JP4007002B2 - 超音波センサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波センサおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波の送波および受波を行う超音波振動子をハウジング内に収納した超音波センサが自動車のバックセンサー、コーナーセンサーなどの用途に利用されている。
【0003】
この種の超音波センサでは、▲1▼超音波振動子の振動を妨げないこと、▲2▼超音波振動子の振動が超音波センサ外部の取付け部材(金属板など)に伝播し、これによる取付け部材の振動を超音波振動子が検知してしまわないように高い防振性を有すること、▲3▼ハウジングに加えられた外力が超音波振動子に与える影響を緩和すること、▲4▼超音波振動子を予め定められた所定の位置に保持することなどが要求される。
【0004】
このため、図15に示すように、一般に、シリコンゴムなどの弾性に優れた材料からなる成形体21の内部に、超音波振動子の振動面以外の部分が該成形体21で覆われるように超音波振動子22を押し込んで嵌め込み、次に該成形体21の底部がハウジング23内部の底面に突き当たるように、該成形体21をハウジング23内に押し込んで嵌め込むことによって、超音波センサが製造されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法による超音波センサの製造方法は、二段階の組み立て工程を経る必要があることから煩雑なものである。また、超音波振動子が該成形体内に容易に押し込め、該成形体がハウジング内に容易に押し込めることが必要とされるから、超音波振動子、成形体およびハウジングの形状には制限があり、超音波センサに外力が作用した際に、超音波振動子が脱落したり、超音波振動子の位置がずれたりすることがある。
【0006】
さらに、成形体の材料にシリコンゴムを用いたときには、その表面への塗装が困難であり、自動車のバンパーなどに超音波センサを取り付けると、外観を損ねることがある。
【0007】
本件の発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、超音波振動子の脱落や位置ずれを抑えた超音波センサ、および、このような超音波センサを効率的に製造することが可能な超音波センサの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本件の各発明は上記の課題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明の超音波センサは、超音波の送波および受波を行う超音波振動子が、−50〜100℃の温度範囲で5GPa以下の貯蔵たて弾性係数をもつ熱可塑性エラストマからなる保持体で保持され、該超音波振動子および該保持体がハウジング内に収納されてなることを特徴とする。
【0009】
ここで、貯蔵たて弾性係数(E´)とはひずみと同位相の応力をひずみで除した値(JIS K 6394参照)のことである(動的貯蔵弾性率(E´)と言うこともある。)。貯蔵たて弾性係数(E´)は動的粘弾性測定装置(例えば、(株)ユービーエム製Rheogel−E4000)を用いて測定される。具体的には、測定温度にある熱可塑性エラストマのサンプルに対して、動電型加振器により下方から周波数と振幅とが設定された正弦波歪または合成波歪振動を加え、それによって発生した応力レスポンスを上方に設けられた水晶圧電型応力センサで検出する一方、加振器に取り付けられた変位センサによりサンプルの歪を検出し、得られた動的応力波形および動的歪波形からFFT演算等により、各々の周波数の振幅と位相差角とを求め、さらに線形粘弾性理論に基く演算式によって貯蔵たて弾性係数を求めるのである。
【0010】
請求項2に係る発明の超音波センサは、上記請求項1の発明の超音波センサにおいて、超音波振動子と保持体との境界面およびハウジングと保持体との境界面の両者またはいずれか一方に突起または凹部が設けられたものである。
【0011】
請求項3に係る発明の超音波センサは、上記請求項1または2の発明の超音波センサにおいて、▲1▼超音波振動子と保持体との境界面および▲2▼ハウジングと保持体との境界面の両者またはいずれか一方で隣合う部材同士(すなわち、▲1▼においては超音波振動子と保持体、▲2▼においてはハウジングと保持体。)が融着されてなるものである。
【0012】
