JP4000579B2 - トラックの荷台構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トラックの荷台構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のトラックでは、雨天時や露天駐車時には荷台にシートを被せて荷物を管理していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、荷台にシートを被せるだけでは、商品又は工具類などの荷物の品質管理及び安全管理が不充分であり、荷物が雨に濡れたり、盗難されやすいという問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、荷物の雨濡れ防止や盗難防止にすぐれ、質の高い安全管理を行えるとともに、使いやすいトラックの荷台構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、トラックの荷台空間の前端側を閉鎖するように立設された前部壁と、荷台空間の後端側閉鎖するように立設された後部壁と、前後方向についての荷台の片側の側面側と天面側を同時に閉鎖するように逆L字状に設けられた荷台ドアであって、左右両側に対向配置されそれぞれの天壁は前後部壁側に延びる長い間隙を形成するように左右に突合せられて分割された構造となっており、案内手段(8,9)を介して前後方向にスライド自在に引き違い移動されてそれぞれ荷台の片側を開閉する複数の荷台ドア1と、荷台ドア1の天壁の各突合せ縁部にそれぞれ設けられた戸車2と、を含み、案内手段は、左右の荷台ドアの天壁間の間隙の直下方位置で雨水を受けるように前後部壁側に延びるように配置され戸車2を框板上に載架支持しつつ上面側を開口させ両側に立ち上がり壁を有した長枠体であって、パッキンを介して間隙から進入する雨水を荷台空間側に進入させない構造を施した框(9)を有し、前後部壁寄り位置にはそれぞれ框板上面側に連通して他端排出口を外部に向けて配置された排水パイプが設けられ、框(9)で受けた雨水を前後に流して排水パイプを介して外部に導出させることを特徴とするトラックの荷台構造から構成される。
【0006】
また、案内手段は、前部壁と後部壁との間に架設されて逆L字状の荷台ドアの天井側を案内する上部側案内レール(9)と、荷台の床上に配置され荷台ドア1の下端側を案内する下部側案内レール(8)と、を含むこととしてもよい。
【0007】
また、案内手段は、それぞれ上部側案内レール並びに下部側案内レールにより荷台ドアを案内しつつそれらの幅方向外側への離脱を防止するドア脱落防止框(8、9)からなることとしてもよい。
【0008】
また、各荷台ドアの下端側にも戸車が取り付けられ、荷台ドアの天面側及び下端側の戸車には、周側面に沿って凹部が形成されており、ドア脱落防止框には、該戸車の凹部を対向位置で挟持するように該戸車と係合する凸条部が設けられたこととしてもよい。
【0009】
また、ドア脱落防止框(8、9)には、それぞれの荷台ドア1の取り付け、取り外し用の戸車落とし口(5、6)が設けられていることとしてもよい。
【0010】
また、前部壁と後部壁はそれぞれ荷台の前端部、後端部に立設されたアングル板材に支持されており、それらの前端部及び後端部アングル板材の上端側は荷台ドアの天井側よりも高く設定され、それらの前端部及び後端部アングル板材の上端突出部分を介して長尺物を載置できるようにしたこととしてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の実施の形態を説明する。図1ないし図9は、本発明のトラックの荷台構造の実施形態を示している。図1ないし図3に示すように、本実施形態において、トラックの荷台構造は、荷台の前端側に立設された前部アングルと、後端側に立設された後部アングルと、案内手段を介して前後方向にスライド自在に引き違い移動されてそれぞれ荷台の片側を開閉する複数の荷台ドア1と、を備えている。
【0012】
本実施形態において、荷台空間は、前後方向に長いボディを床としてその上に形成されている。前部アングルは、図2に示すように、枠材に鉄板等を張り付けてアングルパネルを立設して設けられており、荷台空間の前端側を閉鎖する前部壁を形成している。後部アングルは、図3、図6に示すように、下部側に後部ドアが設けられており、後部ドアを除く部分の前後両面を鉄板でパネルりして、荷台空間の後端側を閉鎖する後部壁を形成している。これらの前部アングルと後部アングルの間には後述する荷台ドア1が配置され、荷台空間の前後面、両側面及び天面を閉鎖するようになっている。前部アングル及び後部アングルの上端側は荷台ドア1の天井側よりも高く設定されている。これらの前部アングル及び後部アングルの上端側突出部分には、長尺物が載置できるようになっており、載置した長尺物と荷台ドアがスライド移動を阻害することなく荷物の出し入れが行える。また、図5に示すように、前部アングル及び後部アングルの対向内側には、荷台ドア1が当接する位置に対応して樋状に雨水を流す雨切12が設けられ、雨漏れを防止する。
【0013】
