JP4005260B2 - 2−メルカプト−ピリジン−n−オキサイド誘導体・オキソバナジウム(iv)錯体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、2−メルカプト−ピリジンン−N−オキサイド又はその誘導体を配位子として含有してなるオキソバナジウム(IV)錯体、及び、それを含有してなる医薬組成物に関する。本発明の2−メルカプト−ピリジンン−N−オキサイド又はその誘導体を配位子として含有してなるオキソバナジウム(IV)錯体はインスリン様作用し、糖尿病又は高血圧症などの治療剤として有用である。
【0002】
【従来の技術】
飛躍的な医療技術の進歩にも関わらず、我が国ではアルツハイマー病、虚血性心疾患、糖尿病など様々な成人病が大きな間題となっている。なかでもとりわけ糖尿病は潜在患者の多い病気であり、その数は年ごとに増加し続けている。現在、糖尿病はインスリンの絶対的または相対的不足のために糖代謝やタンパク質代謝、脂質代謝に異常を生じ、さらに、慢性的な高血糖の緒果、腎症、網膜症、神経症などの特有の糖尿病合併症をもたらす病気として定義されている。そして、さらに、世界保健機構(WHO)により糖尿病はインスリン依存型糖尿病(Insulin indepenaent diabetic mellitus,IDDM)とインスリン非依存型糖尿病(Non−insulin dependent diabetic mellitus,NIDDM)に大きく分類されている。IDDMの病態はインスリンの絶対的不足によるものであり、自己免疫性膵島炎によって膵臓のB細胞が破壊され、インスリンが全く合成、分泌されない。そのため、インスリン注射に頼るしかないのが現状であり、インスリンに代わり得る治療薬が望まれている。
【0003】
一方、NIDDMの病態はインスリンの相対的不足によるものであり、インスリンの分泌障害と作用障害が原因である。発病に関する因子としては、肥満、ストレス、運動不足などが知られている。
我が国の糖尿病患者の95〜97%はNIDDM患者であり、IDDM患者は1〜3%を占めるにすぎない。欧米ではIDDMの患者は全体の10〜20%を占めるといわれている。NIDDMの治療には、既に合成薬剤が多数開発されていて、例えば、グルコースの消化と吸収を促進するα−グルコシダーゼの阻害剤としてのアカルボース、インスリンの分泌を促進するトルブタミドをはじめとするスルホニル尿素系薬物、ブフォルミンなどのビグアナイド系薬物などを挙げることができる。しかし、これらの薬物はその効力が充分でなく、また副作用があるなどの問題を有しており、インスリンに代わりうる経口投与ができるインスリン様作用を有する薬剤の開発が望まれている。
【0004】
生体微量元素の一つとして知られているバナジウム(V)のうち、5価V(バナデイト)にウワバインと同様にNa+−K+ATPaseを強く阻害することが1977年に偶然発見された。ウワバインはグルコースの輸送や代謝に関与するインスリンと類似の作用を示すことが知られており、5価バナジウム(V)はどうであろうかと疑問が出された。この疑問をもとに研究された結果、5価バナジウム(V)はインスリンと同様にグルコースの細胞内への取り込みを促進することが見いだされた。1985年、続いて1987年、ストレプトゾトシン(STZ)誘導糖尿病ラットに5価Vを経口的に与えると、血中インスリン濃度が低いままであるにもかかわらず、血糖値が正常化されると報告された。また、その後、ラットにおいては5価Vより4価V(バナジル)の方が10倍以上毒性が低いこと、5価バナジウム(V)を投与すると体内ではそのほとんどが4価バナジウム(V)として存在することが明らかにされてきた。
【0005】
糖尿病ではインスリンの作用不足により組織の糖利用障害がエネルギーの産生を引き起こすので、これを代償しようとして脂肪細胞における中性脂肪の分解が促進され、エネルギー源としての脂肪酸(FFA)の遊離が促進する。中性脂肪の分解はホルモン感受性リパーゼの活性化により促進されるが、カテコールアミン、グルカゴン、ACTHなどは本酵素を活性化し、逆にインスリンは抑制する。糖尿病ではインスリンの欠乏に加え、グルカゴンの分泌増大が生じるので脂肪組織からのFFAの遊離が促進される。また、これまでの研究より、血糖値を正常化する4価バナジウム(V)錯体のSTZ誘導糖尿病ラットヘの投与によって、血中インスリン濃度は正常値に回復しないことが見いだされている、このことは、バナジウム(V)は膵臓のB細胞に直接作用してインスリンの合成や分泌を促進するのではなく、全身的に作用することを示している。
