JP4004372B2 - 部分多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、部分多層プリント配線板の製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、基板の厚みあるいは層構成が部分的に異なる多層プリント配線板を製造するのに利用され、例えば、複数の多層基板どうしがFPC(Flexible Printed Circuit)ケーブルなどにより接続されてなる、いわゆるフレックスリジッド(あるいはリジッドフレックス)プリント配線板のうち、接続される多層基板の厚みや仕様が互いに異なる場合に特に有用である、部分多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、表面に導電層を有し所定位置にスルーホールが穿設されたプリント基板において、特にエッチングレジストや導電材料などをスルーホール内に充填する場合の、そのスルーホール穴埋め方法として、マスキングテープで基板の位置決め孔および端面を被覆する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、プリント基板を製造する工程においてプリント基板の表面処理を行うための表面研磨装置として、搬送装置を介して搬送されるプリント基板の表面を研磨処理するための研磨部のブラシ保持部に複数の研磨液噴出孔を配設するとともに複数のブラシ束を配設し、かつ各ブラシ束を鋼状研磨布で被覆して研磨部材を装備することにより構成したものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−93999号公報(第3〜6頁、第1図)
【特許文献2】
特開平2−77192号公報(第2〜4頁、第1〜6図)
【0004】
これら2つの特許文献に記載された技術はいずれも、プリント基板に関するものであるが、部分多層プリント配線板に関するものではない。
【0005】
部分多層プリント配線板の製造方法としては、従来、図11〜図13に示すようなものが知られている。
【0006】
すなわち、図11および図12に示すように、左右2つの多層基板(多層部)101・102を1つのFPCケーブル部103で接続して得られたリジッドフレックス配線板用加工物において、2つの多層基板101・102は、その基板厚みに差があり、この事例の場合、右側の多層基板102が左側の多層基板101よりも厚みの薄い構成となっている。この加工物における左側の多層基板101には2つの貫通状バイアホール104・104が、右側の多層基板102には1つの貫通状バイアホール105が、それぞれ穴明け加工によって設けられている。
【0007】
その後、これらのバイアホール104・104・105内を、熱硬化性エポキシインク樹脂などによるいわゆる穴埋め印刷で樹脂充填し、樹脂を硬化させる。その場合、2つの多層基板101・102の厚みが異なるため、厚みの薄い右側の多層基板102の下面(印刷下面)にはみ出して硬化した穴埋め用インク樹脂を物理研磨などで除去することが困難となっている。
【0008】
すなわち、印刷下面にはみ出した不要のインク樹脂は本来、硬化後に物理研磨などで除去するのであるが、2つの多層基板101・102に厚み段差があるため、バフ研磨機などの表面研磨機では、厚みの厚い左側の多層基板101の印刷下面にはみ出した穴埋め用インク樹脂は除去することができるものの、厚みの薄い右側の多層基板102の印刷下面にはみ出した穴埋め用インク樹脂を十分除去することができない。このことは、その後における多層プリント配線板の加工工程において歩留りを著しく低下させる要因となっている。
【0009】
このような理由で、印刷下面にはみ出して硬化した不要なインク樹脂を除去するためには、段差のある部分については手作業による研磨で除去するしかなく、生産性がきわめて低下するだけでなく、その仕上り品質においても満足な結果が得られないでいた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、厚みが異なる複数の多層基板があるプリント配線板における厚みのより薄い多層基板の印刷下面からのインク樹脂のはみ出し量を減らすことができるか、あるいは、はみ出したインク樹脂を簡単に除去することができ、それによって生産性を向上させることができる部分多層プリント配線板の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明の1つの観点によれば、厚みが異なる複数の多層基板どうしをそれぞれの上面がほぼ同一高さになるようにケーブル部で接続し、多層基板に貫通状バイアホールをそれぞれ設け、これらのバイアホールに熱硬化性インク樹脂を充填し、部分的に厚みを異にする部分多層プリント配線板を得ることからなる部分多層プリント配線板の製造方法であって、バイアホールに熱硬化性インク樹脂を充填するに際してあらかじめ、多層基板のうち少なくとも厚みがより薄い多層基板の下面に、バイアホールの開口を下方から塞ぐことで樹脂のはみ出しを防止するためのマスキングテープを貼ることを特徴とする部分多層プリント配線板の製造方法が提供される。
