)から上側ウェル152へ移動する。
【0051】
ポンプにより反応容器の流路114の減圧と加圧を繰り返し行なうことにより、反応液は、反応部132を通って、上側ウェル152と下側空間(下側ウェル112と流路114の空間)の間を行き来する。
【0052】
このように反応液に繰り返し反応部132を通過させることにより、観察の対象物、例えば核酸が比較的短時間で検出できる。
【0053】
反応容器100は、例えば使い捨てであるが、これに限定されることはない。すなわち、一回の使用の後、スライドチップ130は破棄されるが、下側容器半体110と上側容器半体150は洗浄後に再使用されてもよい。
【0054】
図7に示されるように、スライドチップ130は、例えば、固相坦体131と、これを支持する一対の支持部材134と136とで構成される。支持部材134と支持部材136は、固相坦体131を間に挟んで、貼り合わされている。
【0055】
支持部材134と136は、それぞれ、互いに対応する位置に、反応部132を規定するための四つの円形の開口部135と137を有している。つまり、一つの反応部132は、固相坦体131の上下に位置する一対の開口部135と137を介して露出している固相坦体131の部分をいう。
【0056】
支持部材134の開口部135と支持部材136の開口部137は共に円形で同じ直径を有している。また、スライドチップ130は、支持部材134と支持部材136を共に固相坦体131に貼り合わせることによって作製されるが、通常、貼り合わせ誤差が生じる。
【0057】
このため、大抵のスライドチップ130では、支持部材134の開口部135と支持部材136の開口部137は、完全に合っているわけではなく、図8に示されるように、僅かながらずれている。その結果、上側の支持部材すなわち撮像系が位置する側の支持部材の開口部135の内側に、下側の支持部材の一部138が入り込んでいる。図8では、上側の支持部材の開口部135の内側に入り込んでいる下側の支持部材の部分138が、網掛けされた領域として描かれている。
【0058】
このような開口部135と開口部137の位置ずれは、DNAマイクロアレイとして良好に利用できる領域を低下させる。すなわち、開口部135を通して露出している固相坦体131に対して多数のプローブスポットが形成されるが、下側の支持部材が入り込んでいる領域138に形成されたプローブスポットでは、反応液が良好に通過し得ないため、反応が十分に進まない。その結果、それらのプローブスポットからは、蛍光が良好に検出されないため、有効な情報が得られない。つまり、それらのプローブスポットは、実質的にDNAマイクロアレイのプローブスポットとして利用できない。
【0059】
また、固相坦体131に流体を通過させると、固相坦体131の裏側まで透けて見えることがある。このため、図8において、上側の支持部材の開口部135の内側に入り込んでいる下側の支持部材の部分138が、蛍光反応検出結果に悪影響を与えるおそれもある。例えば、蛍光反応検出時の撮像画像に、不所望な物質が写ってしまうことがある。また、貼り合わせのための接着剤の自家蛍光が撮像系に取り込まれることがある。これらは明らかに、検査結果の精度、従って検査装置の信頼性を低下させる。
【0060】
このような事態の発生は、支持部材134の開口部135と支持部材136の開口部137との位置合わせに高い位置精度を要求することによって低減はされるが、そのような要求は今度はスライドチップ130の組み立て性を著しく阻害する。
【0061】
このような事情を考慮して、改善されたスライドチップ140を図9に示す。図9に示されるように、スライドチップ140は、固相坦体131と、固相坦体131の上側に貼り合わされる上側支持部材144と、固相坦体131の下側に貼り合わされる下側支持部材146とを備えている。つまり、スライドチップ140は、固相坦体131と、これを間に挟んで貼り合わされる上側支持部材144と下側支持部材146とを備えている。
【0062】
上側支持部材144と下側支持部材146はそれぞれ上側開口部145と下側開口部147を有しており、上側開口部145は下側開口部147よりも小さい。例えば、上側開口部145と下側開口部147は共に円形であり、上側開口部145の直径は、下側開口部147の直径よりも小さい。これらの支持部材を樹脂により作製する場合には、上側開口部145の直径は、下側開口部147の直径よりも0.5mm以上小さいことが好ましく、支持部材を金属により作製する場合には、上側開口部145の直径は、下側開口部147の直径よりも0.1mm以上小さいことが好ましい。
【0063】
このようなスライドチップ140は、前述のスライドチップ130と同じ条件で組み立てた場合、図10に示されるように、上側支持部材144の開口部145の内側に下側支持部材146が入り込んでいるといった事態が生じることが殆ど起こり得ない。スライドチップ140は、ほぼ確実に下側支持部材146が上側支持部材144の開口部145の内側に入り込んでいない状態で、組み立てられる。
【0064】
固相坦体131は、より好ましくは、光透過性多孔質体であるとよい。光透過性多孔質体は例えば金属酸化膜で構成される。金属酸化膜は、タンタル、チタン、アルミニウム、こられの合金から製造され得る。なかでも酸化アルミニウム多孔質膜は、蛍光標識サンプルを検出する際に、照射される励起光を殆ど損失なく透過するので、特に好適である。
【0065】
このような光透過性多孔質体は、スライドチップ140の組み立てを容易にする。すなわち、固相坦体131が光学的に透明であることにより、固相坦体131に上側支持部材144と下側支持部材146を張り合わせる際に、上側支持部材144の側から目視により、上側開口部145の内側に下側支持部材146が入らないように位置決めすることができる。
【0066】
