JP3992559B2 - 出荷変更受付方法および出荷変更受付記録プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はコンピュータによる出荷変更受付方法および出荷変更受付記録プログラムに関し、特に物流拠点における物品の注文変更の依頼に応じた出荷変更受付処理の実績を記録する出荷変更受付方法および出荷変更受付記録プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
卸売業、小売業、製造業等では、各地に設けられた物流拠点(以下、物流センタと呼ぶ)に商品の在庫を蓄えておくことにより、小売店あるいは顧客からの注文に対して迅速に対応する商品の配送方式が採用されている。このように商品の在庫を保有する物流センタでは、各小売店等からの注文に応じた商品を倉庫内から集め、集められた商品を出荷先に送り出している。この在庫が保管されている倉庫から注文に応じた商品を集める作業をピッキング(摘み取り)という。
【0003】
一般のピッキング作業では、まず、作業を管理する物流センタのサーバが所定出荷時間ごとに設定されている締め切り時間までに受け付けられた注文に応じて、出荷先、出荷品および出荷数を含む受注データを作成し、受注ファイルに記憶しておく。この受注データは、出荷に関するデータでもあるので、以下では、特にことわらない限り出荷データと記載する。続いて、所定の出荷時間ごとの出荷データに基づいてピッキング作業の指示が作成され、倉庫の棚、ピッキングした商品を搭載するピッキングカート等に固定される端末装置、あるいは作業者が携帯する端末装置に、作成されたピッキング指示が送られる。作業者は、所定の出荷時間に合わせて作業を開始する。倉庫内を予め決められた順路に従って移動し、端末装置に表示されたピッキング指示に従って商品をピックアップし、ピッキングカートや、オリコン(折り畳みコンテナ)、フォークリフト等に集める。このようにして集められた商品は、例えば配送車両により、出荷先に配送される。
【0004】
従来、このようなピッキング作業が行なわれる倉庫の棚への商品の配置をどうするかについては特に決まりはなかった。まれに、多品種の商品を取り扱っているような物流センタにおいて、作業時の移動効率を上げるため、順路上の最終ポイント近くに重いもの、あるいは容量の大きいものを配置するようにする例などがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のピッキング作業では、所定の締め切り時間を超えて出荷の変更依頼がきた場合に対応することが難しいという問題がある。特に、倉庫内の物品の配置に応じて変更依頼を受け付けることができないケースが発生するという問題がある。
【0006】
ピッキング作業の指示は、所定の出荷時間ごとに締め切られた出荷データに基づいて作成される。この出荷データは、所定の出荷時間ごとに予め設定されている締め切り時間までに入力した注文依頼データによって作成される。したがって、この締め切り時間前であれば、既に受け付けられた既注文の注文を変更することも可能である。しかしながら、所定の出荷時間ごと設定されている締め切り時間を超えて変更依頼がきた場合、この変更依頼は次回の出荷時間の処理に反映させることしかできず、変更依頼がきた時点では変更依頼のあった商品がまだピッキングされていない場合であっても、締め切り時の出荷データに基づくピッキング指示で作業が行なわれていた。
【0007】
また、このような従来のピッキング作業において、締め切り時間後の変更依頼を受け付けようとした場合、作業を管理する管理者等が現場のピッキング作業者に直接電話等で連絡し、ピッキング作業の進行状況を確認し、その状況に合わせて変更を受け付けることが可能であるかどうかを判断して、ピッキング指示の変更を行なう必要がある。この場合であっても、作業者が注文変更の依頼のあった対象の商品が保管されている棚を通過してしまっている場合、配送車両への積載前であっても変更を受け付けることができない。
【0008】
一般に、定番商品と呼ばれるような商品の販売量については、ある程度予測ができるため、締め切り時間間近での注文変更依頼が発生することは少ない。一方、天候等、事前に予測できない事象に販売量が影響されるような商品では、締め切り時間間近での注文変更が発生すると考えられる。たとえば、午後から台風が近くを通過すると予想された地域では、雨カッパ等の雨具や乾電池等の防災用品の売れ行きがよくなるため、発注数を増やしたいというようなケースが想定される。しかしながら、このような注文変更に応じた出荷変更受付処理の実績が記録されたことはなく、従来の倉庫の棚への商品の配置は、商品ごとに異なる注文変更の頻度が考慮されていなかった。このため、商品の配置によっては、配送車両への積載前であっても注文の変更ができないケースが多々発生していた。
【0009】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、注文変更依頼に応じて実行された出荷変更受付処理の実績を記録する出荷変更受付方法および出荷変更受付記録プログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、図1に示すような出荷変更受付方法が提供される。
【0011】
このような手順の出荷変更受付方法では、所定の出荷時間ごとに受け付けられた注文に応じて出荷データが作成され、この出荷データに基づく作業指示に従ってピッキング作業が行なわれる。このとき、ピッキング作業が行なわれているカートの位置を含む出荷作業の現況を示す情報が生成され、記録される。図1の例では、作業現況データ20がカート現況ファイル130に順次記録される。
【0012】
コンピュータは、注文変更を依頼する注文変更データ10が入力されると、変更の対象となる出荷データの変更が可能な締め切り時間が過ぎたかどうかを判定し、締め切り時間前であれば、対象の出荷データを変更し、対象物品と関連付けた変更処理に関する変更受付実績データを生成して記録する(ステップS1)。図1の例では、注文変更データ10に基づいて、受注ファイル120から対象の出荷データを抽出して変更するとともに、変更受付実績データを変更受付ファイル150に記録する。締め切り時間を過ぎていた場合、物品の保管場所が物品と関連付けられている保管場所情報(図1では棚ファイル140)から抽出される対象の物品の保管場所と、カート現況ファイル130から抽出される対象の出荷作業の作業現況データから把握されるカートの位置と、を比較して注文変更が可能であるどうかを判定し、この判定結果に応じた変更受付実績データを生成して記録する(ステップS2)。注文変更が可能である場合には、注文変更データ10に基づいてピッキング作業の作業指示を変更して出力する(ステップS3)。図1の例では、変更受付実績データは、変更受付ファイル150に記録される。また、必要に応じて、変更受付ファイル150に記録された変更受付実績データに基づいて注文変更に応じた出荷変更の受付実績情報が提示される(ステップS4)。
【0013】
このような出荷変更受付方法では、注文変更が入力すると、その注文変更が受け付け可能かどうかの判定を、出荷作業中のカートの位置と比較して行なう。また、このときの判定結果に応じた変更受付実績データが生成されて記録される。
【0014】
また、本発明では上記課題を解決するために、コンピュータを用いて注文変更の依頼に応じた出荷変更の受付処理に関する実績を記録するための出荷変更受付記録プログラムにおいて、コンピュータに、ピッキング作業の開始により順次作成される所定の順路上でのカートの位置を含む出荷作業の作業現況データをカート現況ファイルに記録し、注文変更を依頼する注文変更データが入力されると、前記注文変更データに応じた対象の出荷データについて変更が可能な締め切り時間前であった場合、前記対象の出荷データを変更するとともに変更の対象物品と関連付けた変更受付実績データを生成して記録し、前記締め切り時間を過ぎていた場合、前記物品の保管場所に関する保管場所情報に基づいて算出される対象物品の保管場所と、前記カート現況ファイルから抽出される前記対象の出荷作業が行なわれているカートの位置と、を比較して前記注文変更が可能であるか否かを判定するとともに、前記注文変更可否の判定結果に応じた前記変更受付実績データ生成して記録し、前記注文変更が可能である場合には前記注文変更データに基づいて作業指示を変更して出力し、必要に応じて記録された前記変更受付実績データに基づいて注文変更に応じた出荷変更の受付実績情報を提供する、処理を実行させることを特徴とする出荷変更受付記録プログラム、が提供される。
【0015】
このような出荷変更受付記録プログラムをコンピュータに実行させれば、上記本発明に係る出荷変更受付方法がそのコンピュータで実施される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、実施の形態に適用される発明の概念について説明する。図1は、本発明の実施の形態に適用される発明の概念図である。本発明の出荷変更指示方法では、コンピュータにより次の手順で出荷の変更指示が行なわれる。
【0017】
