JP3994386B2 - Ag合金膜、平面表示装置およびAg合金膜形成用スパッタリングターゲット材 - Google Patents

Ag合金膜、平面表示装置およびAg合金膜形成用スパッタリングターゲット材 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平面表示装置(フラットパネルデスプレイ。以下、FPDという)に加え、各種半導体デバイス、薄膜センサー、磁気ヘッド等の薄膜電子部品において、低い電気抵抗と耐食性、耐熱性、密着性を要求される電子部品用Ag合金膜、Ag合金膜を有する平面表示装置およびAg合金膜形成用スパッタリングターゲット材に関するものである。FPDとしては例えば液晶ディスプレイ(以下、LCDという)、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)、フィールドエミッションディスプレイ(以下、FEDという)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下、ELDという)、電子ペーパー等に利用される電気泳動型ディスプレイ等に用いることが好適である。
【0002】
【従来の技術】
ガラス基板上に薄膜デバイスを作製するFPD、薄膜センサ−、セラミック基板上に素子を形成する磁気ヘッド等に用いる電気配線膜、電極等には、従来から耐食性、耐熱性、基板との密着性に優れる金属である純Cr膜、純Ta膜、純Ti膜、純Al膜等の純金属膜またはそれらを主体とする合金膜が用いられてきたが、近年、上記のような薄膜デバイス用金属膜では、より低電気抵抗の金属膜が要求されている。特に、FPDの分野においては、大型化、高精細化、高速応答が可能な薄膜トランジスタ(TFT)を駆動素子とする方式が広く採用されており、その配線膜には信号遅延を防止するために低電気抵抗化の要求がある。たとえば、ノートパソコン等に用いられる12インチ以上の大型カラーLCDに用いられる配線では比抵抗を30μΩcm以下に、より大型の15インチのデスクトップパソコン用には10μΩcm以下とすることが要求されており、今後さらに高精細、高速応答が要求される20インチ以上の液晶テレビや小型の携帯情報端末等ではさらなる低電気抵抗の金属膜が要求されている。このため、低抵抗なAlやAl合金膜が用いられている。
【0003】
しかしながら、Al合金膜であっても、今後の大型ディスプレイ、携帯機器用ディスプレイ等で要求されるさらなる高精細化、動画に対応した高速応答性の向上を実現する為には十分とは言えない。
例えば、液晶ディスプレイにおいては、現在主流のアモルファスシリコンTFT駆動方式より高速応答が可能なポリシリコンTFT駆動方式を利用した液晶TV等の開発が進められている。ポリシリコンTFTの製造プロセスは、アモルファスシリコンTFTよりもさらに高い温度となるために、配線材料にはさらに高い耐熱性が要求される。このため、融点の低いAl合金では十分な耐熱性が確保できない。また、ポリシリコンTFTを駆動素子として用いる自発光な平面表示装置として有機ELディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイでは液晶ディスプレイと異なり電流駆動となるためさらに低い電気抵抗の配線が求められている。そのため、Al合金に替えてさらに低電気抵抗であるAgの適用が検討されている。
【0004】
また、特に小型の携帯情報端末においては、耐衝撃性や軽量化のためにガラス基板等に替えて、樹脂基板や樹脂フィルム等を用いた平面表示装置が要求されている。Al合金で低電気抵抗の配線膜を得るには加熱処理が必要であり、樹脂基板や樹脂フィルム等の場合に十分な加熱処理を行えないため、低電気抵抗を得難いという欠点も有している。このため、加熱処理を行わないプロセスにおいてもAl合金より低電気抵抗のAgの適応が検討されている。
【0005】
さらに、小型の電池駆動の携帯情報端末や携帯ゲームにおいては、液晶ディスプレイを表示素子として用いるが、液晶ディスプレイの光源となるバックライトの消費電力が大きく、使用時間が短くなるという問題があった。このため、近年、外光を効率よく利用しバックライトを基本的に使用しない反射型液晶ディスプレイの開発や、反射型と従来の透過型を組み合わせた半透過型液晶ディスプレイの開発が行われ、実用化されている。
【0006】
