JP3997391B2 - レンズ装置及びレンズ操作ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はレンズ装置及びレンズ操作ユニットに係り、特に移動範囲に制限がない操作部材を有するエンドレス対応のレンズ操作ユニットと、そのレンズ操作ユニットに好適なレンズ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
放送用テレビカメラに使用されるレンズ装置において、フォーカスレンズの位置を制御する方式として、フォーカスポジションデマンド等のレンズ操作ユニットからの位置指令データによりサーボモータを駆動し、その駆動力によってフォーカスレンズを駆動させるサーボ方式が知られている。
【0003】
この種のレンズ操作ユニットは、通常、フォーカスノブ等の操作部材の移動範囲が制限されており(例えば、0°〜720°の範囲)、その操作部材の回転位置に比例した、至近端から無限遠までの位置指令データを出力するようになっている。以下、上記レンズ操作ユニットをエンドレス未対応のレンズ操作ユニットといい、これに対応するレンズ装置をエンドレス未対応のレンズ装置という。
【0004】
一方、近年、操作部材の移動範囲に制限がないレンズ操作ユニットが提案されている。このレンズ操作ユニットは、操作部材の移動量(回転量)に比例した数のパルス信号をレンズ装置に出力しており、レンズ装置ではそのパルス信号を計数し、その計数値から位置指令データを生成している。以下、上記レンズ操作ユニットをエンドレス対応のレンズ操作ユニットといい、これに対応するレンズ装置をエンドレス対応のレンズ装置という。
【0005】
上記エンドレス対応のレンズ操作ユニットは、従来のエンドレス未対応のレンズ操作ユニットのようにフォーカス操作部材の移動位置と一対一に対応する制御データを出力せず、フォーカス操作部材の変化量に対応した制御データを出力する。従って、このエンドレス対応のレンズ操作ユニットが接続される従来のエンドレス対応のレンズ装置は、電源が投入されると、電源投入前にフォーカスレンズを駆動するレンズ駆動手段に出力していた位置指令データが不明であるため、フォーカスレンズを予め設定した固定位置(例えば、至近端と無限遠の中間位置)に移動させていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記エンドレス対応のレンズ操作ユニットが接続される従来のエンドレス対応のレンズ装置は、電源が投入されるごとにフォーカスレンズを固定位置に移動させるため、無駄なレンズ駆動を行っており、従来のエンドレス未対応のレンズ操作ユニットが接続されるエンドレス未対応のレンズ装置と同じような使い方ができないという問題があった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、エンドレス対応のフォーカスポジションデマンド等のレンズ操作ユニットが接続された場合に電源をON/OFFしてもレンズの停止状態を維持することができるレンズ装置を提供するとともに、電源をON/OFFしてもレンズの停止状態を維持することができるエンドレス対応のレンズ操作ユニットを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために請求項1に係るレンズ装置は、移動範囲に制限がない操作部材を有し、該操作部材の移動量に対応した制御データを出力するレンズ操作ユニットから前記制御データを入力する入力手段と、電源投入時にレンズ位置検出手段によって検出したレンズ位置から求めた位置指令データ又は電源切断時にレンズを駆動するレンズ駆動手段に出力されていた位置指令データをレンズ初期値として設定する初期値設定手段と、前記レンズ駆動手段に出力された前回の位置指令データと、前記入力手段から入力する制御データの変化量とを加算した加算値を求め、該加算値が所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を今回の位置指令データとして前記レンズ駆動手段に出力する制御手段であって、電源投入時には前記初期値設定手段によって設定されたレンズ初期値を前記前回の位置指令データとして使用する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0009】
即ち、電源が投入された場合には、前記初期値設定手段によって設定されたレンズを移動させないレンズ初期値を、前回の位置指令データとして使用するようにしている。従って、レンズ操作ユニットが操作されない限り(レンズ操作ユニットからの制御データが変化しない限り)、レンズ駆動手段に出力される今回の位置指令データは前記レンズ初期値から変化せず、レンズの停止状態を維持することができる。
【0010】
尚、前記レンズ初期値は、電源投入時にレンズ位置検出手段によって検出したレンズ位置から求めた位置指令データか、又は電源切断時にレンズ駆動手段に出力されていた位置指令データであり、例えば不揮発性のメモリに記憶させておいたものである。
【0011】
請求項2に示すように前記レンズ操作ユニットは、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数するカウンタとを有し、前記カウンタの所定ビット数の計数値を前記制御データとして出力することを特徴としている。
【0012】
請求項3に示すように前記レンズ操作ユニットは、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数するカウンタとを有し、前記カウンタの所定ビット数の計数値を前記制御データとして出力し、前記制御手段は、前記前回の位置指令データと、前記レンズ操作ユニットから順次サンプリングされる各制御データ間の差分であって、前記制御データがオーバーフローした場合にはオーバーフローを考慮して求めた差分とを加算した加算値を求め、該加算値が前記所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を前記今回の位置指令データとすることを特徴としている。尚、前記制御データは、所定ビット数の値の最小値(0)から最大値の範囲で変動するため、最大値を越えてプラス方向に移動すると、オーバーフローして0になり、0を越えてマイナス方向に移動すると、オーバーフローして最大値になる。従って、上記オーバーフローする場合には、制御データ間の差分を演算する際に、オーバーフローを考慮して正しい差分を求めるようにする。また、上記加算値は、レンズの移動範囲を示す指令値の下限値又は上限値を越える場合があるが、この場合にはその下限値又は上限値を越えないように制限している。