【0006】
インスリン様作用を有する薬剤として、酸化硫酸バナジウム(IV)が知られ、既にアメリカなどで臨床検査に用いられている。しかしながら、酸化硫酸バナジウム(IV)は無機塩である為、生体膜の透過が難しく、生体内に取り込まれにくい。また、4価バナジウム錯体のいくつかの化合物がインスリン依存性糖尿病の治療に有効であることが知られている。例えば、システインメチルエステルを配位子として有するバナジウム(IV)(H. Sakurai, et al., J. Clin. Biochem. Nutr., 8, 193 (1990))、ジヒドロキシジカルボン酸塩又はヒドロキシピラノン誘導体を配位子として有するバナジウム(IV)(J. H. McNeill, et al., J. Med. Chem., 35, 1489 (1992))、N−置換ジチオカルバミン塩を配位子として有するバナジウム(IV)(H. Watanabe, et al., J. Med. Chem., 37, 876 (1994))などが知られている。
しかしながら、これらのバナジウム(IV)化合物は作用や副作用などの点において実用的な段階には至ってはいなかった。
【0007】
バナジウム(V)系薬物の投与で発生する毒性は主に腎毒性であるが、毒性の間題に関しては解決されていないのが現状である。
そこで、本発明者らは、錯体の脂溶性を高めることによりバナジウムの体内への吸収率を増加させ、錯体の投与量を減らすことによって毒性が軽減できるのではないかと考え、リガンドにピリジン骨格を持つ2−メルカプトピリジン−N−オキサイドやその互変異性体である1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンを用いて錯体を合成し、血糖正常化作用の検討を行った。
【0008】
リガンドとして使用された2−メルカプトピリジン−N−オキサイドや1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンは様々な金属と錯体を形成することが知られている。なかでも亜鉛錯体は抗菌作用を示すことが知られており、シャンプーなどに添加されている。また、現在のところ、どちらのリガンドについても毒性は報告されていない。これらのことから、このバナジウム錯体が生体内で効果を現すことができれば、副作用の少ない糖尿病治療薬となることが期待できることから、2−メルカプトピリジン−N−オキサイド、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンをリガンドとするバナジウム(IV)錯体に着目した。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、インスリンに代わりうるIDDMを対象とする経口治療薬の開発とその作用機序を明らかにすることを目的として、2−メルカプトピリジン−N−オキサイドやその互変異性体である1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン又はその誘導体をリガンドとするオキソバナジウム(IV)錯体を用い、インビトロ(in vitro)とインビボ(in vivo)において検討を行った。ビボにおいては、血糖値とFFAの間に正の相関性があることが知られており、FFAの遊離を抑制することができれば血糖値を下げることができるのではないかと考え、vitroにおいてFFAの遊離抑制効果の検討を行った。また、ビボでは、血中グルコース濃度やFFAの他、腎毒性の指標となる尿素窒素(BUN)や、作用機序を明らかにすることを目的として、脂質代謝に及ぼす効果を検討するため、トリグリセライド(TG)、総コレステロール(TCHO)などの血清パラメーターの変化を測定し、検討した。
【0010】