請求項4に係る発明の超音波センサは、上記請求項1ないし3の発明の超音波センサにおいて、超音波振動子の振動が大きな部分は厚く、振動が小さい部分は薄くなるように厚さを異ならせた保持体によって超音波振動子を保持したものである。
【0013】
請求項5に係る発明の超音波センサは、上記請求項1ないし3の発明の超音波センサにおいて、保持体がリブ状の形状を有したものである。
【0014】
請求項6に係る発明の超音波センサの製造方法は、超音波の送波および受波を行う超音波振動子を、該超音波振動子と成形型面との間に隙間ができるように成形型内に取り付け、該超音波振動子と成形型面との間にある隙間に溶融させた熱可塑性材料を充填し、該熱可塑性材料を冷却固化して、該超音波振動子と該熱可塑性材料からなる保持体とを一体化し、次いで、一体化された超音波振動子および保持体をハウジング内に装着することを特徴とする。
【0015】
請求項7に係る発明の超音波センサの製造方法は、超音波の送波および受波を行う超音波振動子と該超音波振動子を収納するハウジングとを、該超音波振動子とハウジングとの間に隙間ができるように成形型内に取り付け、該超音波振動子とハウジング面との間にある隙間に溶融させた熱可塑性材料を充填し、該熱可塑性材料を冷却固化して、該超音波振動子と該熱可塑性材料からなる保持体とハウジングとを一体化することを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に係る発明の超音波センサの製造方法は、超音波の送波および受波を行う超音波振動子が装着されるハウジングを成形型内に取り付け、ハウジング内に超音波振動子が装着される隙間を残して溶融させた熱可塑性材料を充填し、該熱可塑性材料を冷却固化して、該ハウジングと該熱可塑性材料からなる保持体とを一体化し、次いで、ハウジングと一体化された保持体内に超音波振動子を装着することを特徴とする。
【0017】
上記の超音波センサの製造方法に関する各発明において、熱可塑性材料として、−50〜100℃の温度範囲で5GPa以下の貯蔵たて弾性係数をもつ熱可塑性エラストマを利用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(超音波センサの製造方法の実施形態1)
本件発明の超音波センサの製造方法について、図1〜3により説明する。図1は本件の超音波センサの製造方法に用いられる射出成形機の一例の構成を、図2はこの射出成形機の金型の構成を、図3は超音波センサの製造工程の中間段階の状態をそれぞれ示している。
【0019】
本件発明の超音波センサの製造方法に用いられる射出成形機は金型1とシリンダー2とを備えた標準的なものであり、熱可塑性材料のペレット3がシリンダー内で溶融されて、金型内の空隙(キャビティ)に押し出され、該熱可塑性材料を冷却固化した後に金型が開いて成形体が取り出される。
【0020】
図2に示すように、この実施形態1では、金型1内に超音波振動子4が取り付けられており、超音波振動子4の振動面5以外の面と金型鏡面6との間にある隙間に溶融させた熱可塑性材料7が充填される。熱可塑性材料が冷却固化した後に金型を開くと、図3に模式的に示すように、超音波振動子の振動面以外の面を覆うように熱可塑性材料からなる保持体8が形成される。このようにして得られた超音波振動子と保持体とが一体化された成形物を所定のハウジング(図示しない)内に装着することによって超音波センサが製造される。これによって、従来の超音波センサの製造方法によれば、2段階の嵌め込み工程が必要であったものが、1回の嵌め込み工程で済み、製造工程を簡略化することができる。また、この超音波センサの製造方法によれば、超音波振動子と保持体との境界面を密着させることができ、超音波センサの防滴性を向上させることができる。さらに、超音波振動子の振動面と保持体のつら位置を揃えることもできる。
(超音波センサの製造方法の実施形態2)
本件発明の超音波センサの製造方法の他の実施形態を図4により説明する。図4はこの実施形態における射出成形機の金型の構成を示している。射出成形機は図1に示すような標準的なものである。
【0021】