【0013】
請求項4に示すように前記レンズ操作ユニットは、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を前記制御データとして出力するインクリメンタルエンコーダを有し、前記制御手段は、前記前回の位置指令データと、前回の処理時点から今回の処理時点までの間に前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数した計数値とを加算した加算値を求め、該加算値が前記所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を前記今回の位置指令データとすることを特徴としている。
【0014】
請求項5に係る発明は、レンズ装置に接続自在なレンズ操作ユニットにおいて、移動範囲に制限がない操作部材と、前記操作部材の移動量に対応した制御データを出力する出力手段と、電源投入時にレンズ位置検出手段によって検出したレンズ位置から求めた位置指令データ又は電源切断時に前記レンズ装置に出力されていた位置指令データをレンズ初期値として設定する初期値設定手段と、前記レンズ装置に出力されていた前回の位置指令データと、前記出力手段から入力する制御データの変化量とを加算した加算値を求め、該加算値が所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を今回の位置指令データとして前記レンズ装置に出力する制御手段であって、電源投入時には前記初期値設定手段によって設定されたレンズ初期値を前記前回の位置指令データとして使用する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0015】
このレンズ操作ユニットは、エンドレス未対応の従来のレンズ操作ユニットと同様な位置指令データを出力することができる。また、電源が切断された後、電源が投入された場合には、請求項1に係るレンズ装置と同様に初期値設定手段によって設定されたレンズを移動させないレンズ初期値を、前回の位置指令データとして使用し、これによりレンズを移動させないようにしている。
【0016】
請求項6に示すように前記出力手段は、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数するカウンタとを有し、前記カウンタの所定ビット数の計数値を前記制御データとして出力することを特徴としている。
【0017】
請求項7に示すように前記出力手段は、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数するカウンタとを有し、前記カウンタの所定ビット数の計数値を前記制御データとして出力し、前記制御手段は、前記前回の位置指令データと、前記出力手段から順次サンプリングされる各制御データ間の差分であって、前記制御データがオーバーフローした場合にはオーバーフローを考慮して求めた差分とを加算した加算値を求め、該加算値が前記所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を前記今回の位置指令データとすることを特徴としている。
【0018】
請求項8に示すように前記出力手段は、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を前記制御データとして出力するインクリメンタルエンコーダを有し、前記制御手段は、前記前回の位置指令データと、前回の処理時点から今回の処理時点までの間に前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数した計数値とを加算した加算値を求め、該加算値が前記所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を前記今回の位置指令データとすることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るレンズ装置及びレンズ操作ユニットの好ましい実施の形態について詳述する。
【0020】
図1は本発明に係るレンズ装置に本発明に係るレンズ操作ユニットが接続された放送用テレビカメラシステム全体の構成を示した斜視図である。
【0021】
同図に示すようにテレビカメラ10は、本発明に係るレンズ装置12と、カメラ本体14とから構成され、レンズ装置12は、雲台22に載置されたカメラ本体14の正面側に装着される。
【0022】
また、雲台22から延設されたパンチルト棒24A、24Bの先端には、それぞれズームレートデマンドユニット26と、本発明に係るレンズ操作ユニット(フォーカスポジションデマンドユニット)28が設置されている。ズームレートデマンドユニット26は、ズーム速度を指令するズーム速度指令データをケーブルを介してレンズ装置12に出力する。
【0023】
フォーカスポジションデマンドユニット28は、回転範囲に制限がないフォーカスノブ28Aを有し、このフォーカスノブ28Aの回転量に対応したデータをケーブルを介してレンズ装置に出力するが、後述するようにエンドレス対応可能なレンズ装置12に接続されているか、エンドレス未対応のレンズ装置に接続されているかに応じて異なるデータを出力する。
【0024】
カメラマンは、カメラ本体14のビューファインダ20に映る映像を見ながら、ズームレートデマンドユニット26のサムリング26Aを親指で回動操作することによりズーム操作を行い、フォーカスポジションデマンドユニット28のフォーカスノブ28Aを回動操作することでフォーカス操作を行う。
【0025】
尚、図1上で14Aは、レンズ装置12を1軸2操作式で操作する際に使用される操作棒16(図11参照)が取り付けられる操作棒挿通孔14Aである。
【0026】
図2は上記レンズ装置12、フォーカスポジションデマンドユニット28(以下、単に「デマンドユニット28」という)及びレンズ装置に取り付けられるフォーカスモジュール30の内部の回路構成を示す要部ブロック図である。
【0027】
デマンドユニット28は、エンドレス未対応及びエンドレス対応のレンズ装置の両方に使用できるデジタルデマンドユニットであり、フォーカスノブ28Aの回転量に比例した数のパルス信号を出力する操作部材エンコーダ(インクリメンタルエンコーダ)41と、この操作部材エンコーダ41から出力されるパルス信号を計数し、その計数値を制御データFCtrl1として出力するカウンタ42と、リターンスイッチ、フォーカスのプリセットスイッチ等からのスイッチ情報を入力するスイッチ情報入力部43と、デマンドユニット全体を統括制御するデマンド中央処理装置(デマンドCPU)44と、通信インターフェース45とから構成されている。
