JP2004045197A - 生態関連物質の検査用の反応容器 - Google Patents

生態関連物質の検査用の反応容器 Download PDF

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JP2004045197A
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Hidekazu Ishii
石井 秀和
Takami Shibazaki
芝▲崎▼ 尊己
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Abstract

【課題】生態関連物質の検査用の反応容器を提供する。
【解決手段】反応容器100は、上側ウェル152を有する上側容器半体150と、下側ウェル112と流路114を有する下側容器半体110と、上側ウェル152と下側ウェル112の間に配置される反応部132を有する多孔質体チップ130とを備えている。上側ウェル152は、反応容器100の上面に開口しており、上方からの反応部132の光学的な観察を可能にしている。反応容器100は更に、上側容器半体150と多孔質体チップ130の間に設けられた上側パッキン部材155と、下側容器半体110と多孔質体チップ130の間に設けられた下側パッキン部材117とを更に備えており、少なくとも上側パッキン部材155と下側パッキン部材117のいずれか一方は少なくとも部分的にそれに対応する容器半体の色と異なる色を有している。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遺伝子等の生態関連物質の検査に用いられる反応容器に関し、特に、DNAマイクロアレイを用いた生態関連物質の検査に好適に適用される反応容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ヒトを含む多くの生物やイネをはじめとする多くの植物の遺伝子等の生態関連物質の解析が進められている。
【0003】
遺伝子等の生態関連物質の検査は、これまでは一般に電気泳動法により行なわれていた。電気泳動法では、検査に長い時間を必要とし、一度に行なえる検査の数も少数に限られる。
【0004】
最近では、半導体等にDNAを規則正しく配列したDNAチップあるいはDNAマイクロアレイを用いた新規な検査方法が開発されている。この新規な検査方法では、同時に複数の遺伝子等の生態関連物質を検査することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この新規な検査方法は、検査に長い時間を必要とし、再現性の良い分析結果を得ることが難しい。
【0006】
本出願人は、特願2001−232501号において、三次元DNAマイクロアレイを用いた、簡便に短時間で遺伝子を検査し得る遺伝子検査装置と遺伝子検出方法を提案している。
【0007】
この遺伝子検査では、反応液は、多孔質のフィルターを坦体とする三次元DNAマイクロアレイ(反応部)によって仕切られた液体収容部に入れられ、ポンプたとえばシリンジポンプによる加圧・減圧によって繰り返し反応部を通過させられる。これにより短時間の内に再現性良く核酸が得られる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本出願人は、特願2001−395140号において、このような遺伝子等の生態関連物質の検査に好適に適用され得る反応容器を提案している。
【0009】
その反応容器は、上面に開口した上側ウェルを有する上側容器半体と、上側ウェルの下方に位置する下側ウェルと、下側ウェルと外部空間を連絡する流路を有する下側容器半体と、上側容器半体と下側容器半体との間に配置される多孔質体チップとを備えている。多孔質体チップは上側ウェルと下側ウェルの間に配置される反応部を有し、反応部はその内壁に核酸プローブが固定されている多孔質体で構成されている。上側ウェルと下側ウェルと流路は共働して反応液を収容する空間を構成し、反応容器の上面に開口した上側ウェルは、反応容器の上方からの反応部の光学的な観察を可能にしている。
【0010】
反応容器は、通常、上側ウェルと反応部を液密に保つために上側容器半体と多孔質体チップの間に設けられた上側パッキン部材と、下側ウェルと反応部を液密に保つために下側容器半体と多孔質体チップの間に設けられた下側パッキン部材とを更に備えている。通常、上側パッキン部材と下側パッキン部材は共にOリングで構成される。
