JP3996989B2 - 耐摩耗性鋳鉄 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐摩耗性鋳鉄に係り、特に、鉱業、農業、鉱物処理プロセスなどにおいて引掻摩耗やエロージョンを受ける部材に用いられる耐摩耗性鋳鉄に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
引掻摩耗やエロージョンに強い材料として、炭素化合物(炭化物)を多量に分散させた鋳鉄がある。
【0003】
これらの鋳鉄の中で最も耐摩耗性に優れるものは、Fe母材中に、2〜4wt%(好ましくは2.5〜3wt%)のC、15〜30wt%(好ましくは15〜27wt%)のCr、およびNi、Si、Mnを適宜添加した高Cr鋳鉄である。この高Cr鋳鉄を用いて質量の大きな部品を形成する場合においては、外部組織から内部組織に亘って均一に硬質化すべく、更に1〜5wt%のMoを添加し、焼入れ性を改善することが多い。
【0004】
一方、炭素鋼や普通鋳物の表面に溶接棒を用いて硬質物質を盛金することによって耐摩耗性を向上させる方法も実用化している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この種の耐摩耗性部品については、適宜交換を行う消耗品であるという考えが強く、特性改善に対してコストアップは極力小さいものにしなければならない。
【0006】
高Cr鋳鉄の耐摩耗性を向上させる方法として、母材中にMo、Nb、Vなどを添加し、Cr炭化物以外の硬質炭化物を析出させる方法が挙げられるが、品質の安定性やコストアップなどの面において何らかの問題があり、未だ実用化していない。
【0007】
また、盛金溶接棒の改良においても、母材中にTi、Nb、Vなどの高価な金属元素を添加することから、コストアップの問題が実用化の障害となっている。
【0008】
さらに、盛金によって耐摩耗性を向上させる方法は、耐摩耗性(盛金硬さ)の要求値が高くなる程、溶接割れの点から困難になる。すなわち、硬質盛金は小さな部品に対しては適用できるが、大きな部品に対しては多数のクラックを伴うため適用することができない。
【0009】
また更に、この方法は、小さな試験片(部品)では特性を得ることができるが、大きな部品においては熱処理を施すことができないため特性を得にくく、実験室(小さな部品)では数倍の寿命改善が認められても、実物(大きな部品)では予想より効果が少ないという例が多い。
【0010】
近年、高い耐摩耗性を要求される鋳造部品には、例えば、Fe−3C−20Cr−2Mo(wt%)という組成を有した高Cr鋳鉄が多く用いられているが、この高Cr鋳鉄よりも耐摩耗性が優れた鋳鉄として、Fe−3C−18Cr−16Mo−6.3Co−2V(wt%;Trans.ASME,J.Lubrication Technology,vol.100(1978),p.428,W.L.Silence )またはFe−3C−17Cr−16Mo−2V(wt%)が挙げられる。
【0011】
前者の組成の鋳鉄・溶接材料は、Haynes93という合金名で知られており、高Cr鋳鉄の約2倍の耐摩耗性を有しているが、MoおよびCoを多量に含有しているために原料コストが非常に高くなると共に、硬すぎるために加工コストも上昇してしまう。
【0012】
そこで本発明は、上記課題を解決し、コストと耐摩耗特性のバランスのとれた耐摩耗性鋳鉄を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、化学組成が、
C:2.7〜3.5wt%
Cr:16〜22wt%
Mo:6〜12wt%
Si:0.4〜0.8wt%
Mn:0.4〜1.0wt%
Ni:0.5〜1.2wt%
残部がFeおよび不可避不純物からなるものである。
【0014】
請求項2の発明は、化学組成が、
C:2.8〜3.3wt%
Cr:17〜19wt%
Mo:7〜9wt%
Si:0.4〜0.8wt%
Mn:0.4〜1.0wt%
Ni:0.5〜1.2wt%
残部がFeおよび不可避不純物からなるものである。
【0016】
以上の構成によれば、請求項1、2の化学組成については、コストと耐摩耗特性のバランスが向上し、請求項3の化学組成においては、より一層の耐摩耗性の向上が期待される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0018】
