JP3993501B2 - シュープレス装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙速度の高速化に対応したシュープレス装置の改良に関し、より詳しくは、プレスシューと粘弾性部材との間に供給する潤滑油を粘弾性部材の冷却に利用する、シュープレス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製紙機械のプレスパートには、ウェブを加圧脱水するためのシュープレス装置をそなえたものがある。このシュープレス装置には、プレスシュー(単に、シューとも言う)とカウンタロールとが備えられ、プレスシューの周りには筒状又はループ状の粘弾性部材が回転自在に配置されており、プレスシューが粘弾性部材をカウンタロール側に押圧することにより、粘弾性部材とカウンタロールとの間に、ウェブの走行方向に所定長さを有するニップが形成される。ウェブはその両面或いは片面をフェルトにより支持されながら、粘弾性部材とともに上記ニップを通過して加圧脱水されるようになっている。なお、粘弾性部材として筒状のブランケットを用いるものは一般にENP−C(Extend Nip Press-closed)と呼ばれ、複数のガイドローラにより案内されるループ状のゴムベルトを用いるものは一般にENP(Extend Nip Press)と呼ばれている。
【0003】
ENP−C及びENPのいずれの場合にも、ニップ部分において、粘弾性部材はプレスシューに圧接しながら移動する。このため、粘弾性部材とプレスシューとの間に潤滑油を供給して、ニップ部分では、粘弾性部材が潤滑油の油膜を介してプレスシューに対して円滑に摺動できるようにしている。
ところで、この場合の潤滑油の作用態様によって、シュープレス装置は一般に動圧型と静圧型とに大別される。
【0004】
例えば、図4は公知の動圧型シュープレス装置(特許文献1参照)を示す模式的な断面図であり、図4に示すように、プレスシュー101は潤滑油の動圧によって粘弾性部材102を支持し、カウンタロール3側へ押し付けるようになっている。潤滑油は、プレスシュー101の入側、即ち、粘弾性部材102がプレスシュー101のプレス面111に進入する部分に設けられたシャワー104から粘弾性部材102の内面に噴射され、粘弾性部材102の内面に潤滑油膜を形成するようになっている。なお、図4中、4はウェブ(湿紙)、5,6はフェルトである。また、112は支持梁、113,114はプレスシュー101を粘弾性部材102に向けて付勢する油圧ピストンである。
【0005】
一般に動圧型シュープレス装置では必要油膜厚さを確保するために高粘度の潤滑油が用いられているので、潤滑油は粘弾性部材2の回転に伴い、粘弾性部材102の裏面に付着した状態でプレスシュー101と粘弾性部材102との間に巻き込まれる。そして、潤滑油がカウンタロール103の形状に合わせて形成されたプレス面111上を流れる際の速度に応じて動圧が発生し、この潤滑油の動圧によって粘弾性部材102はプレスシュー101に非接触状態で支持されるようになっている。
【0006】
このときの粘弾性部材102とプレスシュー101との間の圧力分布を示したのが図6(a)のグラフである。図6(a)に示すように、プレスシューが粘弾性部材に付与する圧力は、プレス面上において粘弾性部材の回転方向(ウェブの走行方向)に向けて次第に大きくなるような圧力分布を示す。
一方、静圧型シュープレス装置では、プレスシューは外部から供給される高圧の潤滑油の静圧によって粘弾性部材を支持し、カウンタロール側へ押し付けるようになっている。静圧型シュープレス装置のプレスシューには高圧の潤滑油を溜めるための静圧ポケットがその表面に形成されている。静圧ポケットには、高圧の潤滑油が注入されるようになっており、静圧ポケットに注入された潤滑油の圧力(静圧)によって粘弾性部材はプレスシューに非接触状態で支持されるようになっている。
【0007】
このときの粘弾性部材とプレスシューとの間の圧力分布を示したのが図6(b)のグラフである。図6(b)に示すように、プレスシューが粘弾性部材に付与する圧力は、静圧ポケット上において一定となる圧力分布を示す。
【0008】
さらに、静圧を主体としてこれに動圧を加味したいわば混合型の構造を有するシュープレス装置も開示されている(特許文献2参照)。
図5はこの混合型シュープレス装置の構造を示す概略図である。