【0011】
反応容器は、蛍光反応撮影時に迷光ノイズが入り込まないように、透明以外の色、好ましくは遮光に適した色、例えば黒色に作られる。つまり、上側容器半体と下側容器半体は共に黒色をしている。また、一般に広く入手可能な通常のOリングは、一般に石油合成系ゴムやフッ素ゴムで作られており、いずれの場合も黒色をしている。
【0012】
このように上側容器半体と下側容器半体と上側パッキン部材と下側パッキン部材が共に同一色であることは、反応容器の組み立ての際に、上側容器半体に上側パッキン部材が正しく装着されているか、また下側容器半体に下側パッキン部材が正しく装着されているかの判別を難しくしている。これは、反応容器の短時間での組み立てを妨げている。
【0013】
本発明は、ひとつには、このような不具合の改善に向けられた生態関連物質の検査用の反応容器であり、反応容器の上面に開口した上側ウェルを規定する開口部を有する上側容器半体と、上側ウェルの下方に位置する下側ウェルを規定する開口部と、下側ウェルと外部空間を連絡する流路を規定する中空部とを有する下側容器半体と、上側容器半体と下側容器半体との間に配置される多孔質体チップであって、多孔質体チップは上側ウェルと下側ウェルの間に配置される反応部を有し、反応部はその内壁に核酸プローブが固定されている多孔質体で構成されている、多孔質体チップとを備えており、上側ウェルと下側ウェルと流路は共働して反応液を収容する空間を構成し、反応容器の上面に開口した上側ウェルは、反応容器の上方からの反応部の光学的な観察を可能にしている、反応容器であり、上側ウェルと反応部を液密に保つために上側容器半体と多孔質体チップの間に設けられた上側パッキン部材と、下側ウェルと反応部を液密に保つために下側容器半体と多孔質体チップの間に設けられた下側パッキン部材とを更に備えており、少なくとも上側パッキン部材と下側パッキン部材のいずれか一方は少なくとも部分的にそれに対応する容器半体の色と異なる色を有している。
【0014】
本出願人が提案している前述の反応容器はまた、これを保持する保持機構に取り付ける際に、保持機構との間を液密に保つために、流路が終端している側面にパッキン部材が設けられる。このパッキン部材も、通常、Oリングで構成される。
【0015】
また、保持機構の受け部、すなわち、反応容器の流路が終端する側面が押し当てられる当て付け面を有している部材も、好ましくは遮光に適した色、例えば黒色をしている。
【0016】
反応容器を取り外す際、反応容器に設けられていたパッキン部材は、しばしば、反応容器から外れて受け部に貼り付いたままになることがある。
【0017】
パッキン部材と受け部が共に黒色をしていることは、使用者がパッキン部材受け部に貼り付いたままであることを見落とし易くする。
【0018】
パッキン部材が受け部に貼り付いたままの状態で別の反応容器が保持機構に取り付けられた場合、反応容器と保持機構の間を液密に保つ機能が失われる。これは、反応部を通過する反応液の量を不安定にし、その検査結果は精度の低いものとなる。
【0019】
本発明は、ひとつには、このような不具合の改善に向けられた生態関連物質の検査用の反応容器であり、反応容器の上面に開口した上側ウェルを規定する開口部を有する上側容器半体と、上側ウェルの下方に位置する下側ウェルを規定する開口部と、下側ウェルと外部空間を連絡する流路を規定する中空部とを有する下側容器半体と、上側容器半体と下側容器半体との間に配置される多孔質体チップであって、多孔質体チップは上側ウェルと下側ウェルの間に配置される反応部を有し、反応部はその内壁に核酸プローブが固定されている多孔質体で構成されている、多孔質体チップとを備えており、上側ウェルと下側ウェルと流路は共働して反応液を収容する空間を構成し、反応容器の上面に開口した上側ウェルは、反応容器の上方からの反応部の光学的な観察を可能にしている、反応容器であり、反応容器は反応容器保持機構によって保持され、反応容器保持機構は、反応容器の流路が終端する反応容器側面が押し当てられる受け部を有しており、反応容器は、受け部との間を液密に保つために、下側容器半体に設けられたパッキン部材を更に備えており、パッキン部材は少なくとも部分的に受け部の色と異なる色を有している。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
