JP4004896B2 - 油中水型乳化化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、保型性と共に、軽い力で崩れて流動性が高くなる特性を持つため、良好な使用感と安定した乳化状態が両立する油中水型乳化化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
油中水型乳化化粧料に使用される油分としては流動パラフィンやスクワラン等の炭化水素系のものが多く用いられている。このような油分は肌表面をオイル膜でカバーし水分蒸発を防ぐことから、これらを化粧料に応用した場合には肌荒れ等に効果がある。また、このような油分を使用したフェーシャル化粧料はトリートメント効果が高く、また、メーキャップ化粧料では撥水性に優れ、化粧くずれが少ない。
【0003】
一方、油分としてシリコーン油を配合した油中水型乳化化粧料は、なめらかな使用性を持ち撥水性に優れている。とりわけ、揮発性シリコーンを配合した化粧料は塗布時ののびが良く、また、のばすにつれて揮発性シリコーン油が揮発して、肌表面上に残存するオイル分を少なくするため、密着性が良く、また皮脂や汗に強く、化粧くずれし難いという特徴がある。更にシリコーン油にエタノール等の低級アルコールを併用すると、アルコールの高い揮発性による気化熱のため、ほどよい清涼感が得られ、さっぱりした使用感を得ることができる。更にまた、撥水性、撥油性を有するフッ素系の油剤を配合することにより、皮脂による化粧くずれを防ぐことができる。
【0004】
しかしながら、エタノール等の低級アルコールやフッ素系の油剤を併用すると安定な油中水型乳化系を得るのが非常に難しく、これらを多量に配合し且つ優れた安定性を有する油中水型乳化化粧料は、強く要望されているのに拘わらず得られていない。
【0005】
油中水型乳化化粧料を得るための方法としては、ワックス類を増加し固化させる方法、シリカを用いる方法、粘土鉱物とポリオキシアルキレン変性シリコーンを用いて安定に乳化する方法(特開昭61−218509号公報、特開昭64−63031号公報、特開平1−180237号公報)等が知られている。また、特開平10−139650号には、低HLBの非イオン界面活性剤と高分子を用い、エタノールを含有した乳化物が示されている。しかしながら、いずれの方法でも、さっぱり感を得るためにエタノール等の低級アルコールを配合したり、皮脂くずれを防止するためにフッ素系の油剤を配合する場合には安定な乳化物を得ることはできず、乳化物の保存安定性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、のびが良く、さっぱりとした使用感を有し、時間が経ってもべたつくことがなく、乳化安定性に優れる油中水型乳化化粧料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、(A)シリコーン油を含有する油性組成物、(B)後述する(i)〜(iii)よりなる群から選ばれる高分子化合物を10〜50重量%の割合で含有するアルコール分散液、及び(C)水を含む水性分散相を、該成分(B)が化粧料全体の8重量%以上となる割合で混合すると、塗布時の粘度に対し静置での粘度が高い(ずり速度0〜3s-1の剪断応力の最大値Fmaxとずり速度20〜100s-1までの剪断応力の平均値Favの比Fmax/Favが1以上の高いチクソトロピー性)という特性の油中水型乳化化粧料が得られ、上記課題を解決できることを見出した。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る油中水型乳化化粧料は、下記成分(A)、(B)及び(C):
(A)シリコーン油を含有する油性組成物;
(B)下記(i)〜(iii)よりなる群から選ばれる高分子化合物を10〜50重量%の割合で含有するアルコール分散液;
(C)水を含む水性分散相;
を、該成分(B)が化粧料全体の8重量%以上となる割合で混合することにより得られる油中水型乳化化粧料であって、下記測定法1によって測定した時に、ずり速度0〜3s-1の剪断応力の最大値Fmaxとずり速度20〜100s-1までの剪断応力の平均値Favの比Fmax/Favが1以上である、油中水型乳化化粧料である。
【0009】
<高分子化合物(i)〜(iii)>
(i)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合してなる共重合体
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、nは2又は3の数を示す)
(ii)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(2)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−プロピレンカルボベタイン)が結合してなる共重合体
【0012】
【化5】
【0013】
(式中、R2は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基又はアルコキシカルボニルアルキル基を示し、mは1〜5の数を示す)
(iii)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、下記式(3)で示される基が結合してなる共重合体
【0014】
【化6】
【0015】
(式中、rは1〜8の整数を示す);
<測定法1>
プレート上に被験サンプルを載せ、25mm、0.1radコーンプレートで上から押さえて、はみ出した分を取り除いた後、下記条件で測定する。
【0016】
Test Type : Thixotropic Loop
Temparature : 25℃
Final shear Rate : 100 s-1
Zone Time : 150 s
