JP4007033B2 - クランク軸およびその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、クランク軸およびその製造法に関する。より具体的には、本発明は、成形されたクランク軸素材に高周波焼入れを行うことによって製造した、焼曲がりの発生を抑制しながら耐摩耗性および高疲労強度を有するクランク軸およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、クランク軸は、クランク軸、ピンおよびジャーナルを有する容積型機関の動力伝達部材である。このクランク軸は、クランクケース内のメインベアリングに支持され、燃焼工程にあるピストンの昇降運動をコネクティングロッドを介して回転運動に変換するとともに、他のピストンに吸入、圧縮または排気工程のための上下運動を行わせる。このようにして、クランク軸は、エンジンの出力を連続した回転力として取り出す。
【0003】
大荷重を受けながら高速回転するクランク軸には、高い強度や剛性が要求されることから、高炭素鋼やCr−Mo鋼、Ni−Cr鋼等を型打鍛造したものが多用されてきた。また、一方で素材コストを安価に抑えるために、ミーハナイト鋳鉄や球状黒鉛鋳鉄等も用いられている。
【0004】
このクランク軸の耐摩耗性および疲労強度を向上するためには、クランク軸、ピンおよびジャーナル部それぞれ表面に高周波焼入れを行うことが有効である。しかし、ピンおよびジャーナルそれぞれのフィレットR部 (付け根部) を焼入れると、焼曲がりが発生する。かかる焼曲がりが発生すると、高周波焼入れを行った後に、大きな矯正を行う焼曲がり矯正プロセスを経る必要がある。このため、焼入れ硬化部に割れが発生したり、矯正により残留応力分布が変化して疲労破壊危険部の表面近傍における圧縮残留応力が低下し、疲労強度が低下してしまう。さらに、仕上研削時に、焼曲がりに起因して研削量が不均一となり、残留応力分布のバランスが崩れて、新たな曲がりが発生してしまう懸念もある。
【0005】
このため、焼曲がりを抑制するために、平行部のみに対して高周波焼入れを行うとともに、フィレットR部に対してはロール加工を行うことにより加工残留応力を発生させ、これにより、クランク軸の耐摩耗性および耐疲労性を向上させることが行われてきた。
【0006】
しかし、この方法では、疲労亀裂の発生が最も懸念されるフィレットR部に対しては、塑性加工によって残留応力を付与するだけであるため、導入する残留応力が母材降伏応力以下になってしまい、また、変態強化でないために表面硬度の増加を望むことができないという問題があった。
【0007】
そこで、特開平8−337822号公報には、焼曲がりと、投入エネルギーや焼入れ深さとの関係をパラメータとして予め作成し、作成したこのマップ等にしたがって焼曲がりを小さくすることができる焼入れ条件を求める発明が提案されている。
【0008】
また、特開平5−171283号公報には、焼入れ加熱時に焼曲がりを検知し、この焼曲がり量を低減することができるように、焼入れ中に焼曲がりを機械的に矯正する発明が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平8−337822号公報により提案された発明では、クランク軸の形状等のパラメータは全く考慮していないため、各クランク軸毎にマップまたはマップのようなものを高精度で作成するためには、それに見合った量の実験等を繰り返して行わねばならず、精度向上のために時間を要してしまう。
【0010】
また、特開平5−171283号公報により提案された発明では、焼入れ完了時に矯正装置を外した段階で、弾性回復による曲がりが発生してしまう。
したがって、これらの従来の技術によっても、焼曲がり量が小さく、焼入れによって所望の高強度が達成されているクランク軸を確実に提供することはできなかった。
【0011】
本発明の目的は、焼曲がり量が小さく、焼入れによって所望の高強度が達成されているクランク軸および、このようなクランク軸を確実に製造することができるクランク軸の製造法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
高周波焼入れを行ったクランク軸中の焼入れ硬化部位には、相変態による膨張によって圧縮残留応力が生じており、クランク軸のフィレットR部を含めて高周波焼入れする場合には、アームのピン側とジャーナル側のそれぞれのフィレットR部においても変態膨張による残留応力が発生する。このピン側とジャーナル側の残留応力に不釣り合いがあるとき、クランク軸のアーム危険断面部に残留応力の不釣り合いに起因した焼曲がりを発生するものと推定される。
【0013】
