JP4003430B2 - ラックピニオン式ステアリング装置用のラックガイドの製造方法 - Google Patents

ラックピニオン式ステアリング装置用のラックガイドの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車等のラックピニオン式ステアリング装置において、特に、ラックバーを摺動自在に支持するラックガイドの製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
図10に示すラックピニオン式ステアリング装置1は、ステアリング操作により回転されるように、ケーシング2内に軸受3及び4を介して回転自在に配されたピニオン5と、ピニオン5と噛合ったラック歯6を有すると共にピニオン5の回転により紙面に直交する方向に移動されるように移動自在なラックバー7と、ラックバー7の移動を案内するように、ケーシング2内の横方向(ラックバー7の移動方向と直交する方向)に伸びる孔8に移動自在に配されて、ラックバー7を摺動自在に支持するラックガイド9と、ケーシング2及びラックガイド9間に配されて、ラックバー7のラック歯6をピニオン5に弾性的に押圧させるようにラックガイド9を弾性的に付勢するコイルばね10とを具備してなる。
【0003】
上述のようなラックピニオン式ステアリング装置1におけるラックガイド9は、一般に、焼結金属または合成樹脂等からなるが、焼結金属からなるラックガイド9は、衝撃荷重に対しては十分な機械的強度を有する反面、ラックバー7の摺動においては摺動摩擦抵抗が大きく、ステアリング系の効率を低下させ、操縦性に問題を残している。一方、合成樹脂からなるラックガイドは、ラックバー7との摺動においては摺動摩擦抵抗の低減を図ることができるが、衝撃荷重に対する機械的強度に劣ること、成形収縮等による寸法のバラツキを生じ、寸法精度よく成形し難く、かつ成形後の寸法精度を維持し難いこと、更にはケーシング2内に組込まれた後、ラックピニオン式ステアリング装置1の温度上昇による温度の影響を受けて熱膨張、収縮をきたし、熱変形、クリープ等を生じてラックバー7を円滑に摺動自在に支持し難いこと、などの問題がある。
【0004】
そして、ラックバー7の移動を案内するラックガイド9は、その円筒状の外周面11で孔8を規定するケーシング2の内周面12に摺動自在に接触して孔8に配されており、これによりラックバー7の移動方向と直交する方向であってコイルばね10に伸縮を生じさせる方向のラックガイド9の移動がケーシング2によって案内されるようになっているのであるが、この移動で内周面12に対する外周面11の摺動が滑らかになされないと、換言すれば、ラックガイド9がケーシング2によって滑らかに移動案内されないと、内周面12への外周面11の衝突、ピニオン5へのラック歯6の衝突が生じて不快な異音が発生し、またステアリング操作を滑らかに行い得なくなる虞がある。
【0005】
本発明は、前記諸点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軽量化及び低廉化を図ることができる上に、機械的強度が高く、ラックバーの摺動においても摺動摩擦抵抗の低減を図ることができ、加えて温度による悪影響を低減し得、更に、ケーシングに滑らかに移動案内されて異音発生の原因をなくし得、しかも、ステアリング操作を滑らかに行い得るラックピニオン式ステアリング装置用のラックガイドの製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様のラックピニオン式ステアリング装置用のラックガイドの製造方法は、金属製の裏金層とこの裏金層に焼成された多孔質焼結金属層とこの多孔質焼結金属層に部分的に含浸されていると共に多孔質焼結金属層を被覆した合成樹脂層とを有する板状部材に深絞り加工を施して、外側に合成樹脂層が配されていると共に、ラックバーの背面に対応する凹状面を有した頂面部とこの頂面部から一体的に伸びた円筒部とこの円筒部から一体的に伸びていると共に徐々に拡径したスカート