JP4004993B2 - 遠隔制御方法、サーバ装置及び仮想マシンプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔制御方法 、サーバ装置及び仮想マシンプログラムに係り、さらに詳しくは、通信ネットワークに接続された端末装置のウェブブラウザ上で仮想マシンプログラムを実行して2以上のアプリケーション画面を切り替え表示するシステム、例えば、遠隔制御システムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信回線を介して端末装置及び被制御装置を接続することにより、遠隔地に設置された端末装置から被制御装置を制御する遠隔制御システムを実現することができる。ただし、従来の遠隔制御システムでは、専用の端末装置や専用通信回線が必要となり、この様なコストが許容される一部のシステムにしか適用することができなかった。
【0003】
しかしながら、パーソナルコンピュータ(以下、PCと略す)の高機能化、インターネットの普及などによって、汎用の通信ネットワークを介して、汎用端末装置としてのPCから被制御装置を遠隔制御することが可能となり、安価に遠隔制御システムを構築できるようになった。
【0004】
しかも、この様な通信ネットワークを利用した遠隔制御システムの場合、制御用プログラムを提供するサーバ装置を当該通信ネットワーク上に設置すれば、各端末装置は制御用プログラムをダウンロードして使用することができる。このため、特定の端末装置からだけでなく、通信ネットワークに接続された任意の端末装置から遠隔制御を行うことが可能となる。
【0005】
一方、最近のPCでは、ウェブページを表示するためのウェブブラウザ、例えばInternet Explore(Microsoft Corporationの商標または登録商標)などのWWW(World Wide Web)ブラウザが広く普及している。ウェブブラウザは、ウェブページを記述したウェブページ記述ファイル、例えばHTML(Hyper-Text Makeup Language)ファイルをサーバ装置からダウンロードし、当該ファイルに含まれるタグと呼ばれるコードを順に処理することによって、ブラウザ画面を表示するプログラムの一種である。
【0006】
また、最近のウェブブラウザは、サーバ装置からアプリケーションプログラムをダウンロードして実行し、アプリケーション画面を表示させることができる。一般に、ネットワーク接続されている各端末装置は、それぞれ異なるハードウエア構成を有し、同一のアプリケーションプログラムを任意の端末装置において実行することはできない。このため、上記アプリケーションプログラムは、ウェブブラウザ上の仮想マシンによって実行される仮想マシンプログラムとして提供される。
【0007】
例えば、Java仮想マシン(JVM:JavaはSun Microsystems Inc.の商標または登録商標)を備えたウェブブラウザの場合、HTMLファイル中にアプレットタグとよばれるHTMLコードが含まれていれば、当該タグによって指定されたJavaアプレットをサーバ装置からダウンロードする。Javaアプレットとは、Java仮想マシンが実行可能な1バイト長の命令セット(Javaバイトコード)により記述されたアプリケーションプログラム、すなわち、仮想マシンプログラムである。ウェブブラウザ上のJava仮想マシンが、Javaアプレットを実行することによって、上記タグにより指定されたブラウザ画面上の所定領域内にアプレット画面を表示させることができる。
【0008】
この様にして、通信ネットワークに被制御装置及びサーバ装置が接続され、サーバ装置が、HTMLファイルと、このHTMLファイルから呼び出され、制御画面を表示するJavaアプレットとを提供すれば、Javaバイトコードを実行可能なウェブブラウザを備えた任意の汎用端末装置において被制御装置を遠隔制御することが可能となる。
【0009】
図9及び図10は、従来の遠隔制御システムについて説明するための説明図であり、図9には、サーバ装置から端末装置へ提供されるファイルが示され、図10には端末装置における表示画面が示されている。
【0010】
サーバ装置には、HTMLファイル11及びJavaアプレット50が格納され、端末装置は、これらのファイルを通信ネットワークを介して取得(ダウンロード)することができる。HTMLファイル11内には、Javaアプレット50を起動するためのアプレットタグTapが含まれている。また、Javaアプレット50には、制御画面を表示するためのJavaバイトコード列が含まれている。
【0011】
この制御画面は、2以上の制御画面Dc1,Dc2,Dc3…に分割され、これらの制御画面が切り替えて表示されるものとする。このため、Javaアプレット50は、画面切替手順を規定するJavaバイトコード列Bexと、各制御画面Dc1,Dc2,Dc3…をそれぞれ表示するためのJavaバイトコード列Bc1,Bc2,Bc3…により構成される。
【0012】
端末装置のウェブブラウザは、サーバ装置に対し、HTMLファイル11を要求し、サーバ装置からHTMLファイル11をダウンロードする。ウェブブラウザは、このHTMLファイル11を処理してブラウザ画面Dbを表示する。このとき、アプレットタグTapに従ってJavaアプレット50が起動され、ブラウザ画面Db上にアプレット画面Daが表示される。このJavaアプレット50は、サーバ装置からダウンロードされ、Java仮想マシン上で実行される。
【0013】
図10では、アプレット画面Da内に制御画面Dc1及び画面切替手段Dexが表示された状態が示されている。画面切替手段Dexは常に表示され、端末装置のユーザが、画面切替手段Dexから所望の制御画面Dc1,Dc2,Dc3…を選択することにより、アプレット画面Da内に任意の制御画面Dc1,Dc2,Dc3…を切り替え表示させることができる。
【0014】
遠隔制御システムが、様々な制御機能を提供している場合、一つの制御画面上に全ての機能を設けることが困難となる。また、互いに排他的な関係にある機能を一つの制御画面上に同時に表示することは望ましくない。さらに、多くの不要な機能を同一画面上に設けることによって操作性が低下するなどの問題が生じる。図9及び図10の遠隔制御システムでは、制御画面を複数の制御画面Dc1,Dc2,Dc3…に分割し、これらの制御画面Dc1,Dc2,Dc3…を切り替えて表示させているため、このような問題が生じることはない。
【0015】
しかしながら、上記遠隔制御システムでは、Javaアプレット50に各制御画面を表示するためのJavaバイトコードBc1,Bc2,Bc3…が全て含まれている。このため、例えば、制御画面Dc1を表示させたい場合であっても、全てのJavaバイトコードBc1,Bc2,Bc3…が含まれたファイルサイズの大きなJavaアプレット50をダウンロードしなければならず、ダウンロード時間が必要以上に長く、制御画面の起動が遅いという問題があった。しかも、遠隔制御システムにより提供される機能が増えるに従って、制御画面の起動は更に遅くなってしまう。
【0016】