反応容器100は、少なくとも一つの反応液収容部、好ましくは複数の反応液収容部、例えば図1と図2に示されるように四つの反応液収容部を有している。反応液収容部の各々は、図3に示されるように、反応容器100の上面に開口した上側ウェル152と、上側ウェル152の下方に位置する下側ウェル112と、下側ウェル112と外部空間を連絡する流路114とを有している。
【0022】
続く説明では、反応容器100は、これに限定されるわけではないが、四つの反応液収容部を有しているものとして進める。
【0023】
反応容器100は、上側ウェル152と下側ウェル112の間に配置された反応部132を更に有している。言い換えれば、上側ウェル152と下側ウェル112は反応部132によって仕切られている。反応部132は多孔質体で構成され、その内壁には核酸プローブが固定されている。多孔質体としては、本発明を適用する上で特に制限はないが、通常、ろ過に用いられる種々のフィルターを用いることが可能である。例えば、ナイロンメンブレンやタンタル、チタン、アルミニウムから製造される金属酸化膜等が好ましい。
【0024】
反応容器100は、その上面に開口した上側ウェル152を有しており、このような上側ウェル152は、反応容器100の上方からの反応部132の光学的な観察を可能にしている。
【0025】
反応容器100は、上述した構造を得るため、図1に示されるように、上側ウェル152を規定する開口部を有する上側容器半体150と、下側ウェル112を規定する開口部と、流路114を規定する中空部とを有する下側容器半体110と、反応部132を備えた多孔質体チップ130とを有している。下側容器半体110と上側容器半体150は、例えばポリカーボネート製であり、多孔質体チップ130を間に挟んで、ねじ止めや接着など任意の適当な手法によって互いに固定される。
【0026】
反応容器100は、好ましくは、上側ウェル152と反応部132を液密に保つために上側容器半体150と多孔質体チップ130の間に設けられた上側パッキン部材と、下側ウェル112と反応部132を液密に保つために下側容器半体110と多孔質体チップ130の間に設けられた下側パッキン部材とを更に備えている。
【0027】
例えば、図3に示されるように、上側パッキン部材はOリング155で構成され、下側パッキン部材はOリング117で構成される。これに対応して、上側容器半体150は、上側ウェル152の周りを周回している、Oリング155を収容するリング状の溝を有している。下側容器半体110は、下側ウェル112の周りを周回している、Oリング117を収容するリング状の溝を有している。
【0028】
パッキン部材は、Oリングに限定されるものではなく、パッキン部材(あるいはシール部材)として知られている他の任意の部材が適用可能である。例えば、パッキン部材は、Oリングの代わりに、図7に示されるように、開口部182と、その周りを周回するリング状の凸部184を両面に備えたガスケット180であってもよい。
【0029】
ガスケット180は、そのリング状の凸部184が、反応部132と上側ウェル152あるいは下側ウェル112を囲むように配置される。
【0030】
このような上側容器半体150と多孔質体チップ130の間あるいは下側容器半体110と多孔質体チップ130の間に設けられたパッキン部材は、ウェルの各々を液密に保ち、これにより、外部空間からの影響を遮断すると共に、ウェルの間同士の影響をも遮断する。
【0031】
上側容器半体150は、上側ウェル152を規定するためのテーパー状の貫通孔と、上側容器半体150の上面を貫通孔(上側ウェル152)から延びている溝154とを有している。
【0032】
下側容器半体110は、下側ウェル112を規定するための凹部と、凹部(下側ウェル112)と外部空間を連絡する流路114とを有している。より詳しくは、下側容器半体110は、平らな側面118を有しており、流路114は、凹部(下側ウェル112)の底面から延び、下側容器半体110の側面118で終端している。
【0033】
反応容器100は、後述するように、例えば図4に示される反応容器保持機構200に取り付けられる。その際、例えば、反応容器100には、反応容器保持機構200との間を液密に保つために、パッキン部材が設けられる。
【0034】
パッキン部材は例えばOリングで構成される。これに対応して、下側容器半体110は、更に、流路114が終端している側面すなわち流路終端側面118に、流路114の開口端を取り囲んでいる、Oリングを収容するためのリング溝116を有している。
