JP4003924B2 - ブラシ化粧品容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は口紅、頬紅、アイシャドウ等のメーキャップに使われるブラシと化粧料の収納部とを組み合わせたブラシ化粧品容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
メーキャップ用の固形化粧料の収納容器では、外出先等において化粧が簡単に行えるように、化粧料と、この化粧料を付着させて使用するブラシを一体的に組付けた容器が使用されている。
【0003】
このブラシを利用して使われる化粧料の収納部の代表的な構成は、有底筒形状をした収納部内に、化粧料を収納保持した有底筒形状の中皿体を摺動自在かつ抜け出し不能に組付け、収納部の底部に基端を組付け固定したスプリングの先端を中皿体に弾接させたものとなっている。
【0004】
上記した構成の化粧料収納部に対して、ブラシは、その先を化粧料収納部内に挿入した状態で収納部の開口部に嵌入組付けされるものとなっており、このブラシの着脱により容器の開閉を達成するようにしている。
【0005】
そして、ブラシの先への化粧料の付着は、ブラシを収納部に組付けることにより、収納部内に挿入されたブラシが、スプリングの弾力に逆らって中皿体を後退させる際における、中皿体に収納保持された化粧料への押圧により達成され、すなわち、容器を閉鎖すべくブラシを容器に組付けることにより、このブラシを利用しての化粧料の使用が可能な状態となるのである。
【0006】
また、実開平7−27408号公報には、収納部の内周面に回動案内用の螺溝を刻設し、中皿体の筒壁の外周面にこの螺溝に螺合する螺片を突設することにより、ブラシを収納本体に挿入し、組付けるに際して、スプリングで押圧された状態でさらにブラシを化粧料に対して回動変位させて化粧料に擦り付けることにより、化粧に必要とする量の化粧料をブラシに確実に付着させる方法についての記載がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ブラシの毛先が使用によって広がり、化粧料収納部にブラシを挿入することがし難くなるという問題があり、またブラシは目的に応じて、毛の太さ、硬さ、本数等を変えて各種作成されるが、たとえばソフトなタッチでメークアップする必要がある場合には、細く、柔らかい材質の毛を使用し、柄の部分から毛先を膨らませた形状で作成され、このようなブラシにたいして、上記のような筒状の化粧料収納部を使用することはできなかった。
【0008】
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく創案されたもので、ブラシの毛の材質、形状に関わらず、化粧料を収納した筒状の化粧料収納部への挿入操作、化粧料のブラシへの擦り付け操作、および化粧料の交換操作が容易に確実にでき、かつ経済的に優れたブラシ化粧品容器を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するための、請求項1記載の発明の手段は、
ブラシと、このブラシを下方に突き出させて回動不能に組付けた有頂円筒状の外筒体と、この外筒体に下方への抜け出し不能に、かつ上下動可能に、そして弾接した状態で内接する摺動部と、この摺動部の下端部に組付き固定する円筒状のカバー筒とを有し、手によるカバー筒の外筒体に対する昇降操作を可能に、かつカバー筒によるブラシの収束した状態での外装を可能に構成した、ブラシ部を有すること、
内周面に、カバー筒の下端面が当接するアゴ部を周設した、有底円筒状の収納本体の内部に、化粧料を収納する収納部を有すること、
ブラシを化粧料に対して相対的に回動させる回動機構を有すること、
スプリングを有すること、
ブラシを、カバー筒で外装した状態で収納本体の上部開口部から挿入し、この収納本体内に収納可能な構成とすること、