インスリン依存型糖尿病は、インスリンの皮下注射に頼るしか治療方法がないのが現状であり、本発明はIDDMを対象とする経口糖尿病治療薬の開発を目指し、インスリン様作用を有する新規なオキソバナジウム(IV)錯体を提供することを目的としている。また、本発明は、前記オキソバナジウム(IV)錯体を有効成分として含有する医薬組成物を提供する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討を行った結果、2−メルカプト−ピリジンン−N−オキサイド誘導体をリガンドとして含有するオキソバナジウム(IV)錯体がインスリン様作用を有し糖尿病の治療薬となり得ることを見出し、本発明を完成するに到った。本発明のオキソバナジウム(IV)錯体は新規な化合物である。
【0012】
本発明は、2−メルカプト−ピリジンン−N−オキサイド又はその誘導体をリガンドとして含有してなるオキソバナジウム(IV)錯体に関する。
より詳細には、本発明の2−メルカプト−ピリジンン−Nーオキサイド又はその誘導体としては、置換基を有してもよい2−メルカプト−ピリジンン−Nーオキサイドであり、さらに詳細には次式(I)、
【0013】
【化2】
【0014】
(式中、R1、R2、R3、R4は、各々独立して水素原子、置換基を有してもよい炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換基を有してもよい複素環基を示す。)である。
【0015】
また、本発明は、前記したオキソバナジウム(IV)錯体を含有する医薬組成物に関する。本発明の前記したオキソバナジウム(IV)錯体はインスリン様作用を有し、本発明は、インスリン様作用を有する医薬組成物、又は、糖尿病若しくは高血圧症を治療する為の医薬組成物に関する。
本発明の医薬組成物は、前記したオキソバナジウム(IV)錯体のほかに、さらに製薬上許容される担体を含有してなる医薬組成物が好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の2−メルカプト−ピリジン−N−オキサイド又はその誘導体は、バナジウム(IV)の配位子となり得るものであって、本発明のインスリン様作用を阻害しないものであれば、ピリジン環に置換基を有するものであってもよい。
置換基としては、種々の有機残基を使用することができるが、置換基を有してもよい炭化水素基、ハロゲン原子、アルコキシ基、置換されていてもよいアミノ基、置換基を有してもよい複素環基などが好ましい。
【0017】
炭化水素基としては、低級アルキル基、低級アルケニル基、低級アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基などが挙げられる。
本発明の一般式(I)で示される配位子における「低級アルキル基」としては炭素数1〜15、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6の直鎖状又は分枝状のアルキル基が挙げられ、より具体的には、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などを挙げることができる。「低級アルケニル基」としては炭素数2〜15、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6の直鎖状又は分枝状のアルケニル基が挙げられ、より具体的には、たとえば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基などを挙げることができる。「低級アルキニル基」としては炭素数2〜15、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6の直鎖状又は分枝状のアルキニル基が挙げられ、より具体的には、たとえば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基などを挙げることができる。
【0018】
また、「シクロアルキル基」としては、炭素数5〜30、好ましくは5〜20、より好ましくは6〜10の単環、多環又は縮合環式のシクロアルキル基が挙げられ、「シクロアルケニル基」としては、前記したシクロアルキル基に1個以上の二重結合などの不飽和基を有するものが挙げられる。
【0019】
前記した「炭化水素基」はさらに置換基を有していてもよい。これらの置換基としては、前記した低級アルキル基から誘導される低級アルコキシ基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、複素環基、ニトロ基などが挙げられる。「ハロゲン原子」としては、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
