JP3999564B2 - メモリコントローラ、フラッシュメモリシステム及びフラッシュメモリの制御方法 - Google Patents

メモリコントローラ、フラッシュメモリシステム及びフラッシュメモリの制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、メモリコントローラ及びこれを備えるフラッシュメモリシステムに関し、特に、フラッシュメモリの信頼性を高めることが可能なメモリコントローラ及びこのようなメモリコントローラを備えるフラッシュメモリシステムに関する。また、本発明は、フラッシュメモリの制御方法に関し、特に、フラッシュメモリの信頼性を高めることが可能な制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、メモリカードやシリコンディスクなどに用いられる半導体メモリとして、フラッシュメモリ、特にNAND型フラッシュメモリが用いられることが多い。NAND型フラッシュメモリは、メモリセルを消去状態(論理値=1)から書込状態(論理値=0)に変化させる場合は、これをメモリセル単位で行うことが可能である一方、メモリセルを書込状態(0)から消去状態(1)に変化させる場合は、これをメモリセル単位で行うことができず、複数のメモリセルからなるブロック単位でしかこれを行うことができない。かかる一括消去動作は、一般的に「ブロック消去」と呼ばれる。
【0003】
このように、フラッシュメモリでは、ブロック単位でしかメモリセルを書込状態(0)から消去状態(1)に変化させることができないことから、既にデータが割り当てられている論理アドレスに対して新しいデータを上書きする場合であっても、旧データが格納されているブロックに対して新しいデータを直接上書きすることはできない。このため、既にデータが割り当てられている論理アドレスに対して新しいデータを上書きするようホストコンピュータから指示されると、旧データが格納されているブロック内における上書き対象外のデータを消去済みブロックに転送するとともに、新しいデータを当該消去済みブロックに書き込むという処理が必要となる。かかる処理は「ブロック間転送」と呼ばれ、ホストコンピュータからデータの上書きが指示される度に実行される。ブロック間転送が行われた後、転送元のブロックはブロック消去され、これにより転送元のブロックは新たな消去済みブロックとなる。
【0004】
したがって、論理アドレスと各ブロックに一義的に割り当てられた物理アドレスとの関係は固定されず、これらの関係はデータの上書きが指示される度に動的に変化することになる。以下、論理アドレスと物理アドレスとの関係について、図面を用いてより詳細に説明する。
【0005】
図19は、論理アドレスと物理アドレスとの関係を模式的に示す図である。図19に示すように、全てのブロックにより構成可能な物理アドレス空間(最大物理アドレス空間)41の大きさ(0〜n−1)は、論理アドレス空間42の大きさ(0〜m−1)よりも大きく(n>m)、したがって全ての論理アドレスにデータが割り当てられた場合であっても、n−m個のブロックは常に未使用となる。
【0006】
図20は、最大物理アドレス空間41を構成するn個のブロック(#0〜#n−1)の構造を模式的に示す図である。図20に示すように、各ブロック#0〜#n−1には実際にユーザデータが格納される領域51の他に、自らに割り当てられた論理アドレスを記録する領域52が設けられており、論理アドレスと物理アドレスとの関係は、かかる領域52に格納された値によって特定される。領域52には対応する論理アドレスの値が格納され、データの読み出し及び/又は書き込みを行う際には、領域52に格納された論理アドレスに基づいて、実際にアクセスすべきブロック#0〜#n−1が特定される。
【0007】
また、消去済みブロックについては、これに含まれる全てのメモリセルが消去状態(1)となっていることから、領域52を構成するメモリセルも全て消去状態(1)となっているはずである。一般に、領域52を構成する全てのメモリセルが消去状態(1)である場合、その値はn−1(物理アドレスの最大値)に一致しており、したがって、領域52に格納された値がn−1である場合には、当該ブロックが消去済みブロックであると判断することができる。
【0008】
そして、データの上書きが指示された場合には、旧データが格納されているブロック(例えばブロック#i)内における上書き対象外のデータが消去済みのブロック(例えばブロック#j)に転送されるとともに、新しいデータがこの消去済みブロック(ブロック#j)に書き込まれ(ブロック間転送)、さらに、転送元のブロック(ブロック#i)の領域52に格納されていた論理アドレスの値(0〜m−1)が転送先のブロック(ブロック#j)の領域52に書き込まれる。その後、転送元のブロック(ブロック#i)はブロック消去され、これにより転送元のブロック(ブロック#i)は新たな消去済みブロックとなる。上述の通り、消去済みブロックにおいては、領域52に格納された値はn−1となる。
【0009】
以上より、各ブロックの領域52に格納される値は、0〜m−1及びn−1のいずれかとなり、これが0〜m−1であるブロックは有効なデータが格納されているブロックであり、これがn−1であるブロックは消去済みのブロックである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各ブロックの領域52に格納される値が何らかの原因で0〜m−1及びn−1以外の値、すなわちm〜n−2となった場合、このブロックは有効な論理アドレスに対応せず、しかも消去済みブロックとしても取り扱われない。このようなブロックは「不正マッピングブロック」と呼ばれ、事実上、永久に使用できないブロックとなってしまう。上述の通り、全てのブロック#0〜#n−1により構成可能な最大物理アドレス空間41の大きさ(0〜n−1)は、論理アドレス空間42の大きさ(0〜m−1)よりも大きいことから、不正マッピングブロックの発生が直ちに致命的な不具合となるものではないが、不正マッピングブロックのように使用できないブロックの数がn−m個を超えると、当該フラッシュメモリ全体が使用不可能となってしまうことから、このような不正マッピングブロックの発生はフラッシュメモリの信頼性を低下させる原因となってしまう。
【0011】
不正マッピングブロックが発生する原因としては種々の原因が考えられ、その主なものとしては、ブロック消去中に電源が遮断される等、ブロック消去が正常に完了しなかった場合や、領域52を構成するメモリセルに不良が発生した場合、領域52に対する論理アドレスの書き込み中にエラーが発生した場合等が挙げられる。その他、フラッシュメモリを制御するプログラム(ファームウェア)にバグが含まれていた場合や、フラッシュメモリの物理的な落下等によってビット化けが生じた場合においても、不正マッピングブロックが発生することがある。
【0012】
したがって、本発明の目的は、このような不正マッピングブロックの蓄積によるフラッシュメモリの信頼性低下を効果的に防止することが可能なメモリコントローラ及びこのようなメモリコントローラを備えるフラッシュメモリシステムを提供することである。
【0013】
また、本発明の他の目的は、不正マッピングブロックの蓄積によるフラッシュメモリの信頼性低下を効果的に防止することが可能なフラッシュメモリの制御方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明によるメモリコントローラは、
ホストシステムから与えられるセクタ単位のホストアドレスに基づいて、複数のページを含む物理ブロック単位で消去が行われるフラッシュメモリにアクセスするメモリコントローラであって、
前記ホストアドレスが割り当てられている複数セクタの領域で構成された論理ブロックに該論理ブロックを特定するための論理アドレス情報を付与する論理アドレス情報付与手段と、
前記物理ブロックの冗長領域に該物理ブロックに対応する前記論理ブロックに付与された論理アドレス情報を書き込み、該論理アドレス情報に基づいて、前記論理ブロックと前記物理ブロックの対応関係を管理するブロック管理手段と、
対応する前記論理ブロックが無く、かつ消去済みでない前記物理ブロックを不正マッピングブロックと判断し、該不正マッピングブロックに記憶されているデータを消去する消去手段と、を備え、
前記ブロック管理手段は、前記物理ブロックの冗長領域に書き込まれている前記論理アドレス情報と、該論理アドレス情報が冗長領域に書き込まれている前記物理ブロックとの対応関係を示すアドレス変換テーブルを作成し、
