JP3993640B2 - 適応前歪み付与方式 - Google Patents
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Description
本発明は広くはデータ通信技術に関し、特には本発明はデータ通信において信号が送信機から受信機へ送信される前に信号を適応的に予め歪ませる前歪み付与技術に関する。
発明の背景
デジタル通信方式はデータを遠隔の送受信箇所の間で送受信するのに広く使用されている。データ通信系の中心的な属性は伝送中のデータの信頼性と保全性である。理想的には送信箇所から送信されているデータが受信箇所で受信されているデータと完全に一致することである。しかし実際には受信箇所で受信されたデータはしばしば送信箇所から送信された原データの汚染されたものである。このようなデータ通信エラー(誤り)は部分的に送信機、伝送媒体、及び受信機の1つ以上に原因がある。通信媒体に関しては、これらのデータエラーの形式は通常特定の伝送媒体に関連した理想的な条件からのずれに起因する。
例えば、無線通信系では、伝送媒体は典型的には空気であり、しばしば伝送されるデータを劣化する傾向のある大気その他の影響を受ける。これらの非理想的な条件のあるものは、補正のため及びそれから生じる有害な影響を減じ或いは消去するようにモデル化され或いは配慮されている。この点に関して、一般に信号の減衰量はデータ信号が大気中を伝達しなければならない距離の関数であることが知られている。従って、公知の距離に依存した大気中の減衰にも拘わらず、受信箇所でのデータ信号が適正且つ正確に受信できるように充分に強固なデータ信号を伝送できる無線通信系を設計することが可能である。空気又は大気伝送媒体に関連した他の型の非理想的な属性には、事前にモデル化できないために補正又は消去ができない高度にランダムな事象がある。
相互結合ワイヤによるデータ伝送にも又、数種のノイズと減衰現象の問題がある。例えばワイヤは周波数依存性の減衰特性を有する。さらに、ワイヤは熱ノイズその他のノイズの影響を受ける。
これらの問題点を解決するために、データ通信系はしばしばエラー検出とエラー補正によりデータエラーの発生の検出と補正をそれぞれ行っている。エラー検出の一つの簡単な形態は、データの各ブロックが奇数ビット又は偶数ビットを有するかどうかを示すパリティーを使用することである。しかし、この方法はあまりにも単純すぎて多数の欠点を有する。この方法は各ブロックにおけるわずかに1ビットまでのエラーしか正確に検出できない方法である。また、パリティービットはデータブロック中の2ビットのエラーの発生すらも検出できない。なぜならこれはパリティー違反として検出できないからである。さらに、パリティービットの使用はエラーを検出できるが補正はできない。受信箇所はエラーが検出される毎に送信箇所からその特定ブロックの再送信を要求するのが通例である。
データ通信に広く使用されている1つのエラー補正法は、冗長データの送信と受信箇所における多数決回路の使用である。この方式では送信されるデータは例えば5回といった複数回数反復される。受信箇所では全ての5つのデータブロックが受信され、そして各ビットに対する5つのコピーを多数決回路で比較し、多数決に基づいて当該ビットが1であるか0であるかを決定する。この方式はデータのエラーを検出し且つ補正できるが、効果的なデータ伝送量又は伝送速度の面で費用がかさむ。これは各データブロックを複数回送信しなければならないからである。
他の補正法は格子(トレリス)コード変調法(TCM)である。格子コード変調法は送信機で先行エラー補正を行い、受信機で対応した復調を行うことにより、伝送中に起きるデータエラーを補正する。送信機により送られた信号は現在の信号が前の信号に依存するようなある形の記憶又は履歴を含んでいる。これは現在と前の信号に基づいて次の可能な信号に対する選択枝を制限することにより達成される。このようにして、前に受信した信号の列を知ることにより、受信機は現在受信した信号の真正性を決定する際の助けとする。受信機では受信信号の逐次情報を使用して次の最も可能性の高い信号を送信されたものとして選択する。送信機と受信機とは、以前の信号に基づいて次の信号に対する予め定められた限定された選択枝を知る。このようにして、信号が伝送中に汚染されても、受信機はなお正しいとされた信号を同定することができる。TCM法の一つは米国特許第4980897号に記載されているので詳細はそちらを参照されたい。
上記の検出補正法は二進ブロックコードの例である。特に(n、k、d)二進ブロックコードは、ブロック長nで最小距離d(コード距離)の2k二進コード語の組である。伝送されるデータは長さkの二進ブロックに分割され、各ブロックは長さnのコード語にマップ化され、次いで変調され、チャンネルを通して伝送される。このブロックコードは各コード語内のt=(d−1)/2個のエラーを補正することができる。
異なった型のデータ伝送形式は異なった型の減衰と歪みを生じる。周波数シフトキー(FSK)法又は振幅シフトキー(ASK)法のような狭帯域伝送形式は周波数依存性の減衰からある程度免れるので、歪みが殆ど又は全く生じない。しかし、狭帯域信号の全体の帯域は減衰ヌルに落ち、ひどく減衰することがある。拡散スペクトルのような広帯域伝送形式では狭帯域減衰ヌルにより引き起こされる信号劣化に対して余り敏感でない。しかし、拡散スペクトル信号に関連した広帯域のために拡散信号は周波数依存性の減衰のために一層大きい歪みを受ける。従って、従来の狭帯域信号形式は減衰を受けやすく、一方従来の広帯域信号方式は歪みを受けやすい。
信号増強方法の他の型には、受信信号の適当な濾波により、送信機、伝送媒体及び/又は受信機により導入された減衰、又は遅延、又は両者の周波数依存性の差によるエラーを補正する。このようにして、ビットエラーを生じる記号間干渉のような悪影響は消去され、受信信号はその元のレベル及び品質を有するように修復される。この方法は一般に等化と呼ばれている。
大抵の実用的な場合では、チャンネル特性は未知であり、時間と共に変動する。従って、等化器は切り替え回路網において動作する音声帯域モデムと同様に各新たなチャンネル接続毎に更新される必要があり、また、等化器はフィルター設定をチャンネルにおける時間的な変動を自動的に追跡するように適合させることが必要である。等化器には2種類がある。プリセット等化器では、データビットの引き続く列が伝送され、受信機において局部発生された列と比較される。得られたエラー電圧は等化器のフィルタタップ利得を最適設定(最小歪みとなるような値)に調整するために使用される。適応等化器では、タップ利得調整は等化器出力エラーの決定指示フィードバックを介して伝送されたデータから直接得られる。
送信機から歪みのある通信チャンネルを介して受信機に繰り返し伝送される引き続く列を使用するプリセット等化器の一つの形態では、一組のパラメータが、歪みのある通信チャンネルの効果をエミュレート(模倣)するために確立され使用される。このような方式は米国特許第5285474号に記載されているので詳細はそちらを参照されたい。同特許に記載の方法は所定の収斂条件が満たされるまで反復される反復方法である。収斂は等化された受信信号を(推定されたパラメータを用いて)前記引き続く列の(受信機の場所での)局所レプリカと比較することにより決定される。
等化法に代わるものは前歪み付与法(predistortion)である。送信機及び/又は伝送チャンネルの歪み特性が測定され、反対方向の補正歪みが送信機に入るデータに導入され、その結果受信機における正味の効果は、正味の回路網歪みのない信号を得る結果となり、それにより自然発生歪みにより導入されるメッセージエラーが消去される。