このような反射型、半透過型ディスプレイに用いる反射膜や反射電極にも、金属の中でも可視光範囲での反射率が高く、電気抵抗も低い元素であるAlまたはAl合金薄膜が多く用いられてきた。しかし、近年、ディスプレイの表示品質向上のために、その反射膜にはペーパーホワイトと呼ばれる可視光範囲での反射率が一定値となるフラットな反射特性とさらに高い反射率が要求され、Al合金より高反射なAgの適応が検討されている。
【0007】
AgはAlより融点が高く、低電気抵抗、高反射であるために今後の配線材料あるいは反射膜として有望であるが、電子部品用の薄膜として用いる場合、基板に対する密着性が低く、さらに耐熱性、耐食性が低いという欠点を有する。
例えば、AgをFPDの配線膜として用いた場合、基板(例えばガラスやSiウェハ−、樹脂基板、樹脂フィルム、ステンレス箔等の耐食性の高い金属箔)に対する膜の密着性が低く、プロセス中に剥がれるという問題を生じる。また、薄膜デバイスを製造する際の薄膜の応力緩和に伴う原子移動を原因とするヒロックの発生と平面表示装置製造時に基板材質や加熱雰囲気の影響により膜粒子が凝集し、膜表面の平滑性が低下したり、膜の連続性が失われることにより大幅に電気抵抗の増大や、反射率の低下が起こる事がある。また、耐食性が低いことに起因して、基板上に成膜した後、数日大気に放置しただけで変色したり、ディスプレイの製造時に使用する薬液により腐食され、大幅に電気抵抗が上昇したり、膜が剥離する等の問題があった。
【0008】
そこで、上記の問題を解決するために、AgにCuを0.1原子%以上添加したAg合金タ−ゲットを用いることで導電率と光学特性に優れたAg系薄膜を成膜できることが記載されているものがある(例えば、特許文献1参照)。また、接着層上にPt、Pd、Au、Cu、Niを添加するAg合金を用いた反射型導電膜を用いることが記載されているものがある(例えば、特許文献2参照)。また、AgにPdを0.1〜3重量%、Al、Au、Pt、Cu、Ta、Cr、Ti、Ni、Co、Si等を合計で0.1〜3重量%添加する合金を用いた電子部品用金属材料等が提案されているものがある(例えば、特許文献3参照)。また、AgにRuを25重量%以下、CuまたはAuを25重量%以下添加する低抵抗なAg合金膜を開示するものがある(例えば、特許文献4、特許文献5参照)。また、耐熱性を向上させるために、AgにNd等の元素を添加するAg合金が記載されている(例えば、特許文献6参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−260135号公報
【特許文献2】
特開平11−119664号公報
【特許文献3】
特開2001―192752号公報
【特許文献4】
特開2001−102325号公報
【特許文献5】
特開2002―266068号公報
【特許文献6】
特開2002―226927号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来これらに開示されるAg合金では、本来Agの有する特性である低い電気抵抗および高い反射率と、種々の電子部品が要求する耐食性、耐熱性、密着性、パタニング性の全てを満足できるAg合金膜を得ることはむずかしい。具体的には、例えばCuや、貴金属元素であるPd、Pt、Auを添加した場合は電気抵抗の増加は少ないが耐熱性に問題がある。また、遷移金属であるTa、Cr、Ti、Ni、Co等や半金属であるAl等の元素は添加した場合、密着性、耐食性、耐熱性を改善するためには、添加量が多くなり電気抵抗が増加し、含有量が1原子%を越えると比抵抗が5μΩcmを越えてしまいAgの持つ低抵抗な利点が失われてしまう。また、可視光範囲の低波長側での反射率の低下が大きくなるなど、Agの持つ低電気抵抗かつ高反射な利点が失われてしまう。また、Auは反射率の低下の少ない元素であるが、Agに添加するとエッチング時に残さが生じ易くパタニング性が低下する問題がある。
【0011】
本発明の目的は、低い電気抵抗と高い反射率、さらに耐熱性、耐食性、そして基板への密着性およびパタニング性を兼ね備えたAg合金膜とそのAg合金膜を形成するためのスパッタリングターゲット材および低消費電力な平面表示装置を提供することにある。