前記消去手段は、前記アドレス変換テーブルにおいて、対応する前記論理ブロックが存在しない前記論理アドレス情報に対応付けられた前記物理ブロックを不正マッピングブロックと判断する、ことを特徴とする。
【0015】
前記論理ブロックが複数個含まれる論理ゾーンと、前記物理ブロックが複数個含まれる物理ゾーンとの対応関係を管理するゾーン管理手段を配置してもよい。また、前記論理アドレス情報は、例えば、前記論理ゾーン内の前記論理ブロックに付けられた通し番号である
【0016】
前記消去手段は、例えば、前記物理ブロックの冗長領域内の前記論理アドレス情報を書き込む領域に対応するビットが全て消去状態のときに、該物理ブロックは消去済みであると判断する
【0017】
また、この発明によるフラッシュメモリシステムは、複数のページを含む物理ブロック単位で消去が行われるフラッシュメモリと、上述のメモリコントローラとを備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によるフラッシュメモリの制御方法は、
ホストシステムから与えられるセクタ単位のホストアドレスに基づいて、複数のページを含む物理ブロック単位で消去が行われるフラッシュメモリに対するアクセスを制御するフラッシュメモリの制御方法であって、
データを書き込んだ前記物理ブロックの冗長領域に、該物理ブロックに対応する論理ブロックを特定するための論理アドレス情報を書き込む論理アドレス情報を書き込みステップと、
前記論理アドレス情報を書き込みステップで書き込まれた前記論理アドレス情報を読み出し、該読み出した前記論理アドレス情報と前記物理ブロックの対応関係を記述したアドレス変換テーブルを作成するアドレス変換テーブル作成ステップと、
前記アドレス変換テーブル作成ステップで作成されたアドレス変換テーブルを参照して、対応する前記論理ブロックが存在しない前記論理アドレス情報に対応付けられている前記物理ブロックを判別し、該判別した前記物理ブロックに記憶されているデータを消去するステップとを含む、
ことを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施態様について詳細に説明する。
【0031】
図1は、本発明の好ましい実施態様にかかるフラッシュメモリシステム1を概略的に示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、本実施態様にかかるフラッシュメモリシステム1は、フラッシュメモリ2及びコントローラ3からなる。特に限定されるものではないが、フラッシュメモリシステム1はフラッシュメモリ2及びコントローラ3が一つのカード内に集積されて構成され、ホストコンピュータに対して着脱可能な一種の外部記憶装置として用いることができる。ホストコンピュータとしては、文字、音声、あるいは画像情報等の種々の情報を処理するパーソナルコンピュータやデジタルスチルカメラをはじめとする各種情報処理装置が挙げられる。
【0033】
フラッシュメモリ2は、多数のメモリセルを含む1又は2以上の半導体チップからなり、n個(例えば1024個)のブロックによって構成される。これらn個のブロックはいずれもk個(例えば32個)のページ(セクタ)からなり、各ページは例えば512バイトの記録容量を有する最小アクセス単位として用いられる。したがって、上記の例のように、
n=1024(1K)
k=32
である場合、フラッシュメモリ2は32Kページのアドレス空間を含み、このためホストコンピュータ側から特定のページにアクセスするためには、少なくとも15ビットのアドレス情報が必要となる。本明細書においては、ホストコンピュータよりフラッシュメモリシステム1に供給されるアドレス情報を「ホストアドレス」と呼ぶ。
【0034】
コントローラ3は、少なくともCPU4、RAM5及びROM6を含む種々の機能ブロックによって構成される。特に限定されるものではないが、コントローラ3は一つの半導体チップ上に集積されていることが好ましい。CPU4は、コントローラ3を構成する各機能ブロック全体の動作を制御するための機能ブロックである。また、RAM5は、CPU4によるフラッシュメモリ2の制御に必要なデータが一時的に格納される作業領域であり、特に限定されるものではないが、複数のSRAMセルによって構成することが好ましい。ROM6は、CPU4が実行すべき制御プログラム(ファームウェア)を格納するための機能ブロックである。
【0035】
次に、フラッシュメモリ2に含まれるメモリセルの具体的な構造について説明する。
【0036】
図2は、フラッシュメモリ2に含まれる各メモリセル10の構造を概略的に示す断面図である。
【0037】
図2に示すように、メモリセル10は、P型半導体基板11に形成されたN型のソース拡散領域12及びドレイン拡散領域13と、ソース拡散領域12とドレイン拡散領域13との間のP型半導体基板11を覆って形成されたトンネル酸化膜14と、トンネル酸化膜14上に形成されたフローティングゲート電極15と、フローティングゲート電極15上に形成された絶縁膜16と、絶縁膜16上に形成されたコントロールゲート電極17とから構成される。このような構成を有するメモリセル10は、フラッシュメモリ2内において、複数個直列に接続されて、NAND型フラッシュメモリを構成する。
【0038】
メモリセル10は、フローティングゲート電極15に電子が注入されているか否かによって、「消去状態」と「書込状態」のいずれかの状態となる。メモリセル10が消去状態であることは、当該メモリセル10にデータ「1」が保持されていることを意味し、メモリセル10が書込状態であることは、当該メモリセル10にデータ「0」が保持されていることを意味する。すなわち、メモリセル10は、1ビットのデータを保持することが可能である。
【0039】
図2に示すように、消去状態とは、フローティングゲート電極15に電子が注入されていない状態を指す。消去状態におけるメモリセル10は、デプレッション型のトランジスタとなり、コントロールゲート電極17に読み出し電圧が印加されているか否かに関わらず、ソース拡散領域12とドレイン拡散領域13との間のP型半導体基板11の表面にはチャネル18が形成される。したがって、ソース拡散領域12とドレイン拡散領域13とは、コントロールゲート電極17に読み出し電圧が印加されているか否かに関わらず、チャネル18によって常に電気的に接続状態となる。
【0040】
図3は、書込状態であるメモリセル10を概略的に示す断面図である。
【0041】
図3に示すように、書込状態とは、フローティングゲート電極15に電子が蓄積されている状態を指す。フローティングゲート電極15はトンネル酸化膜14及び絶縁膜16に挟まれているため、一旦、フローティングゲート電極15に注入された電子は、きわめて長時間フローティングゲート電極15内にとどまる。書込状態におけるメモリセル10は、エンハンスメント型のトランジスタとなり、コントロールゲート電極17に読み出し電圧が印加されていないときには、ソース拡散領域12とドレイン拡散領域13との間のP型半導体基板11の表面にはチャネルが形成されず、コントロールゲート電極17に読み出し電圧が印加されているときには、ソース拡散領域12とドレイン拡散領域13との間のP型半導体基板11の表面にチャネル(図示せず)が形成される。したがって、コントロールゲート電極17に読み出し電圧が印加されていない状態では、ソース拡散領域12とドレイン拡散領域13とは電気的に絶縁され、コントロールゲート電極17に読み出し電圧が印加された状態では、ソース拡散領域12とドレイン拡散領域13とが電気的に接続される。
【0042】
ここで、選択されたメモリセル10が消去状態であるか書込状態であるかは、次のようにして読み出すことができる。すなわち、複数個直列に接続されたメモリセル10のうち、選択されたメモリセル10以外の全てのメモリセル10のコントロールゲート電極17に読み出し電圧を印加し、この状態において、これらメモリセル10の直列体に電流が流れるか否かを検出する。その結果、かかる直列体に電流が流れれば、選択されたメモリセル10が消去状態であると判断することができ、かかる直列体に電流が流れなければ、選択されたメモリセル10が書込状態であると判断することができる。このようにして、直列体に含まれる任意のメモリセル10に保持されたデータが「0」であるのか「1」であるのかを読み出すことができる。但し、NAND型フラッシュメモリにおいては、ひとつの直列体に含まれる2以上のメモリセル10に保持されたデータを同時に読み出すことはできない。