図5に示すように、混合型シュープレス装置のプレスシュー201は、動圧型シュープレス装置と同様に、カウンタロール203の形状に合わせて形成されたプレス面211を備えている。プレスシュー201と粘弾性部材202との間に巻き込まれてくる潤滑油には、このプレス面211上を流れる際の速度に応じて動圧が発生する。また、プレス面211の中央部には静圧型シュープレス装置と同様、静圧ポケット212が形成されており、図示しない油圧ポンプに接続された油供給孔213から静圧ポケット212に高圧の潤滑油が注入されるようになっている。したがって、この混合型シュープレス装置では、粘弾性部材202は、プレス面211上を流れる潤滑油の動圧と静圧ポケット212に注入された潤滑油の静圧とによってプレスシュー201に非接触状態で支持される。
【0009】
このときの粘弾性部材202とプレスシュー201との間の圧力分布を示したのが図6(c)のグラフである。図6(c)に示すように、プレスシューが粘弾性部材に付与する圧力は、静圧ポケット上において一定圧力となり、その前後のプレス面上では粘弾性部材の回転方向に向けて次第に大きくなるような圧力分布を示す。
【0010】
【特許文献1】
米国特許第5167768号明細書
【特許文献2】
特表2001−518574号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の動圧型シュープレス装置と静圧型シュープレス装置と混合型シュープレス装置とを比較した場合、動圧型シュープレス装置は、静圧型シュープレス装置で必要な油圧ポンプやそのための配管を必要としない分だけ構造を簡略化できコストも抑えることができる。
【0012】
そこで、構造の簡略化やコスト抑制を第1に考えると、動圧型シュープレス装置を採用したい。
しかしながら動圧型シュープレス装置では、抄紙速度の高速化に際し、高粘度の潤滑油を使用するために潤滑油の流体摩擦抵抗に依存する熱損失や必要動力が増大してしまう。そして、潤滑油の流体摩擦抵抗によってプレスシューの温度が上昇して熱変形し、幅方向に均一なニップ圧が得られなくなってしまうという課題がある。さらに、潤滑油の流体摩擦抵抗によって粘弾性部材の温度上昇も生じ、粘弾性部材が劣化して寿命が短くなってしまうという課題もある。
【0013】
混合型シュープレス装置では、粘弾性部材202を支持する力の一部が動圧成分によって負担されることから、一般的な静圧型シュープレス装置に比較して静圧成分が負担する力は小さくてすみ、静圧型シュープレス装置に比較して小さな油圧ポンプを用いることも可能になるが、静圧型シュープレス装置ほどでないにしても、高圧の潤滑油を供給するために、油圧ポンプやそのための配管を必要とするので、動圧型シュープレス装置に比べてやはり構造が複雑になり、コストも増大する。
【0014】
さらに、混合型シュープレス装置では、プレスシュー201に油供給孔213や静圧ポケット212を穿設するが、これには精密加工を要するため、製造コスト増を招き、しかも、油供給孔213はウェブ幅方向に断続的に配設されることになるので、ウェブ幅方向に、油圧や油温のムラが生じて均一ニップが得られないおそれもある。
【0015】
この結果、構造の簡素化やコスト面を考えると、やはり動圧型シュープレス装置を採用しながら、動圧型シュープレス装置における不具合を如何に改善するかが課題となる。
特に、ENP−Cの場合、粘弾性部材(ブランケット)はプレスシューのプレス面に極めて短い周期で接触しニップ圧反力を受けるため、高粘度の潤滑油を使用する動圧型シュープレス装置では、抄紙速度の高速化やニップ圧の高圧化に際し、潤滑油の流体摩擦抵抗によってプレスシューの温度が上昇して熱変形し、幅方向に均一なニップ圧が得られなくなってしまうという課題がより深刻になる。
【0016】
また、動圧型シュープレス装置の場合、ニップ部の下流側(プレスシューの出側)ほど潤滑油の油圧が高まり潤滑油の膜厚も薄くなるため、ニップ部の下流側ほど潤滑油の温度上昇が激しくなり、比較的耐熱温度の低いブランケットの温度上昇も大きくなりやすく、ブランケットの熱劣化が一層大きな課題となる。
そこで、本発明の案出過程で、図7に示すような動圧型シュープレス装置が考えられた。
【0017】
