JP4005444B2

JP4005444B2 - 水車水量調整用電動サーボアクチュエータのグリース給脂装置

Info

Publication number: JP4005444B2
Application number: JP2002234403A
Authority: JP
Inventors: 聡新居; 武史長谷川; 博菅井; 秀昭今井
Original assignee: Hitachi Ltd; Shinmaywa Industries Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd; Shinmaywa Industries Ltd
Priority date: 2002-08-12
Filing date: 2002-08-12
Publication date: 2007-11-07
Anticipated expiration: 2022-08-12
Also published as: JP2004080857A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電水車用のガイドベーン駆動装置等に使用される水車水量調整用電動サーボアクチュエータのグリース給脂装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の電動サーボアクチュエータとして、例えば、図３に示される如く、筒状のアクチュエータハウジング１と、アクチュエータハウジング１内に備えられたブラシレスの電動機２と、電動機２の駆動によって出退操作される推力変換機構３と、アクチュエータハウジング１を自在継手を介して支持する支持台４とを備えている。
【０００３】
前記電動機２は、アクチュエータハウジング１に固定されたステータ５およびステータ５内で回転自在に支持された永久磁石からなるロータ６とを備えている。
【０００４】
前記推力変換機構３は、ボールネジ部９ａを有するネジ軸体９と、ボールネジ部９ａに進退自在に螺合されたボールナットからなるナット体１０とを備え、前記ロータ６に固定された支持ブラケットとしてのヨーク体７にナット体１０が固定されている。そして、電動機２の両側で、アクチュエータハウジング１にヨーク体７がラジアルボール軸受１１やスラストローラ軸受１２を介して回転自在に支持されている。
【０００５】
また、ネジ軸体９の一端部はアクチュエータハウジング１外に突出配置され、その先端に備えられた連結金具１４が適宜リンクを介してゲートシャフトアームに連結される。この際、ネジ軸体９の一端部は、アクチュエータハウジング１に適宜軸受１５を介して、その軸心方向に出退自在に支持されている。
【０００６】
そして、電動機２の駆動によるロータ６の正逆回転操作により、ナット体１０が正逆回転操作されると、ナット体１０に螺合されているボールネジ部９ａが軸心方向に進退移動され、ここに、ネジ軸体９がその軸心方向に出退操作され、連結金具１４およびリンクを介してゲートシャフトアームを回動操作し、ゲートシャフトを回動操作することにより、水車用ガイドベーンを開閉操作する構造とされていた。例えば、特許第２５０２０６６号公報に開示の如くである。
【０００７】
また、グリースの給脂メンテナンスにおいては、適宜位置に配置された各給脂ニップル１７にグリースガンを用いて給脂を行っていた。
【０００８】
この際、ネジ軸体９とナット体１０との相互間の潤滑ためのグリースの給脂に際しては、一旦、電動サーボアクチュエータを停止させた後、ヨーク体７に備えられたナット体１０に対する給脂用の給脂ニップル１７を、アクチュエータハウジング１に開口形成されたグリース給脂窓１ａから見える位置にセットし、グリース給脂窓１ａを通じてグリースガンによりその給脂ニップル１７に給脂していた。
【０００９】
そして、給脂されたグリースは、ヨーク体７に形成されたグリース給脂路７ａを通じてナット体１０外周部の周溝１０ａに案内され、周溝１０ａの周方向に適宜間隔を有して形成された径方向複数の給脂口１０ｂを通じてナット体１０の内面側に供給されるように構成されていた。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の電動サーボアクチュエータにおけるナット体１０に対するグリース給脂方法によれば、電動サーボアクチュエータを停止させなければならないため、電動サーボアクチュエータを停止させる前に発電水車を停止させる必要があり、各配管に残った水の排出やその他の準備に時間を要するという問題があった。また、電力の安定供給の面からも、発電水車の停止はあまり好ましくない。さらに中小水力発電所の場合、幾つかの発電所が連携して運転されており、１台の発電所の停止で連携された発電所の停止も必要となるという問題もあった。
【００１１】
そこで、電動サーボアクチュエータを停止させずにグリースが給脂可能な構造として、図４に示される如く、ナット体１０付近に回転継手１９を配置してグリースを給脂する方法を採用した。
