JP4566672B2 - 警報出力検知器 - Google Patents

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Description

本発明は、警報器に近接配置され、この警報器の例えば警報ブザーの鳴動や警報ランプの点灯・点滅などによる警報出力を検知して信号出力する警報出力検知器に関するものである。
近年、住宅などにおいては、火災などの異常を検知して報知する警報器として、所謂一点式の警報器が広く用いられている。この一点式の警報器は、外部に異常を出力する移報用の接点を持たず、本体に内蔵された警報ブザーや警報ランプによってのみ警報出力するものである。この一点式の警報器は、移報接点を持たないことで安価に提供できるため、住宅などにおいて幅広く利用されている。この一点式の警報器としては、例えば住宅用火災警報器が知られている。住宅用火災警報器は、電源(例えば電池)を有し、火災時に発生する熱や煙、炎を感知して警報を発することにより、避難、消火、消防等への通報を利用者に促すもので、居室や台所等に単体で設置されている。
ところで、近年、住宅などで発生した異常を遠隔の監視センターや管理室にて監視する監視システムが普及している。この監視システムとしては、例えば、種々の検知器や警報器が異常の発生を検知して主装置に信号送出し、主装置が検知器や警報器からの信号を受けて警報出力したり遠隔の監視センターに通報したりするものが知られてるところである。
しかしながら、上述の一点式の警報器は、外部に異常を出力する移報接点を持たないために、警報を他の機器に対して出力することができず、上述した監視システムに適用することができない。したがって、一点式の警報器が既に設置されている場合に、新たに監視システムを提供するには、既設の警報器を交換しなければならず、工事の手間やコストの増大を招くという問題があった。
そこで、一点式の警報器による警報を他の機器に対して出力する手法として特許文献1に開示される火災警報装置が提案されている。特許文献1に開示される火災警報装置は、既設の警報器が出力する警報音をマイクロホンにて検知したときに作動するブザー音検出回路を備え、当該ブザー音検出回路の出力により遠隔制御装置が作動して、遠隔の警報ブザーや警報ランプを作動させるべく電灯線に特定信号を出力する。
特開昭60−27097号公報
しかしながら、特許文献1の火災警報装置は、マイクロホンから入力された音声の入力時間によって警報器鳴動音であると判定し、警報器の作動を検知するために、環境雑音などの警報器以外の音によって誤報するという問題がある。即ち、警報器やマイクロホンの取付位置や取付状態によって検出できる音の大きさや音の伝播状況が異なるために、マイクロホンに入力される警報器鳴動音は、その設置状況によって異なることが容易に想到される。そのため、特許文献1記載のように、単に音声の入力時間で判定した場合には、警報器鳴動音の安定した判定が困難となり、警報器が鳴動してもこれを判定できず、所謂失報となる場合や、警報器以外の環境雑音を警報器鳴動音と判定して、所謂誤報となる場合がある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するため、機器の設置状況に応じて警報器作動の有無を判定するためのしきい値を異ならせて設定し、既設警報器の作動を非接触で確実に検知できる警報出力検知器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された警報出力検知器は、警報器に近接配置され該警報器の警報出力を検出して信号出力する警報出力検知器であって、
前記警報器が警報出力したときに前記警報器から出力される物理量を検知する検知部と、
前記警報器の警報出力を監視する監視モードから設定モードに動作モードを移行させる操作部と、
前記動作モードが設定モードにあるときに前記検知部が所定の物理量を検知すると該検知した物理量に基づき前記警報器の警報出力の有無を判定するためのしきい値を設定するしきい値設定部と、
前記しきい値設定部にて設定された前記警報器の警報出力の有無を判定するためのしきい値を記憶する記憶部と、
前記動作モードが監視モードにあるときに前記検知部により検知される物理量と前記記憶部のしきい値とを比較して前記警報器の警報出力の有無を判定する判定部と、
前記判定部が前記警報器から警報出力有りと判定すると信号出力する出力部と、
を具備することを特徴とする。
請求項2に記載された警報出力検知器は、請求項1記載の警報出力検知器において、
前記判定部は、前記しきい値を超える物理量を前記検知部が所定時間にわたって検知したときに前記警報器の警報出力有りと判定する手段と、前記物理量が所定回数断続して前記しきい値を超えることを検知したときに前記警報器に異常有りと判定する手段とを具備し、