図4に示すように、この実施形態2では、金型1内に超音波振動子4とハウジング9とが取り付けられており、超音波振動子4の振動面5以外の面とハウジング9との間にある隙間に溶融させた熱可塑性材料7が充填される。熱可塑性材料が冷却固化した後に金型を開くと、超音波振動子の振動面5が露出され、超音波振動子と該熱可塑性材料からなる保持体とハウジングとが一体化された超音波センサが得られる。これによって、従来の超音波センサの製造方法によれば、2段階の嵌め込み工程が必要であったものが、嵌め込み工程が不要となり、製造工程を大幅に簡略化することができる。また、この超音波センサの製造方法によれば、超音波振動子、保持体およびハウジングの各境界面を密着させることができ、超音波センサの防滴性を向上させることができる。さらに、超音波振動子の振動面、保持体およびハウジングのつら位置を揃えることもできる。
(超音波センサの製造方法の実施形態3)
本件発明の超音波センサの製造方法の他の実施形態を図5により説明する。図5はこの実施形態における射出成形機の金型の構成を示している。射出成形機は図1に示すような標準的なものである。
【0022】
図5に示すように、この実施形態3では、金型1内にハウジング9が取り付けられており、超音波振動子を後から嵌め込む空間が残るように、金型表面10とハウジング9との間にある隙間に溶融させた熱可塑性材料7が充填される。熱可塑性材料が冷却固化した後に金型を開くと、超音波振動子を嵌め込む空間を残して、該熱可塑性材料からなる保持体とハウジングとが一体化された成形物が得られる。この空間に超音波振動子(図示しない)を装着することによって超音波センサが製造される。これによって、従来の超音波センサの製造方法によれば、2段階の嵌め込み工程が必要であったものが、1回の嵌め込み工程で済み、製造工程を簡略化することができる。また、この超音波センサの製造方法によれば、超音波振動子の保持体とハウジングとの境界面を密着させることができ、超音波センサの防滴性を向上させることができる。さらに、保持体とハウジングとのつら位置を揃えることもできる。
【0023】
ここで、上記の超音波センサの製造方法の各実施形態において、熱可塑性材料としては、超音波振動子の振動を妨げないように弾性に優れた材料が用いられる。このような材料として、熱可塑性エラストマ(例えば、オレフィン系のもの)が挙げられ、−50〜100℃の温度範囲で5GPa以下の貯蔵たて弾性係数をもつ熱可塑性エラストマが好適に用いられる。
【0024】
保持体やハウジングに相溶性の材料を選んで(例えば、保持体にオレフィン系熱可塑性エラストマを用い、ハウジングにポリプロピレン(PP)を用いる。)、上記のように超音波センサを製造すれば、射出成形時の熱エネルギーによって超音波振動子と保持体(あるいは超音波振動子とハウジング)とが融着し、両者をより強固に一体化することができる。このように超音波振動子と保持体との境界面およびハウジングと保持体との境界面の両者またはいずれか一方で隣合う部材同士を融着させることにより、超音波センサに外力が加わった場合に、超音波振動子が脱落したり、位置がずれたりする可能性をより一層小さくすることができる。
【0025】
また、後述するように、超音波振動子の振動面以外の面あるいはハウジングの内部に凹部または凸部(突起)を設けておき、射出成形法を利用して、保持体を形成することによっても、超音波センサに外力が加わった場合に、超音波振動子が脱落したり、位置がずれたりする可能性をより一層小さくすることができる。この場合において、保持体やハウジングに相溶性の材料を選ぶことも可能である。
【0026】
従来の超音波センサの製造方法によれば、超音波振動子やハウジングに突起を設けると超音波振動子を保持体に嵌め込む際、あるいは保持体をハウジングに嵌め込む際に保持体に変形が生じて、所定の位置に超音波振動子を保持することが困難になる。しかし、射出成形法を利用した上記の各方法によって超音波センサを製造するのであれば、超音波振動子の振動面以外の面あるいはハウジングの内部に凹部または凸部(突起)を設けることも容易である。
【0027】
さらに、上述の方法で超音波センサを製造するにあたり、後述のように、保持体を小型化したり、超音波振動子と保持体との接触部をリブ状の構造にしたりすることによって、超音波振動子側面と保持体との接触面積、保持体とハウジングとの接触面積を減少させ、超音波送信時の超音波振動子からハウジンへの振動伝達を低減させることができる。また、やはり後述するように、振動が大きな部分については厚く、振動が小さい部分については薄くなるように保持体の厚さを異ならせることによっても、超音波送信時の超音波振動子からハウジンへの振動伝達を低減させることができる。
(超音波センサの実施形態1)
