JP4004044B2 - 警報器、監視制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、住戸に設置された他の警報器と連動信号線により相互に接続され、火災、ガス漏れ又はCOを検知した際には警報器自身で警報すると共に他の警報器に連動信号を送出して警報させる警報器、監視制御方法及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、住戸に設置されて火災を監視して警報する警報器として、住戸内の各部屋などに設置された複数の火災警報器を相互に接続して連動させる図11のような連動型システムが知られている。
【0003】
図11の連動型システムにおいて、火災警報器100は火災を検出して警報する機能を備えており、商用AC100Vによる電源供給を受けて動作する。また火災警報器100は連動信号線104により相互に接続され、火災を検知すると警報器自身で警報を出すと同時に、連動信号線104により相互接続されている他の警報器に連動信号を送出し、他の警報器に別の場所で、火災が起きたことを警報させている。更に連動信号はガス遮断弁を備えた他設備102にも出力され、火災が起きた際にガス遮断弁を閉鎖させることも可能であった。
【0004】
このような連動型システムで火災警報器100を連動信号線104により接続するための連動用インタフェース回路は既に規格化されたものが市販されている。図12は連動用インタフェース回路であり、バイアス回路105、判定回路106、出力回路107、ダイオードD11,D12、連動信号線端子B+,B−を備える。
【0005】
火災検知されると、火災信号が出力回路107に入力して動作させ、連動信号線に例えば10mA以下の連動信号電流を流すように電流を引き込む。このため他の火災警報器のインタフェース回路に設けている判定回路106が連動信号電流を検出して出力し、他の火災警報器で火災が検知されたことを警報させる。
【0006】
一方、住戸に設置される警報器として、火災に加えガス漏れ等を監視して警報する警報器も知られているが、このガス漏れ等警報器については、住戸内の各部屋などに設置された複数の警報器を相互に接続して連動させるものはなかった。そこで、連動システムとして図13のようなシステムが考えられる。
【0007】
即ち、図13は、住戸内の各部屋などに設置された火災やガス漏れを監視して警報する複数の警報器に後述する火災警報器100を相互に接続して連動させる連動型システムである。
【0008】
図13の連動型システムにおいて、警報器110は火災、CO及びガス漏れの各検出警報機能を備えており、商用AC100Vによる電源供給を受けて動作する。また警報器110以外に火災の検出警報機能のみを備えた火災警報器100が複数設置される場合もある。
【0009】
警報器110は火災を検知すると、警報器自身で警報を出すと同時に、連動信号線111により相互接続されている他の火災警報器100に火災連動信号を送出し、他の火災警報器に別の場所で、火災が起きたことを警報させている。
【0010】
しかしながら、警報器110には連動信号の受信機能がなく、火災信号は送出できるが、連動信号の受信はできず、現状では、複数の火災警報器100だけが連動動作を行うだけである。
【0011】
また警報器110はCO又はガス漏れが起きた際にガス遮断弁を閉鎖させるための有電圧出力部を有し、ガス漏れ・CO信号線112に接続される。
【0012】
ここで複数の警報器110を相互に接続する信号線として、火災連動信号線111とガス漏れ・CO信号線112を別々の2線信号線として設けていることになる。
【0013】
このように別々の連動信号線を必要とする理由は、火災検知とCO及びガス漏れ検知の信号出力形式が相違していることによる。通常、火災検知による外部への信号出力は、信号線間を低インピーダンスに短絡し、継続的に火災信号を出力する。これに対し、CO及びガス漏れ検知による外部への信号出力は、通常時は6ボルト、ガス漏れ検出で12ボルト、CO検出で18ボルトという有電圧信号を出力する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の複数の火災とガス漏れ検知機能を併せ持つ警報器を連動システムとして使用しようとすると、火災連動信号線とガス漏れ等連動信号線を別途に用意する必要があり、施工上、機器構成上の問題となる。
【0015】
そこで、図12のように仕様が規格化され市販している連動用インタフェース回路を、図13の火災とガス漏れ等検知機能をもつ警報器110及び火災警報器100に設け、共通の連動信号線で接続することが考えられる。
【0016】
図12の連動用インタフェース回路を用いて図13の連動型システムで連動信号線を1回線とするためには、CO信号やガス漏れ信号を火災信号と誤認されないように連動型を構成する必要がある。
【0017】
ここで図12のインタフェース回路を用いた警報器は最大10台まで接続可能である。このため、極端な例であるが、火災警報器100が1台で、残りの9台を火災及びガス漏れ等の警報器110とした場合、9台全ての警報器がCO信号又はガス漏れ信号を発報した場合でも、火災警報器100は火災信号と認識しない必要がある。
【0018】
図12の連動用インタフェース回路は、連動信号線間に、例えば200mA以上の電流を供給可能な方法で連動信号電流を流すことができる。即ち、1台当たりが流す連動信号電流を例えば10mAとすると、10台全てが動作した場合には、
10mA×10台=100mA
となり、十分に余裕がある。
【0019】
また従来の火災警報器100は、例えば100msec程度の短時間、連動信号線間を短絡しても連動受信警報を出力しないようにしてある。これは連動信号線へのノイズ等の影響で火災警報器100が誤動作しないようにするためで、例えば連動信号電流が500msec以上継続しないと火災連動動作を行なわないように構成しているのが一般的である。
【0020】
そこで火災連動信号電流とガス漏れ等連動信号電流を同じ連動信号線に流して区別させるためには、例えばガス漏れ発報の際にガス漏れ等連動信号電流として、100msecのパルス電流を例えば1秒周期で流すことが考えられる。