ピッキング作業は、予め設定された所定の出荷時間(これをバッチと呼ぶ)に合わせて開始され、予め設定された所定の順路を移動しながら実行する。バッチ単位の出荷データに基づくピッキング指示に従って順路上に設けられた棚に保管された物品をピックアップし、カートに収容して運搬する。以下、倉庫内を順路に沿って移動し、ピックアップされた商品を運搬するものを総称してカートとする。倉庫内の移動方法は多種あり、ここでは特に限定しない。カートの一例として、作業者が通路上を押す等して移動させてピッキングを行なうピッキングカート、ベルトコンベア上を移動して作業者がピッックアップした物品を収容するオリコン、自走しながら物品をピッキングするフォークリフト等がある。
【0018】
図1では、カートに搭載された端末装置により生成されるカートの現時の位置や作業状況等の作業に関する作業現況データ20が、コンピュータに順次入力される。この入力された作業現況データは、コンピュータのカート現況ファイル130に順次格納される。あるいは、カートの端末装置が直接カート現況ファイル130を更新してもよい。
【0019】
既に受け付けられた既注文についての変更がある場合には、注文変更データ10が生成され、コンピュータに入力される。
コンピュータは、注文変更データを入力すると、対象となる出荷データの変更が可能かどうかを判定し、可能である場合には出荷データを変更し、変更に関する変更受付実績データを生成して記録する(ステップS1)。図1の例では、注文変更データ10を入力すると、この注文変更データ10に基づいて対象となる出荷データを変更することが可能な締め切り時間を抽出し、過ぎているかどうかを判定する。締め切り時間は、バッチごとに予め設定されている。締め切り時間前であれば、受注ファイル120に記録された対象の出荷データを注文変更データ10に応じて変更し、変更を受け付けたという受付実績を変更の対象物品と関連付けた変更受付実績データを生成し、変更受付ファイル150に記録する。
【0020】
締め切り時間が過ぎている場合、変更の対象物品の保管場所と、対象の出荷作業が行なわれているカートの位置とを比較し、注文変更の可否を判定する(ステップS2)。図1の例では、物品の保管場所が物品と関連付けられている保管場所情報(棚ファイル140)と、注文変更データ10とから、対象物品の保管場所を算出する。次に、カート現況ファイル130から対象の出荷作業に関する作業現況データを抽出し、対象のカートの位置を把握する。このようにして得られた対象物品の保管場所と対象カートの位置とを比較して注文変更が可能であるか否かを判定する。
【0021】
次に、注文変更の可否の判定と、判定時のカートの位置情報を含む変更受付実績データを生成して記録するとともに、変更が可能な場合には変更に応じた作業指示を生成して出力する(ステップS3)。図1の例では、ステップS2における注文変更の可否の判定結果を対象物品と関連付けた変更受付実績データを生成し、変更受付ファイル150に記録する。このとき、注文変更の可否の判定結果とともに、作業現況データより抽出された対象のカートの位置を変更受付実績データに設定する。これにより、注文変更が受け付けられた場合のカートの位置、および注文変更を拒否した場合のカートの位置に関する情報が変更受付ファイル150の変更受付実績データに付加される。さらに、注文変更が可能な場合には、注文変更データ10に基づく新たな作業指示を生成してカートに出力する。
【0022】
これまでの処理により、締め切り時間前に受け付けられた注文変更処理の実績情報、締め切り後に受け付けられた注文変更処理の実績情報および締め切り後に受け付けを拒絶した注文変更処理の実績情報が変更受付ファイル150に記録される。締め切り受け付け後の実績情報には、判定時におけるカートの位置が含まれている。
【0023】
次に、変更受付処理終了時や提示要求された場合など、必要に応じて変更受付ファイル150に記録された注文変更処理の変更受付実績データが引き出され、注文変更に応じた変更受付処理に関する実績情報を提供する(ステップS4)。図1の例では、変更実績データに基づく変更受付処理の実績情報がコンピュータに接続するモニタ11に表示される。
【0024】
このような出荷変更受付方法によれば、バッチ単位で締め切られた出荷データに基づいて行なわれるピッキング作業について、作業中のカートの現時の位置を含む作業現況データ20がカート現況ファイル130に記録される。そして、注文変更データが入力されると、対象の出荷データの変更が可能な締め切り時間と比較し、締め切り時間前である場合には、対象の出荷データを変更し、変更受付実績データを生成して変更受付ファイル150に記録する。生成される変更受付実績データは、対象商品と関連付けられており、対象商品をキーとして検索することができる。締め切り時間を過ぎている場合には、対象商品の保管場所と、対象の出荷作業を行なっているカートの位置とを比較して変更が可能であるかどうかを判定する。この判定結果と、判定時におけるカートの位置とを含む変更受付実績データを生成し、変更受付ファイル150に記録する。また、注文変更可であれば、注文変更データ10に応じて変更された作業指示がカートに対して出力される。変更受付ファイル150に記録された変更受付実績データは、必要に応じて引き出されて提示される。提示された変更受付実績データは、注文変更が可能であった場合の作業状況あるいはカートの位置、および注文変更ができなかった場合の作業状況あるいはカートの位置に関する情報から構成されている。この変更受付実績データを分析することにより、注文変更が多い物品、あるいは注文変更を反映できなかった物品の把握が可能となる。これにより、例えば、変更される可能性の高い物品の保管場所を、最終の積載場所に移す等の対応をすることができる。この結果、ピッキングされる直前まで注文の変更を受け付けることが可能となる。特に、変更受付実績データの分析結果に基づいて、注文変更が多い物品あるいは、これまでの配置では注文変更ができなかった物品の保管場所を順路の後方に配置するなど、注文変更の実績に応じて物品を配置することにより、注文変更の可能性の高い物品についての変更が受け付けられる可能性を高くすることができる。
【0025】
次に、本発明の実施の形態を具体的に説明する。図2は、本発明の実施の形態のシステム構成を示す図である。図1と同じものには同じ番号を付す。
物流センタには、コンピュータシステムとして、物流サーバ100が設けられており、商品が保管されている物流センタの倉庫には端末装置200が設けられている。物流サーバ100と端末装置200とは、ネットワーク22によって接続している。また、物流サーバ100は、商店等に設けられたユーザ端末装置300と、ネットワーク21によって接続している。
【0026】
ユーザ端末装置300は、商品の発注および注文変更等の依頼を行なうコンピュータである。ユーザ端末装置300は、発注や注文変更を行なうための入力画面や物流サーバ100から送られてくる発注や注文変更に関する応答画面を表示するモニタ301と、ユーザが発注や注文変更に関する情報を入力するキーボード303とに接続している。ユーザは、モニタ301に表示された入力画面に従って注文変更をキーボード303より入力する。ユーザ端末装置300は、キーボード303からの入力データに従って注文変更データ10を作成し、ネットワーク21を介して物流サーバ100へ送信する。
【0027】
物流サーバ100は、作業者に対してピッキング等の出荷作業を指示するためのサーバコンピュータである。出荷データに基づいて作業指示を生成するとともに、注文変更があった場合にはその対応処理を行ない、注文変更が可能な場合には新たな作業指示を作成する。この注文変更への対応処理の実行時、変更受付処理に関する実績情報が変更受付実績データとして記録される。物流サーバ100は、内部バスを介して受注ファイル120、カート現況ファイル130、棚ファイル140および変更受付ファイル150に接続している。受注ファイル120は、バッチごとに設定された締め切り時間までに受け付けられた注文に関する出荷データ(受注データ)から構成されるファイルである。この出荷データに基づいてピッキング作業指示が作成される。カート現況ファイル130は、ピッキング作業を行なっている作業者の端末装置200によって順次更新される作業の現時の状況に関する作業現況データ20から構成されるファイルである。棚ファイル140は、商品と関連付けられた商品が保管されている棚に関する保管場所情報から構成されるファイルである。変更受付ファイル150は、物流サーバ100によって実行された注文変更に対応する変更受付処理の実績が記録された変更受付実績データから構成されるファイルである。変更受付実績データには、出荷データの変更締め切り時間前に実行された変更受付処理、出荷データの変更締め切り時間後に実行された変更受付処理および出荷データ変更締め切り時間後に実行を拒否された変更受付処理についての実績データが記録されている。
【0028】
端末装置200は、倉庫内で作業者への指示を与えるとともに、作業結果の入力あるいは作業が行なわれている順路上の位置の通知に利用されるコンピュータ等の電子機器である。端末装置200としては、例えば、商品運搬用のピッキングカートに固定されて利用されるもの、作業者が持ち歩くことができるハンディターミナル、商品棚等の作業場所に固定して利用されるものなどがある。図2の例では、端末装置200は、ピッキングカート210に固定されている。端末装置200は、物流サーバ100から送られてくるピッキング作業に関する作業指示を表示するモニタ201と、作業者が作業指示に対する承認等の応答を入力するキーボード203とに接続している。作業者は、ピッキングカート210を順路に沿って移動し、モニタ201に表示された作業指示に従って商品のピッキングを行なう。以下の説明では、端末装置はピッキングカートに搭載されているとして説明する。また、ピッキングカート(あるいは、単にカートと記す場合も含む)とは、端末装置が搭載され、物流サーバとネットワークで接続しているものを指すものとする。
