JP3992767B2 - 計算機処理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、計算機処理システムに関するものであり、更に詳しく言えば、ネットワークに接続され、データベースを分散管理する分散型データベース入出力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、計算機のダウンサイジングが進む一方で、これらの計算機を接続するネットワークの発達及び、データベースを一局集中管理する集中管理方式が都市型災害に弱いことなどから、各々の計算機でデータベースを分散管理する分散管理方式が採用されつつある。
【0003】
図6(A)は、従来例に係る集中管理方式の計算機処理システム(以下第1のシステムという)を示している。図6(A)において、1はホスト計算機、2は外部記憶装置(データベース)、3は端末装置(計算機)である。ホスト計算機1は外部記憶装置2に接続し、各端末計算機3は通信回線9を介してホスト計算機1に接続している。
【0004】
集中管理方式では、ホスト計算機1がデータベースを一括管理し、それに対して各計算機3が入出力を行っている。例えば、データベースに更新事象が発生した場合、その都度、ホスト計算機1はデータベースを更新している。
図6(B)は、従来例に係る分散管理方式の計算機処理システム(以下第2のシステムという)を示している。図6(B)において、4〜7は計算機、8は外部記憶装置(データベース)、200 はネットワークである。各計算機4〜7は外部記憶装置8に接続し、各計算機4〜7はネットワーク200 に接続している。
【0005】
分散管理方式では、各計算機4〜7がデータベースを分散管理し、データベースの更新は、他のデータベースを参照することによって行っている。例えば、ある計算機でデータベースに更新事象が発生した場合、その都度、各計算機4〜7がデータベースを参照してその内容を更新している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術に係る第1のシステムでは、複数の計算機3からデータベースへ同時にアクセスが実行されると、ホスト計算機1は各計算機間の排他制御の調整等を行わなければならない。したがって、ホスト計算機1のCPU(中央演算装置)の負担が重くなったり、データベースの更新要求に対する応答(レスポンス)が遅延したりする。
【0007】
また、ホスト計算機1の異常は全端末装置3に影響を与え、ある計算機で更新事象が発生してもデータベースが更新できず、データ処理が停滞してしまうという問題がある。なお、使用回線のデータ転送能力によってはネットワークレスポンスが悪くなって、実用に耐えられない場合も考えられる。
更に、従来技術に係る第2のシステムでは、各計算機4〜7がネットワーク200 に接続されているので、ネットワークレスポンスの問題は、各々の計算機4〜7のデータベースを参照することで解消することができる。しかし、データベースの更新に関しては、それぞれの計算機4〜7に対して更新ジョブの送受信を行うため、ネットワーク200 の回線の負担が増大したり、データ転送の遅れ等による更新タイムラグが増加したりするという問題がある。また、ネットワーク200 や外部記憶装置8の異常によって、各データベースの内容が同じにならない場合も考えられる。このような場合、通信回線やCPU等の能力にもよるが、他計算機との情報交換が実行できなくなることも予想される。
【0008】
本発明は、かかる従来例の課題に鑑み創作されたものであり、データベースの更新の際にネットワークの負担を極力減らし、及び、外部記憶装置に異常が発生した場合でも、該装置の復帰を待ってデータベースを更新することが可能となる計算機処理システムの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1の計算機処理システムは、その一実施の形態を図3に示すように、ネットワークで接続されている複数の計算機のうち特定の計算機のデータベースに生じた更新事象を基に他の計算機のデータベースを更新する計算機処理システムにおいて、図1に示すように、前記特定の計算機における更新事象の発生する時刻及び発生件数を記憶する記憶手段と、前記他の計算機のデータベースを一括更新するための更新ジョブの実行を起動する更新ジョブ起動手段とを備え、前記記憶手段に記憶された更新事象の発生した時刻及び発生件数とから単位時間に起動する更新ジョブの起動回数を算出する手段によって前記更新ジョブの実行を起動することを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の計算機処理システムは、第1のシステムにおいて、前記他の計算機への更新ジョブは、前記特定の計算機からみて右回りおよび左回りに並行して行うことを特徴とする。