この様な課題を解決するための方法として、サーバ装置が、制御画面Dc1,Dc2,Dc3…ごとのJavaアプレットを提供することが考えられる。この場合、端末装置で表示させたい制御画面のJavaバイトコードBc1,Bc2,Bc3…のみをサーバ装置からダウンロードすることができるため、制御画面の起動時間を短くすることができる。
【0017】
図11及び図12は、遠隔制御システムにおいて、Javaアプレットの起動時間を短くするための一提案について説明するための説明図であり、図11には、サーバ装置から端末装置へ提供される各ファイルが示され、図12には端末装置における表示画面が示されている。
【0018】
サーバ装置には、画面切替を行う主HTMLファイル12と、各制御画面Dc1,Dc2,Dc3…に対応する制御HTMLファイル21,22,23…と、各制御画面Dc1,Dc2,Dc3…に対応するJavaアプレット51,52,53…が格納され、サーバ装置から端末装置へ、これらのファイルをダウンロードすることができる。
【0019】
Javaアプレット51,52,53…は、それぞれ制御画面Dc1,Dc2,Dc3…を表示するためのJavaバイトコード列からなる仮想マシンプログラムである。制御HTMLファイル21,22,23…は、Javaアプレット51,52,53…を起動するアプレットタグTap1,Tap2,Tap3…をそれぞれ含むHTMLファイルである。このため、ウェブブラウザが、制御HTMLファイル21,22,23…を処理すれば、Javaアプレットが起動され、制御ブラウザ画面Db2内のアプレット画面Daに、制御画面Dc1,Dc2,Dc3…がそれぞれ表示される。
【0020】
主HTMLファイル12には、制御画面Dc1,Dc2,Dc3…を切替表示するための画面切替手順としてのHTMLコードTexが含まれている。この画面切替手順は、例えば、Javaスクリプトにより記述され、ウェブブラウザが提供する関数を呼び出す手順とすることができる。このHTMLコードTexによって、制御画面Dc1,Dc2,Dc3…のいずれかを選択するための画面切替手段Dexが、主ブラウザ画面Db1内に表示される。また、ユーザが画面切替手段Dexにおいて操作入力を行った場合、制御画面を表示している制御ブラウザ画面Db2を閉じ、選択された制御画面を表示する制御ブラウザ画面Db2を新たに開くことによって、制御画面の切り替えが行われる。
【0021】
図13は、図11及び図12の遠隔制御システムの動作を示したシーケンス図である。図中の主ブラウザプロセスは主HTMLファイル12を処理するブラウザプロセス、制御ブラウザプロセスは制御HTMLファイル21,22,23…を処理するブラウザプロセス、アプレットプロセスはJavaアプレット51,52,53…を処理するJava仮想マシンプロセスである。
【0022】
端末装置のウェブブラウザは、まず初めに、ユーザがURL(Uniform Resource Locator)により指定した主HTMLファイル12をサーバ装置からダウンロードし、このファイルを処理してブラウザ画面Db1の表示を行う。このとき、ブラウザ画面Db1内に画面切替手段Dexが表示される。
【0023】
ユーザが、画面切替手段Dexを操作して制御画面Dc1を選択すると、画面切替手順Texに従って、制御HTMLファイル21を処理する新たなブラウザプロセスが起動される。すなわち、制御ブラウザ画面Db2が表示されるとともに、Javaアプレット51がサーバ装置からダウンロードされ、制御ブラウザ画面Db2のアプレット画面Da内に制御画面Dc1が表示される。
【0024】
制御画面Dc1から制御画面Dc2へ切り替えたい場合、ユーザが主ブラウザ画面Db1内の画面切替手段Dexを再度操作し、制御画面Dc2を選択すればよい。この画面切替操作が行われると、主ブラウザプロセスは、制御HTMLファイル21を処理するブラウザプロセスを終了させるとともに、制御HTMLファイル22を処理する新たなブラウザプロセスを起動する。このため、制御画面Dc1が閉じられるとともに、制御画面Dc2が新たに開かれ、制御画面Dc1から制御画面Dc2への画面切替が行われる。
【0025】
この様にして、図11〜図13で説明した遠隔制御システムでは、制御画面を表示する際、その制御画面に対応したJavaアプレット51,52,53…をダウンロードしている。このため、制御画面の起動時におけるダウンロード時間を短縮し、制御画面を短時間で起動させることができる。
【0026】
しかしながら、この遠隔制御システムでは、制御画面Dc1,Dc2,Dc3…が制御ブラウザ画面Db2上に表示されるのに対し、画面切替手段Dexは、ブラウザ画面Db1に表示されている。つまり、制御画面Dc1,Dc2,Dc3…内において画面切替を行うことができず、画面切替の操作性が悪いという問題があった。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
後者の遠隔制御システムにおいて、例えば、制御画面Dc1上に画面切替手段Dexを設けて、制御画面Dc2へ切り替える場合であれば、HTMLファイル22を処理するブラウザプロセス(新ブラウザプロセス)をJavaアプレット51から起動することもできる。ところが、Javaアプレット51は、自身の起動元であるHTMLファイル21を処理するブラウザプロセス(旧ブラウザプロセス)を終了させ、自身のブラウザ画面を閉じることができない。このため、制御画面間の切替表示を行うことができないという問題があった。
【0028】
このような課題を解決する更なる方法として、新ブラウザプロセスが、旧ブラウザプロセスを終了させることも考えられる。しかしながら、この場合には、旧ブラウザプロセスの終了前に、新ブラウザプロセスが起動されることになるため、制御画面の表示状態の管理が困難になるという新たな問題が生ずる。
【0029】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ウェブブラウザ上でダウンロードされた仮想マシンプログラムを実行して2以上の制御画面を切替表示させる際、制御画面の起動時間を短縮するとともに、制御画面の切替表示を制御画面上で操作入力できる遠隔制御方法を提供することを目的とする。また、制御画面の表示状態を管理することができる遠隔制御方法を提供することを目的とする。
【0030】
また、ウェブブラウザ上で実行される仮想マシンプログラムを通信ネットワークを介して提供し、クライアント装置において2以上のアプリケーション画面を切替表示させる際、仮想マシンプログラムのダウンロード時間を短縮するとともに、画面切替手段をアプリケーション画面上に提供するサーバ装置を提供することを目的とする。また、クライアント装置においてアプリケーション画面の表示状態を管理可能とするサーバ装置を提供することを目的とする。更に、上記サーバ装置により提供される仮想マシンプログラムを提供することを目的とする。
【0031】
【発明を解決するための手段】
本発明による遠隔制御方法は、サーバ装置から取得した仮想マシンプログラムをウェブブラウザ上で実行して制御画面を表示し、通信ネットワークを介して被制御装置を遠隔制御する遠隔制御方法であって、第1のウェブページ記述ファイルを処理する第1のブラウザプロセスが、第1の仮想マシンプログラムを起動して第1の制御画面を表示し、第2のウェブページ記述ファイルを処理する第2のブラウザプロセスが、第2の仮想マシンプログラムを起動して第2の制御画面を表示するように構成される。
