JP3999413B2 - 車載アダプタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動車内において、携帯電話機に充電器やハンズフリーユニット又はパソコン、ファックス等の非電話のデータ通信機器を接続でき、充電しながら、ハンズフリー通話やデータ通信を行うことができる車載アダプタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図2は携帯電話を車に搭載した時の各ユニットの接続例を示す図である。図示するように、車両用バッテリ1を電源として所定のコネクタ6の付いたケーブル7を使用して充電器2、ハンズフリーユニット3、車載アダプタ4の各ユニット及び携帯電話機5が接続される。
【0003】
車両用バッテリ1は充電器2及びハンズフリーユニット3へ電源を供給し、充電器2の出力は車載アダプタ4を介して携帯電話機5に内蔵されているバッテリ(図では省略)を充電する。携帯電話機5の音声出力信号は車載アダプタ4を介してハンズフリーユニット3へ入力される。ハンズフリーユニット3には増幅器、スピーカ及びマイクが備えられており(図では省略)、使用者は携帯電話機5を充電しながらハンズフリーユニット3を介してフリーハンドで通話をすることができる。
【0004】
尚、ハンズフリーユニット3の替りにパソコンやFAX等の非電話のデータ通信機器を接続してデータ通信することもできる。また、充電やハンズフリー通話の必要の無いときは所定のケーブルで必要なユニットのみ接続することができるようになっている。
【0005】
上述したように、所定のケーブルで各ユニットを接続した場合、充電器2とハンズフリーユニット3の電源は、車両用バッテリ1から供給されるため、充電器2の接地(GND)線(a)とハンズフリーユニット3のGND線(b)は、車載アダプタ4内を通り、車両用バッテリ1と携帯電話機5の間で1つのループを形成する。この接続状態で通話を行なった時、ハンズフリーユニット3のGND線(b)を流れる音声信号のリターン電流と、充電器2のGND線(a)に流れる充電電流が、同一のGND線に流れることによって生じる共通インピーダンスによるバースト性ノイズがハンズフリーユニット3から出力され通話が妨害されるという問題があった。
【0006】
上記バースト性ノイズの防止対策としては通話回路にトランスを挿入し前記充電電流の帰還電流を切る方法があるが、日本のPDC(パーソナルデジタルセルラ)の規格ではオーディオ信号線と、パソコンやFAX等のシリアルデータ線を共通に使用しているため、トランスを挿入するだけではハンズフリーユニット3のノイズ対策はできてもデータ通信ができなくなってしまうという問題があり実施されていなかった。
【0007】
また、上記バースト性ノイズの防止対策として特開平8−149185号公報に開示された電源制御回路がある。これは携帯電話の着脱によってハンズフリーユニットの電源をオン/オフすると共にバースト性の帰還電流がハンズフリーユニットを流れないようにしたものであるが、パソコン等のデータ通信の対応がなくなるという問題があった。また、パソコン等のデータ通信機器が接続できるように設計すると更に複雑でコストアップになるという問題もあった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、上記バースト性ノイズの発生を防止し充電しながらハンズフリーユニットを介してハンズフリーで通話できる簡単な構成で安価な車載アダプタを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、携帯電話機、充電器、ハンズフリーユニット又はデータ通信機器を接続するための車載アダプタであって、携帯電話機は自動車のバッテリーから前記充電器を介して充電されるようになっており、少なくともハンズフリーユニットの電源は自動車のバッテリーから供給され、充電器の接地線とハンズフリーユニットの接地線は車載アダプタ及び携帯電話機を介してループを構成し、自動車内で充電しながらハンズフリー通話を行なうことができる車載アダプタにおいて、車載アダプタのハンズフリーユニット又はデータ通信機器の接地線が接続される接地端子と携帯電話機の接地線が接続される接地端子の間に適切な抵抗値を有する抵抗器を接続し、ハンズフリーユニット又はデータ通信機器の信号伝送線が接続される信号端子と携帯電話機の信号伝送線が接続される信号端子の間に音声信号伝送用トランスとデータ伝送用回路を並列に接続し、車載アダプタにハンズフリーユニットが接続された場合は音声信号伝送用トランスを、データ通信機器が接続された場合はデータ伝送用回路を選択する選択回路を設けたことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の車載アダプタの回路を示す図である。