本件発明の超音波センサの一例の概略構成を図6に示す。図6(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。
【0028】
この超音波センサでは、超音波の送波および受波を行う超音波振動子11の振動面11b以外の面が、−50〜100℃の温度範囲で5GPa以下の貯蔵たて弾性係数をもつ熱可塑性エラストマからなる保持体12で覆われており、超音波振動子11および保持体12がハウジング13内に収納されている。超音波振動子11が送波または受波する時の信号はリード線11aを介して供給される。
【0029】
このように、超音波振動子1を−50〜100℃の温度範囲で5GPa以下の貯蔵たて弾性係数をもつ熱可塑性エラストマからなる保持体12で保持することによって超音波振動子側面11cの振動をハウジング13に伝わりにくくすることができる。このような超音波センサを上述のように射出成形法を利用して製造すれば、振動面11b、保持体12の上面およびハウジング13の上面(すなわち、3つの部品のつら位置)を同じ高さに揃えることが容易である。
【0030】
本件発明の超音波センサは必要により表面に塗装を施しても良い。例えば、自動車のバンパーにバックセンサー用、コーナーセンサー用などの超音波センサを取り付けるにあたり、そのバンパーと同色の塗装を超音波センサ表面に施すような場合である。塗装は、超音波振動子の塗装面と保持体の塗装面12aとの継ぎ目がなくなるように施しても(図7(a))、保持体の塗装面12aとハウジングの塗装面13aとの継ぎ目がなくなるように施しても(同図(b))、超音波振動子の塗装面と保持体の塗装面12a、保持体の塗装面12aとハウジングの塗装面13aとのそれぞれの継ぎ目がなくなるように施しても(同図(c))、いずれでも良い。このように継ぎ目なく塗装することで、美観を向上させ、防滴性を向上させることができる。また、継ぎ目に汚れが溜まることも防止することができる。従来のように、シリコンゴムの成形体によって超音波振動子をハウジング内に固定するのではなく、熱可塑性エラストマを利用すれば、一般に、塗装が容易である。
【0031】
また、上述のように射出成形法を利用して超音波センサを製造すれば、超音波振動子振動面11b、保持体12およびハウジング13のつら位置を揃えることが容易であり、表面塗装も容易である。
(超音波センサの実施形態2)
本件発明の超音波センサの他の一例の概略構成を図8に示す。図8(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。なお、図8において、図6と同様の部分については同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。
【0032】
この超音波センサでは、超音波振動子側面11cに環状の突起部11fが設けられている。環状の突起部11fを設けることによって、超音波振動子11が保持体12から脱落することがなくなり、超音波センサに急激に外力が加わることによって、超音波振動子11の保持位置がずれる可能性を小さくすることができる。
【0033】
超音波振動子を確実に保持するため、超音波振動子側面に環状の突起部を設けることは、超音波振動子をシリコンゴムからなる成形体の内部に押し込んで嵌め込み、これをハウジングに押し込んで嵌め込む従来の製造方法では困難であるが、上述のような射出成形法を利用した製造方法によれば、容易に実現することができる。
【0034】
超音波振動子の脱落、ずれを抑えるためには、図9(a)に示すように、ハウジング3に環状のハウジング突起部13bを設けても良く、同図(b)に示すように、超音波振動子側面11cに環状の突起部11fを、ハウジング13に環状のハウジング突起部13bをそれぞれ設けても良い。これら各突起部は、環状に複数あっても良く、途中に切れ目があっても良い。また突起を設けることに替えて、凹部を設けても良い。
(超音波センサの実施形態3)
本件発明の超音波センサの他の一例を図10を用いて説明する。この超音波センサでは、▲1▼超音波振動子11と保持体12との境界面14および▲2▼保持体12とハウジング13との境界面15の両者またはいずれか一方において、隣合う部材どうしが融着している。このようにすることによって、超音波センサに外力が加わった場合に、超音波振動子が脱落したり、位置がずれたりする可能性をより一層小さくすることができる。
【0035】
