JP3994555B2 - データ処理回路およびデータ伝送システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、データ処理回路およびデータ伝送システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、マルチメディア・データ転送のためのインタフェースとして、高速データ転送およびリアルタイム転送を実現するIEEE(The Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394シリアルインタフェースが規格化された。
このようなIEEE1394シリアルインタフェースのデータ処理回路は、主としてIEEE1394シリアルバスを直接ドライブするフィジカル・レイヤ回路と、フィジカル・レイヤのデータ転送をコントロールするリンク・レイヤ回路とにより構成され、複数のデータ処理回路のフィジカル・レイヤ回路がIEEE1394シリアルバスを介して接続されると共に、各データ処理回路のリンク・レイヤ回路に単数または複数のアプリケーションが接続される。
アプリケーションとしては、例えば、CD(Compact Disc)プレーヤやMD(Mini Disc)プレーヤなどのマルチメディア機器、スピーカ、各種のコンピュータ、セット・トップ・ボックスなどのコンシューマ製品、ハード・ディスクなどのデータ・ストレージ機器などが挙げられる。
【0003】
ところで、上述したIEEE1394シリアルインタフェースを用いたシステムでは、通常、一のデータ処理回路に接続されたアプリケーションと、他のデータ処理回路に接続されたアプリケーションとの間で、IEEE1394シリアルバスを介して、データの要求や受信確認を行うアシンクロナス(Asynchronous) 転送や、125μsに1回必ずデータを送受信するアイソクロナス(Isochronous) 転送を行うが、一のデータ処理回路に接続された複数のアプリケーション相互間でデータの送受信を行うことも可能である。
【0004】
例えば、一のデータ処理回路に、CDプレーヤとスピーカとを接続し、CDプレーヤから入力したデジタル・オーディオデータをスピーカに出力し、スピーカにおいてD/Aコンバータでアナログ形式に変換したアナログ・オーディオデータに応じた音響を出力することも可能である。
【0005】
このとき、例えば、CDプレーヤにおいてデジタル・オーディオデータを再生したときに基準となったクロック信号の周波数に比べて、スピーカのD/Aコンバータで用いられるクロック信号の周波数が高い場合に、従来では、サンプリング・レート・コンバータ(SRC: Sampling Rate Converter)を用いて、CDプレーヤから出力されたオーディオデータを補完し、補完後のオーディオデータをスピーカに出力している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように、SRCを用いたのでは、システムが大規模および高価格になるという問題がある。
また、IEEE1394シリアルインタフェースのデータ処理回路には、相互に異なる周波数で動作する種々のアプリケーションを接続することが可能であり、データ処理回路に内蔵するSRCのサンプリングレートを決定することは容易ではない。
また、IEEE1394シリアルインタフェースを介して一のデータ処理回路から他のデータ処理回路にデータを送信する場合に、一のデータ処理回路に接続されたアプリケーションと、他のデータ処理回路に接続されたアプリケーションの動作周波数が異なる場合にも、前述した場合と同様の問題がある。
【0007】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みてなされ、多様な周波数で動作する複数のアプリケーションを接続した場合に、小規模かつ安価な構成で、アプリケーション相互間の動作周波数の違いによるジッターを吸収できるデータ処理回路を提供することを目的とする。
また、本発明は、データ伝送路を介してデータを伝送する場合に、送信側と受信側とのアプリケーションの動作周波数の違いによるジッターを吸収できるデータ処理回路およびデータ伝送システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するために、本発明の第1の観点のデータ処理回路は、異なる周波数のクロック信号を基準として動作する第1のアプリケーションおよび第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションを接続可能で、データ伝送路を介して他のデータ処理回路と通信可能なデータ処理回路であって、記憶回路と、複数の異なる周波数のクロックが供給され、供給される異なる周波数のクロック信号のうち一の周波数のクロック信号を基準としてデータを上記記録回路に書き込んだ後、他の周波数のクロック信号を基準として書き込みデータを読み出し可能な記憶制御回路と、第1の選択信号に応じて、前記第1のアプリケーションから入力したデータ、または、前記記憶制御回路において前記第1のアプリケーションから入力したデータを、前記第1のアプリケーションの動作周波数に応じた第1のクロック信号を基準として前記記憶回路に書き込んだ後に、前記第2のアプリケーションの動作周波数に応じた第2のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第1のセレクタと、前記第1のセレクタで選択されたデータを、前記データ伝送路に送出する送信回路と、前記データ伝送路からデータを受信し、伝送されたデータに重畳されるクロックを再生して、当該再生クロックおよび受信データを前記記憶制御回路に供給する受信回路と、第2の選択信号に応じて、前記受信回路の受信データ、または、前記記憶制御回路において前記第1のアプリケーションから入力したデータを、前記第1のアプリケーションの動作周波数に応じた第1のクロック信号を基準として、または、前記受信回路の受信データを前記再生クロックを基準として、前記記憶回路に書き込んだ後に、前記第2のアプリケーションの動作周波数に応じた第2のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第2のセレクタと、第1のクロック信号を基準として動作する第1のアプリケーションおよび第2のクロックを基準として動作する第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションを接続可能で、前記第1のアプリケーションから入力したデータを前記第1のセレクタおよび前記記憶制御回路に供給し、前記第1のクロック信号および前記第2のクロック信号を当該記憶制御回路に供給し、前記第2のセレクタから出力されたデータを受け、前記記憶制御回路により前記記憶回路から第2のクロック信号を基準として読み出されたデータを前記第2のアプリケーションに出力するアプリケーションインタフェースとを有する。
【0009】
本発明の第1の観点のデータ処理回路では、第1のクロック信号を基準として動作する第1のアプリケーションからデータが入力され、当該入力されたデータが、記憶制御回路によって、前記第1のクロック信号を基準として記憶回路に書き込まれる。
その後、前記記憶制御回路によって、第2のクロック信号を基準として、前記記憶回路からデータが読み出され、当該読み出されたデータが第2のアプリケーションに出力される。このとき、前記記憶回路からのデータが読み出しが、前記第2のアプリケーションの動作の基準となる前記第2のクロック信号に基づいて行われるため、当該読み出したデータは、前記第2のアプリケーションにおいて高精度に処理される。
また、このように、第1のクロック信号と第2のクロック信号との間のずれ(ジッター)を吸収する記憶回路を用いることで、従来のサンプリング・レート・コンバータを用いる場合に比べて、小規模化および低価格化が図れる。
【0010】
また、本発明の第1の観点のデータ処理回路は、好ましくは、前記記憶回路の記憶状態を監視し、当該監視結果に基づいて、前記第1のアプリケーションが単位時間当たりに出力する前記データのデータ量を制御するアプリケーション制御回路をさらに有する。また、このとき、前記アプリケーション制御回路は、前記記憶回路がオーバーフローおよびアンダーフローしないように、前記第1のアプリケーションが出力する前記データのデータ量を制御する。