前記出力部は、前記判定部が前記警報器の警報出力有りと判定すると第一の信号を出力し、前記判定部が前記警報器に異常有りと判定すると第二の信号を出力することを特徴とする。
請求項3に記載された警報出力検知器は、請求項1又は2記載の警報出力検知器において、
前記警報器が警報出力したときに該警報器から出力される物理量が、前記警報器から発生した警報音、前記警報器から発生した振動、前記警報器から発生した光、前記警報器から発生する磁界の強度の少なくともいずれか一つからなることを特徴とする。
請求項4に記載された警報出力検知器は、請求項1又は2記載の警報出力検知器において、
前記物理量が、前記警報器から発生した警報音、前記警報器から発生した振動、前記警報器から発生した光、前記警報器から発生する磁界の強度のうち何れか任意の組み合わせからなり、
前記判定部は、前記物理量の全てが該当するしきい値を超えたときに前記警報器から警報出力有りと判定することを特徴とする。
本発明の警報出力検知器によれば、動作モードを必要に応じて監視モードから設定モードに移行させ、この設定モード中に警報器のテストボタンを操作して警報出力テスト等を行い警報器を作動させることにより、機器の設置状況に応じて警報器作動の有無を判定するためのしきい値を最適値に設定することができる。その結果、環境雑音等による不安定要因を除去して判定精度を向上させることができる。
また、警報器が警報出力したときの警報ブザーの警報音、機器振動、磁界変化、警報ランプの点灯の何れかの情報やこれらの組み合わせの情報を警報器の警報出力時の物理量として検知し、これら検知した物理量の変化に応じて最適なしきい値を設定することができる。そして、この設定されたしきい値に基づいて警報器作動の有無を検知するので、警報器作動の有無を非接触で確実に検知することができる。特に、複数種類の物理量の変化に応じたしきい値を設定し、これらのしきい値に基づいて警報器の警報出力の有無を判定すれば、警報器の作動を多角的に検知することができる。
さらに、本発明の警報出力検知器によれば、警報出力に伴って変化する断続的な物理量を検知して警報器に異常が生じているか否かを判定し、その判定結果を外部に信号出力することができる。
以下、本発明に係る警報出力検知器について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る警報出力検知器の設置状態を示す概略側面図、図2は本発明に係る警報出力検知器の内部構成の簡略図、図3は本発明に係る警報出力検知器のブロック構成図、図4は本発明に係る警報出力検知器の設定モード時の動作フローチャート、図5及び図6は本発明に係る警報出力検知器の動作フローチャートである。
本発明の警報出力検知器は、一点式の警報器、例えば住宅用火災警報器が既設されている場合に、この住宅用火災警報器の本体に装備される例えば警報ブザーの鳴動や警報ランプの点灯・点滅などによる警報出力を検知して、出力対象となる機器に出力するものである。
なお、本発明の警報出力検知器が警報検知する警報器としては、一点式の警報器に限られるものではなく、移報用の接点を有した多点式の警報器であってもよい。
ここで、出力対象となる機器には、警備装置や自動火災報知設備、消火設備の制御盤など様々なものがあるが、以下、本例では、出力対象となる機器として、住宅の異常を検知して遠隔の監視センターに通報する監視システムに適用される警備装置を例にとって説明する。
通常、既設の住宅用火災警報器2は、天井面や壁面に固定された取付土台となるベース部材3に背面の取付部を係合させて取り付けられている。本例では、既設の住宅用火災警報器2をそのまま活用するため、図1に示すように、警報出力検知器1と既設の住宅用火災警報器2とが近接して略一体化された状態でベース部材3を介して天井面や壁面に取り付けられる。すなわち、本例の警報出力検知器1は、特に図示はしないが、住宅用火災警報器2背面の取付部に係合可能な係合部を一方の面側に有している。そして、警報出力検知器1は、ベース部材3と住宅用火災警報器2との間に挟まれた状態で配置され、一方の面側の係合部が住宅用火災警報器2の取付部に例えば係合や貼付により取り付けられ、他方の面側の配置部1aがベース部材3の取付面(被配置面)3aに例えば係合や貼付により取り付けられる。
ここで、警報出力検知器1と住宅用火災警報器2との間は、図2に示すように、住宅用火災警報器2の例えば本体内の回路基板に接続された警報ブザーや警報ランプなどの警報出力手段2a近傍に警報出力検知器1の後述するセンサ12aが位置するべく、互いの接合部分における回転が規制された状態で例えば係合部と取付部との係合や貼付によって固定するのが好ましい。