【0035】
パッキン部材は、Oリングに限定されるものではなく、パッキン部材(あるいはシール部材)として知られている他の任意の部材が適用可能である。例えば、パッキン部材は、図7に示されるガスケット180であってもよい。その場合、下側容器半体110はOリングを収容するリング状の溝を有している必要はない。
【0036】
下側容器半体110は、さらに、反応部132の破損すなわち裂けや破れを避けるために、反応部132の変形を抑えるための、凹部(下側ウェル112)の底面に形成された一つまたは複数の突起を有していてもよい。突起は、ピン状の形状であっても、板状の形状であってもよい。
【0037】
前述したように、反応液収容部は、図3に示されるように、上側ウェル152と下側ウェル112と流路114とで構成されている。下側ウェル112と流路114の容積の合計は、上側ウェル152の容積よりも大きい。従って、下側ウェル112と流路114は、最初に上側ウェル152に入れられる反応液の全量を収容し得る。流路114は、十分な容積を得るために、拡張部分いわゆる液だまりを有していてもよい。
【0038】
反応液の蒸発を抑えるため、好ましくは、反応容器100は平らな上面を有し、その上にカバーガラス410が載せられる。カバーガラス410は、上側ウェル152の全体を覆い、溝154を部分的に覆うように置かれる。上側ウェル152の全体的な覆いは反応液の蒸発を最小に抑え、溝154の部分的な覆いは上側ウェル152と外部空間の間の空気の流通を与える。
【0039】
より好ましい反応容器では、空気の流通を確実に確保するため、上側容器半体150はカバーガラス410の載置位置を定めるための凹部156を更に有し、凹部156は平らな底面を有しており、溝154は凹部156の外にまで延びている。このような構造的特徴は、カバーガラス410によって溝154の全体が覆われるのを確実に避け得る。
【0040】
反応容器100は、例えば図4に示される反応容器保持機構200に着脱可能に取り付けられる。
【0041】
反応容器保持機構200は、載置台210と、載置台210に設けられた受け部230と、反応容器100を固定するための一対の押し付け機構250とを有している。受け部230は、反応容器100の流路終端側面118が押し当てられる当て付け面232を有している。押し付け機構250は、反応容器100を受け部230に押し付けて、反応容器100を保持する。
【0042】
押し付け機構250の各々は、例えば、ねじを利用した機械的な機構であり、載置台210に固定された固定部252と、回転操作されるレバー部254と、レバー部254の回転操作に応じて移動するスライダー部256とを有している。一対の固定部252は、反応容器100の幅よりも若干広い間隔で配置されており、装着される反応容器100の横位置を規定するガイドを兼ねている。
【0043】
受け部230は、図5に示されるように、その内部を貫通する貫通孔234を有している。貫通孔234の一端は当て付け面232で終端し、貫通孔234の他端にはチューブ430が取り付けられている。チューブ430は、図示しないポンプ、例えばシリンジピストンと流体的に連結されている。受け部230の貫通孔234は、反応容器100の流路114の開口端と同じピッチで並んでいる。
【0044】
反応容器100は、流路終端側面118を受け部230の当て付け面232に向けて、載置台210の上に置かれる。反応容器100の横位置は、一対の押し付け機構250の固定部252によってほぼ決められ、また、反応容器100の縦位置も、受け部230とスライダー部256によってほぼ決められる。
【0045】
レバー部254の回転によりスライダー部256が受け部230に向けて移動される。スライダー部256の移動は、反応容器100を受け部230に押し付ける。反応容器100は、Oリング420を介して、受け部230と気密に連結される。
【0046】
このような反応容器保持機構200による反応容器100の固定により、反応容器100の流路114は、受け部230の貫通孔234と流体的に連絡される。従って、反応容器100の流路114は、受け部230の貫通孔234とチューブ430を介して、シリンジピストン等のポンプと流体的に連結される。
【0047】
このように反応容器保持機構200は反応容器100を容易に着脱可能に保持し得る。
【0048】