【0021】
しかし、9台の警報器110が任意の時間に全てガス漏れ発報したと仮定すると、最悪条件では、100msec×9=900msec(0.9秒)間、パルス電流が連続することを想定しなければならない。これでは火災警報器100が例えば500msec継続したときに火災連動信号を受信したと判別して誤って火災連動動作をしてしまう。
【0022】
このように、図12の連動用インタフェース回路は元々火災連動を対象としているため、同じ連動信号線にガス漏れやCO警報の所定のパルス幅と周期を持つガス漏れ等の連動信号を送出した場合、状況によっては、火災連動信号と誤認識し、連動警報が正確にできない可能性が残る。
【0023】
本発明は、ガス漏れ等連動信号を火災連動信号と同じ連動信号線に送出しても、火災連動信号と誤認されずに正しく判別できる警報器、監視制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。本発明は、住戸に設置されると共に同じ住戸に設置された他の警報器と信号線により相互に接続され、商用交流電源の供給を受けて動作し、火災、ガス漏れ又は不完全燃焼を検知した際には警報器自身で警報すると共に他の警報器に連動信号を送出して警報させる警報器を対象とする。
【0025】
このような警報器につき本発明にあっては、商用交流電源のゼロクロス検出信号の分周カウントに基づき、位相が異なり、所定パルス幅を持ち、所定周期で繰り返すガス漏れ又はCO種別に応じた複数のタイミング信号を生成するタイミング生成部と、ガス漏れ等検出時に種別に応じたタイミング信号をガス漏れ等連動信号として他の警報器との接続信号線に送出する連動信号出力部と、他の警報器からいずれかの連動信号を受信した際にタイミング生成部におけるタイミング信号生成処理をリセットし、自己のタイミング信号を連動信号を送出した他の警報器のタイミング信号に同期させるリセット処理部と、リセット処理部による同期後に、タイミング信号に同期して受信されたガス漏れ等連動信号の種別を判別して他の警報器によるガス漏れ等検知を警報させる連動信号受信判別部とを備えたことを特徴とする。
【0026】
このため本発明の警報器は、複数の警報器を同じ連動信号線に相互に接続して連動動作を行う連動システムを構築した場合、ガス漏れ連動信号を火災連動信号と誤認することがなく、火災またはガス漏れに伴う連動信号を正しく受信判別して警報できる。
【0027】
また火災連動信号とガス漏れ連動信号という異なる2種類の連動信号が同じ信号線に送出できるため、複数の警報器を相互に接続する信号線が1回線で済み、連動型システムが簡単且つ低コストで実現できる。
【0028】
ここでタイミング生成部は、商用交流電源の入力を全波整流した信号からゼロクロスを検出してゼロクロス検出信号を生成する。これは半波整流によるゼロクロス検出では、警報器のコンセントを逆に差込んだ時の交流信号位相の逆転によるタイミングずれを、全波整流とすることで解消している。
【0029】
タイミング生成部は、CO検知とガス漏れ検知に対応して、同一パルス幅で同一周期で且つ位相が異なる2種類のタイミング信号を生成する。これにより種類の異なる少なくとも2つのガス漏れ等信号につき個別に連動動作を行わせることできる。
【0030】
連動信号出力部は、火災検出時は前記連動信号線に継続して火災連動信号を送出し、この場合、連動信号受信判別部は、連動信号線から連動信号を所定時間継続して受信した際に火災連動を判別して他の警報器で火災が検知されたことを警報する。
【0031】
本発明は、住戸に設置されると共に同じ住戸に設置された他の警報器と信号線により相互に接続され、商用交流電源の供給を受けて動作し、火災又はガス漏れ等を検知した際には警報器自身で警報すると共に他の警報器に連動信号を送出して警報させる警報器の監視制御方法を提供する。
【0032】
この警報器の監視制御方法は、
商用交流電源のゼロクロス検出信号の分周カウントに基づき、位相が異なり、所定パルス幅を持ち、所定周期で繰り返すガス漏れ種別に応じた複数のタイミング信号を生成するタイミング生成ステップと、
ガス漏れ等検出時に種別に応じた前記タイミング信号をガス漏れ連動信号として他の警報器との接続信号線に送出する連動信号出力ステップと、
他の警報器からいずれかの連動信号を受信した際に、前記タイミング生成ステップにおけるタイミング信号生成処理をリセットし、自己のタイミング信号を前記連動信号を送出した他の警報器のタイミング信号に同期させるリセット処理ステップと、
リセット処理による同期後に、タイミング信号に同期して受信されたガス漏れ連動信号の種別を判別して他の警報器によるガス漏れ検知を警報させる連動信号受信判別ステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0033】
また本発明は、警報器のコンピュータで実行されるプログラムを提供する。このプログラムは、住戸に設置されると共に同じ住戸に設置された他の警報器と信号線により相互に接続され、商用交流電源の供給を受けて動作し、火災又はガス漏れ等を検知した際には警報器自身で警報すると共に他の警報器に連動信号を送出して警報させる警報器のコンピュータに、
商用交流電源のゼロクロス検出信号の分周カウントに基づき、位相が異なり、所定パルス幅を持ち、所定周期で繰り返すガス漏れ等種別に応じた複数のタイミング信号を生成するタイミング生成ステップと、
ガス漏れ等検出時に種別に応じた前記タイミング信号をガス漏れ等連動信号として他の警報器との接続信号線に送出する連動信号出力ステップと、
他の警報器からいずれかの連動信号を受信した際に、前記タイミング生成ステップにおけるタイミング信号生成処理をリセットし、自己のタイミング信号を連動信号を送出した他の警報器のタイミング信号に同期させるリセット処理ステップと、
リセット処理による同期後に、タイミング信号に同期して受信されたガス漏れ連動信号の種別を判別して他の警報器によるガス漏れ検知を警報させる連動信号受信判別ステップと、