【0029】
このようなシステムにおいて、商品の注文データが商店のユーザ端末装置300から物流サーバ100に入力される。物流サーバ100は、バッチごとに設定された所定の締め切り時間で注文データの受け付けを締め切り、この時点までの注文データに基づいて出荷データを作成する。ここまでの処理は、受注を管理する別のコンピュータによって行なわれてもよい。この場合、バッチごとの出荷時間に合わせて、このコンピュータから物流サーバ100に、該当するバッチの出荷データが送信される。
【0030】
次に、物流サーバ100は、出荷データに基づいてピッキング作業の作業指示を作成し、端末装置200に渡す。作業者は、所定の順路を移動し、端末装置200のモニタ201に表示された作業指示に従って棚から商品を取り出してピッキングカート210に入れて運搬する。ピッキングカート210の順路上の位置を含む作業の現状を表す作業現況データ20が端末装置200によって生成され、これに応じてカート現況ファイル130が更新される。カート現況ファイル130を物流サーバ100と端末装置200の双方からアクセス可能とし、端末装置200が作業状況に基づくタイミングで作業現況データ20を生成し、直接カート現況ファイル130を更新することもできる。また、端末装置200が作業状況に基づく所定のタイミングで、作業現況データ20を生成して物流サーバ100へ送信し、物流サーバ100が入力する作業現況データをカート現況ファイル130に記録するようにすることもできる。
【0031】
ここで、既に発注した注文を変更したい場合、ユーザ端末装置300から物流サーバ100に対して注文変更データ10が送信される。注文変更データ10には、例えば、変更したい商品についての出荷先を特定する情報、商品を特定する情報および変更する数量等が含まれている。物流サーバ100は、対象となる出荷データの変更が可能な締め切り時間を抽出し、締め切り時間前であるか否か、すなわち、変更が可能であるかを判定する。変更可の場合、受注ファイル120に記録された対象の出荷データを変更し、変更受付に関する注文変更受付データを作成、記録する。注文変更受付データは、商品に関連付けられている。出荷データの変更不可、例えば、出荷作業が開始されている場合には、棚ファイル140を参照して対象となる商品の保管場所を算出するとともに、カート現況ファイル130より作業の作業現況データを抽出する。保管場所と作業現況データより把握される対象となるピッキングカートの位置とを比較し、変更の可否を判断する。変更可であれば、変更された作業指示が端末装置200に送られ、変更後の作業指示がモニタ201に表示されて作業者に通知される。また、注文変更可否の判定結果および判定時のカートの位置を含む変更受付処理に関する実績情報を商品に関連付けた注文変更受付データを作成し、変更受付ファイル150に記録する。
【0032】
物流サーバ100に変更受付ファイル150に記録された注文変更受付データの提供が要求されると、この注文変更受付データに基づいて注文変更受付の実績情報を提示する。例えば、物流サーバ100に接続する表示装置に表示したり、プリンタで印刷したりする。
【0033】
ところで、物流サーバ100では、出荷指示を決定するためのデータ処理機能を有している。図3は、物流サーバのハードウェア構成を示す図である。物流サーバ100は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、通信インタフェース106および通信インタフェース107が接続されている。
【0034】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。HDD103には、OSやアプリケーションプログラムが格納される。
【0035】
グラフィック処理装置104には、モニタ11が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ11の画面に表示させる。入力インタフェース105には、キーボード12やマウス13が接続されている。入力インタフェース105は、キーボード12やマウス13から送られてくる信号を、バス108を介してCPU101に送信する。
【0036】
通信インタフェース106は、ネットワーク21に接続されている。通信インタフェース106は、ネットワーク21を介して、ユーザ端末装置300との間でデータの送受信を行なう。通信インタフェース107は、ネットワーク22を介して端末装置200との間でデータの送受信を行なう。
【0037】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、図3には、物流サーバ100のハードウェア構成例を示したが、ユーザ端末装置300や端末装置200も同様のハードウェア構成で実現することができる。なお、端末装置200においては、通信インタフェース107として、無線インタフェースが用いられる。
【0038】
次に、倉庫内の商品棚の配置と、ピッキングカートの順路について説明する。図4は、倉庫内の商品棚の配置とピッキングカートの順路を示す図である。
倉庫400には、商品が保管されているラック(棚)411(A−1、A−2、A−3)、ラック412(B−1、B−2、B−3)、ラック413(C−1、C−2、C−3)、ラック414(D−1、D−2、D−3)、ラック415(E−1、E−2、E−3)およびラック416(F−1、F−2、F−3)が順路に沿って並んでいる。順路上には、通過したかどうかをチェックする通過チェックポイントが設けられている。図2の例では、通過順に従って「あ」地点421、「い」地点422、「う」地点423、「え」地点424、「お」地点425および「ん」地点426の通過チェックポイントが設けられている。それぞれの通過チェックポイントには、例えば、赤外線センサ等が設けられており、通過したピッキングカートにチェックポイントを通過したことを通知することができる。通過チェックポイントの最終地点は「ん」地点426で、ここは配送車両へ商品を積み込む車載場所である。
【0039】
作業者は、例えば、それぞれの出荷先ごとに振り分けられたピッキングカート(図2の例では、A店用ピッキングカート211、B店用ピッキングカート212およびC店用ピッキングカート213)を順路に従って、「あ」地点421、「い」地点422、「う」地点423、「え」地点424、「お」地点425と移動し、ピッキングカートのモニタに表示される作業指示に従って商品のピッキングを行なう。最終地点は「ん」地点426で、収集された商品をピッキングカートから配送車両に積み替える。
【0040】
以下、物流サーバ100における出荷変更受付機能について説明する。図5は、物流サーバの機能を示すブロック図である。図2と同じものには同じ番号を付し、説明は省略する。
【0041】
物流サーバ100は、注文変更データ10の受付処理を行なう注文変更受付部111、注文変更データ10の変更が可能であるかどうかを判定する変更可否判定部112、変更が可能であった場合に変更指示を作成する変更指示部113、変更受付に関して実行された処理を記録する変更受付記録部114、記録された変更受付実績を提供する変更受付表示部115および注文変更データの受付可否などの結果をユーザ端末装置300に通知する変更受付通知部116から構成される機能処理手段と、受注ファイル120、カート現況ファイル130、棚ファイル140および変更受付ファイル150の記録手段と、を具備している。
【0042】
最初に各機能処理手段について説明し、続いて各ファイルの構成について説明する。
各機能処理手段について説明する。
【0043】
注文変更受付部111は、ユーザ端末装置300によって生成された既注文に対する注文変更を依頼する注文変更データ10が入力されると、前記注文変更データに基づいて対象の既注文に関する変更が可能な締め切り時間を抽出し、締め切り時間が過ぎているかどうかを判定する。締め切り時間前であれば、注文変更データに基づいて対象の出荷データを変更し、注文変更が受け付けられたことを変更受付記録部114へ伝える。締め切り時間を過ぎていれば、変更可否判定部112を起動する。
【0044】
変更可否判定部112は、注文の変更が可能な締め切り時間を過ぎていた場合に起動される。まず、注文変更データ10によって特定される対象となる商品の保管場所を、商品をキーにして棚ファイル140を検索して抽出する。また、注文変更データ10によって特定される対象となる出荷先に関する作業を行なっているピッキングカートをキーにしてカート現況ファイル130を検索し、対象となるピッキングカートの現在の位置を含む作業状況を把握する。次に、抽出された保管場所と現在のピッキングカートの位置を比較し、変更が可能であるか否かを判定し、判定結果と、判定時の対象商品およびピッキングカートの位置とを変更受付記録部114へ送る。また、変更が可能であると判定された場合には、変更指示部113を起動する。
【0045】
