JP3991118B2 - 放射線測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象物の放射線源から放出される放射線の放射線量を計測する放射線計測技術に係り、特に、放射線の電離作用で電離される気体から生成されるイオンを気体とともに吸い込み、電場をかけた電極でイオンによる誘導電流を検出し、電流の強度から放射線量を測定する放射線測定装置に関する。
核燃料サイクル施設や原子力発電所から廃棄される放射性廃棄物を測定対象とし、この測定対象物の放射線源から放出される放射線の放射線量を計測する放射線計測技術に、特開2004−85497号公報(特許文献1)、特開2003−337175号公報(特許文献2)および社団法人日本原子力学会「2003年秋の大会」において発表された「電離イオン流体移送計測による大容量α放射能測定装置の開発」の論文(非特許文献1)に開示された放射線測定装置がある。
これらの放射線測定装置は、測定室内に測定対象物を設置し、この測定対象物の放射線源から放出される放射線の電離作用で周辺の気体が電離され、この電離作用で電離させる気体から生成されるイオンを気体とともに吸い込み、電場をかけた電極でイオンによる誘導電流を検出し、電流の強度から放射線量を求めている。
例えば、非特許文献1には測定対象物を測定室内に収納し、放射線の電離作用で生成したイオンを測定し、放射線量を測定する放射線測定装置が開示されている。
この放射線測定装置1は、図17に示すように、測定対象物aを収納した測定室bと、測定室bからの気体流路cに設けられたイオン収集装置dと、イオン収集装置dで収集されたイオンによる誘導電流を検出する電流測定装置eと、イオン収集装置dに電圧を印加する電源fと、イオン収集装置dの下流側に設けられた気体輸送手段gおよびフィルタhと、測定室bに収納された測定対象物aに気体を吹き付ける気体吹付装置iとから構成される。気体吹付装置iは気送手段jからの気体を測定対象物aに吹き付ける吹付ノズルkを有する一方、気体流路cは測定室b内で生成されたイオンを気体とともに吸込する吸込ノズルlと、気体流路cのフィルタhを経た気体を測定室b内に吹き出す気体供給手段としての吹出ノズルmとを有する。符号nはデータ処理手段である。
従来の放射線測定装置1は、測定室bに循環型の気体流路cを構成する吹出ノズルmから気体を供給するとともに、測定室bに収納された測定対象物aに気体吹付装置iから気体を吹き付けている。測定室b内の気体は気体輸送手段gで吸い込まれ、気体中に含まれるイオンをイオン収集装置dに輸送し、ここでイオン収集し、生成されたイオンによる微小な誘導電流(イオン電流)を電流測定装置eで測定し、測定結果をデータ処理手段nでデータ処理している。
一方、気体輸送手段gを通過した気体は、フィルタhでフィルタ作用を受けた後、吹出ノズルmから測定室b内に拡散流となって吹き出される。
特開2004−85497号公報 特開2003−337175号公報 2003年9月24日〜26日に静岡大学で開催された社団法人日本原子力学会「2003年秋の大会」での発表論文第64頁の「電離イオン流体移送計測による大容量α放射能測定装置の開発(2)」の論文
従来の放射線測定装置1において、測定室bに収納された測定対象物aから放出される放射線により周辺の気体(空気)が電離し、イオン化する。測定対象物aからの放射線により気体が電離作用を受け、生成されたイオンを気体とともに吸い込み、回収しているが、測定室bからイオン収集装置dまでの気体流路cが直線状ではなく、フレキシブルな蛇腹形状であり、しかもイオンの輸送距離が長いため、流路抵抗が大きく、途中でイオンの減衰が生じたり、吸込ノズルlのノズル形状が急激な縮径流を生じさせるロート式形状であるため、このノズル形状に起因して乱流が生じ易く、スムーズに流れず、イオン減衰が生じる。
さらに、イオン収集装置dは気体が長手方向に延びる電極oに直交する方向から流入させており、流入した気体は装置内部で流れ方向を略直角に変えさせて案内されるため、装置内部で渦流が発生し、気体がスムーズに流れず、イオン収集効率が低下し、放射線量の測定感度の低下を招いている。
