JP4004337B2 - リモートコントローラおよびリモートコントローラの制御方法ならびにリモートコントローラの制御プログラムと記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、リモートコントローラおよびリモートコントローラの制御方法ならびにリモートコントローラの制御プログラムと記憶媒体に関し、特に、入力された文字情報に基づいて、複数の機器の中から指定された少なくとも1つの機器を制御するための文字処理装置を備えるリモートコントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータや家電製品等の機器のリモートコントローラにおいて、入力処理に文字入力装置が用いられている。文字入力装置は、入力された文字を認識し、この結果に基づいて入力処理を行わせるものであり、操作キー等を有する操作部を簡略化することができる。
【0003】
一方、かな漢字変換用の辞書を用いて文字入力が行われるワープロ等の情報処理装置においては、入力を行う際のかな漢字変換のヒット率を高める技術が開発されている。すなわち、ワープロ等の情報処理装置に用いられているかな漢字変換用辞書は、機器毎に使われる単語や重要とみなされる単語が異なるにもかかわらず、同じ辞書を用いて変換を行っているので、文字入力の効率が悪いという問題があった。
【0004】
例えば、特開平5−54021号公報には、図12のブロック図に示すように、制御部21および表示手段24を有し、さらに項目名取得部23がカーソルの存在する項目の識別子を検出すると、辞書存在チェック部22が、この識別子と辞書との対応関係を示した対応辞書テーブルに基づいて、前記装置の有する複数の辞書の中から該識別子を有する項目に最適な辞書を指定し、次いで、辞書切替部26は、その指定に従って、辞書を切り換え、切り換えられた辞書を用いて変換部25が、かな漢字変換を行う情報処理装置が記載されている。この装置では、文字入力時に、かな漢字変換の候補が絞り込まれるため、特定項目へ文字入力を行う際のかな漢字変換の精度が向上する。
【0005】
特開平7-160708号公報には、対象が、目上の人、友人、部下等によってそれぞれ、相手の情報を元に利用者が特定して辞書を選択する「敬語表現敬意評価装置および敬語表現敬意変更装置」が開示されている。
また、特開平10-254870号公報には、所望する辞書が、サーバーを経由して各クライアントに配られるという共有辞書管理方法および共有辞書管理システムが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した文字入力装置をリモコンに組み込み、家電製品等の機器の1つの制御を行うような場合、前記した特開平5−54021号公報の装置を文字入力装置に適応すれば、制御対象の前記機器に対する文字入力を行う際のかな漢字変換の効率が向上する。
しかし、上記した複数の機器を制御対象とするリモコンを構成する場合、複数の機器の中から制御の対象となる機器を判別し、判別された機器毎に、適切な辞書に切り換えて漢字変換を行おうとすれば、多種類のかな漢字変換用の辞書が必要になる。また、機器ごとに制御対象が異なるので、変換結果が不適切なものになることが考えられる。
【0007】
特開平7-160708号公報に開示された装置では、通信先の対象が何であるのかを特定できないため、通信先の相手を各利用者が特定して辞書を選ぶことが困難であった。
特開平10-254870号公報に開示された装置では、所望する辞書がサーバーを経由しないと得られないので、通信量が増大するという問題があった。
【0008】
この発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、複数の機器の中から処理対象となる機器を指定し、指定された機器毎に、適切な辞書に切り換えて効率的にかな漢字変換を行うことができる文字処理装置を備えたリモートコントローラを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明によれば、複数の異なる制御対象機器をリモートコントロールするリモートコントローラにおいて、前記リモートコントローラは、文字情報が入力される入力部と、前記複数の異なる制御対象機器に対応して選択的に使用される複数の異なる辞書を有する辞書部と、複数の異なる制御対象機器の中から少なくとも1つの機器を指定する機器指定部と、指定された機器に基づいて辞書部から辞書を選択する辞書選択部と、辞書選択部で選択された辞書を用いて、入力部に入力された文字情報を漢字変換する変換部と、変換部で漢字変換された文字情報を制御信号として前記指定された機器に送信する文字情報送信部とを備える機器制御用のリモートコントローラが提供される。