Direction : Clockwise
Delay Before Test : 900 s
先ず、本発明に係る油中水型乳化化粧料の各配合成分について説明する。本発明において成分(A)はシリコーン油を含有する油性組成物であり、該油性組成物は、油中水型乳化化粧料の油性連続相を形成する。また、成分(C)である水を含む水性分散相は、油性連続相中に分散している。油中水型乳化化粧料の油性連続相にシリコーン油を配合することによって、なめらかな使用感と優れた撥水性が得られる。
【0017】
本発明において油性組成物は、シリコーン油のみからなる単一成分であってもよいが、シリコーン油以外の油剤を含むこともできる。シリコーン油としては、揮発性、不揮発性の液状油や溶剤に分散されているもの等、特に限定されないが、例えばメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、高級脂肪酸変性オルガノポリシロキサン、高級アルコール変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン等が挙げられ、2種以上のシリコーン油を組み合わせても良い。
【0018】
これらのシリコーン油の中でもメチルポリシロキサン、ジメチルシクロポリシロキサン等の揮発性シリコーンを用いる場合には、化粧料を塗布する際に特にのびが良く、肌表面に残存するオイル分が少なくなるため密着性が良い。
【0019】
シリコーン油の配合量は、該シリコーン油によるなめらかな使用感を充分に得るために、油中水型乳化化粧料中に10〜80重量%が好ましく、特に10〜60重量%が好ましい。また、シリコーン油を含めた油性組成物の配合量は、油中水型乳化化粧料中に10〜80重量%、特に10〜60重量%の割合で配合するのが好ましい。
【0020】
シリコーン油と共に用いられる油剤は特に制限されず、例えば、オリーブ油、ホホバ油、ヒマシ油、スクワラン、流動パラフィン、エステル油、ジグリセライド、トリグリセライド、シリコーン油、フッ素系油剤等の液体油剤;ワセリン、ラノリン、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバロウ、キャンデリラロウ、高級脂肪酸、高級アルコール等の固形又は半固形油剤が挙げられる。これらの油剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
フッ素系油剤は、化粧料の撥水性、撥油性を高めて皮脂による化粧崩れを防ぐ効果が高いので、シリコーン油と組み合わせて用いることが好ましい。本発明では後述する高分子化合物(i)〜(iii)を用いることにより、多量のフッ素系油剤をシリコーン油と共に用いても油相の分離が起こらず、乳化安定性が高い。
【0022】
本発明の成分(A)には、更に界面活性剤を配合してもよい。界面活性剤としては低HLBの非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。低HLBの非イオン性界面活性剤としては、化粧料に通常用いられる非イオン性界面活性剤でHLBが1〜6の範囲のものであれば特に制限されず、例えば、モノグリセライド、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、アルカノールアミド、アミンオキサイド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコールモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルサッカライド、α−モノアルキルグリセリルエーテル、ジメチルポリシロキサン・ポリオキシアルキレン共重合体、ジメチルポリシロキサン・モノアルキルグリセリルエーテル共重合体(特開平6−135871号参照)などが挙げられ、かかる界面活性剤の1種又は2種以上を用いることができる。
【0023】
該非イオン性界面活性剤の配合量は、0.05〜10重量%が好ましく、更に好ましくは0.1〜8重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%である。この範囲であれば安定な油中水型乳化化粧料を得ることができ、使用時にべたつきが生じず、使用感も良好である。
【0024】
成分(B)の高分子化合物のアルコール分散液(以下、アルコール分散液とする)は、水性分散相の分離、合一、沈降、液滴破壊等を防止し、乳化安定性を向上させるための成分である。高分子化合物(i)〜(iii)は、オルガノポリシロキサンセグメントと親水性セグメントを有する共重合体であり、共有結合以外の結合により分子間架橋を生じるため、常温・常圧では粘性液体状或いは固体状を呈す。具体的に、高分子化合物(i)は、親水性セグメントとしてポリ(N−アシルアルキレンイミン)構造を有しており、双極子−双極子相互作用による結合を生じ、高分子化合物(ii)は親水性セグメントとしてポリ(N−プロピレンカルボベタイン)を有しており、イオン結合を生じ、高分子化合物(iii)は親水性セグメントとして上記式(3)で示される基を有しており、水素結合を生じる。
【0025】
高分子化合物(i)〜(iii)中に含まれる親水性セグメントの働きにより、高分子化合物が乳化化粧料の水性分散相(液滴)と油性連続相(外相=油相)の界面に配向し、水性分散相の合一や沈降等を防止することができる。この時、水性分散相に対し高分子化合物(i)〜(iii)はエラスティックな性質の保護膜となる。シリコーン油と共にアルコール、特に低級アルコールを含有する油中水型乳化物に一般的な乳化剤を用いる場合には、アルコールの作用によって界面膜の破壊が起こり易いが、高分子化合物(i)〜(iii)はエラスティックな性質の保護膜となるため、このようなアルコールによる水性分散相の合一や沈降等も抑制されて、安定な油中水型乳化化粧料を得ることができる。