また、従来の放射線測定装置1は、気体吹付装置iの吹付ノズルkから気体(空気)を測定対象物aに向けて吹き付け、生成したイオンを測定対象物aから剥離させているが、測定対象物aが複雑な形状になると、測定対象物aからのイオンの剥離が形状依存性や位置依存性のために、スムーズに行なわれず、放射線量の検出感度が低下する等の課題があった。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、測定対象物からの放射線により生成されるイオンを効率よくスムーズに収集し、イオン収集効率を向上させて放射線量を精度よく正確に測定できる放射線測定装置を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、複雑な形状の測定対象物であっても、測定対象物からの放射線量を感度よく、形状依存性や位置依存性が小さく、感度低下を生じさせることなく効率的にかつスムーズに測定できる放射線測定装置を提供することを目的とする。
本発明に係る放射線測定装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、測定室を形成した本体ケーシングと、上記測定室内で放射線を放出する測定対象物を設けた設置台と、前記本体ケーシング内に設けられ、上記測定対象物から生成されたイオンを気体とともに、縮径流として流出させるベルマウス状あるいはラッパ状ノズルからなる気体流出手段と、この気体流出手段の下流側に設けられ、気体中に含まれるイオンを電界により収集するイオン収集装置および収集されたイオンを電流として測定する電流測定装置を有する放射線測定手段と、前記測定室に浄化された気体を流入させる気体供給手段とを備え、前記放射線測定手段は気体流出手段からイオン収集装置を経てその下流側に至る気体流路を直線状に構成する一方、前記イオン収集装置の下流側に気体流路を反転させるバッファタンクを備え、このバッファタンクの下流側に気体輸送手段を設け、この気体輸送手段を前記気体供給手段に接続して気体循環型の閉じた気体流路を構成し、上記気体輸送手段は、測定室内の気体をイオン収集装置に輸送するとともに輸送された気体を測定室に気体供給手段を介して還流させるものである。
また、本発明に係る放射線測定装置は、上述した課題を解決するために、請求項6に記載したように、円筒状の測定室を立設状態に形成した本体ケーシングと、上記測定室内に放射線を放出する測定対象物を設けた設置台と、前記本体ケーシングの上部に設けられ、上記測定対象物から生成されたイオンを気体とともに縮径流として上方に流出させるベルマウス状あるいはラッパ状ノズルからなる気体流出手段と、前記本体ケーシングの下部に測定室のチャンバ容積を仕切板で変更可能に仕切る測定室仕切手段と、前記気体流出手段の上方に設けられ、気体中に含まれるイオンを電界により収集するイオン収集手段および収集されたイオンを電流として測定する電流測定装置を有する放射線測定手段と、前記測定室に浄化された気体を供給する気体供給手段とを備え、前記放射線測定手段は、気体流出手段からイオン収集装置を経てその下流側に至る気体流路を直線状に構成する一方、前記測定室下部の仕切板上に設けられ、測定対象物に向けて浄化された気体を下方から吹き付ける気体吹付手段を有するものである。
さらに、本発明に係る放射線測定装置は、上述した課題を解決するために、請求項9に記載したように、横置きタイプの円筒状測定室を形成した本体ケーシングと、上記測定室内に放射線を放出する測定対象物を設けた設置台と、前記本体ケーシングの両側に設けられ、上記測定対象物から生成されたイオンを気体とともに縮径流として流出させるベルマウス状あるいはラッパ状ノズルからなる対の気体流出手段と、上記各気体流出手段の下流側に設けられ、気体中に含まれるイオンを電界により収集するイオン収集装置および収集されたイオンを電流として測定する電流測定装置とを有する放射線測定手段と、前記本体ケーシングの周側壁に設けられ、測定室内に浄化された気体を供給する気体供給手段とを備え、前記放射線測定手段は、気体流出手段からイオン収集装置を経てその下流側に至る気体流路をそれぞれ直線状に構成する一方、前記対をなす放射線測定手段は、イオン収集装置の下流側に気体流路を反転させるバッファタンクを備え、このバッファタンクの下流側に気体輸送手段を設け、この気体輸送手段を前記気体供給手段に接続して気体循環型の閉じた気体流路を構成したものである。
