JP3993612B2 - マスカラ等の塗布具 - Google Patents
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Description
そのため、現在市販されているマスカラブラシの多くは、ブラシ軸を中心にして放射状に直線状のやや硬めのブラシ毛を植毛したタイプのものとなっている。このタイプのブラシは、ブラシ軸からブラシ毛の先端に向って、ブラシ毛とブラシ毛との間が開いた形となっているため、ブラシ毛先端部でのマスカラ墨の保持性が悪く、睫毛への墨の塗布が不充分になりやすく、更にはブラシの使用方法によってブラシ毛の先端が一度睫毛に付けたマスカラ墨を引っ掻き、睫毛上でマスカラ墨がダマになりやすいなどの問題を生じていた。
本発明はマスカラブラシにおける上記課題を解決するためのもので、ブラシの塗布部に付着するマスカラ墨の量を均一に且つ多くして、ブラシを回転させながら睫毛にマスカラ墨を優しく撫でるように塗布でき、現在のマスカラ市場トレンドである睫毛のボリューム、ロングおよびカールを簡単に行うことができるマスカラブラシを提供するものである。
本発明の一つは、発泡プラスチック、不織布、繊維又はブラシ毛などによって円柱状に形成された塗布部の外周面に、その周面をめぐる形の螺旋形のV溝が1又は2以上形成された形としたことを特徴とするものである。
更に本発明の塗布具は、ブラシ毛として保形性のある繊維を用い、この繊維を適当な大きさの円形または楕円形の輪が連続して形成されるように螺旋状に捲き、このように捲いた螺旋状の繊維2以上にそれぞれ軸部材を挿通し、これらの螺旋状繊維の軸部材2以上を捻り合わせてなる、周面に螺旋状の溝が形成された塗布部を有することを特徴とするものである。
また本発明は、ブラシ毛として保形性のある繊維を用い、この繊維を適当な大きさの輪
が形成されるように螺旋形に捲いて、この螺旋形状の繊維をブラシ軸で支持して塗布部とすることからなるものである。
本発明の塗布具は、塗布部の外周面に設ける溝の形状、溝の深さと溝幅を調整することによって、種類や粘度などの物性の異なる種々のマスカラ墨に容易に対応することができる。
塗布部は、ブラシ軸にブラシ毛を設けたもののほかに、塗布部材としてスポンジ状のゴムまたはプラスチック、不織布、綿塊などの繊維の塊で作られたもの、及びこれらの類似品などで構成しても良い。
塗布部外周面の螺旋形の溝は、塗布部が発泡プラスチックなどの成形体の場合には塗布部を成形した後に切削等の加工手段によって設けてもよく、また、プラスチック等の場合には溝付き塗布部を一体的に成形してもよい。
上記とは別に、ブラシ毛による塗布部については、ブラシ毛として保形性または弾力性のあるプラスチック繊維や金属繊維(細いワイヤー)等を用い、この繊維を適当な大きさの輪(径)を有する螺旋形状に捲いて、この螺旋形の繊維をブラシ軸の軸部材に設け、このように設けた螺旋形繊維付きの軸部材を2本以上撚り合わせて塗布部としたもので、ブラシ毛として繊維の輪が順次重なって軸部材間に保持されることによって塗布部の周面に沿った螺旋形の溝が形成されたものである。
このほか、保形性または弾力性のあるプラスチック繊維等を用い、この繊維を螺旋形状に捲いて、この螺旋形繊維をブラシ軸に設けて、そのまま、塗布部としてもよい。
輪状のブラシ毛は前記繊維を螺旋状に捲いて作り、螺旋状に捲いた繊維をブラシ軸で保持し、このようにした螺旋状の繊維の2本以上を併せて軸部材で結合して塗布部とする。螺旋形に捲くことによって形成される輪は、円形でも楕円形でもよい。
繊維を螺旋状に捲くときの捲きの角度は特に限定されず、円または楕円等の輪状の面がブラシ軸の長手方向に対してほぼ直角(90°)でもよいが、好ましくは85〜30°の方向になるように捲くとよい。
