JP3992090B2 - ラマン分光用プローブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、近接場のラマン分光計に用いられるラマン分光用プローブに関するもので、より具体的にはプローブに用いるファイバ構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近接場光学を用いて試料の微弱なラマン散乱光を測定するラマン分光計に用いられるラマン分光用プローブは、石英ファイバを用いて構成される。このプローブは、励起レーザー光の導入のために使用される。そして、プローブの先端径は、励起レーザー光の波長よりも小さくする必要があるので、2〜3nmとなる。一方、コア径は3〜8μmとなる。従って、石英ファイバのコアの先端を先細り状に尖らせる必要がある。
【0003】
通常、ファイバの先端を尖らせるには、レーザーやヒーターなどでファイバを加熱して引っ張る方法や、選択エッチングにより故意に溶かし残しを作ることにより尖らせる方法等が適用される。但し、上記のように先端径が2〜3nmというように非常に微小に加工するためには、純粋石英でコアを形成した一般的なファイバを用いることはできない。従って、コア全体にGeOを予めドープした特殊なファイバを用いるしかなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のコアにGeOを予めドープしたファイバからなるラマン分光用プローブでは、以下のような問題を有する。すなわち、導入された励起レーザー光によってファイバ自身がラマン光を発してしまう。その結果、目的とする物質のラマンスペクトルにファイバ自身のラマン光が重複して測定結果に表れてしまい、シリコンをはじめとする半導体表面から出るラマン光の分析の著しい妨げとなる。
【0005】
さらに、ラマン分光器における迷光の問題には、以下のような問題もある。すなわち、試料から散乱されるラマン光以外の発光(蛍光・りん光・その他の発光)による妨害は、しばしばラマンスペクトルの測定を不可能にしてしまうほど重大な妨害である。従って、蛍光による妨害を除去してラマンスペクトルを測定する技術の開発も長年にわたってラマン分光法の最重要な課題の1つとなっている。
【0006】
そして、試料から散乱される蛍光以外にも、ファイバに導入された励起レーザー光によって、ラマン光と同様にファイバ自身から蛍光が発せられている。そこで、ファイバ自身から発生するラマン光の抑制に関する解決手段としては、従来では、ファイバのコアとなる軸の中心部からコア周辺に向かうに従ってドープするGeOの濃度が薄くなっていくようなファイバが使われたりしていた。
【0007】
しかし、ファイバの軸中心部と周辺でドープされるGeOの濃度が違うようなファイバは特注品なので、コスト的に高くついてしまう。さらに、コアの周辺部のGeOの濃度を薄くするといっても、ファイバ全長にわたってGeOがドープされるので、GeOの使用量は増え、ファイバ自身のラマン光発生および蛍光発生を効果的に抑制することができなかった。
【0008】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題を解決し、光源からのレーザー光により、ファイバ自身からラマン光および蛍光が発生しにくくなるような安価なラマン分光用プローブを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係るラマン分光用プローブでは石英製のコアからなるファイバ本体の端部に、少なくともそのファイバ本体のコアの端部を覆うような出力部を取り付ける。そして、その出力部は、前記コアの延長線上の先端が露出するとともに尖らせた形状を有するとともに、前記出力部が、石英に不純物がドープされたコアを備えたファイバからなり、そのコアと前記ファイバ本体のコアとを同軸上に配置するように構成した(請求項1)。
【0010】
近接場ラマン分光に用いるプローブは、その先端を露出させるとともに先細り状にする必要がある。そして、係る加工を純粋な石英製のコアを持つファイバに対して行うことが難しい。そこで、係る加工が可能な出力部を別途設け、それをファイバ本体に取り付けることにより、製造を容易に行うことができる。
【0011】
そして、プローブの本体の大部分を構成するファイバ本体のコアは純粋な石英製のコアにしておけるので、ファイバ本体からは光源に用いる励起レーザー光が通過しても、ラマン光および蛍光が発せられることがなくなる。