これにより、前記記憶回路が、オーバーフローおよびアンダーフローすることを回避でき、前記第2のアプリケーションにおける処理の連続性を保証できる。
【0011】
また、本発明の第1の観点のデータ処理回路は、好ましくは、前記第1のセレクタのデータ選択処理と前記第2のセレクタのデータ選択処理はそれぞれ独立して行われるように前記第1の選択信号および前記第2の選択信号を設定するアプリケーション制御回路を有する。
【0012】
本発明の第1の観点のデータ処理回路は、好ましくは、前記アプリケーション制御回路は、前記第1のセレクタで前記アプリケーションインタフェースから前記記憶回路を介さずに前記第1のアプリケーションから入力したデータを前記送信回路に入力させてデータ伝送路に出力するように前記第1の選択信号を設定し、これと並行して、前記第2のセレクタで前記第1のアプリケーションから入力したデータの前記記憶回路への前記書き込みおよび前記記憶回路からの前記第2のアプリケーションへの前記読み出しデータを選択するように前記第2の選択信号を設定する。
【0015】
また、本発明の第2の観点のデータ伝送システムは、異なる周波数のクロック信号を基準として動作する第1のアプリケーションおよび第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションを接続可能な第1のデータ処理回路と、第3のアプリケーションを接続可能な第2のデータ処理回路とが、データ伝送路を介して通信可能なデータ伝送システムであって、前記第1のデータ処理回路は、第1の記憶回路と、複数の異なる周波数のクロックが供給され、供給される異なる周波数のクロック信号のうち一の周波数のクロック信号を基準としてデータを上記第1の記憶回路に書き込んだ後、他の周波数のクロック信号を基準として書き込みデータを読み出し可能な第1の記憶制御回路と、第1の選択信号に応じて、前記第1のアプリケーションから入力したデータ、または、前記第1の記憶制御回路において前記第1のアプリケーションから入力したデータを、前記第1のアプリケーションの動作周波数に応じた第1のクロック信号を基準として前記第1の記憶回路に書き込んだ後に、前記第2のアプリケーションの動作周波数に応じた第2のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第1のセレクタと、前記第1のセレクタで選択されたデータを、前記データ伝送路に送出する第1の送信回路と、前記第2のデータ処理回路から前記データ伝送路に送出されたデータを受信し、伝送されたデータに重畳されるクロックを再生して、当該再生クロックおよび受信データを前記記憶制御回路に供給する第1の受信回路と、第2の選択信号に応じて、前記第1の受信回路の受信データ、または、前記第1の記憶制御回路において前記第1のアプリケーションから入力したデータを、前記第1のアプリケーションの動作周波数に応じた第1のクロック信号を基準として、または、前記第1の受信回路の受信データを前記再生クロックを基準として、前記第1の記憶回路に書き込んだ後に、前記第2のアプリケーションの動作周波数に応じた第2のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第2のセレクタと、第1のクロック信号を基準として動作する第1のアプリケーションおよび第2のクロックを基準として動作する第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションを接続可能で、前記第1のアプリケーションから入力したデータを前記第1のセレクタおよび前記第1の記憶制御回路に供給し、前記第1のクロック信号および前記第2のクロック信号を当該第1の記憶制御回路に供給し、前記第2のセレクタから出力されたデータを受け、前記第1の記憶制御回路により前記第1の記憶回路から第2のクロック信号を基準として読み出されたデータを前記第2のアプリケーションに出力するアプリケーションインタフェースとを有し、前記第2のデータ処理回路は、前記データ伝送路からデータを受信し、当該受信したデータに重畳された前記第1のアプリケーションの動作周波数に応じた第1のクロック信号または前記第2のアプリケーションの動作周波数に応じた第2のロック信号を再生する第2の受信回路と、第2の記憶回路と、前記受信したデータを、前記再生したクロック信号を基準として前記第2の記憶回路に書き込んだ後に、前記第3のアプリケーションの動作周波数に応じた第3のクロック信号を基準として読み出して前記第3のアプリケーションに出力する第2の記憶制御回路とを有する
【0016】
本発明の第2の観点のデータ伝送システムでは、好ましくは、前記第2のデータ処理回路は、第3の選択信号に応じて、前記第3のアプリケーションから入力したデータ、または、前記第2の記憶制御回路において前記第3のアプリケーションまたは他のアプリケーションから入力したデータを、前記他のアプリケーションの動作周波数に応じた他のクロック信号または第3のアプリケーションの動作周波数に応じた第3のクロック信号を基準として前記第2の記憶回路に書き込んだ後に、前記他のアプリケーションの動作周波数に応じた他のクロック信号または前記第3のアプリケーションの動作周波数に応じた第3のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第3のセレクタと、前記第3のセレクタで選択されたデータを、前記データ伝送路に送出する第2の送信回路と、前記第1のデータ処理回路から前記データ伝送路に送出されたデータを受信し、伝送されたデータに重畳されるクロックを再生して、当該再生クロックおよび受信データを前記第2の記憶制御回路に供給する第2の受信回路と、第4の選択信号に応じて、前記第2の受信回路の受信データ、または、前記第2の記憶制御回路において前記第2の受信回路の受信データを前記再生クロックを基準として、前記第2の記憶回路に書き込んだ後に、前記第3のアプリケーションの動作周波数に応じた第3のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第4のセレクタと、第3のクロック信号を基準として動作する第3のアプリケーションを含む複数のアプリケーションを接続可能で、前記第3のアプリケーションまたはアプリケーションから入力したデータを前記第3のセレクタに供給し、前記第3のクロック信号および他のクロック信号を当該第2の記憶制御回路に供給し、前記第4のセレクタから出力されたデータを受け、前記第2の記憶制御回路により前記第2の記憶回路から第3のクロック信号を基準として読み出されたデータを前記第3のアプリケーションに出力するアプリケーションインタフェースとを有する
【0017】
また、本発明の第2の観点のデータ伝送システムは、好ましくは、前記第1のデータ処理回路は、前記第1のセレクタのデータ選択処理と前記第2のセレクタのデータ選択処理はそれぞれ独立して行われるように前記第1の選択信号および前記第2の選択信号を設定する第1のアプリケーション制御回路を有し、前記第2のデータ処理回路は、前記第3のセレクタのデータ選択処理と前記第4のセレクタのデータ選択処理はそれぞれ独立して行われるように前記第3の選択信号および前記第4の選択信号を設定する第2のアプリケーション制御回路を有する
【0018】
本発明の第2の観点のデータ伝送システムでは、好ましくは、前記第1のアプリケーション制御回路は、前記第1のセレクタで前記アプリケーションインタフェースから前記記憶回路を介さずに前記第1のアプリケーションから入力したデータを前記送信回路に入力させてデータ伝送路に出力するように前記第1の選択信号を設定し、これと並行して、前記第2のセレクタで前記第1のアプリケーションから入力したデータの前記記憶回路への前記書き込みおよび前記記憶回路からの前記第2のアプリケーションへの前記読み出しデータを選択するように前記第2の選択信号を設定する
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