無線方式におけるようなデジタル通信方式では、信号劣化又は非線形歪みの主な源は、送信機に使用される高電力増幅器(HPA)である。大抵の高電力増幅器は一般に直線動作領域(低出力域)と、それに続く非線形領域(高出力域)を有する。大抵の通信方式では、伝送媒体に関連した損失と減衰を補正するために、送信機は高電力で動作される。しかし、高電力増幅器に関連した大きい非線形性が導入される。高電力での非線形性を除去するための一つの方法はさらに高電力を有する増幅器を使用することである。しかし、これはより複雑で高価な回路設計を要する結果となる。さらに、高電力増幅器は電力消費が大きく、より多くの熱と無線周波干渉(FRI)を生じ、又より大きい回路板スペースを必要とする。増幅器の非線形動作領域を使用するため、並びに高電力増幅器を使用する必要性を回避するためには、ある型の前歪み法を使用して増幅器により導入される非線形効果を補正する。そのような方法の一つはGeorges Karam and Hikmet Sari "A Data Predistortion Technique with Memory for QAM Radio Systems”, IEEE Transactions on Communications, Vol.39, No.2, February 1991に記載されているので詳しくはそちらを参照されたい。
上記Karam及びSariの論文には、非線形出力増幅器へ入力される各直交振幅変調(QAM)されたデータ記号の位置の同相(in-phase)成分及び直交(quadrature)成分を予め歪ませ、非線形性による配列(constellation)の歪みを補正し、又各理想的な配列点において送信機内の各伝送される記号の濾波に起因する記号間干渉により引き起こされる分散クラスタへの、送信される記号の拡散を補正する。濾波は、各記号の見かけの配列座標を、先行する及び後続する記号の値により若干変化させる。各パルスの入力振幅はこれにより変動するので、任意に記号点におけるパルスの非線形歪みの量も又先行する及び後続する記号の値により変動する。もしもM点配列における各記号がL個の先行する記号及びL個の後続する記号により影響されると考えるならば(つまりそれ自身を含めて2L+1個)、各配列点はMk-1個の異なった前歪み付与値(predistorted values)を有する。これらの値に対する所要の前歪みを記憶するためにメモリーを用意しなければならない。このメモリーの大きさは大きい配列に対しては実施不能な大きさになる。上記Karam及びSariの論文は、直交対称と、理想記号点の群分けとを使用して全体のメモリー必要量を減じる技術を推奨している。同文献には充分な前歪み処理利得が256−QAM(及びおそらくはさらに高い)変調を適当なメモリー必要量で達成できることを示している。
上記Karam及びSariの技術は、AM−AM(振幅入力歪みは振幅出力歪みを生じる)、AM−PM(振幅入力歪みは位相出力歪みを生じる)変換を含む送信機の非線形性を補正するが、伝送チャンネル及び受信機において生じる多くの型の歪み(これらの多くは時間的に変動し、又これらの全ては出力記号エラー率に影響を有し得る)は何ら補正しない。これらの歪みにはオフセットバイアス、同相/直交利得不一致、ロック角度エラー、カッド(quad)角度エラー、非線形歪み、位相ノイズ、多重通路、干渉、及びクロストーク等がある。
上記Karam及びSariの技術には2つの限界がある。先ず、同技術は高電力増幅器(HPA)の非線形利得及び位相特性が不変であり、その結果それらは最初に測定でき且つモデル化でき、次いで、測定された尺度係数が入力データに近似的に前歪みを加えることができると仮定している。実際には高電力増幅器の非線形性は部品の経時変化、電圧変化、及び温度その他の環境変数の影響のため、時間と共に変動する。従って、高電力増幅器の非線形パラメータを定期的にチェックし再較正する必要がある。これは発信側の送信機では可能であるが、遠隔の中継器や衛星トランスポンダーでは不可能ではないにしても遥かに困難である。
Karam及びSari氏の技術の他の限界は、高電力増幅器の入力点で、データストリームに存在する記号の同相振幅及び直交振幅を知る必要があることである。この情報は発信側の送信機では容易に得ることができるが、中間の中継器やトランスポンダーでは容易にはできない。従って、信号は先ず参照され、そして記号の同相振幅及び直交振幅は前歪み器のメモリーへの入力のために測定されなければならない。前歪みを有する信号は次に高電力増幅器への入力のために再変調される。これらの工程は(特に衛星トランスポンダーにおいて)装置寸法、重量、電力、及びコストを増すという重大な問題点を生じることになる。
発明の概要
本発明は信号が送信される前に適応的に歪みを付与する改良された方法及び装置を提供する。本発明の適応歪み付与方式は単純な構成で且つ低コストで実現されるので、特に受信機の複雑さと価格をできるだけ抑えなければならないような状況で価値がある。この適応歪み付与方式は電圧オフセット(バイアス)、利得不一致、ロック(lock)角度エラー及びカッド(quad)角度エラー、及びチャンネル(伝送路)並びに受信機の非線形性を補正する。多重通路及び周波数分散チャンネル効果は、受信機に続く適応等化器を使用することにより補正できる。ある場合には、干渉及びクロストークは送信機をこれらの現象が最小になるような搬送周波数に同調させることにより最小にできる。
本発明によると、受信機は、信号の振幅−位相配列(constellation)中の各受信した記号クラスター中のデータサンプル値に関するある種の統計値を収集する。これらの統計値は次に低いデータ速度の逆方向制御チャンネルを介して、送信機に送られ、そこで制御パラメータと記号前歪み値が計算される。前歪み付与により制御可能な歪み現象は、送信機のメモリーを基本とする前歪み付与器に続く適用前歪み付与器において補正される。受信機において最も容易に補正される現象に対しては、送信機において(受信機側のコストを低下させる)データプロセッサを使用して計算された制御パラメータは、低データ速度順方向制御チャンネルを介して受信機に送られる。別法として、受信機に蓄積された統計情報に関する計算は受信機自体において行われても良い。
情報はビットによりデジタル表現される(2進系では0と1)。ビットが与えられた帯域幅Wのチャンネルを経由して伝送できる速度Rはシャノンのチャンネル容量定理により制限される。一個の記号(1個の波形)あたりk個の情報ビットを送信するために多重信号位相と多重振幅とを使用することにより、帯域効率R/Wはk=log2M(Mは特定の座標における個別記号の数)に比例する。各々がビットの固有の列を表している複数の固有の記号の二次元配列(constellation)は、2つの直交位相(同相及び直交で表される)を有する波形が各座標におけるM個の可能な振幅の一つに割り当てられる直交振幅変調(QAM)により形成できる。Mは通常2の累乗として取られ、各座標における記号の振幅は通常等間隔であり且つ原点の周りに対称である。もしもMが2の偶数乗ならば、平方QAM配列が得られる。もしもMが2の奇数乗であって何個かの隅部の記号位置が消去されるなら、いわゆる交差QAMが得られる。直交部分応答(QPR)コード化に対しては、Mは2の累乗ではなくて、奇数の整数である。無搬送AM/PM(CAP)で使用される配列は上で述べた変調法の配列に似ているが、搬送波の変調の無い基本帯域で形成される。本発明はこうした全ての型の信号に適用できる。行わずかな修正を施せば、本発明はまた円形位相シフトキー付き配列、及び非方形グリッド上に配列した記号を有する他の配列にも応用でき、また、これらの配列形式への応用も本発明の範囲にはいる。