図示するように、本発明の車載アダプタ4はダイオード4−1、音声信号伝送用トランス4−2、スイッチ回路4−3、スイッチ回路4−4、抵抗器4−5を具備する。
【0011】
携帯電話機5の信号伝送線が接続される信号端子4−6及び携帯電話機5のGND線が接続されるGND端子4−7はスイッチ回路4−3を介して音声信号伝送用トランス4−2の入力側へ接続され、ハンズフリーユニット3の信号伝送線が接続される信号端子4−8及びハンズフリーユニット3のGND線が接続されるGND端子4−9はスイッチ回路4−4を介して音声信号伝送用トランス4−2の出力側へ接続されている。スイッチ回路4−3及びスイッチ回路4−4の制御端子には車載アダプタ4に非電話のデータ通信機器が接続されたときに非電話ユニット検出信号が出力される非電話ユニット検出信号線4−10が接続されている。
【0012】
更に、信号端子4−6と信号端子4−8の間にはダイオード4−1が接続され、GND端子4−7とGND端子4−9の間には適切な値(後述)の抵抗器4−5が接続されている。
【0013】
上記構成の車載アダプタの動作を説明する。ハンズフリーユニット3が車載アダプタ4に接続された場合、非電話ユニット検出信号線4−10の非電話ユニット検出信号sによりスイッチ回路4−3及びスイッチ回路4−4がオンし、アナログ音声信号は音声信号伝送用トランス4−2を介して携帯電話機5とハンズフリーユニット3の間で伝送される。
【0014】
パソコンやFAX等の非電話のデータ通信機器が車載アダプタ4に接続された場合、非電話ユニット検出信号sはスイッチ回路4−3及びスイッチ回路4−4をオフし、デジタルデータ信号(ハイレベル5V/ローレベル0V)はダイオード4−1を介してデータ通信機器に伝送される。このダイオード4−1はハンズフリーユニット3で通話中はアナログ音声信号レベルが低くオンしない。
【0015】
GND線に接続された抵抗器4−5はハンズフリーユニット3やデータ通信機器のリターン電流用であり、音声信号伝送用トランス4−2の伝送経路のインピーダンスより充分大きく、充電電流の帰還電流は制限されてバースト性ノイズの発生は起らない値とする。
【0016】
このように音声信号伝送用トランス4−2をスイッチ回路4−3及びスイッチ回路4−4によりオン/オフすることにより、ハンズフリーユニット3のアナログ音声信号とパソコンやFAX等の非電話のデータ通信機器のデジタルデータ信号を同じ信号伝送線を用いて伝送することができる。尚、音声信号伝送用トランス4−2の接続を切替るスイッチ回路4−3及びスイッチ回路4−4を動作させる非電話ユニット検出信号sはハンズフリーユニット3又はデータ通信機器から非電話ユニット検出信号線4−10を介して携帯電話機5へ送られる(PDCの共通仕様)信号である。
【0017】
尚、上記例ではデータ伝送用回路としてダイオード4−1を使用しているが、図3に示すように、音声信号伝送用トランス4−2に並列にデータ伝送用回路(伝送線)4−11を設け、切り替えスイッチ4−12、4−13で非電話ユニット検出信号線4−10に非電話ユニット検出信号sが出力された場合、信号端子4−6と信号端子4−8の間に該データ伝送用回路4−11を接続し、非電話ユニット検出信号sが出力されない場合、音声信号伝送用トランス4−2を接続するように構成してもよい。
【0018】
また、図4に示すように、図1のダイオード4−1に代え、スイッチ回路4−14を設け、該スイッチ回路4−14とスイッチ回路4−3、4−4を反転させてオン/オフさせる(即ち、スイッチ回路4−14をオンとした場合はスイッチ回路4−3、4−4をオフとし、反対にスイッチ回路4−14をオフとした場合はスイッチ回路4−3、4−4をオンとする)ように構成してもよい。
【0019】