この挿入操作および収納操作において、カバー筒を、このカバー筒下端面のアゴ部への当接により、外筒体内へ後退させながら、回動機構による回動状態で、かつスプリングによる押圧状態で、ブラシを化粧料に当接させる構成とすること、にある。
【0010】
上記請求項1記載の構成により、カバー筒を手で掴み、外筒体に対して降下させ、外筒体から下方に充分に突き出させることにより、外筒体内から下方に突き出されて位置しているブラシを収束しながら、収納する。
【0011】
ブラシの使用時には、手でカバー筒を外筒内に後退させ、カバー筒内からブラシを繰り出す。
【0012】
ここで、摺動部が外筒体の内周面に弾接した状態で内接しているので、手による操作時には、昇降が可能であるが、特に外部から力を加えない状態では昇降あるいは回動変位はしないので、カバー筒は妄りに変位することはない。
【0013】
ブラシをカバー筒で外装してから、ブラシの収納部への挿入操作を実施することにより、ブラシの毛先が収納本体の上端面に引っかかる等の問題もなく、ブラシの収納部への挿入、収納をスムーズに実施することが可能となる。
【0014】
外筒体と収納本体を掴持しながら、ブラシを収納本体内に挿入していくと、まずカバー筒の下端面が、収納本体の内周面に周設したアゴ部に当接し、この当接により、さらなる挿入においては、カバー筒が外筒体内に後退しながら、ブラシを繰り出す。
【0015】
さらにブラシの挿入を進めると、ブラシの先端が、収納本体の内部に収納された化粧料に当接するが、スプリングの作用により、ブラシは押圧状態で化粧料に当接する。
【0016】
また、回動機構によりブラシと化粧料とが相対的に回動するので、ブラシが、化粧料に対して相対的に回動した状態、かつ押圧の状態で化粧料に当接し、この擦り付けにより、化粧に必要とされるだけの量の化粧料を、確実にブラシの先端に付着させる。
【0017】
使用に従って化粧料は徐々に減っていくが、スプリングの作用により、ブラシの先端の化粧料への押圧状態は維持される。
【0018】
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、摺動部を、外筒体に略内接する円筒状の円筒体片の上端面から、その円周上に沿って複数の、弾性変形可能な短冊状の摺動片を斜め上方外側方向に起立設した構成とすること、にある。
【0019】
請求項2の上記構成により、斜め上方外側に起立設した複数の、弾性変形可能な摺動片を有した、摺動部を外筒内に挿入、内接することにより、摺動片が内側への変形を受け、この変形で発生する弾力により外筒内周面に弾接するが、摺動片の肉厚、立設の傾斜度等により容易にこの弾力を設定し、操作しやすい摺動抵抗を得ることができ、外力のない状態では上下に変位することなくその位置を安定して保持することができ、また手で力を加えた場合には容易に上下動させることが可能となる。
【0020】
請求項3記載の発明の手段は、請求項1または2の発明において、ブラシを上下動可能に外筒体に組付けること、常時、ブラシを下方へ付勢するスプリングをブラシ部内に配置すること、にある。
【0021】
請求項3は、ブラシ部にスプリングを配置した構成であり、収納部を簡単な形状にすることが可能であるため、補充あるいは他の色合いの化粧料を収納した収納本体をいくつか用意して使用することもでき、またブラシが上下動可能に外筒体に組付けられているので、常時、ブラシを下方へ付勢するスプリングにより、押圧状態で、ブラシと化粧料の当接が保持される。
【0022】
請求項4記載の発明の手段は、請求項3記載の発明において、外筒体へのブラシの組付きを、上端部を外筒体の頂壁下面から垂下設した嵌合筒片に、下方への抜け出し不能に、上下動可能に、かつ回動不能に組付き、下端部にブラシを組付き固定する、細筒状の軸筒材を用いて達成する構成とすること、にある。
【0023】
請求項4の上記構成は、ブラシを外筒体に上下動可能に、外筒体内から下方に突き出させて組付ける手段であり、ブラシの外筒体への組付き固定を容易に実施することが可能であり、また必要に応じてブラシを交換することもできる。