復調器はどの記号が伝送されたかの決定を行うに使用される。これは、配列領域を、近接した理想記号箇所の間に等間隔で位置している境界を有するセルに分割することにより行われる。次いで受信機は、セル境界を有する受信した記号の座標を比較することにより、受信した記号を識別する。受信機は次いで識別された記号をその記号に関連した対応するビット列に翻訳する。雑音、記号間干渉(ISI)、及び多重経路は受信される記号の位置を汚染して、送信された記号の理想座標を中心とする分散したクラスターにするであろう。バイアス、利得不一致、ロック及びカッド角度エラー、及び非線形効果等の他の有害な影響も、受信した記号クラスターの中心を予想可能な形態でそれらの理想的位置からシフトさせる。もしも受信した記号が、これらのいずれかの作用で、その理想的位置からシフト方向の最近接セル境界までの距離よりも大きくシフトされると、受信機は記号が正しいセル以外のところにあることを決定する。記号は誤認され、送信されたビットは不正確に復号されるであろう。本発明は、受信した記号を受信機の決定境界に対して相対シフトする可能性のある配列の歪みが最小にされ、それにより復号されたビットエラー率(BER)が最小にされることを保証することを目的とする。
受信信号の分析は、配列分析(以下に詳しく説明する)を用いて実施される。配列分析は、受信機で測定される受信信号に関する統計データに基づいて行われる。送信機又は受信機で行うことができる配列分析は受信信号の歪み特性を出力する。この情報は次に送信機に供給され、送信機は信号が送信される前に信号を補正する。信号が受信機に受け取られるまでは信号は回収できないので、受信機ではなくて送信機で信号の補正を行う方が有利である。計算は送信機又は受信機のいずれで行っても良いが、受信機のコストを下げることが重要な場合には送信機で配列分析のための統計データを処理した方がよい。しかし、受信機の調整ミスによる歪みは再調整指令を受信機に送ってこれらの歪みを起こす受信機パラメータを補正する。
本発明は次の図面の説明及び好ましい実施例の説明でさらに明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
図1は本発明の前歪み付与システムのブロック図である。
図2a、2b、2cは各種の変調法を例示するグラフである。
図3aは正ロック角度エラーの効果を例示する図である。
図3bは負ロック角度エラーの効果を例示する図である。
図4aは正カッド角度エラーの効果を例示する図である。
図4bは負カッド角度エラーの効果を例示する図である。
図5は組合せたロック角度エラー、カッド角度エラー及び利得不一致の効果を例示する図である。
図6は本発明の前歪み付与システムの他の実施例のブロック図を表し、各送信された記号の配列におけるか位置を個別に修正する代わりに、少数の送信パラメータを調整することにより信号に総体的に前歪み付与する。
図7は配列を各々が個別に準線形的に前歪み付与される一組の単純な4−QAM副配列に分解する技術を例示する。
好ましい実施例の説明
図1を参照するに、そこには本発明の前歪み付与システムのブロック図が記載されている。記号源すなわち変調器12は送信すべきデータを供給する。このデータはQAM(直交振幅変調)又は上記の他のフォーマットでも良い。変調された記号ストリームは先ずメモリーを有する前歪み付与器14に入力され、先に引用したKaram及びSariの教示に従って処理される。前歪み付与器14から出たデータ出力は次に適応前歪み付与器16に入力され、その出力は電力増幅器18に入力される。メモリーを有する前歪み付加器14は電力増幅器が非線形モードで動作される場合に一般に使用されるもので、その場合には電力増幅器18の非線形効果を補正するように動作する。非線形電力増幅器18の場合には、記号の試験列(シーケンス)がスイッチ20により適応前歪み付与器16をバイパスして電力増幅器18に直接送られる。試験列は電力増幅器の利得が温度又は電圧変動により変動する速度に見合った速度で再送されなければならない。試験列は時折データ流を中断するような連続した記号ストリームとして、又は好ましくは、各データフレームを伴う付加ビットの部分である選択された記号として送信される。試験列が利用される頻度は特定の動作環境に依存する。これらの記号は電力増幅器から抽出され、それらの記号配列の原点からの規格化距離が測定され、次いでこれらの測定値は前歪み付与器のメモリーにおける記号位置マッピングを調整するために使用される。別法として、適応前歪み付与器16が使用されて電力増幅器の非線形動作を補正する。
電力増幅器18から、信号が順方向伝送チャンネル22を経由して受信機24に送られる。受信機24において、記号クラスターの位置、大きさ、及び形状の統計値が周期的に測定され、逆方向制御チャンネル26を経て送信機のパラメータプロセッサ28に送られる。統計値は受信機24において測定される。なぜなら、狭帯域の逆方向制御チャンネルを介して統計分析に使用される全ての記号に関する生の同相(I)及び直交(Q)測定値を伝送すると、それらはチャンネルの容量を大きく超えてしまうからである。一般に、逆方向制御チャンネルの歪みは順方向のそれよりも充分に小さく、統計情報の伝送に影響しない。プロセッサ28は順方向チャンネルと受信機で生じる配列歪みのパラメータを計算する。これらのパラメータは、適応前歪み付与器16において、伝送された記号のI−Q座標を調節して受け取った歪みを最小にするために使用される。受信機中の電圧バイアスのため、或いは受信機中の利得不一致(I座標及びQ座標の不均等スケールを生じる)のために、直線的な配列オフセット等の或る型の歪みに対しては、補正電圧の値が順方向伝送の際に付加ビットの形で受信器24に送られて、これらの配列オフセット及び利得不一致を減じる。最後に、適応等化器30が順方向伝送チャンネル22を経由する多重路伝播及び周波数依存性(分散性)現象(例えばレーリー減衰)の影響を緩和する。補正された記号データは復調器32に行き、そこで情報ビットストリームが抽出される。
次に図2a、2b、2cを参照する。これらの図は16−QAM(直交振幅変調)、32−混合QAM、及び25−QPR(直交部分応答)記号配列の構成を例示している。QAM及ぶQPRの配列に対しては、状態は左下隅から始まってx、y方向にi=1、2、...およびj=1、2、...と番号付けしてある。しかし、原点中心座標系では、配列点(i,j)は理想的には座標点
に配置されるであろう。ここに、
であり、Mは各座標における記号の数である。例えば図2aの16−QAM配列にあっては、M−4であり、i−1,...,4であり、
−1/2、1/2、及び3/2である。表記を簡単にするために
d=(M+1)/2 (2)
とおく。
システムの各種汚染により、観測される測定値の実際の中心は配列プロットの理想的な位置に正確には来ない。しかし、クラスター中心は次式にようにiとjにおける一対の対合した非線形多項式に適合することができるものと仮定する。
ここに、