【0026】
高分子化合物(i)、すなわち、オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(1);
【0027】
【化7】
【0028】
(式中、R1は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基又はアリール基を示し、nは2又は3の数を示す)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合してなる共重合体は、該ポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントとオルガノポリシロキサンのセグメントとの重量比が1/50〜20/1、好ましくは、1/40〜2/1で、分子量が500〜500,000、好ましくは1,000〜300,000のものが安定な乳化物を得る上で好ましい。
【0029】
式(1)中、R1で示されるシクロアルキル基としては炭素数3〜6のものが挙げられ;アラルキル基としてはフェニルアルキル、ナフチルアルキル等が挙げられ;アリール基としてはフェニル、ナフチル、アルキル置換フェニル等が挙げられる。
【0030】
前記オルガノポリシロキサンのセグメントとポリ(N−アシルアルキレンイミン)のセグメントとの結合において介在するヘテロ原子を含むアルキレン基としては、窒素原子、酸素原子及び/又はイオウ原子を1〜3個含む炭素数2〜20のアルキレン基が挙げられ、その具体例としては、下記式(4)で表される基が挙げられる。
【0031】
【化8】
【0032】
(式中、X-(マイナス記号は丸囲み)は4級アンモニウム塩の対イオンを表す。)
かかる高分子化合物(i)の好ましい例としては、ポリ(N−ホルミルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−アセチルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−オクタノイルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−ドデカノイルエチレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−ホルミルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−アセチルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−プロピオニルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−オクタノイルプロピレンイミン)変性シリコーン、ポリ(N−n−ドデカノイルプロピレンイミン)変性シリコーン等が挙げられる。
【0033】
上記高分子化合物(i)は、公知の方法(特開平2−276824号公報、特開平4−85334号公報、特開平4−85335号公報、特開平5−112423号公報、特開平7−133352号公報等)により得ることができる。
【0034】
高分子化合物(ii)、すなわち、オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(2);
【0035】
【化9】
【0036】
(式中、R2は水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アリール基又はアルコキシカルボニルアルキル基を示し、mは1〜5の数を示す)
で表される繰り返し単位からなるポリ(N−プロピレンカルボベタイン)が結合してなる共重合体は、オルガノポリシロキサンのセグメントとポリ(N−プロピレンカルボベタイン)のセグメントとの重量比が、98/2〜40/60、特に95/5〜60/40であり、重量平均分子量が1,000〜500,000、特に5,000〜300,000であることが好ましい。オルガノポリシロキサンセグメントとポリ(N−プロピレンカルボベタイン)セグメントとの重量比を98/2〜40/60の範囲とすることにより、及び、重量平均分子量を1,000以上とすることにより、分散相表面の保護膜を形成する際に充分な弾性が得られ、重量平均分子量を500,000以下とすることにより、製造が容易になる。
【0037】
オルガノポリシロキサンセグメントとポリ(N−プロピレンカルボベタイン)セグメントとの結合において介在するヘテロ原子を含むアルキレン基としては、上記(i)における式(4)のアルキレン基を用いることができる。
【0038】
また、R2で示されるシクロアルキル基としては炭素数3〜6のものが挙げられ;アラルキル基としてはフェニルアルキル、ナフチルアルキル等が挙げられ;アリール基としてはフェニル、ナフチル、アルキル置換フェニル等が挙げられる。
【0039】
高分子化合物(ii)は、例えば、オルガノポリシロキサンと下記式(5);
【0040】
【化10】
【0041】
(式中、R2は前記と同じ)
で表される環状アミンを開環重合して得られる末端反応性ポリ(N−プロピレンイミン)とを反応させて、まずポリ(N−プロピレンイミン)が結合してなるオルガノポリシロキサンを製造する。これにクロル酢酸ナトリウムやβ−プロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンを更に反応させることによりポリ(N−プロピレンカルボベタイン)変性シリコーンを製造することができる。
【0042】
高分子化合物(iii)、すなわち、オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、下記式(3);
【0043】
【化11】
【0044】
(式中、rは1〜8の整数を示す)