しかし、クランク軸を高周波焼入れした場合の曲がりについて、これまでは、この曲がりの発生機構が明らかにされていなかった。このため、かかる曲がりを防止するには、多数の実験を行うことによって高周波焼入れ条件と曲がり量との関係を経験的に把握する必要があった。
【0014】
そこで、本発明者らは、金属組織ならびに力学的な観点からこの部分に梁モデルを適用して焼曲がりの発生機構を鋭意検討した結果、この焼曲がりには、クランク軸の1スローにおける二つのアーム危険断面部それぞれにおけるピンおよびジャーナルそれぞれの焼入れ硬化層深さ dP 、 dJ が大きく影響し、ピンおよびジャーナルそれぞれの焼入れ硬化層深さ dP 、 dJ が所定の関係を満足する場合に、焼曲がりの発生が抑制されることを知見し、さらに検討を重ねた結果、高周波焼入れを行っても、焼曲がりの発生を抑制でき、かつ製造工数を大幅に削減することができるクランク軸およびその製造方法を提供できることを知見して、本発明を完成した。
【0015】
本発明は、クランク軸の1スローにおいてアーム危険断面部それぞれにおけるピンの高周波焼入れ硬化層深さ(dP 、単位mm) およびジャーナルの高周波焼入れ硬化層深さ(dJ 、単位mm) が、下記(1) 〜(5) 式により規定される所定の関係を満足することを特徴とするクランク軸である。
【0016】
【数3】
【0017】
ただし、クランク軸が、図1及び図2(a)に示す、ジャーナル軸と垂直面に投影した場合に隣接するピンとジャーナルとがオーバーラップするクランク軸である場合には、ピンとジャーナルのオーバーラップしている側のジャーナル部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP JS 、P JE とし、ピン部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP PS 、P PE とするとともに、線分P JS P JE 、P PS P PE の中点をそれぞれP JC 、P PC とし、上記d J は、領域P PS 、P PE 、P JS 、P JE におけるジャーナル側焼入れ硬化層の深さの平均値を意味し、この焼入れ硬化層深さは、ジャーナル表面から垂直方向にとり、JIS G 0559(’96)における有効硬化層深さを意味するとともに、上記d P は、領域P PS 、P PE 、P JS 、P JE におけるピン焼入れ時のピン側焼入れ硬化層の深さの平均値を意味し、この焼入れ硬化層深さはピン表面から垂直方向にとり、JIS G 0559(’96)における有効硬化層深さを意味し、さらに、(1)式〜(5)式におけるL1Pはピン(1P)の長さ(単位mm)を示し、L2Jはジャーナル(2J)の長さ(単位mm)を示し、hJKはアーム部のジャーナル側高さ(単位mm)であって線分P JE P JS と直線P PS P PE との間の距離を示し、hPKはアーム部のピン側高さ(単位mm)であって線分P PS P PE と直線P JE P JS との間の距離を示し、lJKはアーム部のジャーナル側長さ(単位mm)であって線分P PS P JE と線分P PE P JS との間の距離を示し、lPKはアーム部のピン側長さ(単位mm)であって線分P PS P JE と線分P PE P JS との間の距離を示し、DJはジャーナルの直径(単位mm)を示し、DPはピンの直径(単位mm)を示し、さらに添字Kは1Aまたは2Aで、1Aはアーム部1Aを、2Aはアーム部2Aを示し、又は
クランク軸が、図1及び図2(b)に示す、ジャーナル軸と垂直面に投影した場合に隣接するピンとジャーナルとがオーバーラップしないクランク軸である場合には、ピンとジャーナルの近接している方側のジャーナル部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP JS 、P JE とし、ピン部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP PS 、P PE とするとともに、線分P JS P JE 、P PS P PE の中点をそれぞれP JC 、P PC とし、上記d J は、点P JC からアーム部ピン側表面への最近点をP JCP とするとき、直線P JC P JCP 上での焼入れ硬化層の深さを意味し、この焼入れ硬化層深さは、JIS G0559(’96)における有効硬化層深さを意味するとともに、上記d P は、点P PC からアーム部ジャーナル側表面への最近点をP PCJ とするとき、直線P PC P PCJ 上での焼入れ硬化層の深さを意味し、この焼入れ硬化層深さは、JIS G 0559(’96)における有効硬化層深さを意味し、さらに、(1)式〜(5)式におけるL 1P はピン(1P)の長さ(単位mm)を示し、L 