【0043】
また、消去状態であるメモリセル10を書込状態に変化させる場合、コントロールゲート電極17に正の高電圧が印加され、これによって、トンネル酸化膜14を介してフローティングゲート電極15へ電子が注入される。フローティングゲート電極15への電子の注入は、FNトンネル電流による注入が可能である。一方、書込状態であるメモリセル10を消去状態に変化させる場合、コントロールゲート電極17に負の高電圧が印加され、これによって、トンネル酸化膜14を介してフローティングゲート電極15に蓄積された電子が排出される。
【0044】
次に、フラッシュメモリ2の持つアドレス空間の具体的な構成について説明する。
【0045】
図4は、フラッシュメモリ2のアドレス空間の構造を概略的に示す図である。
【0046】
図4に示すように、フラッシュメモリ2のアドレス空間は、ブロック#0〜#n−1からなるn個のブロックによって構成される。ここで、各ブロックは、データの消去単位である。すなわち、フラッシュメモリ2では、各メモリセル10ごとに、その状態を書込状態から消去状態に変化させることはできず、メモリセル10を書込状態から消去状態に変化させる場合は、当該メモリセル10が属するブロックに含まれる全てのメモリセル10を一括して消去状態とする必要がある。逆に、各メモリセル10ごとにその状態を消去状態から書込状態に変化させることは可能である。
【0047】
さらに、図4に示すように、フラッシュメモリ2を構成する各ブロック#0〜#n−1は、それぞれページ#0〜#k−1からなるk個のページによって構成されている。これら各ページはデータの読み出し及び書き込みにおけるアクセス単位であり、図4に示すように、ビットb0〜b7からなる8ビットを1バイトとして、例えばそれぞれ512バイトのユーザ領域21と16バイトの冗長領域22によって構成される。ユーザ領域21は、ホストコンピュータより供給されるユーザデータが格納される領域である。
【0048】
図5は、冗長領域22のデータ構造を概略的に示す図である。
【0049】
図5に示すように、冗長領域22は、論理ブロックアドレス格納領域23及びその他の付加情報を格納するための領域24によって構成される。
【0050】
論理ブロックアドレス格納領域23は、当該ブロックに対応する論理ブロックアドレスを格納するための領域であり、少なくともx個(x=logn)のメモリセル10が割り当てられる。ここで、論理ブロックアドレスとは、ホストアドレスの一部若しくはホストアドレスの一部に基づいて生成されたアドレスであり、ホストコンピュータ側から見たブロック番号を示している。したがって、論理ブロックアドレスは少なくともxビットで構成される。論理ブロックアドレス格納領域23は、各ページに含まれる冗長領域22が共通に備える要素であるが、一つのブロックはk個のページからなるため、一つのブロックを構成する全てのページの論理ブロックアドレス格納領域23に論理ブロックアドレスを格納しておく必要はなく、少なくとも各ブロックの先頭ページ(ページ#0)の論理ブロックアドレス格納領域23に論理ブロックアドレスを格納すれば足りる。また、消去済みのブロックについては全てのメモリセル10が消去状態(1)となっていることから、論理ブロックアドレス格納領域23がx個のメモリセル10からなる場合、論理ブロックアドレス格納領域23に格納される値はn−1(2−1)となる。一方、何らのユーザデータが格納されているブロックについては、対応する論理ブロックアドレスの値が論理ブロックアドレス格納領域23に格納されている。
【0051】
尚、領域24には、対応するユーザ領域21に格納されたユーザデータの誤りを訂正するための付加情報(エラーコレクションコード)や、当該ブロックについての異常を表示するブロックステータス等が格納されているが、これらについては、本発明の要旨と直接関係がないため、説明は省略する。
【0052】
以上のように、フラッシュメモリ2はn個のブロックによって構成されるが、このうち、m(<n)個のブロックは実際にデータを格納することができる実使用ブロックとして取り扱われ、残りのn−m個の物理ブロックは冗長ブロックとして取り扱われる。フラッシュメモリ2のアドレス空間は、実使用ブロックのみによって構成され、あるブロックに不良が発生し使用不能となった場合には、不良が発生したブロックの数だけ冗長ブロックとして用いられるブロックの数が減らされる。
【0053】
次に、RAM5内に作成される各種テーブルについて説明する。
【0054】
RAM5内に作成される各種テーブルには、少なくとも、アドレス変換テーブル、冗長ブロック登録テーブル及び書き込みキューが含まれ、これらはコントローラ3に対して電源投入またはリセット動作がなされた場合に、ROM6に格納されているファームウェアに基づきCPU4によって作成される。
【0055】
アドレス変換テーブルは、ホストアドレスに基づき生成される論理ブロックアドレスと各ブロックに対して一義的に割り当てられた物理ブロックアドレスとの対応関係を保持するためのテーブルであり、以下の構造を有している。
【0056】
図6は、RAM5内に作成されるアドレス変換テーブル31のデータ構造を示す図である。
【0057】
図6に示すように、アドレス変換テーブル31は、物理ブロックアドレス格納領域#0〜物理ブロックアドレス格納領域#n−1からなるn個の物理ブロックアドレス格納領域と、これら物理ブロックアドレス格納領域にそれぞれ対応して設けられたn個のフラグからなる。ここで、各物理ブロックアドレス格納領域に対して一義的に割り当てられた領域番号(#0〜#n−1)は、論理ブロックアドレスを示し、各物理ブロックアドレス格納領域に格納された内容は、対応する物理ブロックアドレスを示している。したがって、例えば物理ブロックアドレス格納領域#pに格納されている物理ブロックアドレスが#qであれば、論理ブロックアドレス=#pが物理ブロックアドレス=#qに対応することになる。
【0058】
また、フラグ#0〜フラグ#n−1は、それぞれ対応する物理ブロックアドレス格納領域の内容(物理ブロックアドレス)が有効であるか否かを示している。具体的には、フラグが「0」であれば、対応する物理ブロックアドレス格納領域の内容が有効であることを意味し、フラグが「1」であれば、対応する物理ブロックアドレス格納領域の内容が無効であることを意味する。もちろん、逆に、物理ブロックアドレス格納領域の内容が有効である場合に、対応するフラグを「1」としても構わない。
【0059】
冗長ブロック登録テーブル32は、各ブロックがそれぞれ使用中であるか否かを示すテーブルであり、以下の構造を有している。
【0060】
図7は、RAM5内に作成される冗長ブロック登録テーブル32のデータ構造を示す図である。
【0061】
図7に示すように、冗長ブロック登録テーブル32は、バイト#0〜バイト#(n/8)−1からなるn/8バイト(nビット)のビットマップによって構成され、
バイト番号×8+ビット番号
により特定されるブロックが使用中のブロック(ユーザデータが格納されているブロック)であるか、消去済みの空きブロックであるかを示している。具体的には、ビットが「0」であれば対応するブロックが使用中であることを意味し、ビットが「1」であれば、対応するブロックが消去済みブロックであることを意味する。もちろん、その逆であっても構わない。したがって、図7に示す例のように、バイト#0のビット#0が「0」であれば、ブロック#0が使用中であることが示され、また、バイト#1のビット#6が「1」であれば、ブロック#14が消去済みブロックであることが示される。
【0062】
図8は、RAM5内に作成される書き込みキュー33のデータ構造を示す図である。
【0063】
図8に示すように、書き込みキュー33は、キュー#0〜キュー#h−1からなるh個のキューによって構成され、各キューには、消去済みブロックの物理ブロックアドレスが格納されている。書き込みキュー33に登録されるブロックは、上述した冗長ブロック登録テーブル32においてビットが「1(消去済み)」となっているブロックから選ばれる。
【0064】
次に、本実施態様にかかるフラッシュメモリシステム1の動作について説明する。
【0065】