一方、本発明に係る放射線測定装置は、上述した課題を解決するために、請求項13に記載したように、放射線測定装置は、外側電極を構成する筒状の外筒と、この外筒内に同心状に設けられる中心電極と、この中心電極の両端部に絶縁材を介して設けられるリング状あるいは筒状をなす導電性の保護筒と、上記保護筒を外筒内に放射状配列の複数の絶縁性支持脚により保持する電極保持手段とを有し、前記外筒内に電界を構成する一方、直線状の気体流路を構成したものである。
また、本発明に係る放射線測定装置は、上述した課題を解決するために、請求項16に記載したように、放射線測定装置は、角筒状の外筒と、この外筒の高さ方向あるいは幅方向の中心部に配置される中心平板電極と、この中心平板電極に対向して両側に配置される外筒壁近傍の対の周辺平板電極と、前記中心平板電極の四隅部に絶縁材を介して保持される導電性の保護部材と、この保護部材を周辺平板電極とともに外筒内で絶縁状態に支持する電極保持手段とを有し、上記電極保持手段は、前記各平板電極を四隅部で外筒内に保持し、外筒内に周辺平板電極と中心平板電極との間に電界を構成する一方、直線状の気体流路を構成したものである。
本発明に係る放射線測定装置によれば、放射線対象物から放出される放射線により生成されるイオンを効率よくスムーズに収集し、イオン収集効率を向上させて放射線量を精度よく正確に測定できる。
また、この放射線測定装置は、複雑な形状の測定対象物であっても、測定対象物から生成されるイオンを剥離させ、剥離させたイオンを感度よく正確に測定でき、測定対象物の形状依存性や位置依存性が小さく、感度低下を生じさせることなく効率的かつスムーズに測定できる。
本発明に係る放射線測定装置の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明に係る放射線測定装置の第1実施形態を示す簡略的な構成を示す平面図である。
本発明に係る放射線測定装置10は、ボックス状の本体ケーシング11を有し、この本体ケーシング11内に測定室12が形成される。測定室12内には設置台としての回転テーブル13が回転手段14により回転可能に収納される一方、この回転テーブル13上に測定対象物15が設置される。測定対象物は、核燃料サイクル施設、ウラン濃縮施設、原子力発電所、放射線取扱施設等で発生する放射性廃棄物を主な対象とする。この放射線測定装置10は長手方向全長が数m、例えば4m、幅方向に1〜3m程度の長さを有する施設であり、本体ケーシング11は例えば1m角でボックス状に構成される。
本体ケーシング11の両側壁に吹出ノズル17および吸込ノズル18がそれぞれ設けられる。吹出ノズル17および吸込ノズル18はベルマウス形状あるいはラッパ形状にノズル縦断面形状が構成される。吸込ノズル18は気体流出手段を構成しており、測定室12から吸込されて吸い出される気体(空気)が滑らかな流線形をなす縮径流として流出される。吸込ノズル18は、その入口側が出口側の少なくとも4倍以上の面積比となるようにノズル形状が構成される。
気体流出手段である吸込ノズル18の下流側に放射線測定手段16が設けられ、この放射線測定手段16により測定対象物15からの放射線により生成されるイオンをイオン収集装置22で収集し、収集されたイオンの電流を電流測定装置33で測定し、放射線を放出する放射性対象物の放射線量を検出している。