を実行させることを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の警報器を複数用いた連動型システムの説明図である。
【0035】
図1において、本発明が監視対象とする住戸内には例えば部屋ごとに分けて本発明の警報器1a,1b,1cが設置されており、警報器1a〜1cは火災、CO及びガス漏れをそれぞれ検知して警報する機能を備える。
【0036】
また本発明の警報器1a〜1c以外に、別の部屋には図11に示したと同じ火災を検知して警報する従来の火災警報器100が設置されている。
【0037】
本発明の警報器1a〜1cは電源プラグ2を部屋の商用AC100Vのコンセントに差し込むことで電源供給を受けて動作する。この点は火災警報器100についても電源プラグ2をコンセントに差すことで商用AC100Vを受けて動作する。
【0038】
警報器1a〜1c及び火災警報器100は、連動信号線3より相互に接続されている。また連動信号線3には他設備102として例えばガス遮断弁などが接続されている。
【0039】
本発明の警報器1a〜1cのそれぞれは火災、CO又はガス漏れ検出した際に警報器自身で警報を出すとともに、それぞれの検出信号種別に応じた連動信号を連動信号線3に出力し、他の警報器に火災、CO、ガス漏れが検知されたことの警報動作を行わせる。
【0040】
本発明にあっては火災、CO、ガス漏れという3種類の連動信号に対し、2線の連動信号線3の1回線で相互に接続している。ここで警報器1a〜1cが出力される火災連動信号は、連動信号線3の2線間を低インピーダンスに短絡して継続的に信号電流を流す。これに対しCO及びガス漏れの各連動信号は、パルス幅が同一で繰り返し周期が同じであるが、位相が異なったパルス信号として送出される。
【0041】
図2は、図1に示している本発明の警報器1a〜1cであり、タイミング生成部4、連動信号出力部5、リセット処理部6、連動信号受信判別部7及び警報処理部8を備える。
【0042】
タイミング生成部4は、商用電源AC100Vのゼロクロス検出信号の分周カウントに基づき、位相が異なり、所定のパルス幅を持ち、かつ所定周期で繰り返すガス漏れ種別、すなわちCO及びガス漏れの各々に応じた2種類のタイミング信号を生成し、連動信号出力部5及び連動信号受信判別部7に出力している。
【0043】
連動信号出力部5は、警報処理部8より出力される火災検出信号、CO検出信号又はガス漏れ検出信号が得られた時に、他の警報器を接続している連動信号線に対する連動端子B+,B−に対し、連動信号を出力する。
【0044】
連動信号出力部5が出力する連動信号は、火災検出時の火災連動信号については、連動信号線に火災連動信号を継続して送出する。またCO検出時又はガス漏れ検出時には、パルス幅及び繰り返し周期が同じで、位相の異なるタイミング信号をCO連動信号及びガス漏れ連動信号として連動信号線に出力する。
【0045】
リセット処理部6は、連動信号出力部5を介して、他の警報器から火災、CO、ガス漏れのいずれかの連動信号を受信した際に、タイミング生成部4における交流入力のゼロクロス検出信号の分周カウントに基づくタイミング信号生成処理をリセットし、自己のタイミング信号を連動信号を送出した他の警報器のタイミング信号に同期させる。
【0046】
連動信号受信判別部7は、リセット処理部6による他の警報器からの連動信号受信に基づくタイミング生成部4のリセットによる同期後に、タイミング信号に同期して受信されたCO連動信号またはガス漏れ連動信号の種別を判別して、他の警報器によりCO検知またはガス漏れ検知が行われたことを警報処理部8から、例えば音声メッセージの出力により警報させる。
【0047】
図3は、図2の機能構成を持つ本発明の警報器の具体的な回路構成を示した回路ブロック図である。
【0048】
図3において、タイミング生成部4はAC100Vを入力した電源トランス9、ダイオードブリッジを用いた全波整流回路10、抵抗R1、ダイオードD1、コンデンサC1を前段に備えた定電圧回路11、抵抗R2,R3,R4及びトランジスタTR1で構成されたゼロクロス検出回路、1/10分周回路12、単安定マルチバイブレータ13、14で構成される。
【0049】
またこのタイミング生成部4には整流回路15と11V定電圧回路16が別途設けられ、連動信号出力のための電源供給を行っている。
【0050】
連動信号出力部5には、優先処理/同期回路17、連動信号出力回路18、連動信号受信回路19が設けられ、また連動信号線が接続される連動端子B+,B−間に逆接続時の保護用ダイオードD3と連動信号受信回路19の連動端子B+のライン電圧にレベル差があっても影響を受けないようにする逆流防止ダイオードD4を設けている。
【0051】
図2のリセット処理部6は、この実施形態ではリセット回路6aとなっており、5Vレベル変換回路20より他の警報器からの連動信号の受信に応じた変換信号が得られると動作し、タイミング生成部4に設けている1/10分周回路12をリセットするようにしている。
【0052】
連動信号受信判別部7は、CO用のAND回路21、ガス漏れ用のAND回路22、2パルス連続検出回路26、リトリガブルタイマー回路27、CO判断回路28、火災/CO/ガス漏れ優先判断回路29及び音声合成選択回路30を備えている。
【0053】
ここでCO判断回路28は、この中にガス漏れ判断回路としての機能を実現するパルス幅検出回路25、2パルス連続検出回路26及びリトリガブルタイマー回路27と同じ回路が同様に設けられている。
【0054】
警報処理部8には検知信号入力回路31、スピーカ34、音声警報器機能を備えた警報器本体回路32、他の警報器46に対する入出力制御回路33、表示灯制御回路35及び音響停止/点検スイッチ制御回路36を設けている。
【0055】
ここで検知信号入力回路31にはスイッチ接点で簡略表示された火災センサ37、COセンサ38、ガス漏れセンサ39が設けられ、更に音響停止/点検スイッチ40が設けられている。
【0056】
また表示灯制御回路35には電源表示灯41、火災表示灯42、CO表示灯43及びガス漏れ表示灯44が設けられている。
【0057】