例えば反射型液晶ディスプレイ、FED、有機EL等のようなガラス基板やSiウェハ−上に形成する平面表示装置や樹脂フィルム基板等のフレキシブルな表示装置等において要求される高い反射率を維持した上で、可視光範囲での反射率が一定値になり、かつ低い電気抵抗を有し表示装置製造時のプロセス中での耐熱性、耐食性を兼ね備えた低コストなAg合金膜、平面表示装置とそのAg合金膜を形成するためのスパッタリングターゲットを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するべく、鋭意検討を行った結果、Agに選択した元素を複合添加してAg合金膜とすることにより、本来Agの持つ低い電気抵抗と高い反射率を大きく損なうことなく耐食性および耐熱性を向上し、さらに基板への密着性、パタニング性も改善できることを見いだし、本発明に到達した。
【0013】
すなわち、本発明は、添加元素として、Zrおよび/またはHfを合計で0.1〜0.7原子%、(Al、Mn、Cu、Ge)からなる群から選択される1種または2種以上の元素を合計で0.1〜1.0原子%含有し、かつ前記添加元素の総和が1.5原子%以下であり残部Agおよび不可避的不純物からなるAg合金膜である。
【0014】
また、本発明は、添加元素として、Zrを0.1〜0.5原子%、(Mn、Ge、Cu)からなる群から選択される1種または2種以上の元素を合計で0.1〜0.7原子%含有し、かつ前記添加元素の総和が1.0原子%以下であり残部Agおよび不可避的不純物からなるAg合金膜である。
【0015】
また、本発明は、平面表示装置用ポリシリコンTFT用の配線膜である上記組成のAg合金膜である。
また、本発明は、平面表示装置に用いられるガラス基板またはSiウェハー上に形成された上記組成のAg合金膜である。
また、本発明は、有機ELディスプレイ用の配線膜である上記組成のAg合金膜である。
また、本発明は、比抵抗値が4μΩcm以下の上記組成のAg合金膜である。
また、本発明は、平面表示装置用の反射膜である上記組成のAg合金膜である。
また、本発明は、上記組成のAg合金膜を有する平面表示装置である。
【0016】
また、本発明は、添加元素として、Zrおよび/またはHfを合計で0.1〜0.7原子%、(Al、Mn、Cu、Ge)からなる群から選択される1種または2種以上の元素を合計で0.1〜1.0原子%含有し、かつ前記添加元素の総和が1.5原子%以下であり残部Agおよび不可避的不純物からなるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット材である。
【0017】
また、本発明は、添加元素として、Zrを0.1〜0.5原子%、(Mn、Ge、Cu)からなる群から選択される1種または2種以上の元素を合計で0.1〜0.7原子%含有し、かつ前記添加元素の総和が1.0原子%以下であり残部Agおよび不可避的不純物からなるAg合金膜形成用スパッタリングターゲット材である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の特徴は、Ag自体の低電気抵抗と高い反射率をできる限り維持しながら、Agの有する欠点である耐食性、耐熱性や密着性を補うのに最適な合金構成を見いだしたところにある。
【0019】
以下に、本発明のAg合金膜において、元素の選択理由ならびにその添加量に関して説明する。
ZrやHfはAgに添加することによって耐熱性と密着性を改善する効果がある。その理由は明確でないが、次のように推測される。ZrやHfはAgと化合物を形成しやすい元素である。そのため、Agの原子移動を抑制し、耐熱性を向上させる効果を有するものと考えられる。また、Agの原子移動を抑制することで、微細かつ均一組織の膜になるため、Agの凝集を抑制して、密着性が改善するものと考えられる。しかし、Zrおよび/またはHfのみを添加したAg合金膜では、例えば平面表示装置を製造する際の洗浄工程や加熱工程で変色等が発生しやすい問題があり、耐食性の改善効果は十分ではない。
【0020】
そこで、本発明では、耐食性を改善させるために、さらに(Al、Mn、Cu、Ge、Sn)の群から選択される1種または2種以上の元素をAgに添加する。上記添加元素による改善効果の理由は明確ではないが、次のように推測される。(Al、Mn、Cu、Ge、Sn)は、Agに対して固溶する元素である。これらの元素はAgに固溶することでAgの原子移動を抑制し微細で緻密な膜組織となるとともにAgの性質を変化させていると考えられる。このため、膜中ボイドが減少するとともに粒界腐食も抑制され、表示装置等を製造する際のプロセスにおいて発生する薬液等による腐食に対して耐性を向上させているものと考えられる。
【0021】