本発明の耐摩耗性鋳鉄は、C:2.7〜3.5wt%,Cr:16〜22wt%,Mo:6〜12wt%,Si:0.4〜0.8wt%,Mn:0.4〜1.0wt%,Ni:0.5〜1.2wt%,残部がFeおよび不可避不純物という化学組成の鋳鉄である。
【0019】
上記数値範囲を限定した理由を以下に述べる。
【0020】
Cは耐摩耗性に有効な炭化物の主要構成元素の1つであり、添加量が多い程、析出物の量も多くなる。Cの添加量が2.7wt%よりも少ないと析出物の析出量が十分ではなく、逆に、Cの添加量が3.5wt%よりも多いと粗大な炭化物が多量に分散して脆くなるためであり、特に好ましくは2.8〜3.3wt%とする。
【0021】
CrはCと同じ効果を有する金属元素であり、Crの添加量が16wt%よりも少ないと効果が得られにくく、22wt%よりも多いと脆くなるためであり、特に好ましくは17〜19wt%とする。
【0022】
Moは焼入れ性を向上すべく、母材中に6〜12wt%添加されるものであり、Moの添加量が6wt%よりも少ないと効果が得られにくく、12wt%よりも多いとコストと耐摩耗性とのバランスが悪化する(耐摩耗性の向上よりもコストの上昇の方が著しくなる)。ここで、耐摩耗性が飛躍的に向上する8〜12wt%のMo添加が好ましいが、この範囲内においては、Mo添加量の減少による耐摩耗性の低下は緩やかであるため、特に、7〜9wt%程度のMoの添加がコストと耐摩耗性とのバランスがよい。尚、Moの添加量は、コストと耐摩耗性とのバランスによって決定されると共に、目的・用途に応じて適宜選択されるものであるため、耐摩耗性の向上が強く要求されない場合は、Mo添加量は6wt%程度であってよい。
【0023】
SiおよびMnは鋳鉄の溶解における脱酸素に必要な元素であり、通常、それぞれ0.4〜0.8wt%、0.4〜1.0wt%添加する。それぞれ0.8wt%、1.0wt%よりも多く添加すると耐摩耗性の劣化を招く。
【0024】
Niは焼入れ性を向上すべく、母材中に少量添加されるものであり、通常、0.5〜1.2wt%添加する。
【0026】
本発明の耐摩耗性鋳鉄の摩耗特性を図1に示す。図中の縦軸は、従来材の中でも、高級耐摩耗性材料であり、かつ、現用材料で最も耐摩耗性に優れたFe−3C−20Cr−2Mo(wt%)鋳鉄の時間当たりの質量減少(摩耗速度)を1とした時の相対値を示している。
【0027】
一般に、摩耗速度が小さい材料ほど、耐摩耗性が良好であり、図1に示すように、Fe−3C−20Cr−2Mo(wt%)鋳鉄の摩耗速度の相対値を1とした場合、本発明の耐摩耗性鋳鉄の摩耗速度の相対値は0.7以下となっており、優れた耐摩耗性を示した。
【0028】
すなわち、本発明の耐摩耗性鋳鉄は、C:2.7〜3.5wt%、好ましくは2.8〜3.3wt%,Cr:16〜22wt%、好ましくは17〜19wt%,Mo:6〜12wt%、好ましくは7〜9wt%,Si:0.4〜0.8wt%,Mn:0.4〜1.0wt%,Ni:0.5〜1.2wt%,残部がFeおよび不可避不純物という化学組成としているため、Fe−3C−20Cr−2Mo(wt%)鋳鉄と比較して、製造コストの上昇を10〜20%程度に抑えながら、耐摩耗性を50%以上向上させることができる。
【0029】
【実施例】
前述したHaynes93のように、鋳鉄母材中にMoを16wt%添加すると、Cr炭化物の他に、CrとMoの複合炭化物やMo炭化物が析出するため、鋳鉄の硬度が上昇すると共に、耐摩耗性が向上するということが判明している。しかし、数wt%〜16wt%の範囲でMoを添加した場合、耐摩耗性がどのように変化するかについては明らかではなかった。
【0030】
ここで、化学組成が、C:2.8 〜3.6wt%,Si:0.2〜1.0wt%,Mn:0.5〜1.8wt%,Cr:10 〜20wt% ,Ni:0.5〜1.5wt%,Mo:1.0〜2.0wt%,W:0.2 〜0.8wt%,V:0.5 〜1.2wt%,B:0.2wt%以下の鋳鉄において、Moを2wt%以上添加しても硬度の上昇にあまり変化はないという報告がある(特開平6−240403号公報)。
【0031】
しかし、この報告では、Moを2wt%以上添加した場合における硬度の変化については明らかになっているものの、耐摩耗性がどのように変化するかについては明らかになっていない。
【0032】
本発明者らは、Moを2wt%以上添加した場合に、耐摩耗性がどのように変化するかという点に着目し、硬さデータから耐摩耗性を推測するという摩耗特性評価をやめ、実際に耐摩耗試験を行い、その上で摩耗特性評価を行った。
【0033】