【0024】
請求項5記載の発明の手段は、請求項1または2記載の発明において、ブラシを外筒体に組付き固定すること、収納本体内に昇降可能に、かつ上方への抜け出し不能に挿入組付けられる、化粧料を収納するための有底円筒状の中皿体を設けること、常時、この中皿体を上方へ付勢するスプリングを収納本体内に配置すること、にある。
【0025】
請求項5は、収納部内にスプリングを配置した構成であり、ブラシが外筒体に固定組付きしており、ブラシを安定して使用することができ、またブラシを収納本体に挿入し、収納する動作において、ブラシの先端が、スプリングによる常時上方へ付勢する弾力が作用する中皿体に収納された、化粧料に押圧状態で当接する。
【0026】
請求項6記載の発明の手段は、請求項5の発明において、外筒体へのブラシの組付きを、外筒体の頂壁下面に垂下設され、下端部にブラシを組付き固定する軸筒体で達成する構成とすること、にある。
【0027】
請求項6の上記構成は、ブラシを外筒体に、外筒体内から下方に突き出させて組付き固定する手段であり、ブラシの外筒体への組付き固定を容易に実施することが可能であり、必要に応じてブラシを交換することができ、また外筒体の構成を簡単にすることができ、一体成形も可能となる。
【0028】
請求項7記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4、5、または6の発明において、回動機構を、化粧料を収納本体内に回動不能に収納した状態で、ブラシ部と収納部を螺合により組付けする、外筒体の下端部に設けた外筒螺条と収納本体の上端部に設けた螺条により構成すること、にある。
【0029】
請求項7の上記構成により、螺合によりブラシ部と収納部を組付ける動作により、外筒体と収納本体が相対的に回動するが、ブラシは外筒体に回動不能に組付き、化粧料は収納本体に回動不能に収納されているので、特別な構成要素を追加することなく、ブラシと化粧料との相対的回動が達成される。
【0030】
請求項8記載の発明の手段は、請求項5または6において、回動機構を、収納本体の胴部の内面に刻設した複数の螺溝と、中皿体の外周面に突設した螺溝に螺合させる螺合ピンとから構成とすること、にある。
【0031】
請求項8記載の発明の手段は、収納部内にスプリングを配置した状態で用いられるが、ブラシを収納本体に挿入、収納する動作においは、まずブラシの先端が、スプリングにより弾接保持されて収納本体の上部に位置する中皿体に収納された化粧料に押圧状態で当接し、さらなる挿入の進展においては中皿体が、収納本体内で下方に降下するが、この際、収納本体の螺溝に沿って、中皿体の螺合ピンが下降するので、中皿体が収納本体に対して相対回動する。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しながら説明する。
図1ないし図4は、本発明の第1実施例を示すもので、本実施例はブラシ部1と収納部41からなり、ブラシ部1は外筒体2、摺動部11、カバー筒14、軸筒材25、ブラシ体31、スプリングSの部材から構成される(図1参照)。
【0033】
外筒体2は有頂円筒状であり、内周面の下端部に後述する収納本体43の口部42に外嵌して、螺合するための外筒螺条4aが刻設されており、頂壁20の下面には、後述する軸筒材25の上端部を下方への抜け出し不能に、かつ上下動可能に、そして回動不能に組付ける内筒片21aと外筒片21bからなる2重円筒状の嵌合筒片21を垂下設している。
【0034】
また、内筒片21aの外周面の軸心に対して対向する位置の2箇所に、後述する軸筒材25のガイド縦溝25aに嵌入するガイド縦条22が付設されており、外筒片21b内周面上端には、軸筒材25の下方への抜け出しを不能とする係止周条23を周設している。
【0035】