【0010】
この発明における複数の機器とは、特に限定されないが、テレビ、エアコン、電子レンジ等の家電製品が例示される。
この発明における辞書としては、入力された「かな」を文字情報としてこれを漢字に変換する(以下、漢字変換と称する)ためのかな漢字変換用辞書が例示される。
この発明における入力された文字情報とは、キーボード等の手入力部あるいは音声入力部から入力されたかな文字情報を意味する。
この発明では、漢字変換された文字情報を表示する表示部を備える。
表示部は、液晶表示装置やLED(有機発光ディスプレー)装置等の視覚表示を行うものあるいはこれらに音声表示を伴うものが挙げられる。
【0011】
辞書部は、外部から編集可能なユーザー辞書を含むように構成すれば、利用者は、使い易い辞書を任意に作成することができる。
辞書選択部は、辞書部から1つまたは複数の辞書を、外部から選択させる機構をさらに備えるので、利用者は、所望する辞書を選択することができる。
【0012】
辞書部は、一般辞書をさらに有し、辞書選択部は、前記の指定された機器に適応する辞書が辞書部に存在するか否かを確認し、適応する辞書が辞書部に存在しないと判断したとき、一般辞書を選択するので、様々な機器に対応した漢字変換が可能になる。
この発明における一般辞書とは、特定の用途や分野に限定されない、機器一般に使用可能な辞書を意味する。
【0013】
辞書部は、一般辞書をさらに有し、辞書選択部は、一般辞書と指定された機器に基づく前記辞書とを辞書部から選択するので、様々な種類の機器に対応した適切な漢字変換が可能になる。
変換部は、指定された機器に基づく前記辞書を一般辞書より優先的に用いて、入力された文字情報を漢字変換するので、効率の高い漢字変換が可能になる。
辞書部は、機器と辞書における漢字変換の際の変換尤度情報とを対応付けた対応尤度情報テーブルを有し、変換部は、対応尤度情報テーブルに基づいて、指定された機器について入力された文字情報を、変換尤度の高い候補に優先的に漢字変換するので、迅速な変換が可能になる。
このような文字処理装置の用途の形態としては、自宅のパソコンから通信相手の特性、例えば、身分や使用する方言に応じた漢字変換用辞書の使い分けを行う場合、各事業所において、周囲の制御機器に対して漢字変換用辞書の使い分けを行う場合等が挙げられる。
【0014】
この発明の別の観点によれば、制御対象となる複数の異なる機器の中の少なくとの1つの機器を、入力された文字情報に基づいて制御するリモートコントローラの制御方法であって、複数の異なる制御対象機器の中から少なくとも1つの機器を指定し、複数の異なる制御対象機器に対応して選択的に使用される複数の異なる辞書から、指定された機器に基 づいて辞書を選択し、選択された辞書を用いて、入力された文字情報を漢字変換し、漢字変換された文字情報を制御信号として前記指定された機器に送信するリモートコントローラの制御方法が提供される。
この発明における入力部としては、キーボード等の手入力部あるいは音声を入力してこれを文字に変換して表示する音声入力部が挙げられる。
この発明における機器指定部は、利用者のキー入力によって制御対象機器の指定がおこなわれるもの、あるいは、制御対象機器からの識別信号を受信し、受信された識別信号に基づいて制御対象機器の指定がおこなわれるものが挙げられる。
この発明における文字情報送信部は、制御信号を赤外線または光通信で、あるいは有線により制御対象機器の受信部に送信する手段が挙げられる。
この発明の文字処理装置が適用されるリモートコントローラとしては、使用される家電製品を家庭内で制御する赤外線または光通信リモコン、パソコン等の端末、携帯電話などの通話ができる端末等が挙げられる。
【0015】