耐熱性と密着性との改善に効果があるZrおよび/またはHfと、耐食性の改善に効果のある(Al、Mn、Cu、Ge、Sn)の群から選ばれる元素を複合添加することにより、両方の特性が相殺されることなく両立できることを見出したところに本発明の重要な特徴がある。つまり、この2群の複合添加により、耐食性、耐熱性、密着性を兼ね備えたAg合金膜を得ることが可能となる。なお、その添加量を増加させると、耐熱性、密着性、耐食性の効果は向上するが、一方で電気抵抗の上昇と反射率の低下を招く。そこで、Agに添加する元素は、必要最少量でありながら十分な効果が得られるように調整する必要がある。
【0022】
そこで、次にAgに添加する元素の添加量に関して説明をする。
Zrおよび/またはHfを添加することによる耐熱性と密着性の改善効果は、添加量が0.1原子%からあらわれるが、一方0.7原子%を超えると耐熱性や耐食性の改善には優れるものの電気抵抗が増加してしまい、可視光範囲の低波長域で反射率の低下が大きくなる。よって、Zrおよび/またはHfの添加量は、0.1〜0.7原子%が好ましい。さらに、より低い電気抵抗を得るためや可視光範囲の低波長域の反射率を抑制するためにはZrおよび/またはHfの添加量の上限を0.5原子%以下とすることが望ましい。
さらに(Al、Mn、Cu、Ge、Sn)を添加することによる耐食性の改善効果は、添加量が0.1原子%からあらわれるが、一方添加量が増加するに従い電気抵抗が上昇し、反射率が低下するとともに可視光範囲で反射率が一定になる反射特性も得にくくなってしまう。例えば、Snの場合は添加量が1.0原子%を超えると比抵抗値が8μΩcmを超えてしまう。また、比抵抗値の増加が比較的少ないCuでは、添加量が1.0原子%を超えると耐熱性が低下する。したがって、(Al、Mn、Cu、Ge、Sn)の添加量の上限は、1.0原子%が望ましい。
【0023】
また、Zrおよび/またはHfと(Al、Mn、Cu、Ge、Sn)の群から選ばれる元素を添加する場合の総和は1.5原子%以下とすることが望ましい。その理由は、この添加量を超えると低電気抵抗と高反射率、耐食性、耐熱性、密着性パタニング性を兼ね備えたAg合金膜が得にくくなるためである。
【0024】
さらに、低い電気抵抗と高い反射特性を有し、工業的に求められる低コストのAg合金膜を得るためには、Zrを0.1〜0.5原子%、(Mn、Cu、Ge)の群から選ばれる元素は合計で0.1〜0.7原子%、添加元素の総和が1.0原子%以下とすることがより望ましい。それは、(Al、Mn、Cu、Ge、Sn)の中では(Mn、Ge、Cu)が、Zrと組み合わせた場合、より少ない添加量で耐食性、密着性の改善が可能であるためである。その理由は明確ではないが、(Mn、Ge、Cu)はAgに対して固溶域が広い元素であり、Agと化合物を形成せず、かつZr、Hfとは化合物を形成する元素であることに起因していると考えられる。すなわち、(Mn、Ge、Cu)はAgとの固溶域が広くAgと混ざりやすいため、Agの性質を改善し、耐食性の改善に特に効果が高い。このため、少ない添加量で膜特性が改善できると考えられる。
【0025】
上記添加元素の中でHfは高価な元素である。また、Zrおよび/またはHf以外の添加元素として貴金属であるAu、Pd、Pt、Ruも好ましいが、これらも高価な元素である。また、PdやAuは添加した場合の耐食性の向上は著しいが、エッチング時にむらや残さが生じる場合がある。このため、Zrと組み合わせた場合、(Mn、Ge、Cu)が最適であり、Zrの添加量を0.1〜0.5原子%、(Mn、Ge、Cu)の群から選ばれる元素は合計で0.1〜0.7原子%、添加元素の総和を1.0原子%以下とさらに少なくすることにより、4μΩcm以下の低い電気抵抗と高い反射率、工業的に求められる低コストかつ耐食性、耐熱性、密着性、パタニング性を兼ね備えたAg合金膜を得ることができるのでより好ましい。
【0026】
また、本発明のAg合金膜は上述のように耐熱性、耐食性、密着性を有し、必要最少量の上記添加元素を含有させることで、Agが本来有する高い反射率も維持できる。また、同時に可視光範囲である光学波長400〜700nmの範囲の平均反射率が94%以上でかつ一定値を維持することが可能となり、反射型液晶ディスプレイ等の反射膜、反射電極膜として用いることも可能である。これらの反射膜用途においては、Ag合金膜を大気加熱する工程等があり、従来のAg合金膜では膜表面の白濁や部分的に腐食する等により、反射率の低下や可視光範囲の光学波長である400〜700nmの範囲において低波長側の反射率の低下により、黄色味がかった反射特性となることがあった。本発明のAg合金膜は上述のように耐熱性、耐食性、密着性を有し、均一かつ高い反射率を維持することが可能であるため、反射膜としても有用である。