このような位置決めを行なうことにより、上側支持部材144の上側開口部145の内側に下側支持部材146が入り込むことを確実に避けて、固相坦体131に上側支持部材144と下側支持部材146を張り合わせる、すなわちスライドチップ140を組み立てることができる。例えば、酸化アルミニウム多孔質膜は、水等によりぬれた状態では、光をよく透過するために位置決めを容易に行なうことが可能である。
【0067】
このようなスライドチップ140においては、上側開口部145の面積そのものDNAマイクロアレイの領域に利用できる。
【0068】
従って、スライドチップ140を利用することにより、高い精度の検査結果が得られる。つまり、スライドチップ140の使用は、検査装置の信頼性を向上させる。
【0069】
これまで、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々に変形されてよい。
【0070】
【発明の効果】
本発明によれば、三次元DNAマイクロアレイを用いた生体関連物質の検査に好適に適用され得る反応容器が提供される。また、反応容器に好適に用いられるスライドチップがが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の反応容器の分解斜視図である。
【図2】図1に示される反応容器の組立斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った反応容器の断面図である。
【図4】図1〜図3の反応容器が組み付けられる反応容器保持機構の斜視図である。
【図5】図4の反応容器保持機構の側面図であり、反応容器と反応容器保持機構の断面が部分的に示されている。
【図6】反応容器保持機構が組み込まれた顕微鏡の全体構成を概略的に示している。
【図7】図1に示されるスライドチップの分解斜視図である。
【図8】図7に示されたスライドチップを上方から見た平面図であり、上側支持部材の開口部と下側支持部材の開口部とがずれている様子を示している。
【図9】図7に示されたスライドチップと比較して改善されたスライドチップの分解斜視図である。
【図10】図9に示されたスライドチップを上方から見た平面図であり、上側支持部材の開口と下側支持部材の開口とが図8と同じ程度ずれている様子を示している。
【符号の説明】
140 スライドチップ
131 固相坦体
144 上側支持部材
146 下側支持部材
145 上側開口部
147 下側開口部

Claims (12)

  1. 生態関連物質の検査に用いられる反応容器であり、
    反応容器の上面に開口した上側ウェルを規定する開口部を有する上側容器半体と、
    上側ウェルの下方に位置する下側ウェルを規定する開口部と、下側ウェルと外部空間を連絡する流路を規定する中空部とを有する下側容器半体と、
    上側容器半体と下側容器半体との間に配置されるスライドチップであって、上側ウェルと下側ウェルの間に配置される反応部を有しているスライドチップとを備えており、
    上側ウェルと下側ウェルと流路は共働して反応液を収容する空間を構成し、反応容器の上面に開口した上側ウェルは、反応容器の上方からの反応部の光学的な観察を可能にしている、反応容器であって、
    スライドチップは、固相坦体と、固相坦体の上側に貼り合わされる上側支持部材と、固相坦体の下側に貼り合わされる下側支持部材とを備えており、上側支持部材と下側支持部材はそれぞれ上側開口部と下側開口部を有しており、これらの開口部を通して露出している固相坦体の部分が反応部を構成しており、上側開口部は下側開口部よりも小さい、生態関連物質の検査用の反応容器。
  2. 請求項1において、上側開口部と下側開口部は共に円形であり、上側開口部の直径が下側開口部の直径よりも0.5mm以上小さい、生態関連物質の検査用の反応容器。
  3. 請求項1において、固相坦体が光透過性多孔質体で構成されている、生態関連物質の検査用の反応容器。
  4. 請求項3において、光透過性多孔質体は金属酸化膜で構成されている、生態関連物質の検査用の反応容器。
  5. 請求項4において、金属酸化膜は、タンタル、チタン、アルミニウム、こられの合金から製造される、生態関連物質の検査用の反応容器。
  6. 請求項5において、金属酸化膜が酸化アルミニウム多孔質膜である、生態関連物質の検査用の反応容器。
  7. 反応容器の上面に開口した上側ウェルと、上側ウェルの下方に位置する下側ウェルと、上側ウェルと下側ウェルの間に配置される反応部を有している生態関連物質の検査用の反応容器に用いられるスライドチップであり、
    固相坦体と、
    固相坦体の上側に貼り合わされる上側支持部材と、
    固相坦体の下側に貼り合わされる下側支持部材とを備えており、
    上側支持部材と下側支持部材はそれぞれ上側開口部と下側開口部を有しており、これらの開口部を通して露出している固相坦体の部分が反応部を構成しており、上側開口部は下側開口部よりも小さい、スライドチップ。
  8. 請求項7において、上側開口部と下側開口部は共に円形であり、上側開口部の直径が下側開口部の直径よりも0.5mm以上小さい、生態関連物質の検査用の反応容器。
  9. 請求項7において、固相坦体が光透過性多孔質体で構成されている、生態関連物質の検査用の反応容器。
  10. 請求項9において、光透過性多孔質体は金属酸化膜で構成されている、生態関連物質の検査用の反応容器。
  11. 請求項10において、金属酸化膜は、タンタル、チタン、アルミニウム、こられの合金から製造される、生態関連物質の検査用の反応容器。
  12. 請求項11において、金属酸化膜が酸化アルミニウム多孔質膜である、生態関連物質の検査用の反応容器。
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