変更指示部113は、変更可否判定部112によって変更が可能であると判定された場合、注文変更データ10に基づいて変更された作業指示データを対象のピッキングカート211、212に送信する。このとき、作業指示を行なう前に、ピッキングカート211、212に対して変更された作業指示が可能であるかどうかの問い合わせを行なうようにすることもできる。これは、カート現況ファイル130に記憶された作業状況と、実際の作業状況とは若干のずれが生じることがあり、カート現況ファイル130に基づいて変更可と判断しても実際には変更できない場合があることも想定されるためである。作業変更の承認は、作業者によって行なわれ、変更指示部113へ送られる。変更指示部113は、承認結果に基づいて再決定された変更可否の判定を変更受付記録部114へ送る。
【0046】
変更受付記録部114は、注文変更受付部111によって受け付けられた出荷データ変更締め切り時間前の注文変更についてのデータ、変更可否判定部112による出荷データ変更締め切り時間後の注文変更可否の判定についてのデータ、および変更指示部113による変更可否の再決定についてのデータを取得し、対象商品をキーとした変更受付実績データを生成し、変更受付ファイル150に記録する。
【0047】
変更受付表示部115は、注文変更に対して実行された受付処理の実績情報を提供する変更受付情報提供部であり、ここでは、変更受付処理の終了時や表示要求時等に変更受付ファイル150に記録された変更受付実績データを読み出し、注文変更依頼に応じた受付処理の実績を表示する。図5の例では、注文変更に応じた処理の実績をモニタに表示する。
【0048】
変更受付通知部116は、変更受付記録部114を介して注文変更受付部111の注文変更の受け付け実行、変更可否判定部112の行なった判定結果、あるいは変更指示部113による作業者の承認/非承認の情報を入力し、これらの情報に基づく注文変更依頼の受け付け可否を、注文変更データ10を送付してきた送付元に通知する。さらに、注文の変更が不可である場合には、注文変更データ10を次回のバッチに反映した新たな注文変更データを作成して提示し、この処理を実行するか否かを問い合わせる。新たな注文変更データが承認された場合は、この注文変更データに基づいて受注ファイル120の出荷データを更新することもできる。これにより、次回のバッチに注文変更が反映される。
【0049】
各ファイルのファイル構成について説明する。
注文変更データ10は、ユーザ端末装置300が注文変更依頼に応じて作成し、物流サーバ100に送信するデータである。図6は、注文変更データの構造例を示した図である。注文変更データ10は、変更される既注文の出荷処理が行なわれるバッチを特定する「集配バッチ」と、出荷先を特定する「発注元特定情報」と、変更される出荷品を特定する「変更商品特定情報」と、変更後の数量を特定する「変更後数量特定情報」とから構成される。
【0050】
「集配バッチ」は、変更依頼のあった既注文の出荷処理が開始されるバッチを示しており、図6の例では、15:00のバッチの出荷変更が依頼されている。この情報を用いて、バッチごとに設定された変更が可能な締め切り時間を抽出する。また、カート現況ファイル130から対象のカート、あるいは受注ファイル120から対象の既注文の出荷データを検索する際のキーにも用いる。
【0051】
「発注元特定情報」は、発注元(図6の例ではA商店)を特定するための情報で、「集配バッチ」とともにカート現況ファイル130と受注ファイル120から対象のカートや出荷データを検索する際のキーとして用いる。
【0052】
「変更商品特定情報」は、変更される商品(図6の例では明太子おにぎり)を特定する情報で、受注ファイル120や棚ファイル140の検索を行なう際のキーとして用いる。
【0053】
「変更後数量特定情報」は、変更後の出荷品の数量(図6の例では30)を特定する情報で、「変更商品特定情報」とともに変更受付後の作業指示データ作成に用いられる。既に発注した商品の注文を中止する場合には、「変更後数量特定情報」を0に設定する。
【0054】
受注ファイル120は、物流サーバ100に接続する記録媒体に記憶されており、ユーザ端末装置300からの発注に基づいて生成される受注した出荷品に関する出荷データ(受注データ)を、例えば、バッチごとに出荷先単位でまとめたものである。図7は、受注ファイルの構造例を示した図である。図6と同じものについては、説明を省略する。発注ファイル120は、出荷処理が行なわれるバッチ単位でまとめられており、「集配バッチ」と、「発注元特定情報」と、出荷される商品を特定する「出荷商品特定情報」と、出荷する数を特定する「出荷数特定情報」と、から構成される。
【0055】
「出荷商品特定情報」は、指定の「集配バッチ」において、「発注元特定情報」によって指定される発注元に対する出荷商品を特定する情報である。また、「出荷数特定情報」は、出荷される商品の出荷数を特定する情報である。図7の例では、集配バッチ「15:00」の「A商店」からの注文は、「明太子おにぎり−3個」と、「梅干おにぎり−40個」と、「おかかおにぎり−30個」であることが示されている。また、集配バッチ「15:00」の「B商店」からの注文は、「明太子おにぎり−30個」と、「梅干おにぎり−40個」と、「おかかおにぎり−20個」であり、集配バッチ「18:00」の「A商店」からの注文は、「ビール−30本」と、「枝豆−40個」と、「冷奴−40個」である。図6に示した注文変更データでは、このうちの、集配バッチ「15:00」の「A商店」から発注された「明太子おにぎり」の個数を「3個」から「30個」に変更しようとしていることがわかる。
【0056】
カート現況ファイル130は、物流サーバ100に接続する記録媒体に記憶されており、カートによって作成された作業中のカートの位置を含む作業状況を示す情報である。図8は、カート現況ファイルの構造例を示した図である。カート現況ファイル130は、カートを特定する「カート特定情報」と、カートの通過した位置を示す「通過位置特定情報」と、作業が行なわれた最終の棚を示す「最終ピックアップ地点」と、作業の進行状況を示す「状況」とから構成される。カート現況ファイル130の情報は、ピッキングカートによって、順次更新される。あるいは、ピッキングカートから送信された更新データを物流サーバ100がカート現況ファイル130に書き込むようにしてもよい。
【0057】
「カート特定情報」は、各ピッキングカートを特定する情報で、「A店出荷用カート」、「B店出荷用カート」等、作業中のピッキングカートが特定される。「通過位置特定情報」は、各ピッキングカートが通過した通過チェックポイント(「お」地点、「う」地点等)を示している。「通過位置特定情報」は、例えば、所定通過位置(通過チェックポイント)を通過した際に、ピッキングカートによって更新される。ピッキングカートは、所定の通過チェックポイントを通過すると、カートを特定する情報をキーにカート現況ファイル130を検索し、既に通過した位置を特定する通過位置特定情報を更新する。所定の通過チェックポイントを通過したという情報は、ピッキングカートのキーボード203等の入力装置による設定のほか、通過チェックポイントにセンサを設置し、センサが探知した情報を受け付けて生成することもできる。
【0058】
「最終ピックアップ地点」は、作業中あるいは作業が終了した最終のラック(「E−1」、「B−3」等)を示している。「最終ピックアップ地点」は、カートが、作業者がキーボード203等の入力装置より設定した最終の作業ラックの情報設定に従って行なう。最終の作業ラックとは、ピッキングカートのキーボード203等の入力装置より入力されたピッキング作業を行なうラック(棚)を特定する情報である。最終の作業ラックは、作業中は現在作業中のラックを示し、移動中は最終に作業したラックを示す。最終の作業ラックに関する情報に基づいて、カート現況ファイル130の最新ピックアップ情報を更新する。入力装置としては、キーボード203のほか、ガンスキャナ、バーコードリーダ等の読み取り機器等がある。このような読み取り機器を用いてピックアップする商品を特定する情報を読み込み、商品を特定する情報をキーに棚ファイル140を検索して商品の置かれているラックを特定するようにしてもよい。
【0059】
「状況」は、作業状況(「作業中」、「完了」)を示している。「状況」は、カートが、作業者がキーボード203等の入力装置より設定した現在位置のラック(棚)から商品のピックアップが終了したという情報を受け取り、作業状況を「作業終了」に設定する。作業終了フラグ設定は、自カートを特定する情報をキーにカート現況ファイル130を検索し、現在の作業状況を示す「状況」を「完了」に更新する。商品のピックアップが終了したという情報は、作業者が入力装置を操作して入力するほか、ガンスキャナ、バーコードリーダ等の読み取り機器を用いてピックアップする商品を特定する情報を読み込むとともに数量をカウントし、ピックアップ対象表示で抽出したラック単位でのピッキングする商品と数量を満たした場合に自動的に生成するようにしてもよい。
【0060】
図8の例では、「A点出荷用カート」は、「お」地点を通過しており、「E−1」ラックで「作業中」であることが示されている。また、「B点出荷用カート」は、「う」地点を通過しており、「B−3」ラックでの作業が「完了」し、移動中である。
【0061】
棚ファイル140は、物流サーバ100に接続する記録媒体に記憶されており、商品が倉庫の棚のどこに配置されているかを示す情報である。図9は、棚ファイルの構造例を示した図である。図7と同じものについては、説明を省略する。棚ファイル140は、「出荷商品特定情報」と、「対象商品ラック特定情報」と、「リミットポイント」から構成される。