【0027】
本発明のAg合金膜を形成する際に用いる基板として、ガラス基板、Siウェハーを用いることが好適である。これらの基板は平面表示装置を製造する上でプロセス安定性に優れるとともに、本発明のAg合金膜を形成する際に基板を加熱することで、室温で成膜する場合より低い電気抵抗と高い密着性を有するAg合金膜を得ることが可能となるためである。
【0028】
また、本発明のAg合金膜はスパッタリング等により形成した場合でも4μΩcm以下の低い比抵抗値を得ることが可能であるが、基板を加熱処理することでさらに低い比抵抗値の膜とすることが可能となる。このため、ガラス基板、Siウェハーを用いて加熱工程を有するポリシリコンTFTを形成するプロセスを用いる有機ELディスプレイや液晶ディスプレイ等の配線膜に好適である。また、高い反射率を要求される平面表示装置の反射膜としても好適である。
【0029】
また、本発明のAg合金膜を形成する場合、ターゲット材を用いたスパッタリング法が最適である。スパッタリング法ではターゲット材とほぼ同組成の膜が形成できるためであり、本発明のAg合金膜を安定に形成することが可能となる。このため本発明は、Ag合金膜と同じ組成を有するAg合金膜形成用スパッタリングターゲット材である。
【0030】
ターゲット材の製造方法については種々あるが、一般にターゲット材に要求される高純度、均一組織、高密度等を達成できるものであれば良い。例えば、真空溶解法により所定の組成に調整した溶湯を金属製の鋳型に鋳込み、さらにその後、鍛造、圧延等により板状に加工し、機械加工により所定の形状のターゲットに仕上げることで製造できる。また、さらに均一な組織を得るために粉末焼結法、またはスプレーフォーミング法(液滴堆積法)等の急冷凝固したインゴットを用いても良い。
【0031】
なお、本発明のAg合金膜形成用スパッタリングターゲット材は、上述したZr、Hfおよび(Al、Mn、Cu、Ge、Sn)から選択した元素以外の成分元素は実質的にAgとしているが、本発明の作用を損なわない範囲で、ガス成分である酸素、窒素、炭素やアルカリ金属、アルカリ土類元素、遷移金属、半金属を不可避的不純物として含んでもよい。
例えば、ガス成分の酸素、炭素、窒素は各々50ppm以下、Cr、Mo、Wは100ppm以下、Fe、Coは500ppm以下等であり、ガス成分を除いた純度として99.9%以上であることが望ましい。
【0032】
また、平面表示素子を製造する場合に用いる基板は、上述のようにガラス基板、Siウェハー等が好適であるが、スパッタリングで薄膜を形成できるものであればよく、例えば樹脂基板、金属基板、その他樹脂箔、金属箔等でもよい。
【0033】
本発明のAg合金膜は、安定した電気抵抗を得るために膜厚としては100〜300nmとすることが好ましい。膜厚が100nm未満であると、膜が薄いために電子の表面散乱影響で電気抵抗が上昇してしまうとともに、膜の表面形態が変化し易くなる。一方、膜厚が300nmを超えると、比抵抗値は低いが、膜応力によって膜が剥がれ易くなったり、膜を形成する際に時間が掛かり、生産性が低下するためである。
【0034】
【実施例】
Agに各種の添加元素を加えたAg合金膜の目標組成と実質的に同一となるように原料を配合し真空溶解炉にて溶解した後、鋳造することでAg合金インゴットを作製した。次に塑性加工により板状に加工した後、機械加工により直径100mm、厚さ5mmのスパッタリングターゲット材を作製した。そのターゲット材を用いてスパッタリング法により平滑なガラス基板またはSiウェハー上に膜厚200nmの純Ag膜およびAg合金膜を形成し、4探針法により比抵抗値を測定した。また、分光測色計(ミノルタ製CM−2002)を用いて可視光範囲である光学波長400〜700nmの範囲の分光反射率を測定し、その平均反射率を評価した。
【0035】
次に、表示装置等の電子部品としての所定の製造工程を経た後での膜特性の変化を評価するために、上記で作製した純Ag膜およびAg合金膜を以下の条件で評価した。
まず、耐熱性を評価するため、真空中で温度250℃、2時間の加熱処理をしたものと、大気中で温度250℃、1時間の加熱処理をした純Ag膜およびAg合金膜を作製し、それぞれの比抵抗値と平均反射率を評価した。さらに大気中で加熱処理した純Ag膜およびAg合金膜表面の変色状況を観察し、白点および白濁を生じていないものを良好と評価した。