【0032】
そして、上記第1の仮想マシンプログラムの実行プロセスが、第1の制御画面上に第2の制御画面への画面切替手段を表示し、上記第1のブラウザプロセスが、ユーザの画面切替操作に基づいて、処理対象を第1のウェブページ記述ファイルから、第2のブラウザプロセスを起動するための第3のウェブページ記述ファイルへ切り替える。
【0033】
このような構成により、制御画面ごとに仮想マシンプログラムをサーバ装置から取得し、制御画面を切替表示することができるとともに、制御画面上において画面切替操作を行なうことができる。このため、制御画面の起動時間が短く、画面切替時の操作性に優れた遠隔制御方法を提供することができる。
【0034】
例えば、本発明における第1及び第2のウェブページ記述ファイルは下記実施の形態における制御HTMLファイル21及び22に、第1及び第2の仮想マシンプログラムはJavaアプレット31及び32に、第3のウェブページ記述ファイルは切替HTMLファイル42にそれぞれ相当する。
【0035】
また、本発明による遠隔制御方法は、第4のウェブページ記述ファイルが、第1及び第2のブラウザプロセスをそれぞれ起動させる第1及び第2の起動関数を有する。そして、第4のウェブページ記述ファイルを処理する主ブラウザプロセスが第1の起動関数を呼び出すことにより、第1のブラウザプロセスが起動される。また、第3のウェブページ記述ファイルを処理する上記第1のブラウザプロセスが第2の起動関数を呼び出すことにより、第2のブラウザプロセスが起動される。
【0036】
この様な構成により、第1の制御画面から第2の制御画面への切り替えを行った場合に、切替前後の制御画面を表示する第1及び第2のブラウザプロセスをともに主ブラウザプロセスを親プロセスとして起動させることができる。例えば、本発明における第4のウェブページ記述ファイルは下記実施の形態における主HTMLファイル10に相当する。
【0037】
また、本発明による遠隔制御方法は、上記主ブラウザプロセスが、制御画面の表示状態を示す状態フラグを保持し、この状態フラグが、第1のウェブページ記述ファイルの処理終了時に非表示へ更新され、第3のウェブページ記述ファイルの処理開始後に表示中へ更新される。このような構成により、状態フラグの値を制御画面の表示状態に一致させることができ、主ブラウザプロセスが第1及び第2の制御画面の表示状態を管理することができる。
【0038】
また、本発明による遠隔制御方法は、上記状態フラグの表示中への更新が、第2のブラウザプロセスの起動後に行われる。このような構成により、状態フラグの値と制御画面の表示状態とをより確実に一致させることができる。
【0039】
また、本発明による遠隔制御方法は、上記主ブラウザプロセスが、ブラウザ画面上に第1の制御画面の表示をユーザに選択させる制御画面起動手段を表示するとともに、上記状態フラグに基づいて、この制御画面起動手段を無効化する。この様な構成により、主ブラウザプロセスのブラウザ画面から制御画面を表示させることができるとともに、同一のブラウザ画面から重複して2以上の制御画面が表示されるのを防止することができる。
【0040】
また、本発明によるサーバ装置は、切替表示される2以上のアプリケーション画面をクライアント装置に提供するサーバ装置であって、ウェブブラウザ上で仮想マシンにより実行され、第1及び第2のアプリケーション画面をそれぞれ表示する第1及び第2の仮想マシンプログラムと、第1及び第2の仮想マシンプログラムをそれぞれ起動する第1及び第2のウェブページ記述ファイルと、第2のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスを起動するための第3のウェブページ記述ファイルとを通信ネットワークを介してクライアント装置に提供するように構成される。そして、上記第1の仮想マシンプログラムが、第1のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスの処理対象を第1のウェブページ記述ファイルから、第3のウェブページ記述ファイルへ切り替える手順を有する。
【0041】
このような構成により、アプリケーション画面ごとに仮想マシンプログラムをサーバから提供するとともに、クライアント装置において一方のアプリケーション画面から他方のアプリケーション画面への画面切替を行なうことができる。従って、起動時間が短いアプリケーション画面をアプリケーション画面上で切替表示可能に提供するサーバ装置が実現できる。
【0042】
また、本発明によるサーバ装置は、上記第1の仮想マシンプログラムが、第1のアプリケーション画面上に第2のアプリケーション画面への画面切替を選択する画面切替手段を表示し、ユーザによる画面切替操作に基づいて、第1のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスの処理対象を第3のウェブ記述ファイルへ切り替える手順を有する。このような構成により、アプリケーション画面において、アプリケーション画面の切替操作を行なうことができる。従って、操作性に優れたアプリケーション画面を提供するサーバ装置が実現できる。
【0043】
また、本発明によるサーバ装置は、第1及び第2のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスをそれぞれ起動させる第1及び第2の起動関数と、第1の起動関数を呼び出す手順とを有する第4のウェブページ記述ファイルを通信ネットワークを介してクライアント装置に提供するように構成され、上記第3のウェブページ記述ファイルが、第2の起動関数を呼び出す手順を有する。この様な構成により、アプリケーション画面の切り替えを行った場合に、切替前後のアプリケーション画面を表示する各ブラウザプロセスをともに、第4のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスを親プロセスとして起動させることができる。
【0044】
また、本発明によるサーバ装置は、上記第4のウェブページ記述ファイルが、アプリケーション画面の表示状態を示す状態フラグを保持する手順を有し、第1のウェブページ記述ファイルの処理終了時に状態フラグが非表示へ更新され、第3のウェブページ記述ファイルの処理開始後に状態フラグが表示中へ更新される。このような構成により、状態フラグの値をアプリケーション画面の表示状態に一致させることができ、第4のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスが、第1及び第2のアプリケーション画面の表示状態を管理することができる。
【0045】
また、本発明によるサーバ装置は、第2のウェブページ記述ファイルのダウンロード後に状態フラグを表示中へ更新する。このような構成により、状態フラグの値とアプリケーション画面の表示状態とをより確実に一致させることができる。
【0046】