【0028】
前記カウンタ42は、例えば14ビットのカウンタで、0〜16383の範囲の制御データFCtrl1を出力する。尚、フォーカスノブ28Aがプラス方向(無限遠側)に操作され、計数値がオーバーフローすると(16383を越えると)、計数値は0に戻り、フォーカスノブ28Aがマイナス方向(至近側)に操作され、計数値がオーバーフローすると(0を越えると)、計数値は16383に戻る。
【0029】
デマンドCPU44は、前記制御データFCtrl1及びスイッチ情報を入力するとともに、レンズ装置12側のレンズCPU52との間の通信によって所要の情報(後述するエンドレス許可情報を含むレンズ情報や位置指令データなど)を入力し、前記制御データFCtrl1及び情報に基づいて制御データFSig1 を生成し、この制御データFSig1 を通信インターフェース45を介してレンズ装置12に出力する。尚、このデマンドCPU44における処理の詳細については後述する。
【0030】
レンズ装置12は、エンドレス未対応及びエンドレス対応のデマンドユニットの両方に使用できるデジタルレンズ装置であり、デマンドユニットとの間でデータの授受を行うための通信インターフェース51と、レンズ全体を統括制御するレンズCPU52と、位置指令データ等を記憶する不揮発性のメモリ53と、フォーカスレンズのレンズ位置を検出するフォーカス位置センサ54と、フォーカスモジュール30に位置指令データやレンズ位置データを送信するための通信インターフェース55とから構成されている。
【0031】
前記通信インターフェース51は、デジタルデマンドユニット及びアナログデマンドユニット(位置指令データを電圧信号で出力するデマンドユニット)のインターフェースを有し、レンズCPU52は、通常、通信インターフェース51の1本のラインの電圧でデジタルデマンドユニットが接続されているか、アナログデマンドユニットが接続されているか、又はデマンドユニットの接続無しかを判別している。
【0032】
レンズCPU52は、通信インターフェース51を介して入力する制御データFCtrl2に対し、接続されているデマンドユニットの種類に応じた処理を施して位置指令データFSig2 を生成し、通信インターフェース55を介してフォーカスモジュール30に出力する。また、フォーカス位置センサ54によって検出されたフォーカスレンズの現在位置を示すレンズ位置データを通信インターフェース55を介してフォーカスモジュール30に出力する。尚、このレンズCPU52における処理の詳細については後述する。
【0033】
フォーカスモジュール30は、通信インターフェース31と、モジュールCPU32と、フォーカスモータを含むフォーカス駆動部33とから構成されている。
【0034】
モジュールCPU32は、通信インターフェース31を介してレンズCPU52との間で通信を行い、レンズ装置12から入力する位置指令データFSig2 及びレンズ位置データに基づいてフォーカス駆動部33に制御信号を出力し、フォーカス駆動部33はデマンドCPU32から入力する制御信号に基づいてフォーカスモータを駆動してフォーカスレンズを移動させる。これにより、フォーカスレンズは、位置指令データFSig2 に応じたフォーカス位置になるようにサーボ制御される。
[レンズ装置が主体となってエンドレス処理及びスタンダード処理を行う場合]
次に、レンズ装置12が主体となってエンドレス処理、及びエンドレス未対応の処理(スタンダード処理)を行う場合について説明する。
【0035】
図3のフローチャートに示すようにレンズ装置12のレンズCPU52(図2参照)は、まず、通信インターフェース51に接続されたデマンドユニットが、デジタルデマンドユニットかアナログデマンドユニットかを判別する(ステップS10)。尚、この判別は、前述したように通信インターフェース51の1本のラインの電圧に基づいて行うことができる。また、デマンドユニットの種類を選択するための切替スイッチをレンズ装置12に設け、この切替スイッチの切替信号に基づいて上記判別を行うようにしてもよい。
【0036】
アナログデマンドユニットが接続されていると判別すると、スタンダード処理を行う(ステップS12)。
【0037】
このスタンダード処理は、図4に示すようにアナログデマンドユニットから入力する至近から無限遠までのレンズ位置を示す電圧信号である制御データFCtrl2を読み込み(ステップS30)、これをデジタルの位置指令データFSig2 に変換して、又はアナログ信号のままフォーカスモジュール30に出力する(図3のステップS24)。
【0038】
ステップS10でデジタルデマンドユニットが接続されていると判別すると、デジタルデマンドユニット接続後の1回目の処理か否かを判別する(ステップS14)。1回目の処理の場合には、その接続されたデジタルデマンドユニットからデマンド情報を読み込んだ後(ステップS16)、ステップS18に移行し、2回目以降の処理の場合には、ステップS16の処理を経由せずにステップS18に移行する。
【0039】
尚、前記デマンド情報は、エンドレス対応のデジタルデマンドユニットかエンドレス未対応のデジタルデマンドユニットかを示す情報である。ここで、エンドレス未対応のデジタルデマンドユニットとは、移動範囲に制限があるフォーカスノブ等の操作部材の移動範囲が制限されており、その操作部材の移動位置と一対一に対応する至近端から無限遠までのデジタルの位置指令データを出力するものをいう。また、前記デマンド情報は、デマンドユニットの種類を選択するための切替スイッチから読み込むようにしてもよい。
【0040】
ステップS18では、上記デマンド情報によりエンドレス対応のデジタルデマンドユニットかエンドレス未対応のデジタルデマンドユニットかを判別し、エンドレス未対応のデジタルデマンドユニットの場合には、ステップS20に進み、図4に示すスタンダード処理を行う。即ち、エンドレス未対応のデジタルデマンドユニットから入力する至近から無限遠までのレンズ位置を示すデジタルの制御データFCtrl2を読み込み(図4のステップS30)、これをそのまま位置指令データFSig2 としてフォーカスモジュール30に出力する(図3のステップS24)。
【0041】
一方、ステップS18でエンドレス対応のデジタルデマンドユニット(例えば、図1及び図2に示したデマンドユニット28)であることが判別されると、図5に示すエンドレス処理を行う(ステップS22)。
【0042】