一方、吹出ノズル17はベルマウス形状あるいはラッパ形状のノズル形状と略同形状あるいは比例形状の複数の整流化ノズルブレード19が同心円状に設けられており、この整流化ノズルブレード19により測定室12に案内される気体がスムーズな拡散流となるように構成される。吹出ノズル17は測定室12内に浄化された気体を供給する気体供給手段を構成している。
吸込ノズル18には循環型の閉ループを構成する気体流路20が接続されており、この気体流路20に、必要に応じて設けられる整流化手段21、イオン収集装置22、バッファタンク23、送風ファン等からなる気体輸送手段24、フィルタ手段25およびバッファタンク26が順次設けられる。
気体流路20は全て直管形状の給送管により形成される一方、整流化手段21は、例えば筒状のハニカムメンバで構成され、吸込ノズル18とイオン収集装置22の間に着脱可能に設けられる。
また、イオン収集装置22は外側電極を構成する直管形状の本体筒(外筒)30内に中心電極31を略同心状に配設しており、細長い本体筒30を、数10cm〜数m、例えば1m程度の長さとしても、本体筒30内を案内される気体がスムーズに案内されるように、流体抵抗を小さくした電極配置構造をとる。イオン収集装置22は、吸込ノズル18のできるだけ近くに設けられ、電圧をかけた電極30,31間に形成される電界で吸込ノズル18から案内される気体中のイオンを偏向させ、収集している。本体筒30内を流れる気体の流速は1m/sec以上10m/sec程度であり、好ましくは2m/sec〜7m/sec程度に設定される。1m/sec未満の速度では、イオン収集効率が悪く、効率よくイオン収集させることができない。
イオン収集装置22で収集されたイオンによる誘導電流(イオン電流)は、電流測定装置33により測定される。測定される電流値は、例えば10−14〜10オーダの微小アンペア(A)である。この電流測定値はコンピュータ等のデータ処理手段34に入力されてデータ処理される。データ処理手段34には予め電流値から放射線量への換算定数がデータベース(図示せず)化されて記憶されており、この換算定数を用いたデータ処理手段34により電流測定値を処理することで、電流測定値から放射線強度が求められ、放射線量が測定される。
また、イオン収集装置22には、直流化電源35が電気的に接続されており、この電源35によりイオン収集装置22の電極30,31間に、電圧を印加されるように構成される。
さらに、イオン収集装置22の下流側に、バッファタンク23が設けられ、このバッファタンク23内で気体の流路を反転させる一方、吸込ノズル18からバッファタンク23に至る気体流路20を直線形状に構成し、バッファタンク23のバッファ作用により、直線状の気体流路20内の流路抵抗を小さくし、気体がバッファタンク23内にスムーズに案内されるようになっている。
また、バッファタンク23からの気体流路20には、測定室12内の気体をイオン収集手段22に輸送するとともに、測定室12内に気体を供給する気体輸送手段24が設けられ、この気体輸送手段24から輸送される気体は、HEPAフィルタ等のフィルタ手段25により浄化され、水分やダスト等の異物が除去される。フィルタ手段25のフィルタリングにより浄化された気体はバッファタンク26を経て気体供給手段としての吹出ノズル17に導かれ、この吹出ノズル17から測定室12内に吹き出される。
測定室12の両側には吹出ノズル17と吸込ノズル18が設けられるために、測定室12内での気体の流れは、吹出ノズル17から吸込ノズル18に至る一方向の流れとなる。
また、本体ケーシング11の吹出ノズル17側の側壁に気体吹付装置(気体吹付手段)37が設けられる。この気体吹付装置37は本体ケーシング11の吹出ノズル17側側壁に幅方向に間隔をおいて設けられた複数個の吹付ノズル38を有する。各吹付ノズル38にフィルタ手段39で浄化された気体がコンプレッサ等の気送手段40により昇圧されて導かれ、各吹付ノズル38は途中の気送配管41に図示しない開閉弁を設けることで、選択的に吹き出させるようにしてもよい。
