JP3994060B2 - シート搬送装置およびインクジェット記録装置 - Google Patents

シート搬送装置およびインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート搬送装置およびインクジェット記録装置に関し、さらに詳しくは、画像形成領域に向け搬送されるシートの有無および送り量制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置の一つとして搬送されてくるシートに直接画像を記録する印字装置がある。
印字装置には、シートに対して画像情報に基づいてインク滴を吐出して画像を印字するインクジェット記録装置が知られている。
インクジェット記録装置では、インク滴を吐出するインクヘッドと、このインクヘッドとシートとが対面する画像形成領域である印字領域に向けてシートを給送するとともに印字領域からシートを排出する搬送経路を備えたシート搬送装置とを組み合わせる場合がある。
一方、インクヘッドを用いて画像を記録される対象となるシートは、給紙装置から繰り出されるが、搬送過程において反射型あるいは透過型の光学センサによりシートの有無を含む搬送状態やサイズを検知されるようになっている(例えば、特許文献1、2)
有無検知はシートの搬送不良を識別するための検知であり、シートサイズ検知はシートの後端に余白を設ける場合に必要となる検知である。
通常、インクジェットプリンタでは、インクヘッドにおける主走査方向への移動と副走査方向へのシート移動により画像が形成されるが、後端での余白を設ける場合には、シートサイズ検知により後端位置からの余白に相当する寸法を割り出し、その位置でのインクヘッドでのインク吐出を行わないようにしている。
【0003】
透過型あるいは反射型の光学センサをシートの搬送路に臨ませた場合には、紙粉などによる検知面の汚染によって検知精度が悪くなる場合もある。そこで、シートの搬送路中に揺動端を臨出させたフィーラとフィーラの揺動状態を検知可能な光学センサとを組み合わせ、フィーラとシートとの対向関係によるフィーラの揺動状態を光学センサにより検知する構成もある。
【0004】
後者のフィラーを用いた構成では、移動するシートによりフィラーの揺動端が押し動かされる位置に光学センサを配置し、揺動したフィラーにより光学センサの光路が遮断されることでセンサがオン状態となり、オフ状態に切り替わるまでの時間とシートの搬送速度とでシートサイズを検知できるようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−68527号公報(段落「0042」欄、図1)
【特許文献2】
特許第3042351号(段落「0026」欄、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
フィラーを用いた検知構造では、シートの搬送路中に臨出しているフィラーがシートに押し動かされて元の臨出位置から揺動し、シート後端がフィラーから外れるとフィラー自身は元の臨出位置に復帰することになるが、臨出位置に復帰する動作期間中は光学センサの光路を遮蔽した状態が継続されてしまう。このため、シート後端がフィラーから外れたにも関わらず、光学センサがオンした状態であることにより光学センサからのデータに基づき割り出されたシートの移動方向長さ(以下、便宜上、これをシートサイズという)と実際のシートサイズとが一致せずに誤検知を招くことがある。
【0007】
図6は、この現象を説明するための図であり、図6(A)がフィラーFの揺動端からシートSの後端が外れる瞬間を示し、図6(B)がフィラーFが初期位置へ復帰する過程を示している。尚図6において符号R1は、例えばシートSを吸着搬送するベルトBが掛け回されている駆動ローラを示し、符号R2は加圧コロを示している。
フィラーFは、シートSの後端から外れると、図6(B)において二点差線で示した位置から所期位置であるシート搬送路に臨出する位置(図6(B)において実線で示す状態)に復帰するが、完全に所期位置に復帰するまでの間(図6(B)中、符号Tで示す期間)は、図示しない光学センサの光路を遮断しているために光学センサはオン状態を維持する。このため、所期位置に復帰するまでの時間(図6(B)中、符号Tで示す時間)の間にシートSの後端が符号Lで示す量だけ移動しているにもかかわらず、その移動量(L)もシートサイズとして検知することになる。つまり、割り出されたシートサイズ(P)は、P=実際のシートサイズ+フィラーFの初期位置復帰に要した時間分の移動量(L)という結果として得られることになる。
【0008】
従って、実際のシートサイズとは整合しないサイズ割り出しが行われることになり、例えば、シート後端に余白を設けて画像を形成するような場合には、シート後端からの余白寸法の割り出しが不正確となり、誤った画像形成が得られてしまう。
【0009】
