JP4004249B2 - 小型滑走艇の出力軸構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型滑走艇の出力軸構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般的な小型滑走艇におけるパワーソースは2サイクルエンジンであったが、昨今の低公害化および騒音低減に対応すべく、パワーソースを4サイクルエンジンにした小型滑走艇も提案されている(特許第2880691号)。
4サイクルエンジンにおいては、通常、一体型のクランク軸が使用されるため、その軸受けにはプレーンメタルが使用される。
また、この種の小型滑走艇では、図10に示すように、エンジン1は、そのクランク軸1aが船体2の長手方向に向くように船体2に搭載され、クランク軸1aの後端1bにおいてクランク軸1aの延長上に、推進手段(例えばジェットポンプ)3の軸3aがカップリング4で連結されている。
したがって、エンジン1のクランク軸による動力が推進手段3の軸3aを介して推進手段3に伝わり、これによって船体2が推進される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような小型滑走艇においては、推進手段3からの反力がエンジン1のクランク軸1aに伝わる。
すなわち、クランク軸1aは、推進手段3の軸3aから上記カップリング4を介して、反トルク、スラスト力、曲げ力(クランク軸を撓ませようとする力)、振動を受け、これらの力は複雑に組み合わされてクランク軸1aに作用する。
前述した従来の小型滑走艇のうち、2サイクルエンジンが搭載されているものは、そのエンジンのクランク軸が組立式のクランク軸であるとともに、その軸受けとして耐久性に優れたボールベアリングが使用されていたため、特に問題は生じなかった。
しかしながら、4サイクルエンジンが搭載された小型滑走艇においては、上述したように、そのエンジンのクランク軸が一体型のクランク軸であるとともに、その軸受けとしてプレーンメタルが使用されるため、クランク軸に上記反トルク、スラスト力、曲げ力、振動が複雑に組み合わされて作用し、これによって、高速で回転するクランク軸に捻れ、圧縮、曲げ(撓み)、振動が複合した状態で生じると、プレーメタルの疲労が激しくなり、結果としてエンジンの耐久性が低下してしまうという問題が生じた。
【0004】
この発明の目的は、以上のような問題を解決し、耐久性に優れた小型滑走艇の出力軸構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の小型滑走艇の出力軸構造は、クランク軸が船体の長手方向に向くように船体に搭載されたエンジンと、このエンジンのクランク軸の後端においてクランク軸の延長上にカップリングを介して連結され,前記エンジンのクランク軸と同じ回転速度で回転する、推進手段の軸とを備え、前記クランク軸がエンジンのケースにプレーンメタルを介して支持された構造であって、
前記クランク軸の後端に、クランク軸と別体の出力軸を連結してこの出力軸の後端に前記カップリングを連結し,該カップリングを介して前記推進手段の軸を連結するとともに、前記出力軸を、エンジンのケースに対して、スラスト方向に移動不能な転がりベアリングで支持し,
前記クランク軸の後端と出力軸の前端との連結は,前記クランク軸の後端と、前記出力軸の前端とにスプラインを形成してこれらスプラインに係合するスプラインが内面に形成された連結管を介して連結し,かつ,該連結管に伝達機構の駆動スプロケットまたは駆動ギヤを一体に形成したことを特徴とする。
請求項2記載の小型滑走艇の出力軸構造は、請求項1記載の小型滑走艇の出力軸構造において、前記クランク軸の後端と出力軸の前端との対向面同士の間に、隙間が形成されていることを特徴とする。
【0006】
【作用効果】
請求項1記載の小型滑走艇の出力軸構造は、クランク軸が船体の長手方向に向くように船体に搭載されたエンジンと、このエンジンのクランク軸の後端においてクランク軸の延長上に連結された、推進手段の軸とを備え、前記クランク軸がエンジンのケースにプレーンメタルを介して支持された構造であって、前記クランク軸の後端に、クランク軸と別体の出力軸を連結してこの出力軸の後端に前記推進手段の軸を連結するとともに、前記出力軸を、エンジンのケースに対して、スラスト方向に移動不能な転がりベアリングで支持してあるので、この小型滑走艇の出力軸構造によれば、推進手段の軸からのスラスト力は、主として上記出力軸および転がりベアリングによって受けられて、クランク軸に直接的には作用せず、作用するにしても間接的に(緩和された状態で)作用することとなる。