なお、図1の例では、警報出力検知器1がベース部材3と住宅用火災警報器2との間に挟まれた状態で略一体化して天井面や壁面に取り付ける構成としているが、ベース部材3の構成を省くこともできる。この場合、上述したように、警報出力手段2a近傍にセンサ12aが位置するように警報出力検知器1の一方の面側を住宅用火災警報器2の取付部側に回転規制された状態で例えば係合や貼付によって固定し、警報出力検知器1の他方の面側の配置部1aを被配置面となる天井面や壁面に直接取り付ける。
次に、警報出力検知器1の電気的構成について図3のブロック構成図を参照しながら説明する。図3に示すように、本例の警報出力検知器1は、操作部11、検知部12、しきい値設定部13、記憶部14、制御部15、判定部16、出力部17を備えて概略構成される。制御部15は、図示しない計時部を具備している。また、本例の警報出力検知器1は、動作モードとして、住宅用火災警報器2の警報出力を監視して検知する監視モードと、警報出力の有無を判定するためのしきい値を設定する設定モードとを有している。
図3の操作部11は、動作モードを監視モードから設定モードに移行させるときに操作するもので、例えば本体に設けられる設定ボタンで構成することができる。そして、警報出力検知器1は、この操作部11としての設定ボタンが押下されると、その押下情報が制御部15に入力され、第1の所定時間T1(例えば30秒)だけ設定モードに移行するようになっている。
ここで、一般の住宅用火災警報器2は、動作確認用操作部として、図1に示すようなテストボタン21(この他、スイッチや引きひもで構成される場合もある)を備えている。そして、住宅用火災警報器2は、テストボタン21を押下すると、自動的に警報テストを行って警報出力するようになっている。
本例の警報出力検知器1では、上述した操作部11としての設定ボタンが押下されて設定モードに移行した状態で、上記テストボタン21が押下されると、検知部12に警報出力手段2aとしての警報ブザーの警報音が入力される。
検知部12は、センサ部12aと信号処理部12bを備えて構成される。本実施形態においてセンサ部12aは、住宅用火災警報器2が火災を検知した場合や設定モード時にテストボタン21が押下された場合の警報出力手段2aとしての警報ブザーの警報音を検出する鳴動検出センサであり、例えばマイクロホン等の音センサで構成される。このセンサ部12aは、住宅用火災警報器2の警報ブザー近傍となる箇所に位置しており、この状態で警報出力検知器1の本体と住宅用火災警報器2の本体との間を固定するのが好ましい。
信号処理部12bには、センサ部12aが検知した音が検知信号として入力される。信号処理部12bは、センサ部12aから出力された検知信号を増幅、整流し、処理しやすい信号に変換して制御部15に出力している。なお、信号処理部12bは、環境音によるノイズを除去するために、センサ部12aから入力された検知信号が所定の音圧レベル以上である場合のみ信号処理することが好ましい。
しきい値設定部13は、設定モード時に検知部12から検知信号が入力されたときに、その検知信号に応じて予め設定した基準に従い、住宅用火災警報器2の警報出力を判定するためのしきい値を設定している。具体例を示すと、このしきい値設定部13では、入力された警報音の音圧レベルに基づき、例えば入力音圧レベルの90%の値をしきい値として設定している。このしきい値設定部13で設定されたしきい値は、制御部15を介して記憶部14に記憶される。
ここで、日本消防検定協会の住宅用火災警報器の鑑定細則(平成13年8月)における「8 火災警報音(基準第4第1号(8)関係」の(1)には、火災警報音の基準として、「ア)AC電源方式によるものの火災警報音は、電源電圧が定格電圧の90%以上110%以下の範囲内において70dB以上の警報音を1分間以上継続できるものとする。イ)電池容量自動監視方式によるものの火災警報音は、電池容量が不足した旨の表示又は警報音を72時間継続した後において70dB以上の警報音を1分間以上継続できること。」が明示されている。
そこで、本例の警報出力検知器1では、設定モード時に検知部12からの入力が第2の所定時間T2(例えば1秒)継続したときに住宅用火災警報器2のしきい値をしきい値設定部13が設定するように構成することができる。これにより、警報音に類似した突発的な外乱による誤ったしきい値が設定されるのを防止することができる。
記憶部14は、しきい値設定部13で設定されたしきい値を含め、住宅用火災警報器2の警報出力の有無を判定するためのしきい値をセンサ部12aの種類に応じて記憶している。