で示される基が結合してなる共重合体においては、式(3)で示される基が結合するケイ素原子数が分子内全ケイ素原子数の10〜90%、特に40〜80%であり、重量平均分子量が1,000〜500,000、特に5,000〜300,000であることが好ましい。
【0045】
式(3)の基が結合するケイ素原子数が分子内全ケイ素原子数の10%以上である場合には分散相への配向性が充分にもたらされるので乳化安定性が向上する。一方、この値が90%以下である場合には、高分子化合物(iii)の水溶性が高くなり過ぎることが避けられるので乳化性が発現し易い。式(3)で示される基の重量平均分子量が1,000以上である場合には、乳化安定性が向上し、500,000以下である場合には、製造が容易である。
【0046】
このような式(3)の基を含む、オルガノポリシロキサンは、例えば前駆体として下記式(6)で表されるようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用い、これと下記式(7)で表されるようなN−アルキレンピロリドンとを反応させる、いわゆるヒドロシリル化反応によって合成することができる。このヒドロシリル化反応は、ジクロロメタン、クロロホルム、あるいは1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン系の溶媒、又はテトラヒドロフラン、ジイソプロピルエーテル、あるいはジブチルエーテルのような脂肪族のエーテル類を反応溶媒として、室温〜100℃にて塩化白金酸などの遷移金属錯体を触媒として、行うことができる。
【0047】
【化12】
【0048】
(式中、R3は同一又は異なって、炭素数1〜22の飽和アルキル基又はフェニル基を示し、R4、R5及びR6はそれぞれR3と同一の基を示すか又は炭素数1〜22の飽和アルキル基又はフェニル基から選ばれる基を示し、pは30〜3,000の整数を示し、qは60〜1,500の整数を示し、rは前記と同じ)
上記高分子化合物(i)〜(iii)は、油中水型乳化化粧料中に、0.8〜5重量%、特に1〜3重量%の割合で配合することが好ましい。
【0049】
高分子化合物(i)〜(iii)は、油中水型乳化化粧料中で水性分散相と油性連続相の界面に配向した時に、耐低級アルコール性の強い保護膜を形成するために、常温・常圧でゴム弾性を示すものが好ましい。すなわち、高分子化合物(i)〜(iii)は、温度20℃、相対湿度65%における伸長率が0〜15%の範囲で破断又は塑性変形を生じないという性質を有することが好ましい。
【0050】
伸長率が0〜15%の範囲で塑性変形が生じるか否かは、例えば次の様な簡単な実験で確かめることができる。すなわち、厚さ約0.2mm、長さ20mm、幅5mmの試料片を用意し、温度20℃、相対湿度65%の条件下で応力−歪み曲線を記録しながらクロスヘッド速度20mm/分で3mm伸長(15%)し、その後直ちに同じ速度で元の位置までクロスヘッドを戻す。10分後、再度伸長し、2回目の伸長時の応力−歪み曲線が1回目の曲線と同じ軌跡をたどれば、完全に回復しており、塑性変形が生じていないことになる。これに対し、塑性変形が起きる場合には、1回目の往復運動ですでに伸びてしまっているため、2回目の伸長では遅れて応力がかかり、結果として応力−歪み曲線は同じ軌跡をたどらない。
【0051】
高分子化合物(i)〜(iii)が単独でゴム弾性を示さない場合でも、シリコーン油とアルコールを含有する油中水型乳化組成物を構成する物質と共存させた時に、水性分散相と油性連続相の界面に配向し、同様の効果が得られるものであれば、単独での常温・常圧の物性は特に制限されるものではない。
【0052】
成分(B)のアルコール分散液に用いられるアルコールは、高分子化合物(i)〜(iii)を油性連続相に均一に溶解又は分散させるための成分である。アルコール分散液を油性連続相に配合することにより、水性分散相と油性連続相の界面に高分子化合物(i)〜(iii)が配向して乳化安定性を向上させることができる。高分子化合物(i)〜(iii)をそのまま油性連続相に配合する場合には均一に溶解又は分散させることが困難である。これに対し、アルコール分散液中においては、高分子化合物(i)〜(iii)の共有結合以外の結合により生じる分子間架橋がアルコールにより容易に開裂し、高分子化合物(i)〜(iii)が容易に溶解又は分散する。このようにして調製したアルコール分散液を油性連続相に混合すると、高分子化合物(i)〜(iii)を油性連続相中に容易に溶解又は分散させることができる。
【0053】
また、アルコールを利用して高分子化合物(i)〜(iii)を化粧料の油性連続相に配合した化粧料では、該アルコールが化粧料を塗布した時に気化して清涼感を与えることができる。同時に、高分子化合物(i)〜(iii)が水性分散相に対してエラスティックな性質を有する耐低級アルコール性の強い保護膜を形成するので、アルコールによる水性分散相の合一や沈降等が抑制され、乳化安定性は損なわれないという効果も得られる。
【0054】
つまり、高分子化合物(i)〜(iii)をアルコール分散液として使用すると、高分子化合物(i)〜(iii)はアルコールのおかげで油性連続相への溶解、分散性の問題を克服できるので油中水型乳化化粧料の乳化安定性を充分に向上させることが可能となり、一方、アルコールは高分子化合物(i)〜(iii)のおかげで水性分散相の界面膜破壊の問題を克服できるので油中水型乳化化粧料の乳化安定性を損なうことなく塗布時の清涼感を得ることが可能となる。すなわち、高分子化合物(i)〜(iii)とアルコールは、各々の利点を損なわずに、両成分の効果を最大限に発揮することができる。
【0055】
高分子化合物(i)〜(iii)と組み合わせて用いられるアルコールとしては、高分子化合物(i)〜(iii)に対する溶解又は分散性、及び、化粧料の塗布時に良好な清涼感を得る点で、炭素数1〜4の低級アルコールが好ましく、その中でもエタノールが特に好ましい。