2J はジャーナル(2J)の長さ(単位mm)を示し、h JK はアーム部のジャーナル側高さ(単位mm)であって線分P JC P JCP の長さを示し、h PK はアーム部のピン側高さ(単位mm)であって線分P PC P PCJ の長さを示し、l JK はアーム部のジャーナル側長さ(単位mm)であって点P JS を通り直線P JC P JCP に平行な直線と、点P JE を通り直線P JC P JCP に平行な直線の距離を示し、l PK はアーム部のピン側長さ(単位mm)であって点P PS を通り直線P PC P PCJ に平行な直線と、点P PE を通り直線P PC P PCJ に平行な直線の距離を示し、D J はジャーナルの直径(単位mm)を示し、D P はピンの直径(単位mm)を示し、さらに添字Kは1Aまたは2Aで、1Aはアーム部1Aを、2Aはアーム部2Aを示す。
【0018】
また別の観点からは、本発明は、成形されたクランク軸素材に高周波焼入れを行ってクランク軸を製造する際に、このクランク軸の1スローにおいてアーム危険断面部それぞれにおけるピンの高周波焼入れ硬化層深さ(d P 、単位mm)およびジャーナルの高周波焼入れ硬化層深さ(d J 、単位mm)が、下記(1)〜(5)式により規定される所定の関係を満足するようにして、前記高周波焼入れを行うことを特徴とするクランク軸の製造法である。
【0020】
【数4】
【0021】
ただし、クランク軸が、図1及び図2(a)に示す、ジャーナル軸と垂直面に投影した場合に隣接するピンとジャーナルとがオーバーラップするクランク軸である場合には、ピンとジャーナルのオーバーラップしている側のジャーナル部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP JS 、P JE とし、ピン部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP PS 、P PE とするとともに、線分P JS P JE 、P PS P PE の中点をそれぞれP JC 、P PC とし、上記d J は、領域P PS 、P PE 、P JS 、P JE におけるジャーナル側焼入れ硬化層の深さの平均値を意味し、この焼入れ硬化層深さは、ジャーナル表面から垂直方向にとり、JIS G 0559(’96)における有効硬化層深さを意味するとともに、上記d P は、領域P PS 、P PE 、P JS 、P JE におけるピン焼入れ時のピン側焼入れ硬化層の深さの平均値を意味し、この焼入れ硬化層深さはピン表面から垂直方向にとり、JIS G 0559(’96)における有効硬化層深さを意味し、さらに、(1)式〜(5)式におけるL1Pはピン(1P)の長さ(単位mm)を示し、L2Jはジャーナル(2J)の長さ(単位mm)を示し、hJKはアーム部のジャーナル側高さ(単位mm)であって線分P JE P JS と直線P PS P PE との間の距離を示し、hPKはアーム部のピン側高さ(単位mm)であって線分P PS P PE と直線P JE P JS との間の距離を示し、lJKはアーム部のジャーナル側長さ(単位mm)であって線分P PS P JE と線分P PE P JS との間の距離を示し、lPKはアーム部のピン側長さ(単位mm)であって線分P PS P JE と線分P PE P JS との間の距離を示し、DJはジャーナルの直径(単位mm)を示し、DPはピンの直径(単位mm)を示し、さらに添字Kは1Aまたは2Aで、1Aはアーム部1Aを、2Aはアーム部2Aを示し、又は
クランク軸が、図1及び図2(b)に示す、ジャーナル軸と垂直面に投影した場合に隣接するピンとジャーナルとがオーバーラップしないクランク軸である場合には、ピンとジャーナルの近接している方側のジャーナル部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP JS 、P JE とし、ピン部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP PS 、P PE とするとともに、線分P JS P JE 、P PS P PE の中点をそれぞれP JC 、P PC とし、上記d J は、点P JC からアーム部ピン側表面への最近点をP JCP とするとき、直線P JC P JCP 上での焼入れ硬化層の深さを意味し、この焼入れ硬化層深さは、JIS G0559(’96)における有効硬化層深さを意味するとともに、上記d P は、点P PC からアーム部ジャーナル側表面への最近点をP PCJ とするとき、直線P PC P PCJ 上での焼入れ硬化層の深さを意味し、この焼入れ硬化層深さは、JIS G 