このシュープレス装置は、図7に示すように、プレスシュー1は潤滑油の動圧によって粘弾性部材(ブランケット)2を支持し、カウンタロール3側へ押し付けるようになっており、プレスシュー1の入側11a、即ち、ブランケット2内面がプレスシュー1のプレス面11に接触し始める部分に、入側シャワー13が設けられており、ここからブランケット2の内面におけるシュー1とブランケット2との間に潤滑油が噴射されて、ブランケット12の内面のシュー1とブランケット2との間に潤滑油膜が形成されるようになっている。
【0018】
本装置では、これに加えて、プレスシュー1の出側11b、即ち、ブランケット12の内面がプレスシュー1のプレス面11との接触を終え出てくる部分にも、出側シャワー14が設けられ、ここからブランケット2内面のシュー1の後端部に潤滑油が噴射されるようになっている。このシャワー14から噴射された潤滑油により、最も加熱しやすいプレスシュー1のプレス面11の出側11b部分において、プレス面11及びブランケット2を冷却するようになっている。つまり、出側シャワー14から噴射される潤滑油は、もちろん本来の潤滑機能を有するが、ここでは主として冷却媒体として用いられるのである。
【0019】
また、ブランケット2の内面に付着した潤滑油は、出側シャワー14の下流に配置されたスクレーパ15によって掻き取られて回収され、冷却されて、再び、入側シャワー13,出側シャワー14から、ブランケット2の内面に噴射されるようになっている。なお、スクレーパ15としては、例えば図8に示す米国特許公報6206813号に開示されたもの(符号313)等の公知のものを適用しうる。なお、図8中、301はシュー、302は粘弾性部材、303はカウンタロール、311はカウンタロールのセンタシャフト、312はスクレーパ313により表面の付着物を掻き取られる粘弾性部材302の内面である。
【0020】
このような構成によって、最も加熱しやすいプレスシュー1のプレス面11の出側11b部分において噴射された潤滑油により、プレス面11及びブランケット2が冷却されるため、比較的耐熱温度の低いブランケットの温度上昇を効率よく抑制することができるのである。
しかしながら、抄紙速度の高速化やニップ圧の高圧化を進めると、図7に示すようなシュープレス装置でも、ブランケットの温度上昇を十分に抑制することは困難であり、ENP−Cのシュープレス装置に動圧型を採用するには、ブランケットの温度上昇をより抑制できる工夫が必要になる。
【0021】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、筒状の粘弾性部材(ブランケット)を用いる動圧型シュープレス装置において、粘弾性部材の温度上昇をより抑制することができるようにした、シュープレス装置を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1記載の本発明のシュープレス装置は、固定された支持軸の周りを回転可能に配置された筒状の粘弾性部材と、上記粘弾性部材の外面側にウェブを挟んで接するカウンタロールと、上記粘弾性部材を挟んで上記カウンタロールに対向して配置され、上記粘弾性部材の内面側に接するプレスシューと、上記支持軸に設けられて上記プレスシューを上記カウンタロールに向けて押し付けるアクチュエータと、上記プレスシューにおける上記粘弾性部材の出側の上記プレスシューと上記粘弾性部材との間に、冷却用媒体としての機能を兼ね備えた潤滑油を供給する第1の潤滑油供給手段と、上記第1の潤滑油供給手段の下流側に接近して配置され、上記粘弾性部材の内面側に付着した潤滑油を回収する潤滑油回収手段と、上記潤滑油回収手段の下流側に接近して配置され、上記粘弾性部材の内面側に、冷却用媒体としての機能を兼ね備えた潤滑油を供給する第2の潤滑油供給手段とを備えていることを特徴としている。
【0023】
上記プレスシューにおける上記粘弾性部材の入側の上記プレスシューと上記粘弾性部材との間に、冷却用媒体としての機能を兼ね備えた潤滑油を供給する第3の潤滑油供給手段が設けられていることが好ましい(請求項2)。
上記潤滑油回収手段により回収されたオイルを、上記の各潤滑油供給手段を通じて再び上記粘弾性部材の内面側又は上記プレスシューと上記粘弾性部材との間に供給するオイル循環回路が設けられていることが好ましい(請求項3)。
【0024】
上記オイル循環回路に、オイルを冷却する冷却手段が介装されていることが好ましい(請求項4)。
上記の各潤滑油供給手段は、潤滑油を上記粘弾性部材の内面側又は上記プレスシューと上記粘弾性部材との間に噴射するシャワーであることが好ましい(請求項5)。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