【0012】
また、出力部に用いる材料の影響で、光源に用いた励起レーザー光がこの出力部を通過することで、ラマン光等が発生することがあるが、いずれにしても出力部の寸法を小さくすることができるので、プローブ全体から発せられるラマン光は、出力部からの発光分だけにすることができ、ごくわずかなものとなる。
【0013】
すると、石英に不純物をドープした部材で出力部を構成することで、出力部の形状を以下のような簡単な形にしておける。つまり、出力部は、少なくともファイバ本体の出射側のコア表面を覆っていればよい。そして、出力部の先端は通常のラマン分光用プローブの出射側の先端と同様に尖っているようにする。
【0014】
なお、出力部はファイバ本体と同様に石英をベースにしているので、加工した出力部を後からファイバ本体に接着しても、ファイバ本体に入力された光が出力部に移行する過程で起こる光量の損失はとても少ないものとなる。
【0015】
また、出力部をファイバ本体の出射側の端部に直接作っても良い。つまり、半導体の積層法を転用してファイバ本体の端部にスパッタ等で積層して作っても、出力部とファイバ本体の繋ぎ目で起こる光の伝播過程での損失はほとんど起こらない。
【0016】
上記したように、出力部の長さはファイバ本体にスパッタで形成できるほどの短い長さである。従って、出力部とファイバ本体の接点は、少なくともファイバ本体のコアが全て覆われていれば、それ以外の部分を出力部が覆っていてもいなくても、ファイバ本体に集光された光はほとんど損失することなしに出力部の光の出口から出射される。なお、出力部とファイバ本体の接点がファイバ本体の端面全てに及んでいる例を本発明に係る第2の実施の形態に示し、上記接点をコアの部分だけになるよう構成したものが本発明に係る第3の実施の形態として示している。
【0017】
そして、上記2つの実施の形態の違いは、主として、出力部を先に作ってからファイバ本体に繋ぐのか、それとも、ファイバ本体上に直に出力部を作るのかという製作上の違いであり、本発明の要部は同一である。
【0019】
本発明によれば、出力部が石英に不純物がドープされたコアを備えたファイバからなり、そのコアと前記ファイバ本体のコアとを同軸上に配置するように構成したため、ファイバ本体の出力を別のファイバを介して出力するようなプローブである。なお、ここでいう別のファイバとは出力部のことである。従って、出力部の長さはファイバ本体の長さと無関係であり、以下に示す形状が保たれるなら、その長さはできるだけ短くなるほうが良い。
【0020】
要するに、出力部となるファイバの光の出口は、従来のラマン分光用プローブと同様の措置がとられている。そのためには、ファイバ本体と出力部となるファイバを繋ぐとき、ファイバ同士の光軸を一致させて伝送時の損失ロスをできるだけ低く抑える等の接続技術が必要となる。そして、これらの技術は通常の光通信ケーブルの接続において考慮される技術と同じであってもそうでなくてもどちらでも構わない。
【0021】
また、出力部におけるファイバの光の出口の部分の加工法も、従来のラマン分光用プローブの出射口と同様の措置がとれる。つまり、出力部の先端付近のコアは剥き出しになっていて、この剥き出になったコアは、レーザーまたはヒータなどで加熱して引っ張ったり、或いは、選択エッチングにより故意に溶かし残しを作ることで尖らせられている。そして、この尖った部分の先端は光の出口になっていて、光源からの励起されたレーザー光の波長よりも短い幅でできた光の出口になっていることも従来と同じである。
【0022】
上記のように構成することで、光源からの励起されたレーザー光がラマン分光用プローブを通るときに、このプローブ自身から発生するラマン光および蛍光の光量は、ファイバ本体の長さにはほとんど関係なしに、ファイバ本体の出射側に繋いだ出力部の長さや材質によって決まるようにできる。なお、ファイバ本体の出射側に出力部を繋ぐには、従来のファイバ同士の接続方法と同様にして、電界放電による加熱融着,ガスレーザーによる過熱融着,ヒーターによる過熱融着等いずれの方法でも実施可能である。
【0023】
さらに、請求項2及び請求項3の構成に対して、前記不純物は、GeO,B,Er3+,Al,SnO,PbO,ランタノイド,アクチノイドの何れかが含まれるように構成するとよい(請求項4)。
【0024】