保持体やハウジングに相溶性の材料を選んで、射出成形法を利用して超音波センサを製造すれば、射出成形時の熱エネルギーによって超音波振動子と保持体と(あるいは超音波振動子とハウジング)を融着させることができる。上記の各境界面を加熱したり、上記の各境界面にエネルギー波を照射したり、超音波により加振したりすることなどによっても、各境界面を融着させることができる。
(超音波センサの実施形態4)
本件発明の超音波センサの他の一例の概略側面図を図11に示す。この超音波センサでは、超音波送信時の超音波振動子側面からハウジング側面への振動伝達を低減させるため、保持体12を小型化して、超音波振動子側面と保持体12との接触面積、保持体12とハウジング13との接触面積を減少させている。
(超音波センサの実施形態5)
本件発明の超音波センサの他の一例の概略側面図を図12に示す。この超音波センサでは、振動が大きな部分については厚く、振動が小さい部分については薄くなるように軸P1(図中)方向に保持体12の厚さを異ならせている。このような厚さ分布を採用することによって、超音波送信時に、超音波振動子側面からハウジング側面への振動伝達を低減することができる。
(超音波センサの実施形態6)
本件発明の超音波センサの他の一例の概略構成を図13に示す。図13(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図である。なお、図13において、図6と同様の部分については同じ符号を付し、その詳しい説明を省略する。この超音波センサでは、超音波振動子側面11cと保持体12との接触部をリブ状の構造にしており、これにより超音波送信時の超音波振動子側面11cからハウジング側面13cへの振動伝達を低減することができる。
【0036】
上記の超音波センサの実施形態4〜6においても、▲1▼超音波振動子と保持体との境界面および▲2▼保持体とハウジングとの境界面の両者またはいずれか一方において、隣合う部材どうしを融着させることによって、超音波センサに外力が加わった場合に、超音波振動子が脱落したり、位置がずれたりする可能性を小さくすることができる。
【0037】
以上説明した本件各発明の超音波センサは、図14(a)に正面図、(b)に側面図、(c)に背面図をそれぞれ示すように、金属製やプラスチック製の板材16などの外部取り付け部材に取り付けられて、自動車のバックセンサー、コーナーセンサーなどの用途に利用される。
【0038】
【発明の効果】
請求項1に係る超音波センサの発明によれば、超音波振動子の振動を妨げず、超音波振動子の振動が超音波センサ外部の取付け部に伝播することを防止するとともに、ハウジングに強い外力が加えられたような場合であっても、超音波振動子の脱落や位置ずれを抑えることができる。また、熱可塑性エラストマの表面は、一般に、塗装が簡単であり、自動車のバンパーにバックセンサー用、コーナーセンサー用などとして当該発明の超音波センサを取り付けるにあたり、そのバンパーと同色の塗装を施すことが容易である。
【0039】
請求項2に係る超音波センサの発明によれば、超音波振動子の脱落や位置ずれの発生をより一層低減することができる。
【0040】
請求項3に係る超音波センサの発明によれば、超音波振動子の脱落や位置ずれの発生をより一層低減することができるとともに、超音波振動子、成形体およびハウジングの境界部の防滴性を向上させることができる。
【0041】
また、請求項4または5に係る超音波センサの発明によれば、超音波振動子の振動が超音波センサ外部の取付け部に伝播することをより一層防止することができる。
【0042】
本件の請求項6〜8に係る超音波センサの製造方法の発明によれば、超音波振動子の振動を妨げず、超音波振動子の振動が超音波センサ外部の取付け部に伝播することを防止するとともに、ハウジングに強い外力が加えられたような場合であっても、超音波振動子の脱落や位置ずれを抑えることができる超音波センサを簡便な工程で効率的に製造することができる。また、この発明によれば、超音波振動子、成形体およびハウジングの形状に制限が少なく、超音波振動子が脱落したり、超音波振動子の位置がずれたりし難い超音波センサを容易に製造することができる。さらに、超音波振動子、成形体およびハウジングのつら位置を同じ高さに揃えることが容易であり、超音波センサ表面に塗装を施すことによって、防滴性を向上させ、また、各境界を目立たなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本件の超音波センサの製造方法の発明に用いられる射出成形機の一例の概略構成図である。