【0062】
「対象商品ラック特定情報」は、「出荷商品特定情報」で特定される商品が保管されているラックを特定するための情報である。
「リミットポイント」は、通路上に設けられた通過チェックポイント(「あ」地点、「い」地点、・・・、「ん」地点)のうち、通過してしまった場合は、「出荷商品特定情報」のピックアップができないポイント、すなわち、注文変更が不可となるポイントを示している。
【0063】
図9の例では、「明太子おにぎり」は「F−1」ラックに保管されており、ピッキングカートが「「ん」地点」を通過している場合には、ピッックアップができないことを示している。同様に、「梅干おにぎり」は「F−2」ラックに保管されており、リミットポイントは「「ん」地点」である。
【0064】
変更受付ファイル150は、物流サーバ100に接続する記録媒体に記憶されており、注文変更を実際の出荷に反映したかどうかを示す実績情報である。図10は、変更受付ファイルの構造例を示した図である。変更受付ファイル150は、変更受付の対象となった商品を特定する「変更受付対象特定情報」と、変更を受け付けた「反映回数特定情報」と、変更受付時の「連絡受取時の位置特定情報(反映時)」と、変更を拒絶した「非反映回数特定情報」と、変更拒絶時の「連絡受取時の位置特定情報(非反映時)」とから構成される。
【0065】
「変更受付対象特定情報」は、注文変更を受け付けた対象の商品を特定する情報である。注文変更データ10から抽出され、変更受付記録部114によって変更受付実績データに設定される。
【0066】
「反映回数特定情報」は、「変更受付対象特定情報」によって特定される対象の商品の注文変更を受け付け、この注文変更に応じて出荷を変更した回数を特定する情報である。図10の例では、対象商品「明太子おにぎり」については「2回」、対象商品「ビール」については「1回」、対象商品「枝豆」については「0回」、注文変更が受け付けられていることが示されている。
【0067】
「反映回数特定情報」に続く「連絡受け取り時の位置特定情報」は、対象の商品に関する注文変更が受け付けられた場合、この注文の連絡を受け取った際、すなわち、注文変更可の判定が行なわれた時点でのカートの位置を特定する情報である。図10の例では、対象商品「明太子おにぎり」の注文変更が許可されたとき、カートはそれぞれ「A−3」、「B−1」のラック位置にいたことが示されている。
【0068】
「非反映回数特定情報」は、「変更受付対象特定情報」によって特定される対象の商品の注文変更が拒絶され、この注文変更を出荷に反映できなかった回数を特定する情報である。図10の例では、対象商品「明太子おにぎり」については「0回」、対象商品「ビール」については「5回」、対象商品「枝豆」については「3回」、注文変更が拒絶されたことが示されている。
【0069】
「非反映回数特定情報」に続く「連絡受け取り時の位置特定情報」は、対象の商品に関する注文変更が拒絶された場合、この注文の連絡を受け取った際、すなわち、注文変更可の判定が行なわれた時点でのカートの位置を特定する情報である。図10の例では、対象商品「ビール」の注文変更が拒絶されたとき、カートは「C−2」、あるいは「C−1」のラック位置にいたことが示されている。また、対象商品「枝豆」の注文変更が拒絶されたとき、カートは「F−3」のラック位置にいたことが示されている。
【0070】
次に、このような物流サーバ100における出荷変更指示方法の実行手順について説明する。図11は、物流サーバの出荷変更指示処理手順を示したフローチャートである。なお、この処理は、注文変更データが入力されるとともに実行される。
【0071】
[ステップS11]注文変更データ10を入力し、注文変更データ10によって変更される対象の既注文について、注文の変更が可能な締め切り時間を抽出し、締め切り時間を過ぎているかどうかを判定する。締め切り時間前であれば、対象の既注文の出荷データを注文変更データ10に基づいて変更する。続いて、変更を受け付けたという実績を対象商品に関連付けた変更受付実績データを生成し、変更受付ファイル150に記録した後、処理を中断する。締め切り時間を過ぎていれば、次の作業状況確認処理(ステップS12)へ進む。
【0072】
[ステップS12]棚ファイル140から対象の出荷品の保管されている場所およびリミットポイントを抽出し、カート現況ファイル130から対象の出荷作業が行なわれているピッキングカートの現況を抽出する。抽出された、出荷品の保管場所およびリミットポイントと、最終ピックアップ地点と通過位置特定情報から把握されるピッキングカートの位置と、を比較して注文変更が可能かどうかを判定する。判定結果と、判定を行なった際のカートの位置を含む変更受付実績データを作成し、変更受付ファイル150に記録する。注文変更が可能である場合は、次の注文数変更指示処理(ステップS13)へ進む。
【0073】
[ステップS13]注文数変更指示は、注文変更が可能である場合、注文変更データに基づいてピッキング作業の作業指示を変更し、生成した作業指示データをピッキングカート210に送信する。ピッキングカート210から承認の応答が返ってくれば、作業指示の変更が受け付けられたことになり、注文数変更に応じて受注ファイル120の該当する出荷データを更新する。
【0074】
[ステップS14]作業状況確認処理(ステップS12)において変更不可と判定された場合、あるいは注文数変更指示処理(ステップS13)において作業指示が承認されなかった場合、変更が却下されたことを発注先に通知する。
【0075】
[ステップS15]要求があった場合、あるいは、注文変更処理が終了した後、変更受付ファイル150に記録された変更受付実績データを抽出し、注文変更に関する実績情報をモニタ11に表示する。
【0076】
このような手順により、注文変更が受け付けられ、注文変更に応じた出荷変更指示処理が実行されるとともに、出荷変更処理の実績が記録され、その実績情報が管理者に提示される。
【0077】
以下、上記の説明の各処理について説明する。
まず、注文変更受付処理について詳しく説明する。
図12は、注文変更受付処理手順を示すフローチャートである。この処理は、注文変更データ10が入力されると、実行される。
【0078】
[ステップS111]注文変更受付部111は、注文変更データ10をユーザ端末装置300から取得し、注文変更データ10に含まれる対象となる「集配バッチ」情報を抽出する。
【0079】
[ステップS112]注文変更受付部111は、「集配バッチ」情報より特定される対象の集配バッチ処理に関して、予め設定されているシステム時間等を参照して注文の変更が可能な対象バッチ締め切り時間を抽出する。
【0080】
[ステップS113]注文変更受付部111は、現在の時刻と抽出された締め切り時間を比較し、出荷データの変更が可能な締め切り前がどうか判定する。締め切り時間前であれば、ステップS114へ進んで、受注ファイルの出荷データを更新する。締め切り時間を過ぎていれば、注文変更受付処理を終了する。
【0081】
[ステップS114]注文変更受付部111は、通常の締め切り時間前である場合、注文変更データ10に基づいて受注ファイル120の対象となる出荷データを検索する。締め切り前で出荷データの書き換えが可能であるので、対象となる出荷データの「出荷数特定情報」を注文変更データ10の「変更後数量特定情報」の示す値に書き換える。これにより、注文変更データの内容が受注ファイル120の出荷データに反映され、該当のバッチ処理時には更新された出荷データに基づいて作業が行なわれるようになる。また、変更が行なわれたことが変更受付記録部114に通知され、変更受付記録部114は、変更が行なわれたことを対象商品と関連付けた変更受付実績データを生成し、変更受付ファイル150に記録する。
【0082】
[ステップS115]注文変更受付部111から注文変更受付の通知を受けた変更受付通知部116は、注文変更データ10に基づいて出荷データが変更された後、変更が受け付けられたことを発注元に通知する。発注元のユーザ端末装置300のモニタ301には、変更が受け付けられた旨のメッセージが表示される。 ステップS115が終了した後、処理は図11に示したEへ飛び、出荷変更処理を終了し、変更受付状況表示(ステップS15)へ進む。
【0083】
次に、作業状況確認処理について詳しく説明する。
図13は、作業状況確認処理手順を示すフローチャートである。この処理は、注文変更受付処理が終了し、判定の結果、注文変更の依頼が締め切り時間を過ぎていた場合に実行される。
【0084】
[ステップS121]変更可否判定部112は、注文変更データ10から「変更商品特定情報」を抽出し、変更される商品を特定する。
[ステップS122]変更可否判定部112は、特定された商品をキーにして棚ファイル140を検索し、対象の商品が保管されているラック(棚)を示す「対象商品ラック特定情報」と、対象の商品のピックアップ作業が可能な「リミットポイント」を抽出し、保管されている商品の位置と変更可能なチェックポイントを把握する。
【0085】
[ステップS123]次に、変更可否判定部112は、注文変更データ10から出荷先を特定するための情報である「集配バッチ」と「発注元特定情報」を抽出する。
【0086】
[ステップS124]変更可否判定部112は、抽出された「集配バッチ」と「発注元特定情報」をキーにカート現況ファイル130を検索し、対象となるカートの「通過位置特定情報」を抽出し、対象カートの通過位置を把握する。