この発明のさらに別の観点によれば、制御対象となる複数の異なる機器の中の少なくとの1つの機器を、入力された文字情報に基づいて制御するリモートコントローラをコンピュータによって制御するプログラムであって、コンピュータに複数の異なる制御対象機器の中から少なくとも1つの機器を指定するステップと、複数の異なる制御対象機器に対応して選択的に使用される複数の異なる辞書から、指定された機器に基づいて辞書を選択するステップと、選択された辞書を用いて、入力された文字情報を漢字変換するステップと、漢字変換された文字情報を制御信号として前記指定された機器に送信するステップを実行させるリモートコントローラの制御プログラムが提供される。
【0016】
この発明のさらに別の観点によれば、上記プログラムを記憶した記憶媒体が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図11に基づいてこの発明の実施の形態を説明するが、これらによってこの発明は限定されるものではない。
【0018】
〔実施例1〕
実施例1にかかるこの発明のリモートコントローラを図1〜図4に基づいて以下に説明する。図1は、この発明の実施例におけるリモートコントローラの具体的な構成を示す。
【0019】
図1に示すように、この実施例のリモートコントローラが備える文字処理装置10は、ROM,RAM,カウンター、タイマー等を有するCPUからなる制御部2を備える。
制御部2は、入力キー等を有する文字入力部19と、文字入力部19に入力された文字情報等を表示する表示部15と、文字入力部19に入力された文字情報を漢字に変換する少なくとも1つのかな漢字変換(以下、漢字変換と称する)用辞書18を有する辞書部17と、文字入力部19に入力された文字情報に基づいて操作される複数の機器と辞書とを対応付けて記憶する対応辞書テーブル11と、前記複数の機器の中から文字入力の対象とする機器を指定する対象機器指定部14と、対象機器指定部14により指定された対象機器の情報を機器情報記憶部11から取得する機器情報取得部12と、 機器情報取得部12により取得された情報に適応する漢字変換用辞書18を辞書部17から選択する辞書選択部13と、選択された漢字変換用辞書18を用いて文字入力部19に入力された文字情報の漢字変換を行う変換部16とに接続されている。
【0020】
表示部15は、液晶表示装置またはLED(有機発光ディスプレー)装置等からなり、入力文字及び変換結果などを表示する。
変換部16は、入力文字を辞書部17を用いて適切な漢字を含む文字列に変換する。
【0021】
文字処理装置10は、さらに、通信部3を具備することにより、機器制御用のリモートコントローラ(以下、リモコンと称する)を構成することができる。
【0022】
通信部3は、制御対象機器が有する文字情報受信部に対して文字情報を送信する文字情報送信部を配設した構成からなる。具体的には、赤外線・光通信や無線通信等の双方向通信機能を有するリモコンの通信部3を、漢字変換を行う対象の機器に向け、対象機器指定部14で、対象機器を指定する。
文字入力部19に入力された文字情報(漢字変換前または漢字変換後の文字情報)を赤外線等の信号に変換して送信する構成が挙げられる。
【0023】
図2は、図1の文字処理装置10の文字編集機能を説明するフローチャートである。なお、ここでの文字編集機能とは、リモコンを用いて機器に対して文字情報からなる文字列を送るための文字編集処理を行うものである。
【0024】
図2に示すように、文字編集機能が駆動されると(S301)、まず、S302において、文字入力画面の初期化や通信処理の準備等の初期化処理を行う。次いで、S303において、入力済みの文書や現在入力中の文書を表示部15で画面表示する。
S304では、対象機器指定処理に移る。この対象機器指定処理では、リモコンの通信部3を漢字変換を行う対象の機器に向け、対象機器指定部14で、対象機器を指定する。
【0025】
S305では、機器情報取得部83が、指定された前記対象機器の情報を受け取る機器情報取得処理を行う。次いで、S306では、前記機器情報と辞書との対応関係を示した対応辞書テーブル11(後記する図3)に基づいて、装置10の有する複数の辞書の中からこの対象機器に最適な辞書を辞書部17の中の辞書18からチェックする。
【0026】
