JP3993455B2 - ビーズミル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サスペンション(混濁液)等の被処理物にビーズ状の処理物を混合し処理物を被処理物に衝突させて被処理物を分散するビーズミル(被処理物分散機)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来では、例えば図3に示すようないわゆる二重円筒タイプのビーズミル100がある。このビーズミル100は、内部に空間部102が形成されたビーズミル本体104を有している。このビーズミル本体104の径方向内側(中心側)には、貫通孔106が形成されている。
【0003】
また、ビーズミル100は、貫通孔106に回転可能に設けられたシャフト108を有している。このシャフト108の先端部には、下側に開く円筒部110が一体形成されている。この円筒部110は空間部102に位置している。なお、この円筒部110は、シャフト108の回転と共に回転する構成となっている。
【0004】
また、円筒部110には、ビーズミル本体出口側に到達したビーズ112をビーズミル本体入口側に移動させるためのビーズ通過孔114が周方向に沿って複数形成されている。
【0005】
ところが、図3に示すビーズミル100では、空間部102に円筒部110を配置させる構成にしているため、円筒部110及びビーズミル本体104の形状が複雑になり、これらにセラミック等の耐摩耗材を適用しにくい問題がある。
【0006】
一方、図4に示すように、いわゆる円盤型ロータを備えたビーズミル200がある。このビーズミル200では、駆動部を構成するシャフト202の外周に複数のリング204が設けられている。また、このリング204には、複数の孔(図示省略)が形成されている。このようにリング204に孔を形成することによりビーズを逆流させ、局所的なビーズの流され防止効果、サスペンションの分散効果を高めている。
【0007】
ところで、図4に示すビーズミル200では、リング204に孔を形成した場合でも、ビーズの流され防止効果が局所的なものに過ぎないので、ビーズミル全体としてみれば、ビーズ出口部渋滞を防止できないという問題がある。
【0008】
また、シャフト202及びリング204の回転力により、ビーズを逆流させるため、リング204へのビーズの激しい衝突が起こり、セラミック等の耐摩耗材であってもリング204の破片がサスペンションに混入するという問題がある。
【0009】
一方、図5に示すように、ビーズミル300の外部に、サスペンションから分離したビーズミル出口近傍のビーズのみをビーズミル入口側に搬送するビーズ搬送手段302を設けたビーズミル300がある。
【0010】
ところが、このビーズミル300を使用すると、ビーズがビーズ搬送手段302で搬送される関係上、多量のビーズが必要となる問題がある。
【0011】
また、ビーズ搬送手段302によりビーズが搬送されるため、ビーズがビーズ搬送手段302でつまったり、ビーズの搬送中にビーズがビーズ搬送手段302に衝突しビーズ搬送手段302が摩耗(破損)するといった問題がある。
【0012】
さらには、ビーズ搬送手段302の内部にビーズが沈降し、サスペンションの粘度等の条件により、搬送距離が長くなればなるほど安定したビーズの搬送に問題がある。したがって、ビーズミルの種類(機種)ごとに特別な搬送方法が必要となり、システムが複雑になるという問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、特に、被処理物に処理物を衝突させて被処理物を分散させる分散手段を複数設け、被処理物を全ての分散手段で分散させることにより、比較的簡易な構成で分散効果を一層高めることができるビーズミルを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
請求項1に記載の被処理物分散機では、内部がサスペンションをビーズとともに撹拌して分散させる上側分散室及び下側分散室に分割されたビーズミル本体と、前記上側分散室及び下側分散室の内部に各々設置されて回転するシャフトの外周に複数のリングが固定されている分散手段と、前記上側分散室と前記下側分散室との間を一方及び他方の端部付近で各々連通させる連通路と、前記上側分散室の他方の端部付近に設けられて分散後の前記サスペンションから前記ビーズを分離させる分離手段と、前記上側分散室に形成されて前記分離手段を通過した前記サスペンションを外部に排出する排出口とを備え、