本発明の第3の計算機処理システムは、前記特定の計算機を更新ジョブの対象から除外したり、該更新ジョブの実行順番を制御したりする更新ジョブ制御手段を備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明の第4の計算機処理システムは、前記特定の計算機のデータベース更新中またはデータベースにデータを入力中に、前記特定の計算機に異常が検出され、該異常が解消されたとき、前記特定の計算機のデータベースと同じ内容のデータベースを持つ前記他の計算機のデータベースの内容を前記特定の計算機のデータベースに複写し、その後、前記データベースの更新ジョブを続けることを特徴とする。
【0012】
本発明の第5の計算機処理システムは、第4のシステムにおいて、前記特定の計算機の異常が解消しないとき、前記他の計算機のうち使用できる計算機のデータベースにデータを複写し、かつ、前記使用できる計算機のデータベースのアドレスと前記特定の計算機のデータベースのアドレスとを対応させていることを特徴とする。
本発明の第6の計算機処理システムは、第4のシステムにおいて、前記特定の計算機に異常が検出されたとき、前記他の計算機のうち前記特定の計算機からネットワーク上で最も近くかつ更新すべき優先度の高い計算機のデータベースの内容を前記特定の計算機のデータベースに複写することを特徴とする。
【0013】
本発明の第7の計算機処理システムは第1のシステムにおいて、前記特定の計算機においてデータベースに更新事象が発生した段階で、前記特定の計算機から前記他の計算機のうち1つの計算機へ更新内容をバックアップしておき、前記特定の計算機に異常があった場合は、前記バックアップした計算機で更新ジョブを実行することを特徴とする。
本発明の第8の計算機処理システムは、第7のシステムにおいて、前記更新事象が発生した前記特定の計算機に異常があった場合は、前記バックアップした計算機の更新ジョブと共に前記他の計算機に対する更新ジョブを並行して実行することを特徴とし、上記目的を達成する。
【0014】
本発明の第1の計算機処理システムでは、更新ジョブ起動手段によって、特定の計算機の更新事象の発生する時間帯及び発生件数が管理され、他の計算機のデータベースを一括更新するための更新ジョブの実行数を、発生件数の多い時間帯は増やし、発生件数の少ない時間帯は減らすようにされている。従って、更新事象の発生件数の多い計算機では、更新ジョブの実行数を増すことで、ネットワーク回線を使用して他の計算機のデータベースを早く更新できるし、一方、発生件数の少ない計算機では、更新ジョブの実行数を減らし、その回線をあまり使用しないようにすることにより、回線使用の無駄を省くことができる。これにより、ネットワーク回線を効率良く使用することが可能となる。
【0015】
本発明の第2の計算機処理システムでは、特定の計算機から他の計算機へ向けて、二方向から更新を行うことになるので、更新速度が向上する。従って、第1の計算機処理システム以上にネットワーク回線を効率良く使用することが可能となる。
本発明の第3の計算機処理システムでは、更新ジョブ制御手段によって、特定の計算機が更新ジョブの対象から除外されたり、更新ジョブの実行順番が制御されているので、無駄な更新や時間を省くことができる。また、データベースの更新が最も早く必要な計算機に対しては他の計算機に比べて最も早く更新することが可能となる。
【0016】
本発明の第4の計算機処理システムでは、特定の計算機に異常が検出されると、その記憶手段のデータベースと同じ内容のデータベースを持つ他の計算機のデータベースの内容が、その計算機のデータベースに複写されるので、その計算機のデータベースの内容が復元できるとともに、その計算機のデータベースが更新でき、他の計算機のデータベースと同じ内容のデータベースにすることができる。
【0017】
本発明の第5の計算機処理システムでは、他の計算機のうち使用できる計算機のデータベースに複写したデータを読み出すためのアドレスと、元の計算機間のアドレスを対応させているので、今まで通りのアドレスで他の計算機のデータベースにアクセスすることができる。
本発明の第6の計算機処理システムでは、特定の計算機に異常が検出されると、その計算機からネットワーク上で最も近くかつ更新すべき優先度の高い計算機のデータベースの内容が複写されるので、通信回線の占有時間が短くできるとともに、その計算機のデータベースの内容が復元でき、その計算機のデータベースが確実に更新できる。
【0018】