はクラスタ(i,j)の中心に対する推定モデル座標である。AxとAyはそれぞれx方向とy方向の配列のオフセットを表す定数であり、Bxx、Byyはそれぞれ線形利得又は列及び行の間隔である(すなわち、x、y方向の一次変化)。Bxyは行の関数としての列位置における単位上昇当たりの水平直線移行すなわち水平スキューである(すなわち、その点のy座標の値の関数としてのx方向の一次変化)。Byxは列の関数としての行位置における単位移行当たりの垂直直線上昇すなわち垂直スキュウである(すなわち、その点でのx座標の値の関数としてのy方向の一次変化)。Cxx、Cyy、Dxx、Dyyは対応した非線形利得、または列及び行の間隔の変動である。具体的に言うと、Cxxはx方向の二次変化、Cyyはy方向の二次変化、、Dxxはx方向の三次変化、Dyyはy方向の三次変化である。同様にCxy、Cyx、Dxy、Dyxは列位置及び行位置の対応した非線形(二次及び三次)スキューである。理想的な無歪みの場合、Bxx=Byy=1であり、そして全ての他のモデルパラメータはゼロである。
を求めるためには、集合{xijk}および{yijk}を使用してパラメータAx、Bxx...等を求めなければならない(ここにkは各クラスター内の個別の記号である)。
利用可能なデータサンプル(位相空間の測定された配列点)への最良最小自乗適合を提供する等式のパラメータを推定する問題は、多重線形回帰の一つである。なぜなら推定はパラメータに直線的に依存しているからである。データの多元決定集合(すなわち、パラメータよりもデータの方が多く存在する)からこのようなパラメータを推定する標準的な統計手法は、最小自乗推定に対する正規方程式を立てて解くことである(例えばN.R.Draper他の、Applied Regression Analysis, John WiIey & Sons, Inc., 1966を参照されたい)。
式(3)のパラメータに対する対応する正規方程式を立てて解くために行列表現が使用されるであろう。パラメータ行列PxとPy、及びクラスター(i,j)に対する係数行列Cijは次のように定義される。
ここで(’)は転置行列を表す。又(i,j)番目のクラスターにおける全ての記号のx、yの行列である行列DxijとDyijと、クラスター(i,j)に対するエラー行列Exij、Eyijは、次のように定義される。
クラスター(i,j)中にKij個のデータサンプルが存在し、Cijの各列に同じKij個の要素が存在することに注意すべきである。
パラメータAx,Bxy,...は全てのクラスター中のデータサンプルに依存しているので、全てのクラスターの観測値はこれらのパラメータを推定するのに組み合わされる。全体の配列に対する複合係数、データ、及びエラー行列C、Dx、Dy、Ex、Eyは次の部分行列により定義される。
そこで、モデル式(3)は次のように表される。
パラメータ行列PxとPyを推定するための正規方程式は次のようになる。
ここに(’)は転置行列を表す。これらの式の解は次の通りである。
ここに-1は逆行列を表す。次の関係式も定義される。
そうすると、式(13)は次のようになる。
上の解析は手法はM.J.McKissock "Constellation Measurement:A Tool for Evalutating Digital Radio", Hewlett-Packard Journal, July 1987に記載されているものと同様である。詳しくはそちらを参照されたい。
しかしながら、本発明の解析はさらに式(3a)、(3b)の非線形項の推定にまでさらに進む。
式(8)と(5)を式(14)に使用し、またli=i−d、mj=j−dと定義すると、次の結果が得られる。
式(17)の各項はi、j、kの同一の範囲にわたって加算されるので、行列Aは7×7の行列のままである。
同様に式(6)と(8)を式(15a)、(15b)に用いて、次の式を得る。
ここでも式(18)、(19)の各項はi、j、kの同一の範囲にわたって加算されるので、行列Bx、Byは1×7の行列のままである。
本発明においては、パラメータ行列PxとPyは式(17)、(18)、(19)を式(16a)、(16b)に代入し、結果を実際のデータ座標値xijk及びyijkで推定することにより得られる。これは式(3)の係数を与える。式(4)により与えられるPxとPyの成分が、次いで式(3)に代入されて配列中の各クラスターの最適モデル座標
が求められる。
理想的な配列のプロットの中心
からの実際に測定された配列のx、y方向オフセットはそれぞれAxとAyとに等しい。もしも配列の回転または直交歪み(ロック角度エラー、カッド角度エラー、AM−PM変換非線形性)がなければ、I及びQ方向のx、yオフセットは単なる配列のオフセットである。もしも推定されたx、yオフセットAxおよびAyがゼロでないならば、指令が受信機14に送られてバイアス電圧を調整して配列を−Axおよび−Ayだけシフトすることにより配列を中心にシフトする。別法として、全ての送信される記号は送信機において予め−Axおよび−Ayだけシフトされ、同様な効果を達成することができる。一般に、典型的な配列の並進オフセット(AxおよびAy)は受信機における誤調整によるので、このような受信機エラーはその原因箇所である受信機で調整する方がよい。しかし、もしも受信機24を単純構成にし且つ安価にすることが重要ならば、受信機24における調整をあきらめて、送信機から出てくる記号を予め歪ませておくことにより受信機24で補正できないエラーを補正した方が良いであろう。
x及びy座標の間の線形利得比は次の通りである。
RG=Bxx/Byy (20)
ここでも、回転歪み及び直交歪みが無い場合には、この利得比は変調器(送信機)及び復調器(受信機)の正味の線形I−Q利得不一致に等しい。回転または直交歪みが存在する場合には、I−Q利得不一致は単純にはx−y利得比に関連づけられない。利得の不均衡が受信機24の全てに存在するとし(送信機及び伝送チャンネル22で歪みがないと仮定する)且つRG<1とすると、受信機24には同相利得をRGの割合だけ減じるか、または直交利得を同じだけ増大するかのいずれかの指令が送られる。もしもRG>1ならば、受信機24には同相利得をRGだけ増大するか、または直交利得を同じだけ減少するかのいずれかの指令が送られる。
この利得比RGは式(3)の一次項にのみに依存するように定義されることに注意すべきである。Bxx、Byyは、それぞれ、全ての列と行が等間隔(非線形値Cxx、Dxx、等は無視できるとする)であると仮定したば場合の、配列の中の近接列間及び近接行間の間隔である。もしも非線形項が無視できなければ、列間隔と行間隔は振幅の関数となる。その場合に、2次及び3次の利得比は次のように定義できる。
RG2=Cxx/Cyy (21)
RG3=Dxx/Dyy (22)
しかしながら、もしもC、D項が無視できない場合には、これは順方向伝送チャンネル22及び/又は受信機24に、メモリーに基づく前歪み付与器14によっては補正されなかった追加の非線形性が存在することを意味する。この場合、適応前歪み付与器16を使用して送信機の伝送される記号の座標を再調整する方がよい。もしもRG2>1ならば、CxxをRG2の割合だけ減少するか、又はCyyを同じ割合だけ増大する。同様にRG3>1ならば、DxxをRG3の割合だけ減少するか、又はDyyを同じ割合だけ増加する。
ロック角度エラーは、配列の理想的な位置からの回転角度である。この型のエラーは搬送波回復位相ロックループの誤調整(復調器は入来する信号と位相が正確に整合しない)などの原因から生じる。
図3a及び3bはQPSK(即ち4−QAM)変調の単純な場合に対する利得不一致が存在する状態でのロック角度エラーを例示する。位相回転の角度(ロック角度エラー)θはここでは時計周り方向を正と約束している。図3aは正の角度θに対する幾何学的配置を示し、図3bは負の角度θに対するそれである。Bxxはx軸上へ投影した一定I座標の列間の測定された間隔である。Byyはy軸上に投影された一定Q座標の行間の測定された間隔である。Bxxは右に向けて正であり、Byyは上に向けて正である。Bxyはクラスターの引き続く行の間で測定された単位上昇当たりの直線移行距離である。Byxはクラスターの引き続く列の間で測定した単位移行当たりの上昇距離である。Bxyは下の行から上の行へ行く場合に正である。Byxは左の列から右の列へ行く場合に上に向けて正である。これらの約束は全ての可能なロック及びカッド角度エラーの組合せに対する式及び結果を首尾一貫させるためである。