フィラーの復帰動作は、本来シートと当接していない場合に一定しているが、当接するシートの厚さに代表される曲げ剛性による反発力の影響を受けることで一様ではなくなる。つまり、フィラーの当接圧力に対して曲げ剛性の低いいわゆる、腰の弱いシートである場合にはフィラーが当接することによりシートが逃げた状態となり、これによってフィラーの揺動量が小さくなるので初期位置への復帰時間も短くなる。これに対して厚紙のような曲げ剛性が高く腰の強いシートである場合にはフィラーが受ける反発力も大きくなるのでフィラーの揺動量も大きくなり、所期位置への復帰時間も長くなる。従って、シートの機械的特性によってフィラーの復帰時間が異なることから、割り出されるシートサイズにおいても誤差が大きくなる虞がある。
【0010】
一方、フィラーの配置位置に向けてシートを搬送する搬送路の形態においては、上述したフィラーに対する反発力が異なる場合があり、これによってシートサイズ検知誤差が発生する場合がある。
シートは単一サイズのみでなく複数サイズを選択される場合があり、このため、給紙部には複数種類のサイズから選択されたシートが繰り出せるように、複数の給紙カセットが準備されている。この構成においては、各給紙カセットからフィラーが配置されている位置までの搬送路形態が異なる場合がある。
例えば、フィラーが配置されている位置の搬送路にガイド部材が設けてある場合や設けてない場合があり、設けてある場合にはフィラーが当接した場合にシートが逃げにくく、ガイド部材が設けてない場合にはフィラーが当接した場合にシートが逃げやすくなる。このことから、フィラーに対するシート側からの反発力が異なり、これによってフィラーの揺動量が異なることになるので、所期位置までの復帰時間の違いによりシートサイズ検知の精度が一様化しなくなる。
【0011】
さらに、搬送形態の違いとしては、シートの片面あるいは両面への画像形成モードが挙げられる。この場合には、片面の場合と両面の場合とで搬送形態を異ならせると、上述した場合と同様に、フィラーに対するシートの反発力の違いが生じ、これによるフィラーの復帰時間に違いが発生することになる。
【0012】
本発明の目的は、上記従来のシート搬送装置における問題に鑑み、センサからのデータにより割り出したシートサイズと実際のシートサイズとの間に誤差が生じないようにできる構成を備えたシート搬送装置および画像形成装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、給紙部から繰り出されて搬送される記録媒体の搬送路中に臨出してシートに衝突可能な位置を初期位置として設定されている揺動端を有していて、上記記録媒体に当接した際に該シートにより押し動かされることで初期位置から揺動し、該シートとの当接が解除された際に初期位置に向け復帰可能なフィラーと、上記フィラーの揺動位置によりオン・オフ状態が切り換えられる光学センサと、上記記録媒体の送り量を検知する送り量検出手段と、上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間および上記送り量検出手段からの記録媒体の送り量に基づき上記記録媒体の移動量を割り出す制御部とを備え、上記制御部には、上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間と上記送り量検出手段からの送り量とを関係づけたマップおよび上記記録媒体の種類に応じた、上記フィラーの初期位置復帰に要した時間が予め記憶されたメモリが備えられ、上記光学センサからのオン・オフ切り換えまでに要した時間に対して上記フィラーの初期位置復帰に要した時間を差し引いて上記記録媒体の移動量として割り出すことを特徴としている。
【0014】
請求項2記載の発明は、給紙部から繰り出されて搬送される記録媒体の搬送路中に臨出してシートに衝突可能な位置を初期位置として設定されている揺動端を有していて、上記記録媒体に当接した際に該シートにより押し動かされることで初期位置から揺動し、該シートとの当接が解除された際に初期位置に向け復帰可能なフィラーと、上記フィラーの揺動位置によりオン・オフ状態が切り換えられる光学センサと、上記記録媒体の送り量を検知する送り量検出手段と、上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間および上記送り量検出手段からの記録媒体の送り量に基づき上記記録媒体の移動量を割り出す制御部とを備え、上記制御部には、上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間と上記送り量検出手段からの送り量とを関係づけたマップおよび上記フィラー近傍に構成されている上記記録媒体用の搬送ガイドの有無に応じた上記フィラーの初期位置復帰に要した時間が予め記憶されたメモリが備えられ、上記光学センサからのオン・オフ切り換えまでに要した時間に対して上記フィラーの初期位置復帰に要した時間を差し引いて上記記録媒体の移動量として割り出すことを特徴としている。
【0015】
