JP3998280B2 - 遊技媒体貸出機構 - Google Patents

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良彦 松下
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クレジットカードを用いて遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出機構に関するものであり、特にセキュリティ機能が向上した遊技媒体貸出機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の遊技媒体貸出機構としては、例えば図3に示す、パチンコ機1と対になって設けられているプリペイドカード方式の球貸機2がある。パチンコ機1はフロントドア3の上部に遊技盤4が設けられて構成されている。この遊技盤4の下方には上皿5および下皿6が設けられており、下皿6の右方にはハンドル7が設けられている。上皿5には、球貸スイッチ8,カード排出スイッチ9およびカード残高表示器10からなる球貸操作部が構成されている。また、球貸機2の前面にはカード挿排口11および球貸可能表示ランプ12が設けられている。遊技の開始に先立ち、カード挿排口11にプリペイドカードが挿入され、球貸スイッチ8が押圧操作されると、上皿5には指定金額に応じた分のパチンコ球が供給される。この状態でハンドル7を回すことにより、パチンコ球が発射されて遊技盤4の盤面内に送り込まれ、遊技が行われる。
【0003】
このようなプリペイドカード方式の遊技媒体貸出機構においては、遊技をするごとにプリペイドカードを購入する必要がある。また、遊技をしている最中に購入したプリペイドカードの度数を全て使い果たしてしまうと、遊技を一旦中止して再度カードを購入し直さなければならない。カード購入の際に適当な金種を持ち合わせていない場合には、両替をする必要もあり、余計に手間がかかってしまう。
【0004】
従って、従来、このような欠点のあるプリペイドカードに代え、買い物等に利用されるクレジットカードが使える球貸機が提案されている。この遊技媒体貸出機構ではプリペイドカードに代えてクレジットカードが球貸機のカード挿排口に挿入されることにより、パチンコ球が遊技者に貸し出される。クレジットカード式の球貸機では現金を使用することなく遊技球が貸し出されるため、現金を持ち歩く必要がなく、便利である。また、プリペイドカード方式のように遊技の最中にカードを使い果たして買い直す必要もなく、遊技が中断することはない。さらにクレジットカードによって使用金額が引き落とされる銀行口座の残高が不足していも、後払いすることが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のクレジットカードを用いた遊技媒体貸出機構においては、クレジットカードさえあれば誰でも遊技媒体を購入することが可能であるため、拾ったクレジットカードや盗んだクレジットカードであっても遊技媒体が不正に貸し出されてしまう。また、本人のクレジットカードであっても、カード所有者本人が不正行為をよくする、遊技店にとって好ましくない人物であることがある。また、クレジットカードで遊技媒体を購入すると、知らないうちに多額の金銭を使ってしまい、経済的な破滅に陥りやすい危険がある。また、クレジットカードを持っていない場合には遊技を全くすることが出来ず、不便な場合もある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、遊技場内の遊技機に併設された遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸機と、この遊技媒体貸機に通信回線を介して接続されている遊技場内に設置された端末装置と、この端末装置に通信回線を介して接続されているクレジットカード会社内に設置されたデータベースとを備えて構成され、上記遊技媒体貸機にはクレジットカードが挿入された状態で暗証番号が入力され、上記端末装置は、データベースから通信回線を介して入力したデータベース情報を参照し、挿入されたクレジットカードに対応してデータベースに予め登録されている暗証番号と遊技媒体貸機に入力されて遊技媒体貸機から通信回線を介して入力した暗証暗号との一致,挿入されたクレジットカードの所有者の前歴,および挿入されたクレジットカードの有効性を調査し、遊技媒体貸機に挿入されたクレジットカードおよび入力された暗証番号によって遊技媒体を貸し出しすることが可能か否かを決定し、貸し出しの許可を決定した場合には貸出許可信号、貸し出しの禁止を決定した場合には貸出禁止信号を通信回線を介して遊技媒体貸機へ出力することを特徴とする。
【0007】