制御部15は、操作部11、検知部12、しきい値設定部13、記憶部14、判定部16、出力部17との間における信号や情報の送受を統轄制御している。さらに説明すると、制御部15は、操作部11により動作モードが設定モードに移行した状態で住宅用火災警報器2のテストボタン21が押下されたときに、後述する図4のフローチャートに示す動作を実行し、検知部12からの警報音の音圧レベルに応じて最適なしきい値を設定するべくしきい値設定部13を制御している。また、制御部15は、後述する図5や図6のフローチャートに示す動作を実行し、判定部16において住宅用火災警報器2の作動状態を判定する際に、信号処理部12bで信号処理された検知信号と、記憶部14に記憶されたしきい値とを判定部16に出力している。さらに、制御部15は、判定部16からの判定信号に基づく住宅用火災警報器2の作動情報を出力部17に出力している。また、制御部15は、判定部16の判定結果に基づいて住宅用火災警報器2の作動状態に関する表示を制御するための制御信号を出力部17に出力している。
判定部16は、監視モード時に検知部12から制御部15を介して入力される検知信号と、記憶部14に記憶されたしきい値とを比較している。判定部16は、検知信号がしきい値を超えたときに、住宅用火災警報器2が警報出力している(警報出力有り)と判定し、その判定信号を制御部15に出力する。
なお、判定部16は、しきい値を超える検知信号が予め設定された第3の所定時間T3(例えば5秒)継続したときに、住宅用火災警報器2が警報出力していると判定するように構成することもできる。これにより、音と類似した突発的な外乱による誤報を防止できる。
出力部17は、出力制御部17a、通信部17b、表示部17cを備えて構成される。出力制御部17aには、判定部16の判定結果に基づく住宅用火災警報器2の作動情報が制御部15から入力しており、その作動情報を通信部17bに出力している。また、出力制御部17aは、判定部16の判定結果に基づく制御部15からの制御信号によって表示部17cの表示を制御している。
通信部17bは、出力制御部17aから入力される住宅用火災警報器2の作動情報を不図示の警備装置に対して小電力無線により送出している。
表示部17cは、例えばLED、液晶等の表示器で構成され、出力制御部17aからの制御信号によって判定部16による判定結果が外部から目視で確認できるように表示を行っている。
ところで、日本消防検定協会の住宅用火災警報器の鑑定細則(平成13年8月)における「10 電池容量自動監視方式(基準第4第1号(10)関係)」には、電池容量が不足した場合の警報基準として、「警報音は、1分間に1回以上の警報音を72時間断続できる。」ことが明示されている。このため、一般の住宅用火災警報器2は、内蔵する電池残量が低下したり機器に異常が発生すると、所定時間毎定期的に警報音を必ず出力するように構成されている。
そこで、本例の警報出力検知器1では、検知部12から出力される検知信号が第3の所定時間T3(例えば5秒)未満であった場合、この検知信号の出力回数をカウントし、そのカウント値が予め設定された第4の所定時間T4(例えば1分)以内の間隔で所定回(例えば30回)以上断続するか否かを判定部16で判定する構成とすることもできる。その場合、判定部16は、図示しないカウンタを備え、検知信号が第4の所定時間T4以内の間隔で所定回以上断続したときに、住宅用火災警報器2に異常有りと判定する。
そして、出力部17は、判定部16が住宅用火災警報器2の警報出力有りと判定、又は異常有りと判定すると、この判定に基づく住宅用火災警報器2の作動情報を通信部17bから不図示の警備装置に小電力無線により送出する。その際、表示部17cは、判定部16による判定結果を例えばLED等で表示する。
警備装置は、上述した住宅用火災警報器2の作動情報を警報出力検知器1から受けると、通信網を介して遠隔の監視センターに通報する。監視センターでは、受信した信号の内容を確認して、何らかの対処が必要だと判断した場合には、対処員に監視対象への適切な対処を指示する。また、監視センターでは、必要に応じて110番、119番通報や、監視対象または所定の緊急連絡先との電話連絡などの処理を行う。
次に、本例の警報出力検知器1の設定モード時の動作について図4を参照しながら説明する。ここでは、検知部12が住宅用火災警報器2の警報出力に伴う警報ブザーの警報音を検知するものとして説明する。
操作部11としての設定ボタンが押下されると、第1の所定時間T1の計時が開始され(ST1)、動作モードが監視モードから設定モードに移行し、住宅用火災警報器2の警報出力を待ち受ける。この設定モードは、設定ボタンが押下されてから第1の所定時間T1だけ継続される。