このように、不純物に含まれる材料を選ぶことで、ラマン分光用プローブとして用いるファイバの出射側の先端部である出力部の先鋭化が容易になったり、この出力部自身のラマン光や蛍光の発光強度を低くできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るラマン分光用プローブの第1の実施の形態を示す。図1は、係るラマン分光用プローブ1となるファイバを軸にそって切断したものを示している。
【0026】
同図に示すように、このプローブ1は、純石英製のコア2とその周囲を取り巻くクラッド3からなるファイバ本体4の端部に、別途形成した出力ファイバ6を取り付けることにより構成されている。出力ファイバ6のコア5と、ファイバ本体4のコア2は、その光軸を一致させるように調整している。
【0027】
また、出力ファイバ6のコア5の一端部(ファイバ本体4との非接続側)5aはクラッド7から露出しており、その露出したコア5の根元から先端にかけて次第に細くなるように尖らせてある。つまり、露出した一端部5aは、円錐形状となっている。そして、一端部5aの先端径Rは、このラマン分光用プローブ1に導入される光源の励起レーザー光の波長よりも短くなるように加工されている。具体的な寸法としては、2〜3nm程度となる。
【0028】
このように、出力ファイバ6の一端部5aを加工するために、コア5は、石英にGeOをドープしたものを用いて形成する。これにより、加工性が良好となり、そのコアの一端をレーザーやヒーターなどで加熱して引っ張ったり、或いは、円柱状に突出したコアに対してエッチングを行って周囲を除去することにより尖らせることができる。
【0029】
また、本実施の形態では、ファイバ本体4のコア2のコア幅はおよそ8μmなのに対して、出力ファイバ6のコア5のコア幅はおよそ2.4μmとした。このように出力ファイバ6のコア5の幅の方を狭くしたが、両者を等しくしてももちろんよい。
【0030】
そして、図2に示すようにファイバ本体4と出力ファイバ6は、それぞれ別々に形成されたものであり、この2つのファイバ同士を位置合わせしつつ接続する。この接続は、光通信ケーブル同士の接続において一般的に行われている融着により行うことができる。例えば、電界放電による加熱融着やガスレーザーによる過熱融着やヒーターによる加熱融着などの方法がある。
【0031】
また、コア2は純粋な石英からなり、コア5は石英にGeOをドープしたものを用いており、共に石英を基本としている点で共通する。従って、コアの材質が同じなため、融着により材質が均一化し、接合面での光学的な損失は殆ど無い。また、コア5には不純物としてGeOが混入されることから、純粋石英と屈折率が僅かに異なる。従って、その屈折率の差分だけ散乱損失を生じるが、係る散乱損失は、実用上問題が無いレベルである。
【0032】
さらに、図3に示すように、出力ファイバ6の周囲は、コア5の一端部5aの先端を除き、メタル8により被覆されている。このメタル8の被覆方法は、例えば、出力ファイバ6の先端側を一様に金属で塗布し、出力ファイバ6の先端の光の出口となる部分のみを除去する方法がある。また、逆にメタル8を形成しない部分に金属が塗布されないように予めマスクし、その状態で一様に金属を塗布する方法もある。さらには、金属を照射塗布する際に、コア5の先端が照射方向から影になるように配置するなど各種の方法を採れる。
【0033】
この出力ファイバ6の長さは、およそ2mmとしている。一方、ファイバ本体4の長さは、ラマン分光計内での各機器の配置レイアウト等により適宜の長さに設定されるが、いずれにしても出力ファイバ6の全長に比べると十分に長い距離となる。
【0034】
ファイバ本体4は純石英製のコアなので、レーザー光がそのファイバ中を通過してもファイバ自身がラマン光を発光したり蛍光を出すことはない。従って、ファイバ本体4の長さは、長くしても問題はない。一方、出力ファイバ6は、石英にGeO等の不純物をドープしたコア5を用いるので、レーザー光がこのコア5を通過するとファイバ自身からのラマン光や蛍光の発光が避けられない。
【0035】
従って、出力ファイバ6の全長は短いほど好ましい。よって、出力ファイバ6の先端の加工や、ファイバ本体4との接続処理をする作業のために十分な長さがあれば良い。よって、本形態では上記のように2mmにした。従って、それよりも短い長さで出力ファイバ6を加工・取り付けできるのならば、2mmよりも短くするとなお良い。