また、クレジットカード会社内に設置されたデータベースと通信回線を介して接続された、クレジットカードを発行するカード発行機を遊技場内に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、クレジットカードの使用金額を表示すると共に、クレジットカードを使用して遊技媒体が購入される度に、表示した使用金額に今回の使用金額を加算した総使用金額を表示する表示器を備えたことを特徴とする。
また、上記端末装置が、遊技媒体貸機における総使用金額が一定の金額に達したか否かを判別する機能と、この機能によって総使用金額が一定の金額に達したと判別された場合、通信回線を介して遊技媒体貸機へ貸出禁止信号を出力して遊技媒体貸機による遊技媒体の貸し出しを制限するリミッタとを備えたことを特徴とする。
【0009】
このように遊技媒体貸機に入力された暗証番号がクレジットカード会社に設置されたデータベースと参照され、登録された暗証番号との一致がとられることにより、遊技者がクレジットカードの所有者本人か否かが調査され、本人でない場合には遊技媒体の貸し出しは行われない。また、遊技媒体貸機に挿入されたクレジットカードがデータベースに参照されることにより、カード所有者の前歴が判明し、不正行為の常習者等としてブラックリストに載っている者である場合には、遊技媒体の貸し出しは行われない。また、遊技媒体貸機に挿入されたクレジットカードの有効期限といったカードの有効性も判別され、有効でないクレジットカードの場合にも、遊技媒体の貸し出しは行われない。
【0010】
また、遊技場内にカード発行機が設置されている場合には、クレジットカードを持ち合わせていない場合にも、このカード発行機によって発行されるクレジットカードを用いて遊技媒体を借りることが可能となる。
【0011】
また、クレジットカードの使用金額が一定金額を越えた場合に遊技媒体の貸し出しを制限するリミッタを備えることにより、知らないうちに多額の金銭を消費してまうことが抑止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明による遊技媒体貸出機構をパチンコ機の球貸機に適用した一実施形態について説明する。
【0013】
図2は本実施形態による遊技媒体貸出機構を備えたパチンコ機の正面図であり、同図において図3と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。本実施形態ではカード挿排口11はクレジットカードが挿入される構造になっており、球貸機2の内部には、挿入されたクレジットカードに記録されている磁気情報を読み込むカードリーダが内蔵されている。また、球貸機2の前面にはテンキー13および使用金額表示器14が設けられている。テンキー13は暗証番号入力用等の押しボタンスイッチである。使用金額表示器14は、7セグメントLED(発光ダイオード)によって構成され、球貸機2で遊技客が使用したクレジットカードの金額を表示する。
【0014】
図1は本実施形態による遊技媒体貸出機構の全体の概略構成を示すブロック図である。遊技場21内においては所定台数の上記パチンコ機1および球貸機2が遊技機島を構成している。これら各パチンコ機1および球貸機2は遊技場21内に設置された端末装置22に通信回線を介して接続されている。この端末装置22はATM(現金自動入出金装置)等によって構成される。さらに端末装置22はクレジットカード会社23内に設置されたホストコンピュータ24およびデータベース25に通信回線を介して接続されている。また、遊技場21内にはクレジットカードを自動発行するカード発行機26が設置されている。このカード発行機26も通信回線を介してクレジットカード会社23内のホストコンピュータ24およびデータベース25に接続されている。
【0015】
このような構成において、遊技場21内に入店した遊技者は、遊技に先立ち、まず手持ちのクレジットカードをパチンコ機1に併設された球貸機2のカード挿排口11に挿入する。クレジットカードを持ち合わせていない遊技者は、遊技場21内のカード発行機26によってクレジットカードを入手することが可能である。この際、カード発行機26は、遊技客の身元を確認するため、種々の身元情報をカード発行機26に入力することを遊技者に促す。入力された情報はカード発行会社23に送信され、データベース25が参照されて遊技客の信用調査が行われる。ホストコンピュータ24によって遊技客に所定の信用があるものと判断された場合には、カード発行機26からクレジットカードが発行される。クレジットカードを手にした遊技客は、所望のパチンコ機1に行って発行されたクレジットカードをカード挿排口11に挿入する。
【0016】
次に、遊技客は、カード挿排口11に挿入したクレジットカードの暗証番号をテンキー13に入力する。テンキー13に入力されたこの暗証番号は端末装置22へ送信され、端末装置22は、カード会社23のデータベース25を参照し、カード挿排口11に挿入されたクレジットカードに対応して登録されている暗証番号とテンキー13に入力された暗証番号との一致,挿入されたクレジットカードの所有者の前歴,および挿入されたクレジットカードの有効性を調査する。そして、球貸機2に挿入されたクレジットカードおよびテンキー13に入力された暗証番号によって遊技球を貸し出しすることが可能か否かを決定する。