【００１２】
即ち、ヨーク体７の端部に備えられた筒部７ｂ外周面に、アクチュエータハウジング１に固定状に支持された中継プレート２０が相対回転自在に套嵌され、グリース給脂窓１ａから中継プレート２０の給脂ニップル１７にグリースを給脂することにより、中継プレート２０のグリース給脂路２０ａおよびヨーク体７のグリース給脂路７ａを通じてナット体１０の周溝１０ａに案内され、各給脂口１０ｂを通じてナット体１０の内面側にグリースが供給される構造とされている。
【００１３】
しかしながら、この種の電動サーボアクチュエータは比較的大きな推力を出力する装置であり、ネジ軸体９のネジ軸径やナット体１０のナット径も大きい。従って、筒部７ｂと中継プレート２０との相互間に配置されたＯリング等のシール部材２１に起因する回転継手１９の摩擦抵抗が大きくなり、水車水量調整用電動サーボアクチュエータに求められる自己閉鎖機能に適した逆転操作力を損ねるという問題が生じた。
【００１４】
ここで、逆転操作力とは、通常時において電動機２の駆動により、ナット体１０が回転してネジ軸体９を出退操作させるが、この逆の動きに必要な操作力を意味し、停電時に発電水車側からの水力（推力）をネジ軸体９が受け、そのネジ軸体９に作用する推力によりナット体１０およびロータ６を回転させる操作力を意味する。
【００１５】
そして、電動サーボアクチュエータが停電時に発電水車の水力を受け、通常は発電水車における水出口を閉鎖する方向に自己閉鎖動作するが、給脂用の回転継手１９における摩擦抵抗が大きいと、電動サーボアクチュエータが自己閉鎖動作しないおそれが生じた。
【００１６】
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、運転中にグリースの給脂が可能で、逆転操作力も損なわない水車水量調整用電動サーボアクチュエータのグリース給脂装置を提供することを目的とする。
【００１７】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための技術的手段は、アクチュエータハウジング内に固定されたステータと、ステータ内で回転自在に支持されたロータとからなる電動機と、前記ロータに一体回転自在に取り付け固定されると共に、その外周部に内面側にグリースを供給するための給脂口が備えらたナット体と、該ナット体に進退自在に螺合されると共に、一端部がアクチュエータハウジング外に突出配置されたネジ軸体とからなる推力変換機構とを備え、前記ロータの回転に伴う前記ナット体の回転により前記ネジ軸体がその軸心方向に出退操作される水車水量調整用電動サーボアクチュエータにおいて、前記ロータに固定された支持ブラケットに前記ナット体が取り付け固定されると共に、前記支持ブラケットが前記アクチュエータハウジングに回転自在に支持され、前記支持ブラケットの回転中心にグリース給脂部が設けられると共に、このグリース給脂部から前記ナット体の給脂口に至り、かつ前記ロータと一体に回転するグリース給脂路が前記ステータ内方に設けられた点にある。
【００１８】
また、前記グリース給脂部に、前記アクチュエータハウジング側に取り付け固定されたロータリジョイントが連結され、アクチュエータハウジング側に取り付け固定された外部グリース給脂部から前記ロータリジョイントに至るグリース案内管路が設けられた構造としてもよい。
【００１９】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第１の実施形態を図面に基づいて説明すると、図１に示される如く、水車水量調整用電動サーボアクチュエータ３０は、前述同様、いわゆる筒状のアクチュエータハウジング３１と、アクチュエータハウジング３１内に備えられたブラシレスの電動機３２と、電動機３２の駆動によって出退操作される推力変換機構３３と、アクチュエータハウジング３１を自在継手３４を介して支持する支持台（図示省略）とを備えている。
【００２０】
また、電動機３２は、アクチュエータハウジング３１内に固定されたステータ３６およびステータ３６内で回転自在に支持された永久磁石からなる円筒体状のロータ３７とを備えている。
【００２１】
前記推力変換機構３３は、ローラネジ部３９ａを有するネジ軸体３９と、ローラネジ部３９ａに進退自在に螺合されたロールナットからなるナット体４０とを備え、前記ロータ３７の軸心方向一側面側に取り付け固定された筒状の支持ブラケット４１にナット体４０が取り付け固定されている。また、ロータ３７の軸心方向他側面側にも筒状の支持ブラケット４２が取り付け固定されており、支持ブラケット４１の外周面および支持ブラケット４２の外周面が、それぞれスラスト軸受としてのスラストローラ軸受４３およびラジアルボール軸受４４を介して、アクチュエータハウジング３１に回転自在に支持されている。
【００２２】
この際、スラストローラ軸受４３はアクチュエータハウジング３１の長手方向略中間部に配置され、ラジアルボール軸受４４はアクチュエータハウジング３１の長手方向端部に配置されている。