本発明の第7の計算機処理システムでは、更新事象が発生した計算機から他の計算機のうち1つの計算機へ更新内容をバックアップし、更新事象が発生した計算機に異常があった場合は、バックアップした計算機で更新ジョブを実行している。したがって、更新ジョブを実行すべき計算機に異常が生じても、バックアップ計算機からの更新ジョブが実行できるので、リンクしたデータベースの更新が確実に実行できる。
【0019】
本発明の第8の計算機処理システムでは、更新事象が発生した計算機に異常があった場合、バックアップした計算機の更新ジョブと共に他の計算機の更新ジョブを並行して実行している。したがって、更新ジョブ数が多い場合等において、複数台で更新ジョブを実行するので効率的にデータの書換え処理をすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、図を参照しながら本発明の実施の形態について説明をする。図1〜図4は、本発明の実施の形態に係る計算機処理システムを説明する図である。
(1)第1の実施の形態
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る分散型データベース入出力装置を説明する構成図である。この入出力装置はデータベースを分散管理する計算機処理システムで使用するものであり、以下単に計算機という。このシステムでは複数の計算機をネットワークに接続し、特定の計算機のデータベースに生じた更新事象を基に他の計算機のデータベースを更新するように処理を行うものである。
【0021】
図1において、10は当該システムで使用する計算機である。20は、データベースを格納した外部記憶装置であり、記憶手段の一例である。外部記憶装置21は磁気ディスク装置や光磁気ディスク装置等から成り、各計算機10毎に設けられている。
各計算機10は、更新ジョブ起動エディタ11、随時書込み読出し可能なメモリ(以下単にRAMという)12、読出し専用メモリ(以下単にROMという)13、キーボード14、ディスプレイ15、プリンタ16、送受信部17及び中央演算装置(以下単にCPUという)18を有している。
【0022】
更新ジョブ起動エディタ11は、特定の計算機の更新事象の発生件数を管理し、該発生件数に応じて他の計算機のデータベースへの一括更新ジョブの実行数を増減させるように動作する。このエディタ11は更新ジョブ起動手段の一例であり、ソフトプログラムによって実現されるものである。更新ジョブ起動エディタ11は、このRAM12を参照して更新事象が多く発生する時間帯は更新ジョブの起動回数を増やし、反対に、更新事象の発生が少ない時間帯は更新ジョブの起動回数を減らすように動作する。エディタ11は、更新事象の発生件数を累積して更新発生回数を算出したり、この更新発生回数に所定の係数を乗算して1回の起動によってデータベースを更新する更新事象の数を求めたりする演算回路と、更新事象が発生した時刻を出力するタイマ回路等のハード支援を受けている。
【0023】
RAM12は、更新事象が発生した時間と発生回数を一時記憶するテーブルである。RAM12は更新事象が発生すると、例えば、単位時間当たりに発生した更新事象の発生回数を記録する。本実施の形態では、更新事象が発生する度にデータベースの内容を更新することなく、更新事象はRAM12に即座に書き込まれる。ROM13は更新ジョブ起動エディタ11を動作させる制御プログラムを格納したメモリである。ROM13は、データの消去及びその書換えが可能なEPROMやEEPROMであっても良い。
【0024】
キーボード14は、オペレータが制御文等を入力するときに使用する。ディスプレイ15は、データ処理途中のメニュー画面等を表示するように動作する。プリンタ16は、データ処理結果等を紙面に出力するときに使用する。送受信部17は、他の計算機と通信を行うように動作する。送受信部17はネットワーク200 の通信回線に接続されている。送受信部17は、本願発明者が先に特許出願している計算機間通信方法及び装置を利用する。
【0025】
CPU18は、RAM12、ROM13、キーボード14、ディスプレイ15、プリンタ16及び送受信部17の入出力を制御する。CPU18は、他の計算機のデータベースと、当該計算機10のデータべースと整合性を保つために更新事象の発生件数に比例して一括更新ジョブの実行数を制御しながら、データベースを管理する。CPU18は、データベース更新中またはデータベースにデータを入力中、外部記憶装置20にエラーが発生した否かを検出する。CPU18は、演算回路及びタイマ回路を内蔵している。
【0026】
データバス19は、他の計算機からのデータをRAM12や外部記憶装置20に転送するように機能する。データバス19は、RAM12、ROM13、キーボード14、ディスプレイ15、プリンタ16、送受信部17及びCPU18を接続している。これらにより計算機10を構成する。