請求項3記載の発明は、給紙部から繰り出されて搬送される記録媒体の搬送路中に臨出してシートに衝突可能な位置を初期位置として設定されている揺動端を有していて、上記記録媒体に当接した際に該シートにより押し動かされることで初期位置から揺動し、該シートとの当接が解除された際に初期位置に向け復帰可能なフィラーと、上記フィラーの揺動位置によりオン・オフ状態が切り換えられる光学センサと、上記記録媒体の送り量を検知する送り量検出手段と、上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間および上記送り量検出手段からの記録媒体の送り量に基づき上記記録媒体の移動量を割り出す制御部とを備え、上記制御部には、上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間と上記送り量検出手段からの送り量とを関係づけたマップおよび上記フィラーに対面して当接可能な記録媒体の繰り出し形態に応じた上記フィラーの初期位置復帰に要した時間が予め記憶されたメモリが備えられ、上記光学センサからのオン・オフ切り換えまでに要した時間に対して上記フィラーの初期位置復帰に要した時間を差し引いて上記記録媒体の移動量として割り出すことを特徴としている。
【0016】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のシート搬送装置において、
上記制御部は、使用される記録媒体の種類あるいは記録媒体の繰り出し形態あるいは画像形成面のいずれかがオペレータにより選択されるのに応じて上記フィラーの初期位置復帰に要した時間を補正することを特徴としている。
【0017】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のシート搬送装置をインクジェット記録装置に用いることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るシート搬送装置を適用したインクジェット記録装置を示す図であり、同図に示すインクジェット記録装置100は、一般にコピーなどに用いられる普通紙の他に、OHPシートやカードあるいはハガキなどの厚紙や封筒などのいずれをもシート状の記録媒体として用いることが可能である。なお、以下の説明では、記録媒体としてシートを対象として説明する。
【0022】
図1において、インクジェット記録装置100は、筐体内で給紙部SPと排紙部EPとが垂直方向に設置され、給紙部SPから繰り出されたシートSが、図1中、一点鎖線で示すように、途中で垂直方向に方向変換されて反転されたうえで印字処理部PPに給送され、印字処理後に排紙部EPに向けてその移動方向のまま排出される構成が採用されている。
給紙部SPには、給紙トレイ10,給紙ローラ11およびこれに当接してシートSの一枚送りを行わせる分離パッド12および給紙トレイ10から繰り出されたシートの搬送方向をほぼ90度に変換する変換ガイド部材13が設けられ、さらに方向変換されたシートSの搬送路中には、印字処理部PPに向けてシートSをさらに90度方向変換して給紙トレイ10から繰り出されたシートSを反転させる反転変換ガイド部材14が設けられている。
【0023】
給紙部SPから繰り出されたシートSに対して印字処理を行う印字処理部PPには、インク吐出ノズルを備えたインクヘッド15と、これを搭載して印字処理時にインクヘッド15を紙面と直角な方向に往復動させるキャリッジ16とが備えられている。
【0024】
印字処理部PPには、シートSをインクヘッド14に対向させて印字に供するための構成が設けられており、その構成には搬送ベルト17が備えられている。搬送ベルト17は絶縁層を少なくとも表面に有する帯電部材で構成された無端状ベルトであり、インクヘッド15が位置する画像形成領域の両側に配置されている駆動ローラ18およびテンションローラ19に掛け回されている。
搬送ベルト17におけるインクヘッド15に対向する面は、裏側に配置されて平坦面を有するガイド部材20上を移動することで平坦部を形成した状態で展張されている
搬送ベルト17は、駆動ローラ18の回転方向で給紙部SPからのシートSの移動方向上流側に対向当接している帯電ローラ21により帯電されることにより、画像形成領域に移動してくるシートSを静電吸着しながら搬送することができるようになっている。
【0025】
インクヘッド15と対向する搬送ベルト17の平坦部を挟んで一方には、印字処理後のシートSを排紙部EPに向け排出する一対のローラ22A、22Bを備えた排紙装置22が、そして平坦部を挟んで他方には、画像形成処理部に向けてシートを繰り出す搬送ローラ23がそれぞれ配置されている。なお、図1において符号24は搬送ガイド部材を、そして符号25は加圧コロをそれぞれ示している。
【0026】
図1において変換ガイド部材13の近傍には、記録媒体の一つであるシートSの移動方向下流側にシートSに当接して揺動可能な揺動端が搬送路内に臨出するフィラー30が設けられている。
フィラー30は、揺動端がシートSの搬送路内に臨出してシートSに衝突可能な位置を初期位置として設定された揺動部材であり、シートSに当接した際に初期位置から揺動し、シートSとの当接が解除されると初期位置に復帰するようになっている。