【0087】
[ステップS125]変更可否判定部112は、対象商品のリミットポイントと対象カートの通過位置とを対比し、対象カートがリミットポイントを通過しているかどうかを判定する。通過していれば、ステップS126へ進む。通過していなければ、ステップS127へ進む。
【0088】
[ステップS126]変更受付記録部114は、変更不可の判定結果と対象カートを特定する情報を取得する。対象カートを特定する情報に基づいてカート現況ファイル130を検索し、変更不可と判定された対象カートの位置を抽出する。続いて、対象商品をキーに変更受付ファイル150を検索し、対象商品の「非反映回数特定情報」に1を加算して更新し、抽出した対象カートの位置を「連絡受け取り時の位置特定情報」に設定する。このようにして変更受付ファイル150に変更拒絶状況を更新した後、図15に示す変更却下対応処理(A)へ進む。
【0089】
[ステップS127]変更可否判定部112は、抽出された「集配バッチ」と「発注元特定情報」をキーにカート現況ファイル130を検索し、対象となるカートの「最終ピックアップ地点」を抽出し、対象カートの最終作業位置を把握する。
【0090】
[ステップS128]変更可否判定部112は、対象商品の「対象商品ラック特定情報」により特定される対象商品ラックと、対象カートの最終作業位置とを対比し、対象カートが対象商品ラックを通過したかどうかを判定する。通過していれば、ステップS129へ進む。通過していなければ、注文の変更が可能であるとして作業状況確認処理を終了する。
【0091】
[ステップS129]変更受付記録部114は、変更不可の判定結果と対象カートを特定する情報を取得する。対象カートを特定する情報に基づいてカート現況ファイル130を検索し、変更不可と判定された対象カートの位置を抽出する。続いて、対象商品をキーに変更受付ファイル150を検索し、対象商品の「非反映回数特定情報」に1を加算して更新し、抽出した対象カートの位置を変更が拒絶された場合の「連絡受け取り時の位置特定情報」に設定する。このようにして変更受付ファイル150に変更拒絶状況を更新した後、図15に示す変更却下対応処理(A)へ進む。
【0092】
次に、注文数変更指示処理について詳しく説明する。
図14は、注文数変更指示処理手順を示すフローチャートである。この処理は、作業状況確認処理が終了し、判定の結果、注文の変更が可能である場合に実行される。
【0093】
[ステップS131]変更指示部113は、注文変更データ10に基づいて変更された作業指示データを、対象カートに対して送信する。対象カートのモニタ201には、注文変更に応じて変更された作業指示が表示される。
【0094】
[ステップS132]作業者は、モニタ201に表示された作業指示を行なうかどうかの応答をキーボード203等の入力装置で設定する。応答は、物流サーバ100に送信される。変更指示部113は、この対象カートからの返信を取得する。
【0095】
[ステップS133]変更指示部113は、対象カートからの返信が変更承諾かどうかを判定する。変更承諾であれば、ステップS134へ進み、変更が受け付けられた場合の処理を行なう。変更が却下されれば、ステップS137へ進み、変更が拒絶された場合の処理を行なう。
【0096】
[ステップS134]変更指示部113は、対象となる出荷データの「出荷数特定情報」を注文変更データ10の「変更後数量特定情報」の示す値に書き換える。
【0097】
[ステップS135]変更指示部113から変更が承諾されたことを通知された変更受付通知部116は、注文変更データ10に基づいて出荷データが変更された後、変更が受け付けられたことを発注元に通知する。発注元のユーザ端末装置300のモニタ301には、変更が受け付けられた旨のメッセージが表示される。
【0098】
[ステップS136]変更受付記録部114は、変更が承諾されて変更が行なわれるという情報と対象カートを特定する情報を取得する。対象カートを特定する情報に基づいてカート現況ファイル130を検索し、変更が承諾された対象カートの位置を抽出する。続いて、対象商品をキーに変更受付ファイル150を検索し、対象商品の「反映回数特定情報」に1を加算して更新し、抽出した対象カートの位置を変更が反映された場合の「連絡受け取り時の位置特定情報」に設定する。このようにして変更受付ファイル150に変更応諾状況を設定した後、処理は図11に示したEへ飛び、出荷変更処理を終了し、変更受付状況表示(ステップS15)へ進む。
【0099】
[ステップS137]変更受付記録部114は、変更不可の判定結果と対象カートを特定する情報を取得する。対象カートを特定する情報に基づいてカート現況ファイル130を検索し、変更不可と判定された対象カートの位置を抽出する。続いて、対象商品をキーに変更受付ファイル150を検索し、対象商品の「非反映回数特定情報」に1を加算して更新し、抽出した対象カートの位置を変更が拒絶された場合の「連絡受け取り時の位置特定情報」に設定する。このようにして変更受付ファイル150に変更拒絶状況を更新した後、次の変更却下対応処理へ進む。
【0100】
次に、変更却下対応処理について詳しく説明する。
図15は、変更却下対応処理手順を示すフローチャートである。この処理は、作業状況確認処理により変更が不可であると判定された場合、および注文数変更指示処理において作業者が変更を却下した場合に実行される。
【0101】
[ステップS141]変更受付通知部116は、変更が拒絶された旨の通知をユーザ端末装置300に送信する。ユーザ端末装置300のモニタ301には、注文の変更が拒絶された旨のメッセージが表示される。このとき、注文変更データ10の内容を、対象となる出荷先の次回のバッチに反映した場合の新たな注文変更データを作成し、これを拒絶のメッセージとともに提示する。例えば、受注ファイル120より今回行なわれた対象商品に関する出荷データを抽出し、注文変更データとの差分を算出する。今回の注文変更で間に合わなかったこの差分を次回のバッチに関する注文変更データとして作成する。
【0102】
[ステップS142]変更受付通知部116は、変更依頼元の返信を受信する。返信は、ステップS141で提示した次回のバッチに反映された注文変更データについて、ユーザがキーボード303等の入力装置により設定したこの注文変更データを承諾するかどうかについての応答である。
【0103】
[ステップS143]変更受付通知部116は、返信を調べ、注文の変更を次回バッチに反映した注文変更データに基づく注文変更を行なうかどうかを判定する。注文の変更を中止する場合は、図11に示したEへ飛び、出荷変更処理を終了し、変更受付状況表示(ステップS15)へ進む。注文の変更を実行する場合は、ステップS144へ進む。
【0104】
[ステップS144]変更受付通知部116は、今回の注文の変更で実行されなかった差分を次回バッチに反映した注文変更データに基づいて出荷データを変更し、受注ファイル120を更新する。これにより、注文の変更は、次回のバッチに反映される。
【0105】
次に、変更受付状況表示処理について詳しく説明する。
図16は、変更受付状況表示処理手順を示すフローチャートである。この処理は、注文変更データ10の入力により開始された変更受付処理の最後に実行される。また、物流サーバ100のキーボード12あるいはマウス13等の入力機器より入力する表示要求に応じて処理が開始されることもある。
【0106】
[ステップS151]変更受付表示部115は、変更受付ファイル150に記録された変更受付実績データを読み取り、注文変更に対する実績状況を把握する。図10に示した変更受付実績データを読み出した場合、商品ごとに分類されて記録されている注文変更が受け付けられた回数(反映回数特定情報)とそのときのカートの位置(連絡受け取り時の位置特定情報)、および注文変更が受け付けられなかった回数(非反映回数特定情報)とそのときのカートの位置(連絡受け取り時の位置特定情報)とが把握される。
【0107】
[ステップS152]変更受付表示部115は、変更受付対象特定情報で特定される商品をキーに、棚ファイル140を検索し、対象となる商品が保管されているラック(棚)の位置を抽出する。
【0108】
[ステップS153]変更受付表示部115は、抽出された変更受付実績データと、商品が保管されているラック(棚)の位置とに基づいて、変更受付の実績状況をモニタ11へ表示する。このとき、注文変更が受け付けられた場合における商品の位置とカートの位置の関係、および注文変更が拒絶された場合における商品の位置とカートの位置の関係とがわかるような表示を行なう。例えば、倉庫の棚の配置図に、対象の商品が保管された棚の位置と、その対象の商品に関する注文変更が受け付けられた際のカートの位置と、その対象の商品に関する注文変更が拒絶された際のカートの位置と、を重ねて表示する。
【0109】
以下、具体例として、図10に示した変更受付ファイル150に登録された変更受付対象商品(明太子おにぎり、ビール、枝豆)の変更受付状況表示について説明する。
【0110】
まず、第1の対象商品「ビール」について説明する。図17は、第1の対象商品についての変更受付状況表示画面の例である。