部とを具備したラックガイド素体を形成する工程と、このラックガイド素体の円筒部の外径と実質的に等しい径をもった円筒内周面によって規定される円筒状の中空部を有すると共にこの中空部の開口端に円筒内周面に連続して徐々に拡径する径をもった曲面を有した金型を準備する工程と、ラックガイド素体の円筒部の外径と実質的に等しい径の円筒外周面をもったパンチを準備する工程と、金型の中空部にラックガイド素体の頂面部と円筒部とをスカート部を残して挿入する工程と、パンチをその円筒外周面と金型の円筒内周面とが同心となるように配置すると共に軸方向に移動させてパンチの先端の円筒外周面の環状の角縁と金型の曲面とでスカート部を挟んでスカート部に剪断力を付与して円筒部からスカート部を切り離して、凹状面を有した頂面部とこの頂面部から一体的に伸びた円筒部とを具備した中空のラックガイド本体を得る工程とを具備している。
【0007】
第一の態様の製造方法によれば、パンチの先端の円筒外周面の環状の角縁と金型の曲面とでスカート部を挟んでスカート部に剪断力を付与して円筒部からスカート部を切り離す工程を具備しているために、スカート部の切り離し後の円筒部の端面近傍にはバリが生じなく、ケーシングに対する滑らかな移動案内を確保できるラックガイドを得ることができる。
【0008】
そして、第一の態様の製造方法で製造されたラックガイドによれば、全体が裏金層と多孔質焼結金属層と合成樹脂層との少なくとも三層を有した板状部材から合成樹脂層を外側にして一体成形されたものであるために、軽量化及び低廉化を図ることができる上に機械的強度が高く、ラックバーの摺動においても摺動摩擦抵抗の低減を図ることができ、加えて温度による悪影響を低減し得、更に、自己潤滑性を有する合成樹脂層の露出面で円筒部の外周面が構成されるために、ケーシングに滑らかに移動案内されて異音発生の原因をなくし得、しかも、円筒部の端面近傍でバリのないようにされているために、ケーシングに対する滑らかな移動案内が保証されるようになって、ステアリング操作を滑らかに行い得る。
【0009】
本発明の第二の態様の製造方法では、第一の態様の製造方法において、ラックガイド素体を形成する工程は、円弧凹面状に湾曲した外面を有するスカート部を具備したラックガイド素体を形成するようになっており、金型を準備する工程は、曲面がスカート部の外面の曲率半径よりも小さい曲率半径を有した円弧面からなる金型を準備するようになっている。
【0010】
本発明の第三の態様の製造方法では、第一の態様の製造方法において、ラックガイド素体を形成する工程は、曲率半径が円筒部の厚みと実質的に等しいか又は円筒部の厚みよりも大きい円弧凹面状に湾曲した外面を有するスカート部を具備したラックガイド素体を形成するようになっており、金型を準備する工程は、曲面が円筒部の厚みの半分と実質的に等しいか又は円筒部の厚みの半分より小さい曲率半径を有した円弧面からなる金型を準備するようになっている。
【0011】
第三の態様の製造方法において、より好ましくは、ラックガイド素体を形成する工程は、曲率半径が円筒部の厚みと実質的に等しい円弧凹面状に湾曲した外面を具備したスカート部を有したラックガイド素体を形成するようになっており、金型を準備する工程は、曲面が円筒部の厚みの半分と実質的に等しい曲率半径を有した円弧面からなる金型を準備するようになっている。
【0012】
本発明の第四の態様の製造方法では、第一から第三のいずれかの態様の製造方法において、パンチを準備する工程は、パンチの先端の円筒外周面の環状の角縁が実質的に直角となっているパンチを準備するようになっている。
【0013】
第二から第四の態様の製造方法において、円弧状に湾曲した外面又は曲率半径が円筒部の厚みと実質的に等しいか若しくは円筒部の厚みよりも大きい円弧凹面状に湾曲した外面を有したスカート部を具備したラックガイド素体を形成し、このスカート部の円弧凹面状に湾曲した外面の部位で当該スカート部を、スカート部の外面の曲率半径よりも小さい曲率半径を有した円弧面からなる金型の曲面又は円筒部の厚みの半分と実質的に等しいか若しくは円筒部の厚みの半分より小さい曲率半径を有した円弧面からなる金型の曲面とパンチの先端の円筒外周面の環状の角縁とで挟んでスカート部に剪断力を付与して円筒部からスカート部を切り離すために、スカート部の切り離し後の円筒部の端面近傍でのバリの発生を更に確実になくし得る。