前記ビーズは、前記一方及び他方の連通路を通って前記上側分散室及び前記下側分散室を循環させられるとともに、前記分離手段でサスペンションから分離されたビーズは、前記分離手段近傍に配置した前記他方の端部付近の前記連通路を介して前記下側分散室へ自由落下させられることを特徴とする。
【0015】
本発明のビーズミルによれば、上側分散室及び下側分散室の内部には予めビーズが貯溜されており、上側分散室及び下側分散室の内部では、ビーズとともに撹拌されるサスペンションが分散される。
ここで、分散室内部の分散手段が回転することにより、サスペンションにビーズが衝突する。サスペンションにビーズが衝突すると、サスペンションが分散される。
特に本発明のビーズミルでは、複数の分散手段が設けられているので、サスペンションが搬送手段により複数の分散室全てに搬送されてそれぞれの分散手段により分散される。その後、分散されたサスペンションは分離手段によりビーズと分離され、サスペンションだけが取り出されて製品として使用される。
本発明のビーズミルによれば、サスペンションが分散手段の個数分だけ複数回分散されることにより、分散効果を一層高めることができ、又各分散室間を端部付近で各々連通させる連通路により接続しているため、ビーズの循環路が確立しており、各分散手段での回転力の相乗効果により、安定したビーズの循環を得ることができ、ビーズの分離性及びサスペンションの分散効果を高めることができる。
ここで、従来技術で示したいわゆる二重円筒タイプのビーズミルにおいても、円筒部を基準として半径方向内側に位置する内側空間部と円筒部を基準として半径方向外側に位置する外側空間部とで、サスペンションを分散させることができるが、特に本発明のビーズミルでは、複数の分散手段においてビーズを積極的に循環させてサスペンションを分散させるため、従来のビーズミルでは奏し得なかった特有の効果を得ることができる。
また、本発明のビーズミルでは、複数の分散手段を有しているので、従来の二重円筒タイプのビーズミルと比較して、分散室及び分散手段の形状が複雑とはならない。このため、分散室及び分散手段に、特殊耐摩耗鋼、セラミック、超硬合金等の耐摩耗材を適用し易くすることができる。この結果、分散室及び分散手段への処理物の衝突により発生する分散室及び分散手段の破片が被処理物に混入することを低減できる。
【0016】
請求項2に記載のビーズミルにおいて、前記サスペンションは、先端が前記他方の端部付近に設けられた連通路に位置するノズルから前記下側分散室に供給されることを特徴とする。
【0017】
本発明のビーズミルによれば、サスペンションは、先端が他方の端部付近に設けられた連通路に位置するノズルにより分散室内部に供給される。こうして分散室内部に供給されたサスペンションは、ビーズと混合された状態で撹拌される。
【0018】
請求項3に記載のビーズミルにおいて、前記サスペンションは、前記下側分散室の他方の端部付近に形成された流入口から下側分散室内に供給され、前記他方の端部付近に設けられた連通口には、該連通口を貫通するシャフトの先端に取り付けられて回転し、前記連通口を閉塞するとともに軸線が鉛直方向に対して傾斜するように形成された複数の貫通孔を有する円盤状の拡径部材を備え、
前記ビーズは、前記一方の端部付近の連通路及び前記他方の端部付近の連通路内で回転する前記貫通孔を通って前記上側分散室及び前記下側分散室を循環させられることを特徴とする。
【0019】
本発明のビーズミルによれば、サスペンションは、下側分散室の他方の端部付近に形成された流入口から下側分散室内に供給される。こうして分散室内部に供給されたサスペンションは、ビーズと混合された状態で撹拌される。ここで、分離手段の近傍には連通口の流路が設けられているため、分離手段により分離されたビーズは流入口が接続された分散室に戻される。このため、サスペンションの分散工程が終了すると、ビーズは常に流入口が接続している分散室に位置し、次のサスペンションの分散工程に備えることができる。ここで、シャフト及び拡径部材を回転させることにより、ビーズは貫通孔を通して流入口と接続されている下側の分散室に掻き落とされる。この結果、ビーズの循環効果を高めることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1実施形態に係るビーズミルについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0031】
