JP3996927B2 - 伝送特性評価システム - Google Patents
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Description
図9は従来の分散耐力の測定システムを示すブロック図であるが、この図9に示す測定システム200は、光送信装置210と光受信装置220とを、実際の光通信システムにおける伝送路をなす光ファイバに見立てたダミーファイバ230で接続されてなるものである。
バーテスタ223では光送信装置210のパルスパターン発生器204で発生したパルスパターンの電気信号に対する受信電気信号の誤り検出を行なう。ここで用いたダミーファイバ230の分散値(ファイバ長)を変化させると、バーテスタ224で検出される誤り率が変化する。このファイバ長の変化に対する誤り率の変化を用いることにより、その光素子、光モジュール及び測定系の分散耐力が測定できる。
また、最近では、このダミーファイバの変わりに、ファイバ・ブラッグ・グレーティング(FBG)型の可変分散補償器(JDS-Uniphese(米),TeraXion(加)やSPIRENT社光ネットワークシミュレータ)を用いた測定する手法もある。これらの手法によれば、上述の測定システム200のごとく、伝送路の分散値を大小させるために、ダミーファイバ230を付け替える必要がなくなる。
この挿入損失傾斜耐力の測定手法としては、本来の使用帯域より約10倍程度広い可変波長バンドパスフィルタモジュールを、上述のごとき光送信装置210および光受信装置220間に介装させて、このフィルタモジュールの中心波長をシフトさせることで、使用透過帯域の波長に対する挿入損失の分布に傾斜を与えることにより、バーテスタ224で信号誤り率を測定するようになっている。
しかしながら、LDないしE/Oモジュールをそなえた光送信装置や、O/Eモジュールをそなえた光受信装置のごとき光モジュールの性能品質を評価するための指標値を測定する場合においては、このような従来の手法に比べて、より測定レンジを広くしながら、測定のための作業工数を減らし、且つ測定精度を高めた手法が求められる。
なお、本発明に関連する技術として、以下に示す特許文献1に記載された技術がある。
また、マルチチャンネルでの分散耐力を測定することができるので、波長多重光を伝送した場合の各波長の分散耐力を、擬似伝送路装置を測定対象の波長対応に別々に準備しなくとも、伝送特性設定部による設定変更のみで容易に測定することができる。
(a1)本発明の第1実施形態の説明
図1は本発明の第1実施形態にかかる伝送特性評価システムを示すブロック図で、この図1に示す伝送特性評価システム1は、光信号を送信する光送信装置2および光送信装置2からの光信号を受信する光受信装置3をそなえるとともに、擬似伝送路装置4が光送信装置2および光受信装置3の間に介装されて、光送信装置2および光受信装置3間において試験用の光信号を送受することにより、光送信装置2または光受信装置3の伝送特性を評価するものである。
また、擬似伝送路装置4は、光送信装置2の電気/光変換部22および光受信装置3の光/電気変換部32が接続されるべき伝送路の伝送特性を擬似的に有するものであって、光サーキュレータ41,コリメーティングレンズ42,ラインフォーカスレンズ(シリンドリカルレンズ)43,光素子44,フォーカシングレンズ45,3次元自由曲面ミラー46,可変光減衰器(Variable Optical Attenuator:以下、VOAと称する)47−1,光増幅器47−2,アクチュエータ46Aおよびコントローラ48をそなえて構成されている。
換言すれば、光送信装置2から光サーキュレータ41に入力された光信号は、後述のコリメーティングレンズ42,ラインフォーカスレンズ43,光素子44およびフォーカシングレンズ45を通じて3次元自由曲面ミラー(以下、単にミラーと称する場合がある)46で反射され、逆の経路を辿って光サーキュレータ41に入射された反射戻り光はVOA47−1に出射される。
また、ラインフォーカスレンズ43は、コリメーティングレンズ42からの平行光をラインフォーカス光(焦点がライン状に分布した光)にして光素子44に入射させるものである。更に、光素子44は、光送信装置にて送信された信号光を、多重反射して自己干渉を行なわせることにより、波長によって異なる出力角度で放出するものである。
すなわち、比較的短波長の光については、図2の矢印Aで示す角度のライン状の光となり、比較的長波長の光については、図2の矢印Cで示す角度のライン状の光となり、中間波長の光については、矢印Bで示す角度のライン状の光となる。
このように、階段状に並んだ虚像を作る光素子をバーチャリ・イメージド・フェーズド・アレイ(Virtually Imaged Phased Array)と言い、一般にVIPA素子とも呼ばれている。
すなわち、アクチュエータ46Aの駆動によりフォーカシングレンズ45からの光に対する反射戻り光による反射角度を調節することができるので、この反射戻り光の光素子44における反射膜50b上の入射位置についても設定することができる。即ち、反射戻り光の光素子44における反射膜50b上の入射位置に応じて、平行平板50内での戻り反射光の多重反射による光路長差を設けることができるようになっている。