【００２３】
また、ネジ軸体３９の一端部はアクチュエータハウジング３１外に突出配置され、その先端に装着された連結金具がリンク等を介してゲートシャフトアームに連結される構造とされている。そして、ネジ軸体３９の前記一端部は、前述同様、アクチュエータハウジング３１の一端部に適宜軸受等を介して軸心方向に移動自在に支持されている。
【００２４】
さらに、前記支持ブラケット４２を支持するアクチュエータハウジング３１の他端部には、ネジ軸体３９の出退量を制御する制御機構（図示省略）を備えたセンサボックス４６が装着されている。そして、センサボックス４６の後部カバー４６ａは着脱自在な構造とされている。
【００２５】
また、アクチュエータハウジング３１は、ナット体４０が回転自在に支持されるスラストローラ軸受４３部分で、自在継手３４を介して支持台に支持されている。
【００２６】
そして、支持ブラケット４２におけるセンサボックス４６内に突出する端部には、支持ブラケット４２の回転中心に沿って延設状に配置されたグリース給脂用筒軸部４２ａが備えられ、筒軸部４２ａの突出端における回転中心に位置して、グリース給脂部としての給脂ニップル４７が装着されている。
【００２７】
一方、ナット体４０には、従来同様、外周部に周溝４０ａが形成されると共に、周溝４０ａの周方向に適宜間隔を有して複数の給脂口４０ｂが径方向（例えば互いに直交する径方向４個所位置）に形成されている。
【００２８】
そして、前記給脂ニップル４７からナット体４０の周溝４０ａ、即ち各給脂口４０ｂに至ると共に、ロータ３７と一体に回転するグリース給脂路４８が設けられている。なお、本実施形態におけるグリース給脂路４８は、各支持ブラケット４１、４２に直接形成された各孔路４８ａと、各孔路４８ａを銅管等からなる配管で繋ぐ配管路４８ｂとで構成されているが、両側の支持ブラケット４１、４２が図３に示されるヨーク体７のように一体構造であれば、直接形成された孔路のみによって構成することもできる。また、配管路４８ｂは取付ブラケット４９により適宜位置で固定状に支持する構造とすればよい。
【００２９】
そしてまた、スラストローラ軸受４３やその他の軸受に対するグリースの給脂は、従来同様、適宜位置に配置された給脂ニップル５０を通じて行う構造とされている。
【００３０】
本実施形態における電動サーボアクチュエータ３０は以上のように構成されており、電動機３２の駆動によるロータ３７の正逆回転操作により、ナット体４０が正逆回転操作されると、ナット体４０に螺合されているローラネジ部３９ａが軸心方向に沿って進退移動され、ここに、ネジ軸体３９がその軸心方向に出退操作され、連結金具およびリンク等を介してゲートシャフトアームを回動操作し、ゲートシャフトを回動操作することにより、水車用ガイドベーンが開閉操作され、水車水量の調整が行われる。
【００３１】
そして、ナット体４０に対するグリースの給脂に際しては、後部カバー４６ａを取り外して給脂ニップル４７を外部に露出させ、給脂ニップル４７にグリースガンを用いて給脂すれば、グリース給脂路４８、周溝４０ａおよび各給脂口４０ｂを通じてナット体４０内面側にグリースが供給できる。
【００３２】
この際、給脂ニップル４７はロータ３７の回転中心に配置されているため、ロータ３７が回転していても周速が小さく、ロータ３７の回転中であってもグリースガンによる給脂を行うことができ、ここに、電動サーボアクチュエータ３０の運転中であってもグリースの給脂が行える。従って、給脂メンテナンスにおいて、電動サーボアクチュエータ３０を停止させる必要がなく、給脂メンテナンスおける作業時間が短縮できる。
【００３３】
また、停電時等における逆転操作力も何ら損なわれず、自己閉鎖機能を良好に発揮できる。
【００３４】
図２は第２の実施形態を示しており、第１の実施形態と同様構成部分は同一符号を付し、その説明を省略する。
【００３５】
即ち、本実施形態によれば、支持ブラケット４２の回転中心に備えられた筒軸部４２ａの給脂ニップル４７に、アクチュエータハウジング３１に取付ブラケット５１を介して取り付け固定されたロータリジョイント５２が連通状に連結されている。
【００３６】
また、ロータリジョイント５２他端の配管部５２ａと、センサボックス４６に外部露出状に取り付け固定された外部グリース給脂部としての給脂ニップル５３とが、銅管等の配管からなるグリース案内管路５４で配管接続されている。この際、グリース案内管路５４はセンサボックス４６内に備えられた制御機構を避けた位置を通って配設されると共に、適宜取付ブラケット等を利用してアクチュエータハウジング３１側に固定支持されている。
【００３７】
そして、ナット体４０に対するグリースの給脂に際しては、給脂ニップル５３にグリースガンを用いて給脂すれば、グリース案内管路５４、ロータリジョイント５２、給脂ニップル４７、グリース給脂路４８、周溝４０ａおよび各給脂口４０ｂを通じてナット体４０内面側にグリースが供給できる。
【００３８】