第1実施形態
図1は、IEEE1394シリアルインタフェースを用いた本発明の実施形態に係るオーディオシステム1のブロック構成図である。
オーディオシステム1は、例えば、リンク・レイヤ回路9に、アプリケーションとしてCDプレーヤ2およびスピーカ20を接続しており、CDプレーヤ2から出力されたデジタル・オーディオ信号DAを、リンク・レイヤ回路9による制御に基づいてDRAM(Dynamic Random Access Memory)22を介してD/Aコンバータ23に出力する。そして、デジタルを、D/Aコンバータ23において、アナログ・オーディオ信号AAに変換し、これに応じた音響をスピーカ24から出力する
【0020】
また、オーディオシステム1は、例えば、CDプレーヤ2で再生したデジタル・オーディオ信号DAを、DRAM22を介さずに、リンク・レイヤ回路9、フィジカル・レイヤ回路10、IEEE1394シリアルバスBUS、フィジカル・レイヤ回路11およびリンク・レイヤ回路12を介して、MD装置に送信してMDに記録する。
このとき、上述したDRAM22を介したリンク・レイヤ回路9からD/Aコンバータ23へのデジタル・オーディオ信号DAの出力は、DRAM22を介さないリンク・レイヤ回路9からフィジカル・レイヤ回路10へのデジタル・オーディオ信号DAの出力と並行して行ってもよいし、そうでなくてもよい。
【0021】
以下、オーディオシステム1の構成について説明する。
図1に示すように、オーディオシステム1は、例えば、IEEE1394シリアルバスBUSの一方の側に、CDプレーヤ2、ホストコンピュータ6、リンク・レイヤ回路9(本発明の記憶制御回路)、フィジカル・レイヤ回路10、スピーカ20およびDRAM22(本発明の記憶回路)を有し、他方の側に、フィジカル・レイヤ11、リンク・レイヤ回路12(本発明の記憶制御回路)、DRAM13(本発明の記憶回路)、ホストコンピュータ15およびMD(Mini Disk) 装置3を有する。
【0022】
以下、各構成要素について詳細に説明する。
CDプレーヤ2
CD(Compact Disk)プレーヤ2は、DSP5および水晶発振回路8を有し、CD7を再生する。
水晶発振回路8は、例えば、サンプリング周波数をfsとした場合には、64fs以上の周波数のクロック信号CK1 を生成し、これをDSP5に出力する。
DSP5は、ホストコンピュータ6の制御により、CD7を回転駆動し、CD7に記録されているデジタル・オーディオ信号DAを再生してリンク・レイヤ回路9に出力する。このとき、DSP5は、水晶発振回路8からのクロック信号CK1 に同期してデジタル・オーディオ信号DAを再生する。また、DSP5は、ホストコンピュータ6から指示された再生速度によりCD7を再生する。
【0023】
スピーカ20
スピーカ20は、D/Aコンバータ23、スピーカ部24および水晶発振回路25を有する。
水晶発振回路25は、例えば、前述したクロック信号CK1 とは異なる周波数のクロック信号CK2 を生成し、これをリンク・レイヤ回路9およびD/Aコンバータ23に出力する。
D/Aコンバータ23は、例えば、PWM変調方式により、デジタル信号をアナログ信号に変換するいわゆる1ビットD/Aコンバータであり、クロック信号CK2 に同期して、リンク・レイヤ回路9から入力したデジタル・オーディオ信号DAをアナログ・オーディオ信号AAに変換し、アナログ・オーディオ信号AAをスピーカ部24に出力する。
スピーカ部24は、アナログ・オーディオ信号AAに応じた音響を出力する。
【0024】
フィジカル・レイヤ回路10
フィジカル・レイヤ回路10は、IEEE1394シリアルバスBUSのアービトレーションを行う。
また、フィジカル・レイヤ回路10は、送信時に、リンク・レイヤ回路9から入力した送信パケットをエンコードしてIEEE1394シリアルバスBUSに出力する。
また、フィジカル・レイヤ回路10は、受信時に、IEEE1394シリアルバスBUSから入力した受信パケットをデコードしてリンク・レイヤ回路9に出力する。
このとき、フィジカル・レイヤ回路10は、パケットの非受信時にPLL回路を駆動することにより、これから受信するパケットに重畳されるクロック信号CK3 を再生し、パケットの受信時に、当該クロック信号CK3 を用いてパケットのデコードを行う。
なお、クロック信号CK3 は、リンク・レイヤ回路9に出力される。
【0025】
リンク・レイヤ回路9およびDRAM22
リンク・レイヤ回路9は、ホストコンピュータ6の制御の下、アシンクロナス転送およびアイソクロナス転送の制御、並びにフィジカル・レイヤ回路10の制御を行う。
図2は、リンク・レイヤ回路9の内部構成図である。
具体的には、図2に示すように、リンク・レイヤ回路9は、例えば、リンクコア(Link Core) 101、ホストI/F(Host Interface)回路102、アプリケーションI/F回路103、送信用FIFO(AT-FIFO)104aおよび受信用FIFO(AR-FIFO)104bからなるアシンクロナス通信用FIFO104、セルフID用リゾルバ(Resolver)105、アイソクロナス通信用送信前処理回路(TXOPRE)106、アイソクロナス通信用送信後処理回路(TXOPRO)107、アイソクロナス通信用受信前処理回路(TXIPRE)108、アイソクロナス通信用受信後処理回路(TXIPRO)109、アイソクロナス通信用FIFO(I-FIFO)110、コンフィギュレーションレジスタ(Configuration Register、以下CFRという)111、セレクタ112,113およびメモリコントローラ114を有する。
【0026】
図2に示すリンク・レイヤ回路9において、アプリケーションインタフェース回路103、送信前処理回路106、送信後処理回路107、受信前処理回路108、受信後処理回路109、FIFO110、リンクコア101、CFR111およびメモリコントローラ114によりアイソクロナス通信系回路が構成される。
また、ホストインタフェース回路102、アシンクロナス通信の送信用FIFO104a、受信用FIFO104b、リンクコア101およびCFR111によりアシンクロナス通信系回路が構成される。
【0027】
〔アイソクロナス通信系回路〕
リンクコア101は、アシンクロナス通信用パケットおよびアイソクロナス通信用パケットの送信回路、受信回路、これらパケットのIEEE1394シリアルバスBUSを直接ドライブするフィジカル・レイヤ回路10とのインタフェース回路、125μs毎にリセットされるサイクルタイマ、サイクルモニタやCRC回路から構成されている。そして、たとえばサイクルタイマ等の時間データ等はCFR111を通してアイソクロナス通信系回路に供給される。
【0028】
アプリケーションI/F回路103は、CDプレーヤ2のDSP5からデジタル・オーディオ信号DAを入力すると、当該入力したデジタル・オーディオ信号DAをバイフェース復調して、セレクタ112およびメモリコントローラ114に出力すると共に、DSP5から入力したクロック信号CK1 をメモリコントローラ114に出力する。
また、アプリケーションI/F回路103は、水晶発振回路25から入力したクロック信号CK2 をメモリコントローラ114に出力する。
また、アプリケーションI/F回路103は、セレクタ113からデジタル・オーディオ信号DAを入力すると、当該入力したデジタル・オーディオ信号DAをバイフェース変調してD/Aコンバータ23に出力する。
【0029】
セレクタ112は、ホストコンピュータ6によってCFR111に書き込まれた選択信号SEL1 に基づいて、アプリケーションI/F回路103からのデジタル・オーディオ信号DAと、メモリコントローラ114によってDRAM22から読み出されたデジタル・オーディオ信号DAとのうち一方を選択して送信前処理回路106に出力する。
【0030】
また、セレクタ113は、ホストコンピュータ6によってCFR111に書き込まれた選択信号SEL2 に基づいて、受信後処理回路109から入力したデジタル・オーディオ信号DAと、メモリコントローラ114によってDRAM22から読み出されたデジタル・オーディオ信号DAとのうち一方を選択してアプリケーションI/F回路103に出力する。
【0031】