反応容器保持機構200は、反応容器100の温度を制御するための容器温度調整機構の一部を有している。容器温度調整機構は、例えば、反応容器100を加熱するための加熱手段を有している。容器温度調整機構は、より応答性の速い温度制御のために、反応容器100を冷却するための冷却手段を更に有していてもよい。
【0049】
このため、載置台210は、例えば、電流供給に応じて発熱するヒーターを有している。あるいは、載置台210は、高温の流体、例えば液体や気体を循環させるための循環路を有していてもよい。
【0050】
反応容器保持機構200は、カバーガラス410の曇り発生を避けるために、カバーガラス410の近傍の雰囲気の温度を調整するための雰囲気温度調整機構の一部を有している。雰囲気温度調整機構は、カバーガラス410の近傍の雰囲気を反応容器100の温度よりも高い温度にするための加熱手段を有している。
【0051】
このため、反応容器保持機構200は、図4と図5に示されるように、反応容器100の上面の近くに、反応容器100から離して配置される板状部材270を有し、板状部材270は、例えば、電流供給に応じて発熱するヒーターを有している。あるいは、板状部材270は、高温の流体、例えば液体や気体を循環させるための循環路を有していてもよい。
【0052】
板状部材270は、反応容器100の着脱作業を容易にするために、好ましくは、図4と図5に示されるように、リンク272を介して載置台210に対して移動可能に設けられている。
【0053】
板状部材270は、上方からの反応容器の光学的観察を可能にする窓274を有している。板状部材270の窓274は、好ましくは、反応容器の上面近傍に、反応容器よりも高温の雰囲気を効率良く作るために、光学的に透明な部材で覆われている。このような部材は、例えばガラスであるが、熱伝導率が高く透明度が高い材質がより好ましい。
【0054】
反応容器保持機構200は、図8に概略的に示されるように、XYステージ310を介して、光学顕微鏡300のステージ、例えばZステージ320に組み付けられる。反応容器保持機構200に保持された反応容器100は、光学顕微鏡300によって上方より光学的に観察される。前述したように反応容器100の上側ウェル152は上面に開口しているため、光学顕微鏡300によって、反応部132で起きる反応が上方から観察され得る。
【0055】
反応容器100は反応容器保持機構200に適宜装着される。装着された反応容器100の流路114は、受け部230の貫通孔234とこれに接続されたチューブ430を介して、ポンプと連絡される。これにより、反応容器100の反応液収容部内(上側ウェル152と下側ウェル112と流路114)の反応液は、空気層を途中に挟んで、ポンプの内部空間と流体的に連絡される。
【0056】
ポンプは、反応液との間に存在する空気を吸引し、従って反応容器の流路114を減圧し得る。減圧に応じて、反応液は、反応部132を通って、上側ウェル152から下側空間(下側ウェル112と流路114の空間)へ移動する。
【0057】
前述したように反応液収容部の下側空間(下側ウェル112と流路114)の全容積は、上側ウェル152の容積よりも大きいため、最初に上側ウェル152に入れられた反応液は、その全量が下側空間内に収容され得る。ポンプによる下側空間の減圧は、反応液が反応容器内に留まっている範囲で行なわれる。
【0058】
また、ポンプは、反応容器の流路114を加圧し得る。加圧に応じて、反応液は、反応部132を通って、下側空間(下側ウェル112と流路114)から上側ウェル152へ移動する。
【0059】
ポンプにより反応容器の流路114の減圧と加圧を繰り返し行なうことにより、反応液は、反応部132を通って、上側ウェル152と下側空間(下側ウェル112と流路114の空間)の間を行き来する。
【0060】
このように反応液に繰り返し反応部132を通過させることにより、観察の対象物、例えば核酸が比較的短時間で検出できる。
【0061】
反応容器100は、例えば使い捨てであるが、これに限定されることはない。すなわち、一回の使用の後、多孔質体チップ130は破棄されるが、下側容器半体110と上側容器半体150は洗浄後に再使用されてもよい。
【0062】
反応容器100は、蛍光反応撮影時に迷光ノイズが入り込まないように、透明以外の色、好ましくは遮光に適した色、例えば黒色に作られる。つまり、上側容器半体150と下側容器半体110は共に黒色をしている。
【0063】