以上述べたように本発明の実施の形態例によれば、車載アダプタ4のGND端子4−7とGND端子4−9の間に適切な抵抗値の抵抗器4−5を挿入したので充電電流の帰還電流は制限されバースト性ノイズの発生は抑制される。また、スイッチ回路4−3及びスイッチ回路4−4によりアナログ音声信号は音声信号伝送用トランス4−2を介して伝送し、デジタルデータ信号はダイオード4−1を介して伝送する切替回路を用いたので、音声信号線とデータ信号線を共用している日本のPDC(パーソナルデジタルセルラ)端末においても、ハンズフリーユニット3と非電話のデータ通信機器の両方とも同一端子に接続して使用できる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、車載アダプタのハンズフリーユニット又はデータ通信機器の接地線が接続される接地端子と携帯電話機の接地線が接続される接地端子の間に適切な抵抗値を有する抵抗器を接続し、ハンズフリーユニット又はデータ通信機器の信号伝送線が接続される信号端子と携帯電話機の信号伝送線が接続される信号端子の間に音声信号伝送用トランスとデータ伝送用回路を並列に接続し、車載アダプタにハンズフリーユニットが接続された場合は音声信号伝送用トランスを、データ通信機器が接続された場合はデータ伝送用回路を選択する選択回路を設けたので、下記のような優れた効果が得られる。
【0021】
バースト性ノイズの発生は抑制され、充電を行ないながらハンズフリーユニットを介して通話してもバースト性ノイズの無い安定した通話品質を確保出来る。
【0022】
また、ハンズフリーユニット接続時はアナログ音声信号を音声信号伝送用トランスを介して携帯電話とハンズフリーユニットを接続し、データ通信機器接続時はデータ伝送回路を介して携帯電話とデータ通信機間を接続するので、日本の規格で音声信号線とデータ信号線を共用しているPDC(パーソナルデジタルセルラ)端末においても、ハンズフリーユニットと非電話のデータ通信機器の両方とも、同一端子に接続して使用できる。
【0023】
また、本発明の車載アダプタは非常に簡単で安価であり、現在市販されている充電器、ハンズフリーユニットをそのまま接続して使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車載アダプタの回路例を示す図である。
【図2】携帯電話を車に搭載した時の各ユニットの接続例を示す図である。
【図3】本発明の車載アダプタの他の回路例を示す図である。
【図4】本発明の車載アダプタの他の回路例を示す図である。
【符号の説明】
1 車両用バッテリ
2 充電器
3 ハンズフリーユニット
4 車載アダプタ
4−1 ダイオード
4−2 音声信号伝送用トランス
4−3 スイッチ回路
4−4 スイッチ回路
4−5 抵抗器
4−6 信号端子
4−7 GND端子
4−8 信号端子
4−9 GND端子
4−10 非電話ユニット検出信号線
4−11 データ伝送用回路
4−12 切り替えスイッチ
4−13 切り替えスイッチ
5 携帯電話機

Claims (1)

  1. 携帯電話機、充電器、ハンズフリーユニット又はデータ通信機器を接続するための車載アダプタであって、前記携帯電話機は自動車のバッテリーから前記充電器を介して充電されるようになっており、少なくとも前記ハンズフリーユニットの電源は自動車のバッテリーから供給され、前記充電器の接地線と前記ハンズフリーユニットの接地線は前記車載アダプタ及び前記携帯電話機を介してループを構成し、自動車内で充電しながらハンズフリー通話を行なうことができる車載アダプタにおいて、
    前記車載アダプタの前記ハンズフリーユニット又はデータ通信機器の接地線が接続される接地端子と携帯電話機の接地線が接続される接地端子の間に適切な抵抗値を有する抵抗器を接続し、前記ハンズフリーユニット又はデータ通信機器の信号伝送線が接続される信号端子と携帯電話機の信号伝送線が接続される信号端子の間に音声信号伝送用トランスとデータ伝送用回路を並列に接続し、前記車載アダプタに前記ハンズフリーユニットが接続された場合は前記音声信号伝送用トランスを、前記データ通信機器が接続された場合はデータ伝送用回路を選択する選択回路を設けたことを特徴とする車載アダプタ。
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