このエンドレス処理は、図5に示すようにデマンドユニット28から制御データFCtrl2を読み込む(ステップS40)。尚、エンドレス処理時には、デマンドユニット28は、カウンタ42からの制御データFCtrl1をそのまま制御データ FSig1 として出力しており、レンズ装置12は、この制御データFSig1 をエンドレス処理時の制御データFCtrl2として読み込んでいる。
【0043】
次に、レンズ装置12への電源投入後の1回目の処理か否かを判別する(ステップS42)。
【0044】
電源投入後の1回目の処理の場合には、レンズCPU52は、フォーカス位置センサ54によって検出されるフォーカスレンズの現在位置を示すレンズ位置データから位置指令データFSig2 を逆算し、これをレンズ初期値FSig2 とする(ステップS44)。また、ステップS40で読み込んだ制御データFCtrl2をMemoFCtrl として一時保持する(ステップS46)。尚、電源投入後の2回目以降の処理の場合には、上記ステップS44及びステップS46の処理を経由せずにステップS48に移行する。
【0045】
ステップS48では、デマンドユニット28の接続後の1回目の処理か否かを判別する(ステップS48)。接続後の1回目の処理の場合には、ステップS40で読み込んだ制御データFCtrl2をMemoFCtrl として一時保持する(ステップS50)。また、デマンドユニット28にエンドレス許可情報を送信する(ステップS52)。このエンドレス許可情報は、エンドレス対応のレンズ装置12及びエンドレス未対応のレンズ装置の両方に使用可能なデマンドユニット28に対して有効な情報であり、このエンドレス許可情報によってデマンドユニット28からエンドレス対応の制御データFSig1 を出力させる。従って、エンドレス対応の制御データFSig1 のみを出力するデマンドユニットが接続された場合には、上記エンドレス許可情報の出力は不要である。
【0046】
一方、デマンドユニット接続後の2回目以降の処理の場合には、上記ステップS50及びステップS52の処理を経由せずにステップS53に移行する。ステップS53では、MemoFCtrl と、ステップS40で読み込んだ制御データFCtrl2との差分を算出し、この差分をRefFCtrlとする。尚、電源投入1回目又はデマンドユニット接続1回目の場合には、MemoFCtrl とステップS40で読み込んだ制御データFCtrl2とが一致するため、前記RefFCtrlは0である。
【0047】
また、MemoFCtrl とFCtrl2との差分RefFCtrlを求める際に、FCtrl2がオーバーフローした値の場合には、以下のようにして差分RefFCtrlを求める。
【0048】
即ち、フォーカスノブをどんなに高速で回転させても所定のサンプリング期間内に差分RefFCtrlが10000を越えることがないため、差分RefFCtrlが±10000を越えると、カウンタ42はオーバーフローしたと判断する。
【0049】
例えば、前回のFCtrl2が16300で、今回のFCtrl2が115の場合、その差分RefFCtrlは、−16185となる。この場合には、プラス側にオーバーフローしたと判断し、次式、
【0050】
【数1】
により、正しい差分を求める。
【0051】
また、前回のFCtrl2が35で、今回のFCtrl2が16282の場合、その差分は、16247となる。この場合には、マイナス側にオーバーフローしたと判断し、次式、
【0052】
【数2】
により、正しい差分を求める。
【0053】
次に、フォーカスモジュール30に出力された前回の位置指令データFSig2 と、ステップS53で求めた差分RefFCtrlとを加算し、この加算値を今回の位置指令データFSig2 とする(ステップS54)。尚、電源投入1回目の処理の場合には、前回の位置指令データFSig2 がないため、ステップS44で求めたレンズ初期値FSig2 が使用される。また、電源投入1回目又はデマンドユニット接続1回目の場合には、RefFCtrlが0であるため、位置指令データFSig2 は変化せず、これによりデマンドユニット28を操作しない限り、フォーカスレンズは移動しない。
【0054】
続いて、ステップS40で読み込んだ制御データFCtrl2を、次回の差分RefFCtrlの演算用にMemoFCtrl として一時保持する(ステップS55)。
【0055】
次に、ステップS54で求めた今回の位置指令データFSig2 が、位置指令データFSig2 の最小値(0)から位置指令データFSig2 の最大値(16383)の範囲を越えないように制限する(ステップS56)。即ち、ステップS54で求めた今回の位置指令データFSig2 が0以下になる場合には、0に制限し、16383以上になる場合には16383に制限する。
【0056】
上記ステップS40〜ステップS56のエンドレス処理(図3のステップS22)を、所定の周期で繰り返し行うことにより、フォーカスノブの操作に応じた時々刻々の位置指令データFSig2 が生成される。
【0057】
このようにして生成された位置指令データFSig2 は、フォーカスモジュール30に出力される(図3のステップS24)。
【0058】
図6は図5に示したエンドレス処理の変形例を示すフローチャートである。尚、図5に示した処理と同じ処理を行うステップには、同じステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0059】
図6に示すエンドレス処理は、図5に示したエンドレス処理と比べて電源投入1回目のレンズ初期値の設定方法のみが異なる。即ち、図5に示したエンドレス処理では、電源投入1回目のレンズ初期値を、レンズ位置データから逆算した位置指令データFSig2 としたが(ステップS44)、図6に示すエンドレス処理は、フォーカスモジュール30に出力された位置指令データFSig2 を不揮発性のメモリ53(図2参照)に記憶させておき(ステップS58)、電源投入1回目のレンズ初期値は、メモリ53から読み出した位置指令データFSig2 としている(ステップS57)。
【0060】
尚、図6に示すフローチャートでは、位置指令データFSig2 を毎回メモリ53に記憶させているが、これに限らず、電源切断時のみ電源切断に先立ってフォーカスモジュール30に出力されていた位置指令データFSig2 を記憶させるようにしてもよい。これによれば、レンズ装置12の電源をON/OFFしてもデマンドユニット28を操作しない限り、フォーカスレンズは移動しない。
【0061】
上記構成のレンズ装置12は、エンドレス未対応の通常のデマンドユニット及びエンドレス対応のデマンドユニットのいずれのデマンドユニットでも使用することができる。
[デマンドユニットが主体となってエンドレス処理及びスタンダード処理を行う場合]