【0012】
このような部分多層プリント配線板の製造方法にあっては、バイアホールを熱硬化性インク樹脂により樹脂充填する前に、多層基板のうち少なくとも厚みがより薄い多層基板の下面にマスキングテープを貼ることで、樹脂充填後の樹脂のはみ出しを防止することができる。
【0013】
多層基板のうち厚みがより厚い多層基板の下面にマスキングテープを貼ることは、任意である。厚みがより厚い多層基板の下面にマスキングテープを貼らないときにその下面にはみ出した樹脂は、その後の物理研磨により簡単に除去することができるからである。
【0014】
なお、複数の多層基板どうしを接続するケーブル部は、必ずしも可撓性が備わっている必要はない。
【0015】
マスキングテープには、バイアホール内に充填される熱硬化性インク樹脂の少なくとも空気を抜くための空気抜き穴をあらかじめ設けるのがいっそう好ましい。
【0016】
このような空気抜き穴を設けると、熱硬化性インク樹脂をバイアホール内に充填していく際にバイアホール内に残るおそれのある空気が空気抜き穴からスムーズに排出されることになり、熱硬化性インク樹脂をバイアホール内に隙間なく充填することができる。
【0017】
この発明の別の観点によれば、厚みが異なる複数の多層基板どうしをそれぞれの上面がほぼ同一高さになるようにケーブル部で接続し、多層基板に貫通状バイアホールをそれぞれ設け、これらのバイアホールに熱硬化性インク樹脂を充填し、部分的に厚みを異にする部分多層プリント配線板を得ることからなる部分多層プリント配線板の製造方法であって、バイアホールの開口から多層基板の下面にはみ出した樹脂を硬化前にスキージングによって拭い取ることを特徴とする部分多層プリント配線板の製造方法が提供される。
【0018】
このような部分多層プリント配線板の製造方法にあっては、樹脂が硬化する前に、多層基板のうち少なくとも厚みがより薄い多層基板の下面にはみ出した樹脂をスキージングによって拭い取ることで、はみ出した未硬化の樹脂を容易に除去することができる。
【0019】
なお、複数の多層基板どうしを接続するケーブル部は、必ずしも可撓性が備わっている必要はない。
【0020】
このスキージングは、ゴム製または金属製のスキージによって行なわれるのがいっそう好ましい。
【0021】
比較的安価なこれらゴム製または金属製のスキージによって、簡単かつ確実にはみ出した樹脂の除去を行なうことができるからである。
【0022】
この発明のさらに別の観点によれば、厚みが異なる複数の多層基板どうしをそれぞれの上面がほぼ同一高さになるように可撓性ケーブル部で接続し、多層基板に貫通状バイアホールをそれぞれ設け、これらのバイアホールに熱硬化性インク樹脂を充填し、部分的に厚みを異にする部分多層プリント配線板を得ることからなる部分多層プリント配線板の製造方法であって、バイアホールの開口から多層基板の下面にはみ出した樹脂を物理研磨により除去するに際してあらかじめ、専用の治具を多層基板のうち厚みがより薄い多層基板の上面に押し当ててケーブル部を下方へ撓ませることでその多層基板を下方へ移動させてその下面を厚みがより厚い多層基板の下面とほぼ同一高さに保持することを特徴とする部分多層プリント配線板の製造方法が提供される。
【0023】
このような部分多層プリント配線板の製造方法にあっては、物理研磨を行なうに際して、専用の治具および可撓性ケーブル部を利用して厚みがより薄い多層基板を下方へ移動させてその下面を厚みがより厚い多層基板の下面とほぼ同一高さに保持することによって、より薄い多層基板とより厚い多層基板との厚み差を解消した物理研磨を行なうことが可能になるので、多層基板の下面にはみ出した樹脂を容易にかつきれいに除去することができる。
【0024】
治具は、物理研磨時に水平方向へずれるのを防止するためのずれ防止部を備えているのがいっそう好ましい。
【0025】
このずれ防止部としては例えば、治具本体の周囲に設けられて部分多層プリント配線板の加工物が内側に密に嵌まり込む額縁状のものがある。
【0026】