また、本発明によるサーバ装置は、上記第4のウェブページ記述ファイルが、アプリケーション画面を起動するための画面起動手段を有するブラウザ画面を表示する手順と、ユーザによる画面起動操作に基づいて第1のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスを起動する手順と、上記状態フラグに基づいてこの画面起動手段を無効化する手順とを有する。このような構成により、画面起動手段を操作してアプリケーション画面を起動する際、2以上のアプリケーション画面が起動されるのを防止できる。
【0047】
また、本発明によるサーバ装置は、2以上の被制御装置を同時又は選択的に通信ネットワークに接続可能なネットワーク接続手段を備え、上記第1及び第2のアプリケーション画面が、上記被制御装置ごとの制御画面として構成される。このような構成により、切替可能な制御画面を被制御装置ごとに提供することができる。
【0048】
また、本発明によるサーバ装置は、上記被制御装置として映像出力装置が接続され、上記第1及び第2のアプリケーション画面は、この映像出力装置からの出力映像が表示されるとともに、この映像出力装置への制御入力手段が表示されるように構成される。このような構成により、映像出力装置の制御画面を提供することができる。
【0049】
また、本発明による仮想マシンプログラムは、第1のウェブページ記述ファイルを処理する第1のブラウザプロセスにより起動され、ブラウザ上の仮想マシンによって実行される仮想マシンプログラムであって、通信ネットワークを介して被制御装置を遠隔制御するための第1の制御画面を表示する手順と、第1の制御画面上に第2の制御画面への切り替えをユーザに選択させる画面切替手段を表示する手順と、ユーザによる画面切替操作に基づいて、第1のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスの処理対象を第3のブラウザプロセスに切り替える手順とを有して構成される。そして、上記第3のウェブページ記述ファイルの処理を開始することによって、第1のウェブページ記述ファイルの起動元である第4のウェブページ記述ファイル中の関数であって、他の仮想マシンプログラムを起動して第2の制御画面を表示するための第2のウェブページ記述ファイルを起動する起動関数を呼び出す。
【0050】
このような構成により、制御画面ごとにサーバ装置から端末装置へ提供され、制御画面を表示するとともに、制御画面上において画面切替操作を可能にする仮想マシンプログラムを提供することができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による遠隔制御方法が適用される遠隔制御システムの概略構成例を示したブロック図である。図中の1は被制御装置、2はネットワーク接続装置(サーバ装置)、3は通信ネットワーク、5は端末装置(クライアント装置)である。
【0052】
通信ネットワーク3は、インターネット、LAN(Local Area Network)などの双方向通信可能なネットワークであり、ネットワーク接続装置2及び多数の端末装置5が、接続されている。この通信ネットワーク3には、ネットワーク接続装置2を介して被制御装置1が接続されており、通信ネットワーク3を介して、端末装置5から被制御装置1を遠隔制御することができる。
【0053】
また、ネットワーク接続装置2は、被制御装置1をネットワーク接続するだけでなく、端末装置5に対し、被制御装置1を遠隔制御するための制御画面を提供している。すなわち、ネットワーク接続装置2は、端末装置5の要求に基づいて、制御画面を表示するためのファイルを要求元の端末装置5へ送信している。この場合、ネットワーク接続装置2がサーバ装置であり、端末装置5がクライアント装置となる。
【0054】
端末装置5は、WWWブラウザがインストールされたPCなどの汎用端末装置であり、ネットワーク接続装置2からHTMLファイルをダウンロードして、ブラウザ画面を表示することができる。また、このWWWブラウザは、Java アプレットをネットワーク接続装置2からダウンロードし、ウェブブラウザ上のJava仮想マシンにより実行し、ブラウザ画面上に制御画面を表示させることができる。
【0055】
図2は、図1のネットワーク接続装置2の一構成例を示したブロック図である。図中の100はローカルI/F、101はネットワークI/F、102は接続制御部、103はファイル送信制御部、104はファイル記憶部である。
【0056】
ローカルI/F100、ネットワークI/F101は、それぞれ被制御装置1、通信ネットワーク3に無線接続又は有線接続されたインターフェース部である。端末装置5から送信された被制御装置1に対する制御データは、ネットワークI/F101を介して接続制御部102で受信され、フォーマット変換などが行われた後、ローカルI/F100を介して被制御装置1へ出力される。また、端末装置5からの要求に基づいて、接続制御部102は、ローカルI/F100を介して受信した被制御装置1の出力データをネットワークI/F101を介して要求元の端末装置5へ送信する。
【0057】
一方、端末装置5からのファイル要求は、ネットワークI/F101を介してファイル送信制御部103が受信する。ファイル送信制御部103は、要求されたファイルをファイル記憶部104から読み出して、ネットワークI/F101を介して要求元の端末装置5へ送信する。ファイル記憶部104は、端末装置5に制御画面を提供するためのHTMLファイル及びJavaアプレットを格納している記憶装置である。このファイル記憶部104として、読出専用半導体メモリ(ROM)を用いれば、ネットワーク接続装置2を安価に実現することができる。
【0058】
図3は、図1の端末装置5の画面表示の一例を示した図である。端末装置5には、1つの主ブラウザ画面Db1と、1つの制御ブラウザ画面Db2が表示される。制御ブラウザ画面Db2上の所定領域がアプレット画面Daであり、このアプレット画面Da内に制御画面Dc1,Dc2,Dc3…が表示される。ネットワーク接続装置2から提供される制御画面は、複数の制御画面Dc1,Dc2,Dc3…からなり、制御ブラウザ画面Db2には、これらの制御画面Dc1,Dc2,Dc3…のいずれか一つが表示される。
【0059】
この制御画面Dc1,Dc2,Dc3…内には、画面切替手段Dexが表示されており、ユーザは、画面切替手段Dexを操作することによって、制御画面を切り替えることができる。つまり、制御画面上で制御画面の切り替えを行うことができる。
【0060】
図4は、図2のファイル記憶部104に格納されたファイルの一例を示した図である。このファイル記憶部104には、主ブラウザ画面Db1用のHTMLファイル(主HTMLファイル)10と、制御ブラウザ画面Db2用のHTMLファイル(制御HTMLファイル)21,22,23…と、制御画面ごとのJavaアプレット31,32,33…と、画面切替用のHTMLファイル(切替HTMLファイル)41,42,43…が格納されている。
【0061】