0559(’96)における有効硬化層深さを意味し、さらに、(1)式〜(5)式におけるL 1P はピン(1P)の長さ(単位mm)を示し、L 2J はジャーナル(2J)の長さ(単位mm)を示し、h JK はアーム部のジャーナル側高さ(単位mm)であって線分P JC P JCP の長さを示し、h PK はアーム部のピン側高さ(単位mm)であって線分P PC P PCJ の長さを示し、l JK はアーム部のジャーナル側長さ(単位mm)であって点P JS を通り直線P JC P JCP に平行な直線と、点P JE を通り直線P JC P JCP に平行な直線の距離を示し、l PK はアーム部のピン側長さ(単位mm)であって点P PS を通り直線P PC P PCJ に平行な直線と、点P PE を通り直線P PC P PCJ に平行な直線の距離を示し、D J はジャーナルの直径(単位mm)を示し、D P はピンの直径(単位mm)を示し、さらに添字Kは1Aまたは2Aで、1Aはアーム部1Aを、2Aはアーム部2Aを示す。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるクランク軸の製造法の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1は、クランク軸0の1スロー分の隣接するピン中心軸とジャーナル中心軸を含む面での断面図であり、図1(a) は全体図、図1(b) はアーム部危険断面部のうち、アーム部2Aにおける危険断面部付近の拡大図である。図1(b) においては、アーム部2Aにおける危険断面部のみの拡大図であるが、アーム部1Aの危険断面に関しても状況は同じであり、ここではアーム部1Aの危険断面部とアーム部2Aの危険断面部を総称してアーム危険断面部Aと称する。なお、本明細書において「1スロー」とは、ピン1個と両隣のアーム、さらにはその隣のジャーナルの中央横断平面までの領域を意味する。
【0024】
図1(a) および図1(b) に示すように、ジャーナル1J、2Jを焼入れると、ジャーナル1J、2Jの表面にはマルテンサイト変態による焼入れ深さdJ の焼入れ硬化層11を生じる。この焼入れ硬化層11が膨張することによりアーム危険断面部Aに焼曲がりが生じる。一方、ピン1Pの焼入れ時も同様に硬化層12の膨張によりアーム危険断面部Aは撓む。ただし、撓み方向は、ジャーナル1J、2Jの焼入れ時と、ピン1Pの焼入れ時とで互いに逆向きである。さらに、このアーム危険断面部Aは剛性が小さいため、クランク軸全体で最も曲がりが発生し易い部分である。そのため、この部分の焼曲がりの検討を高精度で行うことができれば、クランク軸0全体における焼曲がりの発生を抑制することができる。
【0025】
そこで、本実施の形態では、このクランク軸0のアーム危険断面部Aを梁モデルを用いてモデル化して焼曲がり量を検討する。
図2(a) および図2(b) は、いずれも、クランク軸0のアーム部1Aまたは2Aの危険断面部を梁に見立てたときの領域を示す説明図である。図2に示すように、クランク軸0は、ジャーナル軸と垂直面にクランク軸を投影した場合に、隣接するピンとジャーナルとがオーバーラップしているもの (図2(a) 参照 )と、隣接するピンとジャーナルとがオーバーラップしていないもの (図2(b) 参照 )との2種に大別される。そこで、それぞれについて以下に列記するようにして、梁モデルを適用する。
(1) ジャーナル軸と垂直面にクランク軸を投影した場合に、隣接するピンとジャーナルとがオーバーラップしているとき
図2(a) に示すように、ピンとジャーナルの中心軸とを含む断面において、ピンとジャーナルのオーバーラップしている側のジャーナル部フィレットR開始点、終了点をそれぞれPJS、PJEとし、ピン部フィレットR開始点、終了点をそれぞれPPS、PPEとするとともに、線分PJSPJE、PPSPPEの中点をそれぞれPJC、PPCとする。
【0026】
この際に、「アーム部ジャーナル側焼入れ硬化層深さd J 」は、領域PPS、PPE、PJS、PJEにおけるジャーナル側焼入れ硬化層の深さの平均値を意味する。ただし、この焼入れ硬化層深さは、ジャーナル表面から垂直方向にとり、JIS G 0559('96) における有効硬化層深さを意味するものとする。
【0027】
また、「アーム部ピン側焼入れ硬化層深さdP 」は、領域PPS、PPE、PJS、PJEにおけるピン焼入れ時のピン側焼入れ硬化層の深さの平均値を意味する。ただし、この焼入れ硬化層深さはピン表面から垂直方向にとり、JIS G 0559('96) における有効硬化層深さを意味する。
【0028】
また、「アーム部ジャーナル側高さhJK」は、線分PJEPJSと直線PPSPPEとの間の距離を意味する。