【0014】
本発明の製造方法は、好ましくは、その第五の態様の製造方法にように、先端の円筒外周面の角縁が金型の円筒内周面と曲面との境界部を超えないようにして、当該境界部に至るまでパンチを軸方向に移動させる工程を具備しているが、本発明はこれに限定されず、本発明の第六の態様の製造方法のように、先端の円筒外周面の角縁が金型の円筒内周面と曲面との境界部を超えてパンチを軸方向に移動させる工程を具備していてもよい。
【0015】
本発明の第七の態様の製造方法では、第一から第六のいずれかの態様の製造方法において、中空のラックガイド本体内に、当該ラックガイド本体を補強する補強体を嵌合する工程を具備している。
【0016】
第七の態様の製造方法によれば、ラックガイド本体を補強する補強体を中空のラックガイド本体内に嵌合するために、機械的強度を更に高めたラックガイドを得ることができる。
【0017】
なお、補強体としては、アルミニウム又は合成樹脂から一体成形されたものであってもよい。
【0018】
上記の各態様の製造方法において、合成樹脂層を形成する合成樹脂としては、自己潤滑性、耐摩耗性に優れた合成樹脂、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレン樹脂若しくはポリアセタール樹脂又はこれに潤滑油剤を含有した含油ポリアセタール樹脂を用いる。
【0019】
また上記の各態様の製造方法において金属製の裏金層としては、鋼薄板、好ましくは、冷間圧延鋼板(SPCC、SPCD、SPCE、SPCU:JIS G3141)などを用い、その厚さとしては0.60mmから3.20mmのものを、好ましくは0.60mmから2.60mmのものを、更に好ましくは0.60mmから1.60mmのものを用いる。
【0020】
更に上記の各態様の製造方法において多孔質焼結金属層としては、好ましくは銅粉を金属製の裏金層の一方の面に焼結したものを挙げることができるが、その他の金属粉を金属製の裏金層の一方の面に焼結したものであってもよい。多孔質焼結金属層の層厚としては、おおよそ0.01mmから0.07mm程度のもの、好ましくは0.20mmから0.04mm程度のものを挙げることができる。
【0021】
なお、板状部材としては、裏金層、多孔質焼結金属層及び合成樹脂層の三層にに加えて、裏金層において多孔質焼結金属層が形成される面とは反対の面(裏面)に数μmmないし十数μmm厚の防錆用のめっき層を具備したものであってもよい。斯かるめっき層は成形後のラックガイド本体に形成してもよい。
【0022】
本発明による上記のいずれかの態様で製造されたラックガイドを用いるラックピニオン式ステアリング装置は、円筒状の内周面を有したケーシングと、ステアリング操作により回転されるように、ケーシング内に回転自在に配されたピニオンと、このピニオンの回転により移動されるようにピニオンと噛合ったラック歯を有する移動自在なラックバーと、ケーシング内に配された弾性手段とを具備しており、ここで、ラックガイドは、ケーシング内でラックバーの移動を案内するようにラックバーを、当該ラックバーの背面に対応する凹状面を有した頂面部で摺動自在に支持すると共に、ケーシングの円筒状の内周面により案内移動されるように当該ケーシング内に配されており且つ弾性押圧手段に付勢されてラックバーをピニオンに弾性的に押圧するようになっており、ラックガイド本体の円筒部は、ケーシングの円筒状の内周面に摺動自在に接触している。
【0023】