次に、図2を参照しながら、本実施の形態に係るデータベースの更新時の各計算機の動作を説明する。まず、ステップP1で更新ジョブ起動エディタ11は更新事象の発生を監視する。当該計算機10や、ネットワークに接続された他の計算機において、データべースの更新が生ずるからである。
【0027】
次に、ステップP2で、RAM12は更新事象の発生時刻及び発生回数を記憶する。例えば、当該計算機10で更新事象が発生した場合、直接データベースを更新することなく、RAM12に一端、データが書き込まれる。また、他の計算機で更新事象が発生した場合も、RAM12に一端、データが書き込まれる。ここで、更新ジョブ起動エディタ11はCPU18の支援を受けて次のように動作する。CPU18の演算回路は、更新事象の発生件数を累積して更新発生回数を算出し、そのタイマ回路は更新事象の発生時刻をRAM12に出力する。
【0028】
次いで、ステップP3で更新ジョブ起動エディタ11は更新ジョブの実行数(起動回数)を算出する。エディタ11は、RAM12から更新発生回数を読出し、CPU18の演算回路の支援を受けて、更新発生回数に所定の係数を乗算して1回の起動によって、データベースを一括更新するための更新ジョブの実行数を求める。この係数は、更新事象が多く発生する時間帯は実行数を増やし、反対に、更新事象の発生が少ない時間帯は実行数を減らすような値である。実行数は例えば、10分間に何回であるとか、30分に何回というようにデータベースを一括更新するための回数である。
【0029】
そして、ステップP4でエディタ11は更新ジョブを起動するか否かを検出する。起動するか否かは、実行数の算出終了を検出することにより判断する。更新ジョブを起動する場合(YES)には、ステップP5に移行する。更新ジョブを起動しない場合(NO)には、ステップP3に戻って、実行数の算出を継続する。
更新ジョブの起動によって、ステップP5でエディタ11は更新ジョブを実行する。更新ジョブは、当該計算機や他の計算機のデータべースの内容を書き換える処理である。本実施の形態では、1回の起動によって、先に計算された更新事象の数だけ、まとめてデータベースが一括更新される。
【0030】
その後、ステップP6で計算機処理の終了判断をする。計算機処理を終了しない場合(NO)には、ステップP1に戻る。なお、ステップP6のYESで、計算機処理を終了する。
このようにして本発明の第1の実施の形態に係る計算機処理システムでは、更新ジョブ起動エディタ11によって、特定の計算機の更新事象の発生件数が管理され、該発生件数に応じて他の計算機のデータベースへの一括更新ジョブの実行数が増減されている。従って、更新事象の発生件数の多い計算機では、更新ジョブの実行数を増すことで、ネットワーク200 の回線を使用して他の計算機のデータベースを早く更新できるし、一方、発生件数の少ない計算機では、更新ジョブの実行数を減らすことで、その回線をあまり使用しないようにすることにより、回線使用の無駄を省くことができる。これにより、ネットワーク回線を効率良く使用することが可能となる。
【0031】
(2)第2の実施の形態
図3は、本発明の第2に実施の形態に係る計算機ネットワークシステムの構成図を示している。第2に実施の形態では第1の実施の形態に係る4台の計算機をネットワークに接続してその更新ジョブを実行する場合を示したものである。
図3において、101 〜104 は計算機であり、ネットワーク200 に接続されている。ネットワーク200 は論理的もしくは物理的にリング構造を成している。論理的なリング構造とは、ネットワーク自体は物理的に閉ループを成していないが、データ取決め上閉ループを成しているものである。物理的なリング構造とは、ネットワーク自体が物理的に閉ループを成しているものである。
【0032】
各計算機 101〜104 はデータべースを備えている。本実施の形態に係るシステムでは、例えば、計算機 101で更新事象が発生した場合、他の計算機への更新ジョブは計算機 101からみて右回りおよび左回りに並行して行う。
例えば、計算機 101で更新事象が発生した場合、まず、第1の実施の形態で説明したように更新ジョブが起動される。すると、更新ジョブが起動された計算機101 は、当該計算機101 に隣接する左右の計算機102 及び104 に対しても、その更新ジョブをコピーして起動する。計算機102 への更新ジョブは、右回りに行い、これに並行して、計算機104 への更新ジョブは、左回りに行う。これにより、右方向もしくは左方向にある計算機のデータべースを順次更新することができる。
【0033】