このようなずれ防止部によって、治具は、部分多層プリント配線板の加工物と一体化されることになり、物理研磨時に水平方向へずれるのが有効に防止される。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す4つの実施の形態に基づいてこの発明を詳述する。なお、これらによってこの発明が限定されるものではない。
【0028】
実施の形態1
図1に示すように、厚みの異なる1枚の多層基板(多層部)1と1枚の多層基板(多層部)2とをケーブル部としてのFPCケーブル3で接続して得られたリジッドフレックス配線板用加工物において、2枚の多層基板1・2は、その基板厚みに差があり、この事例の場合、右側の多層基板2が左側の多層基板1よりも厚みの薄い構成となっている。
【0029】
この加工物における左側の多層基板1には2つの貫通状バイアホール4・4が、右側の多層基板2には1つの貫通状バイアホール5が、穴明け加工によって設けられている。これらのバイアホール4・4・5は、その後に、熱硬化性エポキシインク樹脂によるいわゆる穴埋め印刷で樹脂充填(インク樹脂印刷)される。
【0030】
厚みの薄い方の多層基板2の下面には、樹脂充填する前にあらかじめマスキングテープ6が貼り付けられて、バイアホール5の下端開口が塞がれている。
【0031】
次に、図2に示すように、バイアホール5の直下に相当する箇所のマスキングテープ6に、インク樹脂の充填時の空気を抜くための空気抜き穴7が同心状に形成される。空気抜き穴7を形成する方法は、一般的なNCドリルマシンで行なうことができる。実験的には、バイアホール5の直径φ0.30mmに対して、空気抜き穴7の直径をφ0.15mmに設定することで、期待される良好な結果が得られた。
【0032】
空気抜き穴7は、その最大径がバイアホール5の直径と同一寸法まで可能であるが、バイアホール5の穴明け加工・銅メッキ、マスキングテープ6の貼り付け、空気抜き穴7の形成などの加工工程を経るため、その位置合せ精度を考慮すると、今回の実験で行ったのと同様に、バイアホール5の直径よりも0.15mm程度小さくするのが適当であると考えられる。
【0033】
マスキングテープ6に空気抜き穴7を形成した後に、穴埋め用熱硬化性エポキシインク樹脂を印刷する。すると、図2に示すように、インク樹脂は、厚みの薄い方の多層基板2におけるバイアホール5内に充填していく際にバイアホール5内に残るおそれのある空気が空気抜き穴7からスムーズに排出されることになり、バイアホール5内に隙間なく充填することができるとともに、一部が空気抜き穴7からマスキングテープ6の下面にはみ出す。
【0034】
なお、図2には示されていないが、穴埋め用熱硬化性エポキシインク樹脂の印刷によって、厚みの厚い方の多層基板1におけるバイアホール4・4内にもインク樹脂が充填され、また、インク樹脂の一部がこれらのバイアホール4・4の下端開口からその多層基板1の下面にはみ出している。
【0035】
次に、図3に示すように、はみ出した不要なインク樹脂8は、その硬化前にマスキングテープ6を多層基板2の下面から剥がし取る際にいっしょに取り除かれる。
【0036】
その後、インク樹脂を硬化させて仕上げる。すなわち、以上の方法によってインク樹脂のはみ出しは最小限に抑制することができるが、インク樹脂の硬化後には物理研磨で仕上げることが望ましい。しかし、この際の物理研磨は比較的軽微な研磨であっても、はみ出して硬化したインク樹脂を除去することが可能である。
【0037】
実施の形態2
図4に示すように、厚みの厚い多層基板(図示略)と厚みの薄い多層基板2とをFPCケーブル3で接続して得られたリジッドフレックス配線板用加工物において、厚みの厚い方の多層基板には2つの貫通状バイアホール(図示略)が、厚みの薄い方の多層基板2には1つの貫通状バイアホール5が、穴明け加工によって設けられている。
【0038】
これらのバイアホールは、熱硬化性エポキシインク樹脂によるいわゆる穴埋め印刷で樹脂充填(インク樹脂印刷)される。
【0039】
その後、穴埋め用インク樹脂が硬化する前にシリコンラバーゴム(硬度70度程度)製または金属製のスキージ9を使って、多層基板2におけるバイアホール5の下端開口からはみ出した余分なインク樹脂8をスキージングで拭い取る。
【0040】
このスキージング作業は余分なインク樹脂8が未硬化の時点で実施するので、容易に余分なインク樹脂8を拭い取ることが可能である。
【0041】
この場合も、実施の形態1の場合と同様に、インク樹脂の硬化後には物理研磨で仕上げることが望ましい。しかし、この際の物理研磨は比較的軽微な研磨であっても、はみ出して硬化したインク樹脂を除去することが可能である。