図3a及び3bに示されている他の角度には、回転した配列中の最も右のクラスターから正のx軸までの角度αと、共通のI座標を有する右側のクラスター間の右端のクラスタを原点として測った角度ζが含まれる。Ψx、ΨyはΨx=−tan-1(Byx/Bxx)及びΨy=tan-1(Bxy/Byy)で定義される。ロック角度エラーはそうすると次式で与えられる。
正のロック角度エラーに対する上記のBmnに対する符号の定義により、Byxが負であり、その他のBmnは全て正である。従って、式(23)は正であり、θ>0に導く。同様に負のロックエラーに対しては、Bxyは負であり、その他の全てのBmnは正である。従って、式(23)の2つの項は負であり、θ<0となる。ロック角度エラーが存在しなければ、θ=0であり式(23)は次のようになる。
θ=0でも、BxyとByxはゼロでないこともあり得る。これは。カッド角度エラー(以下で検討)が存在するがロック角度エラーが存在しない場合である。これら両者のエラーが存在しなければ、Bxy=Byx=0である。
ロック角度エラーに対する有用な別の表現は、図3a及び3bにおける角度から得ることができる。配列はその軸線に関して対称(ロック角度の回転があるなしに拘わらず)であることに注意すると、これらの図は次の関係を示している。
角度は時計周り方向を正としているので、図3aは正のロック角度エラーに対して、ζ>0、α>0、θ>0であることを示す。同様に図3bは負のロック角度エラーに対して、ζ<0、α<0、θ<0であることを示す。ζとαはBmnの形で得ることができ、Bmnで表したθの表現を得る。式(23)はカッドエラーが存在しない場合に成り立つ。これはまた、ロック角度エラーが存在しない場合にカッド角度エラーがある場合に成り立ち、その場合は式(24)がθ=0の場合に成り立つ。しかし、ロック角度エラー及びカッド角度エラーが両方とも存在する場合には、式(23)は正しい結果を与えないであろう。より一般的な式(25)が使用されるべきである。Bmnによる式(25)の表現は以下で与える。
カッド角度エラーはx−y平面内の直交性からの変調器及び復調器のI及びQ座標の乖離角度であり、これは変調器又は復調器の2つのブランチが厳密に直交状態(位相が90度ずれていること)にないからである。その結果、復調器での1つの座標におけるしきい値決定スライサーの出力が他の座標の値にも依存することになり、どの記号が実際に伝送されたかを決定する際のエラーになる。実質的には、カッド角度エラーが存在するときには、配列は一つの対角線方向に伸長され、他の対角線方向には圧縮される。これとは対照的に、ロック角度エラーは伸長を伴うことなく配列全体の固定した回転を生じる。
図4aと4bは利得不一致の存在下のカッド角度エラーをを例示するが、単純なQPSKの場合にはロック角度回転は存在しない。ここでも、ここでの全ての結果は任意次数のQAM変調及びQPR変調にも適用できる。座標利得Bxx、Byy、及びスキューBxy及びByxは図3a、図3bと同様な符号規約により定義されている。また角度Ψx、Ψyは前と同じ符号規約に従うものとしまた角度の正方向は時計方向とする。
カッド角度エラーが存在しなければ、配列は長方形(I成分とQ成分の間に利得の不均衡がなければ正方形)である。長方形の隅角度は勿論90度である。もしもカッド角度エラーが存在すれば、配列は最早正方形ではなく、隅角度は90度よりも大きいか小さい。γを主対角(右上方に向いている対角部)とする。カッド角度エラーΨは90度からのγの偏りの量である。従って、γ=90°+Ψである。Ψが負なら、図4aのようにγ<90°であり、Ψが正なら図4bのようにγ>90°である。
カッド角度エラーΨは次式により角度Ψx、Ψyに関連づけられる。
負のカッド角度エラーの場合には、図4aに示したように、Bxy及びByxはいずれも正であり、そのためΨxは負、Ψyは正、そしてΨは負になる。角度Ψx、Ψyは時計回りに正、反時計回りに負である。正のカッド角度エラーに対しては図4bに示したように、BxyおよびByxはいずれも負であるので、Ψxは正、Ψyは負、そしてΨは正になる。カッド角度エラーは辺の長さと対角線の長さを変えるが、対角線の間の角度は変化しない。
カッド角度エラーがなければ、Ψ=0であり、従って式(26)は次のようになる。
カッド角度エラーとロック角度エラーが存在しなければ、式(24)と(27)は同時に満足されなければならない。これはBxy=Byx=0のときにのみ成り立つ。図3a、3b、4a、4bはこれらの条件が回転のない歪みのない長方形配列に導くことを示している。
受信機及び復調器にどんな欠陥が存在するか、ロック角度エラー、カッド角度エラー、及び利得不一致等のうち、どの配列歪みがどんな相対的大きさで混合しているかは、事前に分かっていない。従って、一般的な場合、全ての型のエラーが存在し、全ての型のエラーの大きさが解かれることを仮定しなければならない。
図5はロック角度エラー、カッド角度エラー及び利得不一致の組合せを例示するもので、同図はロック角度エラーと利得不一致エラーを有する回転した長方形QPSK配列に、カッド角度エラーが重畳した効果を示す。式(3)の配列モデルにおける観測されたデータの回帰分析から得たx、y利得、スキュー、Bmnは、歪んだ配列のクラスター間隔を示している。ここでもBmnは右上方に正であるとし、そのため図5ではByx以外の全てのBmnは正である。前に定義した角度α、θ、ζは時計方向に正である。SIは同相(I)座標クラスター間隔である。SQは歪んだ配列の直交(Q)座標のクラスター間隔である。DaとDbは対角線の長さである。γとβは歪んだ配列の内包角度である。図5の解析はQPSKに対するものであるが、結果はあらゆる次数の全てのQAM、QPR配列に適用できる。
図5の解析はロック角度エラーθ、及び線形利得比RGに対する次の一般的な表現を導く。
一般に、式(3)の係数を計算した後、ロック角度エラーが式(28)から得られ、利得比が式(29)から得られ、カッド角度エラーが式(30)から得られる。ゼロでないロック角度エラーは一般に受信復調器32における搬送波回収回路における位相誤調整を示すものであるから、復調された記号の位相は送信された位相に対してθだけ回転している。この誤調整は搬送波回収回路(受信機24の内部にある)の出口にある可調整位相シフト器(受信機24内にある)へ司令を送ることにより、搬送波の位相を−θだけシフトさせ、それにより配列全体を−θだけ回転させる。別法として、同一の作用は送信機内の搬送波発振器の位相を−θだけシフトすることにより得ることができる。これは、搬送波回収回路において行う場合と同様に、復調器内の記号決定スライス回路に整合するように配列を回転させる。
ゼロでないカッド角度エラーは変調器又は復調器の直交位相シフターにおける位相エラーを示し、そのため変調器又は復調器の2つのブランチが直交状態(90°の位相差を有すること)にない。変調器内のΨのカッド角度エラーは変調器の直交位相値シフターを−Ψだけずらすことにより補正できる。復調器32内のΨのカッド角度エラーは指令を復調器32に送って復調器の直交位相シフターを−Ψだけシフトさせることにより、或いは、変調器の直交位相シフターを−Ψだけ変化させて送信される配列に前歪み付与することにより補正することができる。もしもカッド角度エラーがΨの複合エラーを有する変調器及び復調器の両者に存在するならば、変調器の直交位相シフターを−Ψだけ変化させることにより同時に補正できる。一般に、装置の各構成要素に対して特別な個別の試験をしない限り、どの装置がカッド角度エラーの原因かは分からない。従って、全てのカッド角度エラーは変調器の直交位相シフターを−Ψだけ回転させることにより補正することが推奨される。