また、「アーム部ピン側高さhPK」は、線分PPSPPEと直線PJEPJSとの間の距離を意味する。
【0029】
また、「アーム部ジャーナル側長さlJK」は、線分PPSPJEと線分PPEPJSとの間の距離を意味する。
さらに、「アーム部ピン側長さlPK」は、線分PPSPJEと線分PPEPJSとの間の距離を意味する。
【0030】
つまり、本実施の形態では、ジャーナル焼入れ時には、アーム部を、焼入れ硬化層深さがdJ 、高さがhJKおよび長さがlJKの梁と見立てるとともに、ピン焼入れ時には、アーム部を、焼入れ硬化層深さがdP 、高さがhPKおよび長さがlPKの梁と見立てることとする。
【0031】
なお、図2における添字Kは1Aまたは2Aを意味し、1Aは図1のアーム部1Aを意味し、2Aはアーム部2Aを意味する。
(2) ジャーナル軸と垂直面にクランク軸を投影した場合、隣接するピンとジャーナルがオーバーラップしていないとき
図2(b) に示すように、ピンとジャーナルの中心軸を含む断面において、ピンとジャーナルの近接している方側のジャーナル部フィレットR開始点、終了点をそれぞれPJS、PJEとし、ピン部フィレットR開始点、終了点をそれぞれPPS、PPEとするとともに、線分PJSPJE、PPSPPEの中点をそれぞれPJC、PPCとする。
【0032】
この際に、「アーム部ジャーナル側焼入れ硬化層深さdJ 」は、この断面において、点PJCからアーム部ピン側表面への最近点をPJCP とするとき、直線PJCPJCP 上での焼入れ硬化層の深さを意味する。この焼入れ硬化層深さは、JIS G 0559('96) における有効硬化層深さを意味する。
【0033】
また、「アーム部ピン側焼入れ硬化層深さdP 」は、この断面において、点PPCからアーム部ジャーナル側表面への最近点をPPCJ とするとき、直線PPCPPCJ 上での焼入れ硬化層の深さを意味する。この焼入れ硬化層深さは、JIS G 0559('96) における有効硬化層深さを意味する。
【0034】
また、「アーム部ジャーナル側高さhJK」は、線分PJCPJCP の長さを意味する。
また、「アーム部ピン側高さhPK」は、線分PPCPPCJ の長さを意味する。
【0035】
また、「アーム部ジャーナル側長さlJK」は、この断面において、点PJSを通り直線PJCPJCP に平行な直線と、点PJEを通り直線PJCPJCP に平行な直線の距離を意味する。
【0036】
また、「アーム部ピン側長さlPK」は、この断面において、点PPSを通り直線PPCPPCJ に平行な直線と、点PPEを通り直線PPCPPCJ に平行な直線の距離を意味する。
【0037】
つまり、ジャーナル焼入れ時には、アーム部を、焼入れ硬化層深さがdJ 、高さがhJKおよび長さがlJKの梁と見立てるとともに、ピン焼入れ時には、アーム部を焼入れ硬化層深さがdP 、高さがhPKおよび長さがlPKの梁と見立てる。
【0038】
ただし、各文字の添字Kは1Aまたは2Aを示し、1Aはアーム部1Aを意味し、2Aはアーム部2Aを意味する。
図3は、このように定めた梁モデルの簡略図である。図3における符合21は焼入れ硬化層部分を示し、この焼入れ硬化層部分が膨張することにより焼曲がりが発生する。図3において、ε(z) の膨張ひずみが生じたとき、アームの曲がりの曲率半径ρは、クランク軸アーム部高さをhとすると、梁全体の応力とモーメントの釣合いから、
【0039】
【数5】
【0040】
と表すことができる。
いま、焼入れ硬化層深さがdであり、この部分で均一なひずみεが発生していると考えると、アーム部焼入れ硬化層の深さをdとすると、(6) 式は、
【0041】
【数6】
【0042】
となる。
ここで、このようにして得られた(7) 式を実際のクランク軸に適用する。すなわち、実際のクランク軸は3次元形状を呈しており、図2の梁の奥行き方向にも焼入れ硬化層の分布が存在し、この分布は、ジャーナルまたはピンの径に比例すると考えられる。そこで、この比例定数をf' とすると、ジャーナル焼入れ時のアーム部における実際の曲率半径の式は、(7) 式にこれら3次元的な影響も考慮した下記式、すなわち
【0043】
【数7】
【0044】
となる。
この(8) 式において、f =6 εf' であり、材料が同じ場合にはεは一定となるので、f は定数となる。また、(8) 式において、DJ はジャーナル径を示し、DP はピン径を示し、ρJKはジャーナル焼入れ時のアームの曲率半径を示し、dJ はアーム部ジャーナル側焼入れ硬化層の深さを示し、hJKはアーム部ジャーナル側高さを示し、添字K は1Aまたは2Aを示し、1Aはアーム部1Aを示し、2Aはアーム部2Aを示す。
【0045】
これより、アーム部1Aまたは2Aにて生じるたわみ角の絶対値θJKは、
【0046】
【数8】