また、クランク軸の後端に、クランク軸と別体の出力軸を連結してこの出力軸の後端に推進手段の軸を連結してあるので、推進手段の軸からの反トルク、曲げ力、振動も、クランク軸に直接的には作用せず、作用するにしても間接的に(緩和された状態で)作用することとなる。特に、クランク軸に作用する曲げ力は著しく低減される。
したがって、この小型滑走艇の出力軸構造によれば、クランク軸を支持しているプレーメタルの疲労が低減され、結果としてエンジンの耐久性が向上することとなる。
請求項2記載の小型滑走艇の出力軸構造によれば、請求項1記載の小型滑走艇の出力軸構造において、前記クランク軸の後端と、前記出力軸の前端とにスプラインを形成し、これらスプラインに係合するスプラインが内面に形成された連結管を介して前記クランク軸の後端と出力軸の前端とを連結してあるので、クランク軸からの動力が連結管を介して出力軸に確実に伝達される。
上記推進手段の軸からの反トルク、曲げ力、振動は、出力軸から連結管を介してクランク軸に伝わることになるが、これら3者の連結はスプライン嵌合によってなされているので、推進手段の軸からの反力、特に曲げ力と振動は、出力軸から連結管、クランク軸へと伝達される過程で著しく低減される。
したがって、この請求項2記載の小型滑走艇の出力軸構造によれば、クランク軸からの動力が連結管を介して出力軸に確実に伝達されると同時に、エンジンの耐久性も向上するという効果が得られる。
請求項3記載の小型滑走艇の出力軸構造によれば、請求項2記載の小型滑走艇の出力軸構造において、前記クランク軸の後端と出力軸の前端との対向面同士の間に、隙間が形成されているので、上記推進手段の軸からクランク軸に伝わる反トルク、スラスト力、曲げ力、振動、特に、スラスト力、曲げ力、が著しく低減され、結果としてエンジンの耐久性がより一層確実に向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る小型滑走艇の出力軸構の一実施の形態を用いた小型滑走艇の一例を示す概略側面図、図2は同じく平面図、図3は図1におけるIII−III部分拡大断面図(部分省略断面図)である。
【0008】
これらの図(主として図1)に示すように、この小型滑走艇10は、鞍乗り型小型船舶であり、船体11上のシート12に乗員が座り、スロットルレバー付きの操舵ハンドル13を握って操行可能である。
船体11は、ハル14とデッキ15とを接合して内部に空間16を形成した浮体構造となっている。空間16内において、ハル14上には、エンジン20が、そのクランク軸21(図6参照)が船11体の長手方向に向くように搭載され、このエンジン20で駆動される推進手段としてのジェットポンプ(ジェット推進ポンプ)30がハル14後部に設けられている。
船体11には、船体内(空間16)に吸気を供給する吸気ダクト18が設けられている。
【0009】
ジェットポンプ30は、船底に開口した取水口17から船体後端に開口した噴流口31およびノズル32に至る流路33と、この流路33内に配置されたインペラ34とを有しており、インペラ34のシャフト35がエンジン20の後述する出力軸22にカップリング80を介して連結されている。したがって、エンジン20によりインペラ34が回転駆動されると、取水口17から取り入れられた水が噴流口31からノズル32を経て噴出され、これによって船体11が推進される。エンジン20の駆動回転数、すなわちジェットポンプ30による推進力は、前記操作ハンドル13のスロットルレバー13a(図2参照)の回動操作によって操作される。ノズル32は、図示しない操作ワイヤーで操作ハンドル13と連係されていて、ハンドル13の操作で回動操作され、これによって進路を変更することができる。
なお、40は燃料タンク、41は収容室である。
【0010】
図4は主としてエンジン20を示す図で、図1におけるIV−IV部分拡大断面図(部分省略断面図)である。図5はエンジン20を斜め後方から見た概略斜視図、図6は側断面図、図7は図6の部分拡大図である。
このエンジン20はDOHC型で直列4気筒の4サイクルエンジンであり、図1および図4から明らかなように、そのクランク軸21が船体11の前後方向に沿うように配置されている。
図4に示すように、船体11の進行方向に向かってエンジン20の左側に吸気口(吸気ポート)20aが配置され、右側に排気口(排気ポート)20bが配置されている。