「アルコキシ基」としては、前記した低級アルキル基から誘導される低級アルコキシ基が好ましい。また、「置換されていてもよいアミノ基」の置換基としては前記した炭化水素基や、これらの炭化水素基から誘導されるアシル基などが挙げられる。
【0020】
「複素環基」としては、環中に少なくとも1個以上の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有し、1個の環の大きさが5〜20員、好ましく5〜10員、より好ましく5〜7員であって、シクロアルキル基、シクロアルケニル基又はアリール基などの炭素環式基と縮合していてもよい飽和又は不飽和の単環、多環又は縮合環式のものが挙げられる。
前記した複素環基はさらに置換基を有していてもよく、これらの置換基としては、前記した低級アルキル基から誘導される低級アルコキシ基、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、複素環基、ニトロ基などが挙げられる。
【0021】
本発明のオキソバナジウム(IV)錯体を製造する方法としては、目的とする配位子の溶液に、酸化硫酸バナジウム溶液を加えることによってオキソバナジウム(IV)錯体を形成させ、単離することによって製造することができる。より具体的には、後述の実施例を参照することができる。
【0022】
本発明のオキソバナジウム(IV)錯体は、後述する試験例からも明らかなようにインスリン様作用を有し、糖尿病又は高血圧症などの治療剤として使用することができる。
したがって、本発明は、前記した本発明のオキソバナジウム(IV)錯体及び製薬上許容される担体とからなる医薬組成物を提供するものである。
【0023】
治療のためには、本発明のオキソバナジウム(IV)錯体を有効成分として、経口投与、非経口投与または外用(局所)投与に適した有機または無機の固体または液体の賦形剤などの医薬として許容される担体と共に含有する医薬製剤の形で用いることができる。前記医薬製剤は、カプセル剤、錠剤、糖剤、顆粒、吸入剤、坐剤、液剤、ローション剤、懸濁液、乳剤、軟膏、ゲル剤などであってもよい。必要ならば、上記製剤に、補助剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、緩衝剤およぴ他の通常使用される添加剤を含有させてもよい。
【0024】
本発明のオキソバナジウム(IV)錯体の治療有効用量は、患者の年齢および症状により変動するが、本発明のオキソバナジウム(IV)錯体の平均一回量が、約0.1mg/人ないし約1000mg/人となるような用量を1日当たり1回ないし数回投与すればよい。
【0025】
本発明者らは、2−メルカプトピリジン−N−オキサイド及び1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンをそれぞれ用いて本発明のオキソバナジウム錯体を製造した(後述する実施例1及び2)。2−メルカプトピリジン−N−オキサイドを用いて製造されたオキソバナジウム錯体(以下、VO−MPNOという。)と、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンを用いて製造されたオキソバナジウム錯体(以下、VO−HPTという。)とのIR、UV、ESRなどの各種物性を検討したところ、両錯体の電子は非局在化しており、これらを明確に区別することはできなかった。赤外吸収スペクトル(IR)のチャートを図2(VO−MPNO)及び図3(VO−HPT)として示す。
【0026】
次に、ビス(1−オキシ−2−ピリジンチオレート)オキソバナジウム(IV)錯体のラット脂肪細胞に対する試験結果を表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
表1におけるFFAの遊離の「ブランク」は細胞の自発遊離による値を示し、「コントロール」はエピネフリンの刺激による遊離の値を示している。また、表1中の「VOSO4」は硫酸オキソバナジウムを示している。
本発明のVO−HPTは、4価バナジウムの代表である同濃度の硫酸バナジウムと同程度か、あるいはそれ以上の脂肪酸遊離抑制効果を示した。そして、その効果は濃度依存的であった。また、脂肪酸の遊離を50%抑制する被験薬物濃度を示したIC50は1.9×10−4Mであった。