図1に示すように、本実施形態のビーズミル10(被処理物分散機)はビーズミル本体12を備えている。
【0032】
ビーズミル本体12は全体として円筒状に形成されており、その内部には上側分散室14(分散室、最高位置分散室)と下側分散室16(分散室)の2つの分散室が形成されている。なお、上側分散室14と下側分散室16とは仕切板18で仕切られている。
【0033】
下側分散室16にはモータ等の駆動手段(図示省略)により回転可能とされた下側シャフト20(分散手段)が配置されている。この下側シャフト20の外周には複数の下側リング22(分散手段)が固定されている。したがって、駆動手段が作動すると、下側シャフト20が回転し、各下側リング22が下側シャフト20と共に回転するようになっている。なお、下側分散室16には、予め、サスペンション(被処理物)を分散ないし粉砕するメディアとしてのビーズ24(処理物)が貯溜されている。
【0034】
一方、上側分散室14にはモータ等の駆動手段(図示省略)により回転可能とされた上側シャフト26(分散手段)が配置されている。この上側シャフト26の外周には複数の上側リング28(分散手段)が固定されている。したがって、駆動手段が作動すると、上側シャフト26が回転し、各上側リング28が上側シャフト26と共に回転するようになっている。
【0035】
このように、上側分散室14と下側分散室16とは、重力の作用方向(図1中矢印g方向)に並んで設けられている。また、上側シャフト26と下側シャフト20とも同様に、重力の作用方向に並んで設けられている。
【0036】
下側分散室16の一方の端部近傍には、上側分散室14の一方の端部近傍に連通する連通路30(搬送手段)が形成されている。下側分散室16でビーズ24(処理物)により分散されたサスペンション(図示省略、被処理物)がこの連通路30を通って上側分散室14に進入する。
【0037】
また、下側分散室16の他方の端部近傍には、上側分散室14の一方の端部近傍に連通する連通路36(搬送手段)が形成されている。上側分散室14で後述の鉄網32(分離手段)によりサスペンションから分離したビーズ24と後述のノズル34(供給手段)から供給されたサスペンションとの混合物がこの連通路36を通って下側分散室16に進入する。
【0038】
図1に示すように、上側分散室14の他方の端部近傍にある連通路36の鉛直上方(重力の作用方向と反対方向)には、サスペンションからビーズ24を分離するための鉄網32が設けられている。この鉄網32のメッシュは、ビーズ24の通過を阻止する程度の大きさに設定されている。
【0039】
また、上側分散室14には、鉄網32を通過したサスペンションを外部に排出する排出口38が形成されている。なお、図示しないが、この排出口38にはサスペンションを吸引する吸引ポンプが接続可能である。
【0040】
また、連通路36にはサスペンションを下側分散室16に供給するためのノズル34の先端が位置している。このノズル34は上側分散室14の外周面から上側分散室14内部に挿通されている。さらに、このノズル34の先端は下側分散室16に向けられており、重力の作用方向に向かってサスペンションを噴射するようになっている。なお、図示しないが、ノズル34にはサスペンションを下側分散室16に押し出す押出ポンプ(供給手段)が接続されている。
【0041】
本実施形態のビーズミル10では、上側分散室14及び下側分散室16の2つの分散室を設けたタイプを説明したが、これに限られるものではない。例えば、図示しないが、分散室は複数個あれば良く、さらに好ましくは偶数個あれば良い。
【0042】
次に、本発明の第1実施形態に係るビーズミル10の作用及び効果について説明する。
【0043】
図1に示すように、押出ポンプが作動しノズル34の先端からサスペンション(混濁液)が噴射される。噴射されたサスペンションは、連通路36を通って下側分散室16に供給される。
【0044】