以下に、実施例および比較例を示す。尚、各例の化学組成の記載において、各例における共通成分であるSi:0.7wt%、Mn:0.8wt%、Ni:0.9wt%については、その記載を省略している。
【0034】
(参考例1)
化学組成が、Fe−2.9C−18Cr−12.0Mo−2.1V(wt%)の鋳鉄約2kgを、減圧Arガス雰囲気で溶解すると共に、1,720Kの温度で保持する。
【0035】
この溶湯をアルミナるつぼ中に鋳込んだ後、2K/minの速度で1,320Kまで一定速度で徐冷却しながら溶湯を凝固させ、直径70mmの円筒状インゴットを作製する。ここで、凝固速度を制御するのは、普通に冷却すると試験片と実物(例えば、重さが3〜5t)との凝固速度が著しく異なるためであり、凝固速度を制御することによって、試験片の凝固速度・内部組織を、実物の凝固速度・内部組織にできるだけ近付けている。
【0036】
鋳造後のインゴットに、不安定化熱処理として1,320K×6hrの加熱を施した後、油冷する。さらに、不安定化熱処理後のインゴットに、800K×4hrの焼戻処理を施して耐摩耗性鋳鉄を作製する。
【0037】
この耐摩耗性鋳鉄から幅10mm、長さ50mm、厚さ20mmの試験片を切り出し、この試験片にエメリー紙研磨を施して耐摩耗性鋳鉄の試験片を作製する。
【0038】
(参考例2)
化学組成が、Fe−3.3C−19Cr−8.0Mo−2.2V(wt%)の鋳鉄を用い、後は参考例1と同様にして耐摩耗性鋳鉄の試験片を作製する。
【0039】
(参考例3)
化学組成が、Fe−3.1C−19Cr−8.0Mo−2.2V(wt%)の鋳鉄を用い、後は参考例1と同様にして耐摩耗性鋳鉄の試験片を作製する。
【0040】
(参考例4)
化学組成が、Fe−2.8C−19Cr−8.0Mo−2.2V(wt%)の鋳鉄を用い、後は参考例1と同様にして耐摩耗性鋳鉄の試験片を作製する。
【0041】
(実施例1)
化学組成が、Fe−3.0C−20Cr−7.9Mo(wt%)の鋳鉄を用い、後は参考例1と同様にして耐摩耗性鋳鉄の試験片を作製する。
【0042】
(実施例2)
化学組成が、Fe−3.1C−19Cr−8.0Mo(wt%)の鋳鉄を用い、後は参考例1と同様にして耐摩耗性鋳鉄の試験片を作製する。
【0043】
(比較例1)
化学組成が、Fe−3.0C−21Cr−1.9Mo(wt%)の鋳鉄を用い、後は参考例1と同様にして耐摩耗性鋳鉄の試験片を作製する。
【0044】
(比較例2)
化学組成が、Fe−3.0C−15Cr−8.3Mo−2.2V(wt%)の鋳鉄を用い、後は参考例1と同様にして耐摩耗性鋳鉄の試験片を作製する。
【0045】
(比較例3)
化学組成が、Fe−3.0C−20Cr−7.9Mo−4.0V(wt%)の鋳鉄を用い、後は参考例1と同様にして耐摩耗性鋳鉄の試験片を作製する。
【0046】
(比較例4)
化学組成が、Fe−2.6C−18Cr−14.3Mo−2.1V(wt%)の鋳鉄を用い、後は参考例1と同様にして耐摩耗性鋳鉄の試験片を作製する。
【0047】
次に、参考例1〜4,実施例1,2および比較例1〜4の各試験片に、連続して砂を供給しながら長時間摩耗させ、その重量変化を求める一般的なラバーホイール摩耗試験を、ASTM G65に略準じて行う。
【0048】
本ラバーホイール摩耗試験は、耐摩耗性鋳鉄の用途を、例えば、微粉炭機ローラータイヤおよびテーブル用に限定し、先ず、微粉炭機における石炭中の硬質粒子(シリカなど)を抽出すると共に、摩耗特性がこれらの硬質粒子に近い市販砂を試験用砂とする。これは、砂の種類によって材質と摩耗特性の関係が異なるという懸念を解消するためである。
【0049】
また、これまでの摩耗試験においては、粒の大きな砂を1種類しか用いていなかったが、実際の石炭中においては大小2種類の粒径の硬質粒子が存在している。ここで、粒の小さな硬質粒子の殆どは、粒の大きな硬質粒子の隙間から落ちて下方に堆積していると共に、表面には粒の大きな硬質粒子が主に堆積している。すなわち、実際の摩耗は、大小2種類の粒径の硬質粒子によるものであり、粒の大きな砂を1種類しか用いない摩耗試験は、実際の摩耗環境から乖離したものであった。
【0050】
このため、本ラバーホイール摩耗試験では、平均粒径が0.3〜0.5mm、0.8〜1.0mmで、硬さが共に1,150〜1,250Hvである2種類の市販砂を選定した。
【0051】
これらの調査およびラバーホイール摩耗試験と実機の摩耗機構の比較検討によって、耐摩耗性鋳鉄の材料開発に必要な耐摩耗性評価のための試験方法を確立した。本ラバーホイール摩耗試験による耐摩耗性評価は、従来のように単に硬度のみで評価するものではなく、硬度がそれ程高くないものについても摩耗試験を行うものである。