すなわち、コントローラ48は、ミラー46または光素子44に対する制御量を設定することにより、上記の光送信装置2の電気/光変換部22および光受信装置3の光/電気変換部32が接続されるべき伝送路が有しうる伝送特性と等価の伝送特性を設定する伝送特性設定部として機能するもので、反射位置設定部48Aおよび損失量設定部48Bおよび伝送特性評価部48Cをそなえている。
すなわち、光/電気変換部32は、光送信装置2で送信された光信号を伝送特性が設定された擬似伝送路装置4を介して入力されて、電気信号に変換しうるものであり、例えばフォトダイオード等により構成される。又、バーテスタ(信号誤り測定器)33は、光/電気変換部32からの電気信号とパターンパルスジェネレータ21にて発生された電気パルス信号とを比較して、信号誤りを測定するものであり、測定結果については、例えばGPIBを介してコントローラ48に出力されるようになっている。
すなわち、光/電気変換部32の仕様を固定すれば、バーテスタ33では、電気/光変換部22の仕様に応じた伝送特性を評価するための信号誤りを測定することができ、電気/光変換部22の仕様を固定すれば、バーテスタ33では、光/電気変換部32の仕様に応じた伝送特性を評価するための信号誤りを測定することができる。
このようなミラー46の反射位置を可変調整することで、従来よりのファイバグレーティングを使用して分散値可変設定を行なう手法よりも、実際の伝送路が持ちうる正の分散値から負の分散値まで大幅に広いレンジの分散量を容易に設定することができる。又、ミラー46面は、反射角度が連続的に可変するように滑らかな曲面を有しているので、ミラー46の反射位置の微調整を行なうことで、高精度に分散量を設定することができる。
上述の第1実施形態においては、光送信装置2において単一波長の光信号を出力する電気/光変換部22をそなえるとともに、光受信装置3において光送信装置2からの単一波長の光信号を受信する光/電気変換部32をそなえ、単一波長の光信号を送受信することにより、分散耐力を測定しているが、本発明によればこれに限定されず、例えば図4に示すような構成の光送信装置2Aおよび光受信装置3Aを擬似伝送路装置4に接続することにより、伝送特性評価システム1Aを構成することとしてもよい。
ここで、この図4に示す伝送特性評価システム1Aの光送信装置2Aは、電気パルス信号を互いに異なる複数の光信号に変換し変換された複数の光信号を波長多重光として出力する電気/光変換部22Aと、前述の第1実施形態の場合と同様のPPG21とをそなえている。この電気/光変換部22Aは、PPG21からの電気パルス信号で変調された互いに異なる波長の光信号を出力しうる複数の発光モジュール25−1〜25−nと、発光モジュール25−1〜25−nからの光信号を波長多重して送信する波長多重部26とをそなえて構成されている。
上述の構成により、第1実施形態の第1変形例にかかる伝送特性評価システム1Aにおいては、光送信装置2Aから(PPG21で変調された)波長多重光を、擬似伝送路装置4を介して光受信装置3Aで受信するが、この光受信装置3Aのバーテスタ33−1〜33―nにおいては、それぞれ、受信された光信号の信号誤りを測定して、伝送特性としての分散耐力を求める。
なお、損失量設定部48BによるVOA47−1の減衰量および光増幅器47−2の増幅率については、前述の第1実施形態の場合と同様、光送信装置2Aの電気/光変換部22Aおよび光受信装置3Aの光/電気変換部32Aを実際に運用すべき光通信システムにおける伝送路の損失量に設定しておく。
上述の第1実施形態においては、光送信装置2において単一波長の光信号を出力する電気/光変換部22をそなえるとともに、光受信装置3において光送信装置2からの単一波長の光信号を受信する光/電気変換部32をそなえ、単一波長の光信号を送受信することにより、電気/光変換部22または光/電気変換部32の分散耐力を測定しているが、第2実施形態にかかる伝送特性評価システム100においては、電気/光変換部22または光/電気変換部32の伝送特性として、挿入損失傾斜耐力について測定するようになっている。
また、光送信装置2および光受信装置3に介装された擬似伝送路装置104は、前述の第1実施形態におけるもの(符号4参照)に比して、光送信装置2および光受信装置3が接続されるべき伝送路が有しうる分散量に対する、光送信装置2または光受信装置3の分散耐力に代えて、挿入損失傾斜耐力を測定するためのものである。
また、挿入損失傾斜特性設定部148Eは、分散特性設定部148Aにて上述の波長ごとの分散特性を一定に保ちながら、伝送路が有しうる挿入損失傾斜特性と等価の挿入損失傾斜特性を得られるように、VOA47−1および光増幅器47−2による信号光の損失量および素子温度調整器44Aによる光素子44の調整温度を設定するものであり、損失量設定部148Bおよび素子温度設定部148Cをそなえている。
すなわち、図6,図7(a),図7(b)で示したような透過特性を、全波長域にわたって所望の割合で減衰ないし増幅させることができるようになっている。換言すれば、透過特性全体の波形自体はほぼ一定に、波形レベルを上下に移動させることができるのである。従って、上述のVOA47−1および光増幅器47−2は、光素子44から出力される光受信装置3への信号光について所定量の損失を与える損失付与部として機能する。