従って、本実施形態においても、第１の実施形態と同様、電動サーボアクチュエータ３０の運転中であってもグリースの給脂が行えるため、給脂メンテナンスに際して、電動サーボアクチュエータ３０を停止させる必要がなく、給脂メンテナンスおける作業時間が短縮できる。特に、本実施形態においては、後部カバー４６ａを取り外す必要もなく、より作業時間の短縮化が図れる。
【００３９】
回転中心に配置された給脂ニップル４７にロータリジョイント５２を連結した構造であり、摩擦抵抗も少なく、停電時等における逆転操作力も何ら損なわれず、自己閉鎖機能を良好に維持できる。
【００４０】
なお、本実施形態においては、推力変換機構３３がローラネジ部３９ａを有するネジ軸体３９とロールナットからなるナット体４０とを備えた構造を示しているが、ボールネジ構造のネジ軸体３９とナット体４０とからなる構造であってもよく、実施形態の構造に限定されない。
【００４１】
また、スラスト軸受としてスラストローラ軸受４３を示してるが、スラストボール軸受であってもよく、実施形態の構造に限定されない。
【００４２】
さらに、第２の実施形態において、給脂ニップル４７にロータリジョイント５２を連結した構造を示しているが、給脂ニップル４７を用いずに、筒軸部４２ａをロータリジョイント５２に直接連結する構造であってもよい。
【００４３】
【発明の効果】
以上のように、本発明の水車水量調整用電動サーボアクチュエータのグリース給脂装置によれば、ロータに固定された支持ブラケットに推力変換機構のナット体が取り付け固定されると共に、支持ブラケットがアクチュエータハウジングに回転自在に支持され、支持ブラケットの回転中心にグリース給脂部が設けられると共に、このグリース給脂部からナット体の給脂口に至り、かつロータと一体に回転するグリース給脂路がステータ内方に設けられたものであり、グリース給脂部が支持ブラケットの回転中心に配置されているため、ロータが回転していても周速が小さく、ロータの回転中であってもグリースの給脂を行うことができ、ここに、電動サーボアクチュエータの運転中であってもグリースの給脂が行え、給脂メンテナンスにおいて、電動サーボアクチュエータを停止させる必要がなく、給脂メンテナンスおける作業時間が短縮できると共に、停電時等における逆転操作力も何ら損なわれず、自己閉鎖機能を良好に発揮できるという利点がある。
【００４４】
また、グリース給脂部に、アクチュエータハウジング側に取り付け固定されたロータリジョイントが連結され、アクチュエータハウジング側に取り付け固定された外部グリース給脂部からロータリジョイントに至るグリース案内管路が設けられた構造としても、電動サーボアクチュエータの運転中に、取り付け固定された外部グリース給脂部からグリースの給脂が行え、給脂メンテナンスおける作業時間が短縮できると共に、逆転操作力も何ら損なわれず、自己閉鎖機能を良好に維持できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施形態に係る水車水量調整用電動サーボアクチュエータの要部断面正面図である。
【図２】第２の実施形態を示す要部断面図である。
【図３】従来例を示す一部断面正面図である。
【図４】比較例としての要部断面図である。
【符号の説明】
３０電動サーボアクチュエータ
３１アクチュエータハウジング
３２電動機
３３推力変換機構
３６ステータ
３７ロータ
３９ネジ軸体
４０ナット体
４１支持ブラケット
４２支持ブラケット
４７給脂ニップル
４８グリース給脂路
５１取付ブラケット
５２ロータリジョイント
５３給脂ニップル
５４グリース案内管路

Claims

アクチュエータハウジング内に固定されたステータと、ステータ内で回転自在に支持されたロータとからなる電動機と、
前記ロータに一体回転自在に取り付け固定されると共に、その外周部に内面側にグリースを供給するための給脂口が備えらたナット体と、該ナット体に進退自在に螺合されると共に、一端部がアクチュエータハウジング外に突出配置されたネジ軸体とからなる推力変換機構とを備え、
前記ロータの回転に伴う前記ナット体の回転により前記ネジ軸体がその軸心方向に出退操作される水車水量調整用電動サーボアクチュエータにおいて、
前記ロータに固定された支持ブラケットに前記ナット体が取り付け固定されると共に、前記支持ブラケットが前記アクチュエータハウジングに回転自在に支持され、前記支持ブラケットの回転中心にグリース給脂部が設けられると共に、このグリース給脂部から前記ナット体の給脂口に至り、かつ前記ロータと一体に回転するグリース給脂路が前記ステータ内方に設けられたことを特徴とする水車水量調整用電動サーボアクチュエータのグリース給脂装置。
前記グリース給脂部に、前記アクチュエータハウジング側に取り付け固定されたロータリジョイントが連結され、アクチュエータハウジング側に取り付け固定された外部グリース給脂部から前記ロータリジョイントに至るグリース案内管路が設けられたことを特徴とする請求項１に記載の水車水量調整用電動サーボアクチュエータのグリース給脂装置。