次に、デマンドユニット28が主体となってエンドレス処理、及びエンドレス未対応の処理(スタンダード処理)を行う場合について説明する。
【0062】
図7のフローチャートに示すようにデマンドユニット28のデマンドCPU44(図2参照)は、まず、デマンド信号を読み込む(ステップS60)。このデマンド信号は、カウンタ42から読み込まれる14ビットの制御データFCtrl1の他に、スイッチ情報部43からの各種のスイッチ信号を含む。
【0063】
次に、通信インターフェース45に接続されたレンズ装置が、デジタルレンズ装置かアナログレンズ装置かを判別する(ステップS62)。尚、この判別は、通信インターフェース45の1本のラインの電圧に基づいて行うことができる。また、レンズ装置の種類を選択する切替スイッチをデマンドユニット28に設け、この切替スイッチの切替信号に基づいてレンズ装置を判別するようにしてもよい。
【0064】
アナログレンズ装置に接続されていると判別すると、スタンダード処理を行う(ステップS64)。
【0065】
このスタンダード処理は、図8に示すようにレンズ装置12への電源投入後の1回目の処理か否かを判別する(ステップS80)。電源投入後の1回目の処理の場合には、デマンドCPU44は、レンズ装置側に設けられたフォーカス位置センサからレンズ位置データを読み取り、このレンズ位置データから位置指令データFSig1 を逆算し、これをレンズ初期値FSig1 とする(ステップS81)。また、図7のステップS60で読み込んだ制御データFCtrl1をMemoFCtrl として一時保持する(ステップS82)。尚、ステップS81において、レンズ位置データから算出した位置指令データFSig1 の代わりに、図6のステップS57で説明したように電源切断前にフォーカスモジュール30に出力されていた位置指令データをメモリから読み出し、これをレンズ初期値FSig1 としてもよい。
【0066】
一方、電源投入後の2回目以降の処理の場合には、上記ステップS81及びステップS82の処理を経由せずにステップS83に移行する。
【0067】
その後、ステップS83〜ステップS86の処理を順次行うが、これらのステップS83〜ステップS86における処理は、図5で説明したステップS53〜ステップS56の処理と同様なため、その詳細な説明は省略する。
【0068】
上記スタンダード処理によって生成された位置指令データFSig1 は、図示しないD/A変換器で電圧信号に変換されたのち(図7のステップS66)、アナログレンズ装置に出力される。
【0069】
図7に戻って、ステップS62でデジタルレンズ装置に接続されていると判別されると、その接続されているデジタルレンズ装置からレンズ情報を読み込む(ステップS68)。このレンズ情報は、エンドレス対応のデジタルレンズ装置かエンドレス未対応のデジタルレンズ装置かを示す情報である。
【0070】
尚、このデマンドユニット28がレンズ装置12に接続された場合に、該レンズ装置12から送信されるエンドレス許可情報(図5のステップS52参照)は、エンドレス対応のデジタルレンズ装置であることを示すレンズ情報である。また、前記レンズ情報は、前述したようにレンズ装置の種類を選択する切替スイッチからの情報(切替信号)であってもよい。
【0071】
また、エンドレス対応のデジタルレンズ装置とは、例えば図2に示したカウンタ42からの制御データFCtrl1をそのまま入力した場合に対応できるレンズ装置であり、エンドレス未対応のデジタルレンズ装置とは、例えば図8に示したスタンダード処理された位置指令データFSig1 を入力した場合に対応できるレンズ装置である。
【0072】
上記レンズ情報によりエンドレス対応のデジタルレンズ装置かエンドレス未対応のデジタルレンズ装置かを判別する(ステップS70)。エンドレス未対応のデジタルレンズ装置の場合には、ステップS72に進む。このステップS72では、図8で説明したスタンダード処理を行い、このスタンダード処理によって生成した位置指令データFSig1 を、エンドレス未対応のデジタルレンズ装置に出力する。
【0073】
一方、ステップS70でエンドレス対応のデジタルデマンドユニット(例えば、図1及び図2に示したレンズ装置12)であることが判別されると、図9に示すエンドレス処理を行う(ステップS74)。
【0074】
このエンドレス処理は、図9に示すように14ビットのカウンタ42(図2参照)の計数値である0〜16383の範囲の制御データFCtrl1を読み込み、この制御データFCtrl1をそのまま制御データFSig1 に置き換えて出力する処理である(ステップS90)。尚、フォーカスノブ28Aがプラス方向(無限遠側)に操作され、カウンタ42の計数値がオーバーフローすると(16383を越えると)、計数値は0に戻り、フォーカスノブ28Aがマイナス方向(至近側)に操作され、カウンタ42の計数値がオーバーフローすると(0を越えると)、計数値は16383に戻る。
【0075】
そして、エンドレス対応のデジタルデマンドユニットに対しては、上記エンドレス処理した制御データFSig1 を出力する。
【0076】
上記構成のデマンドユニット28は、エンドレス未対応の通常のレンズ装置及びエンドレス対応のレンズ装置のいずれのレンズ装置でも使用することができる。
【0077】
図10は本発明に係るレンズ装置に本発明に係るレンズ操作ユニットが接続された放送用テレビカメラシステム全体の他の構成を示した斜視図である。尚、図10において、図1と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0078】
図10に示す放送用テレビカメラシステム全体の構成は、図1に示したものと比較して、操作棒16が取り付けられている点で相違する。
【0079】
この操作棒16は、カメラ本体14に形成された操作棒挿通孔14A(図1参照)を貫通してカメラ本体14の背面側に突出される。カメラマンは、カメラ本体14のビューファインダ20に映る映像を見ながら、この操作棒16の指掛部18を把持して操作棒16を押し引き操作することでズーム操作を行うことができ、また、指掛部18を回転操作し、操作棒16の軸を回転させることでフォーカス操作を行うことができる。
【0080】
操作棒16、ズームレートデマンドユニット26、及びデマンドユニット28のいずれを使用してフォーカス操作及びズーム操作を行うかは、撮影状況やカメラマンの好みで選択できるようになっている。
【0081】
図11は上記レンズ装置12、デマンドユニット28及びレンズ装置に取り付けられるフォーカスモジュール30の内部の回路構成を示す要部ブロック図である。尚、図2に示した要部ブロック図と共通する部分には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0082】