図3は、機器と辞書との対応関係を示した対応辞書テーブルの一例である。対応辞書テーブルは、図3に示すように、対象機器から受け取った機器情報が「1」の場合、対象機器は「テレビ」であり、機器情報が「2」の場合、対象機器は「エアコン」であり、機器情報が「5」の場合は、対象機器が「電子レンジ」である。
【0027】
次いで、S307では、最適な辞書が存在したときに、制御部1で前記辞書を漢字変換用辞書として選択する処理を実行する。
したがって、S307では、図3に示すように、最適な辞書として「電子レンジ用辞書」を選択する処理が実行される。なお、最適な辞書が存在しない場合には、漢字変換用に選択される辞書は、機器一般を対象としてかな漢字変換に用いられる一般辞書が選択される。
S308では、選択された辞書を用いてかな漢字変換のための準備が行われると、利用者は、漢字変換のための文字を入力することができる(文字入力処理)。入力される文字は、漢字変換のための仮名文字であったり、漢字仮名交じり変換のための漢字と仮名が交じった文字列であったりする。
【0028】
次いで、S309において、変換部16が漢字変換処理を行うことにより、S307の辞書選択処理で選択された辞書を使って、入力文字をかな漢字変換、あるいは漢字仮名交じりに変換し、次いでS310において、入力された文字及び、前記変換により変換された文字列を表示部15に表示する。
その後、利用者によって必要な場合にS311の編集処理を行い、S312において、編集処理が終了したか否かをチェックする。編集処理が終了した場合はS313に進み、編集処理を終了する。さらに文字入力を続ける場合には、S308の文字入力処理に戻る。
【0029】
図4は、S307の辞書選択処理で選択された辞書を使って対象機器毎の漢字変換の結果の一例を示す。
図4においては、選択された辞書毎に、入力仮名文字が「あたためる」の時に漢字変換された結果を示した。
電子レンジの辞書を選択した場合には「温める」という変換結果となる。
また、エアコンの辞書を選択した場合は「暖める」が変換結果となる。
なお、図4中で「×」の部分は、対象の辞書には無いので、一般辞書での候補を変換結果とするものである。この場合、テレビやオーディオ等は一般辞書の「暖める」が変換結果となる。
【0030】
〔実施例2〕
この発明の実施例2によるリモートコントローラを図5に基づいて以下に説明する。
図5は、この実施例のリモートコントローラのブロック図を示す。
実施例1の文字処理装置10では、辞書17がすべて、あらかじめシステムが準備された辞書であるのに対して、実施例2のリモートコントローラが備える文字処理装置20では、辞書部67が、利用者が作成した少なくとも1つのユーザー辞書68を有し、利用者が作成したユーザー辞書68を用いて漢字変換が行われる。
ユーザー辞書68は、外部から編集可能であり、利用者は、使い易い辞書を任意に作成することができる。なお、上記の辞書部67以外の構成は、実施例1の構成と共通するので、説明を省略する。
【0031】
〔実施例3〕
この発明の実施例3によるリモートコントローラを図6および図7に基づいて以下に説明する。
図6はこの実施例のリモートコントローラのブロック図であり、図7はそのフローチャートである。
【0032】
実施例1の文字処理装置10では、機器と辞書との対応関係を示した対応辞書テーブル11に基づいて漢字変換が行われるのに対して、この実施例3のリモートコントローラが備える文字処理装置30では、図6に示すように、辞書の選択が利用者によって指定される辞書指定部73を有する点で異なる。
このような辞書指定部73は、例えば、通信部が対象機器に向いている時に、対象指定ボタン等を押し下げることによって対象機器を指定できるものである。
上記した辞書指定部73の機能は、図7のフローチャートにおけるS906の辞書指定処理によって実現される。なお、上記のS906以外の処理は、実施例1で説明した図2のフローチャートと共通するので、説明を省略する。
【0033】
〔実施例4〕
この発明の実施例4によるリモートコントローラを図8に基づいて以下に説明する。
図8は、この実施例のリモートコントローラのブロック図である。
【0034】
実施例4のリモートコントローラが備える文字処理装置40では、機器と辞書における漢字変換の際の変換尤度情報とを対応付けた対応尤度情報テーブル138を有する辞書部137を備え、変換部136は、対応尤度情報テーブル138に基づいて、指定された機器について入力された文字情報を、変換尤度の高い候補に優先的に漢字変換する。