【0042】
実施の形態3
図6に示すように、厚みの厚い2枚の多層基板1・1と厚みの薄い1枚の多層基板2とをFPCケーブル3・3で接続して得られたリジッドフレックス配線板用加工物において、厚みの厚い2枚の多層基板1・1にはそれぞれ、2つの貫通状バイアホール4・4および1つの貫通状バイアホール4が、厚みの薄い多層基板2には1つの貫通状バイアホール5が、穴明け加工によって設けられている。
【0043】
この加工物は、導通を得るための銅メッキなどの処理を行った後、バイアホール4・4・5内が、熱硬化性エポキシインク樹脂によるいわゆる穴埋め印刷で樹脂充填(インク樹脂印刷)される。
【0044】
図7に示すように、この加工物には、穴埋め用インク樹脂の硬化後に多層基板1・1・2の下面にはみ出した不要なインク樹脂8・8・8を物理研磨で効率よく除去するための専用(物理研磨用)の治具10が用いられる。
【0045】
この治具10は、板状のものであり、部分的に厚みが変えられている。すなわち、図8に示すように、治具10が所定状態で用いられたときに、可撓性のあるケーブル3・3が下方へ撓み、厚みの薄い多層基板2が下方へ移動してその下面が厚みの厚い多層基板1・1の下面と同一高さになるように、すなわち、厚みの厚い多層基板1・1の上面部分に治具10の厚みが薄い箇所10aの下面がちょうど接触するとともに、厚みの薄い多層基板2の上面部分に治具10の厚みが厚い箇所10bの下面がちょうど接触するように、段差加工が行われている。
【0046】
治具10の段差(厚みが厚い箇所10bと厚みが薄い箇所10aとの厚み差)は、多層基板1・1・2の厚み差(厚みの厚い多層基板1・1と厚みの薄い多層基板2との厚み差)とほぼ同等に、もしくは、前者が後者よりも少し大きくなるように設定しておくのが好ましい。実験的には、治具10の厚み段差の方が、多層基板1・1・2の厚み差に比較して0.1〜0.2mm程度、大きい場合に、もっとも良好な結果が得られた。
【0047】
治具10を用いて3枚の多層基板1・1・2の下面を同一高さになるようにした後に、バフ研磨やサンドペーパー研磨(ベルトサンダー研磨)などの物理研磨により、多層基板1・1・2の下面にはみ出した不要なインク樹脂8・8・8を物理的に研磨除去する。
【0048】
図8には、模式的に示すバフ研磨用バフ11により、多層基板1・1・2の下面にはみ出した不要なインク樹脂8・8・8を物理的に研磨する前の状態が示され、図9には、インク樹脂8・8・8がバフ研磨により除去された状態が示されている。
【0049】
この治具10によれば、厚みの薄い多層基板2を下方へ移動させてその下面が厚みの厚い多層基板1・1の下面と同一高さに保持することで、厚みが薄い多層基板2と厚みが厚い多層基板1・1との厚み差を解消した物理研磨を行なうことが可能になるので、多層基板1・1・2の下面にはみ出したインク樹脂8・8・8を容易にかつきれいに除去することができる。
【0050】
なお、この実施の形態3では、多層基板1・1と多層基板2との間をFPCケーブル3で接続した事例を示したが、厚みが0.8mm以下程度の比較的薄い多層基板にあっては、FPCケーブル3が存在しない構成においても、多層基板自体が、治具10の段差で撓み、良好な研磨仕上がりを実現することができた。
【0051】
実施の形態4
図10に示すように、物理研磨用治具12は、物理研磨時に水平方向へずれるのを防止するためのずれ防止部12cを備えている。
【0052】
このずれ防止部12cは、厚みが薄い箇所10aと厚みが厚い箇所10bとからなる治具本体の周囲に設けられて部分多層プリント配線板の加工物(厚みの厚い2枚の多層基板1・1と厚みの薄い1枚の多層基板2とをFPCケーブル3・3で接続して得られたもの)が内側に密に嵌まり込む額縁状(長方形枠状)のものである。
【0053】
このようなずれ防止部12cによって、治具12は、部分多層プリント配線板の加工物と一体化されることになり、物理研磨時に多層基板1・1・2の下面に強い力が加わることで治具12が水平(X−Y方向)方向へずれるのが有効に防止される
【0054】
【発明の効果】
この発明の請求項1に係る部分多層プリント配線板の製造方法によれば、バイアホールを熱硬化性インク樹脂により樹脂充填する前に、多層基板のうち少なくとも厚みがより薄い多層基板の下面に、樹脂のはみ出しを防止するためのマスキングテープを貼ることで、樹脂充填後の樹脂のはみ出しを防止することができる。
【0055】