次に、耐食性試験として、純AgおよびAg合金膜を温度85℃、湿度90%の環境に24時間放置した後の比抵抗値と平均反射率を評価した。
さらに、純Ag膜およびAg合金膜の密着性を評価するために、真空中で加熱処理を行った純Ag膜およびAg合金膜に2mm間隔で碁盤の目状に切れ目を入れた後、膜表面にテープを貼り、斜め45°に引き剥がした。その際に基板上に残った桝目を面積率で表わし、密着性として評価した。
【0036】
また、パタニング性の評価として真空中で加熱処理を行った純Ag膜およびAg合金膜に、東京応化製のOFPR−800レジストをスピンコートにより塗布し、フォトマスクを用いて紫外線でレジストを露光後、東京応化製の有機アルカリ現像液NMD−3で現像してレジストパターンを作製し、リン酸、硝酸、酢酸、水の混合液でエッチングを行い、金属膜パターンを形成した。その金属膜のパターンの剥れ、エッジの形状およびその周囲の残さ等について光学顕微鏡で観察し、膜剥れがなく残さがないものを良好と評価した。以上の測定および評価の結果を、表1および表2に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003994386
【0038】
【表2】
Figure 0003994386
【0039】
表1および表2から、純Ag膜(試料No.1)は、成膜時には3.0μΩcm以下の低い比抵抗値を有し、加熱処理を行うとさらに電気抵抗は低下する。しかし、耐食試験後は比抵抗値が増加する。また、成膜時の平均反射率は最も高いが、大気加熱を行うと大幅に低下し、膜表面が白濁してしまうことがわかる。さらに、その密着性が低く、膜剥れが生じてパタニング性が劣ることがわかる。また、従来提案されているAgにPd、Cu、Ruを添加したAg合金膜(試料No.2、3)では、本発明のAg合金膜と比較すると比抵抗値が高く、耐食試験後に比抵抗値が増大する。また、平均反射率も本発明のAg合金より低く、特に加熱処理後に平均反射率が低下するとともに、膜表面に白い円径の斑点である白点が生じるため、耐熱性に問題がある。さらに密着性が低く、エッチング時に残さが生じることがわかる。
さらに、AgにCuを添加したAg合金膜(試料No.4)では耐熱性が特に悪く大気加熱後に比抵抗値が増加し、大幅に平均反射率が低下するとともに、膜表面が白濁してしまう。また、Agに希土類元素であるNdを加えたAg合金膜(試料No.5)は比抵抗値が高く、大気加熱を行うと膜表面に白点が発生する。
【0040】
AgにZrを単独で添加したAg合金膜は(試料No.6)は、耐食試験後の比抵抗値が上昇するとともに、反射率が低下し、膜表面に白点が発生するなど、十分な耐食性が得られない。
一方、本発明のAgにZrおよび/またはHfと(Al、Mn、Cu、Ge、Sn)を複合添加したAg合金膜(試料No.8〜17)は、成膜時の比抵抗値が4.0μΩcm以下と低く、加熱処理後および耐食試験後でも低い比抵抗値を維持していることがわかる。さらに、94%以上の高い平均反射率を加熱処理後、耐食試験後も維持し、さらに、密着性も大幅に改善される上に、パタニング性に優れていることがわかる。
【0041】
そして、その改善効果は上記添加量の増加により向上し、各元素の効果が0.1原子%以上で明確となる。ただし、試料No.19〜21のAg合金膜から、Zrの添加量が0.7原子%超、(Al、Mn、Cu、Ge、Sn)の添加量が1.0原子%超、添加量の総和が1.5原子%を越えると4.0μΩcm以下の比抵抗値と94%以上の高い平均反射率が得られないことが分かる。また、(Al、Mn、Cu、Ge、Sn)の中ではCu、Mn、Geが他の元素より、添加した場合の密着性が高く、より少ない添加量で高い特性を得ることが可能なことがわかる。また、その際に、さらに低い比抵抗値と96%以上の高い平均反射率を得るためには、Zr、Hfの添加量を0.5原子%以下、Cu、Mn、Geを加えた添加量の総和を1.0原子%以下とすることが望ましいことがわかる。この範囲とすることにより、加熱処理をおこなうと3.0μΩcm以下の低い比抵抗値を安定に得ることができる。また、(試料No.18)のAg合金膜はSiウェハ−上に形成した膜であるが、ガラス基板上に成膜した場合と同等の膜特性が得られていることがわかる。
【0042】