設定モード中に住宅用火災警報器2のテストボタン21が押下されると、住宅用火災警報器2が自動的に警報テストを行い、警報出力する。そして、この警報出力に伴う警報ブザーの警報音が検知部12に入力される。この警報音は、検知部12内においてセンサ部12aより入力され、信号処理部12bで増幅され、制御部15を介してしきい値設定部13に出力される。このとき、信号処理部12bは、環境音によるノイズを除去するために、センサ部12aから入力された検知信号が、予め設定した住宅用火災警報器2の警報音の持つ特有の周波数帯(音域)であるか否かをフィルタなどにより判定して、特有の周波数帯である場合のみ信号処理することが好ましい。
そして、第1の所定時間T1の計時中に所定音域の入力が有るか否かを判定する(ST2)。第1の所定時間T1の計時中に警報音が示す所定音域の入力が無いと判定すると(ST2−No)、第1の所定時間T1が経過したか否かを判定する(ST3)。第1の所定時間T1が経過したと判定すると(ST3−Yes)、動作を完了する。これに対し、第1の所定時間T1が経過していないと判定すると(ST3−No)、ST2の所定音域の入力の有無の判定動作に戻る。
ST2の所定音域の入力の有無の判定動作において、第1の所定時間T1の計時中に所定音域の入力が有ると判定すると(ST2−Yes)、所定音域の入力が第2の所定時間T2継続したか否かを判定する(ST4)。ここで、所定音域の入力が第2の所定時間T2継続していないと判定すると(ST4−No)、ST3の第1の所定時間T1が経過したか否かの動作に移行する。これに対し、所定音域の入力が第2の所定時間T2継続したと判定すると(ST4−Yes)、そのときに入力された検知信号に応じて予め設定した基準に従い、住宅用火災警報器2の警報出力の有無を判定するためのしきい値を設定し(ST5)、動作を完了する。
ところで、上述した図4に示す設定モードの動作では、第1の所定時間T1の計時中に所定音域の入力が有ると判定した後に、その所定音域の入力が第2の所定時間T2継続したか否かを判定しているが、この所定音域の入力が第2の所定時間T2継続したか否かの判定処理(ST4の処理)を省くこともできる。この場合、図4において、第1の所定時間T1の計時中に所定音域の入力が有ると判定すると(ST2−Yes)、しきい値を設定する動作(ST5)に実行した後に動作を完了し、第1の所定時間T1の計時中に所定音域の入力が無いと判定すると(ST2−No)、第1の所定時間T1が経過したか否かの判定処理(ST3)に移行する。
次に、本例の警報出力検知器1の監視モード時の動作について図5及び図6を参照しながら説明する。まず、図5の動作では、住宅用火災警報器2の警報出力の有無の検知し、警報出力有りと判定したときに、住宅用火災警報器2の作動情報を警備装置に出力している。
住宅用火災警報器2が例えば警報出力手段2aとしての警報ブザーの鳴動による警報を出力すると、この警報出力に伴って発生する警報ブザーの警報音をセンサ部12aが検知し、この検知した警報音の音圧レベルに応じた検知信号を信号処理部12bに出力する。信号処理部12bは、センサ部12aから警報音が示す所定音域の検知信号の入力があるか否かを判定する(ST11)。そして、所定音域の検知信号の入力があると判定すると(ST11−Yes)、信号処理部12bは、センサ部12aからの検知信号を増幅、整流し、処理しやすい信号に変換して制御部15に出力する。制御部15は、この検知信号(警報音の音圧レベルに応じた信号)と、しきい値設定部13により設定されて記憶部14に記憶されたしきい値とを判定部16に出力する。
そして、判定部16では、制御部15からの検知信号としきい値とを比較し、検知信号がしきい値以上か否かを判定する(ST12)。検知信号がしきい値以上と判定すると(ST12−Yes)、その検知信号が第3の所定時間T3継続したか否かを判定する(ST13)。そして、検知信号が第3の所定時間T3継続したと判定すると(ST13−Yes)、住宅用火災警報器2から警報出力有りと判別し、住宅用火災警報器2の作動情報として警報検知信号を出力し(ST14)、ST11の所定音域の検知信号の入力判定処理の動作に戻る。
なお、検知信号がしきい値より小さいと判定した場合(ST12−No)、検知信号が第3の所定時間T3継続していないと判定した場合(ST13−No)には、ST11の所定音域の検知信号の入力判定処理の動作に戻る。
ところで、上述した図5に示す警報出力検知器1の動作では、検知信号がしきい値以上と判定した後に、その検知信号が第3の所定時間T3継続したか否かを判定しているが、この検知信号が第3の所定時間T3継続したか否かの判定処理を省くこともできる。この場合、図5において、検知信号がしきい値以上と判定すると(ST12−Yes)、警報検知信号を出力し、検知信号がしきい値より小さいと判別すると(ST12−No)、所定音域の検知信号の入力判定処理に戻る。