このような図3の本発明の警報器について、まずタイミング生成部4の回路機能を説明する。タイミング生成部4にあってはAC100Vを電源トランス9に入力し、その2次巻線出力に設けた全波整流回路10により、交流入力を全波整流して、トランジスタTR1を備えたゼロクロス検出回路に入力している。
【0058】
図4(A)は警報器の電源トランス9に対する交流入力である。この交流入力は警報器に設けている電源プラグを部屋のコンセントに逆に差し込むと図4(B)のように位相が逆転する。全波整流回路10の全波整流出力は図4(C)のようになる。この全波整流出力の特徴は図4(A)及び位相が逆転した図4(B)の交流入力のいずれについても同じ全波整流波形が得られる点である。
【0059】
図4(D)は、図4(A)の交流入力の半波整流波形であり、また図4(E)は図4(B)の位相が逆転した場合の半波整流波形である。このように交流入力の半波整流を使うと交流入力の位相の逆転に対し、半波整流波形のゼロクロスのタイミングが変わってしまい、本発明のタイミング生成部4の、タイミング生成の基礎となる交流入力のゼロクロス検出のタイミングが変化してしまう。
【0060】
図5は、図3のタイミング生成部4における交流入力のゼロクロス検出とCO、ガス漏れ及び火災信号との関係を示している。
【0061】
図5(A)はAC100Vの商用交流電源で50Hzを例にとっており、1サイクルの周期は20msecとなっている。このAV100Vの交流電源入力をパルス化すると、図5(B)のようなゼロクロス信号が得られる。この50HzのAC100V商用電源の場合、ゼロクロス信号のパルス幅は10msecである。
【0062】
なお、図3のトランジスタTR1にあっては、交流入力のゼロクロス部分でオフ、それ以外の部分でオンするため、実際には図6(C)のようなゼロクロス信号が得られる。
【0063】
図5(B)のゼロクロス信号は1/10分周回路12に入力され、図5(C)のパルス幅10msecを持ち、周期T=100msecで繰り返すパルス信号となる。
【0064】
1/10分周回路12の出力は単安定マルチバイブレータ13に入力され、図5(D)に示すCO同期信号E1を出力する。このCO同期信号E1は分周信号の時刻t1での立ち上がりに同期したパルス幅5msecで、且つ分周信号と同じ周期T=100msecで繰り返すパルス信号である。
【0065】
単安定マルチバイブレータ13から出力されるCOタイミング信号E1は、さらに単安定マルチバイブレータ14に入力され、図5(E)に示すガス漏れ同期信号E2を出力する。このガス漏れ同期信号E2はCO同期信号E1の立下りに同期して立ち上がり、パルス幅が同じく5msecであり、周期は分周パルス信号と同じT=100msecとなっている。
【0066】
すなわちCO同期信号E1とガス漏れ同期信号E2は、パルス幅と周期が同じで、位相が異なった信号となっている。この図5(D)(E)に示すCO同期信号E1及びガス漏れ同期信号E2は、CO検出時またはガス漏れ検出時に、そのまま連動信号出力回路18より、CO連動信号電流及びガス漏れ連動信号電流を連動信号線に流して他の警報器に送出される。
【0067】
図5(F)は火災連動信号であり、例えば時刻t1で受信されたとすると継続的に信号が維持される。
【0068】
このような図3におけるタイミング生成部4にあっては、図1のように複数の警報器1a〜1cを連動信号線3で相互に接続して、電源プラグ2を電源コンセントに差し込んで動作状態としたとき、それぞれの警報器1a〜1cにあっては、固有のタイミングでタイミング生成部4が動作を開始するため、タイミング信号は非同期の状態となっている。
【0069】
このような各警報器におけるタイミング信号の非同期状態に対し、本発明の警報器にあっては、他の警報器からの連動信号を連動信号受信回路19で受信して5Vレベル変換回路20より信号出力が得られると、リセット回路6aが動作し、1/10分周回路12のリセット動作を行う。
【0070】
このような連動信号の受信によるリセット動作は、連動信号を受信した全ての警報器で同時に行われ、この結果、連動信号を出力した警報器のタイミング信号に連動信号を受信した他の警報器のタイミング信号が同期されることになる。
【0071】
このような複数の警報器において連動信号の受信に基づくリセット動作でタイミング信号の同期がとられると、同期がとられた後の図5(D)(E)に示すCOタイミング信号E1と同じCO連動信号、及びガス漏れ同期信号E2と同じガス漏れ連動信号について、もし同時に複数の警報器から連動信号出力が行われても、警報器のタイミングは同期がとられているため複数のCO連動信号もしくはガス漏れ連動信号が連動信号線に出力されてもこれらは同一タイミングで受信され、連動信号電流は増加するが連動信号のパルス幅及び周期は全て一致する。
【0072】
また種類の異なるCO連動信号とガス漏れ連動信号は、図5(D)(E)のCO同期信号E1およびガス漏れ同期信号E2に同期して連動信号線に電流を流れており、例えば連動信号線に接続可能な警報器が10台で、そのうち1台が図1のように火災検知のみを行う火災警報器100であり、残り9台が本発明の火災、CO及びガス漏れ検知ができる警報器1であった場合、従来の本発明の警報器1が同時にCO連動信号又はガス漏れ連動信号を出力したとしても、タイミング同期がとられていることで、全て同一タイミングで受信され、継続して得られる火災連動信号に対し、明確に区別して判別することができる。
【0073】
一方、火災連動信号は継続的に出力されることから、このとき重複してCO連動信号またはガス漏れ連動信号が出力されていたとしても、火災連動信号によりマスクされ、火災連動信号が優先的に受信処理されることになる。
【0074】
次に図3における本発明の警報器の動作を図6のタイムチャートを参照して説明する。
【0075】
図3の電源トランス9に対するAC100Vの入力で得られた2次側の出力は、図6(A)のような例えば50Hzの交流波形であり、これが全波整流回路10に入力されて全波整流されることで図6(B)のような全波整流出力となる。
【0076】