さらに、放射線測定装置10の本体ケーシング11は、図2に示すように、頂部側が開口しており、この開口部に測定室12のチャンバ容積を変更させる測定室仕切手段44が昇降自在に設けられる。測定室仕切手段44は測定室12のチャンバ容積、チャンバ形状を変更させる主仕切板45と、この主仕切板45をガイドし、サポートする補助仕切板46とを有する。補助仕切板46は本体ケーシング11の内側壁に沿ってスライド自在に設けられる。補助仕切板46が測定室12のチャンバ容積やチャンバ形状を変更させることはない。
補助仕切板46は、測定室仕切手段44で仕切られた測定室12にのみ、気体が流れるように案内している。この測定室12に測定対象物15が設置される。
このようにして、この放射線測定装置10は測定室12に供給される気体循環型の閉じた気体流路20を構成しており、放射線測定装置10を気体循環型とすることにより、測定室12内に供給される気体(空気)は放射線による気体のイオン化に悪影響を与える湿度のコントロールが容易となる。
次に、放射線測定装置10の作用を説明する。
この放射線測定装置10で測定対象物15から放出される放射線量を放射線測定手段16で測定するために、本体ケーシング11の測定室12内に測定対象物15を出し入れ可能に収納させる。測定対象物15は設置台としての回転テーブル13上に設置することで測定室12内に収納させる。
測定室12は、収納される測定対象物15の大きさ・寸法形状に応じて測定室仕切手段44により測定室12のチャンバ容積を減容させるように設置される。測定対象物15は放射線を放出する放射廃棄物を主な対象とするため、放射線源を構成している。
測定対象物15から放出された放射線により気体(空気)を電離させ、イオン化させて気体のイオンが生成される。放射線がα線の場合には、例えば、測定対象物15の表面から5cm以内でほぼ100%のイオンが生成される。生成したイオンは、測定室仕切手段44により測定室12のチャンバ容積やチャンバ形状を調節することにより、測定室12から気体流路20に効果的に輸送され、イオン収集装置22でのイオン収集効率を向上させることができる。
また、本体ケーシング11に測定室仕切手段44を設け、測定室12を囲撓させることで、宇宙線により測定室12で発生するバックグラウンドのイオンを低減させることができる。
測定室12内の測定対象物15から放出される放射線の電離作用で生成されるイオンは、気体吹付装置37の吹出ノズル38から吹き出される高速の気体で測定対象物15からの剥離が促進される一方、剥離されたイオンは気体と共にベルマウス状の吸込ノズル18に案内され、この吸込ノズル18で滑らかな縮径流となり、流線形の層流をなしてイオン収集装置22に案内される。
気体流路20に案内される気体をより一層整流化させるために、吸込ノズル18の直下流より整流化手段21を通し、イオン収集装置22に導かれる気体の流れをスムーズに整流化させ、層流状態をキープさせることが容易となる。
イオン収集装置22は吸込ノズル18の近くに配設させるために、イオン収集装置22までの気体流路20が短く、かつこの気体流路20が直線状であるため、イオン収集装置22に案内される気体中のイオンが途中で減衰作用を受けることも少ない。さらに、イオン収集装置22は本体筒30内に電極31が同心状に配置され、長手方向に直線状に延びるので、電極31の配置構造も流路抵抗が小さな構造となり、イオンを含む気体は、本体筒30内で流れる方向を変えたり、流れを乱すことなく、スムーズに案内されてバッファタンク23に導かれる。
イオン収集装置22には電源35により中心電極31に電圧印加されており、気体に含まれるイオンは、イオン収集装置22の中心電極31により、効率的にかつ効果的に収集される。
イオン収集装置22の中心電極31に収集されたイオンにより、微小な誘導(イオン)電流が誘起され、この誘導電流を電流測定装置33で測定している。電流測定装置33で測定された電流値はデータ処理手段34に送られてデータ処理される。データ処理手段34では電流測定値を、予め記憶させた電流値から放射線量への換算係数を用いて演算処理し、電流測定値から放射線の強度を測定している。