また、本発明のVO−MPNOも、4価バナジウムの代表である同濃度の硫酸バナジウムと同程度か、あるいはそれ以上の脂肪酸遊離効果を示した。そして、その効果は濃度依存的であった。脂肪酸の遊離を50%抑制する被験薬物濃度を示したIC50は1.8×10−4Mであった。
【0029】
次に、STZ誘導糖尿病ラットを用いてインビボでの本発明の錯体の血糖正常化作用について試験した。
STZ誘導糖尿病ラットに錯体をバナジウムとして5mg/kg及びバナジウムとして2.5mg/kg腹腔内投与した。最初の2週間はその量を投与し、次の1週間はその半量を投与し、3週間後に投与を終了した。5mg/kg腹腔内投与群の体重変化を図4に、血糖値の変化を図5に示し、2.5mg/kg腹腔内投与群の体重変化を図6に、血糖値の変化を図7に示す。いずれも図中のデータは平均値±標準偏差で示されている。
【0030】
どちらの投与群においても投与後、徐々に血糖値は下降し投与3日目頃から、正常血糖値である100〜200mg/dlの範囲の値を示すようになった。しかし、投与量を15日以降半量に切り換えると、投与量の少ないラット群においては、血糖値の上昇傾向がみられた。一方、投与量の多いラット群においては、投与中止後も正常な血糖値を維持し続けた。また、投与量の少ないラット群の体重変化は、投与後しばらくは増加傾向を示したものの、やがては滅少傾向を示した。投与量の多いラット群においては、投与と同時に体重の減少がみられた。
【0031】
STZ誘導糖尿病ラットに錯体をバンジウムとして10mg/kgを21日間経口投与した。その結果、血糖値が正常化したラットと高血糖を維持したラットがいたため、前者を感受性群、後者を非感受性群とし2群に分けた。
経口投与における感受性群の体重変化を図8に、血糖値の変化を図9に示す。また、非感受性群の体重変化を図10に、血糖値の変化を図11に示す。いずれも図中のデータは平均値±標準偏差で示されている。
感受性群においては投与後血糖値が徐々に下降し、その後やや上昇したものの投与期間中ほぼ正常値を示した。しかし、投与中止後はやや上昇傾向を示した。また、体重の変化は投与後3日目まではやや減少したが、その後は投与期間中であるにもかかわらず上昇した。一方、非感受性群においては投与前より血糖値は下降したが正常範囲には達しなかった。22日目から28日目まで投与量を倍のVとして20mg/kgとしたが、血糖値の正常化はみられなかった。体重の変化は感受性群と大きな差はなかった。
【0032】
血糖値が600mg/dl以上のSTZ誘導糖尿病ラットに錯体をバナジウムとして5mg/kgを14日間腹腔内投与し、次の7日間は無投与とし、その次の7日間は同量を投与した。その体重変化を図12に、血糖値の変化を図13に示す。いずれも図中のデータは平均値±標準偏差で示されている。
その結果、血糖値は徐々に下降し、正常値を示すようになった。しかし、投与を中止すると再び上昇し始めた。7日間の休薬後、再びバナジウムとして5mg/kg錯体を投与したが、ラットの数が少なくなってしまったため、これ以上の追跡はできなかった。
【0033】
以上の実験におけるインスリン濃度(μU/ml)、FFA(mEq/L)、BUN(mg/dl)、TG(mg/dl)及びTCHO(mg/dl)の血清パラメーターを測定した。結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
表中の「感受性」、「非感受性」は前記した経口投与群における感受性群及び非感受性群のことであり、「i.p.」は腹腔内投与を示し、「p.o.」は経口投与を示し、腹腔内投与群は5匹を一群とし、経口投与は10匹を一群として、感受性群6匹、非感受性群4匹とした。表中のデータはいずれも平均値±標準偏差で示されている。
【0036】
インスリン濃度は投与期間中、著しく上昇しなかった。従って、錯体の作用機序は、インスリンの分泌を改善するのではなく、全身的に作用しているのではないかと考えられる。
FFAの変化は、血糖値と正の相関性を示しており、血糖値の下降とともに低下した。
腎毒性の指標となるBUNは、腹腔内投与では投与期間中、上昇が見られた。特に、バナジウムとして5mg/kg錯体を投与した場合の上昇は著しいものであった。しかし、経口投与では、投与期間中大きな変動は見られなかった。従って、経口投与では、かなり毒性が軽減されていると考えられる。