【0047】
となる。ただし、(9) 式において、lJKはアーム部ジャーナル側長さを示す。
ここで、ジャーナル1Jの端部を完全拘束した場合にアーム部たわみ角とクランク軸1スロー分の曲がり量の関係を示した模式図を図4に示す。図4に示すように、ジャーナル1Jの端部を完全拘束した場合のクランク軸1スロー分の推定曲がり量の絶対値δJ は、
【0048】
【数9】
【0049】
と表現される。ここで、L1P はピン1Pの長さを示し、L2J はジャーナル2Jの長さを示し、θJ1A はジャーナル焼入れ時のアーム部1Aのたわみ角の絶対値を示し、θJ2A はジャーナル焼入れ時のアーム部2Aのたわみ角の絶対値を示す。
【0050】
ここで、L2J に1/2 の係数を乗じるのはクランク軸1スロー分に含まれるジャーナル2Jの長さはジャーナル2J全体の1/2 であるからである。
同様に、ピン部表面を焼入れした場合のアーム部にて生じるたわみ角の絶対値θPKは、
【0051】
【数10】
【0052】
と表現される。ここで、dP はアーム部ピン側焼入れ硬化層の厚みを示し、hPKはアーム部ピン側高さを示し、lPKはアーム部ピン側長さを示す。
このため、このクランク軸の1スロー分の推定曲がり量の絶対値δP は、
【0053】
【数11】
【0054】
と表現される。ここで、θP1A はピン焼入れ時のアーム部1Aのたわみ角の絶対値を示し、θP2A はピン焼入れ時のアーム部2Aのたわみ角の絶対値を示す。
ここで、L2J に1/2 の係数を乗じるのはクランク軸1スロー分に含まれるジャーナル2Jの長さはジャーナル2J全体の1/2 であるからである。
【0055】
しかし、実際のクランク軸では、加熱時および冷却時に塑性変形を起すため、非線形現象となり、焼入れ硬化層の厚みが増えるにしたがってこのモデル式からずれを生じてくることになる。そこで、この非線形現象による影響に関しては、実験やコンピュータシミュレーション等 (以下、単に「実験等」という。) を行って実際の曲がり量を導出し、上述したモデルによるたわみ量と実験等により得られた結果とをプロットすることによって、明らかにすることができる。
【0056】
図5は、実験等による曲がり量δ' i と、δi /f (ただし、i:P(ピン焼入れ時) またはJ(ジャーナル焼入れ時) )の関係の一例をプロットしたグラフである。
【0057】
このグラフから、実験等による曲がり量δ' i とδi /fとの間には、若干のばらつきが存在するものの、略1:1に対応していると考えられる。なお、このグラフにおけるばらつきは、クランク軸の形状が各々異なっているため、非線形現象の効果が各々のクランク軸で若干異なるためであると考えられる。また、図5のグラフにおいて、縦軸をδi /fとしたのは、本実験等実施時の材質は全て同じものであり、δi をfで除しても効果に支障がないからである。
【0058】
これより、δi とδ' i は、(13)式に示すように関数(G) の関係で表すことができる。
【0059】
【数12】
【0060】
ただし、(13)式において、δ' i はジャーナル部焼入れ時(添字i:J )またはピン部焼入れ時(添字i:J )の1スロー分の実験等により得られる焼曲がり量を示し、iはP (ピン) またはJ (ジャーナル) を示す。
【0061】
また、上述したように、ピン焼入れ時とジャーナル焼入れ時とでは、アーム部における焼入れ硬化層ができる位置が反対の位置であるため、それぞれの焼入れ時に発生する曲がりは反対の方向になる。そこで、
【0062】
【数13】
【0063】
とするとき、焼曲がり量は0になる。この関係は、
【0064】
【数14】
【0065】
と表すこともでき、この(15)式に(10)式および(12)式の関係を代入すると、
【0066】
【数15】
【0067】
あるいは、
【0068】
【数16】
【0069】
となる。
ただし、(16)式および(17)式において、 AP 、 BP 、 CP 、 A J、 BJ 、 CJ および Sは以下に列記する(18)式〜(24)式により与えられる。
【0070】
【数17】
【0071】
これらの式を満足する焼入れ硬化層の組合せにより高周波焼入れを行えば、クランク軸の焼曲がりを防止できることとなる。しかし、ピン焼入れによる焼曲がり量と、ジャーナル焼入れによる焼曲がり量とを完全に等しくすることは、現実には困難である。このため、焼曲がり量を許容範囲内にすることが工業的に実現可能な方法である。
【0072】