駆動手段により下側シャフト20及び下側リング22が回転(図1中矢印B方向)すると、下側分散室16に供給されたサスペンションは、予め下側分散室16に配置されたビーズ24と共に、下側分散室16内部を攪拌されながら図1中矢印C方向に向かって移動していく。このとき、ビーズ24がサスペンションと衝突し、サスペンションが分散ないし粉砕される。
【0045】
サスペンションがビーズ24と共に下側分散室16の端部まで到達すると、連通路30を通って上側分散室14に進入する。上側分散室14においても同様に、上側シャフト26及び上側リング28が回転(図1中矢印D方向)することにより、サスペンションは、上側分散室14内部を攪拌されながら図1中矢印E方向に向かって移動していく。このとき、ビーズ24がサスペンションと衝突し、サスペンションが分散ないし粉砕される。このように、本発明のビーズミル10では、下側分散室16及び上側分散室14という2つの分散室でサスペンションを分散ないし粉砕していく。
【0046】
上側分散室14で分散されたサスペンションは、ビーズ24と共に鉄網32に引き込まれる。鉄網32に接触すると、ビーズ24は鉄網32を通過できずビーズ24は下方に自由落下するとともに、サスペンションは鉄網32を通過し排出口38から外部に排出される。外部に排出されたサスペンションは、製品として使用される。
【0047】
一方、鉄網32を通過できず下方に落下したビーズ24は、連通路36を通って下側分散室16に進入する。そして、次のサスペンションの分散工程に備えることになる。このように、特に機械的な手段を用いず、比較的比重の重いビーズ24の自由落下を利用して下側分散室16に戻すことができる。
【0048】
ここで、再度ノズル34の先端からサスペンションを噴射すると、回転する装置を用いなくともサスペンション噴流により負圧を発生させ、この負圧を利用してビーズ24を下側分散室16に戻し、下側分散室より上側分散室に逆流しようとするサスペンション流れを防止する効果をも合わせ持つ。
【0049】
以上のように、本実施形態のビーズミル10によれば、サスペンションが下側分散室16及び上側分散室14という2つの分散室で分散されることにより、分散効果を一層高めることができ、サスペンションの製品の品質を向上させることができる。
【0050】
また同時に、下側分散室16及び上側分散室14間を連通路30、36により接続しているため、下側分散室16での下側シャフト20及び下側リング22の回転力と上側分散室14での上側シャフト26及び上側リング28の回転力の相乗効果により、各分散室でより一層大きな回転力を得ることができ、さらにサスペンションの逆流防止効果を高めることができる。
【0051】
また、特に本発明のビーズミル10では、2つの分散室においてサスペンションを循環分散させるため、それぞれの分散室14、16でのビーズの積極的な循環という従来のビーズミルでは奏し得なかった特有の効果を得ることができる。
【0052】
また、本発明のビーズミル10では、図3に示す二重円筒タイプのビーズミル100と比較して、各分散室14、16及び各リング28、22の形状が複雑とはならない。このため、各分散室14、16及び各リング28、22に、特殊耐摩耗鋼、セラミック、超硬合金等の耐摩耗材を適用し易くすることができる。この結果、各分散室14、16及び各リング28、22へのビーズ24の衝突により発生する各分散室14、16及び各リング28、22の破片がサスペンションに混入することを低減できる。
【0053】
特に各分散室14、16と各シャフト26、20及び各リング28、22の個数を偶数個とすることにより、サスペンションを別の分散室内部で分散させながら最終的にノズル34側に戻すことができる。この結果、サスペンションをノズル34側に搬送する手段を別途設ける必要がない。
【0054】
また、サスペンションから分離したビーズ24は、上側分散室14内部に落とされるが、ビーズ24は自由落下して連通路36をそのまま自由落下し下側分散室16に戻される。このため、サスペンションの分散工程が終了すると、ビーズ24は常に下側分散室16に戻され、次のサスペンションの分散工程に備えることができる。
【0055】
また、ノズル34が鉄網32の近傍に配置されている連通路36内部に設けられているため、連通路36内部においてサスペンションから分離されたビーズ24がノズル34から供給されたサスペンションと共に、下側分散室16に供給される。この結果、ビーズ24の循環効果を高めることができる。