斯かるラックピニオン式ステアリング装置によれば、全体が裏金層と多孔質焼結金属層と合成樹脂層との少なくとも三層を有した板状部材から合成樹脂層を外側にして一体成形されたラックガイド本体を有したラックガイドを具備しているために、ラックバーの摺動において摺動摩擦抵抗の低減を図ることができ、加えて温度による悪影響を低減し得、更に、自己潤滑性を有する合成樹脂層の露出面で円筒部の外周面が構成されている上に、円筒部の端面近傍がバリのないようにされているために、ラックガイドがケーシングに滑らかに移動案内される結果、異音が発生することがなく、しかも、ステアリング操作を滑らかに行い得る。
【0024】
なお、本発明のラックピニオン式ステアリング装置に用いる弾性手段としては、コイルばねを具備したものを好ましい例として挙げることができるが、その他のばね、皿ばね又は皿ばねを複数個重ね合わせたものであってもよい。
【0025】
次に、本発明及びその実施の形態を図に示す好ましい例に基づいて更に詳細に説明する。尚、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1に示す本例のラックガイド21は、図10に示すラックピニオン式ステアリング装置1におけるラックガイド9に代えて用いるようにしたものであって、図2及び図3に示すような、金属製の裏金層22と裏金層22の一方の面に焼成された多孔質焼結金属層23と多孔質焼結金属層23に部分的に含浸されていると共に多孔質焼結金属層23を被覆した自己潤滑性を有する合成樹脂層24とを有する板状部材25を、合成樹脂層24を外側にして成形してなる中空のラックガイド本体26と、ラックガイド本体26とは別体であってラックガイド本体26を補強する補強体27(図8参照)とを具備している。
【0027】
本例では、板状部材25は、裏金層22、多孔質焼結金属層23及び合成樹脂層24に加えて、裏金層22の他方の面に形成されたメッキ層28を具備している。斯かるメッキ層28を省いて板状部材25を構成してもよい。
【0028】
ラックガイド本体26は、ラックバー7の背面29に摺動自在に接触する凹状面31を有した頂面部32と、頂面部32から一体的に伸びた円筒部33とを具備している。
【0029】
アルミニウムの一体成形品である補強体27は、ラックガイド本体26の頂面部32の凹状面31に対応する部位の背面にぴったりと接触した頂部35と、頂部35から一体的に延びて形成されていると共に円筒部33の内周面にぴったりと接触した円筒部36とを具備して、ラックガイド本体26内に嵌合されている。
【0030】
斯かるラックガイド21は、図10に示すラックガイド9に代えて、ラックガイド本体26の円筒部33がその円筒状の外周面37でケーシング2の円筒状の内周面12に、ラックガイド本体26の頂面部32がその凹状面31でラックガイド9の背面29に夫々摺動自在に接触してケーシング2内に配され、ラックピニオン式ステアリング装置1に用いられる。
【0031】
ラックピニオン式ステアリング装置1に用いられたラックガイド21によれば、全体が裏金層22と多孔質焼結金属層23と合成樹脂層24との少なくとも三層を有した板状部材25から合成樹脂層24を外側にして一体成形されたものであるために、軽量化及び低廉化を図ることができる上に機械的強度が高く、自己潤滑性を有する合成樹脂層24の露出面で頂面部32の凹状面31が構成されるために、ラックバー7の摺動においても摺動摩擦抵抗の低減を図ることができ、加えて温度による悪影響を低減し得、更に、合成樹脂層24の露出面で円筒部33の外周面37が構成されるために、ケーシング2の円筒状の内周面12に滑らかに移動案内されて異音発生の原因をなくし得、しかも、円筒部33の端面34近傍がバリのないようにされているために、ケーシング2の内周面12に対する滑らかな移動案内が保証されるようになっている。
【0032】
次に、ラックガイド21の製造方法を説明すると、図2及び図3に示す前述の板状部材25を準備し、合成樹脂層24が外側になるようにして板状部材25に図4に示すような一次深絞り加工を施し、更に、一次深絞り加工後、図5に示すような二次深絞り加工を施し、外側に合成樹脂層24が配されていると共に、ラックバー7の背面29に対応する凹状面31を有した頂面部32と、頂面部32から一体的に伸びた円筒部33と、円筒部33から一体的に伸びており且つ徐々に拡径していると共に円筒部33の厚みtよりも十分に大きい、具体的には一例として厚みtの4倍の曲率半径R(=4t)の円弧凹面状に湾曲した外面38を有したスカート部39とを具備したラックガイド素体40を形成する。