【0017】
つまり、端末装置22は、テンキー13に入力された暗証番号とデータベース25に予め登録された暗証番号とが一致するか否かを判断し、遊技者がクレジットカードの所有者本人であるか否かを調査する。各暗証番号が一致せず、遊技者がカード所有者本人でないと判断される場合には、端末装置22は球貸機2に貸出禁止信号を出力し、球貸機2による遊技球の貸し出しを禁止する。従って、クレジットカードが拾ったものであったり、盗んだものである場合等には、そのクレジットカードに対応する暗証番号がテンキー13に入力されないため、遊技者がカード所有者でないことが判明し、不正に遊技球が貸し出されるこを防止することが出来る。
【0018】
また、端末装置22は、データベース25を参照し、球貸機2に挿入されたクレジットカードの所有者の前歴を調査する。もしも、クレジットカードの所有者が、遊技場における不正行為の常習者等としてブラックリストに載っている者である場合には、端末装置22は同様に球貸機2に貸出禁止信号を出力し、遊技球の貸し出しを禁止する。本実施形態による遊技媒体貸出機構のこのセキュリティ機能により、遊技場21内における不正行為を未然に有効に防止することが可能である。
【0019】
また、端末装置22は、データベース25を参照し、球貸機2に挿入されたクレジットカードの有効期限といったカードの有効性も判別する。有効でないクレジットカードが挿入されている場合には、同様に球貸機2に貸出禁止信号を出力し、遊技球の貸し出しを禁止する。
【0020】
一方、遊技客が球貸機2に挿入されたクレジットカードの所有者本人と確認され、また、不正行為の前歴も無く、しかも、クレジットカードが有効なものである場合には、端末装置22は球貸機2に貸出許可信号を出力し、遊技球の貸し出しを許可する。この許可がおりると球貸可能表示ランプ12が点灯する。遊技客はこのランプ12の点灯を確認した後、暗証番号に引き続いて遊技球の購入金額をテンキー13に入力する。この金額情報は端末装置22に中継されてカード会社23のホストコンピュータ24に送信され、ホストコンピュータ24は挿入されたクレジットカードによって特定される銀行口座から指定金額を引き落とす。この使用金額は球貸機2の使用金額表示器14にデジタル表示され、遊技客にクレジットカードの使用金額を通知する。
【0021】
端末装置22による遊技球の貸出許可がこのようにおりると、パチンコ機1の上皿5には指定金額に応じた分の遊技球が供給される。従って、遊技客のハンドル7の操作により、上皿5に供給された遊技球は遊技盤4の盤面内に発射される。この盤面内に送り込まれた遊技球は盤面に植設された障害釘に弾かれながら盤面を流下し、パチンコ遊技が行われる。
【0022】
遊技をしていくうちに上皿5に貯留されていた遊技球が無くなると、遊技客は上述した球貸出操作を再度行い、クレジットカードを使用した銀行決済が再び行われる。遊技球のこの再購入により、空になった上皿5に再び購入金額に応じた分の遊技球が払い出される。遊技客はこの遊技球を元手に再度遊技を行う。球貸機2前面の使用金額表示器14には、前回のクレジットカード使用金額に加えて今回の使用金額が加算された総金額が表示される。その日の遊技状態によってはこのような遊技球の再購入が何回か行われ、クレジットカードの総使用金額は次第に膨らむ。このため、知らないうちに多額の金銭をパチンコ遊技に費やすことになり、経済的な破滅に陥りやすい。
【0023】
しかし、本実施形態による遊技媒体貸出機構においては、端末装置22にリミッタが設けられており、クレジットカードの使用金額が一定金額例えば10万円を越えた場合には、端末装置22は球貸機2へ貸出禁止信号を出力し、遊技球の貸し出しを制限する。従って、この端末装置22のリミッタ機能により、知らないうちに多額の金銭を使ってしまい、経済的な破滅に陥りやすい危険から遊技客を保護することが可能となる。
【0024】
なお、このリミッタ機能は、1台のパチンコ機1についての総使用金額の上限を制限するものであってもよいし、また、その遊技場21内におけるその日のその遊技客のクレジットカード総使用金額の上限を制限するものであってもよい。使用金額の上限の制限の仕方はこの他にも種々考えられるが、いずれにしても所定条件の発生によって端末装置22から発せられる指令により、球貸機2の遊技球貸出機能が制御される。
【0025】