図9は、アドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成方法を示すフローチャートである。アドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成は、コントローラ3に対して電源投入またはリセット動作がなされたことに応答して、CPU4がROM6に格納されているファームウェアを実行することにより行われる。
【0066】
まず、コントローラ3に対して電源投入またはリセット動作がなされると、CPU4は、RAM5のうちアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32を構成するビットを全て「1」にリセットする(ステップS1)。次いで、CPU4は、内部変数aの値を0にリセットし(ステップS2)、ブロック番号が内部変数aに一致するブロックの先頭ページ(ページ#0)に格納されている論理ブロックアドレスを読み出す(ステップS3)。この場合、内部変数a=0であるから、ブロック#0のページ#0に格納されている論理ブロックアドレスが読み出されることになる。
【0067】
次に、CPU4は、読み出された論理ブロックアドレスが「オール1」であるか否か、すなわちn−1であるかを判断し(ステップS4)、その結果、読み出された論理ブロックアドレスが「オール1(=n−1)」以外であれば、冗長ブロック登録テーブル32の対応するビット(この場合は、バイト#0のビット#0)を「0」に書き替える(ステップS5)。さらに、アドレス変換テーブル31のうち、フラグ番号が論理ブロックアドレスに一致するフラグを「0」に書き替える(ステップS6)とともに、領域番号が論理ブロックアドレスに一致する物理ブロックアドレス格納領域に内部変数aを格納する(ステップS7)。一方、ステップS4において、読み出された論理ブロックアドレスが「オール1(=n−1)」であれば、上記ステップS5〜ステップS7は実行されない。
【0068】
そして、CPU4は、内部変数aをインクリメントした後(ステップS8)、内部変数aがnに一致しているか否かを判断し(ステップS9)、その結果、内部変数aがnではない場合にはステップS3に戻って、内部変数aを用いた論理ブロックアドレスの読み出しを行い、内部変数aがnに一致している場合には、一連の処理を完了する。
【0069】
以上のようにして、内部変数aがnに一致するまでステップS3〜ステップS9が繰り返し実行され、これによってアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32が完成する。尚、書き込みキュー33は、CPU4による制御のもと、冗長ブロック登録テーブル32においてビットが「1」となっているブロックがh個選ばれ、その物理ブロックアドレスがキュー#0〜#h−1に登録される。
【0070】
本実施態様においては、図9に示すアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成動作、並びに、書き込みキューの作成動作(図示せず)が完了した後、引き続いて不正マッピングブロックの消去動作が行われる。ここで、不正マッピングブロックとは、アドレス変換テーブル31の物理ブロックアドレス格納領域#m〜#n−2に格納された物理ブロックアドレスにより特定されるブロックを指す。
【0071】
つまり、n個のブロックのうち実使用ブロックはm個のみであり、フラッシュメモリ2のアドレス空間は実使用ブロックのみによって構成されることから、論理ブロックアドレスとしては#0〜#m−1までしか存在せず、それ以上の値(#m〜#n−1)は取り得ない。さらに、消去済みのブロックにおいては、論理ブロックアドレス格納領域23の値は「オール1」であり、論理ブロックアドレス格納領域23がx個のメモリセル10によって構成される場合、消去済みブロックの論理ブロックアドレス格納領域23に格納される値はn−1(2−1)となることから、物理ブロックアドレス格納領域#n−1に格納された物理ブロックアドレスにより特定されるブロックは必ず消去済みブロックとなる。
【0072】
以上より、物理ブロックアドレス格納領域#m〜#n−2に格納された物理ブロックアドレスにより特定されるブロックは、アクセスが不可能であるとともに消去済みブロックとしても取り扱われない、不正マッピングブロックであることが分かる。
【0073】
図10は、不正マッピングブロックの消去方法を示すフローチャートである。不正マッピングブロックの消去も、CPU4がROM6に格納されているファームウェアを実行することによって行われる。
【0074】
不正マッピングブロックの消去においては、CPU4はまず内部変数bの値をmにセットし(ステップS11)、フラグ番号が内部変数bに一致するフラグの内容を読み出す(ステップS12)。この場合、内部変数b=mであるから、フラグ#mの内容が読み出されることになる。
【0075】
次に、CPU4は、読み出されたフラグの内容が「0(有効)」であるか「1(無効)」であるかを判断し(ステップS13)、その結果、読み出されたフラグの内容が「0(有効)」であれば、対応する物理ブロックアドレス格納領域(この場合は、物理ブロックアドレス格納領域#m)の内容を読み出し(ステップS14)、その内容により特定されるブロックをブロック消去する(ステップS15)。そして、冗長ブロック登録テーブル32を構成するビットのうち、内部変数bに対応するビットを「1(消去済み)」に書き替えた後(ステップS16)、内部変数bをインクリメントする(ステップS17)。一方、ステップS13において、読み出されたフラグの内容が「1(無効)」であれば、上記ステップS14〜S16を実行することなく、内部変数bをインクリメントする(ステップS17)。ここで、読み出されたフラグの内容が「0(有効)」である場合、当該ブロックは不正マッピングブロックである。
【0076】
そして、CPU4は、内部変数bがn−1に一致しているか否かを判断し(ステップS18)、その結果、内部変数bがn−1ではない場合にはステップS12に戻って、内部変数bを用いたフラグの読み出しを行い、内部変数bがn−1に一致している場合には、一連の処理を完了する。
【0077】
以上のようにして、内部変数bがn−1に一致するまでステップS12〜ステップS18を繰り返して実行し、これによって不正マッピングブロックの消去が完了する。
【0078】
このように、本実施態様においては、アドレス変換テーブル31等の作成動作が完了した後、引き続いて不正マッピングブロックの消去動作(図10)を実行していることから、アドレス変換テーブル31の物理ブロックアドレス格納領域#m〜#n−2に格納された物理ブロックアドレスにより特定されるブロック、すなわち不正マッピングブロックがブロック消去され、消去済みブロックとして解放されることになる。したがって、不正マッピングブロックの蓄積によってフラッシュメモリ2の全体が使用不能となることがなくなるので、フラッシュメモリ2の信頼性を高めることが可能となる。
【0079】
尚、上記実施態様においては、アドレス変換テーブル31等の作成動作が完了した後、引き続いて不正マッピングブロックの消去動作(図10)を実行しているが、かかる不正マッピングブロックの消去動作(図10)をアドレス変換テーブル31等の作成動作が完了するたびに毎回実行する必要はない。したがって、アドレス変換テーブル31等の作成動作が複数回実行されたことに応答して不正マッピングブロックの消去動作(図10)を実行しても良いし、また、前回不正マッピングブロックの消去動作(図10)が実行されてから一定期間が経過したことに応答して不正マッピングブロックの消去動作(図10)を実行しても良い。さらに、消去済みブロックの数が一定数以下となったことに応答して不正マッピングブロックの消去動作(図10)を実行しても良い。尚、消去済みブロックの数は、上述した冗長ブロック登録テーブル32を参照することによって、容易にカウントすることが可能である。
【0080】
次に、アドレス変換テーブル31等が作成された後、すなわち初期設定が完了した後におけるフラッシュメモリ2へのアクセス方法について、データの読み出し動作及びデータの書き込み動作の順に説明する。また、データの書き込み動作については、データが全く割り当てられていない論理ブロックアドレスに対して新規にデータを割り当てる場合(データの新規書込動作)と、既にデータが割り当てられている論理ブロックアドレスに対して追加して或いは重ねてデータを割り当てる場合(データの上書き動作)に分けて説明する。
【0081】
まず、データの読み出し動作について説明する。
【0082】