【0011】
吸気口20aには、スロットルボディ42とサージタンク(インテークチャンバ)43とが連結され、このサージタンク43に対し、その直下において、インタークーラ50が接続配置されている。52,53はインタークーラ50のエンジン20への取付ブラケットである。
インタークーラ50は、図4,図5に示すように、エンジン20のすぐ後方に配置された過給器(ターボチャージャ)70のコンプレッサ部71に配管72で接続されて連通する吸気入り口51iと、前記サージタンク43の吸気入り口43aにチューブ51cで接続された出口51oとを有するケース51と、このケース51内に収容された熱交換ユニットである冷却ユニット60とを備えている。
図5において、91,92はインタークーラー50に接続された冷却水ホースである。
【0012】
一方、図4に示すようにエンジン20の排気口20bには、排気マニホルド44が設けられており、この排気マニホルド44における排気出口44o(図5参照)が、ターボチャージャ70のタービン部73に接続されている。
なお、タービン部73にてタービンを回転させた排気は、図1、図2に示すように、排気管74,転覆時の水の逆流(ターボチャージャ70等への水の侵入)を防止するための逆流防止室75,ウォーターマフラー76,および排気・排水管77を経てジェットポンプ30による水流内へと排出される。
【0013】
図6および図7に示すように、エンジン20のクランク軸21は、エンジン20の下ケース20cと上ケース20dとで形成された軸受け部20eにプレーンメタル26を介して回転可能に支持されている。
クランク軸21の後端(21a)はエンジンケース(20c、20d)内に配置されており、この後端(21a)に、クランク軸21と別体の出力軸22が連結されていて、この出力軸22の後端に、前述した推進手段であるジェットポンプ30の軸であるシャフト35がカップリング80を介して連結されている。
出力軸22は、エンジンのケース(20c、20d)に対して、スラスト方向(図6,図7において左右方向)に移動不能な2つの転がりベアリング(ボールベアリング)27a,27bで回転可能に支持されている。なお、28はエンジン20内への水の侵入を防止するためのシール部材、29a、29b、29cはボールベアリングとエンジンケースとの間に介装させたスラスト受け部材である。
【0014】
図8はクランク軸21、連結管23、およびボールベアリング27a、27bを示す拡大図である。図9は出力軸22を示す図で、(a)は後方から見た図、(b)は図(a)におけるb−b断面図である。
【0015】
図7〜図9に示すように、クランク軸21の後端と、出力軸22の前端とにスプライン21a、22aが形成されており、これらスプライン21a、22aに係合するスプライン23aが内面に形成された連結管23を介してクランク軸21の後端と出力軸22の前端とが連結されている。
また、出力軸22の後端にもスプライン22bが形成されており、このスプライン22bと出力側カップリング81(図7参照)のボス部内面に形成されたスプライン81aとを係合させることによって、出力軸22の後端に出力側カップリング81が連結されている。
【0016】
クランク軸21に対する出力軸22、連結管23、およびベアリング27a、27bの取付は、先ず、図8に示すように、クランク軸21の後端に連結管23およびベアリング27a、27bを装着し、次いで、図7に示すように、連結管23の後部に出力軸22を挿入し、出力軸22におけるボルト挿入穴22c(図9参照)および連結管23にボルトBを挿入し、その先端部に形成された雄ねじ部B1を、クランク軸21の後端に形成されたネジ穴21b(図8参照)に螺合させることによって行われる。なお、出力軸22には、ボルトBの雄ねじ部B1と螺合するネジ部は形成されていない(図9参照)。出力軸22にはボルトBは挿入されるだけである。
その後、エンジン20の下ケース20cと上ケース20dとを図示しないボルトで締め付けることによって、クランク軸21,出力軸22,連結管23,およびベアリング27a、27bが、図6,図7に示したように、エンジン20に組み付けられる。
【0017】