【0033】
ラックガイド素体40の形成工程では、最大二回の深絞り加工が好ましく、三回以上の深絞り加工を施すと、合成樹脂層24及び/又は多孔質焼結金属層23に亀裂を生じさせ好ましくなく、一回の深絞り加工では、略均一な厚みを有したラックガイド素体40を形成し難いが、絞り加工を良く制御すれば略均一な厚みを有したラックガイド素体40を得ることができる。
【0034】
一方、ラックガイド素体40の円筒部33の外径Dと嵌入クリアランスを残して実質的に等しい径をもった円筒内周面41によって規定される円筒状の上部の中空部42と中空部42に連続していると共に円筒部33の外径Dよりも若干大きい径をもった円筒内周面43によって規定される円筒状の中間・下部の中空部44とを有し、中空部42の開口端に円筒内周面41に連続して徐々に拡径する径をもった曲面、具体的には本例では、スカート部39の外面38の曲率半径Rよりも小さい曲率半径、好ましくは実質的に円筒部33の厚みtの半分の曲率半径r(=0.5t)を有した円弧面からなる曲面45を有した図6及び図7に示すような金型46を準備する。なお、中空部44を規定する円筒内周面43は、中空部42を規定する円筒内周面41と同径及び同心であってもよい。
【0035】
また斯かる金型46に加えて、ラックガイド素体40の円筒部33の外径Dと実質的に等しい径の円筒外周面51を有すると共に先端の円筒外周面51の環状の角縁52が実質的に直角となっている図6及び図7に示すような円柱状のパンチ53を準備する。
【0036】
次に、図6に示すように、金型46の中空部42及び44にラックガイド素体40の頂面部32と円筒部33とをスカート部39を残して挿入し、パンチ53をその円筒外周面51と金型46の円筒内周面41とが同心となるように配置すると共に軸方向Aにパンチ53を移動させてパンチ53の先端の円筒外周面51の環状の角縁52と金型46の曲面45とで、スカート部39の円弧凹面状に湾曲した外面38の部位でスカート部39を挟んでスカート部39に軸方向の剪断力を付与して図7に示すように円筒部33からスカート部39を切り離して、これによりラックガイド本体26を得る。スカート部39の切り離しに際しては、先端の円筒外周面51の角縁52が円筒内周面41と曲面45との境界部55を超えるようにパンチ53を軸方向Aに移動させてもよいが、境界部55に至るまでパンチ53を軸方向Aに移動させ、それ以上はパンチ53を軸方向Aに移動させない、即ち、境界部55を超えないようにして、当該境界部55に至るまでパンチ53を軸方向Aに移動させるのが好ましい。得られたラックガイド本体26に、別に準備されたアルミニウムで一体成形された補強体27を嵌合してラックガイド21を得る。
【0037】
以上の製造方法によれば、パンチ53の先端の円筒外周面51の環状の角縁52と金型46の曲面45とで、スカート部39の円弧凹面状に湾曲した外面38の部位でスカート部39を挟んでスカート部39に剪断力を付与して円筒部33からスカート部39を切り離すようにしているために、スカート部39の切り離し後の円筒部33の端面34近傍にはバリが生じなく、ケーシング2の内周面12に対する滑らかな移動案内を確保できるラックガイド本体26を有したラックガイド21を製造することができる。
【0038】
上記のラックガイド21では、ラックガイド本体26に、アルミニウムで一体成形された補強体27を嵌合したが、これに代えて、図9に示すように、板厚が例えば1.50mmの鋼板から絞り加工により一体成形された補強体64を、ラックガイド本体26の頂面部32の凹状面31に対応する部位の背面にぴったりとその頂部61を、そしてラックガイド本体26の円筒部33の内面にその円筒部62を夫々接触させてラックガイド本体26内に嵌合してラックガイド21を形成してもよい。