【0056】
また、ビーズ24はサスペンションと共に、特に回転する回転部材と接触することなくそのまま下側分散室16内部に供給されるため、ビーズ24が衝突することによる破片が生じず、下側分散室16及び上側分散室14を循環するサスペンションに破片が混入することがない。この結果、サスペンションの製品価値を高めることができる。
【0057】
特に、ノズル34は、重力の作用方向に向かってサスペンションを噴射するため、効率良くサスペンションを下側分散室16に供給することができる。また同時に、ビーズ24も効率良く下側分散室16に落下させることができる。
【0058】
次に、本発明の第2実施形態に係るビーズミルについて、図面を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態のビーズミルの構成と同様の構成には同符号を付し、適宜その説明を省略する。
【0059】
図2に示すように、本実施形態のビーズミル50(被処理物分散機)では、下側分散室16にサスペンションを流入させる流入口52(供給手段)が形成されている。この流入口52には、図示しない押出ポンプ(供給手段)が接続されており、この押出ポンプが作動することにより下側分散室16にサスペンションが供給される。なお、下側分散室16にはビーズ24が貯溜されている。
【0060】
また、上側分散室14の鉄網32近傍には、下側分散室16と上側分散室14とを接続している流路が形成されており、この流路54にはシャフト56が貫通している。なお、この流路54の断面は、円形状となっている。
【0061】
また、図2に示すように、シャフト56の先端には円盤状の拡径部材58(逆止手段)が取り付けられている。この拡径部材58は流路54を閉塞している。この拡径部材58の上面から下面にかけてビーズ24を通すための貫通孔60が複数形成されている。この貫通孔60は、その軸線が重力の作用方向(鉛直方向)に対して傾斜するように形成されている。
【0062】
なお、シャフト56にはモータ等の駆動手段(図示省略)が接続されている。このため、モータが作動すると、シャフト56及び拡径部材58が回転する構成になっている。
【0063】
次に、本発明の第2実施形態に係るビーズミル50の作用及び効果について説明する。
【0064】
本実施形態のビーズミル50によれば、流入口52を通して下側分散室16にサスペンションが供給される。下側分散室16に供給されたサスペンションは、ビーズ24の衝突により分散ないし粉砕されて、ビーズ24と共に連通路30を通って上側分散室14に進入する。
【0065】
上側分散室14に進入したサスペンションは、さらにビーズ24により分散ないし粉砕される。上側分散室14で分散されたサスペンションは、鉄網32によりビーズ24と分離され排出口38を通って外部に排出される。
【0066】
一方、鉄網32を通過できないビーズ24は落下し、鉄網32の近傍に位置する流路54に自由落下していく。
【0067】
ここで、モータが作動するとシャフト56及び拡径部材58が図2中矢印F方向に回転する。シャフト56及び拡径部材58が回転することにより、上側分散室14側のビーズ24が貫通孔60を通って下側分散室16側に進入する。これにより、ビーズ24を下側分散室16に戻すことができ、下側分散室のサスペンションが上側分散室に逆流することも防止できる。
【0068】
以上説明したように、本実施形態のビーズミル50においても第1実施形態のビーズミル10と同様の効果を得ることができる。
【0069】
【発明の効果】
以上説明した本発明のビーズミルにおいては以下の効果を奏する。
請求項1に記載のビーズミルでは、サスペンションが分散手段の個数分だけ複数回分散されることにより、分散効果を一層高めることができ、製品の品質を向上させることができる。
【0070】
また同時に、各分散室間を搬送手段により接続しているため、各分散手段での回転力の相乗効果により、各分散室内部でより一層大きな回転力を得ることができ、さらに被処理物の逆流防止効果を高めることができる。
【0071】
また、分散室及び分散手段が偶数個設けられているため、サスペンションをノズルや流入口に搬送する手段を別途設ける必要がない。
【0072】