送信前処理回路106は、セレクタ112からデジタル・オーディオ信号DAを入力し、IEEE1394規格のアイソクロナス通信用としてクワドレット(4バイト)単位にデータ長を調整した後に、FIFO110に書き込む。
また、送信前処理回路106は、必要に応じて、セレクタ112から入力したデジタル・オーディオ信号DAを暗号化する。
【0032】
送信後処理回路107は、FIFO110に格納されたデータ(Data)に対して図3に示すように、1394ヘッダ、ヘッダCRC、CIPヘッダ(Header)1,2およびデータCRCを付加してリンクコア101の送信回路に出力する。
具体的には、図3に示すように、データ長を表すdata-length 、このパケット転送されるチャネルの番号(0〜63のいずれか)を示すchannel 、処理のコードを表すtcode 、および各アプリケーションで規定される同期コードsyにより構成した1394ヘッダ、送信ノード番号のためのSID(Source node ID)領域、データブロックの長さのためのDBS(Data Block Size) 領域、パケット化におけるデータの分割数のためのFN(Fraction Number) 領域、パディングデータのクワドレット数のためのQPC(Quadlet Padding Count) 領域、ソースパケットヘッダの有無を表すフラグのためのSPH領域、アイソクロナスパケットの数を検出するカウンタのためのDBC領域により構成したCIPヘッダ1、並びに転送されるデータの種類を表す信号フォーマットのためのFMT領域、信号フォーマットに対応して利用されるFDF(Format Dependent Field)領域およびタイムスタンプ情報のためのSyncTime領域により構成したCIPヘッダ2を付加する。
【0033】
受信前処理回路108は、リンクコア101を介してIEEE1394シリアルバスBUSを伝送されてきたアイソクロナス通信用パケットを受信し、当該受信パケットの1394ヘッダ、CIPヘッダ1,2などの内容を解析し、当該パケットに含まれるデジタル・オーディオ信号を復元し、当該復元したデジタル・オーディオ信号をFIFO110に格納する。
【0034】
受信後処理回路109は、FIFO110から読み出したデジタル・オーディオ信号DAをセレクタ113に出力し、このとき、デジタル・オーディオ信号DAが暗号化されている場合には、デジタル・オーディオ信号DAを解読する。
【0035】
メモリコントローラ114は、例えば、図1に示すCDプレーヤ2が再生したデジタル・オーディオ信号DAに応じた出力をスピーカ20で行う場合にはDSP5が出力したデジタル・オーディオ信号DAを、DSP5が出力したクロック信号CK1 を基準にしてDRAM22に書き込んだ後に、当該書き込んだデジタル・オーディオ信号DAを、水晶発振回路25が出力したクロック信号CK2 を基準として読み出して、セレクタ113およびアプリケーションI/F回路103を介してD/Aコンバータ23に出力する。
【0036】
また、メモリコントローラ114は、DRAM22へのデジタル・オーディオ信号DAの記憶状態を監視し、DRAM22に記憶されている有効なデジタル・オーディオ信号DAのデータ量を示すデータ量ANをCFR111に書き込む。このとき、メモリコントローラ114は、例えば、DRAM22の記憶領域を、同一の記憶容量を持つ16個のブロックに分割して管理し、当該16個のブロックのうち、何個のブロックに既にデジタル・オーディオ信号DAが記憶されているかを示すデータ量ANをCFR111に書き込む。
【0037】
DRAM22は、例えば、64Mバイトの記憶容量を有し、デジタル・オーディオ信号DAを記録する。
なお、DRAM22の記憶容量は、64Mバイトには限定されず、例えば4Mバイトや16Mバイトであってもよい。
【0038】
〔アシンクロナス回路〕
ホストインタフェース回路102は、ホストコンピュータ6と、送信用FIFO104aおよび受信用FIFO104bとの間でのアシンクロナス通信用パケットの書き込み、読み出し等の調停、並びに、ホストコンピュータ6からCFR111への各種データの送受信の調停を行う。
また、ホストインタフェース回路102は、メモリコントローラ114によってCFR111に書き込まれたDRAM22の記憶状態を示すデータ量ANを読み出し、これをホストコンピュータ6に出力する。ホストコンピュータ6は、当該データ量ANに基づいて、後述するように、DSP5を制御し、CDプレーヤ2によって再生される単位時間当たりのデジタル・オーディオ信号DAのデータ量を制御する。
【0039】
送信用FIFO104aには、IEEE1394シリアルバスBUSに伝送させるアシンクロナス通信用パケットが格納され、受信用FIFO104bにはIEEE1394シリアルインタフェースバスBUSを伝送されてきたアシンクロナス通信用パケットが格納される。
【0040】
リゾルバ105は、バスリセット時にIEEE1394シリアルインタフェースバスBSUを伝送されてきたセルフIDパケットの内容を解析し、CFR111に格納する。
【0041】
ホストコンピュータ6
ホストコンピュータ6は、リンク・レイヤ回路9のホストインタフェース回路102を介してCFR111から読み出したデータ量ANに基づいて、DSP5を制御し、CDプレーヤ2によって再生される単位時間当たりのデジタル・オーディオ信号DAのデータ量を制御する。
【0042】
図4は、ホストコンピュータ6によるCDプレーヤ2の再生制御を示すフローチャートである。
ステップS1:ホストコンピュータ6は、図示しない操作手段をユーザが操作することで再生開始指示が行われると、ステップS2の処理を実行する。
【0043】
ステップS2:ホストコンピュータ6は、DSP5に制御信号S6を出力し、DSP5によるCD7の再生動作を開始させる。
これにより、リンク・レイヤ回路9において、メモリコントローラ114からの制御に基づいて、DSP5によってCD7から再生されたデジタル・オーディオ信号DAが、クロック信号CK1 を基準としてDRAM22に書き込まれる。
【0044】
ステップS3:ホストコンピュータ6は、DRAM22に記憶されているデータ量を示すデータ量ANをホストインタフェース回路102を介してCFR111から読み出し、当該データ量が所定量以上、例えばDRAM22の記憶容量の半分以上である(16ブロックのうち8ブロック以上のブロックにデジタル・オーディオ信号DAが記憶されている)と判断した場合にステップS4の処理を実行し、所定量以上でないと判断した場合にステップS3の処理を繰り返して実行する。
【0045】
ステップS4:ホストコンピュータ6は、読み出し開始を指示する読み出し指示SRを、リンク・レイヤ回路9に出力する。
読み出し指示SRは、リンク・レイヤ回路9において、ホストインタフェース回路102およびCFR111を介して、メモリコントローラ114に出力される。
これにより、リンク・レイヤ回路9において、メモリコントローラ114からの制御に基づいて、デジタル・オーディオ信号DAが、クロック信号CK2 を基準としてDRAM22から読み出されてセレクタ112に出力される。
【0046】
ステップS5:ホストコンピュータ6は、DRAM22に記憶されているデータ量を示すデータ量ANをホストインタフェース回路102を介してCFR111から読み出し、当該データ量ANに基づいて、DRAM22がオーバーフロー直前であるか否かを判断する。
ここで、DSP5に供給される水晶発振回路8からのクロック信号CK1に比べて、D/Aコンバータ23に供給される水晶発振回路25からのクロック信号CK2の周波数が低い場合には、DSP5からDRAM22に単位時間に書き込まれるデジタル・オーディオ信号DAのデータ量に比べて、DRAM22から単位時間に読み出されてD/Aコンバータ23に出力されるデジタル・オーディオ信号DAのデータ量の方が少ないため、DRAM22に記憶されているデジタル・オーディオ信号DAのデータ量が増大する。
そのため、ホストコンピュータ6は、データ量ANに基づいて、DRAM22の空き容量が、DSP5にCD7の再生停止指示を出力してから、実際にDSP5による再生動作が停止するまでの遅延時間に対応するデータ量Δ1(例えば2ブロック分)以下になると(図5)、オーバーフロー直前と判断して図4に示すステップS8の処理を行う。