上に検討したように、利得不一致は同相チャンネル及び直交チャンネルを結合する前に変調器12内で生じるか、又は復調器32内で両者を結合した後に生じうる。変調器12内での利得不一致は、両チャンネルを結合する前に、チャンネルの一方例えば直交チャンネル内に可調整線形増幅器を設け、その利得比RGが1になる方向にその利得を調整することにより補正できる。復調器32内での利得不一致は復調器32の一つの腕の線形増幅器の利得をRG=1になるように調整することにより、或いは変調器12の線形増幅器の利得をRG=1になるように調整することにより配列に前歪みを付与して補正できる。利得不一致は変調器12又は復調器32のいずれか又は両者で起きるから、また、不一致の源は各装置に対して個別の試験しなければ分からないので、全ての利得不一致を変調器12で補正することが推奨される。
ロック角度エラー及びカッド角度エラー、及び利得不一致の全ては異なった現象に基づくので、又、全ては配列測定値から同時に計算されるので、全ての効果に対する補正は直接且つ同時に実行し得る。全ての測定、計算、及び補正処理は角度エラーと利得不一致が許容できる程度に小さくなるまで繰り返して行われるべきである。
配列分析により処理される全ての線形効果は送信機の変調器12により補正されるので、又、(順方向伝送チャンネル22が追加の非線形性HPAを導入する数個の中継器段階又は衛星トランスポンダーを含まない限り)送信機の高電力増幅器18は非線形性の唯一の源と考えられるので、図1のパラメータプロセッサ28はこれに代わって変調器12のルートを取ることができる。この構成では、上記の各種のエラーの補正は、不要となった別個の適応前歪み付与器16の代わりに変調器12に於いて行われる。これは図6に示す。
ここに記載した方法は、配列分解と呼ばれる方法により、中間中継器及びトランスポンダを含む全伝送路における非線形歪みを補正するのに拡張できる。振幅依存性の非線形性が存在する場合には、任意の対称配列が、I−Q利得不一致を有する16−QAM配列について図7に示したような一組の入れ子式のQPSK副配列として処理できる。図7のかっこ内の数値は、記号クラスターの(i,j)座標を表す。単一の数値は副配列を示す。
一つのQPSK配列に対しては、全ての記号クラスターはI軸及びQ軸から同一の公称距離を有する。従って、一つのQPSK配列中に4個のクラスターのみが存在し且つそれらの座標は直線関係にあるので(つまり一次の関係)、振幅の非線形性を測定することはできない。各要素的なQPSK副配列(図7に数字kを振られている)は従って線形モデルで表すことができる。
式(33a)及び(33b)は式(3)に対応するが、一定項及び一次項のみを有する。QPSK配列に対しては、d’=3/2、i’,j’は組{1,2}の値を取り、(i’−d’)及び(j’−d’)は組{−1/2,1/2}の値を取る。副配列の座標
は勿論完全配列の一組の座標
に対応する。例えば、副配列1に対しては、次の関連付けがなされる(番号付けは配列又は副配列の左下隅から始まっていること、第1添え字はx座標即ち行番号であり、第2添え字はy座標即ち列座標である。):
また、
に対しても同様である。
図5は係数Bmnを係数Emnkに置き換えることにより副配列に対しても同様に成り立つ。従って、図5から次が分かる。
式(3)、(34)、(35)を組み合わせることにより、量Emnkに対する表現が式(3)を使用して各副配列に対して得ることができる。これらのEmnk表現は式(3)の係数パラメータを使用して、Emnk係数を式3の係数パラメータに関連づけることができる。例えば、図7の副配列1に対しては、係数パラメータ間に次の関係が得られる。
得られる量Emnkの一般的な特徴は次の通りである。
1.Emnkは常にバイアスAxおよびAyから独立である。
2.Emnkは二次係数Cmnから独立である。
3.Emnkは同一の添え字n,mを有するBmn、Dmnと従属関係にある。
4.同一ペアの記号クラスター
の間の差に基づくx、y成分は同一の形を有する。
次に、式(30)から(32)の類推から、次の量が定義される。
これらの量は式(28)を副配列kに対するロック角度エラーθkを得るための拡張に次式において使用できる。
また。式(26)の類推から、副配列kに対するカッド角度エラーは次式により与えられる。
また、式(29)の類推から、副配列kに対する利得比は次式により与えられる。
式(40)、(41)、(42)はそれぞれ全体の伝送連鎖(送信機、受信機、全ての中間中継器及びトランスポンダを含む)に対する各副配列に対するロック角度エラー、カッド角度エラー、及び利得不一致を与える。
この定式化において、各副配列に対する理想利得比はその全配列に対する関係に依存することに注意すべきである。このようにして、図7において、いずれも正方形である副配列1、2に対する理想利得比はいずれも1に等しく、いずれも長方形である副配列3、4に対する理想利得比はそれぞれ3と1/3である。記号の理想利得比は配列中のその位置に依存するので、利得比は送信機の変調器の増幅利得を調整しても補正できない。なぜならこれは同一の利得を全ての送信される記号に与えるからである。その代わりに、各記号のI及びQ座標を適応性前歪み付与器に於いてその副配列に対する所望の利得比(原点から記号位置までのベクトルの正接に等価)に従って調整し、それにより記号の利得比をその理想値RGk(kはその記号が属している特定の副配列を表す)にしなければならない。このとき、記号の位置は原点の周りに−θの角度だけ回転して副配列のロック角度エラーと関連した非線形AM−PM変換歪みを補正しなければならない。同様に、その記号が属している副配列のQ軸はその副配列のカッド角度エラーを補正するために−Ψだけ角偏倚させなければならない。同様に、ロック角度エラー及びカッド角度エラーの補正は、個々の副配列が異なったロック角度エラー及びカッド角度エラーのを受けるので、副配列基準で実行することができる。この補正は図1の適応前歪み付与器により実施される。
本発明を好ましい実施例に関連して説明したが、当業者には本発明が種々の変形例が本発明の範囲内で可能なものと理解すべきである。
Claims (51)
- デジタル信号を適応的に補正する方法において、送信機により送信され受信機に受信された信号に関する統計情報を受信機において収集する段階を含み、該段階は、記号クラスター統計情報を収集し、前記記号クラスター統計情報を使用して配列統計情報を収集し、前記記号座標の重み付き和を収集することにより第1、第2及び第3の行列を生成し、前記第1の行列を転置し、該転置行列を前記第2の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される前記配列の第1座標に対する係数の第1の係数行列を生成し、前記転置された前記第1の行列を前記第3の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される配列の第2座標に対する係数の第2の係数行列を生成し、電圧オフセット、利得不一致比、ロック角度エラー、カッド角度エラー、非線形チャンネル歪み、及び受信機歪みの少なくとも1つによる配列歪みに対する補正値を決定し、前記信号の同相及び直交信号成分の少なくとも1つに関する配列歪みを補正することを含み、前記収集された統計情報を処理して補正値を決定し、前記補正値により前記デジタル信号を補正する、デジタル信号の適応的補正方法。