【0056】
アルコールの配合量は、乳化安定性を得るために充分な量の高分子化合物(i)〜(iii)を油性連続相に均一に溶解又は分散させると共に、アルコールの蒸発による適度な清涼感を得るために成分(B)の高分子化合物(i)〜(iii)、アルコール各々の配合量が決定される。具体的には、油中水型乳化化粧料中に、7〜20重量%、特に9〜50重量%の割合で配合することが好ましい。
【0057】
本発明においてアルコール分散液は、油中水型乳化化粧料中に8重量%以上、好ましくは10〜30重量%、更に好ましくは10〜20重量%の割合で配合する。また、成分(B)中の高分子化合物(i)〜(iii)の濃度は、好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは12〜30重量%とする。さらに、成分(A)と成分(B)の配合比(A/B)は、重量基準で好ましくは1〜5、更に好ましくは1〜4、特に好ましくは2〜4である。
【0058】
また、本発明においては、油中水型乳化化粧料の成分(C)である水性分散相の主たる媒体として水を用いる。水は、本発明の油中水型乳化化粧料中に、通常は15〜90重量%、好ましくは10〜70重量%の割合で配合する。
【0059】
本発明の油中水型乳化化粧料は、上述の成分(A)〜(C)を含むことにより、塗布時の粘度に対して静置状態での粘度が高い。つまり、ずり速度0〜3s-1の剪断応力の最大値Fmaxとずり速度20〜100s-1までの剪断応力の平均値Favの比Fmax/Favが1以上、という特性をもち、使用感と乳化安定性の両方が優れたものである。
【0060】
本発明の化粧料には、長期乳化安定性を向上させる観点から、更にオキシ酸及び/又はその塩を配合することが好ましい。オキシ酸及び/又はその塩としては、例えば、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシイソ酪酸、リンゴ酸、タートロン酸、クエン酸、イソクエン酸、酒石酸等のオキシ酸;及び、それらのナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩のうちから選ばれる1種または2種を用いることができる。オキシ酸と、該オキシ酸に対応する塩を併用するのが好ましく、その場合には、クエン酸とクエン酸ナトリウムを併用することが特に好ましい。
【0061】
オキシ酸及び/又はその塩は、乳化安定性の点より油中水型乳化組成物中に0.01重量%以上、及び、使用感の点より5重量%以下とすることが好ましく、更に好ましくは0.1〜3重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%の割合で配合する。
【0062】
本発明の油中水型乳化化粧料には、上記各成分に加えて、必要に応じて、本発明の目的、効果を損なわない質的、量的範囲内で通常の化粧料に配合される成分を配合しうる。このような成分としては、例えば、水性又は油性溶剤;水溶性及び油溶性ポリマー;無機及び有機顔料、金属石鹸処理又はシリコーンで処理された無機及び有機顔料、フッ素化合物で処理された無機及び有機顔料、有機染料等の色材;防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、PH調製剤、香料、紫外線吸収剤、保湿剤、血行促進剤、冷汗剤、制汗剤、皮膚賦活剤等が挙げられる。
【0063】
次に、本発明の油中水型乳化化粧料の調製方法について説明する。本発明の油中水型乳化化粧料を調製するための基本手順は、
(A)シリコーン油を含有する油性組成物、(B)上記(i)〜(iii)よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の高分子化合物を溶解又は分散してなるアルコール分散液、及び、(C)少なくとも水を含有する水性組成物を各々、別個に調製する工程と;
成分(A)と成分(B)を混合する工程と;
さらに成分(C)を混合、乳化させる工程とを少なくとも備える。
【0064】
各成分(A)、(B)、(C)の調製、及び、これら各成分の混合又は乳化は、油中水型乳化化粧料を作製する際に従来知られている一般的な技術又は方法を適用して行うことができ、クリーム、乳液、ファンデーション、口紅等の形態の油中水型乳化化粧料とすることができる。
【0065】
このようにして得られる本発明の油中水型乳化化粧料は、静置状態ではある程度の保型性を有するため、化粧料中で水性分散相が軽く固定され、乳化状態が安定すると共に、軽い外力が加えられるだけで、くずれて流動性が高くなるので、塗布時ののびが良好になる。
【0066】
かかる特性を反映し、本発明の油中水型乳化化粧料は、下記測定法1によって測定した時に、ずり速度0〜3s-1の剪断応力の最大値Fmaxとずり速度20〜100s-1までの剪断応力の平均値Favの比Fmax/Favが1以上となり、ずり速度が低速から高速になると剪断応力が急激に減少する傾向が強い。
【0067】
(測定法1)
プレート上に被験サンプルを載せ、25mm、0.1radコーンプレートで上から押さえて、はみ出した分を取り除いた後、下記条件で測定する。なお、測定装置としては、例えば、粘弾性測定装置RFS2(レオメトリックス社製)を利用することができる。
【0068】
Test Type : Thixotropic Loop
Temparature : 25℃
Final shear Rate : 100 s-1
Zone Time : 150 s
Direction : Clockwise
Delay Before Test : 900 s
【0069】
【実施例】
(合成例1)
(1)側鎖に3級アミノ基を含むアミノ変性シリコーン(前駆体)の合成