このように本発明の第2の実施の形態に係る計算機ネットワークシステムでは、更新事象が発生した計算機 101から計算機102 及び104 へ向けて、二方向から更新ジョブを実行しているので、一方向から更新ジョブを実行する場合に比べて更新速度が2倍に向上する。これにより、ネットワーク回線を占有している時間が半分になるので第1の実施の形態に比べて回線の使用効率を更に向上させることができる。
【0034】
(3)第3の実施の形態
図4は、本発明の第3の実施の形態に係る計算機処理システムの構成図を示している。第3の実施の形態では、第1の実施の形態に係る計算機の更新ジョブ起動エディタに新たな更新ジョブ制御機能を備えたものである。図4において、201 〜208 は計算機であり、ネットワーク200 に接続されている。21は、計算機201 の更新ジョブ制御エディタである。この制御エディタ21は第1の実施の形態に係る更新ジョブ制御エディタの機能に加えて、特定の計算機を更新ジョブの対象から除外したり、該更新ジョブの実行順番を制御したりする機能を備えている。
【0035】
例えば、計算機201 及び205 をホスト計算機として本社及び支社等の拠点に設置し、計算機202 〜204 、206 〜208 を端末装置として各地方の工場に設置した場合、計算機201 の更新ジョブ制御エディタ21は、計算機202 〜204 及び206 〜208 への更新ジョブを除外して計算機205 への更新ジョブを実行する。これにより、計算機202 〜204 及び206 〜208 のデータベースの更新が必要ではなく、計算機205 のデータベースのみの更新が必要な場合に、ネットワーク回線を使用して選択的に更新ジョブを実行することができる。
【0036】
また、図4において、計算機202 〜204 及び206 〜208 のうち、斜線で示した計算機204 及び207 のデータべースの更新の優先度を高く設定した場合、更新ジョブ制御エディタ21は、次のような更新ジョブ制御を行う。例えば、制御エディタ21は、第2の実施の形態で説明したように左回りに処理をする場合、計算機202 及び203 への更新ジョブに優先して計算機204 への更新ジョブを実行する。また、右回りに処理する場合は、計算機208 への更新ジョブに優先して計算機207 への更新ジョブを実行する。残りの計算機202 〜204 及び206 〜208 への更新ジョブは、計算機201 に近い順に実行する。これにより、計算機204 及び207 のデータベースの更新を先に実行することができる。なお、更新の優先度を設定しない場合は、第2の実施の形態で説明したように計算機201 に近い順に各計算機202 〜204 及び206 〜208 のデータべースを更新する。これにより、拠点となる計算機201 のデータべースから端末となる計算機202 〜208 のデータべースを順次更新することができる。
【0037】
このように本発明の第3の実施の形態に係る計算機システムでは、計算機201 の更新ジョブ制御エディタ21によって、特定の計算機202 〜204 及び206 〜208 が更新ジョブの対象から除外されたり、更新ジョブの実行順番が制御されているので、無駄な更新や時間を省くことができる。また、データべースの更新が最も早く必要な計算機205 では他の計算機202 〜204 及び206 〜208 に比べて最も早く更新することが可能となる。
【0038】
(4)第4の実施の形態
図5は、本発明の第4の実施の形態に係る計算機システムの構成図を示している。本発明の第4の実施の形態では、データベースの更新時にI/Oエラーが発生した場合、更新直前のデータベースを復元して再度更新を実行するものである。
【0039】
図5において、301 及び302 はネットワーク200 に接続した計算機である。計算機301 及び302 には第1の実施の形態で説明したような計算機を用いる。この計算機システムでは、計算機301 のデータベース更新中またはデータベースにデータを入力中に、当該計算機301 の外部記憶装置20にエラー(I/Oエラー)が検出されたとき、このエラーが解消した時点に、外部記憶装置20のデータベースと同じ内容のデータベースを持つ他の計算機のデータベースの内容を計算機301 のデータベースに複写する。このときネットワーク200 に負荷がかからないようにエラーが発生した計算機301 から最も近い計算機302 から複写する。更新優先度が高い計算機から複写しても良い(本発明の第6のシステム)。その後、データベースの更新ジョブを続ける。
【0040】
なお、外部記憶装置20のエラーが解消されないときは、エラーが発生していない他の計算機302 の外部記憶装置20にデータを複写する。そして、この計算機302 のデータベース20のアドレスと、計算機301 のデータベース間のアドレスを対応させるようにする(本発明の第5のシステム)。このようにすると従来通りのアドレスでデータの入出力ができるようになる。