図11は、データの読み出し動作を示すフローチャートである。かかる動作も、CPU4がROM6に格納されているファームウェアを実行することによって行われる。
【0083】
データの読み出し動作において、ホストコンピュータよりホストアドレスが供給されると、CPU4はまず、ホストアドレスに基づいて論理ブロックアドレスとページアドレス(PA)を作成する(ステップS21)。生成方法としては、ホストアドレスの上位ビットを論理ブロックアドレスとし、ホストアドレスの下位ビットをページアドレス(PA)とするのが基本であるが、フラッシュメモリ2が複数の単位領域(ゾーン)に分割されている場合には、ホストアドレスの上位ビットを1ゾーンに含まれる実使用ブロック数で除算し、その商に基づいてゾーンを特定するとともに、剰余に基づいて論理ブロックアドレスを特定すればよい。単純な一例として、フラッシュメモリ2が1024(n=210)個のブロックからなる単一ゾーン構成であり、一つのブロックに32(k=2)個のページからなる場合、少なくとも15ビットのホストアドレスが用いられ、その上位10ビットが論理ブロックアドレスとなり、下位5ビットがページアドレス(PA)となる。
【0084】
次に、CPU4は、RAM5内に作成されたアドレス変換テーブル31を参照することにより、論理ブロックアドレスを物理ブロックアドレスに変換する(ステップS22)。具体的には、領域番号が論理ブロックアドレスに一致する物理ブロックアドレス格納領域にアクセスし、ここに格納されている物理ブロックアドレスを読み出すことにより変換を行う。尚、本例はデータの読み出し動作であり、当該ホストアドレスに対応するブロックには原則としてユーザデータが割り当てられているはずであるから、対応するフラグは「0(有効)」となっているはずである。但し、ホストコンピュータによっては、ユーザデータの割り当てられていないホストアドレスに対して読み出し要求を行う場合もある。
【0085】
そして、CPU4は、アドレス変換テーブル31から読み出された物理ブロックアドレス及び上記ページアドレス(PA)に基づいてフラッシュメモリ2にアクセスし、対応するページに格納されているデータを読み出す(ステップS23)。この場合、アクセスされるブロックは物理ブロックアドレスによって特定され、アクセスされるページはページアドレス(PA)によって特定される。
【0086】
以上により、データの読み出し動作が完了する。
【0087】
次に、データの書き込み動作について説明する。データの書き込み動作は、上述の通り、データの新規書込動作とデータの上書き動作に分けられることから、ホストコンピュータからデータの書き込み要求がなされた場合、まず、これがデータの新規書込であるのかデータの上書きであるのかの判断が行われる。
【0088】
図12は、かかる判断動作を示すフローチャートである。かかる動作も、CPU4がROM6に格納されているファームウェアを実行することによって行われる。
【0089】
データの書き込み動作において、ホストコンピュータよりホストアドレスが供給されると、CPU4はまず、ホストアドレスに基づいて論理ブロックアドレスとページアドレス(PA)を作成する(ステップS31)。その生成方法は上述の通りである。
【0090】
次に、CPU4は、フラグ番号が論理ブロックアドレスに一致するフラグを読み出し(ステップS32)、その内容を参照することによって、当該論理ブロックアドレスに対応するブロックが既に割り当てられているか否かを判断する(ステップS33)。これは、本データの書き込み動作がデータの新規書込動作であるのか、或いはデータの上書き動作であるのかを判断することに等しい。
【0091】
その結果、読み出されたフラグが「1(無効)」であれば、当該論理ブロックアドレスに対応するブロックがまだ割り当てられていない、すなわち、本データの書き込み動作がデータの新規書込動作であると判断することができるので、図13に示すデータの新規書込動作が実行され、逆に、読み出されたフラグが「0(有効)」であれば、当該論理ブロックアドレスに対応するブロックが既に割り当てられている、すなわち、本データの書き込み動作がデータの上書き動作であると判断することができるので、図14に示すデータの上書き動作が実行される。
【0092】
まず、図13を用いてデータの新規書込動作について説明する。かかる動作も、CPU4がROM6に格納されているファームウェアを実行することによって行われる。
【0093】
データの新規書込動作においては、CPU4はまず、書き込みキュー33にアクセスし、キュー#0〜#h−1に格納されているいずれかの物理ブロックアドレスを読み出す(ステップS41)。
【0094】
次に、CPU4は、書き込みキュー33から読み出された物理ブロックアドレス及び上記ページアドレス(PA)に基づいてフラッシュメモリ2にアクセスし、対応するページ及び当該ブロックの先頭ページ(ページ#0)に必要なデータを格納する(ステップS42)。ここで、対応するページに格納すべきデータには少なくともユーザデータが含まれ、先頭ページ(ページ#0)に格納すべきデータには少なくとも論理ブロックアドレスが含まれる。このうちユーザデータは、対応するページのユーザ領域21に格納され、論理ブロックアドレスは、当該ブロックの先頭ページ(ページ#0)の論理ブロックアドレス格納領域23に格納される。
【0095】
そして、CPU4は、アドレス変換テーブル31、冗長ブロック登録テーブル32及び書き込みキュー33の内容を更新する(ステップS43、S44、S45)。具体的には、アドレス変換テーブル31の更新については、フラグ番号が論理ブロックアドレスに一致するフラグの値を「0(有効)」に書き替えるとともに、対応する物理ブロックアドレス格納領域に書き込みキュー33から読み出された物理ブロックアドレスを格納する。また、冗長ブロック登録テーブル32の更新については、書き込みキュー33から読み出された物理ブロックアドレスに対応するビットを「0(使用中)」に書き替える。さらに、書き込みキュー33の更新については、冗長ブロック登録テーブル32を参照することにより、物理ブロックアドレスの読み出しが行われたキューに新たな消去済みブロックの物理ブロックアドレスを上書きする。
【0096】
以上によりデータの新規書込動作が完了する。
【0097】
尚、アドレス変換テーブル31、冗長ブロック登録テーブル32及び書き込みキュー33の更新は、図13に示す順に行う必要はなく、これとは異なる順で行っても構わない。また、書き込みキュー33に登録された時点で、対応する冗長ブロック登録テーブル32のビットを「0(使用中)」に書き替えるよう構成した場合には、図13に示すステップS44は省略される。
【0098】
次に、図14を用いてデータの上書き動作について説明する。かかる動作も、CPU4がROM6に格納されているファームウェアを実行することによって行われる。
【0099】
データの上書き動作においては、CPU4はまず、領域番号が論理ブロックアドレスに一致する物理ブロックアドレス格納領域にアクセスし、ここに格納されている物理ブロックアドレスを読み出す(ステップS51)。以下、ステップS51において得られた物理ブロックアドレスを「転送元ブロックアドレス」と呼ぶ。
【0100】
次に、CPU4は、書き込みキュー33にアクセスし、キュー#0〜#h−1に格納されているいずれかの物理ブロックアドレスを読み出す(ステップS52)。以下、ステップS52において得られた物理ブロックアドレスを「転送先ブロックアドレス」と呼ぶ。
【0101】
次に、CPU4は、内部変数cの値を0にリセットし(ステップS53)、内部変数cの値がページアドレス(PA)と一致しているか否かを判断する(ステップS54)。その結果、内部変数cの値がページアドレス(PA)と一致していれば、転送先ブロックアドレス及びページアドレス(PA)に基づいてフラッシュメモリ2にアクセスし、対応するページに必要なデータを格納する(ステップS55)。ここで、対応するページに格納されるデータには少なくともユーザデータが含まれ、かかるユーザデータは、対応するページのユーザ領域21に格納される。一方、内部変数cの値がページアドレス(PA)と一致していなければ、「ブロック間転送」が行われる(ステップS56)。ブロック間転送においては、転送元ブロックアドレスにより特定されるブロック内の内部変数cにより特定されるページの内容が、転送先ブロックアドレスにより特定されるブロック内の内部変数cにより特定されるページに転送される。尚、内部変数cが「0」である場合には、ステップS55が実行されるかステップS56が実行されるかに関わらず、転送先ブロックアドレスにより特定されるブロックの先頭ページ(ページ#0)の論理ブロックアドレス格納領域23に論理ブロックアドレスが格納される。