Oリング117やOリング155は、一般に広く入手可能な通常のOリングが適用可能である。通常のOリングは、一般に石油合成系ゴムやフッ素ゴムで作られており、いずれの場合も黒色をしている。
【0064】
このように上側容器半体150と下側容器半体110とOリング117とOリング155が共に同一色であることは、反応容器100の組み立ての際に、上側容器半体150にOリング155が正しく嵌め込まれているか、また下側容器半体110にOリング117が正しく嵌め込まれているかの判別を難しくしている。これは、反応容器100の短時間での組み立てを妨げている。
【0065】
Oリング117やOリング155が正しく配置されていない場合や欠落している場合、反応容器100は、下側ウェル112と多孔質体チップ130の間や上側ウェル152と多孔質体チップ130の間を液密に保つ、言い換えれば流体的に密閉する機能を失う。このような密閉機能の欠落は、反応部132を通過する反応液の量を不安定にし、結果として検査結果を精度の低いものとする。
【0066】
このような不具合を改善した好適な反応容器100においては、少なくとも、上側ウェル152と反応部132を液密に保つために上側容器半体150と多孔質体チップ130の間に設けられた上側パッキン部材と、下側ウェル112と反応部132を液密に保つために下側容器半体110と多孔質体チップ130の間に設けられた下側パッキン部材とのいずれか一方は、少なくとも部分的にそれに対応する容器半体の色と異なる色を有している。
【0067】
すなわち、図3に示されるようにパッキン部材がOリングである構成においては、少なくともOリング155とOリング117のいずれか一方が、少なくとも部分的にそれに対応する容器半体の色と異なる色を有している。
【0068】
より好ましくは、Oリング155は少なくとも部分的に上側容器半体150の色と異なる色すなわち黒以外の色を有し、Oリング117は少なくとも部分的に下側容器半体110の色と異なる色すなわち黒以外の色を有している。
【0069】
更に好ましくは、Oリング155とOリング117は少なくとも部分的に黒色に対してコントラストの高い色を有している。簡単に言えば、Oリング155とOリング117は少なくとも部分的に、黒色に対して見分け易い色、例えば白色や赤色を有している。
【0070】
勿論、Oリング155とOリング117は、部分的に反応容器100(すなわち上側容器半体150と下側容器半体110)の色と異なっていても、全体が反応容器100の色と異なっていてもよい。
【0071】
ここでは、パッキン部材がOリングである例をあげて説明したが、パッキン部材が図7に示されるようなガスケットである場合についても同様である。
【0072】
このようにパッキン部材が少なくとも部分的に反応容器100と異なる色をしていることは、反応容器100を組み立てる際のパッキン部材の有無の確認を容易にする。また、パッキン部材の姿勢の認識を容易にする。つまり、パッキン部材が所定の位置に適切な状態で収容あるいは配置されているかの判断を容易にする。
【0073】
従って、このように改善された反応容器100は、短い時間で正確に組み立てられる。
【0074】
また、反応容器保持機構200の受け部230、すなわち、反応容器100の流路終端側面118が押し当てられる当て付け面232を有している部材230も、遮光のために黒色をしている。
【0075】
反応容器100を取り外す際、反応容器100の溝116に収容されていたOリングは、しばしば、反応容器100から外れて受け部230に貼り付いたままになることがある。
【0076】
受け部230とOリングが共に黒色をしていることは、使用者がOリングが受け部230に貼り付いたままであることを見落とし易くする。
【0077】
Oリングが受け部230に貼り付いたままの状態で別の反応容器100を反応容器保持機構200に取り付けた場合、反応容器100と反応容器保持機構200の間を液密に保つ機能が失われる。その結果、反応部132を通過する反応液の量は不安定になり、検査結果は精度の低いものとなる。
【0078】
このような不具合を改善した好適な反応容器100においては、反応容器保持機構200の受け部230との間を液密に保つために下側容器半体110に設けられるパッキン部材は、少なくとも部分的に受け部230の色と異なる色をしている。
【0079】
すなわち、図3に示されるようにパッキン部材がOリングである構成においては、下側容器半体110の溝116に収容されるOリングは、少なくとも部分的に受け部230の色と異なる色、すなわち黒色以外の色をしている。