図11に示すブロック図は、図2に示したブロック図と比較すると、主としてレンズ装置11内に操作部材エンコーダ56及びカウンタ57が設けられている点で相違する。
【0083】
図12に示すように操作棒16は、指掛部18を把持して押し引きすることができ、ポテンショメータ58は、操作棒16の押し引きした移動位置を示す信号をズーム速度指令信号として出力する。
【0084】
また、操作棒16は、回転範囲に制限がなく、指掛部18を把持して操作棒16の軸を回転させることができ、操作部材エンコーダ(インクリメンタルエンコーダ)56は、操作棒16の回転量に比例したパルス信号を出力する。従って、この操作棒16を含むレンズ操作ユニットは、エンドレス対応のレンズ操作ユニットである。
【0085】
図11に示したカウンタ57は、この操作部材エンコーダ56から出力されるパルス信号を計数し、その計数値を示す制御データFCtrlManu をレンズCPU52に出力する。尚、カウンタ57は、デマンドユニット28側のカウンタ42と同様に14ビットのカウンタで、0〜16383の範囲の制御データFCtrlManu を出力する。
【0086】
また、図11に示すようにデマンドCPU44から出力される制御データFSig1 は、レンズCPU52に制御データFCtrlDemとして入力される。
[レンズ装置が主体となって操作棒/デマンドユニットの切替時の処理等を行う場合]
次に、レンズ装置12が主体となってデマンドユニット28のフォーカスノブが操作された場合の処理と、操作棒16が回転操作された場合の処理について説明する。
【0087】
図10に示したようにレンズ装置12には、操作棒16とデマンドユニット28の両方が接続できるようになっている。カメラマンは、撮影状況や好みで操作棒16又はデマンドユニット28を適宜切り替えてフォーカスレンズの位置を制御する。
【0088】
図13に示すフローチャートにおいて、レンズ装置12のレンズCPU52(図11参照)は、操作棒16及びデマンドユニット28のうちのいずれのフォーカス操作手段が選択されたかを判別する(ステップS100)。尚、この判別は、操作棒側が入力する制御データFCtrlManu と、デマンドユニット側から入力する制御データFCtrlDemのうち、制御データに変化があった方のフォーカス操作手段が現在選択されているものと判別する。また、操作棒16及びデマンドユニット28のうちのいずれを使用するかを選択するための切替スイッチをレンズ装置12又はデマンドユニット28に設け、この切替スイッチの切替信号に基づいて上記判別を行うようにしてもよい。
【0089】
ステップS100において、フォーカス操作手段がデマンドユニット28に切り替えられていると判別されると、デマンドユニット28のフォーカスノブの操作に基づくフォーカスレンズの位置制御を行うための処理(デマンド処理)を行い(ステップS102)、フォーカス操作手段が操作棒16に切り替えられていると判別されると、操作棒16の回転操作に基づくフォーカスレンズの位置制御を行うための処理(操作棒処理)を行う(ステップS104)。
【0090】
次に、ステップS102におけるデマンド処理について、図14のフローチャートを参照しながら説明する。
【0091】
図14に示すように、先ずデマンドユニットがレンズ装置12に接続された後の1回目の処理か否かを判別する(ステップS110)。1回目の処理の場合には、その接続されたデマンドユニットからデマンド情報を読み込み(ステップS112)、2回目以降の処理の場合にはステップS112の処理を経由せずにステップS114に移行する。尚、前記デマンド情報は、エンドレス対応のデマンドユニットかエンドレス未対応のデマンドユニットかを示す情報である。
【0092】
次に、デマンドユニットから制御データFCtrlDemを読み込む(ステップS114)。
【0093】
続いて、ステップS112で読み込んだデマンド情報によりエンドレス対応のデマンドユニットかエンドレス未対応のデマンドユニットかを判別する(ステップS116)。エンドレス未対応のデマンドユニットの場合には、ステップS114で読み込んだ制御データFCtrlDemをそのまま位置指令データFSig2 としてフォーカスモジュール30に出力する(ステップS118)。
【0094】
一方、ステップS116でエンドレス対応のデマンドユニット(例えば、図10及び図11に示したデマンドユニット28)であることが判別されると、続いてデマンドユニット28に切り替えられた後の1回目の処理か否かを判別する(ステップS120)。
【0095】
デマンドユニット切替後の1回目の処理の場合には、ステップS114で読み込んだ制御データFCtrlDemをMemoFCtrlDemとして一時保持する(ステップS122)。また、デマンドユニット28にエンドレス許可情報を送信する(ステップS123)。このエンドレス許可情報は、エンドレス対応のレンズ装置12及びエンドレス未対応のレンズ装置の両方に使用可能なデマンドユニット28に対して有効な情報であり、このエンドレス許可情報によってデマンドユニット28からエンドレス対応の制御データFCtrlDemを出力させる。従って、エンドレス対応の制御データFCtrlDemのみを出力するデマンドユニットに切り替えられた場合には、上記エンドレス許可情報の出力は不要である。
【0096】
一方、デマンドユニット切替後の2回目以降の処理の場合には、上記ステップS122及びステップS123の処理を経由せずにステップS124に移行する。ステップS124では、MemoFCtrlDemと、ステップS114で読み込んだ制御データFCtrlDemとの差分を算出し、この差分をRefFCtrlDem とする。尚、デマンドユニット切替1回目の場合には、MemoFCtrlDemとステップS114で読み込んだ制御データFCtrlDemとが一致するため、前記RefFCtrlDem は0である。
【0097】
また、MemoFCtrlDemとFCtrlDemとの差分RefFCtrlDem を求める際に、FCtrlDemがオーバーフローした値の場合には、前述した「数1」又は「数2」に示したオーバーフロー用の演算を行う。
【0098】
次に、フォーカスモジュール30に出力された前回の位置指令データFSig2 と、ステップS124で求めた差分RefFCtrlDem とを加算し、この加算値を今回の位置指令データFSig2 とする(ステップS126)。尚、デマンドユニット切替1回目の場合には、RefFCtrlが0であるため、位置指令データFSig2 は変化せず、これによりデマンドユニット28を操作しない限り、フォーカスレンズは移動しない。