【0102】
次に、CPU4は、内部変数cをインクリメントした後(ステップS57)、内部変数cがkに一致しているか否かを判断し(ステップS58)、その結果、内部変数cがkではない場合にはステップS54に戻って内部変数cとページアドレス(PA)との比較を行い、内部変数cがkに一致している場合には、後述するステップが実行される。以上のようにして、内部変数cがkに一致するまでステップS54〜ステップS58が繰り返し実行され、これによって、ホストコンピュータより与えられたユーザデータが転送先のブロックの所定のページに書き込まれるとともに、転送元のブロック内に格納されていた上書き対象外のデータが転送先のブロックの同じページに書き込まれることになる。
【0103】
ステップS58において内部変数cがkに一致した場合、CPU4は、アドレス変換テーブル31及び書き込みキュー33の内容を更新する(ステップS59、S60)。かかる動作は上述したステップS43、S45と同様である。したがって、アドレス変換テーブル31及び書き込みキュー33の更新は、図14に示す順に行う必要はなく、逆の順序で行っても構わない。
【0104】
そして、CPU4は、転送元ブロックアドレスにより特定されるブロックをブロック消去し(ステップS61)、冗長ブロック登録テーブル32の内容を更新する(ステップS62)。具体的には、書き込みキュー33から読み出された物理ブロックアドレスに対応するビットを「0(使用中)」に書き替えるとともに、ステップS61においてブロック消去されたブロックに対応するビットを「1(消去済み)」に書き替える。
【0105】
以上によりデータの上書き動作が完了する。
【0106】
以上説明したように、本実施態様においては、不正マッピングブロックの消去動作(図10)によって、アドレス変換テーブル31の物理ブロックアドレス格納領域#m〜#n−2に格納された物理ブロックアドレスにより特定される不正マッピングブロックをブロック消去していることから、不正マッピングブロックの蓄積が効果的に防止され、これにより、フラッシュメモリ2の信頼性を高めることが可能となる。また、本実施態様においては、不正マッピングブロックの消去動作がアドレス変換テーブル31等の作成動作と独立していることから、既存のファームウェアの多くの部分をそのまま流用することができるという優位性も有している。
【0107】
次に、本発明の好ましい他の実施態様について説明する。
【0108】
本実施態様は、上記実施態様と異なり、アドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成中に不正マッピングブロックを発見次第、これをブロック消去するものである。以下、具体的に説明する。
【0109】
図15は、本実施態様におけるアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成方法を示すフローチャートである。アドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成は、上述の通り、コントローラ3に対して電源投入またはリセット動作がなされたことに応答して、CPU4がROM6に格納されているファームウェアを実行することにより行われる。尚、図15に示すアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成動作は、図9に示したアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成動作と多くの部分において重複するため、図9に示した動作と同じ動作については、同じステップ番号を付し、重複する説明は省略する。
【0110】
図15に示すように、本実施態様ではステップS4において論理ブロックアドレスが「オール1(=n−1)」以外であると判断された場合、CPU4は、論理ブロックアドレスがm〜n−2であるか否かを判断する(ステップS71)。すなわち、当該ブロックが不正マッピングブロックであるか否かを判断する。その結果、論理ブロックアドレスがm〜n−2以外であれば(不正マッピングブロックでなければ)、CPU4は、上述したステップS5以降の動作を実行するが、論理ブロックアドレスがm〜n−2のいずれかであれば(不正マッピングブロックであれば)、当該ブロックをブロック消去する(ステップS72)。この場合、ステップS5〜S7は実行されず、CPU4は直ちに内部変数aのインクリメントを行う(ステップS8)。以上のようにして、内部変数aがnに一致するまでステップS3〜ステップS9及びステップS71、S72が繰り返し実行され、これによってアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32が完成する。
【0111】
尚、アドレス変換テーブル31等が作成された後、すなわち初期設定が完了した後におけるフラッシュメモリ2へのアクセス方法については、上記実施態様と同様である。
【0112】
このように、本実施態様においては、アドレス変換テーブル31等の作成動作中に不正マッピングブロックが発見された場合、その都度これをブロック消去し、通常の消去済みブロックに変換していることから、上記実施態様と同様、不正マッピングブロックの蓄積によってフラッシュメモリ2の全体が使用不能となることがなくなる。これにより、フラッシュメモリ2の信頼性を高めることが可能となる。また、本実施態様によれば、不正マッピングブロックの消去動作をアドレス変換テーブル31等の作成動作中に組み込んでいることから、これをCPU4に実行させるためのファームウェアを小型化することが可能となる。
【0113】
次に、本発明の好ましいさらに他の実施態様について説明する。
【0114】
本実施態様は、上記2つの実施態様とは異なり、アドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成中に不正マッピングブロックを発見した場合であっても、これを消去済みブロックとみなしてこれらと同様に取り扱う一方で、ホストコンピュータよりデータの書き込みが指示された場合、所定のブロックに実際にデータを書き込む前に、当該ブロックが消去済みブロックであるか否かをチェックするというものである。以下、具体的に説明する。
【0115】
図16は、本実施態様におけるアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成方法を示すフローチャートである。アドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成は、上述の通り、コントローラ3に対して電源投入またはリセット動作がなされたことに応答して、CPU4がROM6に格納されているファームウェアを実行することにより行われる。尚、図16に示すアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成動作は、図9に示したアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成動作と多くの部分において重複するため、図9に示した動作と同じ動作については、同じステップ番号を付し、重複する説明は省略する。
【0116】
図16に示すように、本実施態様では、ステップS4における判断の代わりに、論理ブロックアドレスがm以上であるか否かの判断を行っている(ステップS73)。そして、論理ブロックアドレスがm未満(0〜m−1)であると判断された場合、すなわち、有効な論理ブロックアドレスであると判断された場合には、CPU4は、上述したステップS5以降の動作を実行する。一方、ステップS73において、論理ブロックアドレスがm以上(m〜n−1)であると判断された場合、すなわち、当該ブロックが消去済みブロックまたは不正マッピングブロックであると判断された場合には、ステップS5〜S7は実行されず、CPU4は直ちに内部変数aのインクリメントを行う(ステップS8)。以上のようにして、内部変数aがnに一致するまでステップS3、ステップS73、ステップS5〜S9が繰り返し実行され、これによってアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32が完成する。
【0117】