繊維の捲きは、好ましくは互いに隣り合う輪と輪が接するように捲くが、必要に応じて輪と輪の間があくように引き伸ばした形としてもよい。
螺旋状のブラシ毛(繊維)の輪の大きさは特に限定されないが、ブラシ軸からの高さ等
は、通常マスカラブラシで用いられて範囲で用いることができ、2〜10mmの範囲で選択使用される。
螺旋形は、長さ方向に同一の径である必要はなく、先端部を細く(小さな径)とするとか、先端から後方にかけて次第に径が大きくなるように捲いてもよい。
例えば、2本の螺旋状に捲いた繊維のそれぞれに軸部材を挿通して、両者を捻り合わせて結合する場合、繊維が密に捲かれていると、軸部材を捻ったときにこの軸部材に支持されていた繊維の輪が捻り方向に順次ずれて重なって連続した壁状または山状のブラシ毛部となり、同様に他方の軸部材を捻ったときに他方の軸部材に支持されている繊維の輪が軸部材の捻り方向に順次ずれて重なり連続した壁状または山状のブラシ毛部が形成される。2本の軸部材を捻り合わせると、それぞれの軸部材によって輪状繊維による前記ブラシ毛部が連続して形成されるので、一方の軸部材の繊維によるブラシ毛部と他方の軸部材の繊維によるブラシ毛部とが捻りに従って交互に形成され、このようにして二つのブラシ毛部の間に連続したV溝が形成された塗布部が形成される。
撚り合わせる螺旋状に捲かれた繊維の数(軸部材の数)は2本に限定されることなく、それ以上としても良く、使用する数によって形成される溝の数も多くなる。
三次元の空間曲線状の形状は、具体的には、塗布部の長さ方向に延びる螺旋形状で、その形状は塗布部の全長で螺旋が一回転(塗布部の先端側から見たとき円形に見える)となるようにしても良く、好ましくは塗布部の全長で螺旋が半回転(半円)ないし2/3回転となる程度である。塗布部自体の螺旋形状は塗布部の全長に亘って同じ曲率とする。螺旋構造は右巻き、左巻き(時計廻り)のいずれでも良く、使用者の右利き、左利きに応じて選択して使用される。
塗布部の長さは特に限定されないが、マスカラブラシの場合には、15〜40mm程度、好ましくは15〜35mm、より好ましくは15〜30mm程度とすると良く、塗布部自体の螺旋の径としては、ブラシ軸の中心点が描く螺旋形状の径として、2〜10mm程度、好ましくは4〜8mm、より好ましくは6〜8mm程度とすると良い。
塗布部を支持する塗布棒はこの種のブラシで通常用いられているものが使用される。
のではない。
図1は本発明の基本的な形状のマスカラブラシを示す斜視図で、1は塗布部、2は把手、3はブラシ軸を示し、4は塗布部材(ブラシ毛)、5は螺旋状の溝を示す。図2はマスカラブラシの側面図、図3は断面図を示す。
図1〜図3に示すマスカラブラシは、塗布部材4がゴム、プラスチック、不織布、綿塊などの円柱状の成形体で、周面に沿って螺旋状の溝5が設けられているものでもよく、繊維を密に螺旋状に捲いたものでもよい。また、スポンジ状のゴムまたはプラスチックの表面に螺旋状の繊維を巻いた形のものとしてもよい。螺旋状に捲かれた繊維と繊維とによってその間に螺旋状の溝5が形成される。
螺旋状繊維は、2本以上の繊維をあわせて同じ方向に巻いて1本の繊維の筒状体を作成してもよい。
なお、螺旋状の繊維は、太さの異なる2種類の繊維をあわせて捲くことによって、太い繊維の間に挟まれる細い繊維によって溝を形成してもよい。2種の繊維を用いるときは、太さが異なるだけでなく、材質の異なる繊維、例えばプラスチック繊維と綿糸や、表面活性の異なる、例えばマスカラ墨の付着度合の異なる種類の繊維を用いることができる。また、色の異なる繊維を組み合わせて用いてもよい。
筒状の螺旋状繊維は、好ましくは、図5に示すように繊維の輪が互いに接する程度に繊維を巻いたものとし、このようにした螺旋状繊維の筒状体のそれぞれにステンレス・ワイヤー等を軸部材3a、3bとして装入し、軸部材3a、3bを合わせて捻り合わせる。