この発明の請求項2に係る部分多層プリント配線板の製造方法によれば、マスキングテープに、バイアホール内に充填される熱硬化性インク樹脂の少なくとも空気を抜くための空気抜き穴をあらかじめ設けているので、熱硬化性インク樹脂をバイアホール内に充填していく際にバイアホール内に残るおそれのある空気が空気抜き穴からスムーズに排出されることになり、熱硬化性インク樹脂をバイアホール内に隙間なく充填することができる。
【0056】
この発明の請求項3に係る部分多層プリント配線板の製造方法によれば、樹脂が硬化する前に、多層基板のうち少なくとも厚みがより薄い多層基板の下面にはみ出した樹脂をスキージングによって拭い取ることで、はみ出した未硬化の樹脂を容易に除去することができる。
【0057】
この発明の請求項4に係る部分多層プリント配線板の製造方法によれば、比較的安価なゴム製または金属製のスキージによってスキージングが行なわれるので、簡単かつ確実にはみ出した樹脂の除去を行なうことができる。
【0058】
この発明の請求項5に係る部分多層プリント配線板の製造方法によれば、物理研磨を行なうに際して、専用の治具および可撓性ケーブル部を利用して厚みがより薄い多層基板を下方へ移動させてその下面を厚みがより厚い多層基板の下面とほぼ同一高さに保持することによって、より薄い多層基板とより厚い多層基板との厚み差を解消した物理研磨を行なうことが可能になるので、多層基板の下面にはみ出した樹脂を容易にかつきれいに除去することができる。
【0059】
この発明の請求項6に係る部分多層プリント配線板の製造方法によれば、治具が、物理研磨時に水平方向へずれるのを防止するためのずれ防止部を備えているので、このようなずれ防止部によって、治具は、部分多層プリント配線板の加工物と一体化されることになり、物理研磨時に水平方向へずれるのが有効に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の1つの実施の形態に係る部分多層プリント配線板における一製造段階を示す正面図である。
【図2】図2は、図1の部分多層プリント配線板における次の製造段階を示す一部拡大正面図である。
【図3】図3は、図2の部分多層プリント配線板における次の製造段階を示す一部拡大正面図である。
【図4】図4は、この発明の別の1つの実施の形態に係る部分多層プリント配線板における一製造段階を示す一部拡大正面図である。
【図5】図5は、図4の部分多層プリント配線板における次の製造段階を示す一部拡大正面図である。
【図6】図6は、この発明のさらに別の1つの実施の形態に係る部分多層プリント配線板における一製造段階を示す正面図である。
【図7】図7は、図6の部分多層プリント配線板における次の製造段階を示す正面図である。
【図8】図8は、図7の部分多層プリント配線板における次の製造段階を示す正面図である。
【図9】図9は、図8の部分多層プリント配線板における次の製造段階を示す正面図である。
【図10】図10は、この発明のさらに異なる1つの実施の形態に係る部分多層プリント配線板における一製造段階を示す正面図である。
【図11】図11は、従来の部分多層プリント配線板における一製造段階を示す斜視図である。
【図12】図12は、図11の部分多層プリント配線板における次の製造段階を示す正面図である。
【図13】図13は、図12の部分多層プリント配線板における次の製造段階を示す一部拡大正面図である。
【符号の説明】
1 多層基板
2 多層基板
3 FPCケーブル
4 バイアホール
5 バイアホール
6 マスキングテープ
7 空気抜き穴
8 不要なインク樹脂
9 スキージ
10 物理研磨用治具
11 研磨用バフ
12 物理研磨用治具
Claims (2)
- 厚みが異なる複数の多層基板どうしをそれぞれの上面がほぼ同一高さになるように可撓性ケーブル部で接続し、多層基板に貫通状バイアホールをそれぞれ設け、これらのバイアホールに熱硬化性インク樹脂を充填し、部分的に厚みを異にする部分多層プリント配線板を得ることからなる部分多層プリント配線板の製造方法であって、
バイアホールの開口から多層基板の下面にはみ出した樹脂を物理研磨により除去するに際してあらかじめ、専用の治具を多層基板のうち厚みがより薄い多層基板の上面に押し当ててケーブル部を下方へ撓ませることでその多層基板を下方へ移動させてその下面を厚みがより厚い多層基板の下面とほぼ同一高さに保持することを特徴とする部分多層プリント配線板の製造方法。 - 治具が、物理研磨時に水平方向へずれるのを防止するためのずれ防止部を備えていることを特徴とする請求項1記載の部分多層プリント配線板の製造方法。
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