変更受付ファイル150から対象商品「ビール」に関する変更受付実績データを読込むと、反映回数「1」、反映時のカート位置「A−1」、非反映回数「5」、非反映時のカート位置「C−2」「C−1」「C−1」「C−1」「C−2」であることが把握される。また、棚ファイル140から商品が保管されているラックは「A−3」であることが把握される。図17に示した例では、これらの情報を、出荷作業の順路とともに棚の配列を示した倉庫の棚の配置図に重ねて表示画面を作成している。ここでは、商品が保管されている商品設置位置511のラックが他のラックと区別可能に表示されている。区別する方法として、例えば、他のラックと表示色を変える、あるいは、模様を変える等がある。さらに、変更依頼が受け付けられたことを示す記号(変更依頼受付位置521)が変更受付時のカート位置(A−1)上に表示され、変更依頼が拒絶されたことを示す記号(変更依頼拒絶位置531、532)が変更拒絶時のカート位置(C−1、C−2)上に表示されている。記号の数は、反映された回数あるいは非反映の回数を示している。
【0111】
このように商品の棚と、反映時および非反映時のカートの位置との順路上の関係を視覚化することにより、対象商品「ビール」の注文変更が発生するタイミングの傾向と、注文変更をより多く反映させるための商品の配置とを容易に把握することができる。この場合、現在A−1の位置に設置している「ビール」は、Dラック以降に移すことで、より変更依頼を反映できるようになることがわかる。
【0112】
次に、第2の対象商品「明太子おにぎり」について説明する。図18は、第2の対象商品についての変更受付状況表示画面の例である。
変更受付ファイル150から対象商品「明太子おにぎり」に関する変更受付実績データを読込むと、反映回数「2」、反映時のカート位置「A−3」「B−1」、非反映回数「0」であることが把握される。また、棚ファイル140から商品が保管されているラックは「F−1」であることが把握される。図18に示した例では、図17と同様に、これらの情報を出荷作業の順路とともに棚の配列を示した倉庫の棚の配置図に重ねて表示画面を作成している。ここでは、商品が保管されている商品設置位置512がF−1に表示され、変更依頼受付位置522がA−1上に表示され、変更依頼受付位置523がB−1上に表示されている。反映回数は、それぞれ1回である。
【0113】
このように視覚化することにより、現在F−1の位置に設置している「明太子おにぎり」は、Fラックに置かなくても、Cラック近辺に置けば、注文変更に対応できることがわかる。これにより、F−1ラックを他の商品の明け渡すように配置することができるようになる。
【0114】
次に、第3の対象商品「枝豆」について説明する。図19は、第3の対象商品についての変更受付状況表示画面の例である。
変更受付ファイル150から対象商品「枝豆」に関する変更受付実績データを読込むと、反映回数「0」、非反映回数「3」、非反映時のカート位置「F−3」「F−3」、「F−3」であることが把握される。また、棚ファイル140から商品が保管されているラックは「F−3」であることが把握される。図19に示した例では、図17と同様に、これらの情報を出荷作業の順路とともに棚の配列を示した倉庫の棚の配置図に重ねて表示画面を作成している。ここでは、商品が保管されている商品設置位置513がF−3に表示され、変更依頼拒絶位置533がF−1上に表示されている。非反映回数は、3回である。
【0115】
このように視覚化することにより、現在F−3の位置に設置している「枝豆」は、最終ラック(F−3)に置かれているが、変更依頼に対応できていないことがわかる。
【0116】
上記の説明のように、本発明によれば、注文変更の依頼に応じて実行された変更受付処理の実績を残し、これらの実績データに基づいて、商品が配置されている棚と、注文変更が受け付けられた際のカート位置と、注文変更が拒絶された際のカート位置との関係が把握できるような表示を行なうことができる。これにより、出荷直前の変更を反映できなかった商品の把握が可能になり、例えば、変更される可能性の高い商品のストック位置を、順路最終の積載場所に近いエリアに移すことで、積載直前までの変更受付を可能にする。また、変更の少ないものは、順路の前方に移すこともできる。このように、注文変更の依頼に対応するために最適な商品配置を設定することが可能となる。
【0117】
なお、上記の処理機能は、クライアントサーバシステムのサーバコンピュータによって実現することができる。その場合、物流サーバが有すべき機能の処理内容を記述したサーバプログラムが提供される。サーバコンピュータは、クライアントコンピュータからの要求に応答して、サーバプログラムを実行する。これにより、上記処理機能がサーバコンピュータ上で実現され、処理結果がクライアントコンピュータに提供される。
【0118】
処理内容を記述したサーバプログラムは、サーバコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。サーバコンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリなどがある。磁気記録装置には、ハードディスク装置(HDD)、フレキシブルディスク(FD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)などがある。光磁気記録媒体には、MO(Magneto-Optical disk)などがある。
【0119】
サーバプログラムを流通させる場合には、たとえば、そのサーバプログラムが記録されたDVD、CD−ROMなどの可搬型記録媒体が販売される。
サーバプログラムを実行するサーバコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたサーバプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、サーバコンピュータは、自己の記憶装置からサーバプログラムを読み取り、サーバプログラムに従った処理を実行する。なお、サーバコンピュータは、可搬型記録媒体から直接サーバプログラムを読み取り、そのサーバプログラムに従った処理を実行することもできる。
【0120】
(付記1) コンピュータを用いて注文変更の依頼に応じた出荷変更の受付処理に関する実績を記録する出荷変更受付方法において、
ピッキング作業の開始により順次作成される所定の順路上でのカートの位置を含む出荷作業の作業現況データをカート現況ファイルに記録し、
注文変更を依頼する注文変更データが入力されると、前記注文変更データに応じた対象の出荷データについて変更が可能な締め切り時間前であった場合、前記対象の出荷データを変更するとともに変更の対象物品と関連付けた変更受付実績データを生成して記録し、
前記締め切り時間を過ぎていた場合、前記物品の保管場所に関する保管場所情報に基づいて算出される対象物品の保管場所と、前記カート現況ファイルから抽出される前記対象の出荷作業が行なわれているカートの位置と、を比較して前記注文変更が可能であるか否かを判定するとともに、前記注文変更可否の判定結果に応じた前記変更受付実績データ生成して記録し、
前記注文変更が可能である場合には前記注文変更データに基づいて作業指示を変更して出力し、
必要に応じて記録された前記変更受付実績データに基づいて注文変更に応じた出荷変更の受付実績情報を提供する、
ことを特徴とする出荷変更受付方法。
【0121】
(付記2) 前記変更受付実績データは、前記注文変更可否の判定結果とともに判定が行なわれた際の前記カートの位置を含むことを特徴とする付記1記載の出荷変更受付方法。
【0122】
(付記3) 前記注文変更データに基づいて作成された作業指示が可能であるか否かを作業者に問い合わせ、前記作業者によって承認がされた場合に前記注文変更が反映されたという変更受付実績データを生成し、前記作業者によって拒否された場合に前記注文が反映されなかったという変更受付実績データを生成することを特徴とする付記1記載の出荷変更受付方法。
【0123】
(付記4) 前記受付実績情報の提供は、対象物品について検索された前記変更受付実績データに基づく注文変更が受け付けられた場合のカートの位置および注文変更が受け付けられなかった場合のカートの位置と、前記対象物品の保管場所と、を同一画面に表示することにより行なわれることを特徴とする付記1記載の出荷変更受付方法。
【0124】
(付記5) 前記受付実績情報の提供は、倉庫内における物品の保管場所を示した地図上に、前記対象物品の保管場所と、前記注文変更が受け付けられた場合のカートの位置と、前記注文変更が受け付けられなかった場合のカートの位置と、が表示されることを特徴とする付記4記載の出荷変更受付方法。
【0125】
(付記6) 前記受付実績情報の提供は、前記注文変更が受け付けられた回数および前記注文変更が受け付けられなかった回数も同一画面上に表示されることを特徴とする付記4記載の出荷変更受付方法。
【0126】
(付記7) コンピュータを用いて注文変更の依頼に応じた出荷変更の受付処理に関する実績を記録するための出荷変更受付記録プログラムにおいて、
コンピュータに、
ピッキング作業の開始により順次作成される所定の順路上でのカートの位置を含む出荷作業の作業現況データをカート現況ファイルに記録し、
注文変更を依頼する注文変更データが入力されると、前記注文変更データに応じた対象の出荷データについて変更が可能な締め切り時間前であった場合、前記対象の出荷データを変更するとともに変更の対象物品と関連付けた変更受付実績データを生成して記録し、