【0052】
参考例1〜4,実施例1,2および比較例1〜4の各試験片の化学組成およびラバーホイール摩耗試験による摩耗量を表1に示す。摩耗量は、細かい砂および粗い砂に対する比較例1の耐摩耗性鋳鉄(Fe−3C−21Cr−1.9Mo;現用材料で最も耐摩耗性に優れた鋳鉄)の摩耗速度(時間当たりの質量変化)を1とした時の値である。
【0053】
【表1】
【0054】
表1に示す参考例1〜4,実施例1,2および比較例1〜4の各試験片は、表中に示していないものの硬度で比較すると大差はない。しかし、耐摩耗性を比較してみると大きな違いが多く認められた。
【0055】
すなわち、実施例1、2の各耐摩耗性鋳鉄は、各添加元素の添加量がそれぞれ規定範囲内であるため、細かい砂(平均粒径:0.3〜0.5mm、硬さ:1,150〜1,250Hv)に対しての摩耗量が1よりも小さく、かつ、粗い砂(平均粒径:0.8〜1.0mm、硬さ:1,150〜1,250Hv)に対しての摩耗量が2/3以下(相対値換算で1.5以上)となり、優れた耐摩耗性を示した。
【0057】
これに対して、比較例2の耐摩耗性鋳鉄は、各添加元素の内、Crの添加量が規定範囲(16〜22wt%)外の15wt%であるため、細かい砂に対しての摩耗量は0.8であり1よりも小さくなっているものの、粗い砂に対しての摩耗量が0.7となり2/3よりも大きくなった。
【0058】
すなわち、比較例2の耐摩耗性鋳鉄においては、Crの添加量が少ないため、参考例3の耐摩耗性鋳鉄と比較すると、組織中におけるCr炭化物の析出量が少なくなっており、細かい砂および粗い砂に対する耐摩耗性が低下していた。
【0059】
また、比較例3の耐摩耗性鋳鉄は、各添加元素の内、Vの添加量が4.0wt%であるため、細かい砂に対しての摩耗量は0.8であり1よりも小さくなっているものの、粗い砂に対しての摩耗量が0.7となり2/3よりも大きくなった。
【0060】
すなわち、比較例3の耐摩耗性鋳鉄においては、Vの添加量が多いため、参考例3の耐摩耗性鋳鉄と比較すると、組織中におけるV炭化物の析出量が多くなっており、硬度自体は高くなっているものの、細かい砂および粗い砂に対する耐摩耗性が低下していた。
【0061】
さらに、比較例4の耐摩耗性鋳鉄は、各添加元素の内、Moの添加量が規定範囲(6〜12wt%)外の14.3wt%であるため、粗い砂に対しての摩耗量は0.6であり2/3以下となっているものの、細かい砂に対しての摩耗量が1.1となり1よりも大きくなった。
【0062】
すなわち、比較例4の耐摩耗性鋳鉄においては、Moの添加量が多いため、実施例4の耐摩耗性鋳鉄と比較すると、組織中における各炭化物(CrとMoの複合炭化物やMo炭化物)の析出量が多くなっており、硬度自体は高くなっているものの、細かい砂に対する耐摩耗性が低下していた。
【0063】
本発明の耐摩耗性鋳鉄は、微粉炭用の粉砕機以外に、セメントミル、破砕機、搬送バケット、スラリー又は粉体の搬送管、ポンプなどに用いることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、次のような優れた効果を発揮する。
【0065】
(1) 化学組成を、C:2.7〜3.5wt%,Cr:16〜22wt%,Mo:6〜12wt%,Si:0.4〜0.8wt%,Mn:0.4〜1.0wt%,Ni:0.5〜1.2wt%,残部がFeおよび不可避不純物とすることで、高級耐摩耗性材料であり、かつ、現用材料で最も耐摩耗性に優れたFe−3C−20Cr−2Mo(wt%)鋳鉄と比較して、原料コストの上昇を10%程度に抑えながら、耐摩耗性を50%以上向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐摩耗性鋳鉄の摩耗特性を示す図である。
Claims (2)
- 化学組成が、
C:2.7〜3.5wt%
Cr:16〜22wt%
Mo:6〜12wt%
Si:0.4〜0.8wt%
Mn:0.4〜1.0wt%
Ni:0.5〜1.2wt%
残部がFeおよび不可避不純物からなることを特徴とする耐摩耗性鋳鉄。 - 化学組成が、
C:2.8〜3.3wt%
Cr:17〜19wt%
Mo:7〜9wt%
Si:0.4〜0.8wt%
Mn:0.4〜1.0wt%
Ni:0.5〜1.2wt%
残部がFeおよび不可避不純物からなることを特徴とする耐摩耗性鋳鉄。
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