この全波整流出力はトランジスタTR1のベースに入力され、これによって電源トランス、2次出力の交流波形のゼロクロスに同期したゼロクロス検出信号がTR1コレクタ出力として図6(C)のように得られる。
【0077】
TR1コレクタ出力は1/10分周回路12に入力され、50Hzであることからパルス幅が10msecで周期Tが100msecとなる図6(D)の分周出力が得られる。
【0078】
この分周出力は単安定マルチバイブレータ13に入力され、図5(D)に示しているCO同期信号E1を図6(E)のように出力する。単安定マルチバイブレータ13の出力は単安定マルチバイブレータ14に入力され、これにより図5(E)に示しているガス漏れ同期信号を図6(F)のように出力する。
【0079】
図6(G)は他の警報器で生成されている1/10分周回路12の分周パルスであり、図6(D)の警報器自身の分周パルスに対してはこの段階では同期ズレを起こしている。
【0080】
この最初の段階における警報器におけるタイミング信号の生成状態で、図6(H)の時刻t1において警報器自身がガス漏れを検出して検知信号入力回路31より図6(H)のようなガス漏れ信号を受けたとすると、このガス漏れ信号は優先処理/同期回路17に入力される。
【0081】
優先処理/同期回路17には単安定マルチバイブレータ14より図6(F)のようなガス漏れ同期信号E2が入力されているため、両者のANDをとることにより優先処理/同期回路17がパルス信号を出力し、これにより連動信号出力回路18を動作して連動信号線が接続している連動端子B+,B−間をスイッチングし、10mAを超えない所定の連動信号電流を連動信号線に流す。
【0082】
即ち、時刻t4のタイミングで図6(I)の優先処理/同期回路出力が得られ、連動信号出力回路18によりガス漏れ連動信号電流が連動信号線に流れる。この連動信号出力回路18によるガス漏れ連動信号電流は、警報器自身に設けている連動信号受信回路19にダイオードD4を介して流れ、このため連動信号受信回路19が自分自身のガス漏れ連動信号電流を検出して5Vレベル変換回路20に出力し、図6(J)のように5Vレベル変換出力を生ずる。
【0083】
この5Vレベル変換出力を受けてリセット回路部6aがリセット信号を図6(K)のように出力し、1/10分周回路12にリセットをかける。ガス漏れ警報を行った警報器自身にあっては、自分自身のタイミング信号によるガス漏れ連動信号の送出であることから、リセットを行っても図6(D)の1/10分周回路の分周出力のタイミングに変化はない。
【0084】
これに対し図6(G)のように異なるタイミングで分周出力を生じている他の警報器にあっては、同様にしてガス漏れ連動信号の受信タイミングでリセット回路部6aがリセット信号を出力して、その1/10分周回路12にリセットをかけるため、連動信号を出力した警報器と同じタイミングに分周出力がセットされ、これによってタイミング信号の複数の警報器の同期が取られる。
【0085】
ガス漏れ連動信号の送出による複数の警報器におけるタイミング信号の同期がとられた後は、連動信号受信判別部7によるガス漏れ連動信号の受信判別が行われる。
【0086】
すなわち同期がとられた後の単安定マルチバイブレータ13及び単安定マルチバイブレータ14からのCO同期信号E1及びガス漏れ同期信号E2は、それぞれCO用のAND回路21及びガス漏れ用のAND回路22に入力されている。
【0087】
またAND回路21,22には5Vレベル変換回路20より連動信号受信回路19で受信されたガス漏れ連動信号の変換出力が入力されている。もちろん5Vレベル変換回路20の連動信号変換出力は、火災信号判断回路23にも入力されている。この例で火災信号判断回路23はたとえば連動信号が200msec以上接続した時に接続したときに火災判断信号E5を出力する。
【0088】
いま、タイミング同期がとられた後、5Vレベル変換回路20からはガス漏れ連動信号の変換出力が得られているため、ガス漏れ用のAND回路22において単安定マルチバイブレータ14からのガス漏れ同期信号E2との論理積がとられ、AND回路22がガス漏れ連動信号の変換出力のHレベルに同期してパルス幅検出回路25にHレベル出力を送出する。
【0089】
パルス幅検出回路25は、約3.5msec以下のノイズ信号を除去するために設けており、正常なパルス幅は5msecであることから、ノイズがなければパルス幅検出回路25は図6(L)のような検出出力を生ずる。
【0090】
パルス幅検出回路25の出力は2パルス連続検出回路26に入力され、図6(M)のように、時刻t6と時刻t7を2回連続してパルスが出力されると、2パルス連続検出回路26が出力する。
【0091】
2パルス連続検出回路26の出力はリトリガブルタイマー回路27に入力される。リトリガブルタイマー回路27は例えば約470msec以内に2パルス連続検出回路26の出力が得られれば、連続したHレベルのガス漏れ信号E7を出力し続ける。
【0092】
これに対し2パルス連続検出回路26がリトリガブルタイマー回路27に設定している470msecを超えたタイミングで出力すると、リトリガブルタイマー回路27は復旧してガス漏れ判断信号E7をLレベルとする。これによって一時的な誤動作でガス漏れ連動信号が出力されても、連動信号が復旧すれば、その後、ガス漏れ判断信号E7が停止するようになる。
【0093】
火災/CO/ガス漏れ優先判断回路29は、ガス漏れ判断信号E7以外にCO判断信号E6又は火災判断信号E5が得られたとき、この実施形態にあっては、火災判断信号E5及びCO判断信号E6を優先させる。
【0094】
火災判断信号E5又はCO判断信号E6がなければ、ガス漏れ判断信号E7に対応した優先出力すなわちリトリガブルタイマー回路27のハイレベル出力を音声合成選択回路30に出力する。
音声合成選択回路30は、この場合はガス漏れ等の音声合成選択が行われ、入出力制御回路33を介してガス漏れの音声合成選択信号を警報器本体回路32に出力し、スピーカ34より図6(P)のようなガス漏れが検知されたことの音声メッセージを出力させるが、識別を容易にするために、ガス漏れ表示灯が点滅するようにしてもよい。
【0095】