このように組み付けられた状態では、連結管23が、その軸線方向においてクランク軸21の後部における段部21dと、出力軸22のフランジ部22dとで軽く(連結管23がその軸線方向においてクランク軸21の後部における段部21dと出力軸22のフランジ部22dとの間でがたつくことなく位置決めされる程度に軽く)挟圧された状態になる。また、ベアリング27a、27bは、連結管23のフランジ部23dと、出力軸22のフランジ部22dとで軽く(ベアリング27a、27bが連結管23のフランジ部23dと出力軸22のフランジ部22dとの間でがたつくことなく位置決めされる程度に軽く)挟圧された状態になる。そして、クランク軸21の後端と出力軸22の前端との対向面21e、22e同士の間には、隙間C(図8参照)が形成される。
したがって、ジェットポンプ30のシャフト35からのスラスト力F(図7参照)は、カップリング80および出力軸22のフランジ部22dを介し、主としてベアリング27a、27bによって(したがってエンジンケースによって)受けられて、クランク軸21には直接的には作用せず、作用するにしても上記連結管23を介して間接的に(緩和された状態で)少しだけ作用することとなる。
【0018】
図6,図7に示すように、エンジン20の後部、すなわちクランク軸21の後部には、クランク軸21の動力をエンジン20のカムシャフト20fに伝達する伝達機構(後述する)を収容する伝達室20gが設けられており、この伝達室20g内において、前記クランク軸21の後端(21a)と出力軸22の前端(22a)とが連結されている。
クランク軸21の動力をエンジン20のカムシャフト20fに伝達する伝達機構は、前記連結管23に一体に形成された駆動スプロケット23s(図8参照)と、前記カムシャフト20fに設けられてカムシャフト20fとともに回転する従動スプロケット20sと、これら駆動スプロケット23sと従動スプロケット20sとに張架された無端チェーン(伝動チェーン)20hとで構成されている。なお、伝達機構はギヤ列によって構成することもでき、その場合には、連結管23には、駆動スプロケット23sに代えて駆動ギヤを一体的に設ける。
【0019】
以上のような小型滑走艇の出力軸構造によれば次のような作用効果が得られる。
(a)クランク軸21が船体11の長手方向に向くように船体11に搭載されたエンジン20と、このエンジン20のクランク軸21の後端においてクランク軸21の延長上に連結された、推進手段30の軸35とを備え、クランク軸21がエンジン20のケース(20c、20d)にプレーンメタル26を介して支持された構造であって、クランク軸21の後端に、クランク軸21と別体の出力軸22を連結してこの出力軸22の後端に推進手段30の軸35を連結するとともに、出力軸22を、エンジン20のケース(20c、20d)に対して、スラスト方向に移動不能な転がりベアリング27a、27bで支持してあるので、推進手段30の軸35からのスラスト力Fは、主として上記出力軸22および転がりベアリング27a、27bによって受けられて、クランク軸21に直接的には作用せず、作用するにしても間接的に(緩和された状態で)作用することとなる。
また、クランク軸21の後端に、クランク軸21と別体の出力軸22を連結してこの出力軸22の後端に推進手段30の軸35を連結してあるので、推進手段30の軸35からの反トルク、曲げ力、振動も、クランク軸21に直接的には作用せず、作用するにしても間接的に(緩和された状態で)作用することとなる。特に、クランク軸21に作用する曲げ力は著しく低減される。
したがって、この小型滑走艇の出力軸構造によれば、クランク軸21を支持しているプレーメタル26の疲労が低減され、結果としてエンジン20の耐久性が向上することとなる。
(b)クランク軸21の後端と、出力軸22の前端とにスプライン21a、22aを形成し、これらスプライン21a、22aに係合するスプライン23aが内面に形成された連結管23を介してクランク軸21の後端と出力軸22の前端とを連結してあるので、クランク軸21からの動力が連結管23を介して出力軸22に確実に伝達される。
上記推進手段30の軸35からの反トルク、曲げ力、振動は、出力軸35から連結管23を介してクランク軸21に伝わることになるが、これら3者の連結はスプライン嵌合によってなされているので、推進手段30の軸35からの力、特に曲げ力と振動は、出力軸22から連結管23、クランク軸21へと伝達される過程で著しく低減される。
したがって、この小型滑走艇の出力軸構造によれば、クランク軸21からの動力が連結管23を介して出力軸22に確実に伝達されると同時に、エンジン20の耐久性も向上するという効果が得られる。