一方、DRAM22の空き容量がデータ量Δ1より多い場合には、ステップS6の処理を行う。
【0047】
ステップS6:ホストコンピュータ6は、DRAM22に記憶されているデータ量を示すデータ量ANをホストインタフェース回路102を介してCFR111から読み出し、当該データ量ANに基づいて、DRAM22に記憶されているデジタル・オーディオ信号DAのデータ量が0直前であるか否かを判断する。
ここで、DSP5に供給される水晶発振回路8からのクロック信号CK1 に比べて、D/Aコンバータ23に供給される水晶発振回路25からのクロック信号CK2 の周波数が高い場合には、DSP5からDRAM22に単位時間に書き込まれるデジタル・オーディオ信号DAのデータ量に比べて、DRAM22から単位時間に読み出されてD/Aコンバータ23に出力されるデジタル・オーディオ信号DAのデータ量の方が多いため、DRAM22に記憶されているデジタル・オーディオ信号DAのデータ量が減少する。
そのため、ホストコンピュータ6は、DRAM22に記憶されているデジタル・オーディオ信号DAのデータ量が、DSP5にCD7の再生速度を速める指示を出力してから、実際にDSP5による再生動作の速度が速まるまでの遅延時間に対応するデータ量Δ2以下(例えば2ブロック分)になると(図5)、0(アンダーフロー)直前と判断して図4に示すステップS7の処理を行う。
一方、DRAM22に記憶されているデジタル・オーディオ信号DAのデータ量がデータ量Δ2より多い場合には、ステップS5の処理を繰り返す。
【0048】
ステップS7:ホストコンピュータ6は、DSP5に出力した制御信号S6に基づいて、DSP5によるCD7の再生速度を速める(増大させる)。
【0049】
ステップS8:ホストコンピュータ6は、DSP5に出力した制御信号S6に基づいて、DSP5によるCD7の再生を停止させる。
【0050】
ステップS9:ホストコンピュータ6は、DRAM22に記憶されているデータ量を示すデータ量ANをホストインタフェース回路102を介してCFR111から読み出し、当該データ量ANに基づいて、DRAM22に記憶されているデジタル・オーディオ信号DAのデータ量が、所定量以下であるかを判断し、所定量以下であると判断した場合にはステップS10の処理を実行し、そうでない場合にはステップS9の処理を繰り返す。
【0051】
ステップS10:ホストコンピュータ6は、DSP5に出力した制御信号S6に基づいて、DSP5によるCD7の再生を再開させる。その後、ホストコンピュータ6は、ステップS5の処理を繰り返す。
【0052】
フィジカル・レイヤ回路11
フィジカル・レイヤ回路11は、IEEE1394シリアルバスBUSを介してフィジカル・レイヤ回路10と接続され、前述したフィジカル・レイヤ回路10と同じ構成および機能を有する。
すなわち、フィジカル・レイヤ回路11は、受信時に、IEEE1394シリアルバスBUSから入力した受信パケットをデコードしてリンク・レイヤ回路12に出力する。
このとき、フィジカル・レイヤ回路11は、パケットの非受信時にPLL回路を駆動することにより、これから受信するパケットに重畳されるクロック信号CK1 を再生し、パケットの受信時に、当該クロック信号CK1 を用いてパケットのデコードを行う。
なお、クロック信号CK1 は、リンク・レイヤ回路12に出力される。
【0053】
リンク・レイヤ回路12およびDRAM13
DRAM13は、例えば、前述したDRAM22と同じである。
【0054】
リンク・レイヤ回路12は、図6に示すように、アプリケーションI/F回路103に接続されるアプリケーションを除いて、前述した図2に示すリンク・レイヤ回路9と同じ構成をしている。
すなわち、リンク・レイヤ回路12では、アプリケーションI/F回路103に、アプリケーションとしてMD装置3のDSP14が接続されており、CDプレーヤ2が出力したデジタル・オーディオ信号DAをIEEE1394シリアルバスBUSを介して受信し、当該受信したデジタル・オーディオ信号DAを例えば受信前処理回路108、FIFO110、受信後処理回路109、DRAM13、セレクタ113およびアプリケーションI/F回路103を介してDSP14に出力し、MD記録ブロック18によってMD17に記録させる。
【0055】
このとき、メモリコントローラ114は、受信後処理回路109から入力したデジタル・オーディオ信号DAを、リンクコア101を介してフィジカル・レイヤ回路11から入力したクロック信号CK1 を基準として、DRAM13に書き込む。そして、メモリコントローラ114は、DRAM13に当該書き込んだデジタル・オーディオ信号DAを、水晶発振回路19が出力したクロック信号CK3 を基準にして読み出して、セレクタ113およびアプリケーションI/F回路103を介してDSP14に出力する。
【0056】
ホストコンピュータ15
ホストコンピュータ15は、MD装置3のDSP14を制御することに関する点を除いて、基本的に、前述したホストコンピュータ6と同じである。
【0057】
MD装置3
MD装置3は、DSP14、MD記録ブロック18および水晶発振回路19を有し、DSP14によるMD記録ブロック18の制御に基づいて、水晶発振回路19が出力したクロック信号CK3 を基準として、リンク・レイヤ回路12から出力されたデジタル・オーディオ信号DAをMD17に記録する。
ここで、水晶発振回路19は、例えば,上述したクロック信号CK1 ,CK2 の周波数とは異なる周波数のクロック信号CK3 を生成する。
【0058】
以下、図1に示すオーディオシステム1全体の動作形態について説明する。
第1の動作形態
本動作形態では、IEEE1394シリアルバスBUSを介したデジタル・オーディオ信号DAの送信は行わずに、CDプレーヤ2で再生したデジタル・オーディオ信号DAに応じた音響をスピーカ20から出力する場合の動作を説明する。
先ず、図示しない操作手段をユーザが操作することで再生開始指示が行われると、ホストコンピュータ6からDSP5に制御信号S6が出力され、DSP5においてクロック信号CK1 を基準としたCD7の再生動作が開始し、CD7から再生されたデジタル・オーディオ信号DAと、水晶発振回路8で生成されたクロック信号CK1 とがリンク・レイヤ回路9に出力される。
【0059】
これにより、リンク・レイヤ回路9において、メモリコントローラ114からの制御に基づいて、DSP5から入力したデジタル・オーディオ信号DAが、クロック信号CK1 を基準としてDRAM22に書き込まれる。
【0060】
そして、図4に示すステップS3,S4で前述したように、DRAM22に記憶されているデータ量を示すデータ量ANがホストインタフェース回路102を介してCFR111からホストコンピュータ15に読み出され、当該データ量が、例えばDRAM22の記憶容量の半分以上であると判断された場合に、ホストコンピュータ15からメモリコントローラ114に、ホストインタフェース回路102およびCFR111を介して、読み出し開始を指示する読み出し指示SRが出力される。
これにより、リンク・レイヤ回路9において、メモリコントローラ114からの制御に基づいて、デジタル・オーディオ信号DAが、クロック信号CK2 を基準としてDRAM22から読み出されてセレクタ114に出力される。
このとき、ホストコンピュータ6によって、前述した図4に示すように、CFR111から読み出したデータ量ANに基づいて、DSP5が制御され、CDプレーヤ2によって再生される単位時間当たりのデジタル・オーディオ信号DAのデータ量が制御される。
【0061】
DRAM22から読み出されたデジタル・オーディオ信号DAは、セレクタ113からアプリケーションI/F回路103を介してD/Aコンバータ23に出力され、D/Aコンバータ23において、水晶発振回路25からの基準クロック信号CK を基準としてデジタル・オーディオ信号DAがアナログ・オーディオ信号AAに変換された後に、スピーカ部24に出力される。これにより、アナログ・オーディオ信号AAに応じた音響がスピーカ部24から出力される。
【0062】
第2の動作形態