N,N−ジメチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン6.00g(0.031モル)と水1.46g(0.081モル)の混合物を60℃で5時間加熱後、生成するメタノール及び水を60℃、2〜5mmHgにて減圧除去する。80℃に昇温後、オクタメチルシクロテトラシロキサン228g(0.769モル)、ヘキサメチルジシロキサン1.92g(1.18×10-2モル)及び重合触媒0.90g(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド0.12g(1.32×10-3モル)含有;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド5水和物をオクタメチルシクロテトラシロキサン及びトルエンに溶かし、80℃で12時間反応後、80℃/2mmHgにて真空乾燥することにより調製した。テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド含有量は、塩酸滴定法により求めた。)を加え、72時間窒素雰囲気下で加熱する。
【0070】
120℃、2〜5mmHgの真空下でオリゴマーを除去することにより、下記式(8)で表される側鎖に3級アミノ基を含むアミノ変性シリコーンを合成した。生成物は無色透明のオイル(225g)であった。重量平均分子量は22,000であった。アミン当量を塩酸滴定法にて求めたところ7,200であった。
【0071】
【化13】
【0072】
(2)ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーンの合成
硫酸ジエチル2.36g(0.0153モル)と2−エチル−2−オキサゾリン30.3g(0.306モル)をクロロホルム43mlに溶解し、窒素雰囲気下、5時間加熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)の末端反応性ポリマー(分子量2,000)を合成した。
【0073】
ここに、上記(1)で合成した3級アミノ変性シリコーン100g(アミノ基として0.0139モル)のクロロホルム270ml溶液を一括して加え、16時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、下記式(9)で表されるポリジメチルシロキサンにN−プロピオニルエチレンイミン鎖の付いたグラフト共重合体(a)(分子量28,900)が得られた。重合体(a)は淡黄色ゴム状固体であった(収量129g、収率97%)。この重合体(a)13gをエタノール87gに加え、撹拌して重合体(a)のエタノール分散液(13重量%)を得た。
【0074】
【化14】
【0075】
(合成例2)
(ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーンの合成)
硫酸ジエチル3.55g(0.0230モル)と2−エチル−2−オキサゾリン27.4g(0.276モル)を脱水した酢酸エチル60gに溶解し、窒素雰囲気下4時間加熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)の末端反応性ポリマー(分子量1,200)を合成した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子量110,000,アミン当量20,800)400g(アミノ基にして0.0192モル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、8時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、ポリジメチルシロキサンにN−プロピオニルエチレンイミン鎖の付いたグラフト共重合体(b)(分子量115,000)が得られた。重合体(b)は淡黄色ゴム状固体であった(収量427g,収率99%)。この重合体(b)13gをエタノール87gに加え、撹拌して重合体(b)のエタノール分散液(13重量%)を得た。
【0076】
(合成例3)
(ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)変性シリコーンの合成)
硫酸ジエチル3.77g(0.0244モル)と2−エチル−2−オキサゾリン48.4g(0.488モル)を脱水したクロロホルム107gに溶解し、窒素雰囲気下5時間加熱還流し、ポリ(N−プロピオニルエチレンイミン)の末端反応性ポリマー(分子量2,000)を合成した。ここに、側鎖1級アミノプロピル変性ポリジメチルシロキサン(分子量110,000,アミン当量9,840)400g(アミノ基にして0.0407モル)の50%酢酸エチル溶液を一括して加え、13時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、ポリジメチルシロキサンにN−プロピオニルエチレンイミン鎖の付いたグラフト共重合体(c)(分子量137,000)が得られた。重合体(c)は淡黄色ゴム状固体(収量444g,収率98%)であった。この重合体(c)13gをエタノール87gに加え、撹拌して重合体(c)のエタノール分散液(13重量%)を得た。
【0077】
(合成例4)
合成例1で合成した重合体(a)16.7gをエタノール83.3gに加え、撹拌して重合体(a)のエタノール分散液(16.7重量%)を得た。
【0078】
(合成例5)
合成例1で合成した重合体(a)4.8gをエタノール95.2gに加え、撹拌して重合体(a)のエタノール分散液(4.8重量%)を得た。
【0079】
(合成例6)
合成例1で合成した重合体(a)10gをエタノール90gに加え、撹拌して重合体(a)のエタノール分散液(10重量%)を得た。
【0080】
(合成例7)
合成例2で合成した重合体(b)20gをエタノール80gに加え、撹拌して重合体(b)のエタノール分散液(20重量%)を得た。