図6は、先端が細いブラシ(塗布部材)を得る場合を例に模式的に示した図で、繊維6は繊維の輪が互いに密接するようにして螺旋状に捲いたものとする。
このようにした螺旋状繊維6a、6bに軸部材3a、3bを挿入し、二つの軸部材3a、3bで挟んで軸部材を捻り合わせたとき、一方の軸部材3aに支持されていた輪状の繊維61、62、63・・・は、軸部材3aの捻りにしたがって順次移動する。図7は軸部材3aの移動とそれにしたがって移動する輪状の繊維61、62、63・・・を模式的に示したものである。各輪状の繊維の軸部材との接点Pが移動する。
軸部材3aと軸部材3bは捻り合わせることにより、その位置が交互に現れるため、ブラシ軸に各軸部材の前記ブラシ毛部6A、6Bが交互に形成される。その状態を図9に示す。ブラシ毛部6A、6Bの側面は輪状の繊維からなる連続した面となるため、両ブラシ毛の間に連続したV型の溝が形成される。
繊維の太さ、螺旋状に捲くときの繊維の輪の大きさや輪と輪の間隔(捲の密度)、軸部材の太さ、軸部材の捻りの密度(捻りの間隔)によって形成されるブラシ部の形状等を任意のものとすることができる。これらは特に限定されないが、例えば、繊維の径が0.0
5〜0.15mm、繊維の輪の径を1〜2.5mm、捲き回数を100〜200/10mmの範囲で選択すると良い。捻り合わせる螺旋状繊維は、材質、色、繊維の太さ等は同一でなくても良く、適宜組み合わせて使用して良い。
図14は、本発明の塗布具の製造方法の一例を示す図で、(a)は2本の螺旋状の繊維6にそれぞれ軸部材31、32を挿入し、両軸部材31、32を捻り併せてブラシ軸3とし、軸部材の捻りを密にすることで繊維間が密となり、表面に螺旋状の溝が形成された塗布部が得られる。
図14の(b)は、螺旋状の繊維を3本用いた例であり、(c)は4本とした例である。これらは2本の場合と同様にして塗布部を作ることができる。
図14の(a)〜(c)において、螺旋状繊維の組み合わせは同じ捲き方向のもの同士でもよく、また異なる捲き方向のものと組み合わせることもできる。組み合わせの例を表1に示す。それぞれの軸部材31、32、33、34に沿ってそれぞれブラシ毛部が作られる。
これらのことから、本発明の塗布具はマスカラブラシ以外の他の分野にも適用することができる。
Claims (4)
- ブラシ軸の外周面に、プラスチック繊維、金属繊維等の保形性または弾力性のある繊維を輪と輪が互いに接する程度に螺旋形に捲き、このようにした2本以上の螺旋形繊維のそれぞれに軸部材を挿通し、これらの軸部材を一つに捻じり合わせることによって、前記螺旋形に捲いた繊維で形成された円ないし楕円形の複数の輪状の繊維が軸部材の捻じり方向に沿って少しずつずれて重なった状態で連続して形成されて、これらの複数の輪状の繊維によって形成された壁状または山状のブラシ毛を設けたことを特徴とするマスカラ等の塗付具。
- 前記捻り合わされた状態の2以上の軸部材の捻じり方向と、該各軸部材が挿通された前記螺旋形繊維を形成する繊維の螺旋の捲き方向とが同じ方向であることを特徴とする請求項1記載のマスカラ等の塗布具。
- 前記捻り合わされた状態の2以上の軸部材の捻じり方向と、該各軸部材が挿通された前記螺旋形繊維を形成する繊維の螺旋の捲き方向とが逆方向であることを特徴とする請求項1記載のマスカラ等の塗布具。
- 前記各軸部材が挿通された前記螺旋形繊維を形成する繊維の螺旋の捲き方向のうち、少なくとも1つの前記螺旋形繊維の捲き方向と、前記捻り合わされた状態の2以上の軸部材の捻じり方向とが逆方向であることを特徴とする請求項1記載のマスカラ等の塗布具。
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