- 前記デジタル信号は、QAM(直交振幅変調)、TCM(格子コード変調)、CAP(無搬送AM/PM)、MPSK(多重移相キーイング)、QPR(直交部分応答)及び信号配列の少なくとも一種である請求項1の方法。
- 前記配列統計情報を収集する段階と、前記統計情報を処理する段階は、前歪み付与パラメータを決定するために使用されるものであり、さらに、前記前歪みパラメータを使用して前記信号の送信前に当該信号を前もって歪ませる段階を含み、それにより前記受信された信号の記号クラスターが所定の信号決定境界に従って適正に位置決めされるものである請求項1の方法。
- さらに、前記受信機から、該受信機で受け取られた前記デジタル信号を送信した送信機に、前記受信信号中の歪みを表す統計及び制御情報を伝送し、そして、前記統計及び制御情報を処理して、伝送に先立って前記信号を歪ませるために前記発振器で印加できる補正用前歪み付加の形式、大きさ及び方向の少なくとも1つを決定する段階を含み、それにより受信機での受信信号が実質的に無歪みとなるようにした請求項1の方法。
- 前記補正する段階は前記送信機及び受信機のいずれかで行われる請求項1の方法。
- さらに、メモリーを基準とする前歪み付与装置を使用して前記信号を補正し、前記信号中に未だ存在している残留非線形歪みを決定し、もしも残留非線形歪みがあれば、前記信号を適応的に前歪み付与して前記残留非線形歪みを実質的に消去する段階を含む請求項1の方法。
- 前記配列歪みを表す制御情報が狭帯域制御チャンネルを経由して前記送信機及び前記受信機の間で交換される請求項1の方法。
- 前記受信機と前記送信機の少なくとも一方は前に設定されたパラメータ値から生じる前記配列内の歪みを補正するように調整される請求項7の方法。
- 前記ロック角度エラーによる配列歪みを決定する段階は、前記配列内の前記ロック角度エラーの大きさと方向の少なくとも一方を決定し、前記送信機及び受信機のうちの少なくとも一方の搬送波の位相をシフトして前記ロック角度エラーの大きさを減少する方向及び大きさだけ前記配列を回転する段階を含む請求項1の方法。
- 前記カッド角度エラーによる配列歪みを決定する段階は、前記カッド角度エラーの大きさと方向の少なくとも一方を決定し、前記送信機中の変調器直交位相シフター又は前記受信機中の変調器直交位相シフターの少なくとも一方を、前記カッド角度エラーが減少する方向及び大きさだけ調整する段階を含む、請求項1の方法。
- 前記電圧オフセットによる配列歪みを決定する段階は、前記電圧オフセットの大きさを決定し、前記送信機及び前記受信機の少なくとも一方のバイアス電圧を、電圧オフセットが減少する方向及び大きさだけ調整する段階を含む請求項1の方法。
- 前記利得不一致比による配列歪みを決定する段階は、前記利得不一致比の大きさを決定し、前記送信機及び前記受信機の少なくとも一方の増幅利得を前記利得不一致比が減少する方向及び大きさだけ調節する段階を含む、請求項1の方法。
- 前記非線形チャンネル歪みによる配列歪みを決定する段階は、前記非線形チャンネル歪みの大きさを決定し、前記送信機及び前記受信機の少なくとも一方の配列内の各記号の位置を、前記非線形チャンネル歪みが減少する方向及び大きさだけ調整する段階を含む請求項1の方法。
- 前記第1及び第2座標はそれぞれ前記記号クラスターのx及びyデカルト座標である請求項1の方法。
- 前記利得不一致比RGはBxx/Byyで定義される請求項16の方法。
- 前記利得不一致比はCxx/Cyy、Dxx/Dyyでそれぞれ定義される二次及び三次利得不一致比RG2、RG3を含む請求項16の方法。
- 前記方法が中継器回路により行われる請求項1又は16の方法。
- 前記処理する段階は前記送信機又は受信機の一方で行われる請求項1の方法。
- 補正段階は前記送信機又は受信機の一方で行われる請求項1の方法。
- 送信機により送信され且つ受信機により受信されるデジタル信号を適応的に補正する方法において、所定の変調法により前記送信機においてデジタル信号を変調し、前記受信機により受信されたデジタル信号に関して前記受信機で収集される統計情報から決定される補正値に従って前記送信機で前記変調信号を適応的に補正し、前記補正された変調信号を前記受信機に送信し、前記補正された変調信号を前記受信機で受信し、前記受信された信号に関する統計情報を前記受信機で収集するに当たり、前記収集する段階は記号クラスター統計情報を収集し、前記記号クラスター統計情報を使用して配列統計情報を収集し、前記記号座標の重み付き和を収集することにより第1、第2及び第3の行列を生成し、前記第1の行列を転置し、該転置行列を前記第2の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される前記配列の第1座標に対する係数の第1の係数行列を生成し、前記転置された前記第1の行列を前記第3の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される配列の第2座標に対する係数の第2の係数行列を生成し、前記統計情報を処理して、電圧オフセット、利得不一致比、ロック角度エラー、カッド角度エラーの補正、非線形チャンネル歪み、及び受信機歪みの少なくとも1つによる配列歪みに対する補正値を決定し、そして前記の適応的な補正は前記信号の同相及び直交信号成分の少なくとも1つに関する配列歪みを補正するものである、デジタル信号の適応補正方法。
- 受信機は前記統計情報を逆方向チャンネルを介して前記送信機に伝送し、前記処理段階は前記送信機で行われるものである請求項27の方法。
- 前記統計情報の処理の段階は、前記受信機において行われ、前記受信機は前記逆方向チャンネルを介して前記補正値を前記送信機に伝送するものである、請求項27の方法。
- さらに、メモリーを基本とする前歪み付加回路を使用して前記変調された信号を補正する段階を含む請求項27の方法。
- 前記デジタル信号は信号配列の一部であり、さらに、前記信号配列を複数個の副配列に分割し、そして前記信号に対する集積及び処理段階を前記各副配列内で行う段階を含む請求項27の方法。
- 送信機により送信され且つ受信機により受信されたデジタル信号を適応的に補正する方法において、所定の変調法により前記送信機においてデジタル信号を変調し、前記受信機により受信されたデジタル信号に関して前記受信機で収集される統計情報から決定される補正値に従って前記受信機で前記変調信号を適応的に補正し、前記変調信号を前記受信機に送信し、前記変調信号を前記受信機で受信し、前記受信された信号に関する統計情報を前記受信機で収集するに当たり、前記収集する段階は記号クラスター統計情報を収集し、前記記号クラスター統計情報を使用して配列統計情報を収集し、前記記号座標の重み付き和を収集することにより第1、第2及び第3の行列を生成し、前記第1の行列を転置し、該転置行列を前記第2の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される前記配列の第1座標に対する係数の第1の係数行列を生成し、前記転置された前記第1の行列を前記第3の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される配列の第2座標に対する係数の第2の係数行列を生成し、前記統計情報を処理して、電圧オフセット、利得不一致比、ロック角度エラー、カッド角度エラーの補正、非線形チャンネル歪み、及び受信機歪みの少なくとも1つによる配列歪みに対する補正値を決定し、そして前記の適応的な補正は前記信号の同相及び直交信号成分の少なくとも1つに関する配列歪みを補正するものである、デジタル信号の適応補正方法。