これにより、不正マッピングブロックは消去済みブロックと同様、冗長ブロック登録テーブル32における対応するビットが「1(消去済み)」とされるので、引き続き行われる書き込みキュー33の作成動作(図示せず)において、不正マッピングブロックの物理ブロックアドレスがキューに登録される可能性がある。
【0118】
このようにして、アドレス変換テーブル31等が作成された後、すなわち初期設定が完了した後、ホストコンピュータよりデータの書き込みが指示された場合、キューの読み出し直後に以下に詳述するベリファイ動作が挿入される。つまり、データの新規書込動作においては、ステップS41とステップS42との間にベリファイ動作が挿入され、データの上書き動作においては、ステップS52とステップS53との間にベリファイ動作が挿入される。
【0119】
図17は、ベリファイ動作を示すフローチャートである。ベリファイ動作は、CPU4がROM6に格納されているファームウェアを実行することによって行われる。
【0120】
ベリファイ動作では、まずCPU4は、内部変数dの値を0にリセットし(ステップS81)、ステップS41又はステップS52においてキューから読み出された物理ブロックアドレスにより特定されるブロックのうち、ページ番号が内部変数dに一致するページにアクセスし、その内容を読み出す(ステップS82)。
【0121】
次に、CPU4は、読み出された内容が「オール1」であるか否かを判断し(ステップS83)、その結果、読み出された内容が「オール1」であれば内部変数dをインクリメントし(ステップS84)、さらに内部変数dがkに一致しているか否かを判断する(ステップS85)。その結果、内部変数dがkに一致していなければステップS82に戻って内部変数dを用いたページの読み出しを行い、内部変数dがkに一致していれば、当該ブロックが消去済みブロックであることが確認されたことから、一連のベリファイ動作を終了し、ステップS42又はステップS53に復帰する。
【0122】
一方、ステップS83において、読み出された内容が「オール1」以外であれば、当該ブロックは消去済みブロックではないと判断できることから、CPU4は、当該ブロックに対してブロック判定処理(ステップS86)を実行する。ブロック判定処理とは、不良ブロックであるか否かを判定するための処理であり、その詳細については後述する。
【0123】
そして、当該ブロックが正常なブロックであるか否かを判断し(ステップS87)、その結果、当該ブロックが正常なブロックであると判断された場合には、ステップS41又はステップS52に戻って再びキューの読み出しを行い、当該ブロックが不良ブロックであると判断された場合には、不良ブロック化処理(ステップS88)を行った後、ステップS41又はステップS52に戻って再びキューの読み出しを行う。不良ブロック化処理とは、冗長領域22の領域24に格納されるブロックステータスを「不良ブロック」である旨の内容に書き替える等により、今後このブロックが使用されることがないよう処置することをいう。
【0124】
図18は、ブロック判定処理(ステップS86)を示すフローチャートである。ブロック判定処理も、CPU4がROM6に格納されているファームウェアを実行することによって行われる。
【0125】
ブロック判定処理では、まずCPU4は、内部変数eの値を0にリセットし(ステップS91)、判定対象のブロックのうち、ページ番号が内部変数eに一致するページにアクセスし、このページに「オール0」からなるデータを書き込む(ステップS92)。次に、CPU4は、内部変数eをインクリメントした後(ステップS93)、内部変数eがkに一致しているか否かを判断し(ステップS94)、その結果、内部変数eがkに一致していなければステップS92に戻って内部変数eを用いた「オール0」からなるデータの書き込みを行う。
【0126】
このような動作を内部変数eがkに一致するまで行い、内部変数eがkに一致すると、CPU4は内部変数fの値を0にリセットし(ステップS95)、判定対象のブロックのうち、ページ番号が内部変数fに一致するページにアクセスし、その内容を読み出す(ステップS96)。
【0127】
次に、CPU4は、読み出された内容が「オール0」であるか否かを判断し(ステップS97)、その結果、読み出された内容が「オール0」であれば内部変数fをインクリメントし(ステップS98)、さらに内部変数fがkに一致しているか否かを判断する(ステップS99)。その結果、内部変数fがkに一致していなければステップS96に戻って内部変数fを用いたページの読み出しを行い、内部変数fがkに一致していれば、当該ブロックをブロック消去する(ステップS100)。
【0128】
次に、CPU4は、内部変数gの値を0にリセットし(ステップS101)、判定対象のブロックのうち、ページ番号が内部変数gに一致するページにアクセスし、その内容を読み出す(ステップS102)。そして、CPU4は、読み出された内容が「オール1」であるか否かを判断し(ステップS103)、その結果、読み出された内容が「オール1」であれば内部変数gをインクリメントし(ステップS104)、さらに内部変数gがkに一致しているか否かを判断する(ステップS105)。その結果、内部変数gがkに一致していなければステップS102に戻って内部変数gを用いたページの読み出しを行い、内部変数gがkに一致していれば、当該ブロックに含まれる全てのメモリセル10について、消去状態(1)から書込状態(0)への遷移及び書込状態(0)から消去状態(1)への遷移が正常に行われるとともに、当該ブロックが消去済みブロックとなったことが確認されたことから、一連のブロック判定処理を終了する。これは、図17に示すステップS87において正常なブロックであると判断された場合に相当する。
【0129】
一方、ステップS97において消去状態(0)であるメモリセルが発見された場合や、ステップS103において書込状態(1)であるメモリセルが発見された場合には、当該ブロックが不良ブロックであると判断して一連のブロック判定処理を終了する。これは、図17に示すステップS87において不良ブロックであると判断された場合に相当する。
【0130】
このように、本実施態様においては、ホストコンピュータよりデータの書き込みが指示された場合、所定のブロックに実際にデータを書き込む前に、図17に示すベリファイ動作によって当該ブロックが消去済みブロックであるか否かをチェックし、さらに、このブロックが消去済みブロックではないと判断された場合には、ステップS41又はステップS52に戻って新たにキューの読み出しを行っていることから、書き込みキュー33に不正マッピングブロックの物理ブロックアドレスが登録されていた場合であっても、このようなブロックに直接データが書き込まれることなく、データの書き込みを正しく実行することが可能となる。
【0131】
また、ベリファイ動作において消去済みブロックではないと判断された場合、図18に示すブロック判定処理が行われることから、かかる処理によって不正マッピングブロックが通常の消去済みブロックに変換される。このため、上記実施態様と同様、不正マッピングブロックの蓄積によってフラッシュメモリ2の全体が使用不能となることがなく、フラッシュメモリ2の信頼性を高めることが可能となる。
【0132】
さらに、本実施態様によれば、アドレス変換テーブル31等の作成動作中においては、不正マッピングブロックを消去済みブロックと同等に取り扱い、この時点では不正マッピングブロックの消去を行わないことから、アドレス変換テーブル31等の作成動作(初期設定動作)を高速に完了することが可能となる。
【0133】
尚、図17から明らかなように、ステップS83において書込状態(0)のセルが検出された場合、その後行われるブロックの判定処理(図18)の結果いかんに関わらず、ステップS41又はステップS52に戻って新たなキューの読み出しが行われることから、データの書き込みのパフォーマンスを向上させるためには、ブロック判定処理(図18)をペンディングして先にステップS41又はステップS52による新たなキューの読み出しが行い、その後、一連のデータ書き込み処理が完了してからブロック判定処理(図18)を実行することが望ましい。
【0134】