次に、図6に基づく本例の警報出力検知器の監視モード時の動作について説明する。この図6の動作では、上述した住宅用火災警報器2の警報出力の有無の判定とともに、例えば電池残量低下など住宅用火災警報器2の機器異常の有無の判定を行っている。なお、図5と同一の動作には同一のステップ符号を付し、その説明を省略する。
図6の動作では、検知信号が第3の所定時間T3継続していないと判定すると(ST13−No)、検知信号のカウント値(出力回数)が1以上か否か判定する(ST15)。検知信号のカウント値が1より小さい(カウント値0)と判定すると(ST15−No)、カウントアップして(ST16)、ST11の所定音域の検知信号の入力判定処理の動作に戻る。
検知信号のカウント値が1以上と判定すると(ST15−Yes)、直前回のしきい値以上を示した検知信号の入力からの経過時間が第4の所定時間T4以内か否か判定する(ST17)。経過時間が第4の所定時間T4以内でないと判定すると(ST17−No)、カウンタのカウント値をリセットし(ST18)、ST11の所定音域の検知信号の入力判定処理の動作に戻る。
経過時間が第4の所定時間T4以内と判定すると(ST17−Yes)、カウンタのカウント値を1カウントアップし(ST19)、そのときのカウント値が所定値以上か否か判定する(ST20)。カウント値が所定値以上でないと判定すると(ST20−No)、ST11の所定音域の検知信号の入力判定処理の動作に戻る。
カウント値が所定値以上と判定すると(ST20−Yes)、例えば電池残量低下など住宅用火災警報器2の機器異常が発生しているものと判断して機器異常信号を出力し(ST21)、ST11の所定音域の検知信号の入力判定処理の動作に戻る。
ところで、上述した図4乃至図6に示す動作では、住宅用火災警報器2が火災を検知したときの警報音を検出する音センサ(例えばマイクロホン等)をセンサ部12aとしており、この音センサが検知した音圧レベルに基づいてしきい値の設定、住宅用火災警報器2の警報出力の有無、住宅用火災警報器2の機器異常の有無の判定を行っているが、上述した音圧レベルに代えて音波の波形をしきい値として、図4乃至図6の動作を実行することもできる。
この場合、図4の設定モード時の動作では、ST2において所定音波波形の入力が有るか否かが判定され、所定音波波形の入力有りと判定すると、ST4において所定音波波形の入力が第2の所定時間T2継続したか否か判定される。そして、所定音波波形の入力が第2の所定時間T2継続したと判定すると、予め設定した基準に従った波形の強度がしきい値として設定される。また、図5及び図6の監視モード時の動作では、ST11において所定音波波形の入力が有るか否かが判定され、所定音波波形入力が有ると判定すると、その音波波形の強度としきい値(強度)とを比較し、その類似度に基づいて住宅用火災警報器2の警報出力の有無を判定する。すなわち、センサ部12aが検知した波形の強度がしきい値を超えたときに、住宅用火災警報器2から警報出力有りと判定する。
また、上述した音センサに代えて振動センサをセンサ部12aとして用い、図4乃至図6の動作を実行することもできる。この場合、センサ部12aは、住宅用火災警報器2の警報音出力を振動波形として検知し、この検知信号が信号処理部12bで増幅、整流され、設定モード時には制御部15を介してしきい値設定部13に入力され、監視モード時には制御部15を介して判定部16に入力される。そして、図4の設定モード時の動作では、ST2において所定の振動波形の入力が有るか否かが判定され、所定の振動波形の入力有りと判定すると、ST4において所定の振動波形の入力が第2の所定時間T2継続したか否か判定される。そして、所定の振動波形の入力が第2の所定時間T2継続したと判定すると、予め設定した基準に従った波形の強度がしきい値として設定される。また、図5及び図6の監視モード時の動作では、ST11において所定の振動波形の入力が有るか否かが判定され、所定の振動波形の入力が有ると判定すると、その振動波形の強度としきい値(強度)とを比較し、その類似度に基づいて住宅用火災警報器2の警報出力の有無を判定する。すなわち、センサ部12aが検知した振動波形の強度がしきい値を超えたときに、住宅用火災警報器2から警報出力有りと判定する。