【図2】本件の超音波センサの製造方法の発明に用いられる射出成形機の金型の一例の概略構成図である。
【図3】超音波センサの製造工程の中間段階の状態を示す図である。
【図4】本件の超音波センサの製造方法の発明に用いられる射出成形機の金型の他の一例の概略構成図である。
【図5】本件の超音波センサの製造方法の発明に用いられる射出成形機の金型の他の一例の概略構成図である。
【図6】本件の超音波センサの発明の一例の概略構成図である。
【図7】本件の超音波センサの発明の他の一例の概略構成図である。
【図8】本件の超音波センサの発明の他の一例の概略構成図である。
【図9】本件の超音波センサの発明の他の一例の概略構成図である。
【図10】本件の超音波センサの発明の他の一例の概略構成図である。
【図11】本件の超音波センサの発明の他の一例の概略構成図である。
【図12】本件の超音波センサの発明の他の一例の概略構成図である。
【図13】本件の超音波センサの発明の他の一例の概略構成図である。
【図14】本件の発明の超音波センサを外部取り付け部材に取り付けた状態を示す図である。
【図15】従来の超音波センサの製造工程を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…金型、4,11…超音波振動子、5,11b…超音波振動子振動面、8,12…保持体、9,13…ハウジング

Claims (9)

  1. 超音波の送波および受波を行う超音波振動子が、−50〜100℃の温度範囲で5GPa以下の貯蔵たて弾性係数をもつ熱可塑性エラストマからなる保持体によって超音波振動子の振動面以外の面が覆われることで保持され、該超音波振動子とハウジングの間に該保持体が介在することで超音波振動子側面の振動をハウジングに伝わりにくくするようになし、該超音波振動子の送波または受波する時の信号を、リード線を介することによって供給されるようになしたことを特徴とする超音波センサ。
  2. 超音波振動子と保持体との境界面およびハウジングと保持体との境界面の両者またはいずれか一方に突起または凹部が設けられた請求項1記載の超音波センサ。
  3. 超音波振動子と保持体との境界面およびハウジングと保持体との境界面の両者またはいずれか一方で隣合う部材同士が融着されてなる請求項1または2記載の超音波センサ。
  4. 超音波振動子の振動が大きな部分は厚く、振動が小さい部分は薄くなるように厚さを異ならせた保持体によって超音波振動子が保持されてなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超音波センサ。
  5. 保持体がリブ状の形状を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超音波センサ。
  6. 超音波の送波および受波を行う超音波振動子を、該超音波振動子と成形型面との間に隙間ができるように成形型内に取り付け、該超音波振動子と成形型面との間にある隙間に溶融させた熱可塑性材料を充填し、該熱可塑性材料を冷却固化して、該超音波振動子と該熱可塑性材料からなる保持体とを一体化し、次いで、一体化された超音波振動子および保持体をハウジング内に装着することを特徴とする超音波センサの製造方法。
  7. 超音波の送波および受波を行う超音波振動子と該超音波振動子を収納するハウジングとを、該超音波振動子とハウジングとの間に隙間ができるように成形型内に取り付け、該超音波振動子とハウジング面との間にある隙間に溶融させた熱可塑性材料を充填し、該熱可塑性材料を冷却固化して、該超音波振動子と該熱可塑性材料からなる保持体とハウジングとを一体化することを特徴とする超音波センサの製造方法。
  8. 超音波の送波および受波を行う超音波振動子が装着されるハウジングを成形型内に取り付け、ハウジング内に超音波振動子が装着される隙間を残して溶融させた熱可塑性材料を充填し、該熱可塑性材料を冷却固化して、該ハウジングと該熱可塑性材料からなる保持体とを一体化し、次いで、ハウジングと一体化された保持体内に超音波振動子を装着することを特徴とする超音波センサの製造方法。
  9. 熱可塑性材料が−50〜100℃の温度範囲で5GPa以下の貯蔵たて弾性係数をもつ熱可塑性エラストマである請求項6〜8のいずれか1項に記載の超音波センサの製造方法。
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