本実施形態において、荷台ドア1は、図2ないし図5に示すように、前後方向についての荷台の片側の側面側に略鉛直状に立設される側面を有するとともにその側面の上端側を内向き横方向に延設させた天井を有する端面逆L字板状に形成されており、荷台の片側の側面側と天面側を同時に閉鎖する。荷台の片側については、荷台ドアは、荷台の前後方向長さの略半分の前後方向長さ(図1参照)の2枚の荷台ドアを、外側と内側に互いにずれた位置に配置させている。それらが重なりあいながら前後方向にスライド自在に引き違い移動して、荷台の側面側と天面側との一部を同時に開閉するように設けられている。本実施形態では、荷台ドアはL字の端部となる下端側と天井側の縁部をそれぞれ案内手段に案内されながら、各荷台ドアが互いに独立してスライド自在に移動し得る。そして、上記のように片側に引き違い配置させた荷台ドアを荷台の両側に対向配置させて、互いの天井側縁部を近接させながら荷台空間の天面側全体を閉鎖している。すなわち、荷台ドア1は左右両側に対向配置されそれぞれの天壁は前後部壁側に延びる長い間隙を形成するように左右に突合せられて分割された構造となっている。荷台ドア1は、例えば、アルミ材等の軽量でさびにくい金属製材料から形成された逆L字のパネルに、強度を高めるためのコーナー補強材11を取付けて形成されている。さらに、図7に示すように、内側に配置される荷台ドアの天井側の前端縁部には、外側の荷台ドアと重なる部分からの雨水の浸入を防止する水かえし枠が設けられている。荷台ドアの側面側には、図1に示すように、荷台ドアの開閉操作がしやすいように引き手7が設けられている。なお、荷物の盗難防止のために荷台ドアは鍵付きとするとよい。また、荷台ドアの前部または後部アングルと接する前後端部側にはそれぞれゴムパッキンが取付けられている。図5(A)に示すように、外側の荷台ドアには、内側の荷台ドアに接摺するスライドローラが設けられている。また、内側の荷台ドアのL字隅部位置にドア振れ止めが設けられて、荷台ドアの振れを防止している。
【0014】
本実施形態において、案内手段は、荷台ドア1の下端側を案内するドア脱落防止框8と、荷台ドア1の天井側を案内する上部側のドア脱落防止框9と、を含む。図5(A)に示すように、下部側のドア脱落防止框8は、荷台床上横方向両側に配置されて、荷台ドア1を引違い移動可能にその下部側を案内する2段の案内レールを有するとともに、荷台ドア1の横幅方向外側への離脱を防止する。本実施形態では、ドア脱落防止框8は、荷台ドアに取付けられた戸車2が横幅方向へ移動するのを規制する。これによって戸車2が離脱するのを防止しつつ該戸車2を前後方向へ円滑にスライド案内し得る。具体的には、ドア脱落防止框8には、荷台ドア1の下端側から横方向に回転軸をもつ戸車2に形成された凹部と噛合い状に係合する凸部が設けられており、離脱防止とレール枠を兼用している。ドア脱落防止框8は、図5のようなボディ上に突設された構成により側面外部側から内側へ雨水が入るのを防止し得る。なお、ドア脱落防止框8の両端は、図5(B)に示すような小口パネルとゴムパッキン等が固着され水漏れを防止している。
【0015】
一方、上部側のドア脱落防止框9は、本実施形態では、図4(A)に示すように、一つの構成体で両側の荷台ドアの天井側の縁部側をそれぞれ案内するように設けられている。ドア脱落防止框9は、左右の荷台ドア1の天壁間の間隙の直下方位置で雨水を受けるように前部アングルと後部アングルとの間で荷台の横幅方向中央位置である程度の高さで架設され上面側を開口させ両側に立ち上がり壁を有した長枠体であり、戸車2を框板上に載架支持しつつ荷台ドア1を引違い移動可能にその天井側を案内する2段の案内レールを有するとともに、荷台ドア1の横幅方向外側への離脱を防止する。ドア脱落防止框9の両端側は、図6に示すような框受け金具10を介して前部アングル及び後部アングルに接続固定されている。ドア脱落防止框9は、下部側のドア脱落防止框8と同様に、荷台ドア1に取付けられた戸車2の横幅方向への移動を規制して離脱するのを防止しつつ戸車2を前後方向へ円滑に案内し得る。ドア脱落防止框9は、下部側のドア脱落防止框8と略同様に、荷台ドア1の天井側端部から横方向に回転軸をもつ戸車2に形成された凹部と噛合い状に係合する凸部が設けられており、離脱防止とレール枠を兼用している。
【0016】
図4、図6において、本実施形態では、上部側のドア脱落防止框9は、降雨時に天面側の荷台ドアの隙間部分からの雨水を受けるようになっており、雨切り機能を有している。ドア脱落防止框9が集めた雨水は雨水排水部3、4から外部へと排水させる。ドア脱落防止框9の前後端部側には雨水排水孔が設けられ、排水パイプを介して前部アングルまたは後部アングルに設けられた排水口に連通させて設けられている。なお、ドア脱落防止框9の両端は、図4(B)に示すような小口パネルとゴムパッキン等が固着され、水漏れを防止する。
【0017】
さらに、本実施形態では、図1、図8、図9に示すように、下部側、上部側ドア脱落防止框8、9には、荷台ドア1を取り付け取り外し可能にし得る戸車落とし口5、6が設けられている。戸車落とし口5、6は、ドア脱落防止框8,9の一部を平面側から戸車を搬入できるように開口させて設けられ、戸車落とし口5、6を介して戸車2を搬入、離脱させて荷台ドア1を取りつけ取り外しすることができる。なお、図9に示すように、戸車落とし口にカバー6をビス留めしてもよい。