さらに、上記音センサや振動センサの他、磁気センサをセンサ部12aとして用い、図4乃至図6の動作を実行することもできる。この場合、センサ部12aは、例えばホール素子により構成される。センサ部12aは、住宅用火災警報器2が警報出力したときに住宅用火災警報器2の警報ブザーや警報ランプを流れる電流により発生した磁界の変化や磁束密度の変化を検知して出力する。このときの検知信号が信号処理部12bで増幅、整流され、設定モード時には制御部15を介してしきい値設定部13に入力され、監視モード時には制御部15を介して判定部16に入力される。そして、図4の設定モード時の動作では、ST2において信号の電位差に変化が有るか否かが判定され、電位差に変化有りと判定すると、ST4において電位差に変化が有る信号の入力が第2の所定時間T2継続したか否か判定される。そして、電位差に変化が有る信号の入力が第2の所定時間T2継続したと判定すると、予め設定した基準に従った電位差がしきい値として設定される。また、図5及び図6の監視モード時の動作では、ST11において電位差に変化が有る信号の入力が有るか否かが判定され、電位差に変化が有る信号の入力が有ると判定すると、その信号の電位差としきい値(電位差)とを比較し、住宅用火災警報器2の警報出力の有無を判定する。すなわち、センサ部12aが検知した電位差がしきい値を超えたときに、住宅用火災警報器2から警報出力有りと判定する。なお、上記の例では、電位差の変化に基づいて警報出力の有無を判定しているが、磁界の変化や磁束密度の変化に伴う電流値の変化に基づいて警報出力の有無を判定することもできる。
さらに、センサ部12aとして光センサを用い、図4乃至図6の動作を実行することもできる。この場合、センサ部12aは、例えばフォトトランジスタにより構成されて住宅用火災警報器2の警報出力手段2aとしての警報ランプに近接して配置される。センサ部12aは、住宅用火災警報器2が警報出力したときに住宅用火災警報器2の警報ランプの点灯により発生した光の変化を検知して出力する。このときの検知信号が信号処理部12bで増幅、整流され、設定モード時には制御部15を介してしきい値設定部13に入力され、監視モード時には制御部15を介して判定部16に入力される。そして、図4の設定モード時の動作では、ST2において信号の電位差に変化が有るか否かが判定され、電位差に変化有りと判定すると、ST4において電位差に変化が有る信号の入力が第2の所定時間T2継続したか否か判定される。そして、電位差に変化が有る信号の入力が第2の所定時間T2継続したと判定すると、予め設定した基準に従った電位差がしきい値として設定される。また、図5及び図6の監視モード時の動作では、ST11において電位差に変化が有る信号の入力が有るか否かが判定され、電位差に変化が有る信号の入力が有ると判定すると、その信号の電位差としきい値(電位差)とを比較し、住宅用火災警報器2の警報出力の有無を判定する。すなわち、センサ部12aが検知した電位差がしきい値を超えたときに、住宅用火災警報器2から警報出力有りと判定する。なお、上記の例では、電位差の変化に基づいて警報出力の有無を判定しているが、フォトトランジスタに流れる電流値の変化に基づいて警報出力の有無を判定することもできる。
また、本例では、住宅用火災警報器2が警報出力していない状態から警報出力したときの物理量として、住宅用火災警報器2から発生した警報ブザーの警報音、振動、磁界変化、警報ランプの点灯をセンサ部12aにより検知しているが、このセンサ部12aは上記物理量の1種類の検知に限らず、任意の複数種類の物理量を検知し、この検知した複数種類の物理量に対して上述した図4乃至図6の動作を実行することもできる。この場合、設定モード時には、検知された物理量の変化に応じて個々の物理量毎に最適なしきい値を設定する。また、監視モード時には、センサ部12aが検知する全ての物理量を該当するしきい値と比較し、全ての物理量がしきい値を超えたときに住宅用火災警報器2から警報出力有りと判定する。
このように、本例の警報出力検知器は、動作モードを必要に応じて監視モードから設定モードに移行させ、この設定モード中に警報器のテストボタンを操作して警報出力テスト等を行うことにより、機器の設置状況に応じて警報器作動の有無を判定するためのしきい値を最適値に設定することができる。その結果、環境雑音等による不安定要因を除去して判定精度を向上させることができる。
また、警報器が警報出力したときの警報ブザーの警報音、機器振動、磁界変化、警報ランプの点灯の何れかの情報又はこれらの任意の組み合わせの情報を警報器の警報出力時の物理量として検知し、これら検知した物理量の変化に応じて最適なしきい値を設定することができる。そして、この設定されたしきい値に基づいて警報器の作動を検知することが可能となり、警報器の作動を非接触で確実に検知することができる。特に、複数種類の物理量の変化に応じたしきい値を設定し、これらのしきい値に基づいて警報器の警報出力の有無を判定すれば、警報器の作動を多角的に検知することができる。
そして、実際の警報器の警報出力の検知にあたって、本例の警報出力検知器は、係合や貼付により警報器と略一体をなして警報器に近接配置され、警報器の警報出力に伴う物理量を検知し、この検知した物理量としきい値との比較に基づいて警報器の警報出力の有無を判定して外部に信号出力する。これにより、移報接点を持たない一点式警報器(住宅用火災警報器)の作動を非接触で検知して外部の機器に信号出力することができる。また、一点式警報器が既設されている場合であっても、既設の一点式警報器を用いて他の機器と安価に接続することができる。