【0035】
対応尤度情報テーブル138において、1371は、対象機器の分類が「テレビ」で、1372は、同じく「エアコン」。1373は、同「オーディオ」。1374は、「冷蔵庫」。1375は、「電子レンジ」。1376は、「ビデオ」。1377は、分類が個別の機器に対するものでなく、それ以外の「一般」の機器に対する辞書の分類データである。
例えば、変換の候補が「温める」であれば、分類が「テレビ、エアコン、オーディオ、冷蔵庫、ビデオ」の場合に変換尤度が「0」であり、分類が「電子レンジ」の場合に変換尤度が「10」であり、それ以外の分類では一般辞書が用いられて変換尤度が「5」となっている。
【0036】
変換尤度情報は、例えば、指定された機器が「電子レンジ」1375であり、「あたためる」という単語が文字情報として入力されたとき、この「あたためる」という単語に対する漢字変換の候補には、「暖める」および「温める」が存在する。これら2つの候補の各変換尤度は、「暖める」が「0」であるのに対して「温める」が「10」である。したがって、変換部136は、この対応尤度情報テーブル138に基づいて、指定された機器について入力された文字情報を、変換尤度の高い候補、つまり「温める」に優先的に漢字変換する。
なお、図8において、131から136まで、および138の各部は、前記実施例1と共通するので、説明は省略する。
【0037】
〔実施例5〕
この発明の実施例5によるリモートコントローラを図9および図10に基づいて以下に説明する。
図9はこの実施例のリモートコントローラのブロック図であり、図10はそのフローチャートである。
【0038】
実施例5のリモートコントローラが備える文字処理装置50では、辞書部87は、一般辞書を有し、辞書選択部84は、一般辞書と指定された機器に基づく辞書部87の漢字変換用辞書(以下、特定辞書と称する)とを選択するとともに、変換部86は、選択された特定辞書を一般辞書より優先的に用いて、入力された文字情報を漢字変換する。
【0039】
図10において、S1107では、対象機器以外に対する漢字変換のために、機器毎の分類によらない一般の単語を登録した一般辞書を読みこむための処理が行われる。
すなわち、S1113およびS1107でそれぞれ読み込まれた対象機器用の特定辞書および一般辞書を用いて漢字変換を行い、S1116では、変換された候補が、S1113で選択した辞書から検索した単語であるかどうかをチェックする。
【0040】
S1116において、変換された候補がS1113で選択した辞書の単語、つまり対象機器用の特定辞書の単語である場合は、その単語を優先する処理(S1117)に進む。一方、変換された候補が対象機器用の特定辞書の単語でない場合は、S1110に戻る。S1110以降は、前記の実施例で説明した通りである。
このように、実施例5では、対象機器と関連する辞書にある単語を一般辞書にある単語より優先して変換するので、漢字変換の効率が高まる。
なお、S1101からS1106まで、およびS1108からS1115までは、前記の実施例で説明した各ステップと共通するので説明を省略する。
【0041】
〔他の実施例〕
指定された制御対象機器の情報を取得するための構成例を、実施例1で示した通信部3に関して以下に説明する。
【0042】
例えば、家庭内にリモコン信号を受信する機器が複数ある場合、これらの機器がリモコン信号を受信した後、そのリモコン信号を1EEE−1394シリアルバスのアシンクロナスパケットのフォーマットに変換して1EEE−1394シリアルバス上に伝送する。複数の機器からのレスポンスに対応するリモコン信号は、1EEE−1394シリアルバス上に返送される。
【0043】
図11は、制御対象機器からのレスポンスのフォーマットの一例を示す。
図11において、Souce_unitは、制御対象機器の機種に関するアドレスを表わしている。例えば、制御対象機器が電子レンジの場合、PRE:プリアンブルで、制御対象機器からリモコンへの信号であることの識別コードを入れておく。
Souce_unit: 制御対象機器の機種に関するアドレスを入れておくエリアで、電子レンジの場合は、図3の対応辞書テーブルを適用すれば、「5」が入る。