すなわち、素材の成分のばらつきや操業時の部材の装置へのセッティングの誤差等は不可避的に生じるため、焼入れ硬化深さは狙い値からばらつく。例えば、鍛造クランク軸の場合には、鍛造ビレットの表層側がクランク軸表面となるところと、鍛造ビレットの中心部近傍がクランク軸表面となるところが同一クランク軸内に存在し、鍛造ビレットの部位によって成分にばらつきが存在するため、クランク軸の表面においてもビレットのどの部位であったかによって焼入れ硬化層深さのばらつきが発生することとなる。しかし、たとえ、これらのばらつきが存在しても、任意のアーム部ジャーナル側の焼入れ硬化層深さdJ に対し、δJ =δP を実現するdP のまわりに±0.5 mmのばらつきが存在しても、クランク全体の曲がり量は規格値を満足できることが経験的に得られている。つまり、アーム部ピン側、ジャーナル側の焼入れ硬化層深さを、
【0073】
【数18】
【0074】
あるいは
【0075】
【数19】
【0076】
の範囲とすればよい。
同様の観点から、任意のアーム部ジャーナル側の焼入れ硬化層深さdJ に対し、δJ =δP を実現するdP のまわりに存在するばらつきは、±0.3mm の範囲にあることが望ましく、±0.15mmの範囲にあることがさらに望ましい。
【0077】
この(25)式または(26)式により示される範囲にあれば、クランク軸の全体の曲がり量を規格内とすることができる。つまり、この(25)式または(26)式の範囲を満足するように、dJ およびdP の組合わせを決定すれば、焼曲がりが少ないクランク軸を製造することができる。なお、本方法は、クランク軸の1スローに関して曲がり量を抑制することによって全体の曲がり量を抑制する方法であるため、エンジンの気筒数がいくらのものでも適用可能である。
【0078】
なお、(25)式または(26)式の範囲を満足するdJ およびdP の組合わせで高周波焼入れを行う手段は、特定の手段に限定されるものではなく、公知の手段によればよい。例えば、市販されているクランク軸用の高周波焼入れ装置において、入力電力を制御することにより、所定の焼入れ硬化層深さとなるように焼入れを行えばよい。
【0079】
このように、本実施の形態によれば、理論式に基づいて高周波焼入れの条件を決定するため、高精度で、かつ効率的に焼入れ条件を決定することができる。
【0080】
【実施例】
表1は、各々のクランク軸寸法に関して、アーム部ピン側の焼入れ硬化層深さを決定したときに、焼曲がりの少なくなるアーム部ジャーナル側の焼入れ硬化層深さの範囲を上述した各式に基づいて計算したものである。
【0081】
【表1】
【0082】
この表のNo.1、2 、7 、21および22に高周波焼入れを行って焼入れ硬化層を形成して、クランク軸を製造した。つまり、各クランク軸とも、アーム部ピン側およびジャーナル側の焼入れ硬化層が、表1の関係を満足するようにして、クランク軸を製造した。
【0083】
その結果、焼曲がり量を平均で約30%低減できた。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、焼曲がりの発生量が少なくなる焼入れ硬化層条件を理論式に基づいて正確に決定できるため、この条件に基づいて高周波焼入れを行うことにより、焼曲がりの少ない高周波焼入れクランク軸を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クランク軸の1スロー分のピン中心軸とジャーナル中心軸を含む面での断面図であり、図1(a) は全体図、図1(b) はアーム部危険断面部のうち、アーム部2Aにおける危険断面部付近の拡大図である。
【図2】図2(a) および図2(b) は、いずれも、クランク軸のアーム危険断面部を梁に見立てたときの領域を示す説明図である。
【図3】梁モデルの簡略図である。
【図4】ジャーナルの端部を完全拘束した場合にアーム部たわみ角とクランク軸1スロー分の曲がり量との関係を示した模式図である。
【図5】実験等による曲がり量δ' i と、δi /fの関係の一例をプロットしたグラフである。
【符号の説明】
0:クランク軸
1J:ジャーナル1J
2J:ジャーナル2J
1P:ピン1P
1A:1J側アーム
2A:2J側アーム
11:ジャーナル部焼入硬化層およびアーム部ジャーナル側焼入硬化層
12:ピン部焼入硬化層およびアーム部ピン側焼入硬化層
13、14:ジャーナル部フィレットR 部
15、16:ピン部フィレットR 部
21:焼入れ硬化層
dP :アーム部ピン側焼入硬化層深さ
dJ :アーム部ジャーナル側焼入硬化層深さ
Claims (2)
- クランク軸の1スローにおいてアーム危険断面部それぞれにおけるピンの高周波焼入れ硬化層深さ(dP、単位mm)およびジャーナルの高周波焼入れ硬化層深さ(dJ、単位mm)が、下記(1)〜(5)式により規定される所定の関係を満足することを特徴とするクランク軸。