この放射線測定装置10は吸込ノズル18をベルマウス形状のノズル縦断面構造としたので、吸込ノズル18は乱流の発生の少ないノズル構造となる。吸込ノズル18で縮径流となる気体は、流線形状に層をなして流れる層流となるので、イオン減衰が少ない。
さらに、吸込ノズル18の下流側に整流化手段21を設けて積極的に整流化させると、整流化された気体がイオン収集装置22に輸送されるので、イオン収集効率をより一層向上させることができる。
しかし、気体の吸込速度如何によっては、整流化手段21であるハニカムメンバの整流効果によるイオン収集効率の向上より、整流化手段21設置によるイオン収集効率の低下の方が大きな場合があり、この場合には、整流化手段21を取り外し、通常の気体流路20としたり、整流化手段21を取り外した分だけ、イオン収集装置22を吸込ノズル18側に近づけてもよい。
また、イオン収集装置22を通過した気体は測定室12に再び供給されるために、バッファタンク23で流れの方向が反転され、180度変えられるが、イオン収集装置22下流側にバッファタンク23を設け、さらに、このバッファタンク23下流側に気体輸送手段24が設置される。このため、流れ方向変換に伴う気流の乱れが、イオン収集装置22に影響を与えることがなく、流れ方向変換に伴うイオン収集効率の低下が少ない。
この放射線測定装置10は、測定室12に測定室仕切手段44を設けることにより、測定室12にデッドスペースが発生するのを有効的に防止し、測定室12内での生成イオンの輸送を効果的に行い、宇宙線によるバックグラウンドの悪影響を防止させることができ、ダストが管理され、外気から水分やダストが除去された清浄な気体が測定室12に供給される。このため、測定室12がクリーンルームとなるように設定される。
図3および図4は、本発明に係る放射線測定装置の第2実施形態を示す図である。
この実施形態に示された放射線測定装置10Aは、気体(外気)開放型のコンパクトな放射線測定装置であり、第1実施形態に示された放射線測定装置10と同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
図3および図4に示された放射線測定装置10Aは、コンパクトな気体開放型としたため、循環用の気体流路(気送経路)を省略した構成となっており、第1実施形態に備えられたバッファタンク23,26が設けられておらず、気体収集装置22の下流側に気体輸送手段24とフィルタ手段25を直線的に設けて大気中に開放させている。
また、測定室12の吸込側に設けられる気体吹付手段37には、外気から水分やダスト等の異物を除去するHEPAフィルタ等のフィルタ手段50および送風ファン等の気体輸送手段51が直線的に設けられ、さらに、気体輸送手段51により気体供給手段としてのベルマウス形状あるいはラッパ形状の吹出ノズル17に案内し、この吹出ノズル17から測定室12内に気体を拡散させ、拡散流の状態で吹き出す構成となっている。
放射線測定装置10Aの他の構成は、第1実施形態に示された放射線測定装置10と異ならない。
この放射線測定装置10Aは、放射線の測定精度を向上させるために、測定室12に案内される外気は、図示しない管理手段で湿度、温度が管理されて案内される。
この放射線測定装置10Aにおいては、イオン収集装置22と気体輸送手段が直線的に配置されているので、イオン収集効率の低下を抑制することができるとともに、フィルタ手段25により測定室12内のダストを外気に放出するのを防止することができる。
また、この放射線測定装置10Aは、フィルタ手段50で外気から水分やダストを除去した気体を、送風ファン等の気体輸送手段51で測定室12に供給することができる。放射線測定装置10Aを大気開放型としても、測定室12に水分やダストを送り込むことがなく、測定室12内をクリーンルームに保持することができる。
第2実施形態の放射線測定装置10Aによれば、大気開放型とすることで放射線測定装置10Aを小型・コンパクト化させることができる一方、第1実施形態に開示された作用効果を有することができ、効率的にイオンを収集することができるために、放射線量の測定精度を向上させることができる。