(c)クランク軸21の後端と出力軸22の前端との対向面21e、22e同士の間に、隙間Cが形成されているので、推進手段30の軸35からクランク軸21に伝わる反トルク、スラスト力、曲げ力、振動、特に、スラスト力、曲げ力、が著しく低減され、結果としてエンジン20の耐久性がより一層確実に向上する。
【0020】
(d)クランク軸35の後端をエンジンケース(20c、20d)内に配置するとともに、クランク軸21の後端に、クランク軸21と別体の出力軸22を連結してこの出力軸22の後端に推進手段30の軸35を連結した構造となっているので、クランク軸21の後端をエンジンケース(20c、20d)内に配置していることにより、その分クランク軸21を短くすることができる。
したがって、クランク軸21に上記反トルク、スラスト力、曲げ力、振動が複雑に組み合わされて作用しても、クランク軸21が短い分、クランク軸21に曲げ(撓み)が生じ難くなる。
結果として、高速で回転するクランク軸21およびその軸受け部26等に疲労が生じ難くなり、エンジン20の耐久性が一層向上する。
(e)エンジン20が4サイクルOHCエンジンであり、そのクランク軸21の後部において、その動力をエンジン20のカムシャフト20fに伝達する伝達機構が設けられた伝達室20gを設け、この伝達室20g内において、クランク軸21の後端と出力軸22の前端とを連結した構造となっているので、伝達室20g内の空間を有効に利用して、クランク軸21の後端と出力軸22の前端とを連結することができる。
(f)連結管23に伝達機構の駆動スプロケット23s(または駆動ギヤ)が一体に形成されているので、伝達機構の駆動スプロケット23s(または駆動ギヤ)をクランク軸21に設ける場合に比べて容易に設けることができる。
【0021】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【0022】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小型滑走艇の出力軸構の一実施の形態を用いた小型滑走艇の一例を示す概略側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】図1におけるIII−III部分拡大断面図(部分省略断面図)。
【図4】主としてエンジン20を示す図で、図1におけるIV−IV部分拡大断面図(部分省略断面図)。
【図5】エンジン20を斜め後方から見た概略斜視図。
【図6】エンジン20の側断面図。
【図7】図6の部分拡大図。
【図8】クランク軸21、連結管23、およびボールベアリング27a、27bを示す拡大図。
【図9】出力軸22を示す図で、(a)は後方から見た図、(b)は図(a)におけるb−b断面図。
【図10】(a)(b)は従来技術の説明図。
【符号の説明】
10 小型滑走艇
11 船体
20 エンジン
20c、20d エンジンのケース
21 クランク軸
21a スプライン
21e クランク軸の後端面
22 出力軸
22e 出力軸の前端面
23 連結管
23a スプライン
26 プレーンメタル
27a、27b 転がりベアリング(ボールベアリング)
30 ジェットポンプ(推進手段)
35 シャフト(軸)
C 隙間
Claims (2)
- クランク軸が船体の長手方向に向くように船体に搭載されたエンジンと、このエンジンのクランク軸の後端においてクランク軸の延長上にカップリングを介して連結され,前記エンジンのクランク軸と同じ回転速度で回転する、推進手段の軸とを備え、前記クランク軸がエンジンのケースにプレーンメタルを介して支持された構造であって、
前記クランク軸の後端に、クランク軸と別体の出力軸を連結してこの出力軸の後端に前記カップリングを連結し,該カップリングを介して前記推進手段の軸を連結するとともに、前記出力軸を、エンジンのケースに対して、スラスト方向に移動不能な転がりベアリングで支持し,
前記クランク軸の後端と出力軸の前端との連結は,前記クランク軸の後端と、前記出力軸の前端とにスプラインを形成してこれらスプラインに係合するスプラインが内面に形成された連結管を介して連結し,かつ,該連結管に伝達機構の駆動スプロケットまたは駆動ギヤを一体に形成したことを特徴とする小型滑走艇の出力軸構造。 - 前記クランク軸の後端と出力軸の前端との対向面同士の間に、隙間が形成されていることを特徴とする請求項1記載の小型滑走艇の出力軸構造。
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