【0027】
フィラー30には、これの揺動位置に応じて光路の透過および遮断が行われる光学センサ31(図2参照)が設けられており、光学センサ31からのオン・オフ信号を後述する制御部32に出力するようになっている。
【0028】
制御部32は、フィラー30の揺動位置に応じて出力される光学センサ31からのオン・オフ信号に基づいてシートSの有無を含む搬送形態およびサイズを検知する部材であり、その構成が図2に示されている。
図2において制御部32は、マイクロコンピュータにより主要部が構成され、図示しないI/Oインターフェースを介して入力側には光学センサ31,シートSの送り量を検出する送り量検出手段33および操作パネル34が接続され、出力側には表示部35およびインクヘッド駆動部36が接続されている。
制御部32の入力側に接続されている送り量検出手段33は、シートSの送り量(進行量)を検出するための部材であり、シートSの搬送駆動部材としてステッピングモータが用いられる場合にはステッピングモータのパルスカウンタが相当しており、また、搬送駆動部材以外の搬送部材を対象とする場合には搬送部材の回転量が検出可能なエンコーダと透過型センサとを組み合わせたカウンタが相当しており、さらにはこれ以外の部材として遮光・透光状態が切り替わる型式の光学センサを用いたカウンタなどが用いられる。操作パネル34は、画像形成対処となる記録媒体Sの厚さや材質などを含む種類、記録媒体Sの搬送形態および画像形成モードをそれぞれ入力できる部材であり、さらには、それら入力された情報および制御部32において割り出されたシートサイズを表示する表示部35が設けられている。
【0029】
制御部32には、図3に示すように、光学センサ31から得られるオン・オフ切り換えに要した時間と送り量(カウンタ値)とを関係づけたマップを記憶したメモリ32Aが設けられている。
制御部32では、光学センサ31から得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間と送り量とでシートの有無およびシートの移動量、つまりシートサイズを割り出すようになっているが、シートサイズを割り出すに際してシートの移動時間として検出された光学センサ31からのオン・オフ切り換えに要した時間に対してフィラー30の初期位置復帰に要した時間を差し引くことで、フィラー30が復帰する間で光学センサ31がオンされている時間をキャンセルするようになっている。
図3は、メモリ32Aに記憶されている光学センサ31から得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間と送り量(カウンタ値)とのマップを示しており、制御部32では、予めサンプリングにより得られているフィラー30の初期位置復帰に要した時間(Tf)を光学センサ31から得られたオン・オフ切り換えまでに要した時間から差し引いた時期のカウンタ値を選択し、このカウンタ値とフィラー30の初期位置復帰に要した時間を差し引いた時間とでシートの移動量、換言すればシートサイズを割り出すようになっている。
この原理は、図6において符号Lで示したフィラー30(図6では、符号Fで示す部材に相当)の初期位置復帰に要した時間分の移動量を光学センサ31からの信号に基づき割り出した移動量から差し引くことである。
このようにしてフィラー31の初期位置復帰に要した時間分の移動量をキャンセルした状態での光学センサ31でのオン信号出力時間とシートの送り量とで実際のシートSの移動量、つまりシートサイズが割り出せることになる。
【0030】
次に本発明の別の実施形態について説明する。
本実施形態は、シートSからフィラー30が受ける反撥力の違いによる揺動量の違いによってフィラー30の初期位置復帰に要した時間が変化するのを補正することを特徴としている。
図4は、本実施形態の原理を説明するための模式図であり、同図において、シートSは、厚さなどによる曲げ剛性が起因する腰の強さやフィラー30が位置する搬送路でのガイド部材の有無などの搬送形態さらにはフィラー30に対面する際の搬送路の形態によってフィラー30が当接した場合の挙動が異なる。
つまり、腰の弱いシートやガイド部材などの裏当て部材に相当する部材がない場合にはフィラー30に当接した際にシート(便宜上、図4において符号S1で示す)がフィラー30から逃げやすくなり、これによりシートS1側からフィラー30に対する反撥力が弱くなる。この結果、シートSと連れ動いて揺動するフィラー30の揺動量(図4中、符号θT1で示す量)は、基準とする揺動量(図4中、符号θT0で示す量)よりも少なくなる(図4中、符号30Aで示す状態)。この場合の基準とする揺動量(θT0)とは、例えば、薄紙や厚紙の中間の厚さの紙等のシートで一般に最も需要が多いなどの条件で選択されたシートを用いた場合のフィラー30の揺動量に相当している。
【0031】