【0044】
CTSは、command transaction set の略で、4ビットで、対象機器に対するコマンドの取り扱いを規定するものである。CTSに入る数値としてのCTYPEは、次のように割り当てられる。
【0045】
0=CONTROL,1=STATUS,2=INQUIERY,3=NOTIFY,8=NOT_IMPLEMENTRD 9=ACCEPTED,10=REJECTRD,11=INRANSITION,12=IMPLMENTED/STABLE,13=CHANGED
【0046】
この例のように、対象機器が電子レンジの場合、情報取得コマンドの受付が成功したものとして、「9」の「ACCEPTED」が入る
【0047】
Subunit_type及びSubunit_No.には、例えば、ダブルカセットデッキのように1台の機器に同一のサブユニットが複数あるような場合に、これら複数のデッキを区別するために採用されるものである。この実施例の「電子レンジ」の場合は、制御対象が複数存在しないので、無いものとする。
【0048】
また、OPC(オペコード)は、Subunitがある場合の制御コードを表している。OPCは、次のように割り当てられる。ここで、hは、その前の数字が16進数であることを表している。
【0049】
00h乃至0Fh:ユニットとサブユニットのコマンド、
10h乃至3Fh:ユニットのコマンド、
40h乃至7Fh:サブユニットのコマンド、
A0h乃至BFh:ユニットのコマンド、
C0h乃至DFh:サブユニットのコマンド、
【0050】
また、OPRは、演算子で、対象機器に対するコマンドが記載される。
例えば、ビデオやカセットテープに対しては、FORWARDやBACK等のテープ移動のコマンドなどを入れる。この発明例の電子レンジの場合には、特にコマンドなどは何も入れない。
【0051】
以上のようにレスポンスのフォーマットを規定することで、対象機器の情報を取得することが可能となる。
このように構成されたリモコンでは、リモコンの受信部を制御対象の機器に向けることにより、得られた識別信号に基づいて制御対象の機器を正確かつ迅速に制御することができる。
また、リモコンの対象機器からのレスポンスをリモコンに返送し、リモコンの表示画面にレスポンスに対応する文字、図形またはアイコン等を表示させることができる。
【0052】
【発明の効果】
この発明のリモートコントローラでは、利用者は、様々な種類の機器に対応した適切な漢字変換が可能になる。また、使い易い辞書を任意に作成することによって、効率の高い漢字変換が可能になる。
この発明の文字処理装置に、前記機器が有する文字情報受信部に対して文字情報を送信する文字情報送信部を配設してなるリモートコントローラでは、入力された文字情報を、対象機器に適切な辞書を用いて漢字変換を行うことができ、漢字変換の変換精度を向上させ、効率良い文字入力を行うことができる。
この発明の文字処理装置が適用されるリモートコントローラでは、通信先の機器に対して文字入力を行う場合、通信先の機器情報によって辞書を自動的に切り替えることができるので、通信先の機器に適した辞書を用いて漢字変換を行うことができ、正確で迅速な機器の制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明によるリモートコントローラの実施例1の形態を示す機能ブロック図である。
【図2】 図1のリモートコントローラの動作を説明するフローチャートである。
【図3】 図1のリモートコントローラに備えられた文字処理装置が有する対応辞書テーブルの一例を示す図である。
【図4】 図1の文字処理装置における漢字変換結果の一例を示す図である。
【図5】 この発明によるリモートコントローラの実施例2の形態を示す機能ブロック図である。
【図6】 この発明によるリモートコントローラの実施例3の形態を示す機能ブロック図である。
【図7】 図6のリモートコントローラの動作を説明するフローチャートである。
【図8】 この発明によるリモートコントローラの実施例4の形態を示す機能ブロック図である。
【図9】 この発明によるリモートコントローラの実施例5の形態を示す機能ブロック図である。
【図10】 図9のリモートコントローラの動作を説明するフローチャートである。