【0041】
また、このような外部記憶装置20のエラーによる更新ジョブをサポートするために、計算機301 のデータベースに更新事象が発生した段階で、該更新事象が発生した計算機301 から他の計算機302 へ更新内容をバックアップしておく。計算機(以下バックアップ計算機という)302 は、計算機301 が正常に更新ジョブを起動して各計算機の更新ジョブが完了するまで、バックアップしたデータを保存しておく。そして、更新事象を発生した計算機301 が万一I/Oエラー(異常)を生じた場合は、バックアップ計算機302 の内容で更新ジョブを実行する。ここで、計算機302 は更新ジョブを再起動させ、更新事象を発生した計算機の一部の実行を負担するように更新ジョブの振り分けを行う(本発明の第7のシステム)。
【0042】
このとき、他の計算機に対する更新ジョブと共にバックアップ計算機302 の更新ジョブを実行しても良い(本発明の第8のシステム)。このようにするとネットワーク200 や特定の計算機への負荷が集中しなくなる。ネットワークの負荷が更に減らされる。
このようにして本発明の第4の実施の形態に係る計算機システムでは、ある計算機301 の外部記憶装置20にエラーが検出されると、その外部記憶装置20のデータベースと同じ内容のデータベースを持つ他の計算機302 のデータベースの内容が、エラー消滅時に、その計算機301 のデータベースに複写されるので、その計算機301 のデータベースの内容が復元できるとともに、その計算機のデータベースが更新できる。
【0043】
また、本実施の形態では、バックアップ計算機302 の外部記憶装置20に複写したデータを読み出すための計算機302 のデータベースのアドレスと、計算機301 のデータベース間のアドレスを対応させているので、今まで通りのアドレスでデータベースにアクセスすることができる(本発明の第5のシステム)。
本実施の形態では、ある計算機301 の外部記憶装置20にエラーが検出されると、その計算機301 からネットワーク200 上で最も近くかつ更新すべき優先度の高い計算機302 のデータベースの内容が複写されるので、通信回線の占有時間が短くできるとともに、その計算機301 のデータベースの内容が復元でき、その計算機301 のデータベースが確実に更新できる(本発明の第6のシステム)。
【0044】
更に、本実施の形態では、更新事象が発生した計算機301 から他の計算機302 へ更新内容をバックアップし、更新事象が発生した計算機301 にエラーがあった場合は、バックアップした計算機302 で更新ジョブを実行している。したがって、更新ジョブを実行すべき計算機301 に異常が生じても、バックアップ計算機302 からの更新ジョブが実行できるので、リンクしたデータベースの更新が確実に実行できる(本発明の第7のシステム)。
【0045】
本実施の形態では、更新事象が発生した計算機301 にエラーがあった場合、バックアップした計算機302 の更新ジョブと共に他の計算機の更新ジョブを並行して実行している。したがって、更新ジョブ数が多い場合等において、複数台で更新ジョブを行うので効率的にデータベースの更新を行うことができる(本発明の第8のシステム)。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の計算機処理システムでは、特定の計算機の更新事象の発生件数を管理し、該発生件数に応じて他の計算機のデータベースへの一括更新ジョブの実行数を増減する更新ジョブ起動手段が設けられている。したがって、更新事象の発生件数の多い計算機では、ネットワーク回線を使用して他の計算機のデータベースを早く更新できるし、一方、発生件数の少ない計算機では、回線使用の無駄を省くことができる。
【0047】
本発明の他のシステムでは、特定の計算機から他の計算機へ向けて、二方向から更新ジョブを実行しているので、更新速度が向上する。
また、本発明の他のシステムでは、特定の計算機を更新ジョブの対象から除外したり、更新ジョブの実行順番を制御する更新ジョブ制御手段を設けている。したがって、無駄な更新や時間を省くことができるし、データベースの更新を最も早く必要とする計算機を他の計算機に優先して処理を実行することができる。
【0048】
更に、本発明の他のシステムでは、異常を生じた計算機と同じ内容のデータベースを持つ他の計算機のデータベースの内容が複写されるので、その同一性を保つことができる。また、更新優先度が高く、しかも、最も近い計算機のデータベースの内容が複写されているので、その計算機のデータベースが確実に更新できるし、通信回線の占有時間が短くできる。
【0049】