制御HTMLファイル21,22,23…は、制御ブラウザ画面Db2上に制御画面Dc1、Dc2,Dc3…を表示させるためのウェブページ記述ファイルであり、対応するJavaアプレット31,32,33…を起動するアプレットタグをそれぞれ含んでいる。例えば、制御HTMLファイル21の処理プロセスを起動すれば、Javaアプレット31を実行するJava仮想マシンプロセス(アプレットプロセス)が起動され、当該Java仮想マシンプロセスによって制御画面Dc1が表示される。
【0062】
Javaアプレット31,32,33…は、制御画面Dc1,Dc2,Dc3…をそれぞれ表示するためのJavaバイトコード列からなるアプリケーションプログラムである。ここで、制御画面Dc1,Dc2,Dc3…は、それぞれ互いに排他的な関係にある制御機能を提供する制御画面である。例えば、それぞれ異なる被制御対象1についての制御画面、あるいは、同一被制御装置1における異なる動作又は機能に関する制御画面の関係にある。
【0063】
また、Javaアプレット31,32,33…は、画面切替手順BexとしてのJavaバイトコード列を含んでいる。この画面切替手順Bexに従って、画面切替手段Dexとして例えばコンボボックスが各制御画面Dc1,Dc2,Dc3…上に表示される。ユーザが画面切替手段Dexを操作し、所望の制御画面を選択して画面切替を指示した場合、制御ブラウザ画面Db2の処理対象が、制御HTMLファイル31,32,33…から切替HTMLファイル41,42,43…へ切り替わり、当該切替HTMLファイルが、選択された制御画面を起動するための起動関数を読み出す。
【0064】
主HTMLファイル10は、2以上の起動関数Fs1,Fs2,Fs3…を含むウェブページ記述ファイルである。これらの起動関数は、Javaスクリプトにより記述され、制御HTMLファイル21,22,23…を処理するブラウザプロセス(制御ブラウザプロセス)をそれぞれ起動することができる。つまり、これらの起動関数を呼び出すことによって、制御ブラウザ画面Db2が開かれ、起動関数に応じた制御画面Dc1,Dc2,Dc3…が表示される。
【0065】
また、これらの起動関数Fs1,Fs2,Fs3…は、主HTMLファイル10の処理プロセス(主ブラウザプロセス)からだけでなく、親子関係にあるブラウザプロセスからも呼び出すことができる。すなわち、主ブラウザプロセスを親プロセスとした場合の子プロセスに相当するブラウザプロセスからも呼び出すことができる。ただし、Java仮想マシンプロセスからは呼び出すことができない。
【0066】
切替HTMLファイル41,42,43…は、切替後の制御画面Dc1,Dc2,Dc3…を表示するためのウェブページ記述ファイルであり、画面切替時に制御ブラウザプロセスによって処理される。各切替HTMLファイル41,42,43…は、切替後の制御画面Dc1,Dc2,Dc3…にそれぞれ対応しており、画面切替手段Dexにより選択された制御画面に対応するファイルが画面切替時に処理される。この処理は、切替前に制御画面Dc1,Dc2,Dc3…を表示中のアプレットプロセスが、その起動元である制御ブラウザプロセスの処理対象を切り替えることによって開始される。
【0067】
各切替HTMLファイル41,42,43…は、ユーザの選択した制御画面に対応する制御ブラウザプロセスを起動するための呼び出し関数Fc1,Fc2,Fc3…と、自分自身を処理する制御ブラウザプロセスを終了させる終了関数Feが含まれている。これらの関数はJavaスクリプトにより記述されている。
【0068】
上記呼び出し関数Fc1,Fc2,Fc3…は、親子関係にある主ブラウザプロセスの起動関数Fs1,Fs2,Fs3…を呼び出す関数である。つまり、切替HTMLファイル41,42,43…を処理する制御ブラウザプロセスから、直接、画面切替後の制御ブラウザプロセスを起動するのではなく、主ブラウザプロセスから制御HTMLファイルの処理プロセスを起動している。従って、制御ブラウザプロセスは、常に、主ブラウザプロセスによって起動されることになる。
【0069】
図5は、図1の端末装置5における動作の一例を示したシーケンス図であり、制御画面Dc1,Dc2,Dc3…間で画面切替が行われる様子が示されている。図中の主ブラウザプロセスは主HTMLファイル10を処理するブラウザプロセス、制御ブラウザプロセスは制御HTMLファイル21,22,23…を処理するブラウザプロセス、アプレットプロセスはJavaアプレット31,32,33…を処理するJava仮想マシンプロセスである。
【0070】
まず初めに、端末装置5のWWWブラウザにおいて、ユーザがURLを指定することにより、ネットワーク接続装置2から主HTMLファイル10がダウンロードされる。その後、主HTMLファイル10の処理プロセスが、起動関数Fs1を実行して制御HTMLファイル21の処理プロセスを起動すれば、更にJavaアプレット31の実行プロセスが起動され、制御画面Dc1が表示される。図5は、この状態において、制御画面Dc1から制御画面Dc2へ画面切り替えが行われる際の様子が示されている。
【0071】
ユーザがアプレット画面Da内の画面切替手段Dexを操作し、制御画面Dc2への画面切替を指示した場合、Javaアプレット31の実行プロセスは、その起動元である制御ブラウザプロセスに対し、その処理の対象となるHTMLファイルの変更を指示するメッセージを送る。このメッセージを受け取った制御ブラウザプロセスは、その処理対象を制御HTMLファイル21から切替HTMLファイル42へ切り替える。
【0072】
すなわち、制御ブラウザプロセスは、アプレットプロセスからのメッセージに基づいて、制御HTMLファイル21の処理を終了する。制御HTMLファイル21の処理終了によって、制御HTMLファイル21により起動され、制御画面Dc1を表示していたJavaアプレット31の実行プロセスも終了し、制御画面Dc1が閉じられる。
【0073】
一方、切替HTMLファイル42は、制御画面Dc2への画面切替を行うためのHTMLファイルであり、既に起動されている制御ブラウザプロセスが処理対象を切り替えることによって、その処理が開始される。つまり、制御HTMLファイル21の処理終了後に、ネットワーク接続装置2から切替HTMLファイル42がダウンロードされ、その処理が開始される。なお、切替HTMLファイルを処理中の制御ブラウザプロセスは、ユーザとのインターフェースを行わないため、ブラウザ画面Db2の表示を行わなくてもよい。
【0074】
制御ブラウザプロセスは、ダウンロードした切替HTMLファイル42に従って、主ブラウザプロセスに対し、制御HTMLファイル22を起動させる起動関数Fs2の呼び出しを行った後、終了関数Feを呼び出して自身のプロセスを終了させる。起動関数Fs2の呼び出しにより、主ブラウザプロセスは、制御HTMLファイル22を処理するブラウザプロセスを起動する。
【0075】
新たに起動された制御ブラウザプロセスは、制御HTMLファイル22をダウンロードして、制御ブラウザ画面Db2を表示した後、Javaアプレット32の実行プロセスを起動する。このアプレットプロセスによって、画面切替手段Dexを有する制御画面Dc2がアプレット画面Da内に表示される。
【0076】