【0080】
より好ましくは、Oリングは少なくとも部分的に黒色に対してコントラストの高い色をしている。簡単に言えば、Oリングは少なくとも部分的に、黒色に対して見分け易い色、例えば白色や赤色をしている。勿論、Oリングは、部分的に受け部230の色と異なっていても、全体が受け部230の色と異なっていてもよい。
【0081】
ここでは、パッキン部材がOリングである例をあげて説明したが、パッキン部材が図7に示されるようなガスケットである場合についても同様である。
【0082】
このように反応容器100と反応容器保持機構200の間を液密に保つために反応容器100に設けられるパッキン部材が少なくとも部分的に受け部230と異なる色をしていることは、反応容器100を反応容器保持機構200から取り外した際に、パッキン部材が受け部230に貼り付いたままになっていることを、使用者が発見することを容易にする。これは、使用者の操作ミスすなわち反応容器保持機構200に対する反応容器100の不適当な取り付けの発生を低下させる。
【0083】
また、下側容器半体110に設けられるOリングは、必然的に、少なくとも部分的に下側容器半体110の色とも異なる色をしている。これは、反応容器100を反応容器保持機構200に取り付ける際に、反応容器100と反応容器保持機構200の間に設けるパッキン部材の有無や姿勢の確認を容易にする。これもまた、使用者の操作ミスすなわち反応容器保持機構200に対する反応容器100の不適当な取り付けの発生を低下させる。
【0084】
従って、このように改善された反応容器100は、反応容器保持機構200に対する取り付け不良の発生を低下させる。言い換えれば、このように改善された反応容器100によれば、操作の際に特に使用者に負担を強いることなく、精度の高い検査結果が安定に得られるようになる。
【0085】
これまで、図面を参照しながら本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々に変形されてよい。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、三次元DNAマイクロアレイを用いた遺伝子等の生態関連物質の検査に好適に適用され得る反応容器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の反応容器の分解斜視図である。
【図2】図1に示される反応容器の組立斜視図である。
【図3】図2のIII−III線に沿った反応容器の断面図である。
【図4】図1〜図3の反応容器が組み付けられる反応容器保持機構の斜視図である。
【図5】図4の反応容器保持機構の側面図であり、反応容器と反応容器保持機構の断面が部分的に示されている。
【図6】反応容器保持機構が組み込まれた顕微鏡の全体構成を概略的に示している。
【図7】図3に示されるOリングに代えて適用可能な別のパッキン部材であるガスケットを示している。
【符号の説明】
100 反応容器
110 下側容器半体
112 下側ウェル
114 流路
116 リング溝
117 Oリング
130 多孔質体チップ
132 反応部
150 上側容器半体
152 上側ウェル
155 Oリング

Claims (14)

  1. 生態関連物質の検査に用いられる反応容器であり、
    反応容器の上面に開口した上側ウェルを規定する開口部を有する上側容器半体と、
    上側ウェルの下方に位置する下側ウェルを規定する開口部と、下側ウェルと外部空間を連絡する流路を規定する中空部とを有する下側容器半体と、
    上側容器半体と下側容器半体との間に配置される多孔質体チップであって、多孔質体チップは上側ウェルと下側ウェルの間に配置される反応部を有し、反応部はその内壁に核酸プローブが固定されている多孔質体で構成されている、多孔質体チップとを備えており、
    上側ウェルと下側ウェルと流路は共働して反応液を収容する空間を構成し、反応容器の上面に開口した上側ウェルは、反応容器の上方からの反応部の光学的な観察を可能にしている、反応容器であって、
    上側ウェルと反応部を液密に保つために上側容器半体と多孔質体チップの間に設けられた上側パッキン部材と、
    下側ウェルと反応部を液密に保つために下側容器半体と多孔質体チップの間に設けられた下側パッキン部材とを更に備えており、