摺動部11は、たとえば硬質性樹脂等の弾性的な性質を有した材料から形成され、略外筒体2に内接する外径を有した円筒状の円筒体片12の上端面から、この上端面の円周状に沿って複数の上端部に外鍔状の凸片13aを設けた短冊状の摺動片13を斜め上方外側方向に起立設した構成であり、内周面の略中央部高さの位置に、後述するカバー筒14の上端面が当接する嵌合段差12aを設けている(図4参照)。
【0036】
カバー筒14は、円筒状であり、略後述するブラシ体31の柄33の部分に外接する内径を有し、上端部を摺動部11の円筒体片12の下部に嵌入して組付き固定する構成である。
【0037】
軸筒材25は、細い円筒状であり、上端部内周面にはガイド縦条22と嵌合するガイド縦溝25aを2箇所に刻設し、上端部から外鍔状に外筒片21bの係止周条23と係止する軸筒材係止片25bを付設し、下端部にはブラシ体31の固定部34が螺合組付きされる。
【0038】
また、軸筒材25の下端面から外鍔状の当接片26aを介して、スプリングSの先端部に外嵌し、スプリングSの位置を一定に保持するためのスプリング保持筒片26bを立設しており、下端部にブラシ体31の固定部34を螺合組付きした状態で、当接片26aの上面にスプリングSの先端が当接し、下面にブラシ体31の柄33の上面が当接する構成としている。
【0039】
ブラシ体31は、ブラシ32と、その一端を収束固定し、カバー筒14に略内接する外径の円柱状の柄33と、その上部に立設された、軸筒材25の下端部に螺合組付き固定される固定部34とから形成される。
【0040】
上記部材から構成されるブラシ部1の組み立て状態を説明する。
カバー筒14の上端部を、円筒体片12の下部に嵌入し、その上端面を円筒体片12の嵌合段差12aに当接させた状態で組付け固定した摺動部11を、外筒体2の下部開口部から挿入するが、外筒体2の上端まで挿入した状態で、外筒体2の下端面からカバー筒14の下端部が、手の指で摘める程度突き出るような構成としている。
【0041】
摺動部11の摺動片13は、その上端部が内側に弾性変形した状態で外筒体2内に挿入されており、この摺動片13の弾力により、摺動片13の先端部の凸片13aが外筒体2の内周面に弾接し、摺動部11は妄りに変位することなくその位置に止まるが、カバー筒14の下端部を指で摘んで昇降させることが可能な状態にあり、カバー筒14を外筒体2内から引き出すことにより、ブラシ体31のブラシ32を収束しながら、このカバー筒14内に収納する。
【0042】
軸筒材25は、2重円筒状の嵌合筒片21の内、外筒片21a,21bの間隙にその上端部を嵌入し、軸筒材係止片25bと係止周条23の係止により下方への抜け出し不能に、ガイド縦溝25aとガイド縦条22により上下動可能かつ回動不能に、外筒体2に組付けられている。
【0043】
また、軸筒材25の下端部には、ブラシ体31の固定部34が、ブラシ32と柄33の下部が、外筒体2の下部開口部から下方にむけて突き出る位置になるように、螺合組付けされている。
【0044】
スプリングSは、その上端部を外筒体2の外筒片21bに外嵌し、その下端部を軸筒材25のスプリング保持筒片26bに嵌入して、その姿勢、位置を保持しながら、基端を外筒体2の頂壁20の下面に当接させ、先端を当接片26aに当接し、ブラシ体31に、常時、下方への弾力を作用させている。
【0045】
収納部41は、底部43b、胴部43a、口部42からなる有底円筒状の収納本体43が主たる部材であり、口部42の外周面にはブラシ部1の外筒体2の下端部と螺合組付きする螺条42aが形成され、胴部43a内周面には、カバー筒14の下端面に当接する段差状のアゴ部43a1が周設されている(図2(b)参照)。
【0046】
本実施例では、底部43bは、胴部43aから螺合、螺脱により着脱可能な有底円筒状の底皿体51とし、底皿体51には化粧料46が収納されており、底の上面の形状、また化粧料の収納形状はブラシ32の形状に合わせて設定するが、通常半球状に下方に膨出した形状である。
【0047】
つぎに、本実施例のブラシ化粧品容器の使用の状態を説明する。