またガス漏れ連動信号を受信した他の警報器にあっては、自分自身によるガス漏れ検知でないことから、音声合成選択回路30からのガス漏れ音声合成選択信号に基づき、スピーカ34より他の警報器でガス漏れが検知されたことを音声メッセージにより出力させるが、ガス漏れ表示灯は点灯・点滅しないようにすることで連動動作であることが判る。
【0096】
警報器本体回路32によるスピーカ34からの音声メッセージは、検知信号入力回路31に対して設けている音響停止/点検スイッチ40をオン操作することで、図6(Q)のようにスイッチ信号を出力して音声メッセージを停止することができる。
【0097】
尚、入出力制御回路33にあっては、音声合成選択回路30からのガス漏れ音声合成の選択出力に対し、図6(O)のようにオンオフ制御して警報器本体回路32によるスピーカ34からの音声メッセージの出力をミュート制御して無音時のS/Nの改善を図っている。
【0098】
図6のタイムチャートは警報器でガス漏れが検知された時を例にとるものであるが、COセンサ38によりCOが検出された場合にも同様にCO連動信号が連動信号線に出力され、このタイミングでCO検出を行った警報器のタイミングに他の警報器のタイミングが同期され同期後に受信された連動信号からCO連動信号を判別し他の警報器においてCOが検知されたことの音声メッセージを出力させる。
【0099】
また火災センサ37により火災が検知された場合には、連動信号線に対し継続的に火災連動信号が出力され、火災連動信号によっても他の警報器でタイミング信号の同期をとることが行われるが、この同期信号は火災連動信号の場合には格別意味がなく、火災信号判断回路23で連動信号が例えば200msec以上に継続していたときに火災判断信号E5を出力し、音声合成選択回路30からの火災の音声合成選択出力により警報器本体回路32がスピーカ34から他の警報器で火災が検知されたことを音声メッセージにより出力する。
【0100】
また図3の実施形態にあっては、ガスに関する2種類のCO検知、ガス漏れ検知につき、CO検知の優先度を高い方に設定しているが、必要に応じてガス漏れ検知の方を高い優先度に設定しても良い。
【0101】
図7は、図3のタイミング生成部4に設けられる交流入力のゼロクロス検出を行う他の実施形態の回路図である。
【0102】
図7のゼロクロス検出の実施形態にあっては、AC100Vとのアイソレーションをとるため、フォトカプラ48を使用したことを特徴とする。フォトカプラ48は入力側に逆向きに並列接続した発光ダイオードPD1,PD2を有し、この2つの発光ダイオードPD1,PD2の発光出力を受けてオンするフォトトランジスタPTを設けている。発光ダイオードPD1,PD2側には抵抗R5を介してAC100Vが入力される。
【0103】
フォトカプラ48の発光ダイオードPD1は、図4(A)の交流入力の場合、その正の半サイクル期間で導通して発光する。これに対し発光ダイオードPD2は負の半サイクル期間で導通して発光する。
【0104】
フォトトランジスタPTは、発光ダイオードPD1が発光している正の半サイクル及び発光ダイオードPD2が発光している負の半サイクルの間、光を受けてオンし、出力をほぼゼロボルトとする。
【0105】
交流入力のゼロクロスの時点では発光ダイオードPD1,PD2のいずれも発光しないことから、この時、フォトトランジスタPTはオフとなり、出力に対し抵抗R5を介して電源電圧Vccが出力される。従って図4(A)の交流入力に対し図4(F)のようなゼロクロス検出によるフォトカプラ出力が得られる。
【0106】
また電源プラグを差し替えて図4(B)のような交流入力の位相が逆転した場合にも図4(D)(E)のような半波整流のようなゼロクロスのタイミングズレを起こすことなく図4(A)の交流入力の場合と同様、図4(F)のゼロクロスタイミングで立ち上がるフォトカプラ出力を得ることができる。
【0107】
図8は本発明の警報器の他の実施形態を示したブロック図であり、この実施形態にあっては図2におけるタイミング生成部4、リセット処理部6、連動信号受信判別部7さらには警報処理部8の各処理機能をMPU50によるプログラム制御で実現するようにしたことを特徴とする。
【0108】
すなわちタイミング生成部4にあっては、ゼロクロス検出回路となるトランジスタTR1までがハードウェアとして設けられており、トランジスタTR1により検出されたゼロクロス検出信号がMPU50により入力され、図3の1/10分周回路12、単安定マルチバイブレータ13及び単安定マルチバイブレータ14に相当する処理がプログラム制御により行われる。
【0109】
また連動信号出力部5にあっては、図3の優先処理/同期回路17の部分がMPU50側のプログラム制御により実現されており、それ以外の回路部は連動信号線に対するインタフェース回路として設けられている。
【0110】
また図3のリセット回路6a及び連動信号受信判別部7、更に警報処理部8については、センサ表示灯、スピーカを除く部分以外は、全てMPU50によるプログラム制御により実現されている。
【0111】
図9は図8のMPU50による同期タイミング生成処理のフローチャートであり、また図10に図8の同期タイミング生成処理で得られたタイミング信号を使用した連動信号に関する制御処理のフローチャートを示している。
【0112】
この図9及び図10のフローチャートが、図8のMPU50において本発明の実施形態における警報器の監視制御処理を実現するためのプログラムの処理手順を表している。
【0113】
図9の同期タイミング生成処理は、ステップS1で図8のトランジスタTR1からのゼロクロス検出入力を監視しており、ゼロクロス検出入力があるとステップS2でカウンタnを10msにカウンタアップし、ステップS3で1/10分周周期となる100msに対象カウンタnの値が達したか否かをチェックする。
【0114】
ステップS3で100msに達するとステップS4でCO同期タイマの出力動作を行わせる。このCO同期タイマはパルス幅5msのタイマ表示を出力する。続いてステップS5でガス漏れ同期タイマの出力動作を行わせる。
【0115】