【0036】
図4には、GeOが石英にドープされたコアからなるファイバAと、純石英製のコアからなるファイバBのそれぞれのファイバ自身のラマン光の発光具合が示してある。
【0037】
同図に示されているように、上記ファイバAとファイバBのそれぞれに、励起されたレーザー光を入力したときのファイバそのものから発光されるラマン光の強度の差は明確である。つまり、ファイバAの方が極端にラマン光が強くなる。そして、ファイバAは、上記実施の形態における出力ファイバ6であり、ファイバBはファイバ本体4に相当している。
【0038】
本実施の形態では、石英に対してGeOをドープしたものを用いたが、本発明はこれに限ることはなく、ファイバの先端を上記のように加工するには、例えば、B,Er3+,Al,SnO,PbO,ランタノイド,アクチノイド等のいずれかの元素をGeOの替わりに適切量ドープしたファイバを使ってももちろんよい。
【0039】
図5は、本発明に係るラマン分光用プローブの第2の実施の形態を示している。同図に示すように、このプローブ10は、純石英製のコア2とそれを取り巻くクラッド3からなるファイバ本体4と、その出射側の端面4aを全てを覆うように取り付けた出力部11とを備えて構成している。
【0040】
つまり、出力部11の非接続面の中央に、山状に突出した凸部13を形成している。この凸部13が、第1の実施の形態におけるコア5の露出する一端部5aに相当する。従って、凸部13も円錐状に形成され、その先端径は、レーザー光の波長よりも短くなる。さらに、この凸部13の中心線と、ファイバ本体4のコア2の中心とを一致させている。
【0041】
また、図6に示すように、この尖った凸部13の先端から付け根にあたる部分の領域13aは、ファイバ本体4の出射側の端面4aのうち、コア2の含む領域2aを調度覆うような領域である。なお、その他の構成並びに作用効果は、上記した第1の実施の形態並びにその変形例(不純物の材質を替える)と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0042】
図7〜図11は、第2の実施の形態のラマン分光用プローブ10の製作工程の一例を示している。すなわち、図7に示すようなSi製の平面基板15の表面中央にエッチングによる掘り込み加工を行う。これにより、図8に示すように中心に穴16が形成される。そして、この穴16の表面及び削られずに残った平面基板15の表面15′を出力部11の型とする。
【0043】
次いで、平面基板15に対して、石英に所定量のGeOをドープした材料を用いてスパッタ等を行う。これにより、平面基板15の表面に、GeOをドープした石英が積層され、図9に示すように、掘り込んだ穴16の表面及び平面基板15の表面15′を埋める。これにより、出力部11が形成される。
【0044】
続いて、図10に示すように、平面基板15上に積層形成した出力部11の露出表面に、ファイバ本体4を接着する。その後、図11に示すように、平面基板15を出力部11から外すことにより、本形態のプローブ10が製造される。
【0045】
図12は、本発明に係るラマン分光用プローブの第3の実施の形態を示している。同図に示すように、このプローブ30は、純石英製のコア2とその周囲を取り巻くクラッド3からなるファイバ本体4と、その出射側のコア端面2aを全てを覆うように取り付けた出力部31とを備えて構成している。
【0046】
この出力部31も、第2の実施の形態における出力部11と同様に、石英にGeOなどの不純物をドープした材料で構成されている。そして、形状も先端に行くに従って細くなる山状、つまり、円錐形状としている。さらに、その出力部11の先端径は、光源の励起レーザー光の波長よりも短い幅とし、出力部131の中心と、コア2の中心を一致させている。その他の構成並びに作用効果は、上記した各実施の形態並びに変形例と同様であるので、その詳細な説明を省略する。
【0047】
そして、係る構成のプローブを製造するには、図13及び図14に示す工程により実施できる。すなわち、図13に示すように、ファイバ本体4の出射側の端面4a側に、マスク35を対向配置した状態でスパッタ等を行い、その端面4a上に、石英に所要量のGeOをドープした材料を積層する。このとき用いるマスク35は、ファイバ本体4のコア2に対向する部分に貫通孔35aを設けた形状としている。
【0048】