通常、ブラシ部1と収納部41を螺合組み付けした状態で保管し、ブラシ部1を収納本体43から取り外してメーキャップに使用するが、ブラシ部1を取り外した状態では、カバー筒14はその大部分が外筒体2内に後退した状態であり、そのまま使用することができる(図1参照)。
【0048】
ブラシ部1を収納本体43に組付け収納する際には、カバー筒14の外筒体2の下端面から突き出た部分を指で掴み引き出すことにより、ブラシ32を収束しながらカバー筒14内に収納して、ブラシ体31を収納本体43の上部開口部から挿入するが、ブラシ32が、カバー筒14内に収納されているので、このブラシ32の毛先が収納本体43(口部42)の上端面に引っかかる問題もなく、スムーズに操作することができる(図2参照)。
【0049】
次に、外筒体2を手で掴持しながら、ブラシ体31を収納本体43内に挿入していくと、カバー筒14の下端面が、収納本体43の胴部43a内周面に周設したアゴ部43a1に当接し、この当接により、さらなる挿入においてはカバー筒19は外筒体2内に後退し、ブラシ32が繰り出される。
【0050】
さらに、外筒体2の下端部の外筒螺条4aと、口部42の螺条42aとを螺合してブラシ部1と収納部41を組付けるが、本実施例では、外筒螺条4aと螺条42aにより回動機構Kが構成されており、この螺合組付け操作により、回動機構Kの作用が発揮され、ブラシ32が化粧料46に対して相対的に回動する。
【0051】
上記のように、ブラシ32が回動した状態で、さらに螺合組付けを進めると、ブラシ32の先端部が底皿体51に収納された化粧料46に当接するが、ブラシ32にはスプリングSによる弾力が作用しているので、ブラシ32は押圧状態で化粧料46に接触する(図3参照)。
【0052】
化粧料46への当接後、さらに螺合を進めると、ブラシ体31が外筒体2内に後退しながら、引き続きブラシ32の先端が回動しながら、かつ押圧状態で化粧料46に当接するので、この擦り付けにより化粧に必要とされるだけの量の化粧料46が確実にブラシ32の先端に付着し、次の使用に備えることができる。
【0053】
使用に従って化粧料46は徐々に減っていくが、ブラシ体31が外筒体2に上下動可能に組付けられているので、ブラシ32の先端の化粧料46への押圧状態は、常時維持される。
【0054】
化粧料46を使い切った場合、または異なる色合いの化粧料46を使用したい場合には、底皿体51を取り外すことにより、容易に化粧料46の補充,交換等ができる。なお、ここで底皿体51を透明な材料で形成しておけば、外部から容易に化粧料46の残量および色合いを確認することができ利便性が高くなる。
【0055】
また、ブラシ体31の固定部34を、軸筒材25の下端部に螺合組付けする構成であり、必要に応じてブラシ体31も容易に交換することができ、大部分を繰り返しあるいは共用して使用することができ、底皿体51、ブラシ体31等の部分のみ交換して使用することができる。
【0056】
図5ないし図8に、本発明のブラシ化粧品容器の第2実施例を示す。本実施例は、スプリングSを収納本体43に配置した例であり、ブラシ部1と収納部41からなり、ブラシ部1は外筒体2、摺動部11、カバー筒14、ブラシ体31の部材から構成されるが、このうち摺動部11、カバー筒14、ブラシ体31は第1実施例と同様である(図5参照)。
【0057】
外筒体2は、有頂円筒状であり、頂壁20の下面から下端部に、ブラシ体31の固定部34が螺合組付きする細筒状の軸筒体28を垂下設しており、また下端部の外周面には、収納部41の口部42と組付き固定するための組付き段差4cおよび外筒周条4bが形成されている。
【0058】
第1実施例と同様に、カバー筒14の上端部を、円筒体片12の下部に嵌入した状態で、摺動部11を外筒体2内に挿入組付け、軸筒体28の下端部にブラシ体31の固定部34を螺合組付けし、この状態でブラシ体31の柄33の下部およびブラシ32が、外筒体2の下端面から突き出た構成であり、ブラシ体31が軸筒体28を介して外筒体2に組付き固定されるので、安定した状態でブラシを使用することができる。