【図11】 対象機器からリモコンへのレスポンスのフォーマット例を示す図である。
【図12】 従来の文字処理装置の一例を示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
2 制御部
10 文字処理装置
12 機器情報取得部
13 辞書選択部
14 対象機器指定部
15 表示部
16 変換部
17 辞書部
18 漢字変換用辞書
19 文字入力部
Claims (11)
- 複数の異なる制御対象機器をリモートコントロールするリモートコントローラにおいて、前記リモートコントローラは、文字情報が入力される入力部と、前記複数の異なる制御対象機器に対応して選択的に使用される複数の異なる辞書を有する辞書部と、複数の異なる制御対象機器の中から少なくとも1つの機器を指定する機器指定部と、指定された機器に基づいて辞書部から辞書を選択する辞書選択部と、辞書選択部で選択された辞書を用いて、入力部に入力された文字情報を漢字変換する変換部と、変換部で漢字変換された文字情報を制御信号として前記指定された機器に送信する文字情報送信部とを備える機器制御用のリモートコントローラ。
- 前記辞書部は、外部から編集可能なユーザー辞書を含む請求項1に記載のリモートコントローラ。
- 前記辞書選択部は、辞書部から1つまたは複数の辞書を、外部から選択させる機構をさらに備えた請求項1に記載のリモートコントローラ。
- 前記辞書部は、機器と辞書とを対応付けた対応辞書テーブルを有する請求項1に記載のリモートコントローラ。
- 前記辞書部は、一般辞書をさらに有し、前記辞書選択部は、前記指定された機器に適応する辞書が辞書部に存在するか否かを確認し、適応する辞書が辞書部に存在しないと判断したとき、一般辞書を選択する請求項1に記載のリモートコントローラ。
- 前記辞書部は、一般辞書をさらに有し、前記辞書選択部は、一般辞書と指定された機器に基づく前記辞書とを辞書部から選択する請求項1に記載のリモートコントローラ。
- 前記変換部は、指定された機器に基づく辞書を一般辞書より優先的に用いて、入力された文字情報を漢字変換する請求項1に記載のリモートコントローラ。
- 前記辞書部は、機器と辞書における漢字変換の際の変換尤度情報とを対応付けた対応尤度情報テーブルを有し、前記変換部は対応尤度情報テーブルに基づいて、指定された機器について入力された文字情報を、変換尤度の高い候補に優先的に漢字変換する請求項1に記載のリモートコントローラ。
- 制御対象となる複数の異なる機器の中の少なくとの1つの機器を、入力された文字情報に基づいて制御するリモートコントローラの制御方法であって、複数の異なる制御対象機器の中から少なくとも1つの機器を指定し、複数の異なる制御対象機器に対応して選択的に使用される複数の異なる辞書から、指定された機器に基づいて辞書を選択し、選択された辞書を用いて、入力された文字情報を漢字変換し、漢字変換された文字情報を制御信号として前記指定された機器に送信するリモートコントローラの制御方法。
- 制御対象となる複数の異なる機器の中の少なくとの1つの機器を入力された文字情報に基づいて制御するリモートコントローラをコンピュータによって制御するプログラムであって、
コンピュータに
複数の異なる制御対象機器の中から少なくとも1つの機器を指定するステップと、
複数の異なる制御対象機器に対応して選択的に使用される複数の異なる辞書から、指 定された機器に基づいて辞書を選択するステップと、
選択された辞書を用いて、入力された文字情報を漢字変換するステップと、
漢字変換された文字情報を制御信号として前記指定された機器に送信するステップを実行させるリモートコントローラの制御プログラム。 - 請求項10に記載のリモートコントローラの制御プログラムを記憶したコンピュータ読取り可能な記憶媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002170160A JP4004337B2 (ja) | 2002-06-11 | 2002-06-11 | リモートコントローラおよびリモートコントローラの制御方法ならびにリモートコントローラの制御プログラムと記憶媒体 |
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