    少なくとも上側パッキン部材と下側パッキン部材のいずれか一方は少なくとも部分的にそれに対応する容器半体の色と異なる色を有している、生態関連物質の検査用の反応容器。
  2. 請求項1において、上側パッキン部材は少なくとも部分的に上側容器半体の色と異なる色を有しており、下側パッキン部材は少なくとも部分的に下側容器半体の色と異なる色を有している、生態関連物質の検査用の反応容器。
  3. 請求項2において、上側パッキン部材は少なくとも部分的に上側容器半体の色に対してコントラストの高い色を有している、生態関連物質の検査用の反応容器。
  4. 請求項2において、下側パッキン部材は少なくとも部分的に下側容器半体の色に対してコントラストの高い色を有している、生態関連物質の検査用の反応容器。
  5. 請求項2において、上側パッキン部材はOリングである、生態関連物質の検査用の反応容器。
  6. 請求項2において、下側パッキン部材はOリングである、生態関連物質の検査用の反応容器。
  7. 請求項2において、上側パッキン部材はガスケットである、生態関連物質の検査用の反応容器。
  8. 請求項2において、下側パッキン部材はガスケットである、生態関連物質の検査用の反応容器。
  9. 生態関連物質の検査に用いられる反応容器であり、
    反応容器の上面に開口した上側ウェルを規定する開口部を有する上側容器半体と、
    上側ウェルの下方に位置する下側ウェルを規定する開口部と、下側ウェルと外部空間を連絡する流路を規定する中空部とを有する下側容器半体と、
    上側容器半体と下側容器半体との間に配置される多孔質体チップであって、多孔質体チップは上側ウェルと下側ウェルの間に配置される反応部を有し、反応部はその内壁に核酸プローブが固定されている多孔質体で構成されている、多孔質体チップとを備えており、
    上側ウェルと下側ウェルと流路は共働して反応液を収容する空間を構成し、反応容器の上面に開口した上側ウェルは、反応容器の上方からの反応部の光学的な観察を可能にしている、反応容器であり、
    反応容器は反応容器保持機構によって保持され、反応容器保持機構は、反応容器の流路が終端する反応容器側面が押し当てられる受け部を有しており、
    反応容器は、受け部との間を液密に保つために、下側容器半体に設けられたパッキン部材を更に備えており、
    パッキン部材は少なくとも部分的に受け部の色と異なる色を有している、生態関連物質の検査用の反応容器。
  10. 請求項9において、パッキン部材は少なくとも部分的に受け部の色に対してコントラストの高い色を有している、生態関連物質の検査用の反応容器。
  11. 生態関連物質の検査に用いられる反応容器であり、
    反応容器の上面に開口した上側ウェルを規定する開口部を有する上側容器半体と、
    上側ウェルの下方に位置する下側ウェルを規定する開口部と、下側ウェルと外部空間を連絡する流路を規定する中空部とを有する下側容器半体と、
    上側容器半体と下側容器半体との間に配置される多孔質体チップであって、多孔質体チップは上側ウェルと下側ウェルの間に配置される反応部を有し、反応部はその内壁に核酸プローブが固定されている多孔質体で構成されている、多孔質体チップとを備えており、
    上側ウェルと下側ウェルと流路は共働して反応液を収容する空間を構成し、反応容器の上面に開口した上側ウェルは、反応容器の上方からの反応部の光学的な観察を可能にしている、反応容器であり、
    反応容器は反応容器保持機構によって保持され、反応容器保持機構は、反応容器の流路が終端する反応容器側面が押し当てられる受け部を有しており、
    反応容器は、受け部との間を液密に保つために、下側容器半体に設けられたパッキン部材を更に備えており、
    パッキン部材は少なくとも部分的に下側容器半体の色と異なる色を有している、生態関連物質の検査用の反応容器。
  12. 請求項10または11において、パッキン部材は少なくとも部分的に下側容器半体の色に対してコントラストの高い色を有している、生態関連物質の検査用の反応容器。
  13. 請求項9または11において、パッキン部材はOリングである、生態関連物質の検査用の反応容器。
  14. 請求項9または11において、パッキン部材はガスケットである、生態関連物質の検査用の反応容器。
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