[第1実施形態]
図1,図2は本発明の第1実施形態としてのシュープレス装置を示すもので、図1はその模式的な断面図、図2はその要部の模式的な断面図である。
【0026】
図1に示すように、本シュープレス装置は、固定された支持軸(図1中では図示略)の周りを回転可能に配置された筒状のブランケット(粘弾性部材)2と、ブランケット2の外面側にウェブ4を挟んで接するカウンタロール3と、ブランケット2を挟んでカウンタロール3に対向して配置され、ブランケット2の内面側に接するプレスシュー1とをそなえ、いわゆるENP−Cとして構成されている。なお、詳細には、図2に示すように、ブランケット2とウェブ4との間、及び、カウンタロール3とウェブ4との間には、それぞれフェルト5,6が介装される。
【0027】
プレスシュー1は、図2に示すように、支持軸12に弾性体(ここではスプリング)12b,12c等によって、カウンタロール3に対する離接方向に移動可能に支持され、油室12dへの作動油の供給に応じて出没する油圧ピストン(アクチュエータ)12aによって、カウンタロール3側に駆動され、ブランケット2をカウンタロール3側に押圧するようになっている。
【0028】
図1に示すように、このシュープレス装置には、プレスシュー1のプレス面11における出側11b、即ち、ブランケット内面2aがプレスシュー11のプレス面11との接触を終え出てくる部分に、第1の潤滑油供給手段としての出側シャワー14が設けられており、プレスシュー1のプレス面11の出側11b部分におけるプレス面11及びブランケット12に潤滑油が噴射・供給されるようになっている。
【0029】
さらに、出側シャワー14の下流には、出側シャワー14に接近してスクレーパ15が配置されており、ブランケット2の内面2aに付着した潤滑油を掻き取って回収するようになっている。
さらに、スクレーパ15の下流には、スクレーパ15に接近して入側シャワー16が配置されており、スクレーパ15で潤滑油を掻き取られた直後のブランケット2の内面2aに、第2の潤滑油供給手段としての入側シャワー16から潤滑油を噴射するようになっている。
【0030】
また、スクレーパ15により回収された潤滑油は、図示しないフィルタでフィルタリング処理を行なわれ、さらに、冷却装置(冷却手段)17で冷却されて再びシャワー14,16から噴射されるように、スクレーパ15及びシャワー14,16が接続されたオイル循環回路18が形成されている。
出側シャワー14は、図7を参照して既に説明したように、最も加熱しやすいプレスシュー1のプレス面11の出側11b部分において冷却された潤滑油を噴射することにより潤滑油を冷却媒体として、プレス面11及びブランケット2を冷却するためのもので、この出側シャワー14から噴射される潤滑油は、もちろん本来の潤滑機能を有するが、主として冷却媒体として用いられる。
【0031】
また、入側シャワー16から噴射される潤滑油は、プレスシュー1の入側11a、即ち、ブランケット12内面がプレスシュー1のプレス面11に接触し始める部分におけるプレスシュー1のプレス面11とブランケット2の内面2aとの間に供給するためのものであって、この点では、入側シャワー16は図7に示した入側シャワー13の機能を有するが、本装置の入側シャワー16は、プレスシュー1の入側11aよりも可能な限り上流側のブランケット内面2aに潤滑油を噴射するように配置されている。
【0032】
入側シャワー16をこのように配置しているのは、ブランケット内面2aに付着しブランケット2と共に回転する潤滑油(リミング油)の膜厚がスクレーパ15により掻き取られて薄くなったところに、低温の潤滑油を供給してリミング油を低温で膜厚のあるものとして、このリミング油(潤滑油)によってブランケット2の熱を吸収しブランケット2を冷却しようとするためである。つまり、入側シャワー16から噴射される潤滑油も冷却媒体としても機能させるのである。
【0033】
ブランケット2を効率よく冷却するには、入側シャワー16をプレスシュー1の入側11aからできるだけ離して、入側シャワー16からの潤滑油によって冷却されるブランケット内面2aの面積を増大させることが有効であり、ここでは、入側シャワー16を、プレスシュー1の入側11aからできる限り離れるようにスクレーパ15の直下流部に配置している。