【0018】
本実施形態に係るトラックの荷台構造では、上記のように構成したので、荷台空間を前部アングル、後部アングル、荷台ドア1で閉鎖状態とすることができ、荷台の荷物の雨濡れ防止や盗難防止を図れ、品質管理、安全管理を向上させる。荷物の荷台への搬入、搬出する際には、逆L字状の荷台ドア1をドア脱落防止框8,9に案内させながら引き違い移動させて、荷台の側面側と天面側とを同時に開閉させる。これにより、荷台の横方向または上方向のどちらからも荷物の出し入れが行え作業がしやすい。同時に、荷台ドアは、ドア脱落防止框8,9によって、離脱を防止されながら安全かつ円滑にスライド移動できるので操作性もよい。戸車落とし口5、6を介して必要に応じて荷台ドアを取り外して、荷物の搬入を行える。また、前部アングル及び後部アングルの上端側に荷台に収容できない長尺物を載置することもできる。前部アングル、後部アングルは、荷台ドアの天井側より高く設定されているので、載置した長尺物が荷台ドアのスライド移動を阻害することがなく操作性を維持できる。
【0019】
本発明のトラックの荷台構造によれば、上記のように構成したことにより、荷物の雨濡れを防止して荷物の質を保持できるとともに盗難防止にもすぐれ、しかも使いやすい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)トラック荷台の側面図である。(B)トラック荷台の平面図である。
【図2】 荷台前側面図である。
【図3】 荷台後側面図である。
【図4】 (A)上部側のドア脱落防止框付近の断面説明図である。(B)小口パネルの説明図である。
【図5】 (A)荷台ドア及び下部側のドア脱落防止框付近の断面説明図である。(B)小口パネルの説明図である。
【図6】 ドア脱落防止框の後部側の排水パイプ及び受金具の側面図である。
【図7】 荷台ドアの縦断面図である。
【図8】 上部側のドア脱落防止框の一部平面図である。
【図9】 下部側のドア脱落防止框の一部平面図である。
【符号の説明】
1 荷台ドアー
2 車輪
3 後部雨水排水
4 前部雨水排水
5 戸車落とし口
6 戸車落とし口
7 引き手
8 ドア脱落防止框
9 ドア脱落防止框
10 框受金具
11 パネルコーナー補強材
12 アングル側雨切

Claims (6)

  1. トラックの荷台空間の前端側を閉鎖するように立設された前部壁と、
    荷台空間の後端側閉鎖するように立設された後部壁と、
    前後方向についての荷台の片側の側面側と天面側を同時に閉鎖するように逆L字状に設けられた荷台ドアであって、左右両側に対向配置されそれぞれの天壁は前後部壁側に延びる長い間隙を形成するように左右に突合せられて分割された構造となっており、案内手段を介して前後方向にスライド自在に引き違い移動されてそれぞれ荷台の片側を開閉する複数の荷台ドアと、
    荷台ドアの天壁の各突合せ縁部にそれぞれ設けられた戸車と、を含み、
    案内手段は、左右の荷台ドアの天壁間の間隙の直下方位置で雨水を受けるように前後部壁側に延びるように配置され戸車を框板上に載架支持しつつ上面側を開口させ両側に立ち上がり壁を有した長枠体であって、パッキンを介して間隙から進入する雨水を荷台空間側に進入させない構造を施した框を有し、
    前後部壁寄り位置にはそれぞれ框板上面側に連通して他端排出口を外部に向けて配置された排水パイプが設けられ、
    框で受けた雨水を前後に流して排水パイプを介して外部に導出させることを特徴とするトラックの荷台構造。
  2. 案内手段は、前部壁と後部壁との間に架設されて逆L字状の荷台ドアの天井側を案内する上部側案内レールと、
    荷台の床上に配置され荷台ドアの下端側を案内する下部側案内レールと、を含むことを特徴とする請求項1記載のトラックの荷台構造。
  3. 案内手段は、それぞれ上部側案内レール並びに下部側案内レールにより荷台ドアを案内しつつそれらの幅方向外側への離脱を防止するドア脱落防止框からなる請求項2記載のトラックの荷台構造。
  4. 各荷台ドアの下端側にも戸車が取り付けられ、
    荷台ドアの天面側及び下端側の戸車には、周側面に沿って凹部が形成されており、
    ドア脱落防止框には、該戸車の凹部を対向位置で挟持するように該戸車と係合する凸条部が設けられた請求項3記載のトラックの荷台構造。
  5. ドア脱落防止框には、それぞれの荷台ドアの取り付け、取り外し用の戸車落とし口が設けられていることを特徴とする請求項3または4記載のトラックの荷台構造。
  6. 前部壁と後部壁はそれぞれ荷台の前端部、後端部に立設されたアングル材に支持されており、それらの前端部及び後端部アングル材の上端側は荷台ドアの天井側よりも高く設定され、それらの前端部及び後端部アングル材の上端突出部分を介して長尺物を載置できるようにしたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のトラックの荷台構造。
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