【0081】
(合成例8)
合成例2で合成した重合体(b)11.1gをエタノール88.9gに加え、撹拌して重合体(b)のエタノール分散液(11.1重量%)を得た。
【0082】
(合成例9)
合成例3で合成した重合体(c)15gをエタノール85gに加え、撹拌して重合体(c)のエタノール分散液(15重量%)を得た。
【0083】
(合成例10)
合成例3で合成した重合体(c)25gをエタノール75gに加え、撹拌して重合体(c)のエタノール分散液(25重量%)を得た。
【0084】
(実施例1〜4、比較例1〜3)
表1に示す組成の油中水型乳化組成物(皮膚化粧料)を下記方法により製造し、乳化保存安定性、のびの良さ及びさっぱり感について評価を行った。結果を表1に併せて示す。
【0085】
(製造法)
成分(1)〜(4)を混合する。別に成分(5)〜(9)をヘンシェルミキサーで混合し、これを予め混合しておいた(1)〜(4)の混合物に加え撹拌機で分散混合する。合成例(1)〜(5)の変性シリコーンのエタノール分散液(成分(10)〜(14))を調製し、これを予め混合しておいた(1)〜(9)の混合物に加え、撹拌機で分散混合する。別に、(15)〜(19)を撹拌機で混合し、これを予め混合しておいた(1)〜(14)の混合物に30分かけてゆっくと撹拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで撹拌して乳化する。乳化物を常温まで冷却し、脱泡してボトルに充填し、液状ファンデーションを調製した。
【0086】
(評価方法)
(1)乳化保存安定性
各乳化物を100ml入りポリエチレン容器に約70g充填し、5℃、室温(20〜25℃)、40℃に3ヶ月保存後、各乳化物の安定性を、以下の基準に従って外観から判断した。
○: 変化なし
△: 表面にムラが発生
×: 分離
(2)のびの良さ
専門パネラー15名により各油中水型乳化化粧料を顔に塗布し、以下の基準に従って評価し、その平均点により判定した。
【0087】
悪い: スコア1
やや悪い:スコア2
普通: スコア3
やや良い:スコア4
良い: スコア5
(判定基準)
平均スコア4.5以上5.0まで: ◎
平均スコア3.5以上4.5未満: ○
平均スコア2.5以上3.5未満: △
平均スコア1.5以上2.5未満: ×
平均スコア1.0以上1.5未満: ××
(3)さっぱり感
前記(2)のびの良さと同様の方法で以下の基準に従って評価し、その平均点により判定した。
【0088】
悪い: スコア1
やや悪い:スコア2
普通: スコア3
やや良い:スコア4
良い: スコア5
(判定基準)
前記(2)のびの良さと同様の基準である。
【0089】
【表1】
【0090】
*1:パーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩で5%被覆したもの表1より、本発明の油中水型乳化化粧料(実施例1〜4)は、各温度における保存安定性に優れ、使用感においてものびが良く、さっぱり感に優れたものであった。一方、比較例1〜3は、実施例1〜4に劣るものであった。
【0091】
(実施例4:クリーム乳化化粧料)
【0092】
【表2】
【0093】
上記成分(1)〜(6)を混合する。別に、合成例(6)の変性シリコーンのエタノール分散液(成分(7))を調製し、これを予め混合しておいた(1)〜(6)の混合物に加え、撹拌機で分散混合する。別に、成分(8)〜(11)を撹拌機で混合し、これを予め混合しておいた(1)〜(7)の混合物に30分かけてゆっくりと撹拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで撹拌して乳化する。これを脱泡してポリエチレン製容器に充填し、クリーム状乳化化粧料を調製した。このクリーム状乳化化粧料のFmax/Favは1.22であった。
【0094】
(実施例6:クリーム状ファンデーション)
【0095】
【表3】
【0096】
成分(1)〜(7)を80℃に加熱混合する。別に成分(8)〜(11)をヘンシェルミキサーで混合し、これを予め混合しておいた(1)〜(7)の混合物に加え撹拌機で分散混合する。合成例(7)の変性シリコーンのエタノール分散液(成分(12))を調製し、これを予め混合しておいた(1)〜(11)の混合物に加え、撹拌機で分散混合する。この(1)〜(12)の混合物に、40℃に加熱した(13)〜(17)の混合物を30分かけてゆっくりと撹拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで撹拌して乳化する。乳化物をゆっくりと撹拌しながら常温まで冷却し、脱泡してボトルに充填し、クリーム状ファンデーションを調製した。このクリーム状ファンデーションのFmax/Favは1.48であった。
【0097】
(実施例7:サンスクリーン乳液)
【0098】
【表4】
【0099】
成分(1)〜(10)を70℃にて加熱混合する。合成例(8)の変性シリコーンのエタノール分散液(成分(11))を調製し、これを予め混合しておいた(1)〜(10)の混合物に加え、撹拌機で分散混合する。この(1)〜(11)の混合物に、別に成分(12)〜(15)を予め40℃にて加熱混合しておいたものを30分かけてゆっくりと撹拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで撹拌して乳化する。乳化物をゆっくりと撹拌しながら常温まで冷却し、脱泡してボトルに充填し、サンスクリーン乳液を調製した。このサンスクリーン乳液の比Fmax/Favは1.33であった。
【0100】
(実施例8:液状ファンデーション)
【0101】
【表5】
【0102】