本動作形態では、CDプレーヤ2で再生したデジタル・オーディオ信号DAを、IEEE1394シリアルバスBUSを介してフィジカル・レイヤ回路11に送信しながら、当該デジタル・オーディオ信号DAに応じた音響をスピーカ20から出力する場合の動作を説明する。
この場合には、前述した第1の動作形態で説明した動作と並行して以下に示す動作が行われる。
すなわち、CDプレーヤ2のDSP5からリンク・レイヤ回路9に出力されたデジタル・オーディオ信号DAが、図2に示すアプリケーションI/F回路103を介して前述したようにメモリコントローラ114に出力されると共に、セレクタ112にも出力され、当該デジタル・オーディオ信号DAがセレクタ112から送信前処理回路106に出力される。
【0063】
そして、デジタル・オーディオ信号DAが、セレクタ112を介して送信前処理回路106に出力され、送信前処理回路106において、アイソクロナス通信用としてクワドレット(4バイト)単位にデータ長が調整された後に、FIFO110に書き込まれる。
【0064】
次に、FIFO110に格納されたソースパケットヘッダを含むデータが、送信後処理回路107に読み出され、これに図3に示す1394ヘッダ、CIPヘッダ(Header)1,2などが付加されてパケットが生成され、当該パケットがンクコア101に出力される。
【0065】
次に、送信後処理回路107からリンクコア101に出力されたパケットが、125μs毎に、フィジカル・レイヤ回路11に出力され、フィジカル・レイヤ回路10においてエンコード等された後、IEEE1394シリアルバスBUSを介してフィジカル・レイヤ回路11に出力される。
【0066】
次に、フィジカル・レイヤ回路11において、受信パケットがデコードされると共に、当該受信パケットに重畳されていたクロック信号CK1 が再生され、当該クロック信号CK1 がリンクコア101を介してメモリコントローラ114に出力される。
【0067】
次に、受信パケットがリンクコア101を介して受信前処理回路108に出力され、受信前処理回路108において、当該受信パケットに含まれる1394ヘッダ、CIPヘッダ1,2などの内容が解析された後に、当該受信パケットに含まれるデジタル・オーディオ信号が復元され、当該復元されたデジタル・オーディオ信号がFIFO110に書き込まれる。
【0068】
次に、FIFO110からデジタル・オーディオ信号DAが読み出され、例えば、メモリコントローラ114によって、クロック信号CK1 を基準としてDRAM13に書き込まれる。
その後、メモリコントローラ114によって、DSP14からのクロック信号CK3 を基準として、DRAM13からデジタル・オーディオ信号DAが読み出され、セレクタ113およびアプリケーションI/F回路103を介して、DSP14に出力される。
【0069】
次に、デジタル・オーディオ信号DAが、DSP14の制御に基づいて、MD記録ブロック18によってクロック信号CK3 を基準としてMD17に書き込まれる。
【0070】
以上説明したように、オーディオシステム1によれば、動作時の基準クロック信号が相互に異なるCDプレーヤ2およびスピーカ20をアプリケーションとして図1に示すリンク・レイヤ回路9に接続した場合でも、DRAM22によって基準クロック信号相互間のずれ(ジッター)を吸収することができ、D/Aコンバータ23において、CDプレーヤ2が再生したデジタル・オーディオ信号DAをアナログ・オーディオ信号AAに高精度に変換することができる。その結果、アナログ・オーディオ信号AAに応じた高品質な音響をスピーカ部24から出力できる。
また、オーディオシステム1によれば、サンプリング・レート・コンバータを用いる必要がなく、装置の小規模化および低価格化が図れる。
【0071】
また、オーディオシステム1によれば、ホストコンピュータ6がDRAM22の記憶状態を監視してDSP5によるCD7の再生を制御することで、DRAM22がオーバーフローしたり、DRAM22から読み出すデジタル・オーディオ信号DAが無くなったり(アンダーフローしたり)することを回避でき、スピーカ20において、デジタル・オーディオ信号DAに応じた音響を途切れることなく連続して出力できる。
【0072】
また、オーディオシステム1によれば、前述した第2の動作形態で説明したように、CDプレーヤ2が再生したデジタル・オーディオ信号DAをIEEE1394シリアルバスBUSを介してMD装置3に記録する際に、デジタル・オーディオ信号DAに応じた高品質な音響をスピーカ部24でモニタできる。
【0073】
また、オーディオシステム1によれば、前述した第2の動作形態で説明したように、リンク・レイヤ回路12において、IEEE1394シリアルバスBUSを介してCDプレーヤ2から受信したデジタル・オーディオ信号DAのDRAM13への書き込みと、DRAM13からDSP14へのデジタル・オーディオ信号DAの読み出しとを非同期で行うことで、DSP14によって、ジッターの影響の無い高品質なデジタル・オーディオ信号DAをMD17に書き込むことができる。
【0074】
第2実施形態:
上述した実施形態では、デジタル・オーディオ信号DAの受信側に、DRAM13を設けた場合を例示したが、例えば、図7に示すように、受信側がDRAM13を設けておらず、D/Aコンバータ23へのデジタル・オーディオ信号DAの出力を行わない場合に、基準クロック信号CK1を基準としてCDプレーヤ2からDRAM22に書き込まれたデジタル・オーディオ信号DAを、水晶発振回路19から出力されたクロック信号CK3を基準として読み出してIEEE1394シリアルバスBUSを介してリンク・レイヤ回路12に出力することで、CDプレーヤ2のクロック信号CK1とMD装置3のクロック信号CK3との間のジッターをDRAM22で吸収することが可能である。
このようにすることで、デジタル・オーディオ信号の受信側にジッター吸収用のDRAMが存在しない場合にも、送信側でジッター吸収することができる。
【0075】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
例えば、上述した実施形態では、リンク・レイヤ回路9に、アプリケーションとしてCDプレーヤ2およびスピーカ20を接続した場合を例示したが、一のアプリケーションから出力されるデータを他のアプリケーションが入力して処理を行い、これらのアプリケーション相互間で動作周波数が異なるものであれば、リンク・レイヤ回路9のアプリケーションI/F回路103に接続されるアプリケーションの種類および数は任意である。
また、同様に、リンク・レイヤ回路12に接続されるアプリケーションも、MD装置3には限定されない。
【0076】
また、上述した実施形態では、アプリケーションとして、デジタル・オーディオ信号を再生、出力および記録するものを例示したが、本発明は、その他のビデオデータなどを再生、出力および記録するアプリケーションをリンク・レイヤ回路に接続した場合にも適用できる。
【0077】
また、上述した第1の実施形態の第2の動作形態では、CDプレーヤ2で再生したデジタル・オーディオ信号DAを、IEEE1394シリアルバスBUSを介してフィジカル・レイヤ回路11に送信しながら、当該デジタル・オーディオ信号DAに応じた音響をスピーカ20から出力する場合を例示したが、スピーカ20からの音響出力を行わずに、CDプレーヤ2で再生したデジタル・オーディオ信号DAを、IEEE1394シリアルバスBUSを介してフィジカル・レイヤ回路11に送信してもよい。この場合でも、受信側のDRAM13によって、CDプレーヤ2とMD装置3との間の動作周波数の違いによるジッターが吸収されるという効果が得られる。
【0078】
また、ホストコンピュータ6によるCDプレーヤ2の再生制御は、DRAM22がオーバーフローしたり、記憶されているデジタル・オーディオ信号DAが無くならないようにするものであれば、特に図4に示すものには限定されない。
【0079】
また、上述した実施形態では、ジッター吸収用の記憶回路として、DRAMを例示したが、DRAM以外にも、SRAMなどを用いてもよい。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のデータ処理回路によれば、小規模かつ安価な構成で、第1のアプリケーションと第2のアプリケーションとの間の動作周波数の違いによるジッターを吸収でき、第2のアプリケーションにおいて高精度な処理を行うことができる。