前記締め切り時間を過ぎていた場合、前記物品の保管場所に関する保管場所情報に基づいて算出される対象物品の保管場所と、前記カート現況ファイルから抽出される前記対象の出荷作業が行なわれているカートの位置と、を比較して前記注文変更が可能であるか否かを判定するとともに、前記注文変更可否の判定結果に応じた前記変更受付実績データ生成して記録し、
記録前記注文変更が可能である場合には前記注文変更データに基づいて作業指示を変更して出力し、
必要に応じて記録された前記変更受付実績データに基づいて注文変更に応じた出荷変更の受付実績情報を提供する、
処理を実行させることを特徴とする出荷変更受付記録プログラム。
【0127】
(付記8) 注文変更の依頼に応じた出荷変更の受付処理に関する実績を記録する出荷変更受付装置において、
ピッキング作業の開始により順次作成される所定の順路上でのカートの位置を含む出荷作業の作業現況データを記憶するカート現況ファイル記録手段と、
注文変更を依頼する注文変更データが入力されると、前記注文変更データに応じた対象の出荷データが変更可能な締め切り時間を過ぎていないかどうかを判定し、前記締め切り時間前であった場合、前記対象の出荷データを変更する注文変更受付部と、
前記締め切り時間を過ぎていた場合、前記物品の保管場所に関する保管場所情報に基づいて算出される対象物品の保管場所と、前記カート現況ファイルから抽出される前記対象の出荷作業が行なわれているカートの位置と、を比較して前記注文変更が可能であるか否かを判定する変更可否判定部と、
前記注文変更が可能である場合には前記注文変更データに基づいて作業指示を変更して出力する変更指示部と、
前記注文変更受付部による前記対象の出荷データの更新あるいは前記変更可否判定部による判定結果と、注文変更の対象となる対象物品とを関連付けた変更受付実績データを生成し、記録する変更受付記録部と、
前記変更受付実績データを記録する変更受付ファイル記録手段と、
必要に応じて前記変更受付ファイル記録手段から前記変更受付実績データを読み出し、注文変更に応じた出荷変更の受付実績情報を提供する変更受付情報提供部と、
を具備することを特徴とする出荷変更受付装置。
【0128】
(付記9) コンピュータを用いて注文変更の依頼に応じた出荷変更の受付処理に関する実績を記録するための出荷変更受付記録プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記コンピュータに、
ピッキング作業の開始により順次作成される所定の順路上でのカートの位置を含む出荷作業の作業現況データをカート現況ファイルに記録し、
注文変更を依頼する注文変更データが入力されると、前記注文変更データに応じた対象の出荷データについて変更が可能な締め切り時間前であった場合、前記対象の出荷データを変更するとともに変更の対象物品と関連付けた変更受付実績データを生成して記録し、
前記締め切り時間を過ぎていた場合、前記物品の保管場所に関する保管場所情報に基づいて算出される対象物品の保管場所と、前記カート現況ファイルから抽出される前記対象の出荷作業が行なわれているカートの位置と、を比較して前記注文変更が可能であるか否かを判定するとともに、前記注文変更可否の判定結果に応じた前記変更受付実績データ生成して記録し、
前記注文変更が可能である場合には前記注文変更データに基づいて作業指示を変更して出力し、
必要に応じて記録された前記変更受付実績データに基づいて注文変更に応じた出荷変更の受付実績情報を提供する、
処理を実行させることを特徴とする出荷変更受付記録プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、既注文に対する注文変更が入力されると、この既注文の出荷データに対する注文変更が可能な締め切り時間が過ぎていた場合、ピッキング作業の作業現況データに基づいて注文変更が可能であるかどうかを判定するとともに、判定結果を実績データとして記録する。そして、変更可能であると判定されると、注文変更に応じた作業指示が出力される。このように、注文変更のあった物品の保管場所と、ピッキング作業が行なわれている位置と、を比較して変更可否の判断と作業変更指示を行なうため、ピッキングされる直前まで注文の変更を受け付けることができる。さらに、注文変更が受け付けられた場合、および拒否された場合の実績データを解析することより、注文変更の多い商品の傾向などを知ることができる。この結果、倉庫内の商品棚を注文変更に対応しやすい配置にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に適用される発明の概念図である。
【図2】本発明の実施の形態のシステム構成を示す図である。
【図3】物流サーバのハードウェア構成を示す図である。
【図4】倉庫内の商品棚の配置とピッキングカートの順路を示す図である。
【図5】物流サーバの機能を示すブロック図である。
【図6】注文変更データの構造例を示した図である。
【図7】受注ファイルの構造例を示した図である。
【図8】カート現況ファイルファイルの構造例を示した図である。
【図9】棚ファイルの構造例を示した図である。
【図10】変更受付ファイルの構造例を示した図である。
【図11】物流サーバの出荷変更指示処理手順を示したフローチャートである。
【図12】注文変更受付処理手順を示すフローチャートである。
【図13】作業状況確認処理手順を示すフローチャートである。
【図14】注文数変更指示処理手順を示すフローチャートである。
【図15】変更却下対応処理手順を示すフローチャートである。
【図16】変更受付状況表示処理手順を示すフローチャートである。
【図17】第1の対象商品についての変更受付状況表示画面の例である。
【図18】第2の対象商品についての変更受付状況表示画面の例である。
【図19】第3の対象商品についての変更受付状況表示画面の例である。
【符号の説明】
10 注文変更データ
20 作業現況データ
100 物流サーバ
120 受注ファイル
130 カート現況ファイル
140 棚ファイル
150 変更受付ファイル
200 端末装置
300 ユーザ端末装置
Claims (5)
- コンピュータを用いて注文変更の依頼に応じた出荷変更の受付処理に関する実績を記録する出荷変更受付方法において、
ピッキング作業の開始により順次作成される所定の順路上でのカートの位置を含む出荷作業の作業現況データをカート現況ファイルに記録し、
注文変更を依頼する注文変更データが入力されると、前記注文変更データに応じた対象の出荷データについて変更が可能な締め切り時間前であった場合、前記対象の出荷データを変更するとともに変更の対象物品と関連付けた変更受付実績データを生成して記録し、
前記締め切り時間を過ぎていた場合、前記物品の保管場所に関する保管場所情報に基づいて算出される対象物品の保管場所と、前記カート現況ファイルから抽出される前記対象の出荷作業が行なわれているカートの位置と、を比較して前記注文変更が可能であるか否かを判定するとともに、前記注文変更可否の判定結果に応じた前記変更受付実績データを生成して記録し、
前記注文変更が可能である場合には前記注文変更データに基づいて作業指示を変更して出力し、
必要に応じて記録された前記変更受付実績データに基づいて注文変更に応じた出荷変更の受付実績情報を提供する、
ことを特徴とする出荷変更受付方法。 - 前記変更受付実績データは、前記注文変更可否の判定結果とともに判定が行なわれた際の前記カートの位置を含むことを特徴とする請求項1記載の出荷変更受付方法。
- 前記受付実績情報の提供は、対象物品について検索された前記変更受付実績データに基づく注文変更が受け付けられた場合のカートの位置および注文変更が受け付けられなかった場合のカートの位置と、前記対象物品の保管場所と、を同一画面に表示することにより行なわれることを特徴とする請求項1記載の出荷変更受付方法。
- 前記受付実績情報の提供は、倉庫内における物品の保管場所を示した地図上に、前記対象物品の保管場所と、前記注文変更が受け付けられた場合のカートの位置と、前記注文変更が受け付けられなかった場合のカートの位置と、が表示されることを特徴とする請求項3記載の出荷変更受付方法。
- コンピュータを用いて注文変更の依頼に応じた出荷変更の受付処理に関する実績を記録するための出荷変更受付記録プログラムにおいて、
コンピュータに、
ピッキング作業の開始により順次作成される所定の順路上でのカートの位置を含む出荷作業の作業現況データをカート現況ファイルに記録し、
注文変更を依頼する注文変更データが入力されると、前記注文変更データに応じた対象の出荷データについて変更が可能な締め切り時間前であった場合、前記対象の出荷データを変更するとともに変更の対象物品と関連付けた変更受付実績データを生成して記録し、
前記締め切り時間を過ぎていた場合、前記物品の保管場所に関する保管場所情報に基づいて算出される対象物品の保管場所と、前記カート現況ファイルから抽出される前記対象の出荷作業が行なわれているカートの位置と、を比較して前記注文変更が可能であるか否かを判定するとともに、前記注文変更可否の判定結果に応じた前記変更受付実績データ生成して記録し、
前記注文変更が可能である場合には前記注文変更データに基づいて作業指示を変更して出力し、
必要に応じて記録された前記変更受付実績データに基づいて注文変更に応じた出荷変更の受付実績情報を提供する、
処理を実行させることを特徴とする出荷変更受付記録プログラム。
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