ユーザが、制御画面Dc2上の画面切替手段Dexを操作して他の制御画面を選択すれば、上記の場合と全く同様にして、当該他の制御画面へ切り替えることができる。この様にして、制御画面Dc1,Dc2,Dc3…上の画面切替手段Dexを操作することにより、任意の制御画面Dc1,Dc2,Dc3…への画面切替を行なうことができる。
【0077】
図6は、主ブラウザ画面Db1から制御ブラウザ画面Db2を開く場合の画面表示の一例を示した図であり、(a)には、制御ブラウザ画面Db2が表示されていない状態が示され、(b)には、制御ブラウザ画面Db2が表示されている状態が示されている。
【0078】
起動直後の主ブラウザ画面Db1上には、制御画面起動手段としての操作ボタンDsが表示されている。ユーザがこの操作ボタンDsを押下操作すると、制御ブラウザ画面Db2が起動され、所定の制御画面Dc1,Dc2,Dc3…が表示される。図中の(b)では、制御画面Dc1が表示された例が示されている。
【0079】
制御ブラウザ画面Db2の表示中は、他の制御ブラウザ画面Db2が重複して起動されないように、操作ボタンDsが無効化される。その後、表示中の制御ブラウザ画面Db2が閉じられた場合には、操作ボタンDsが再び有効化され、主ブラウザ画面Db1から制御ブラウザ画面Db2が起動可能となる。
【0080】
主ブラウザプロセスは、制御ブラウザ画面Db2の表示状態を管理しており、この表示状態に基づいて操作ボタンDsの無効化及び有効化を行っている。主ブラウザプロセスは、制御ブラウザDb2の表示状態を保持する状態フラグを保持しており、制御ブラウザ画面Db2の表示状態の管理は、この状態フラグを用いて行われる。
【0081】
状態フラグは、制御ブラウザ画面Db2の「表示中」又は「非表示」を示す2値フラグであり、制御HTMLファイル21,22,23…の処理の開始時及び終了時に更新される。状態フラグの初期値は「非表示」であり、起動関数Fs1,Fs2,Fs3…が呼び出された際に、状態フラグが「表示中」へ変更される。
【0082】
すなわち、状態フラグが「表示中」へ更新されるのは、主ブラウザ画面Db1の操作ボタンDsをユーザが押下操作した場合、あるいは、画面切替手段Dexによりユーザが画面切替を選択した場合である。このフラグ更新手順は、例えば、起動関数Fs1,Fs2,Fs3…内において規定され、これらの関数実行時に状態フラグが「表示中」へ更新される。
【0083】
一方、状態フラグが「非表示」へ更新されるのは、主ブラウザプロセスが、制御HTMLファイルの処理終了のメッセージをOS(Operating System)から受け取った場合である。制御ブラウザプロセスが制御HTMLファイルの処理を終了した場合、当該処理プロセスを起動した親プロセスである主ブラウザプロセスは、OSからメッセージを受け取ることができる。このため、主ブラウザプロセスは、このメッセージに基づいて「表示中」の状態フラグを「非表示」へ変更する。
【0084】
この様にして、主ブラウザプロセスが、制御ブラウザ画面Db2の表示状態の管理を行っている場合、画面切替時における制御ブラウザプロセスの起動及び終了の順序が入れ替わることがあれば、制御ブラウザ画面Db2の実際の表示状態と、状態フラグの値が一致しなくなる。つまり、画面切替後の制御HTMLファイルの処理開始後に、画面切替前の制御HTMLファイルの処理が終了した場合、処理開始時点よりも後の処理終了時点で状態フラグが「非表示」に変更されるため、制御ブラウザ画面Db2の表示中にもかかわらず、状態フラグの値は「非表示」となってしまう。
【0085】
しかしながら、本実施の形態では、図5に示した通り、切替ブラウザプロセス42が、画面切替前の制御HTMLファイル21の処理を終了した後に、画面切替後の制御ブラウザプロセスの起動関数Fs1,Fs2,Fs3を呼び出している。このため、画面切替前の制御HTMLファイル21の処理終了後に、画面切替後の制御HTMLファイル22の処理を開始させることができる。
【0086】
本実施の形態によれば、端末装置が、制御画面Dc1,Dc2,Dc3…ごとにJavaアプレットをダウンロードして、制御画面を表示している。また、各制御画面上に画面切替手段Dexが表示され、ユーザは、制御画面上で操作入力を行うことにより、制御画面の切り替えを行うことができる。このため、画面切替時の操作性を低下させることなく、Javaアプレットのダウンロード時間を短縮して各制御画面を迅速に起動させることができる。
【0087】
また、本実施の形態によれば、画面切替時に、切替ブラウザプロセスが画面切替前の制御HTMLファイルの処理を終了した後に、切替HTMLファイルの処理を開始し、この切替HTMLファイルの処理プロセスが、画面切替後の制御画面を表示する制御ブラウザプロセスを起動する。このため、主ブラウザプロセスの状態フラグの値を、実際の制御画面Dc1,Dc2,Dc3…の表示状態に一致させることができ、主ブラウザプロセスが、制御画面の表示状態を適切に管理することができる。従って、同一の主ブラウザ画面Db1から重複して2以上の制御ブラウザ画面Db2が起動されるのを防止することができる。
【0088】
実施の形態2.
本実施の形態1では、状態フラグを「表示中」へ更新する手順が、起動関数Fs1,Fs2,Fs3…内において規定される場合の例について説明した。このような構成を採用すれば、操作ボタンDsにより新たに制御画面Db1が表示される場合と、画面切替手段Dexにより画面の切り替えが行われる場合の両方について、共通の方法により、状態フラグの切替を行うことができる。これに対し、本実施の形態では、起動関数Fs1,Fs2,Fs3…を呼び出すプロセスが、状態フラグを「表示中」へ更新する場合について説明する。
【0089】
起動関数Fs1,Fs2,Fs3…を呼び出す各プロセスは、これらの起動関数の呼び出し前又は呼び出し後に、状態フラグを「表示中」へ更新する。すなわち、主ブラウザ画面Db1の操作ボタンDsをユーザが操作し、新たに制御画面Db1が表示される場合であれば、主ブラウザプロセスによって、起動関数の呼出前後に状態フラグが「表示中」に更新される。また、画面切替手段Dexをユーザが操作し、画面切替が行われる場合であれば、切替HTMLファイルを処理中の制御ブラウザプロセスにより、主ブラウザプロセスに対してフラグ更新メッセージが送出され、起動関数の呼出前又は呼出後に状態フラグが「表示中」に更新される。
【0090】
また、その他の場合として、切替HTMLファイル41,42,43…において状態フラグを「表示中」へ更新する手順を規定してもよい。すなわち、制御ブラウザプロセスが、ダウンロードされた切替HTMLファイルに従って、処理開始時に主ブラウザプロセスに対してフラグ更新メッセージを送出し、状態フラグを「表示中」へ更新するように構成することもできる。
【0091】
なお、画面切替時におけるフラグの「非表示」及び「表示中」への変更順序が入れ替わるのを防止する観点からは、フラグ変更メッセージの送出は、制御HTMLファイルの処理終了時点から見てより遅い時期に送出されることがより望ましい。このため、フラグ変更メッセージは、切替後の制御画面Dc2を起動するための起動関数Fs2の呼び出し後に送出される方が望ましく、当該制御ブラウザプロセスの終了直前に送出されることがより望ましい。
【0092】
実施の形態3.