TGとTCHOに関しては、血糖値との関係がこのデータからはっきり言えないが、投与期間中、増加の傾向が見られた。しかし、他の錯体では、TGとTCHOは血糖値の下降とともに減少することが報告されており、このメカニズムについては今後更に検討されるであろう。
【0037】
以上の結果から、本発明のVO−HPT(VO−MPNO)錯体は、IDDMの経口治療薬として有用なものであることが判明した。しかし、その作用機序については完全には解明されておらず、今後更に作用機序の解明が必要である。
【0038】
【実施例】
以下の製造例および実施例は、この発明を説明するために示したものであり、本発明はこれらの実施例や試験例に限定されるものではない。
【0039】
実施例1
ビス(1−オキシ−2−ピリジンチオレート)オキソバナジウム(IV)錯体(VO−MPNO)の製造
水酸化ナトリウム水溶液(10mM)10mlに2−メルカプトピリジン−N−オキシド(10mM)を溶解し、塩酸でpH5〜6に調整した。その溶液に酸化硫酸バナジウム水溶液(5mM)を撹拌しながら少量ずつ滴下した。30分撹拌後生じた沈殿物をグラスフィルターで濾過し、十分水洗後乾燥して紫色の目的物1.286g(収率 80.6%)を得た。分子量317。
【0040】
実施例2
ビス(1−オキシ−2−ピリジンチオレート)オキソバナジウム(IV)錯体(VO−HPT)の製造
水酸化ナトリウム水溶液(10mM)10mlに1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(10mM)を溶解した。その溶液に酸化硫酸バナジウム水溶液(5mM)を撹拌しながら少量ずつ滴下した。30分撹拌後生じた沈殿物をグラスフィルターで濾過し、十分水洗後乾燥して紫色の目的物1.256g(収率 78.8%)を得た。分子量317。
【0041】
次に、本発明のオキソバナジウム錯体(IV)の薬理データを示す。
薬理試験例1
Biol.Pharm、Bull.,18(5),719−725(1995)に記載の方法に従い、以下の試験を行った。
【0042】
ラット脂肪細胞の分離
Wistar雄ラットを失血致死後、ロッドベルの方法(J.Biol.Chem.,239,375(1964))に従い、副睾丸周辺の脂肪組織から脂肪細胞を分離した。脂肪組織をはさみで切り、mlあたり20mg牛血清アルブミン(BSA)及び2mgコラゲナーゼを含むKRBバッファー(120 mM NaCl、1.27 mM CaCl2、1.2 mM MgSO4、4.75mM KCl、1.2 mM KH2PO4、及び24 mM NaHCO3;pH=7.4)中、37℃で1時間消化した。脂肪細胞をナイロンメッシュ(250 μm)を通して濾過することにより未消化組織より分離し、コラゲナーゼを含まない上記パッファーで3回洗浄し、2.5×106細胞/mlに調製した。
【0043】
ビス(1−オキシ−2−ピリジンチオレート)オキソバナジウム(IV)錯体のラット脂肪細胞に対する効果
シリコン処理されたバイアル中の、上記で分離された脂肪細胞(2.5×106細胞/ml)を、各種濃度(10−4、5×10−4、103)のVOSO4、VO−MPNOを20mgBSA/mlを含む1 mlのKRBバッファー中で37℃、0.5時間プレインキュベートした。次いで、10−5 Mのエピネフリンを反応混合物に加え、得られた溶液を37℃で3時間インキュべ一トした。反応を氷冷により停止し、混合物を3000 rpmで10分間遠心分離した。細胞外溶液について、遊離脂肪酸(FFA)レベルをNEFAキットを用いて測定した。
【0044】
試料中の遊離脂肪酸(FFA)は、コンザイムA(CoA)とアデノシン−5−三リン酸二ナトリウム(ATP)の存在下アシル−CoAシンセターゼ(ACS)の作用によりアシル−CoA,AMPおよびピロリン酸(Ppi)を生成する。生成したアシル−CoAはアシル−CoAオキシダーゼ(ACOD)の作用により酸化されるのと同時に2,3−trans−エノイル−CoA及び過酸化水素を生成する。生成した過酸化水素はペルオキシダーゼ(POD)の作用によりMEHAと4−アミノアンチピリンとを、定量的に酸化縮合させ青紫色の色素を生成させる。この青紫色の吸光度を測定することにより、試料中のFFA濃度を求める。
【0045】
ここで使用したバッファーの組成は、
1)KRB+2%BSA
2)NaCl 120mM