このように、マスク35を用いてスパッタを行うことにより、図14に示すように、コア2の端面2aに出力部31が直接積層形成される。なお、単純に端面4a上にマスク35を配置してスパッタしてもなかなかその先端を任意の形状に尖らせるのは難しいので、積層後にエッチング等で再加工しても良い。
【0049】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るラマン分光用プローブでは、先端径を、レーザー光の波長よりも小さくすることができるとともに、プローブを通過する際に発生するラマン光の発光強度を可及的に抑制できる。つまり、プローブの大部分を占めるファイバ本体は純石英製にできるので、励起されたレーザー光がこのファイバ本体を通過中にラマン光を発光することはほとんどない。
【0050】
一方、出力部は先端部を加工しやすくするような材質で構成することになる。従って、励起されたレーザー光が出力部を通過するとラマン光が発光してしまうかもしれないが、レーザー光が出力部を通過する長さは、プローブ全長に対して極僅かの長さにしておけるため、ラマン分光用プローブ全体が出すラマン光の強度は低くなる。
【0051】
さらに、上記したプローブでは、励起されたレーザー光に対して純石英製のファイバ本体は蛍光の発光もほとんどない。つまり、請求項1のラマン分光用プローブに励起されたレーザー光が導入されても、発光する蛍光は出力部からの蛍光だけで済むので、このプローブ全体として発光する蛍光量は極めて小さくできる。
【0053】
そして、石英に不純物がドープされたコアを持つファイバを用いたため、上記ファイバ本体及び出力部のそれぞれの構成は、従来からあるファイバ同士となるので、2つを融着等によって一体化することで簡単に製造できる。つまり、従来のように不純物の混入量を適宜変更する必要がなく、全体的にドープすることが可能となるので、出力部を構成するファイバも容易に製造できる。
【0054】
そして、上記した全ての出力部において、石英にドープする不純物の材質を、請求項4のように、GeO,B,Er3+,Al,SnO,PbO,ランタノイド,アクチノイドの何れかが含まれるように構成すると、出力部の先端を尖らせるための加工が容易になる。
【0055】
さらに、このような元素を不純物として用いると、励起されたレーザー光が出力部を通過するとき、出力部自身から発光するラマン光や蛍光の発光強度は低く抑えられるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る第1の実施の形態を示す分解断面図である。
【図3】本発明に係る第1の実施の形態を示す断面図である。
【図4】ファイバの性質を調べた実験データを示す図である。
【図5】本発明に係る第2の実施の形態を示す断面図である。
【図6】本発明に係る第2の実施の形態を示す分解断面図である。
【図7】本発明に係る第2の実施の形態の製作の1例を説明するための図である。
【図8】本発明に係る第2の実施の形態の製作の1例を説明するための図である。
【図9】本発明に係る第2の実施の形態の製作の1例を説明するための図である。
【図10】本発明に係る第2の実施の形態の製作の1例を説明するための図である。
【図11】本発明に係る第2の実施の形態の製作の1例を説明するための図である。
【図12】本発明に係る第3の実施の形態を示す断面図である。
【図13】本発明に係る第3の実施の形態の製作の1例を説明するための図である。
【図14】本発明に係る第3の実施の形態の製作の1例を説明するための図である。
【符号の説明】
2 コア
4 ファイバ本体
5 コア
6 出力ファイバ(出力部)
11 出力部
31 出力部

Claims (2)

  1. 石英製のコアからなるファイバ本体の端部に、少なくともそのファイバ本体のコアの端部を覆うような出力部を取り付け、
    前記出力部は、前記コアの延長線上の先端が露出するとともに尖らせた形状を有するようにし、
    前記出力部が、石英に不純物がドープされたコアを備えたファイバからなり、そのコアと前記ファイバ本体のコアとを同軸上に配置したことを特徴とするラマン分光用プローブ。
  2. 前記不純物が、GeO,B,Er3+,Al,SnO,PbO,ランタノイド,アクチノイドの何れかが含まれるようにした請求項1のラマン分光用プローブ。
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