実施の形態2では、画面切替前の制御ブラウザプロセス、すなわち、切替HTMLファイル41,42,43…を処理中のブラウザプロセスが、フラグ変更メッセージを送出する場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、画面切替後の制御ブラウザプロセスが、主ブラウザプロセスに対し、フラグ変更メッセージを送出する場合について説明する。
【0093】
図7は、本発明の実施の形態3による動作の一例を示したシーケンス図である。この図は、図5の場合と同様、制御画面Dc1が表示されている状態から、制御画面Dc2への画面切替が行われる様子が示されている。
【0094】
本実施の形態では、主ブラウザプロセスに対してフラグ変更メッセージを送出する手順が、各制御HTMLファイル21,22,23…において規定されている。このため、図7では、制御ブラウザプロセスが、ダウンロードされた制御HTMLファイル22の処理を開始することによって、主ブラウザプロセスに対し、メッセージを送出し、状態フラグが「表示中」へ変更される。
【0095】
この様にして、画面切替後の制御ブラウザプロセスから主ブラウザプロセスの状態フラグを変更することによって、状態フラグの値と実際の制御画面の表示状態とをより確実に一致させることができる。
【0096】
実施の形態4.
図8は、上記の各実施の形態による遠隔制御システムが適用される遠隔制御システムの一構成例を示したブロック図である。ネットワーク接続装置2は、被制御装置1として2以上の異なる映像出力機器が接続可能であり、端末装置5の要求に基づいて、映像出力機器からの映像信号を端末装置5へ出力する。また、ネットワーク接続装置2は、接続可能な各映像出力機器ごとの制御画面を端末装置5に提供しており、端末装置5のユーザは、これらの制御画面を切り替えて、所望の制御画面を表示させることができる。
【0097】
例えば、被制御装置1が監視カメラであれば、端末装置5の制御画面上で、監視カメラのパン・チルト動作など撮影方向を制御するとともに、端末装置5の制御画面上にその出力映像を表示させることができる。また、被制御装置1が映像録画再生装置であれば、録画・再生動作を制御画面上で制御するとともに、その出力映像を表示させることができる。
【0098】
図8の(a)は、2以上の異なる映像出力機器が選択的にネットワーク接続装置2に接続される遠隔制御システムの例が示されている。このネットワーク接続装置2は、被制御装置1として、カメラA、カメラB及びビデオレコーダが接続可能であるが、同時に接続できるのは、これらの映像出力機器のうちの1台のみである。ネットワーク接続装置2は、接続可能なこれら全ての映像出力機器の制御画面を提供している。
【0099】
端末装置5のユーザは、制御画面を切り替えて、ネットワーク接続装置2に実際に接続されている映像出力機器に対応した制御画面を表示させることにより、当該映像出力機器を遠隔制御することができる。従って、被制御装置1ごとに専用のネットワーク接続装置2を用意する必要がない。しかも、ネットワーク接続装置2は、複雑な構成を採用することなく、ファイル記憶容量を増大させるだけで、様々な被制御装置1の制御画面を提供することができる。
【0100】
図8の(b)は、2以上の異なる映像出力機器が同時にネットワーク接続装置2に接続される遠隔制御システムの例が示されている。このネットワーク接続装置2は、被制御装置1として、カメラA、カメラB及びビデオレコーダが同時に接続されており、ネットワーク接続装置2は、これら全ての映像出力機器の制御画面を提供している。
【0101】
端末装置5のユーザは、制御画面を切り替えて、制御対象としたい映像出力機器に対応した制御画面を表示させることにより、2以上の映像出力機器から所望の映像出力機器を選択して、遠隔制御することができる。
【0102】
上記の各実施の形態によれば、制御画面の切り替え時における操作性を低下させることなく、各制御画面を迅速に表示することができるため、様々な被制御装置1が同時又は選択的に接続可能なネットワーク接続装置の場合、ネットワーク制御装置2に、これら全ての被制御装置1の制御画面を提供するサーバ装置としての機能を持たせることができる。
【0103】
なお、上記の各実施の形態では、被制御装置1を通信ネットワーク3に接続するネットワーク接続装置2が、当該被制御装置1の制御画面を提供する場合について説明したが、本発明は、このような場合に限定されない。すなわち、ネットワーク接続装置2とは別に、制御画面を提供するサーバ装置を通信ネットワーク3に設けてもよい。
【0104】
また、上記の各実施の形態では、端末装置5に対し、被制御装置1を遠隔制御するための制御画面を提供する遠隔制御システムの場合について説明したが、本発明は、このような場合に限定されない。すなわち、端末装置5に対し、制御画面以外の様々なアプリケーション画面を提供するシステムにも適用することができる。
【0105】
【発明の効果】
本発明によれば、制御画面ごとに仮想マシンプログラムをサーバ装置から取得して制御画面を切替表示することができる。また、制御画面上において画面切替操作を行なうことができる。従って、制御画面の起動時間が短く、画面切替時の操作性に優れた遠隔制御方法を提供することができる。
【0106】
また、本発明によれば、アプリケーション画面ごとの仮想マシンプログラムをサーバから提供するとともに、クライアント装置において一方のアプリケーション画面から他方のアプリケーション画面への画面切替を行なうことができる。従って、それぞれの起動時間が短く、切替表示可能なアプリケーション画面を提供するサーバ装置を提供することができる。
【0107】
また、本発明によれば、制御画面ごとにサーバ装置から端末装置へ提供され、制御画面を表示するとともに、制御画面上において画面切替操作が可能な仮想マシンプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による遠隔制御方法が適用される遠隔制御システムの概略構成例を示したブロック図である。
【図2】 図1のネットワーク接続装置2の一構成例を示したブロック図である。
【図3】 図1の端末装置5の画面表示の一例を示した図である
【図4】 図2のファイル記憶部104に格納されたファイルの一例を示した図である。
【図5】 図1の端末装置5における動作の一例を示したシーケンス図である。
【図6】 主ブラウザ画面Db1から制御ブラウザ画面Db2を開く場合の画面表示の一例を示した図である。
【図7】 本発明の実施の形態3による動作の一例を示したシーケンス図である。
【図8】 本発明の実施の形態4による遠隔制御方法が適用される遠隔制御システムの一構成例を示したブロック図である。
【図9】 従来の遠隔制御システムにおいて、サーバ装置から端末装置へ提供されるファイルが示されている。
【図10】 従来の遠隔制御システムの端末装置における表示画面が示されている。
【図11】 Javaアプレットの起動時間を短くするための一提案について説明するための説明図であり、サーバ装置から端末装置へ提供される各ファイルが示されている。
【図12】 Javaアプレットの起動時間を短くするための一提案について説明するための説明図であり、端末装置における表示画面が示されている。
【図13】 図11及び図12の遠隔制御システムの動作を示したシーケンス図である。