3)CaCl2 1.27mM
4)MgSO4 1.2mM
5)KCl 4.75m
6)KH2PO4 1.2mM
7)NaHCO3 24mM
である。
結果を前記の表1に示す。
また、この結果から得られたIC50(mM)の値を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】
上記表1及び3に示されるように、本発明の錯体は、VOSO4と比較してラット脂肪細胞からの脂肪酸の遊離を顕著に抑制することができ、糖尿病治療薬として優れていることが明らかになった。
【0048】
薬理試験例2
オキソバナジウム(IV)錯体の(STZ)誘導糖尿病ラットに対する効果
(1)STZ誘導糖尿病ラットの作成
0.1M Citrate buffer(pH5.0)5mlに対してSTZ30mgを溶解した。この溶液をラットの体重200gに対して1mlを静脈内に注射した。血糖値が上昇し、一定となったラットを用いて以下の実験を行った。
(2)ストレプトゾン(STZ)を静脈に注射し血糖値が上昇した(STZ)誘導糖尿病ラットに、VO−HPT錯体をバナジウムとして10mg/kg体重となるよう経口投与した。経時的にラットから採血した血清を用い血糖値を測定した。
各実験の結果を図4〜図13に示す。
【0049】
投与方法は次のとおりであった。
(a)腹腔内投与(3週間)
5%アカシア溶液5mlに対して、錯体31mg(Vとして5mg)及び16mg(Vとして2.5mg)を懸濁した。この溶液をそれぞれラットの体200gに対して1mlを14日間腹腔内投与し、15日目からは半量(Vとして2.5mg及び1.25mg)に滅らし、21日目まで同様に腹腔内投与した。
(b)腹腔内投与(2週間+1週間)
5%アカシア溶液5mlに対して、錯体31mg(Vとして5mg)を懸濁した。この溶液を血糖値600mg/dl以上のラットの体重200gに対して1m1を14日間腹腔内投与し、15日目から20日目まで休薬し、21日目から27日まで再び腹腔内投与した。
(c)経口投与(3週間)
5%アカシア溶液5mlに対して、錯体63mg(Vとして10mg)を懸濁した。この溶液をラットの体重200gに対して1mlを21日間経口投与し、血糖値が降下しなかったラットには、22日目から7日間錯体を倍にして(Vとして20mg)経口投与した。
【0050】
(3)血糖値の測定
試薬に発色剤を作用させると、試料中のグルコースは発色液中に含まれるムロターゼの作用によりα型からβ型へ速やかに変換する。β−D−グルコースはグルコースオキシダーゼ(GOD)の作用を受けて酸化され、同時に過酸化水素を生じる。生成した過酸化水素は共存するペルオキシダーゼの作用により発色試液中のフェノールと4一アミノアンチピリンとを、定量的に酸化縮合させ、赤色の色素を生成させる。この赤色の吸光度を測定することにより、試料中のグルコース濃度を求める。
【0051】
(4)血中パラメーターの測定
錯体の投与期間中及び投与中止後にラットの鎖骨下大静脈より採血した血清を用いて、血糖値、インスリン濃度、遊離脂肪酸(FFA)濃度、トリグリセライド(TG)濃度、総コレステロール(TCHO)濃度、及び尿索窒素(BUN)濃度を測定した。採血は投与開始目を0日目として以下に示す日に行った。
(a)腹腔内投与(3週間);0、14,21,28日目
(b)腹腔内投与(2週間+1週間);14日目
(c)経口投与(3週間);0,14,21,28日目
【0052】
(5)インスリン濃度の測定
ガラスビーズに抗インスリン抗体を結合させた抗体ビーズ、及び酵素(ペルオキシダーゼ)を標識した抗インスリン抗体と試料中のインスリンを反応させると、「抗インスリン抗体(ビーズ)−インスリン−酵素標識抗インスリン抗体」のサンドイッチ状の複合体が形成される、抗体ビーズに結合した酵素の量は試料中のインスリン量に比例するので、その酵素活性を発色試薬(o−フェニレンジアミンと過酸化水索)を用いて測定することにより、あらかじめ含量既知の標準液を用いて作成した検量線から検体中のインスリン含量を求めることができる。
【0053】
(6)TG濃度の測定