【0039】
【発明の効果】
本発明では、軽量化及び低廉化を図ることができる上に、機械的強度が高く、ラックバーの摺動においても摺動摩擦抵抗の低減を図ることができ、加えて温度による悪影響を低減し得、更に、ケーシングに滑らかに移動案内されて異音発生の原因をなくし得、しかも、ステアリング操作を滑らかに行い得るラックピニオン式ステアリング装置用のラックガイドの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の斜視図である。
【図2】図1に示す例に用いられる板状部材の説明図である。
【図3】図2に示す板状部材の断面図である。
【図4】図1に示す例の製造方法の説明図である。
【図5】図1に示す例の製造方法の説明図である。
【図6】図1に示す例の製造方法の説明図である。
【図7】図6の一部拡大説明図である。
【図8】図1に示す例の断面図である。
【図9】本発明の実施の形態の他の例の断面図である。
【図10】ラックピニオン式ステアリング装置の説明図である。
【符号の説明】
21 ラックガイド
22 裏金層
23 多孔質焼結金属層
24 合成樹脂層
25 板状部材
26 ラックガイド本体

Claims (3)

  1. 金属製の裏金層とこの裏金層に焼成された多孔質焼結金属層とこの多孔質焼結金属層に部分的に含浸されていると共に多孔質焼結金属層を被覆した合成樹脂層とを有する板状部材に深絞り加工を施して、外側に合成樹脂層が配されていると共に、ラックバーの背面に対応する凹状面を有した頂面部とこの頂面部から一体的に伸びた円筒部とこの円筒部から一体的に伸びていると共に徐々に拡径したスカート部とを具備したラックガイド素体を形成する工程と、このラックガイド素体の円筒部の外径と実質的に等しい径をもった円筒内周面によって規定される円筒状の中空部を有すると共にこの中空部の開口端に円筒内周面に連続して徐々に拡径する径をもった曲面を有した金型を準備する工程と、ラックガイド素体の円筒部の外径と実質的に等しい径の円筒外周面をもったパンチを準備する工程と、金型の中空部にラックガイド素体の頂面部と円筒部とをスカート部を残して挿入する工程と、パンチをその円筒外周面と金型の円筒内周面とが同心となるように配置すると共に軸方向に移動させてパンチの先端の円筒外周面の環状の角縁と金型の曲面とでスカート部を挟んでスカート部に剪断力を付与して円筒部からスカート部を切り離して、凹状面を有した頂面部とこの頂面部から一体的に伸びた円筒部とを具備した中空のラックガイド本体を得る工程とを具備しており、ラックガイド素体を形成する工程は、曲率半径が円筒部の厚みと実質的に等しいか又は円筒部の厚みよりも大きい円弧凹面状に湾曲した外面を有するスカート部を具備したラックガイド素体を形成するようになっており、金型を準備する工程は、曲面がスカート部の外面の曲率半径よりも小さいと共に円筒部の厚みの半分と実質的に等しいか又は円筒部の厚みの半分より小さい曲率半径を有した円弧面からなる金型を準備するようになっており、パンチを準備する工程は、パンチの先端の円筒外周面の環状の角縁が実質的に直角となっているパンチを準備するようになっており、中空のラックガイド本体を得る工程は、パンチの先端の円筒外周面の環状の角縁と金型の曲面とで、スカート部の円弧凹面状に湾曲した外面の部位で当該スカート部を挟んでスカート部に剪断力を付与するようになっているラックガイドの製造方法。
  2. 先端の円筒外周面の角縁が金型の円筒内周面と曲面との境界部を超えないようにして、当該境界部に至るまでパンチを軸方向に移動させる工程又は先端の円筒外周面の角縁が金型の円筒内周面と曲面との境界部を超えてパンチを軸方向に移動させる工程を具備している請求項1に記載のラックガイドの製造方法。
  3. 中空のラックガイド本体内に、当該ラックガイド本体を補強する補強体を嵌合する工程を具備している請求項1又は2に記載のラックガイドの製造方法。
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