ここで、上述の伝送信号として使用する光信号の波長帯域周辺における透過特性の波形を傾斜させるにあたっては、上述のVOA47−1による減衰量および光増幅器47−2による増幅率を損失量設定部148Bで設定するとともに、光素子44の温度を調節する素子温度調節器44Aの調節温度を素子温度設定部148Cで設定するようになっている。即ち、図6,図7(a),図7(b)で示したような透過特性の波形を上下左右に動かしながら、伝送信号として使用する光信号の波長帯域周辺における透過特性の傾きを増減させることができるのである。
上述の構成により、本発明の第2実施形態にかかる伝送特性評価システム100においては、光源23からの所定波長の光がPPG21で変調された信号光を、擬似伝送路装置104を介して光受信装置3で受信するが、この光受信装置3のバーテスタ33において、受信された光信号の信号誤りを測定するとともに、コントローラ148の伝送特性評価部148Dでは、バーテスタ33で測定された信号誤りを基にして伝送特性としての挿入損失傾斜耐力を求める。
なお、ミラー46をアクチュエータ46Aを通じて可動制御することにより、波長ごとの分散特性を一定に設定された状態で、挿入損失傾斜を増減させることができるので、透過特性の波形傾斜に関して分散による影響を考慮する必要がなくなり、挿入損失傾斜耐力としての測定精度を大幅に高めている。
なお、上述した実施形態に関わらず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
また、本発明の各実施形態が開示されていれば、当業者によって製造することが可能である。
Claims (3)
- 光信号を送信する光送信装置と該光送信装置からの光信号を受信する光受信装置とをそなえるとともに、上記の光送信装置および光受信装置が接続されるべき伝送路の伝送特性を擬似的に有する擬似伝送路装置が、上記の光送信装置および光受信装置の間に介装されて、上記の光送信装置および光受信装置間において試験用の光信号を送受することにより、上記の光送信装置または光受信装置の伝送特性を評価する伝送特性評価システムであって、
該光送信装置が、特定パターンの電気パルス信号を発生するパルス信号発生器と、該パルス信号発生器にて発生された電気パルス信号を光信号に変換しうる電気/光変換部とをそなえ、該電気/光変換部からの光信号を上記試験用の光信号として送信するように構成されるとともに、
該擬似伝送路装置が、該光送信装置にて送信された信号光を、多重反射して自己干渉を行なわせることにより、波長によって異なる出力角度で放出する光素子と、該光素子から放出された信号光を集束させるレンズと、該レンズにて集束した信号光を該レンズに反射して戻すことによって、上記戻された信号光が該光素子内で多重反射を受けることにより、該光受信装置への信号光として出力されるようにするとともに、該レンズにて集束した信号光の反射面位置によって、上記の光受信装置への信号光に異なる波長分散を与えうるミラーと、上記のミラーまたは光素子を制御することにより、上記の光送信装置および光受信装置が接続されるべき伝送路が有しうる伝送特性と等価の伝送特性を設定する伝送特性設定部とをそなえ、
かつ、該光受信装置が、該光送信装置からの光信号を、上記伝送特性が設定された該擬似伝送路装置を介して入力されて、電気信号に変換しうる光/電気変換部と、該光/電気変換部からの電気信号と該光パルス信号発生器にて発生された電気パルス信号とを比較して信号誤りを測定する信号誤り測定器とをそなえ、
該光受信装置の信号誤り測定器にて測定された信号誤りに基づいて、上記電気/光変換部または光/電気変換部による伝送特性を評価するように構成され、
該光素子から出力される該光受信装置への信号光について所定量の損失を与える損失付与部と、該光素子の素子温度を調整する素子温度調整器とが、該擬似伝送路装置に設けられるとともに、
上記の擬似伝送路装置の伝送特性設定部が、該ミラーを可動制御することにより、波長ごとの分散特性を一定に設定する分散特性設定部をそなえるとともに、該分散特性設定部
にて上記波長ごとの分散特性を一定にしながら、上記伝送路が有しうる挿入損失傾斜特性と等価の挿入損失傾斜特性を得られるように、上記の損失付与部による信号光の損失量および素子温度調整器による該光素子の調整温度を設定する挿入損失傾斜特性設定部をそなえて構成されたことを特徴とする、伝送特性評価システム。 - 上記の光送信装置の電気/光変換部が、上記電気パルス信号を互いに異なる複数の光信号に変換し上記変換された複数の光信号を波長多重光として出力しうるように構成されるとともに、
上記の光受信装置の光/電気変換部が、光送信装置からの波長多重光としての光信号を、上記伝送特性が設定された該擬似伝送路装置を介して入力されて、波長分離した後にそれぞれ電気信号に変換しうるように構成され、
かつ、上記の光受信装置の信号誤り測定器が、上記波長分離した後に変換された電気信号について、それぞれ上記信号誤りを測定するように構成されたことを特徴とする、請求項1記載の伝送特性評価システム。 - 該損失付与部が、該光素子から出力される該光受信装置への信号光について可変減衰させる可変減衰器と、該光受信装置への信号光について増幅する光増幅器とをそなえて構成されたことを特徴とする、請求項1又は2記載の伝送特性評価システム。
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