成分(1)〜(6)を70℃に加熱混合する。別に成分(7)〜(11)をヘンシェルミキサーで混合し、これを予め混合しておいた(1)〜(6)に加え撹拌機で分散混合する。合成例(9)の変性シリコーンのエタノール分散液(成分(12))を調製し、これを予め混合しておいた(1)〜(11)の混合物に加え、撹拌機で分散混合する。この(1)〜(12)の混合物に、別に成分(13)〜(17)を予め40℃にて加熱混合しておいたものを30分かけてゆっくと撹拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで撹拌して乳化する。乳化物をゆっくりと撹拌しながら常温まで冷却し、脱泡してボトルに充填し、液状ファンデーションを調製した。この液状ファンデーションの比Fmax/Favは1.28であった。
【0103】
(実施例9:ハンドクリーム)
【0104】
【表6】
【0105】
成分(1)〜(6)を70℃に加熱混合する。合成例10の変性シリコーンのエタノール分散液(成分(7))を調製し、これを予め混合しておいた(1)〜(6)の混合物に加え、撹拌機で分散混合する。この(1)〜(7)の混合物に、(8)〜(12)の混合物を30分かけてゆっくりと撹拌しながら添加し、更に10分間ホモミキサーで撹拌して乳化する。このものを脱泡してポリエチレン製容器に充填し、ハンドクリームを調製した。このハンドクリームの比Fmax/Favは1.44であった。
【0106】
実施例5〜9の油中水型乳化化粧料は保存安定性に優れ、使用感においてはのびが良く、さっぱり感に優れ、べたつきのないものであった。
【0107】
【発明の効果】
本発明の油中水型乳化組成物化粧料は、静置時には、ある程度保型性を有し、化粧料中で水性分散相が軽く固定されるので、安定した乳化状態が得られると共に、塗布時には軽い力でくずれて流動性が高くなるので、のびの良い良好な使用感が得られる。
【0108】
また、本発明の油中水型乳化組成物化粧料は、油剤であるシリコーン油と清涼感を与えるアルコールを組み合わせて用いても乳化安定性が損なわれないので、シリコーン油によるなめらかな使用感と、アルコールによるさっぱりとした使用感も得られる。
【0109】
さらに、本発明の油中水型乳化組成物化粧料は、シリコーン油とフッ素系油剤を組み合わせて用いる場合でも乳化安定性が損なわれない。
【0110】
従って、本発明の油中水型乳化組成物化粧料は、非常に良好な使用感と安定した乳化状態を両立させることができる。
Claims (4)
- 下記成分(A)、(B)及び(C):
(A)シリコーン油を含有する油性組成物;
(B)下記(i)〜(iii)よりなる群から選ばれる高分子化合物を10〜50重量%の割合で含有するアルコール分散液;
(C)水を含む水性分散相;
を、該成分(B)が化粧料全体の8重量%以上となる割合で混合することにより得られる油中水型乳化化粧料であって、下記測定法1によって測定した時に、ずり速度0〜3s-1の剪断応力の最大値Fmaxとずり速度20〜100s-1までの剪断応力の平均値Favの比Fmax/Favが1以上である、油中水型乳化化粧料。
<高分子化合物(i)〜(iii)>
(i)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合してなる共重合体
(ii)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(2)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−プロピレンカルボベタイン)が結合してなる共重合体
(iii)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、下記式(3)で示される基が結合してなる共重合体
<測定法1>
プレート上に被験サンプルを載せ、25mm、0.1radコーンプレートで上から押さえて、はみ出した分を取り除いた後、下記条件で測定する。
Test Type : Thixotropic Loop
Temparature : 25℃
Final shear Rate : 100 s-1
Zone Time : 150 s
Direction : Clockwise
Delay Before Test : 900 s - 更にオキシ酸及び/又はその塩を0.01〜5重量%含有する請求項1記載の油中水型乳化化粧料。
- (A)シリコーン油を含有する油性組成物、(B)下記(i)〜( iii )よりなる群から選ばれる1種又は2種以上の高分子化合物を10〜50重量%の割合で溶解又は分散してなるアルコール分散液、及び、(C)少なくとも水を含有する水性組成物を各々、別個に調製する工程と;
上記成分(A)と上記成分(B)を混合する工程と;
上記成分(A)と成分(B)の混合物にさらに上記成分(C)を混合して乳化させる工程とを少なくとも備える、油中水型乳化化粧料の製造方法。
<高分子化合物(i)〜( iii )>
(i)オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(1)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−アシルアルキレンイミン)が結合してなる共重合体
( ii )オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、ヘテロ原子を含むアルキレン基を介して下記式(2)で表される繰り返し単位からなるポリ(N−プロピレンカルボベタイン)が結合してなる共重合体
( iii )オルガノポリシロキサンセグメントの末端又は側鎖のケイ素原子の少なくとも1個に、下記式(3)で示される基が結合してなる共重合体
- 前記(C)成分に、更にオキシ酸及び/又はその塩を油中水型乳化化粧料全体の0.01〜5重量%含有する請求項3記載の油中水型乳化化粧料の製造方法。
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