一方、腰の強いシートやガイド部材が設けてあるような場合には、上述した場合とは逆にフィラー(便宜押、図4において符号30Bで示す)にシートが当接するとシート側からフィラー30Bに作用する反撥力が大きくなるので、シートに連れ動くフィラー30Bの揺動量は、図4中、符号θT2で示すように基準とする揺動量(θT0)よりも大きくなる。
【0032】
このようなフィラーの揺動量の違いに応じて初期位置復帰に要した時間を搬送形態などに関係なく一定条件とするには、実際に得られた揺動量、換言すれば、初期位置復帰に要した時間を基準とする揺動量に対応する初期位置復帰時間に見合うように補正すればよい。
【0033】
本実施形態では、揺動量が異なる条件をオペレータが操作部34(図2参照)において入力することにより制御部32において補正処理が実行される。
図5は、補正係数を示すマップであり、補正条件を選択するための入力情報は次の項目である。
(1)シートの種類
(2)給紙カセットの選択
(3)画像形成形態、つまり片面あるいは両面の画像形成モード
である。
(1)に挙げたシートの種類とは、シートの厚さや材質が相当しており、(2)に挙げた給紙カセットの選択とはフィラー30に対面するまでの搬送路形態が相当している。この搬送路形態は、給紙カセットの設置位置が異なることで繰り出されたシートの形態が異なり、この形態によるフィラー30に対するシートの反撥力が異なることが前提である。(3)に挙げた画像形成形態とは、片面への画像形成あるいは両面への画像形成の各モードにより異なる搬送路形態が選択されるため、その搬送路形態により(2)に挙げた場合と同様に、フィラー30に対するシートの反撥力が異なることが前提である。なお、搬送路形態の違いとしては、給紙カセットからの給送のみでなく、給紙カセット以外の手差し部からの搬送形態も含まれる。
【0034】
本実施形態では、上述した補正条件に基づき、図5に示すマップから補正係数を割り出し、フィラー30の初期位置復帰に要する時間を補正する。
【0035】
本実施形態においては、シートの種類や搬送形態あるいは画像形成モードの違いによりフィラー30の揺動量が異なり、初期位置復帰に要する時間が異なっている場合でも、それら各条件に応じて初期位置復帰に要する時間を補正することになるので、フィラー30がシート後端から外れる時期、換言すれば、実際に給送されているシートを対象としたフィラー30の初期位置復帰に要する時間を割り出すことができる。これにより、シート後端がフィラー30から外れた時期に基づいてシートの送り量を基準としたシートサイズを割り出せるので、シート後端側に余白を設けるような場合には、その余白に対応させてインクヘッドの駆動停止を行うように、制御部32からインクヘッド駆動部35に対して制御信号が出力される。
【0036】
以上のような各実施形態によれば、フィラー30が初期位置復帰に要する時間、換言すれば、実際のシートサイズに相当しない部分である移動量をキャンセルすることができるので、シート後端がフィラー30から外れた時期を正確に割り出すことができ、その時期に基づいてシートの送り量を基準としたシートサイズを正確に割り出すことができることになる。
【0037】
【発明の効果】
請求項1乃至記載の発明によれば、フィラーの初期位置復帰に要した時間が、記録媒体の種類や記録媒体の繰り出し形態あるいは画像形成面の選択による搬送路の選択形態に応じて補正されるので、記録媒体からフィラーが受ける反撥力の違いによる揺動量の違いがあっても、予め登録されている復帰時間の場合と同等な復帰条件に見合う復帰時間に修正して用いることができる。これにより、フィラーの揺動量が異なっている場合でも、記録媒体後端からフィラーが実際に外れる時期を正確に割り出すことが可能となる。
【0038】
請求項記載の発明によれば、記録媒体への画像形成形態、例えば、記録媒体後端側に余白を設けるような場合には、記録媒体後端からフィラーが外れる時期を記録媒体からの反撥力の違いに関係なく正確に割り出すことができるので、所望する画像形成形態を正確に設定することが可能となる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るシート搬送装置が適用される画像形成装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態に係るシート搬送装置に用いられる制御部の構成を説明するためのブロック図である。
【図3】図2に示した制御部に設けられているメモリの内容を説明するための図である。
【図4】本実施形態に係るシート搬送装置の作動原理を説明するための模式図である。
【図5】図2に示した制御部において実施される補正処理に用いられる補正係数を説明するための図である。
【図6】フィラーを用いたシート有無検知およびシートサイズ検知機構の作用を説明するための図であり、(A)はフィラーからシート後端が外れる瞬間を、(B)はフィラーが初期位置に復帰する状態をそれぞれ示している。
【符号の説明】
SP 給紙部
PP 印字処理部
EP 排紙部
100 インクジェット記録装置
10 給紙トレイ
13 変換ガイド部材