また、多点式の警報器が既設されている場合であれば、本発明の警報出力検知器によって警報器の警報出力を非接触で検知して外部の機器に出力することができるため、多点式警報器の移報用接点に対する物理的な配線接続が不要となり、工事の手間を削減することができる。
また、警報器は例えば電池残量低下など機器の異常時に断続的に警報出力するが、本例の警報出力検知器によれば、警報器の警報出力に伴って変化する断続的な物理量を検知して警報器に異常が生じているか否かを判定し、その判定結果を外部に信号出力することができる。
さらに、本例の警報出力検知器は、警報器の警報出力手段近傍に位置するように検知部が位置して警報器に近接配置されるので、警報器の警報出力をより確実に非接触で検知することができる。
なお、本例では検知対象となる警報器として住宅用火災警報器を例にとって説明したが、これに限られるものではなく、ガス漏れ警報器や防犯警報器など、種々の警報器の警報を検知して出力することができる。
また、上述した実施の形態では、図3のブロック構成図において、検知部12からの検知信号と、記憶部14のしきい値とを比較して住宅用火災警報器2の警報出力の有無を判定する判定部16を、制御部15とは機能的に分けて説明したが、制御部15に判定部16の機能を含ませてもよく、また、制御部15に信号処理部12bの機能を含ませてもよい。
本発明に係る警報出力検知器の設置状態を示す概略側面図である。 本発明に係る警報出力検知器の内部構成の簡略図である。 本発明に係る警報出力検知器のブロック構成図である。 本発明に係る警報出力検知器の設定モード時の動作フローチャートである。 本発明に係る警報出力検知器の動作フローチャートである。 本発明に係る警報出力検知器の動作フローチャートである。
符号の説明
1 警報出力検知器
1a 配置部
2 住宅用火災警報器(警報器)
2a 警報出力手段
3 ベース部材
3a 取付面
11 操作部
12 検知部
12a センサ部
12b 信号処理部
13 しきい値設定部
14 記憶部
15 制御部
16 判定部
17 出力部
17a 出力制御部
17b 通信部
17c 表示部

Claims (4)

  1. 警報器に近接配置され該警報器の警報出力を検出して信号出力する警報出力検知器であって、
    前記警報器が警報出力したときに前記警報器から出力される物理量を検知する検知部と、
    前記警報器の警報出力を監視する監視モードから設定モードに動作モードを移行させる操作部と、
    前記動作モードが設定モードにあるときに前記検知部が所定の物理量を検知すると該検知した物理量に基づき前記警報器の警報出力の有無を判定するためのしきい値を設定するしきい値設定部と、
    前記しきい値設定部にて設定された前記警報器の警報出力の有無を判定するためのしきい値を記憶する記憶部と、
    前記動作モードが監視モードにあるときに前記検知部により検知される物理量と前記記憶部のしきい値とを比較して前記警報器の警報出力の有無を判定する判定部と、
    前記判定部が前記警報器から警報出力有りと判定すると信号出力する出力部と、
    を具備することを特徴とする警報出力検知器。
  2. 前記判定部は、前記しきい値を超える物理量を前記検知部が所定時間にわたって検知したときに前記警報器の警報出力有りと判定する手段と、前記物理量が所定回数断続して前記しきい値を超えることを検知したときに前記警報器に異常有りと判定する手段とを具備し、
    前記出力部は、前記判定部が前記警報器の警報出力有りと判定すると第一の信号を出力し、前記判定部が前記警報器に異常有りと判定すると第二の信号を出力することを特徴とする請求項1記載の警報出力検知器。
  3. 前記警報器が警報出力したときに該警報器から出力される物理量が、前記警報器から発生した警報音、前記警報器から発生した振動、前記警報器から発生した光、前記警報器から発生する磁界の強度の少なくともいずれか一つからなることを特徴とする請求項1又は2記載の警報出力検知器。
  4. 前記物理量が、前記警報器から発生した警報音、前記警報器から発生した振動、前記警報器から発生した光、前記警報器から発生する磁界の強度のうち何れか任意の組み合わせからなり、
    前記判定部は、前記物理量の全てが該当するしきい値を超えたときに前記警報器から警報出力有りと判定することを特徴とする請求項1又は2記載の警報出力検知器。
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