また、分散室及び分散手段を2個設けるという比較的簡易な構成で、サスペンションの分散効果を高めることができるとともに、サスペンションを別の分散室内部の分散手段により分散させながら最終的にノズルや流入口側に戻すことができる。
【0073】
また、少なくとも一つの連通路が分離手段の近傍に接続されているため、サスペンションの分散工程が終了すると、ビーズは常にノズルが接続している分散室に位置し、次のサスペンションの分散工程に備えることができる。
【0074】
また、ノズルが分離手段の近傍に配置されている連通路内部に設けられているため、連通路内部においてサスペンションから分離されたビーズは、ノズルから供給されたサスペンションと共に最高位置分散室以外の分散室内部に供給され、ビーズの循環効果を高めることができる。
【0075】
また、ビーズはサスペンションと共に、特に回転する回転部材と接触することなくそのまま最高位置分散室以外の分散室内部に供給されるため、サスペンションが衝突することによる破片が生じず、分散室内部を循環するサスペンションに破片が混入することがない。
【0076】
また、ノズルが重力の作用方向に向かってサスペンションを移送するため、効率良くサスペンションを下側の分散室に供給することができる。また同時に、ビーズも効率良く下側の分散室に落下させることができる。
【0077】
また、分離手段の近傍には流路が設けられているため、分離手段により分離したビーズをノズルまたは流入口が接続された分散室に戻すことができる。
【0078】
請求項3に記載のビーズミルでは、シャフト及び閉塞手段を回転させることにより、貫通孔を通して供給手段が接続されている下側の分散室に処理物を掻き落とすことができ、処理物の循環効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るビーズミルの断面図である。
【図2】 本発明の第2実施形態に係るビーズミルの断面図である。
【図3】 従来のビーズミルの断面図である。
【図4】 従来のビーズミルの断面図である。
【図5】 従来のビーズミルの断面図である。
【符号の説明】
10、50 ビーズミル(被処理物分散機)
14 上側分散室(分散室)
16 下側分散室(分散室)
20 下側シャフト(分散手段)
22 下側リング(分散手段)
24 ビーズ
26 上側シャフト(分散手段)
28 上側リング(分散手段)
30 連通路(搬送手段)
32 鉄網(分離手段)
34 ノズル(供給手段)
36 連通路(搬送手段)
54 流路
56 シャフト
58 拡径手段(閉塞手段)
60 貫通孔
Claims (3)
- 内部がサスペンションをビーズとともに撹拌して分散させる上側分散室及び下側分散室に分割されたビーズミル本体と、
前記上側分散室及び下側分散室の内部に各々設置されて回転するシャフトの外周に複数のリングが固定されている分散手段と、
前記上側分散室と前記下側分散室との間を一方及び他方の端部付近で各々連通させる連通路と、
前記上側分散室の他方の端部付近に設けられて分散後の前記サスペンションから前記ビーズを分離させる分離手段と、
前記上側分散室に形成されて前記分離手段を通過した前記サスペンションを外部に排出する排出口とを備え、
前記ビーズは、前記一方及び他方の連通路を通って前記上側分散室及び前記下側分散室を循環させられるとともに、
前記分離手段でサスペンションから分離されたビーズは、前記分離手段近傍に配置した前記他方の端部付近の前記連通路を介して前記下側分散室へ自由落下させられることを特徴とするビーズミル。 - 前記サスペンションは、先端が前記他方の端部付近に設けられた連通路に位置するノズルから前記下側分散室に供給されることを特徴とする請求項1に記載のビーズミル。
- 前記サスペンションは、前記下側分散室の他方の端部付近に形成された流入口から下側分散室内に供給され、
前記他方の端部付近に設けられた連通口には、該連通口を貫通するシャフトの先端に取り付けられて回転し、前記連通口を閉塞するとともに軸線が鉛直方向に対して傾斜するように形成された複数の貫通孔を有する円盤状の拡径部材を備え、
前記ビーズは、前記一方の端部付近の連通路及び前記他方の端部付近の連通路内で回転する前記貫通孔を通って前記上側分散室及び前記下側分散室を循環させられることを特徴とする請求項1に記載のビーズミル。
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