【符号の説明】
1 被制御装置
2 ネットワーク接続装置
3 通信ネットワーク
5 端末装置
10 主HTMLファイル
21,22,23… 制御HTMLファイル
31,32,33… Javaアプレット
41,42,43… 切替HTMLファイル
100 ローカルI/F
101 ネットワークI/F
102 接続制御部
103 ファイル送信制御部
104 ファイル記憶部
Bex 画面切替手順(Javaバイトコード)
Da アプレット画面
Db1 主ブラウザ画面
Db2 制御ブラウザ画面
Dc1,Dc2,Dc3… 制御画面
Dex 画面切替手段
Ds 操作ボタン
Fe 終了関数
Fs1,Fs2,Fs3 起動関数
Tap1,Tap2,Tap3… アプレットタグ
Tex 画面切替手順
Claims (14)
- サーバ装置から取得した仮想マシンプログラムをウェブブラウザ上で実行して制御画面を表示し、通信ネットワークを介して被制御装置を遠隔制御する遠隔制御方法において、
第1のウェブページ記述ファイルを処理する第1のブラウザプロセスが、第1の仮想マシンプログラムを起動して第1の制御画面を表示し、
第2のウェブページ記述ファイルを処理する第2のブラウザプロセスが、第2の仮想マシンプログラムを起動して第2の制御画面を表示し、
第1の仮想マシンプログラムの実行プロセスが、第1の制御画面上に第2の制御画面への画面切替手段を表示し、
第1のブラウザプロセスが、ユーザの画面切替操作に基づいて、処理対象を第1のウェブページ記述ファイルから、第2のブラウザプロセスを起動するための第3のウェブページ記述ファイルへ切り替えることを特徴とする遠隔制御方法。 - 第4のウェブページ記述ファイルが、第1及び第2のブラウザプロセスをそれぞれ起動させる第1及び第2の起動関数を有し、
第4のウェブページ記述ファイルを処理する主ブラウザプロセスが、第1の起動関数を呼び出すことにより、第1のブラウザプロセスが起動され、
第3のウェブページ記述ファイルを処理する上記第1のブラウザプロセスが第2の起動関数を呼び出すことにより、第2のブラウザプロセスが起動されることを特徴とする請求項1に記載の遠隔制御方法。 - 上記主ブラウザプロセスは、制御画面の表示状態を示す状態フラグを保持し、
この状態フラグは、第1のウェブページ記述ファイルの処理終了時に非表示へ更新され、第3のウェブページ記述ファイルの処理開始後に表示中へ更新されることを特徴とする請求項2に記載の遠隔制御方法。 - 上記状態フラグの表示中への更新は、第2のブラウザプロセスの起動後に行われることを特徴とする請求項3に記載の遠隔制御方法。
- 上記主ブラウザプロセスは、ブラウザ画面上に第1の制御画面の表示をユーザに選択させる制御画面起動手段を表示するとともに、上記状態フラグに基づいて、この制御画面起動手段を無効化することを特徴とする請求項2、3又は4に記載の遠隔制御方法。
- 切替表示される2以上のアプリケーション画面をクライアント装置に提供するサーバ装置であって、
ウェブブラウザ上で仮想マシンにより実行され、第1及び第2のアプリケーション画面をそれぞれ表示する第1及び第2の仮想マシンプログラムと、
第1及び第2の仮想マシンプログラムをそれぞれ起動する第1及び第2のウェブページ記述ファイルと、
第2のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスを起動するための第3のウェブページ記述ファイルとを通信ネットワークを介してクライアント装置に提供し、
上記第1の仮想マシンプログラムが、第1のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスの処理対象を第1のウェブページ記述ファイルから、第3のウェブページ記述ファイルへ切り替える手順を有することを特徴とするサーバ装置。 - 上記第1の仮想マシンプログラムが、第1のアプリケーション画面上に第2のアプリケーション画面への画面切替を選択する画面切替手段を表示し、ユーザによる画面切替操作に基づいて、第1のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスの処理対象を第3のウェブ記述ファイルへ切り替える手順を有することを特徴とする請求項6に記載のサーバ装置。
- 第1及び第2のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスをそれぞれ起動させる第1及び第2の起動関数と、第1の起動関数を呼び出す手順とを有する第4のウェブページ記述ファイルを通信ネットワークを介してクライアント装置に提供し、
上記第3のウェブページ記述ファイルが、第2の起動関数を呼び出す手順を有することを特徴とする請求項6に記載のサーバ装置。 - 上記第4のウェブページ記述ファイルが、アプリケーション画面の表示状態を示す状態フラグを保持する手順を有し、
第1のウェブページ記述ファイルの処理終了時に状態フラグが非表示へ更新され、第3のウェブページ記述ファイルの処理開始後に状態フラグが表示中へ更新されることを特徴とする請求項8に記載のサーバ装置。 - 上記状態フラグの表示中への更新は、第2のウェブページ記述ファイルのダウンロード後に行われることを特徴とする請求項9に記載のサーバ装置。
- 上記第4のウェブページ記述ファイルが、アプリケーション画面を起動するための画面起動手段を有するブラウザ画面を表示する手順と、ユーザによる画面起動操作に基づいて第1のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスを起動する手順と、上記状態フラグに基づいてこの画面起動手段を無効化する手順とを有することを特徴とする請求項9に記載のサーバ装置。
- 2以上の被制御装置を同時又は選択的に通信ネットワークに接続可能なネットワーク接続手段を備え、
上記第1及び第2のアプリケーション画面が、上記被制御装置ごとの制御画面であることを特徴とする請求項6に記載のサーバ装置。 - 上記被制御装置として映像出力装置が接続され、
上記第1及び第2のアプリケーション画面は、この映像出力装置からの出力映像が表示されるととともに、この映像出力装置への制御入力手段が表示されることを特徴とする請求項6に記載のサーバ装置。 - 第1のウェブページ記述ファイルを処理する第1のブラウザプロセスにより起動され、ブラウザ上の仮想マシンによって実行される仮想マシンプログラムであって、
通信ネットワークを介して被制御装置を遠隔制御するための第1の制御画面を表示する手順と、
第1の制御画面上に第2の制御画面への切り替えをユーザに選択させる画面切替手段を表示する手順と、
ユーザによる画面切替操作に基づいて、第1のウェブページ記述ファイルを処理するブラウザプロセスの処理対象を第3のブラウザプロセスに切り替える手順とを有し、
第3のウェブページ記述ファイルの処理を開始することによって、第1のウェブページ記述ファイルの起動元である第4のウェブページ記述ファイル中の関数であって、他の仮想マシンプログラムを起動して第2の制御画面を表示するための第2のウェブページ記述ファイルを起動する起動関数を呼び出すことを特徴とする仮想マシンプログラム。
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