試料中のTGはリポプロテインリパーゼ(LPL)の働きで加水分解され、グリセロールが生成する。グリセロールはグリセロールキナーゼ(GK)存在下、グリセロール−3−リン酸となり、更に、グリセロール−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(G−3−PDH)によりジヒドロキシアセトン−3−リン酸となる。その過程で補酵素酸化型ニコチン酸アミドジヌクレオチド(NAD+)から還元型補酵素(NADH)が生成し、生成したNADHはジアホラーゼの作用でニトロテトラゾリウムブルー(NTB)を還元し、ホルマザン色素を生成させる。この色素の吸光度を測定することにより、試料中のTG濃度を求める。
【0054】
(7)TCHO濃度の測定
試料中の遊離型、及びエステル型コレステロールは、リポプロテインリパーゼ(LPL)及び界面活性剤の働きで、脂質(コレステロール成分)とタンパク質に解離し、次いでコレステロールエステラーゼの働きでコレステロール類の加水分解反応が始まる。生成したコレステロール、及び内因性コレステロールは、次いでコレステロールオキシダーゼの働きにより過酸化水素を発生させる。この過酸化水素はペルオキシダーゼ(POD)によりロイコ色素を酸化し、青く発色させる。この青色色素の吸光度を測定することにより、試料中のTCHO濃度を求める。
【0055】
(8)BUN濃度の測定
試料中の尿素はウレアーゼの作用により、アンモニアと二酸化炭素に分解される。同時にこの反応系のpHをアルカリ性に保つことにより、アンモニアガスが生成する。このアンモニアガスはブロムクレゾールグリーンを黄色から緑色に変化させる。この緑色色素の吸光度を測定することにより、試料中のBUN濃度を求める。
【0056】
以上の実験結果をまとめて表2に示した。
以上の実験の結果から、本発明の錯体はSTZ誘導糖尿病ラットの血糖値を低下でき、また副作用が少ないことから糖尿病治療薬として優れていることが明らかになった。
【0057】
【発明の効果】
本発明のオキソバナジウム(IV)錯体は、安定性が高く脂溶性のインスリン様作用および降圧作用を有する。したがって、本発明のオキソバナジウム(IV)錯体は、耐糖能障害、糖尿病(II型糖尿病など)、インスリン抵抗性症候群(インスリン受容体異常症など)、多嚢胞性卵巣症候群、高脂質血症、アテローム性動脈硬化症、心臓血管疾患(狭心症、心不全など)、高血糖症、もしくは高血圧症、または狭心症、高血圧、肺高血圧、うっ血性心不全、糖尿病合併症(例えば糖尿病性壊そ、糖尿病性関節症、糖尿病性糸球体硬化症、糖尿病性皮膚障害、糠尿病性神経障害、糖尿病性自内障、糖尿病性網膜症など)などの予防・治療剤として用いられる医薬として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の錯体の非局在化の状況を示したものである。
【図2】図2は、本発明の錯体VO−MPNOのIRチャートを示したものである。
【図3】図3は、本発明の錯体VO−HPTのIRチャートを示したものである。
【図4】図4は、本発明の錯体VO−HPTを5mg/kg腹腔内投与したときの体重変化を示したものである。
【図5】図5は、本発明の錯体VO−HPTを5mg/kg腹腔内投与したときの血糖値の変化を示したものである。
【図6】図6は、本発明の錯体VO−HPTを2.5mg/kg腹腔内投与したときの体重変化を示したものである。
【図7】図7は、本発明の錯体VO−HPTを2.5mg/kg腹腔内投与したときの血糖値の変化を示したものである。
【図8】図8は、本発明の錯体VO−HPTを10mg/kg、3週間経口投与したときの体重変化を示したものである。
【図9】図9は、本発明の錯体VO−HPTを10mg/kg、3週間経口投与したときの血糖値の変化を示したものである。
【図10】図10は、本発明の錯体VO−HPTを10mg/kg、3週間経口投与し、さらに20mg/kg、1週間経口投与したときの体重変化を示したものである。
【図11】図11は、本発明の錯体VO−HPTを10mg/kg、3週間経口投与し、さらに20mg/kg、1週間経口投与したときの血糖値の変化を示したものである。
【図12】図12は、本発明の錯体VO−HPTを血糖値が600mg/dlのSTZ誘導糖尿病ラットに5mg/kg腹腔内投与したときの体重変化を示したものである。
【図13】図13は、本発明の錯体VO−HPTを血糖値が600mg/dlのSTZ誘導糖尿病ラットに5mg/kg腹腔内投与したときの血糖値の変化を示したものである。
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