【0059】
また、摺動部11を、外筒体2の上端まで挿入した状態で、外筒体2の下端からカバー筒14の下端部が、手の指で摘める程度まで突き出るような構成としている。
【0060】
次に、収納部41の説明をする(図6(b)参照)。
収納部41は、収納本体43、中皿体48、スプリングSの部材から構成される。
【0061】
収納本体43は、有底円筒形状であり、底部43b、胴部43a、口部42から構成され、口部42の内周面には、ブラシ部1の外筒体2の下端部外周面の外筒周条4bに乗り越え係止する周条42bが形成され、胴部43aの上部内周面には、カバー筒14の下端面に当接する段差状のアゴ部431aと、また後述する中皿体48の上端面に当接し、上方への突き抜けを不能とするための本体段差44が周設され、さらに複数の螺溝45bを刻設している。
【0062】
本実施例では、底部43bは、胴部43aから螺合、螺脱により着脱可能な底蓋52を設けた構成としており、有底短円筒状で、底壁の上面には、後述するスプリングSの起立状態、起立位置を保持するための支持筒53を立設している。
【0063】
中皿体48は、有底円筒状であり、筒壁を垂下延長した部分の外周面下端部には、収納本体43の胴部43aの螺溝45bに螺合する複数の螺合ピン48bが等間隔に付設されており(図8参照)、底壁の下面には、後述するスプリングSの上端部に嵌入して、スプリングSの起立状態、起立位置を保持するための支持筒片48aを垂下設している。
【0064】
中皿体48の底壁上面には、化粧料46が収納されているが、底の形状、また化粧料46の収納形状は、ブラシの形状に合わせて設定するが、通常、上面が半球状に下方に陥没した形状である。
【0065】
上記部材から構成される、収納部41の組み立て状態を説明する。
底蓋52を外した状態で、螺溝45bに螺合ピン48bを合わせながら、スプリングSの上端部に、支持筒片48aを嵌入した状態で、中皿体48を収納本体43の下部開口部から胴部43a内に挿入し、スプリングSの下部を支持筒53に嵌入しながら、底蓋52を収納本体43の下部開口部に螺合組付け固定する。
【0066】
上記組み立て状態において、中皿体48は、上端面を本体段差44に当接し、螺合ピン48bが螺溝45bに沿っての昇降自在に、またスプリングSによる上方への押圧の状態で、収納本体43内で位置し、この状態で螺溝45bと螺合ピン48bにより回動機構Kが構成される。
【0067】
つぎに、本実施例のブラシ化粧品容器のブラシ部1の収納部41への収納時の状態を説明する。
外筒体2を手で掴持しながら、ブラシ体31を収納本体43内に挿入していくと、カバー筒14の下端面が、収納本体43の上部に位置する口部42の内周面に周設したアゴ部42cに当接し、この当接により、さらなる挿入においてはカバー筒14は、外筒体2内に後退し、ブラシ32が繰り出される。
【0068】
この状態で、さらに挿入を進めると、ブラシ32の先端部が化粧料46に当接し、さらにスプリングSによる押圧作用を受けながら、中皿体48を下方に押し込むが、この際、回動機構Kの作用が発揮され、ブラシ32が化粧料46に対して相対的な回動状態となり、手による回動操作が不要である(図7参照)。
【0069】
すなわち、ブラシ32の先端部が、押圧状態でかつ相対的に回動しながら化粧料46に当接し、この擦り付けにより、必要とされるだけの量の化粧料46を確実にブラシ32の先端に付着させ、次の使用に備えることができる。
【0070】
使用に従って化粧料46は徐々に減っていくが、化粧料46が減っても中皿体48は、常にスプリングSにより弾接保持されているので、化粧料46のブラシ32の先端への押圧状態は維持されることになる。
【0071】
回動機構Kとして、第1実施例では螺合組付けの構成を、また第2実施例では螺溝45bと螺合ピン48bとからなる構成を採用しているが、他にも、例えば外筒体2の下端部と口部42を回動自在に組付けたり、底蓋52を回動自在に胴部43aに組付けることにより回動機能Kを構成し、その作用を発揮させることができる。