また、上記実施態様においては、ステップS83において書込状態(0)のセルが検出された場合、その後行われるブロックの判定処理(図18)において正常なブロックであると判定されるか不良ブロックであると判定されるかに関わらず、ステップS41又はステップS52に戻って新たにキューの読み出しを行っているが、ブロックの判定処理(図18)の結果、正常なブロックであると判定された場合は、新たなキューを読み出すことなく、当該ブロックに対してデータの書き込みを行うよう構成しても構わない。ただしこの場合、ブロックの判定処理(図18)の結果が判明するまで次の処理を実行できないので、パフォーマンスを極端に低下させないためには、同じブロックに対する連続したベリファイ動作(図17)の回数に制限を持たせることが好ましい。
【0135】
本発明は、以上の実施態様に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
【0136】
また、本発明において、手段とは、必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能がソフトウエアによって実現される場合も包含する。さらに、一つの手段の機能が二以上の物理的手段により実現されても、二以上の手段の機能が一つの物理的手段により実現されてもよい。
【0137】
尚、本発明は、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)が発表した統一規格に基づくPCカードとして実現することが可能である。さらに、近年、半導体素子の高集積化技術の発展に伴い、より小型化された小型メモリカード、例えば、CFA(CompactFlash Association)が提唱する「CompactFlash」や、MultiMediaCardAssociationの提唱する「MMC(MultiMediaCard)」、ソニー株式会社が提唱する「メモリースティック」、松下電器産業株式会社等が提唱する「SDメモリーカード」などに本発明を適用することが可能である。
【0138】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、有効な論理アドレスに対応せずしかも消去済みブロックとしても取り扱われない不正マッピングブロックが存在するか否かが判断され、その結果不正マッピングブロックの存在が明らかとなった場合にはこれをブロック消去していることから、不正マッピングブロックの蓄積によってフラッシュメモリ全体が使用不能となることがない。このため、本発明によれば、フラッシュメモリの信頼性を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施態様にかかるフラッシュメモリシステム1を概略的に示すブロック図である。
【図2】消去状態であるメモリセル10を概略的に示す断面図である。
【図3】書込状態であるメモリセル10を概略的に示す断面図である。
【図4】フラッシュメモリ2のアドレス空間の構造を概略的に示す図である。
【図5】冗長領域22のデータ構造を概略的に示す図である。
【図6】アドレス変換テーブル31のデータ構造を示す図である。
【図7】冗長ブロック登録テーブル32のデータ構造を示す図である。
【図8】書き込みキュー33のデータ構造を示す図である。
【図9】アドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成方法を示すフローチャートである。
【図10】不正マッピングブロックの消去方法を示すフローチャートである。
【図11】データの読み出し動作を示すフローチャートである。
【図12】ホストコンピュータからデータの書き込み要求がデータの新規書込であるのかデータの上書きであるのかを判断するためのフローチャートである。
【図13】データの新規書込動作を示すフローチャートである。
【図14】データの上書き動作を示すフローチャートである。
【図15】本発明の好ましい他の実施態様におけるアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成方法を示すフローチャートである。
【図16】本発明の好ましいさらに他の実施態様におけるアドレス変換テーブル31及び冗長ブロック登録テーブル32の作成方法を示すフローチャートである。
【図17】ベリファイ動作を示すフローチャートである。
【図18】ブロック判定処理を示すフローチャートである。
【図19】論理アドレスと物理アドレスとの関係を模式的に示す図である。
【図20】最大物理アドレス空間11を構成するn個のブロックの構造を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 フラッシュメモリシステム
2 フラッシュメモリ
3 コントローラ
4 CPU
5 RAM
6 ROM
10 メモリセル
11 P型半導体基板
12 ソース拡散領域
13 ドレイン拡散領域
14 トンネル酸化膜
15 フローティングゲート電極
16 絶縁膜
17 コントロールゲート電極
18 チャネル
21 ユーザ領域
22 冗長領域
23 論理ブロックアドレス格納領域
24 その他の付加情報を格納するための領域
31 アドレス変換テーブル
32 冗長ブロック登録テーブル
33 書き込みキュー

Claims (5)

  1. ホストシステムから与えられるセクタ単位のホストアドレスに基づいて、複数のページを含む物理ブロック単位で消去が行われるフラッシュメモリにアクセスするメモリコントローラであって、
    前記ホストアドレスが割り当てられている複数セクタの領域で構成された論理ブロックに該論理ブロックを特定するための論理アドレス情報を付与する論理アドレス情報付与手段と、
    前記物理ブロックの冗長領域に該物理ブロックに対応する前記論理ブロックに付与された論理アドレス情報を書き込み、該論理アドレス情報に基づいて、前記論理ブロックと前記物理ブロックの対応関係を管理するブロック管理手段と、
    対応する前記論理ブロックが無く、かつ消去済みでない前記物理ブロックを不正マッピングブロックと判断し、該不正マッピングブロックに記憶されているデータを消去する消去手段と、を備え、
    前記ブロック管理手段は、前記物理ブロックの冗長領域に書き込まれている前記論理アドレス情報と、該論理アドレス情報が冗長領域に書き込まれている前記物理ブロックとの対応関係を示すアドレス変換テーブルを作成し、
    前記消去手段は、前記アドレス変換テーブルにおいて、対応する前記論理ブロックが存在しない前記論理アドレス情報に対応付けられた前記物理ブロックを不正マッピングブロックと判断する、ことを特徴とするメモリコントローラ。
  2. 前記論理ブロックが複数個含まれる論理ゾーンと、前記物理ブロックが複数個含まれる物理ゾーンとの対応関係を管理するゾーン管理手段を備え、
    前記論理アドレス情報が、前記論理ゾーン内の前記論理ブロックに付けられた通し番号であることを特徴とする請求項1に記載のメモリコントローラ。
  3. 前記消去手段は、前記物理ブロックの冗長領域内の前記論理アドレス情報を書き込む領域に対応するビットが全て消去状態のときに、該物理ブロックは消去済みであると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載のメモリコントローラ。
  4. 複数のページを含む物理ブロック単位で消去が行われるフラッシュメモリと、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のメモリコントローラとを備えることを特徴とするフラッシュメモリシステム。
  5. ホストシステムから与えられるセクタ単位のホストアドレスに基づいて、複数のページを含む物理ブロック単位で消去が行われるフラッシュメモリに対するアクセスを制御するフラッシュメモリの制御方法であって、
    データを書き込んだ前記物理ブロックの冗長領域に、該物理ブロックに対応する論理ブロックを特定するための論理アドレス情報を書き込む論理アドレス情報を書き込みステップと、
    前記論理アドレス情報を書き込みステップで書き込まれた前記論理アドレス情報を読み出し、該読み出した前記論理アドレス情報と前記物理ブロックの対応関係を記述したアドレス変換テーブルを作成するアドレス変換テーブル作成ステップと、
    前記アドレス変換テーブル作成ステップで作成されたアドレス変換テーブルを参照して、対応する前記論理ブロックが存在しない前記論理アドレス情報に対応付けられている前記物理ブロックを判別し、該判別した前記物理ブロックに記憶されているデータを消去するステップとを含む、
    ことを特徴とするフラッシュメモリの制御方法。
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