クランク軸が、図1及び図2(b)に示す、ジャーナル軸と垂直面に投影した場合に隣接するピンとジャーナルとがオーバーラップしないクランク軸である場合には、ピンとジャーナルの近接している方側のジャーナル部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP JS 、P JE とし、ピン部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP PS 、P PE とするとともに、線分P JS P JE 、P PS P PE の中点をそれぞれP JC 、P PC とし、上記d J は、点P JC からアーム部ピン側表面への最近点をP JCP とするとき、直線P JC P JCP 上での焼入れ硬化層の深さを意味し、この焼入れ硬化層深さは、JIS G055 9(’96)における有効硬化層深さを意味するとともに、上記d P は、点P PC からアーム部ジャーナル側表面への最近点をP PCJ とするとき、直線P PC P PCJ 上での焼入れ硬化層の深さを意味し、この焼入れ硬化層深さは、JIS G 0559(’96)における有効硬化層深さを意味し、さらに、(1)式〜(5)式におけるL 1P はピン(1P)の長さ(単位mm)を示し、L 2J はジャーナル(2J)の長さ(単位mm)を示し、h JK はアーム部のジャーナル側高さ(単位mm)であって線分P JC P JCP の長さを示し、h PK はアーム部のピン側高さ(単位mm)であって線分P PC P PCJ の長さを示し、l JK はアーム部のジャーナル側長さ(単位mm)であって点P JS を通り直線P JC P JCP に平行な直線と、点P JE を通り直線P JC P JCP に平行な直線の距離を示し、l PK はアーム部のピン側長さ(単位mm)であって点P PS を通り直線P PC P PCJ に平行な直線と、点P PE を通り直線P PC P PCJ に平行な直線の距離を示し、D J はジャーナルの直径(単位mm)を示し、D P はピンの直径(単位mm)を示し、さらに添字Kは1Aまたは2Aで、1Aはアーム部1Aを、2Aはアーム部2Aを示す。 - 成形されたクランク軸素材に高周波焼入れを行ってクランク軸を製造する際に、該クランク軸の1スローにおいてアーム危険断面部それぞれにおけるピンの高周波焼入れ硬化層深さ(d P 、単位mm)およびジャーナルの高周波焼入れ硬化層深さ(d J 、単位mm)が、下記(1)〜(5)式により規定される所定の関係を満足するようにして、前記高周波焼入れを行うことを特徴とするクランク軸の製造法。
クランク軸が、図1及び図2(b)に示す、ジャーナル軸と垂直面に投影した場合に隣接するピンとジャーナルとがオーバーラップしないクランク軸である場合には、ピンとジャーナルの近接している方側のジャーナル部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP JS 、P JE とし、ピン部フィレットR開始点、終了点をそれぞれP PS 、P PE とするとともに、線分P JS P JE 、P PS P PE の中点をそれぞれP JC 、P PC とし、上記d J は、点P JC からアーム部ピン側表面への最近点をP JCP とするとき、直線P JC P JCP 上での焼入れ硬化層の深さを意味し、この焼入れ硬化層深さは、JIS G0559(’96)における有効硬化層深さを意味するとともに、上記d P は、点P PC からアーム部ジャーナル側表面への最近点をP PCJ とするとき、直線P PC P PCJ 上での焼入れ硬化層の深さを意味し、この焼入れ硬化層深さは、JIS G 0559(’96)における有効硬化層深さを意味し、さらに、(1)式〜(5)式におけるL 1P はピン(1P)の長さ(単位mm)を示し、L 2J はジャーナル(2J)の長さ(単位mm)を示し、h JK はアーム部のジャーナル側高さ(単位mm)であって線分P JC P JCP の長さを示し、h PK はアーム部のピン側高さ(単位mm)であって線分P PC P PCJ の長さを示し、l JK はアーム部のジャーナル側長さ(単位mm)であって点P JS を通り直線P JC P JCP に平行な直線と、点P JE を通り直線P JC P JCP に平行な直線の距離を示し、l PK はアーム部のピン側長さ(単位mm)であって点P PS を通り直線P PC P PCJ に平行な直線と、点P PE を通り直線P PC P PCJ に平行な直線の距離を示し、D J はジャーナルの直径(単位mm)を示し、D P はピンの直径(単位mm)を示し、さらに添字Kは1Aまたは2Aで、1Aはアーム部1Aを、2Aはアーム部2Aを示す。
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