このガス漏れ同期タイマは、CO同期タイマの出力終了に同期してパルス幅5msのタイマ出力を生ずる。続いてステップS6でカウンタnについてn=10msに初期化して再びステップS1に戻り、ゼロクロス検出入力ごとに同様の処理を繰り返す。
【0116】
この同期タイミング生成処理によって、図6(E)(F)に示すCO同期タイミング及びガス漏れ同期のタイミングが生成される。
【0117】
次に図10における処理動作を説明する。図10にあっては、ステップS1で連動信号の受信の有無をチェックしており、連動信号を受信するとステップS2に進み、図9の同期タイミングの生成処理で使用している分周カウンタnをリセットする。
【0118】
続いてステップS3でCO同期タイミングか否かチェックし、もしCO同期タイミングであればステップS4で連動信号の受信の有無をチェックする。連動信号が受信されるとこれはCO連動信号であることからステップS5に進みCO連動信号の受信を示すカウンタAを1つカウントアップする。
【0119】
続いてステップS6でカウンタAが2に達したか否かをチェックする。達していなければステップS7でガス漏れ同期タイミングか否かチェックする。ガス漏れ同期タイミングであればステップS8に進み連動信号の受信の有無をチェックする。この時、連動信号が受信されればこの連動信号はガス漏れ連動信号であることからステップS9に進み、ガス漏れ連動信号の受信を示すカウンタBをひとつカウントアップする。続いてS10でカウンタBが2に達したか否かチェックし、達していなければステップS1に戻り処理を繰り返す。
【0120】
ステップS6でCO連動信号の受信が2回路となってカウンタAが2に達すると、ステップS11に進みCO連動を判別する。続いてステップS12で火災判別中か否かをチェックし、火災判別中でなければステップS13でCO音声警報として、他の警報器でCO検知が行われたことを示す音声メッセージを出力させる。
【0121】
一方、ステップS7〜S9の処理により、2回目のガス漏れ連動信号の受信が判別されてステップS10でカウンタBが2に達すると、ステップS15でガス漏れ連動を判別し、ステップS16で火災又はCO判別中か否かチェックし、判別中でなければステップS17で他の警報器でガス漏れ検知が行われたことの音声警報の出力を行わせる。
【0122】
もちろんステップS12で火災判別中であれば、ステップS14でCO警報がキャンセルされ、同様にステップS16で火災又はCO判別中であればステップS18でガス漏れ警報はキャンセルされる。
【0123】
尚、上記の実施形態は、ガスについてCOとガス漏れの2種類の検知を行っているが、いずれか一方の検知であっても良いし、更に検知する種類を増加させても良い。
【0124】
また上記の実施形態にあっては図6(E),(F)のように、分周パルスの10msecの区間を2つに分けてCO同期信号とガス漏れ同期信号をパルス幅で5msecで分割したタイミングとして位相を異ならせているが、1/10分周パルスの周期T=100msecの区間であれば、任意の重複しない位相で同期信号を発生させても良い。
【0125】
また図3の実施形態に示した火災信号判断回路23、パルス幅検出回路25、リトリガブルタイマー回路27におけるそれぞれの設定時間は一例にすぎず、必要に応じて適宜の時間設定を行うことができる。
【0126】
また上記実施形態(又は請求項)では、所定パルス幅を持った「ガス漏れ信号」を送出することとしているが、これはガス漏れ信号に限定されるものではなく、例えば火災警報器の警報段階を多段とした多信号警報器において、第1段階の警報信号をE1として送出し、第2段階の信号をE2として送出することも可能である。
【0127】
これにより第1段階の警報信号を例えばトラブル信号と設定し、第2段階の警報信号を呼び警報と設定することもでき、従来よりきめ細かな火災警報の送出を行うことができる。
【0128】
さらにガス漏れ信号、火災信号以外にも、防犯センサや非常押し釦、ナースコール等の信号伝送に、本方式を応用することも可能である。例えば熱線センサなどの防犯センサに応用した場合、トラブル信号をE1として、予備警報をE2として送出し、侵入者警報を火災警報に代わって送出することができる。さらにこのように構成した防犯センサは、前記の火災ガス漏れ警報器と同じ信号線に接続することもでき、住居内の省線化を図ることができる。
【0129】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、火災とガス漏れ等の2種類の連動信号を他の警報器に出力して連動動作を行わせるために、火災検知で継続的に出力される火災連動信号に対し、ガス漏れ等についてはその連動信号の出力により他の警報器のタイミング信号の同期をとった後に、所定パルス幅で所定周期の繰り返しとなるガス漏れ等連動信号を出力することで、複数の警報器が同時にガス漏れ等連動信号を出力するような最悪条件であっても、ガス漏れ等連動信号は全く同じタイミングで同期制御の元に出力され、ガス漏れ等連動信号が時間的に連続することで継続出力される火災連動信号と区別できなくなるような不具合を解消でき、これによって火災連動信号とガス漏れ等連動信号の2種類の信号を同じ連動信号線を使用して送出することができ、連動型システムを構築する際の連動信号線を簡単にしてシステムコストを下げることができる。
【0130】
またガス漏れ等連動信号を出力する際の他の警報器とのタイミング信号の同期は、警報器を動作している商用交流電源のゼロクロス検出に基づいてタイミング信号を生成しており、このため連動信号の受信時にタイミング信号を生成する回路をリセットすることで、連動信号を送出した警報器に他の警報器のタイミング信号を簡単かつ確実に同期させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の警報器を用いた連動型システムの説明図
【図2】本発明による警報器の基本構成を示したブロック図
【図3】本発明による警報器の実施形態を示した回路ブロック図
【図4】本発明における交流入力のゼロクロス検出を示したタイムチャート
【図5】本発明における交流入力のゼロクロス検出に基づく同期信号の生成を示したタイムチャート
【図6】図3の実施形態における各部の信号波形を示したタイムチャート