【0072】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、手でカバー筒引き出し、容易にブラシに外装することができるので、ブラシの毛先が収納本体の上端面に引っ掛かる等の問題もなく、ブラシの収納部への挿入、収納をスムーズに実施することができる。
【0073】
ブラシ部の収納本体への挿入、収納操作により、ブラシ先端が化粧料に相対的に回動しながら、かつスプリングによる押圧状態で化粧料に接触し、この擦り付けにより、化粧に必要とされるだけの量の化粧料を確実にブラシ先端に付着させることができる。
【0074】
以上の効果により、請求項1の発明は、ブラシの筒状の化粧料収納本体への挿入操作、化粧料のブラシへの擦り付け操作が容易にかつ確実にでき、利便性に優れたブラシ化粧品容器を提供するものである。
【0075】
請求項2記載の発明は、摺動部の構造を、斜め上方外側方向に起立設した複数の、弾性変形可能な摺動片を有するものとしているので、簡単な構造で、かつ容易に弾力の設定をすることができ、これによりカバー筒の操作しやすい摺動抵抗を得ることができる。
【0076】
請求項3記載の発明は、ブラシ部にスプリングを配置した構成であり、収納部は簡単な形状にすることが可能であり、補充あるいは他の色合いの化粧料を収納した収納本体をいくつか用意して使用することもでき、ブラシ部は繰り返し使用することができるので経済的である。
【0077】
請求項4記載の発明は、ブラシを、外筒体に上下動可能に組付いた軸筒材に組付ける構成であり、ブラシの組付き固定を容易に実施することができ、必要に応じてブラシを交換することもできる。
【0078】
請求項5記載の発明は、収納部内にスプリングを配置した構成であり、ブラシは外筒体に安定的に組付き固定しており、これによりブラシを安定した状態で使用することができる。
【0079】
請求項6記載の発明は、ブラシを軸筒体に組付き固定する構成であり、組付き固定を容易に実施することができ、必要に応じてブラシを交換することができ、また外筒体の構成を簡単にすることができ一体成形が可能となる。
【0080】
請求項7記載の発明は、特別な構成要素を追加することなく、ブラシ部と収納部との螺合組付け動作を利用して、ブラシと化粧料の相対的な回動を達成することができる。
【0081】
請求項8記載の発明は、ブラシを収納部に挿入するだけで、ブラシと化粧料の回動が達成でき、手による回動操作は不要であり利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のブラシ部を示す、半縦断面図。
【図2】本発明の第1実施例の分解図で、ブラシをカバー筒で外装した状態でのブラシ部と収納部を半縦断面で示した、分解図。
【図3】図2のブラシ部を収納部に挿入、収納した状態を示した、半縦断面図。
【図4】本発明の第1実施例の摺動部を示す、斜視図。
【図5】本発明の第2実施例のブラシ部を示す、半縦断面図。
【図6】本発明の第2実施例の分解図で、ブラシをカバー筒で外装した状態でのブラシ部と収納部を半縦断面で示した、分解図。
【図7】図2のブラシ部を収納部に挿入、収納した状態を示した、半縦断面図。
【図8】本発明の第2実施例の、収納部の中皿体および胴部の分解図
【符号の説明】
1 ; ブラシ部
2 ; 外筒体
4a ; 外筒螺条
4b ; 外筒周条
4c ; 組付き段差
11 ; 摺動部
12 ; 円筒体片
12a ; 嵌合段差
13 ; 摺動片
13a ; 凸片
14 ; カバー筒
20 ; 頂壁
21 ; 嵌合筒片
21a ; 内筒片
21b ; 外筒片
22 ; ガイド縦条
23 ; 係止周条
25 ; 軸筒材
25a ; ガイド縦溝
25b ; 軸筒材係止片
26a ; 当接片
26b ; スプリング保持筒片
28 ; 軸筒体
31 ; ブラシ体
32 ; ブラシ
33 ; 柄