また、本発明の計算機処理システムでは、他の計算機のデータベースのアドレスと元の計算機間のアドレスを対応させているので、今まで通りのアドレスでデータベースにアクセスすることができる。
更に、本発明の他のシステムでは、他の計算機に更新内容をバックアップしている。従って、更新ジョブを実行すべき計算機に異常が生じても、バックアップ計算機からの更新ジョブが実行できるので、リンクしたデータベースの更新が確実に実行できる。
【0050】
また、本発明の他のシステムでは、バックアップした計算機の更新ジョブと共に他の計算機の更新ジョブを並行して実行しているので、効率的にデータベースの更新を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る計算機の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る更新ジョブ起動エディタの機能説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る計算機ネットワークシステムの構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る計算機処理システムの構成図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る計算機処理システムの構成図である。
【図6】従来例に係る計算機処理システムの構成図である。
【符号の説明】
1…ホスト計算機、2,8,20…外部記憶装置(データベース)、3…端末装置、4〜7,101 〜104, 201〜208, 301, 302 …計算機、9…通信回線、10…分散型データベース入出力装置、11…更新ジョブ起動エディタ、12…RAM、13…ROM、14…キーボード、15…ディスプレイ、16…プリンタ、17…送受信部、18…CPU、19…データバス、21…更新ジョブ制御エディタ、200 …ネットワーク。
Claims (8)
- ネットワークで接続されている複数の計算機のうち特定の計算機のデータベースに生じた更新事象を基に他の計算機のデータベースを更新する計算機処理システムにおいて、
前記特定の計算機における更新事象の発生する時刻及び発生件数を記憶する記憶手段と、
前記他の計算機のデータベースを一括更新するための更新ジョブの実行を起動する更新ジョブ起動手段と
を備え、
前記記憶手段に記憶された更新事象の発生した時刻及び発生件数とから単位時間に起動する更新ジョブの起動回数を算出する手段によって前記更新ジョブの実行を起動することを特徴とする計算機処理システム。 - 前記他の計算機への更新ジョブは、前記特定の計算機からみて右回りおよび左回りに並行して行うことを特徴とする請求項1に記載の計算機処理システム。
- 前記特定の計算機を更新ジョブの対象から除外したり、該更新ジョブの実行順番を制御したりする更新ジョブ制御手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の計算機処理システム。
- 前記特定の計算機のデータベース更新中またはデータベースにデータを入力中に、前記特定の計算機に異常が検出され、該異常が解消されたとき、前記特定の計算機のデータベースと同じ内容のデータベースを持つ前記他の計算機のデータベースの内容を前記特定の計算機のデータベースに複写し、その後、前記データベースの更新ジョブを続けることを特徴とする請求項1に記載の計算機処理システム。
- 前記特定の計算機の異常が解消しないとき、前記他の計算機のうち使用できる計算機のデータベースにデータを複写し、かつ、前記使用できる計算機のデータベースのアドレスと前記特定の計算機のデータベースのアドレスとを対応させていることを特徴とする請求項4に記載の計算機処理システム。
- 前記特定の計算機に異常が検出されたとき、前記他の計算機のうち前記特定の計算機からネットワーク上で最も近くかつ更新すべき優先度の高い計算機のデータベースの内容を前記特定の計算機のデータベースに複写することを特徴とする請求項4に記載の計算機処理システム。
- 前記特定の計算機においてデータベースに更新事象が発生した段階で、前記特定の計算機から前記他の計算機のうち1つの計算機へ更新内容をバックアップしておき、前記特定の計算機に異常があった場合は、前記バックアップした計算機で更新ジョブを実行することを特徴とする請求項1に記載の計算機処理システム。
- 前記更新事象が発生した前記特定の計算機に異常があった場合は、前記バックアップした計算機の更新ジョブと共に前記他の計算機に対する更新ジョブを並行して実行することを特徴とする請求項7に記載の計算機処理システム。
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