【0034】
なお、スクレーパ15は、潤滑に使用された後の潤滑油をできるだけ早く回収して処理することが好ましく、この点から、スクレーパ15を出側シャワー14の下流において出側シャワー14により接近させることが好ましいが、入側シャワー16からの潤滑油によって冷却されるブランケット内面2aの面積を増大させるという観点からも、スクレーパ15を出側シャワー14に可能な限り接近させて、入側シャワー16を、このスクレーパ15の直下流部に配置することが好ましい。
【0035】
本発明の第1実施形態としてのシュープレス装置は、上述のように構成されているので、最も加熱しやすいプレスシュー1のプレス面11の出側11b部分において出側シャワー14から噴射された潤滑油により、プレス面11及びブランケット2が効率よく冷却されるため、比較的耐熱温度の低いブランケットの温度上昇を効率よく抑制することができる。
【0036】
これに加えて、入側シャワー16からブランケット内面2aに噴射された潤滑油のリミング油により、ブランケット2が冷却されるので、耐熱温度の低いブランケットの温度上昇をさらに抑制することができる。
このようにして、ブランケット2の温度上昇を抑制することによって、抄紙速度をより高速にしたり、ニップ圧をより高いものにしたりして、シュープレスを行なっても、ブランケット2の耐熱性を確保できるようになる。
【0037】
これに関して行なった実験例によれば、ニップ圧:800kN/m,抄紙速度:分速2000mの作動条件下で、図7に示す装置と図1に示す本装置とを比較すると、ニップ部下流(プレスシュー1の出側11b)におけるブランケット表面の温度が100℃程度からほぼ3℃低下したことが確認できた。
ブランケット2の耐熱温度は80℃ほどと低いが、ニップ部下流(プレスシュー1の出側11b)でよりニップ部に近い位置で入側シャワー16から低温の潤滑油を噴射すれば、ブランケット2の温度を耐熱温度以下に下げることが可能になる。
【0038】
[第2実施形態]
図3は本発明の第2実施形態としてのシュープレス装置を示す模式的な断面図である。
図3及び図2(二点鎖線参照)に示すように、本シュープレス装置は、第1実施形態のものに、図7に示す第3の潤滑油供給手段としての入側シャワー13を追加したものである。つまり、入側シャワーとして、スクレーパ15の直下流に配置された入側第1シャワー16と、プレスシュー1の入出側11aに配置された入側第2シャワー13とを備えている。
【0039】
本発明の第2実施形態としてのシュープレス装置は、上述のように構成されているので、入側第2シャワー13も加わって、より冷却性能が向上し、比較的耐熱温度の低いブランケットの温度上昇をより効率よく抑制することができる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の各実施形態では、図2に示すように、一般的な動圧型シュープレス装置に本発明を適用した場合に説明したが、本発明を他の構成の動圧型シュープレス装置に適用することは勿論可能である。
また、潤滑油の供給は、いずれかの手段で行なえばよくシャワーによる噴射に限るものではない。
【0041】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1記載の本発明のシュープレス装置によれば、第1の潤滑油供給手段により、最も高温になりやすいプレスシューにおける粘弾性部材の出側のプレスシューと上記粘弾性部材との間に、冷却用媒体としての機能を兼ね備えた潤滑油が供給されるので、プレスシューや粘弾性部材の温度上昇が抑制され、潤滑油回収手段で潤滑油が回収された後の粘弾性部材の内面側に、第2の潤滑油供給手段によって、冷却用媒体としての機能を兼ね備えた潤滑油が供給されるので、プレスシューの温度上昇がさらに抑制されるようになり、プレスシューや粘弾性部材の耐久性、及びニップの均一性が高められる。
【0042】
上記プレスシューにおける上記粘弾性部材の入側の上記プレスシューと上記粘弾性部材との間に、冷却用媒体としての機能を兼ね備えた潤滑油を供給する第3の潤滑油供給手段を設ければ、プレスシューや粘弾性部材の温度上昇がさらに抑制され、プレスシューや粘弾性部材の耐久性、及びニップの均一性が一層高められる(請求項2)。
【0043】