また、それぞれ成膜ままの純Ag膜(試料No.1)、Ag−0.7原子%Pd−1.0原子%Cu膜(試料No.2)、Ag−0.5原子%Ru−0.8原子%Cu膜(試料No.3)、Ag−0.3原子%Zr−0.3原子%Cu膜(試料No.8)の可視光範囲である光学波長400〜700nmの分光反射率を図1に、大気中で加熱処理した分光反射率を図2に示す。
成膜ままでは純Ag膜は可視光範囲で高く、均一でフラットな反射特性を有している。しかし、上述のように耐食性、密着性等が低い問題がある。Ag合金膜の中では、本発明のAg−0.3原子%Zr−0.3原子%Cu膜は、他のAg合金膜よりも高反射でフラットな反射特性を有していることがわかる。加熱処理を行うと純Ag膜、Ag−0.7原子%Pd−1.0原子%Cu膜、Ag−0.5原子%Ru−0.8原子%Cu膜は分光反射率、特に低波長側での低下が大きく、黄色味がかった反射特性となってしまう。それに対して本発明のAg合金膜は加熱処理後も高くフラットは反射特性を維持することができていることがわかる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明であれば、低い電気抵抗と高い反射率を有し、耐熱性、耐食性、そして基板との密着性およびパタニング性を改善したAg合金膜を得ることが可能である。よって、高精細、高速応答が要求される平面表示装置、高い耐熱性が要求されるポリシリコンTFTを用いる有機ELディスプレイ等の配線膜や、高い反射率が要求される反射型液晶ディスプレイ等の反射膜に有用であり、産業上の利用価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のAg合金膜および純Ag膜、従来のAg合金膜の基板成膜時の可視光範囲の光学波長400〜700nmの分光反射率を示した図である。
【図2】本発明のAg合金膜および純Ag膜、従来のAg合金膜の加熱処理後の可視光範囲の光学波長400〜700nmの分光反射率を示した図である。

Claims (10)

  1. 添加元素として、Zrおよび/またはHfを合計で0.1〜0.7原子%、(Al、Mn、Cu、Ge)からなる群から選択される1種または2種以上の元素を合計で0.1〜1.0原子%含有し、かつ前記添加元素の総和が1.5原子%以下であり残部Agおよび不可避的不純物からなることを特徴とするAg合金膜。
  2. 添加元素として、Zrを0.1〜0.5原子%、(Mn、Ge、Cu)からなる群から選択される1種または2種以上の元素を合計で0.1〜0.7原子%含有し、かつ前記添加元素の総和が1.0原子%以下であり残部Agおよび不可避的不純物からなることを特徴とするAg合金膜。
  3. 平面表示装置用ポリシリコン薄膜トランジスタの配線膜であることを特徴とする請求項1または2に記載のAg合金膜。
  4. ガラス基板またはSiウェハー上に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載のAg合金膜。
  5. 有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ用の配線膜であることを特徴とする請求項1または2に記載のAg合金膜。
  6. 比抵抗値が4μΩcm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のAg合金膜。
  7. 平面表示装置用の反射膜であることを特徴とする請求項1または2に記載のAg合金膜。
  8. 請求項1乃至2のいずれかに記載のAg合金膜を有することを特徴とする平面表示装置。
  9. 添加元素として、Zrおよび/またはHfを合計で0.1〜0.7原子%、(Al、Mn、Cu、Ge)からなる群から選択される1種または2種以上の元素を合計で0.1〜1.0原子%含有し、かつ前記添加元素の総和が1.5原子%以下であり残部Agおよび不可避的不純物からなることを特徴とするAg合金膜形成用スパッタリングターゲット材。
  10. 添加元素として、Zrを0.1〜0.5原子%、(Mn、Ge、Cu)からなる群から選択される1種または2種以上の元素を合計で0.1〜0.7原子%含有し、かつ前記添加元素の総和が1.0原子%以下であり残部Agおよび不可避的不純物からなることを特徴とするAg合金膜形成用スパッタリングターゲット材。
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