また、本発明のデータ処理回路によれば、アプリケーション制御回路を設けることで、記憶回路が、オーバーフローおよびアンダーフローすることを回避でき、前記第2のアプリケーションにおける処理の連続性を保証できる。
【0081】
また、本発明のデータ処理回路によれば、送信側の他のデータ処理回路に接続された第2のアプリケーションと異なる周波数で動作する第1のアプリケーションを接続した場合でも、当該動作周波数の相違によるジッターを吸収でき、第1のアプリケーションにおいて高精度な処理が可能にある。
【0082】
また、本発明のデータ処理回路によれば、受信側の他のデータ処理回路に接続された第2のアプリケーションと異なる周波数で動作する第1のアプリケーションを接続した場合でも、当該動作周波数の相違によるジッターを吸収でき、前記他のデータ処理回路に接続された前記第2のアプリケーションにおいて高精度な処理が可能にある。
【0083】
また、本発明のデータ伝送システムによれば、第1のデータ処理回路に接続された第1のアプリケーションと第2のデータ処理回路に接続された第2のアプリケーションとの間の動作周波数の違いによるジッターを吸収でき、第2のアプリケーションにおいて高精度な処理が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、IEEE1394シリアルインタフェースに適用される本発明に係るオーディオシステムの一実施形態を示すブロック構成図である。
【図2】図2は、リンク・レイヤ回路の内部構成図である。
【図3】図3は、IEEE1394シリアルバスを介して伝送するパケットのフォーマットを説明するための図である。
【図4】図4は、図1に示すホストコンピュータによるCDプレーヤの再生制御を示すフローチャートである。
【図5】図5は、DRAMの記憶領域とホストコンピュータの制御との関係を説明するための図である。
【図6】図6は、リンク・レイヤ回路とMD装置のDSPとの接続形態を説明するための図である。
【図7】図7は、本発明のその他の実施形態に係わるオーディオシステムの一実施形態を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
1…オーディオシステム、2…CDプレーヤ、3…MD装置、5,14…DSP、6,15…ホストコンピュータ、7…CD、8,19…水晶発振回路、9,12…リンク・レイヤ回路、10,11…フィジカル・レイヤ回路、13,22…DRAM、17…MD、20…スピーカ、23…D/Aコンバータ、24…スピーカ部、101…リンクコア、102…ホストインタフェース回路、103…アプリケーションI/F回路、104…アシンクロナス通信用FIFO、105…リゾルバ、106…アイソクロナス通信用送信前処理回路、107…アイソクロナス通信用送信後処理回路、108…アイソクロナス通信用受信前処理回路、109…アイソクロナス通信用受信後処理回路、111…CFR、112,113…セレクタ、114…メモリコントローラ

Claims (14)

  1. 異なる周波数のクロック信号を基準として動作する第1のアプリケーションおよび第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションを接続可能で、データ伝送路を介して他のデータ処理回路と通信可能なデータ処理回路であって、
    記憶回路と、
    複数の異なる周波数のクロックが供給され、供給される異なる周波数のクロック信号のうち一の周波数のクロック信号を基準としてデータを上記記録回路に書き込んだ後、他の周波数のクロック信号を基準として書き込みデータを読み出し可能な記憶制御回路と、
    第1の選択信号に応じて、前記第1のアプリケーションから入力したデータ、または、前記記憶制御回路において前記第1のアプリケーションから入力したデータを、前記第1のアプリケーションの動作周波数に応じた第1のクロック信号を基準として前記記憶回路に書き込んだ後に、前記第2のアプリケーションの動作周波数に応じた第2のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第1のセレクタと、
    前記第1のセレクタで選択されたデータを、前記データ伝送路に送出する送信回路と、
    前記データ伝送路からデータを受信し、伝送されたデータに重畳されるクロックを再生して、当該再生クロックおよび受信データを前記記憶制御回路に供給する受信回路と、
    第2の選択信号に応じて、前記受信回路の受信データ、または、前記記憶制御回路において前記第1のアプリケーションから入力したデータを、前記第1のアプリケーションの動作周波数に応じた第1のクロック信号を基準として、または、前記受信回路の受信データを前記再生クロックを基準として、前記記憶回路に書き込んだ後に、前記第2のアプリケーションの動作周波数に応じた第2のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第2のセレクタと、
    第1のクロック信号を基準として動作する第1のアプリケーションおよび第2のクロックを基準として動作する第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションを接続可能で、前記第1のアプリケーションから入力したデータを前記第1のセレクタおよび前記記憶制御回路に供給し、前記第1のクロック信号および前記第2のクロック信号を当該記憶制御回路に供給し、前記第2のセレクタから出力されたデータを受け、前記記憶制御回路により前記記憶回路から第2のクロック信号を基準として読み出されたデータを前記第2のアプリケーションに出力するアプリケーションインタフェースと
    を有するデータ処理回路。
  2. 前記第1のセレクタのデータ選択処理と前記第2のセレクタのデータ選択処理はそれぞれ独立して行われるように前記第1の選択信号および前記第2の選択信号を設定するアプリケーション制御回路を有する
    請求項1記載のデータ処理回路。
  3. 前記アプリケーション制御回路は、
    前記第1のセレクタで前記アプリケーションインタフェースから前記記憶回路を介さずに前記第1のアプリケーションから入力したデータを前記送信回路に入力させてデータ伝送路に出力するように前記第1の選択信号を設定し、これと並行して、
    前記第2のセレクタで前記第1のアプリケーションから入力したデータの前記記憶回路への前記書き込みおよび前記記憶回路からの前記第2のアプリケーションへの前記読み出しデータを選択するように前記第2の選択信号を設定する
    請求項2に記載のデータ処理回路。
  4. 前記アプリケーション制御回路は、
    前記記憶回路の記憶状態を監視し、当該監視結果に基づいて、前記第1のアプリケーションが単位時間当たりに出力する前記データのデータ量を制御し、
    前記記憶回路がオーバーフローおよびアンダーフローしないように、前記第1のアプリケーションが出力する前記データのデータ量を制御する
    請求項3に記載のデータ処理回路。
  5. 前記送信回路は、前記データをパケットに含めて予め決められた時間間隔で、前記データ伝送路に出力する
    請求項1から4のいずれか一に記載のデータ処理回路。
  6. 異なる周波数のクロック信号を基準として動作する第1のアプリケーションおよび第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションを接続可能な第1のデータ処理回路と、第3のアプリケーションを接続可能な第2のデータ処理回路とが、データ伝送路を介して通信可能なデータ伝送システムであって、
    前記第1のデータ処理回路は、
    第1の記憶回路と、
    複数の異なる周波数のクロックが供給され、供給される異なる周波数のクロック信号のうち一の周波数のクロック信号を基準としてデータを上記第1の記憶回路に書き込んだ後、他の周波数のクロック信号を基準として書き込みデータを読み出し可能な第1の記憶制御回路と、