上記潤滑油回収手段により回収されたオイルを、上記の各潤滑油供給手段を通じて再び上記粘弾性部材の内面側又は上記プレスシューと上記粘弾性部材との間に供給するオイル循環回路に、オイルを冷却する冷却手段を介装することで、プレスシューや粘弾性部材の温度上昇がさらに抑制され、プレスシューや粘弾性部材の耐久性、及びニップの均一性が一層高められる(請求項4)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのシュープレス装置を示す模式的な断面図である。
【図2】本発明の第1実施形態としてのシュープレス装置の要部を示す模式的な断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態としてのシュープレス装置を示す模式的な断面図である。
【図4】従来例の動圧型シュープレス装置の要部を示す模式的な断面図である。
【図5】従来例の混合型シュープレス装置の要部を示す模式的な断面図である。
【図6】各形式のシュープレス装置のニップ圧特性を示す図であって、(a)は動圧型の特性図、(b)は静圧型の特性図、(c)は混合型の特性図である。
【図7】本発明の案出過程で創案されたシュープレス装置を示す模式的な断面図である。
【図8】本発明の案出過程で創案されたシュープレス装置の構成要素を説明するための従来例のシュープレス装置を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
1 プレスシュー
2 ブランケット(粘弾性部材)
2a ブランケット内面
3 カウンタロール
4 ウェブ
5,6 フェルト
11 プレスシュー1のプレス面
11a プレスシュー1の入側
11b プレスシュー1の出側
12 支持軸
12a 油圧ピストン(アクチュエータ)
12b,12c 弾性体(スプリング)
12d 油室
13 第3の潤滑油供給手段としての入側シャワー(入側第2シャワー)
14 第1の潤滑油供給手段としての出側シャワー
15 潤滑油回収手段としてのスクレーパ
16 第2の潤滑油供給手段としての入側シャワー(入側第1シャワー)
17 冷却装置(冷却手段)
18 オイル循環回路

Claims (5)

  1. 固定された支持軸の周りを回転可能に配置された筒状の粘弾性部材と、
    上記粘弾性部材の外面側にウェブを挟んで接するカウンタロールと、
    上記粘弾性部材を挟んで上記カウンタロールに対向して配置され、上記粘弾性部材の内面側に接するプレスシューと、
    上記支持軸に設けられて上記プレスシューを上記カウンタロールに向けて押し付けるアクチュエータと、
    上記プレスシューにおける上記粘弾性部材の出側の上記プレスシューと上記粘弾性部材との間に、冷却用媒体としての機能を兼ね備えた潤滑油を供給する第1の潤滑油供給手段と、
    上記第1の潤滑油供給手段の下流側に接近して配置され、上記粘弾性部材の内面側に付着した潤滑油を回収する潤滑油回収手段と、
    上記潤滑油回収手段の下流側に接近して配置され、上記粘弾性部材の内面側に、冷却用媒体としての機能を兼ね備えた潤滑油を供給する第2の潤滑油供給手段とを備えている
    ことを特徴とする、シュープレス装置。
  2. 上記プレスシューにおける上記粘弾性部材の入側の上記プレスシューと上記粘弾性部材との間に、冷却用媒体としての機能を兼ね備えた潤滑油を供給する第3の潤滑油供給手段が設けられている
    ことを特徴とする、請求項1記載のシュープレス装置。
  3. 上記潤滑油回収手段により回収されたオイルを、上記の各潤滑油供給手段を通じて再び上記粘弾性部材の内面側又は上記プレスシューと上記粘弾性部材との間に供給するオイル循環回路が設けられている
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載のシュープレス装置。
  4. 上記オイル循環回路に、オイルを冷却する冷却手段が介装されている
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシュープレス装置。
  5. 上記の各潤滑油供給手段は、潤滑油を上記粘弾性部材の内面側又は上記プレスシューと上記粘弾性部材との間に噴射するシャワーである
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のシュープレス装置。
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