14 反転変換ガイド部材
15 インクヘッド
17 搬送ベルト
18 駆動ローラ
19 テンションローラ
20 ガイド部材
20A ガイド面
22 排紙ローラ
23 搬送ローラ
30 フィラー
31 光学センサ
32 制御部
33 送り量検出手段
34 操作パネル
35 表示部
36 インクヘッド駆動部
S シート
θT0、θT1、θT2 揺動量

Claims (5)

  1. 給紙部から繰り出されて搬送される記録媒体の搬送路中に臨出してシートに衝突可能な位置を初期位置として設定されている揺動端を有していて、上記記録媒体に当接した際に該シートにより押し動かされることで初期位置から揺動し、該シートとの当接が解除された際に初期位置に向け復帰可能なフィラーと、
    上記フィラーの揺動位置によりオン・オフ状態が切り換えられる光学センサと、
    上記記録媒体の送り量を検知する送り量検出手段と、
    上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間および上記送り量検出手段からの記録媒体の送り量に基づき上記記録媒体の移動量を割り出す制御部とを備え、
    上記制御部には、上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間と上記送り量検出手段からの送り量とを関係づけたマップおよび上記記録媒体の種類に応じた、上記フィラーの初期位置復帰に要した時間が予め記憶されたメモリが備えられ、上記光学センサからのオン・オフ切り換えまでに要した時間に対して上記フィラーの初期位置復帰に要した時間を差し引いて上記記録媒体の移動量として割り出すことを特徴とするシート搬送装置。
  2. 給紙部から繰り出されて搬送される記録媒体の搬送路中に臨出してシートに衝突可能な位置を初期位置として設定されている揺動端を有していて、上記記録媒体に当接した際に該シートにより押し動かされることで初期位置から揺動し、該シートとの当接が解除された際に初期位置に向け復帰可能なフィラーと、
    上記フィラーの揺動位置によりオン・オフ状態が切り換えられる光学センサと、
    上記記録媒体の送り量を検知する送り量検出手段と、
    上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間および上記送り量検出手段からの記録媒体の送り量に基づき上記記録媒体の移動量を割り出す制御部とを備え、
    上記制御部には、上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間と上記送り量検出手段からの送り量とを関係づけたマップおよび上記フィラー近傍に構成されている上記記録媒体用の搬送ガイドの有無に応じた上記フィラーの初期位置復帰に要した時間が予め記憶されたメモリが備えられ、上記光学センサからのオン・オフ切り換えまでに要した時間に対して上記フィラーの初期位置復帰に要した時間を差し引いて上記記録媒体の移動量として割り出すことを特徴とするシート搬送装置。
  3. 給紙部から繰り出されて搬送される記録媒体の搬送路中に臨出してシートに衝突可能な位置を初期位置として設定されている揺動端を有していて、上記記録媒体に当接した際に該シートにより押し動かされることで初期位置から揺動し、該シートとの当接が解除された際に初期位置に向け復帰可能なフィラーと、
    上記フィラーの揺動位置によりオン・オフ状態が切り換えられる光学センサと、
    上記記録媒体の送り量を検知する送り量検出手段と、
    上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間および上記送り量検出手段からの記録媒体の送り量に基づき上記記録媒体の移動量を割り出す制御部とを備え、
    上記制御部には、上記光学センサから得られるオン・オフ切り換えまでに要した時間と上記送り量検出手段からの送り量とを関係づけたマップおよび上記フィラーに対面して当接可能な記録媒体の繰り出し形態に応じた上記フィラーの初期位置復帰に要した時間が予め記憶されたメモリが備えられ、上記光学センサからのオン・オフ切り換えまでに要した時間に対して上記フィラーの初期位置復帰に要した時間を差し引いて上記記録媒体の移動量として割り出すことを特徴とするシート搬送装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のシート搬送装置において、
    上記制御部は、使用される記録媒体の種類あるいは記録媒体の繰り出し形態あるいは画像形成面のいずれかがオペレータにより選択されるのに応じて上記フィラーの初期位置復帰に要した時間を補正することを特徴とするシート搬送装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のシート搬送装置を用いることを特徴とするインクジェット記録装置
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