【図7】本発明におけるフォトカプラを用いた交流ゼロクロス検出の他の実施形態の回路図
【図8】MPUを用いた本発明による警報器の実施形態の回路ブロック図
【図9】図8のMPUによる同期タイミング生成処理のフローチャート
【図10】図8のMPUによる監視制御処理のフローチャート
【図11】火災警報器を用いた従来の連動型システムの説明図
【図12】図11の火災警報器で使用している連動用インタフェース回路の回路ブロック図
【図13】火災とガス漏れを検知する警報器を用いた従来の連動型システムの説明図
【符号の説明】
1,1a〜1c:警報器
2:電源プラグ
3:連動信号線
4:タイミング生成部
5:連動信号出力部
6:リセット処理部
7:連動信号受信判別部
8:警報処理部
9:電源トランス
10:全波整流回路
11:定電圧回路
12:1/10分周回路
13,14:単安定マルチバイブレータ
15:整流回路
16:11V定電圧回路
17:優先処理/同期回路
18:連動信号出力回路
19:連動信号受信回路
20:5Vレベル変換回路
21,22:AND回路
23:火災信号判断回路
25:パルス幅検出回路
26:2パルス連続検出回路
27:リトリガブルタイマー回路
28:CO判断回路
29:火災/CO/ガス漏れ優先判断回路
30:音声合成選択回路
31:検知信号入力回路
32:警報器本体回路
33:入出力制御回路
34:スピーカ
35:表示灯制御回路
36:音響停止/点検スイッチ制御回路
37:火災センサ
38:COセンサ
39:ガス漏れセンサ
40:音響停止/点検スイッチ
41:電源表示灯
42:火災表示灯
43:CO表示灯
44:ガス漏れ表示灯
46:他の警報器
48:フォトカプラ
50:MPU
Claims (6)
- 住戸内に設置された他の警報器と連動信号線により相互に接続され、商用交流電源の供給を受けて動作し、火災、ガス漏れ又は不完全燃焼を検知した際には警報器自身で警報すると共に他の警報器に連動信号を送出して警報させる警報器であって、
前記商用交流電源のゼロクロス検出信号の分周カウントに基づき、位相が異なり、所定パルス幅を持ち、所定周期で繰り返すガス漏れ又はCO種別に応じた複数のタイミング信号を生成するタイミング生成部と、
ガス漏れ等検出時には検出種別に応じた前記タイミング信号をガス漏れ等連動信号として前記連動信号線に送出する連動信号出力部と、
他の警報器からいずれかの連動信号を受信した際に、前記タイミング生成部におけるタイミング信号生成処理をリセットし、自己のタイミング信号を前記連動信号を送出した他の警報器のタイミング信号に同期させるリセット処理部と、
前記リセット処理部による同期後に、前記タイミング信号に同期して受信されたガス漏れ等連動信号の種別を判別して他の警報器によるガス漏れ等検知を警報させる連動信号受信判別部と、
を備えたことを特徴とする警報器。 - 請求項1記載の警報器であって、前記タイミング生成部は、商用交流電源の入力を全波整流した信号からゼロクロスを検出してゼロクロス検出信号を生成することを特徴とする警報器。
- 請求項1記載の警報器であって、前記タイミング生成部は、CO検知とガス漏れ検知に対応して、同一パルス幅で同一周期で且つ位相が異なる2種類のタイミング信号を生成することを特徴とする警報器。
- 請求項1記載の警報器であって、
前記連動信号出力部は、火災検出時は前記連動信号線に継続して火災連動信号を送出し、
前記連動信号受信判別部は、前記連動信号線から連動信号を所定時間継続して受信した際に火災連動を判別して他の警報器で火災が検知されたことを警報することを特徴とする警報器。 - 住戸に設置されると共に同じ住戸に設置された他の警報器と信号線により相互に接続され、商用交流電源の供給を受けて動作し、火災又はガス漏れ等を検知した際には警報器自身で警報すると共に他の警報器に連動信号を送出して警報させる警報器の監視制御方法であって、
前記商用交流電源のゼロクロス検出信号の分周カウントに基づき、位相が異なり、所定パルス幅を持ち、所定周期で繰り返すガス漏れ種別に応じた複数のタイミング信号を生成するタイミング生成ステップと、
ガス漏れ等検出時には種別に応じた前記タイミング信号をガス漏れ等連動信号として他の警報器との接続信号線に送出する連動信号出力ステップと、
他の警報器からいずれかの連動信号を受信した際に、前記タイミング生成ステップにおけるタイミング信号生成処理をリセットし、自己のタイミング信号を前記連動信号を送出した他の警報器のタイミング信号に同期させるリセット処理ステップと、
前記リセット処理による同期後に、前記タイミング信号に同期して受信されたガス漏れ等連動信号の種別を判別して他の警報器によるガス漏れ等検知を警報させる連動信号受信判別ステップと、
を備えたことを特徴とする警報器の監視制御方法。 - 住戸に設置されると共に同じ住戸に設置された他の警報器と信号線により相互に接続され、商用交流電源の供給を受けて動作し、火災又はガス漏れ等を検知した際には警報器自身で警報すると共に他の警報器に連動信号を送出して警報させる警報器のコンピュータに、
前記商用交流電源のゼロクロス検出信号の分周カウントに基づき、位相が異なり、所定パルス幅を持ち、所定周期で繰り返すガス漏れ等種別に応じた複数のタイミング信号を生成するタイミング生成ステップと、
火災検出時は他の警報器との接続信号線に火災連動信号を継続して送出し、ガス漏れ検出時には種別に応じた前記タイミング信号をガス漏れ等連動信号として他の警報器との接続信号線に送出する連動信号出力ステップと、
他の警報器からいずれかの連動信号を受信した際に、前記タイミング生成ステップにおけるタイミング信号生成処理をリセットし、自己のタイミング信号を前記連動信号を送出した他の警報器のタイミング信号に同期させるリセット処理ステップと、
前記リセット処理による同期後に、前記タイミング信号に同期して受信されたガス漏れ連動信号の種別を判別して他の警報器によるガス漏れ検知を警報させる連動信号受信判別ステップと、
を実行させることを特徴とするプログラム。
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