34 ; 固定部
K ; 回動機構
S ; スプリング
41 ; 収納部
42 ; 口部
42a ; 螺条
42b ; 周条
43 ; 収納本体
43a ; 胴部
43a1 ; アゴ部
43b ; 底部
44 ; 本体段差
45b ; 螺溝
46 ; 化粧料
48 ; 中皿体
48a ; 支持筒片
48b ; 螺合ピン
51 ; 底皿体
52 ; 底蓋
53 ;支持筒

Claims (8)

  1. ブラシ(32)と、該ブラシ(32)を下方に突き出させて回動不能に組付けた有頂円筒状の外筒体(2)と、該外筒体(2)に、下方への抜け出し不能に、かつ上下動可能に、そして弾接した状態で内接する摺動部(11)と、該摺動部(11)の下端部に組付き固定する円筒状のカバー筒(14)とを有し、手による前記カバー筒(14)の外筒体(2)に対する昇降操作を可能にして、前記カバー筒(14)によるブラシ(32)の収束した状態での外装を可能に構成したブラシ部(1)と、内周面に前記カバー筒(14)の下端面が当接するアゴ部(43a1)を周設した、有底円筒状の収納本体(43)の内部に化粧料(46)を収納する収納部(41)と、前記ブラシ(32)を化粧料(46)に対して相対的に回動させる回動機構(K)と、スプリング(S)と、からなり、前記ブラシ(32)を、前記カバー筒(14)で外装した状態で収納本体(43)の上部開口部から挿入し、該収納本体(43)内に収納可能な構成とし、該挿入操作および収納操作において、前記カバー筒(14)を、該カバー筒(14)下端面のアゴ部(43a1)への当接により、前記外筒体(2)内へ後退させながら、前記回動機構(K)による回動状態で、かつ前記スプリング(S)による押圧状態で、前記ブラシ(32)を化粧料(46)に当接させる構成とした、ブラシ化粧品容器。
  2. 摺動部(11)を、外筒体(2)に略内接する円筒状の円筒体片(12)の上端面から、該上端面の円周上に沿って複数の、弾性変形可能な短冊状の摺動片(13)を斜め上方外側方向に起立設した構成とした、請求項1記載のブラシ化粧品容器
  3. ブラシ(32)を上下動可能に外筒体(2)に組付け、常時、ブラシ(32)を下方へ付勢するスプリング(S)をブラシ部(1)内に配置した、請求項1または2記載のブラシ化粧品容器
  4. 外筒体(2)へのブラシ(32)の組付きを、上端部を外筒体(2)の頂壁(20)下面から垂下設した嵌合筒片(21)に、下方への抜け出し不能に、上下動可能に、かつ回動不能に組付きし、下端部に前記ブラシ(32)を組付き固定する、細筒状の軸筒材(25)を用いて達成する構成とした、請求項3記載のブラシ化粧品容器。
  5. ブラシ(32)を外筒体(2)に組付き固定し、収納本体(43)内に昇降可能に、上方への抜け出し不能に挿入組付けられる、化粧料(46)を収納するための有底円筒状の中皿体(48)を設け、常時、該中皿体(48)を上方へ付勢するスプリング(S)を収納本体(43)内に配置した、請求項1または2記載のブラシ化粧品容器
  6. 外筒体(2)へのブラシ(32)の組付きを、外筒体(2)の頂壁(20)下面に垂下設され、下端部にブラシ(32)を組付き固定する軸筒体(25)で達成する構成とした、請求項5記載のブラシ化粧品容器。
  7. 回動機構(K)を、化粧料(46)を収納本体(43)内に回動不能に収納した状態で、ブラシ部(1)と収納部(41)を螺合により組付けする、外筒体(2)の下端部に設けた外筒螺条(4a)と収納本体(43)の上端部に設けた螺条(42a)により構成した、請求項1、2、3、4、5、または6記載のブラシ化粧品容器。
  8. 回動機構(K)を、収納本体(43)の胴部(43a)の内面に刻設した複数の螺溝(45b)と、中皿体(48)の外周面に突設した、前記螺溝(45b)に螺合する螺合ピン(48b)とにより構成とした、請求項5または6記載のブラシ化粧品容器。
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