【0099】
続いて、ステップS114で読み込んだ制御データFCtrlDemを、次回の差分RefFCtrlDem の演算用にMemoFCtrlDemとして一時保持する(ステップS128)。
次に、ステップS124で求めた今回の位置指令データFSig2 が、位置指令データFSig2 の最小値(0)から位置指令データFSig2 の最大値(16383)の範囲を越えないように制限する(ステップS130)。
【0100】
上記ステップS110〜ステップS130のデマンド処理(図13のステップS102)を、所定の周期で繰り返し行うことにより、フォーカスノブの操作に応じた時々刻々の位置指令データFSig2 が生成される。
【0101】
このようにして生成された位置指令データFSig2 は、フォーカスモジュール30に出力される(図13のステップS106)。
【0102】
図13のステップS100において、フォーカス操作手段が操作棒16に切り替えられていると判別されると、操作棒16の回転操作に基づくフォーカスレンズの位置制御を行うための処理(操作棒処理)を行う(ステップS104)。
【0103】
次に、ステップS104における操作棒処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
【0104】
図15に示すように、まず、操作棒側のカウンタ57(図11参照)から制御データFCtrlManu を読み込む(ステップS132)。
【0105】
続いて、操作棒16に切り替えられた後の1回目の処理か否かを判別する(ステップS134)。操作棒切替後の1回目の処理の場合には、ステップS132で読み込んだ制御データFCtrlManu をMemoFCtrlManu として一時保持する(ステップS136)。
【0106】
一方、操作棒切替後の2回目以降の処理の場合には、上記ステップS136の処理を経由せずにステップS138に移行する。
【0107】
尚、ステップS138からステップS144までの処理は、図14で説明したステップS124〜ステップS130の処理と同様なため、その詳細な説明は省略する。但し、ステップS138において、MemoFCtrlManu とFCtrlManu との差分をRefFCtrlManuとしている。
【0108】
上記操作棒処理によって生成された位置指令データFSig2 は、フォーカスモジュール30に出力される(図13のステップS106)。
【0109】
以上説明したように上記レンズ装置12によれば、フォーカス操作手段が操作棒16からデマンドユニット28に切り替えられた場合に、その切替時点でフォーカスレンズが移動することがなく、同様にデマンドユニット28から操作棒16に切り替えられた場合も、その切替時点でフォーカスレンズが移動することがなく、フォーカス操作手段の切替を円滑に行うことができる。
【0110】
尚、この実施の形態では、操作棒16及びデマンドユニット28の両方ともエンドレス対応のものを使用した場合について説明したが、例えば、デマンドユニットのみをエンドレス対応のものを使用してもよい。この場合には、操作棒からデマンドユニットへの切替時のみフォーカスレンズを移動させずに行うことができる。
[デマンドユニットが主体となって該デマンドユニットへの切替時の処理等を行う場合]
次に、デマンドユニット28が主体となってデマンドユニット28のフォーカスノブが操作された場合の処理と、操作棒16が回転操作された場合の処理について説明する。
【0111】
デマンドユニット28は、レンズ装置に接続された他のフォーカス操作手段(例えば、操作棒16)からデマンドユニット28に切り替えられたことを検知する検知手段を有している。この検知は、例えばデマンドユニット28に設けられたデマンドユニット/操作棒切替スイッチやフォーカスノブに設けられたタッチセンサからのスイッチ情報に基づいてデマンドCPU44が行うことができる。
【0112】
そして、デマンドユニットへの切替を検知すると、このデマンドユニット28は、前述した図7、図8及び図9に示した処理を行う。尚、図8のステップS80では、電源投入1回目か否かの判断の代わりに、デマンドユニット切替1回目か否かの判断を行う。
【0113】
このデマンドユニット28によれば、フォーカス操作手段が操作棒16等からデマンドユニット28に切り替えられた場合に、その切替時点でフォーカスレンズが移動することがなく、デマンドユニット28への切替を円滑に行うことができる。
【0114】
尚、この実施の形態では、エンドレス対応のデマンドユニット等のレンズ操作ユニットは、インクリメンタルエンコーダと、このインクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数するカウンタとを有しているが、インクリメンタルエンコーダ及びカウンタの代わりに、アブソリュートエンコーダを有するものや、インクリメンタルエンコーダのみを有するものでもよい。
【0115】
そして、インクリメンタルエンコーダのみを有するレンズ操作ユニット、又はこのレンズ操作ユニットが接続されるレンズ装置は、前回と今回の制御データの差分として、前回と今回の処理期間内にインクリメンタルエンコーダから出力されるパルス数を求めればよい。
【0116】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るレンズ装置によれば、エンドレス対応のフォーカスポジションデマンドユニット等のレンズ操作ユニットが接続された場合に、電源をON/OFFしてもレンズの停止状態を維持することができる。また、本発明に係るエンドレス対応のフォーカスポジションデマンドユニット等のレンズ操作ユニットは、電源がON/OFFされてもレンズの停止状態を維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレンズ装置に本発明に係るレンズ操作ユニットが接続された放送用テレビカメラシステム全体の構成を示した斜視図
【図2】図1に示したレンズ装置及びデマンドユニット等の内部の回路構成を示す要部ブロック図
【図3】図1に示したレンズ装置の作用を説明するために用いたフローチャート
【図4】図1に示したレンズ装置の作用を説明するために用いたフローチャート
【図5】図1に示したレンズ装置の作用を説明するために用いたフローチャート
【図6】図1に示したレンズ装置の作用を説明するために用いたフローチャート
【図7】図1に示したデマンドユニットの作用を説明するために用いたフローチャート