- 前記受信機は前記統計情報を逆方向チャンネルを経由して前記送信機に送り、前記処理の段階は前記送信機で行われ、そして前記送信機は補正値を順方向チャンネルを経由して前記受信機に送るものである請求項32の方法。
- 前記処理の段階は前記受信機で行われる請求項32の方法。
- 前記変調信号を補正する段階はメモリーを基本とする前歪み付与器を使用するものである請求項32の方法。
- 前記デジタル信号は信号配列の一部であり、さらに、前記信号配列を複数個の副配列に分割し、そして前記信号に対する集積及び処理の段階を前記各副配列内で行う段階を含む請求項32の方法。
- 送信機により送信され且つ受信機により受信されるデジタル信号を適応的に補正するデジタル信号適応補正装置において、前記受信された信号に関する統計情報を前記受信機で収集する統計収集回路であって、前記統計収集回路は、記号クラスター統計情報を収集し、前記記号クラスター統計情報を使用して配列統計情報を収集する統計クラスター集積回路と、前記統計情報を処理して補正値を決定する補正回路と、前記補正値を使用して前記信号を補正する補正回路と、電圧オフセット、利得不一致比、ロック角度エラー、カッド角度エラー、非線形チャンネル歪み、及び受信機歪みの少なくとも1つによる配列歪みを決定する座標歪み評価回路とを含み、前記補正回路は前記信号の同相及び直交信号成分の少なくとも1つに関する配列歪みを補正するものであり、前記統計収集回路は更に、前記記号座標の重み付き和を収集することにより第1、第2及び第3の行列を生成する重み付き和回路と、前記第1の行列を転置し、該転置行列を前記第2の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される前記配列の第1座標に対する係数の第1の係数行列を生成する反転掛け算回路と、前記転置された前記第1の行列を前記第3の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される配列の第2座標に対する係数の第2の係数行列を生成する掛け算回路とを含む、デジタル信号の適応補正装置。
- 送信機により送信され且つ受信機により受信されるデジタル信号を適応的に補正する装置において、所定の変調法により前記送信機においてデジタル信号を変調する変調器、前記受信機により受信されたデジタル信号に関して前記受信機で収集される統計情報から決定される補正値に従って前記送信機で前記変調信号を適応的に補正する適応補正回路、前記補正された変調信号を前記受信機に送信する前記送信機、前記補正された変調信号を受信する前記受信機、及び前記受信された信号に関する統計情報を前記受信機で収集する統計収集回路、とよりなり、前記統計収集回路は、記号クラスター統計情報を収集し、前記記号クラスター統計情報を使用して配列統計情報を収集する統計クラスター集積回路と、前記記号座標の重み付き和を収集することにより第1、第2及び第3の行列を生成する重み付き和回路と、前記第1の行列を転置し、該転置行列を前記第2の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される前記配列の第1座標に対する係数の第1の係数行列を生成する反転掛け算回路と、前記転置された前記第1の行列を前記第3の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される配列の第2座標に対する係数の第2の係数行列を生成する掛け算回路と、前記統計情報を処理して、電圧オフセット、利得不一致比、ロック角度エラー、カッド角度エラーの補正、非線形チャンネル歪み、及び受信機歪みの少なくとも1つによる配列歪みに対する補正値を決定する処理回路とよりなり、そして前記の適応補正回路は、前記信号の同相及び直交信号成分の少なくとも1つに関する配列歪みを補正するものである、デジタル信号の適応補正装置。
- 前記受信機は前記統計情報を逆方向チャンネルを介して前記送信機に伝送し、前記処理回路は前記送信機内に配置されている請求項40の装置。
- 前記統計情報の処理回路は、前記受信機内に配置され、前記受信機は前記逆方向チャンネルを介して前記補正値を前記送信機に伝送するものである、請求項40の装置。
- さらに、前記変調された信号に送信前に前歪み付与する、メモリーを基本とする前歪み付加回路を含む請求項40の装置。
- 前記デジタル信号は信号配列の一部であり、さらに、前記信号配列を複数個の副配列に分割し、そして前記信号に対する集積及び処理段階を前記各副配列内で行う段階を含む請求項40の装置。
- 前記受信機は前記統計情報を逆方向チャンネルを介して前記送信機に伝送し、前記処理回路は前記送信機内に配置され、前記送信機は補正値をフォワード制御回路を通じて前記受信機に送る用に構成されている請求項40の装置。
- 前記処理回路は前記受信機に配置されている請求項40の装置。
- デジタル信号を適応的に補正する方法において、送信機により送信され受信機に受信された信号に関する統計情報を受信機において収集する段階を含み、該段階は、記号クラスター統計情報を収集し、前記記号クラスター統計情報を使用して配列統計情報を収集し、前記記号座標の重み付き和を収集することにより第1、第2及び第3の行列を生成し、前記第1の行列を転置し、該転置行列を前記第2の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される前記配列の第1座標に対する係数の第1の係数行列を生成し、前記転置された前記第1の行列を前記第3の行列に掛けて、各記号クラスターの中心を推定するための最小自乗法モデルで使用される配列の第2座標に対する係数の第2の係数行列を生成し、前記統計情報を処理して補正値を決定し、該補正値を使用して前記信号を補正する段階を含む、デジタル信号を適応的に補正する方法。
- 前記デジタル信号は、QAM(直交振幅変調)、TCM(格子コード変調)、CAP(無搬送AM/PM)、MPSK(多重移相キーイング)、QPR(直交部分応答)及び信号配列の少なくとも一種である請求項47の方法。
- 前記配列統計情報を収集する段階と、前記統計情報を処理する段階は、前歪み付与パラメータを決定するために使用されるものであり、さらに、前記前歪みパラメータを使用して前記信号の送信前に当該信号を前もって歪ませる段階を含み、それにより前記受信された信号の記号クラスターが所定の信号決定境界に従って適正に位置決めされるものである請求項47の方法。
- さらに、前記受信機から、該受信機で受け取られた前記デジタル信号を送信した送信機に、前記受信信号中の歪みを表す統計及び制御情報を伝送し、そして、前記統計及び制御情報を処理して、伝送に先立って前記信号を歪ませるために前記発振器で印加できる補正用前歪み付加の形式、大きさ及び方向の少なくとも1つを決定する段階を含み、それにより受信機での受信信号が実質的に無歪みとなるようにした請求項47の方法。
- さらに、メモリーを基準とする前歪み付与装置を使用して前記信号を補正し、前記信号中に未だ存在している残留非線形歪みを決定し、もしも残留非線形歪みがあれば、前記信号を適応的に前歪み付与して前記残留非線形歪みを実質的に消去する段階を含む請求項47の方法。
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