    第1の選択信号に応じて、前記第1のアプリケーションから入力したデータ、または、前記第1の記憶制御回路において前記第1のアプリケーションから入力したデータを、前記第1のアプリケーションの動作周波数に応じた第1のクロック信号を基準として前記第1の記憶回路に書き込んだ後に、前記第2のアプリケーションの動作周波数に応じた第2のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第1のセレクタと、
    前記第1のセレクタで選択されたデータを、前記データ伝送路に送出する第1の送信回路と、
    前記第2のデータ処理回路から前記データ伝送路に送出されたデータを受信し、伝送されたデータに重畳されるクロックを再生して、当該再生クロックおよび受信データを前記記憶制御回路に供給する第1の受信回路と、
    第2の選択信号に応じて、前記第1の受信回路の受信データ、または、前記第1の記憶制御回路において前記第1のアプリケーションから入力したデータを、前記第1のアプリケーションの動作周波数に応じた第1のクロック信号を基準として、または、前記第1の受信回路の受信データを前記再生クロックを基準として、前記第1の記憶回路に書き込んだ後に、前記第2のアプリケーションの動作周波数に応じた第2のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第2のセレクタと、
    第1のクロック信号を基準として動作する第1のアプリケーションおよび第2のクロックを基準として動作する第2のアプリケーションを含む複数のアプリケーションを接続可能で、前記第1のアプリケーションから入力したデータを前記第1のセレクタおよび前記第1の記憶制御回路に供給し、前記第1のクロック信号および前記第2のクロック信号を当該第1の記憶制御回路に供給し、前記第2のセレクタから出力されたデータを受け、前記第1の記憶制御回路により前記第1の記憶回路から第2のクロック信号を基準として読み出されたデータを前記第2のアプリケーションに出力するアプリケーションインタフェースと
    を有し、
    前記第2のデータ処理回路は、
    前記データ伝送路からデータを受信し、当該受信したデータに重畳された前記第1のアプリケーションの動作周波数に応じた第1のクロック信号または前記第2のアプリケーションの動作周波数に応じた第2のロック信号を再生する第2の受信回路と、
    第2の記憶回路と、
    前記受信したデータを、前記再生したクロック信号を基準として前記第2の記憶回路に書き込んだ後に、前記第3のアプリケーションの動作周波数に応じた第3のクロック信号を基準として読み出して前記第3のアプリケーションに出力する第2の記憶制御回路と
    を有するデータ処理回路。
  7. 前記第2のデータ処理回路は、
    第3の選択信号に応じて、前記第3のアプリケーションから入力したデータ、または、前記第2の記憶制御回路において前記第3のアプリケーションまたは他のアプリケーションから入力したデータを、前記他のアプリケーションの動作周波数に応じた他のクロック信号または第3のアプリケーションの動作周波数に応じた第3のクロック信号を基準として前記第2の記憶回路に書き込んだ後に、前記他のアプリケーションの動作周波数に応じた他のクロック信号または前記第3のアプリケーションの動作周波数に応じた第3のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第3のセレクタと、
    前記第3のセレクタで選択されたデータを、前記データ伝送路に送出する第2の送信回路と、
    前記第1のデータ処理回路から前記データ伝送路に送出されたデータを受信し、伝送されたデータに重畳されるクロックを再生して、当該再生クロックおよび受信データを前記第2の記憶制御回路に供給する第2の受信回路と、
    第4の選択信号に応じて、前記第2の受信回路の受信データ、または、前記第2の記憶制御回路において前記第2の受信回路の受信データを前記再生クロックを基準として、前記第2の記憶回路に書き込んだ後に、前記第3のアプリケーションの動作周波数に応じた第3のクロック信号を基準として読み出されたデータのいずれかを選択して出力する第4のセレクタと、
    第3のクロック信号を基準として動作する第3のアプリケーションを含む複数のアプリケーションを接続可能で、前記第3のアプリケーションまたはアプリケーションから入力したデータを前記第3のセレクタに供給し、前記第3のクロック信号および他のクロック信号を当該第2の記憶制御回路に供給し、前記第4のセレクタから出力されたデータを受け、前記第2の記憶制御回路により前記第2の記憶回路から第3のクロック信号を基準として読み出されたデータを前記第3のアプリケーションに出力するアプリケーションインタフェースと
    を有する請求項6記載のデータ伝送システム。
  8. 前記第1のデータ処理回路は、
    前記第1のセレクタのデータ選択処理と前記第2のセレクタのデータ選択処理はそれぞれ独立して行われるように前記第1の選択信号および前記第2の選択信号を設定するアプリケーション制御回路を有する
    請求項6記載のデータ伝送システム。
  9. 前記アプリケーション制御回路は、
    前記第1のセレクタで前記アプリケーションインタフェースから前記記憶回路を介さずに前記第1のアプリケーションから入力したデータを前記送信回路に入力させてデータ伝送路に出力するように前記第1の選択信号を設定し、これと並行して、
    前記第2のセレクタで前記第1のアプリケーションから入力したデータの前記記憶回路への前記書き込みおよび前記記憶回路からの前記第2のアプリケーションへの前記読み出しデータを選択するように前記第2の選択信号を設定する
    請求項8に記載のデータ伝送システム。
  10. 前記アプリケーション制御回路は、
    前記記憶回路の記憶状態を監視し、当該監視結果に基づいて、前記第1のアプリケーションが単位時間当たりに出力する前記データのデータ量を制御し、
    前記記憶回路がオーバーフローおよびアンダーフローしないように、前記第1のアプリケーションが出力する前記データのデータ量を制御する
    請求項9に記載のデータ処理回路。
  11. 前記第1のデータ処理回路は、
    前記第1のセレクタのデータ選択処理と前記第2のセレクタのデータ選択処理はそれぞれ独立して行われるように前記第1の選択信号および前記第2の選択信号を設定する第1のアプリケーション制御回路を有し、
    前記第2のデータ処理回路は、
    前記第3のセレクタのデータ選択処理と前記第4のセレクタのデータ選択処理はそれぞれ独立して行われるように前記第3の選択信号および前記第4の選択信号を設定する第2のアプリケーション制御回路を有する
    請求項7記載のデータ伝送システム。
  12. 前記第1のアプリケーション制御回路は、
    前記第1のセレクタで前記アプリケーションインタフェースから前記記憶回路を介さずに前記第1のアプリケーションから入力したデータを前記送信回路に入力させてデータ伝送路に出力するように前記第1の選択信号を設定し、これと並行して、
    前記第2のセレクタで前記第1のアプリケーションから入力したデータの前記記憶回路への前記書き込みおよび前記記憶回路からの前記第2のアプリケーションへの前記読み出しデータを選択するように前記第2の選択信号を設定する
    請求項11に記載のデータ伝送システム。
  13. 前記第1のアプリケーション制御回路は、
    前記記憶回路の記憶状態を監視し、当該監視結果に基づいて、前記第1のアプリケーションが単位時間当たりに出力する前記データのデータ量を制御し、
    前記記憶回路がオーバーフローおよびアンダーフローしないように、前記第1のアプリケーションが出力する前記データのデータ量を制御する
    請求項12に記載のデータ処理回路。
  14. 前記送信回路は、前記データをパケットに含めて予め決められた時間間隔で、前記データ伝送路に出力する
    請求項6から13のいずれか一に記載のデータ処理回路。
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