【図8】図1に示したデマンドユニットの作用を説明するために用いたフローチャート
【図9】図1に示したデマンドユニットの作用を説明するために用いたフローチャート
【図10】本発明に係るレンズ装置に本発明に係るレンズ操作ユニットが接続された放送用テレビカメラシステム全体の他の構成を示した斜視図
【図11】図10に示したレンズ装置及びデマンドユニット等の内部の回路構成を示す要部ブロック図
【図12】図10に示した操作棒の動作を説明するために用いた概念図
【図13】図10に示したレンズ装置の作用を説明するために用いたフローチャート
【図14】図10に示したレンズ装置の作用を説明するために用いたフローチャート
【図15】図10に示したレンズ装置の作用を説明するために用いたフローチャート
【符号の説明】
10…テレビカメラ、12…レンズ装置、14…カメラ本体、16…操作棒、28…フォーカスポジションデマンドユニット(デマンドユニット)、30…フォーカスモジュール、31、45、51、55…通信インターフェース、41、56…操作部材エンコーダ、42、57…カウンタ、44…デマンドCPU、52…レンズCPU、53…メモリ、54…フォーカス位置センサ
Claims (8)
- 移動範囲に制限がない操作部材を有し、該操作部材の移動量に対応した制御データを出力するレンズ操作ユニットから前記制御データを入力する入力手段と、
電源投入時にレンズ位置検出手段によって検出したレンズ位置から求めた位置指令データ又は電源切断時にレンズを駆動するレンズ駆動手段に出力されていた位置指令データをレンズ初期値として設定する初期値設定手段と、
前記レンズ駆動手段に出力された前回の位置指令データと、前記入力手段から入力する制御データの変化量とを加算した加算値を求め、該加算値が所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を今回の位置指令データとして前記レンズ駆動手段に出力する制御手段であって、電源投入時には前記初期値設定手段によって設定されたレンズ初期値を前記前回の位置指令データとして使用する制御手段と、
を備えたことを特徴とするレンズ装置。 - 前記レンズ操作ユニットは、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数するカウンタとを有し、前記カウンタの所定ビット数の計数値を前記制御データとして出力することを特徴とする請求項1のレンズ装置。
- 前記レンズ操作ユニットは、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数するカウンタとを有し、前記カウンタの所定ビット数の計数値を前記制御データとして出力し、
前記制御手段は、前記前回の位置指令データと、前記レンズ操作ユニットから順次サンプリングされる各制御データ間の差分であって、前記制御データがオーバーフローした場合にはオーバーフローを考慮して求めた差分とを加算した加算値を求め、該加算値が前記所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を前記今回の位置指令データとすることを特徴とする請求項1のレンズ装置。 - 前記レンズ操作ユニットは、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を前記制御データとして出力するインクリメンタルエンコーダを有し、前記制御手段は、前記前回の位置指令データと、前回の処理時点から今回の処理時点までの間に前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数した計数値とを加算した加算値を求め、該加算値が前記所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を前記今回の位置指令データとすることを特徴とする請求項1のレンズ装置。
- レンズ装置に接続自在なレンズ操作ユニットにおいて、
移動範囲に制限がない操作部材と、
前記操作部材の移動量に対応した制御データを出力する出力手段と、
電源投入時にレンズ位置検出手段によって検出したレンズ位置から求めた位置指令データ又は電源切断時に前記レンズ装置に出力されていた位置指令データをレンズ初期値として設定する初期値設定手段と、
前記レンズ装置に出力されていた前回の位置指令データと、前記出力手段から入力する制御データの変化量とを加算した加算値を求め、該加算値が所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を今回の位置指令データとして前記レンズ装置に出力する制御手段であって、電源投入時には前記初期値設定手段によって設定されたレンズ初期値を前記前回の位置指令データとして使用する制御手段と、
を備えたことを特徴とするレンズ操作ユニット。 - 前記出力手段は、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数するカウンタとを有し、前記カウンタの所定ビット数の計数値を前記制御データとして出力することを特徴とする請求項5のレンズ操作ユニット。
- 前記出力手段は、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を出力するインクリメンタルエンコーダと、前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数するカウンタとを有し、前記カウンタの所定ビット数の計数値を前記制御データとして出力し、
前記制御手段は、前記前回の位置指令データと、前記出力手段から順次サンプリングされる各制御データ間の差分であって、前記制御データがオーバーフローした場合にはオーバーフローを考慮して求めた差分とを加算した加算値を求め、該加算値が前記所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を前記今回の位置指令データとすることを特徴とする請求項5のレンズ操作ユニット。 - 前記出力手段は、前記操作部材の移動量に比例した数のパルス信号を前記制御データとして出力するインクリメンタルエンコーダを有し、前記制御手段は、前記前回の位置指令データと、前回の処理時点から今回の処理時点までの間に前記インクリメンタルエンコーダから出力されるパルス信号を計数した計数値とを加算した加算値を求め、該加算値が前記所定の下限値及び上限値を越えないように制限してなる加算値を前記今回の位置指令データとすることを特徴とする請求項5のレンズ操作ユニット。
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