なお、上記実施形態では本発明による遊技媒体貸出機構をパチンコ機に適用した場合について説明したが、アレンジボール,スマートボールゲーム機,ピンボールゲーム機といった他の弾球遊技機や、スロットマシンといった遊技機の遊技媒体貸出機構に適用することも可能である。このような各遊技機に本発明を適用した場合においても、上記実施形態と同様な効果が奏される。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、遊技媒体貸機に入力された暗証番号がクレジットカード会社に設置されたデータベースと参照され、登録された暗証番号との一致がとられることにより、遊技者がクレジットカードの所有者本人か否かが調査され、本人でない場合には遊技媒体の貸し出しは行われない。また、遊技媒体貸機に挿入されたクレジットカードがデータベースに参照されることにより、カード所有者の前歴が判明し、不正行為の常習者等の場合には、遊技媒体の貸し出しは行われない。また、遊技媒体貸機に挿入されたクレジットカードの有効期限といったカードの有効性も判別され、有効でないクレジットカードの場合にも、遊技媒体の貸し出しは行われない。このため、遊技球の不正貸出および遊技場内における不正行為が未然に有効に防止され、向上したセキュリティ機能を持つ遊技媒体貸出機構が提供される。
【0027】
また、クレジットカードを持ち合わせていない場合にも、遊技場内にカード発行機が設置されている場合には、このカード発行機によって発行されるクレジットカードを用いて遊技媒体を借りることが可能となる。このため、クレジットカードを持ち合わせていない場合にも遊技を行えるようになり、便利になる。
【0028】
また、クレジットカードの使用金額が一定金額を越えた場合に遊技媒体の貸し出しをリミッタによって制限することにより、知らないうちに多額の金銭をクレジットカードで消費してまうことが抑止され、経済的な破滅を招く危険を回避することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による遊技媒体貸出機構の全体の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による遊技媒体貸出機構を備えたパチンコ機の正面図である。
【図3】従来の遊技媒体貸出機構を備えたパチンコ機の斜視図である。
【符号の説明】
1…パチンコ機
2…球貸機
3…フロントドア
4…遊技盤
5…上皿
6…下皿
7…ハンドル
11…カード挿排口
12…球貸可能表示ランプ
13…テンキー
14…使用金額表示器
21…遊技場
22…端末装置
23…クレジットカード会社
25…データベース
26…カード発行機

Claims (4)

  1. 遊技場内の遊技機に併設された遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸機と、この遊技媒体貸機に通信回線を介して接続されている遊技場内に設置された端末装置と、この端末装置に通信回線を介して接続されているクレジットカード会社内に設置されたデータベースとを備えて構成され、
    前記遊技媒体貸機にはクレジットカードが挿入された状態で暗証番号が入力され、
    前記端末装置は、前記データベースから前記通信回線を介して入力したデータベース情報を参照し、挿入されたクレジットカードに対応して前記データベースに予め登録されている暗証番号と前記遊技媒体貸機に入力されて前記遊技媒体貸機から前記通信回線を介して入力した暗証暗号との一致,挿入されたクレジットカードの所有者の前歴,および挿入されたクレジットカードの有効性を調査し、前記遊技媒体貸機に挿入されたクレジットカードおよび入力された暗証番号によって遊技媒体を貸し出しすることが可能か否かを決定し、貸し出しの許可を決定した場合には貸出許可信号、貸し出しの禁止を決定した場合には貸出禁止信号を前記通信回線を介して前記遊技媒体貸機へ出力する
    ことを特徴とする遊技媒体貸出機構。
  2. クレジットカード会社内に設置された前記データベースと通信回線を介して接続された、前記クレジットカードを発行するカード発行機を遊技場内に備えたことを特徴とする請求項1記載の遊技媒体貸出機構。
  3. 前記遊技媒体貸機は、前記クレジットカードの使用金額を表示すると共に、前記クレジットカードを使用して遊技媒体が購入される度に、表示した使用金額に今回の使用金額を加算した総使用金額を表示する表示器を備えたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の遊技媒体貸出機構。
  4. 前記端末装置は、前記遊技媒体貸機における前記総使用金額が一定の金額に達したか否かを判別する機能と、この機能によって前記総使用金額が一定の金額に達したと判別された場合、前記通信回線を介して前記遊技媒体貸機へ貸出禁止信号を出力して前記遊技媒体貸機による遊技媒体の貸し出しを制限するリミッタとを備えたことを特徴とする請求項3記載の遊技媒体貸出機構。
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