図5および図6は本発明に係る放射線測定装置の第3実施形態を示す構成図である。
この放射線測定装置10Bは、設置スペースの節約を図ることができる縦型の放射線測定装置であり、第1実施形態に示された放射線測定装置10の構成と同じ構成には同一符号を付して説明を簡略化する。放射線測定装置10Bは、筒状本体ケーシング55内に円筒形の測定室56が形成され、この測定室56に設置台としての設置テーブル57が設けられる。設置テーブル57は回転自在に設けてもよく、設置テーブル57上に放射線を放出する測定対象物15が設置される。
本体ケーシング55の天井(頂部)55aにベルマウス形状あるいはラッパ形状の吸込ノズル18が気体流出手段として上方から設けられ、この吸込ノズル18に放射線測定装置16が接続される。吸込ノズル18からの気体流路は上方に向って追設されている。吸込ノズル18はノズル口が円形あるいは楕円の断面形状に構成される。前記気体流路には、イオン収集装置22、ダスト等の異物を除去するフィルタ手段25および送風ファン等の気体輸送手段24が順次直列にかつ直線状に配設される。
この放射線測定装置10Bは、吸込ノズル18、イオン収集装置22、フィルタ手段25および気体輸送手段24を順次積み上げることで直線状の気体流路が縦方向に形成される。この縦型気体流路は、気体輸送手段24の下流側から複数に、例えば2つの気体流路58a,58bに分岐され、分岐された気体流路58a,58bはヘッダ配管59a,59bを介して複数の吹付ノズル60にそれぞれ接続される。各吹付ノズル60により、円筒形測定室56内にフィルタ手段25で水分やダストが除去された清浄な気体が吹き出され、縦方向の循環型気体流路を構成している。各吹付ノズル60は気体供給手段である気体吹付手段61を構成している。
気体吹付手段61の各吹付ノズル60は、本体ケーシング55の周側壁に周方向に間隔をおいて、例えば等間隔に、また、高さ方向に多段形状に、例えば4段に構成される。気体吹付手段61の各吹付ノズル60は、本体ケーシング55の周側壁にケーシング中心方向に対し、図2に示すように反時計方向(あるいは時計方向)に鋭角をなすように取り付けられる。各吹付ノズル60のノズル口は、本体ケーシング55の中心方向に対し、時計本体および反時計方向を向くように偏向せしめられる。
各吹付ノズル60はこのノズル取付構造を採用することで、各吹付ノズル60からの気体(空気)は、測定室56内で渦巻流あるいは旋回流を描くように吹き出される構成となっている。
また、本体ケーシング55は底部側が開口しており、この開口部に測定室56のチャンバ容積、チャンバ形状を可変にする測定室仕切手段63が昇降可能に設けられる。この測定室仕切手段63は測定室56の底板を構成する主仕切板64と、本体ケーシング55にスライド可能に嵌合するスカート状あるいはスリーブ状補助仕切板65とから構成される。補助仕切板65は主仕切板64と一体に形成され、主仕切板64を補助する一方、第1実施形態の測定室仕切手段44とほぼ同一の機能、作用効果を奏する。
測定室仕切手段63の主仕切板64は測定室56内のチャンバ容積やチャンバ形状を可変に構成する一方、測定室仕切手段63の昇降を設置テーブルの昇降と同期させると便利である。
測定室仕切手段63の主仕切板64上には、気体吹出手段66の下方吹出ノズル67が設けられる。下方吹出ノズル67はノズル支持台68上に角度調節手段69により俯仰自在に支持される。下方ノズル吹出手段66は、水分やダストを除去するフィルタ手段70と、洗浄化された外気を気体として送風する気送手段71と、下方吹出ノズル67とを備え、気送手段71から清浄な気体を下方吹出ノズル67から測定対象物15に向けて吹き出され、測定対象物15が複雑な形状を有する場合に有効となっている。
また、設置テーブル57は測定対象台を構成する設置台であるが、この設置テーブル57を、より複雑な測定対象物15にも対応できるように回転手段(図示せず)を備え、設定テーブル57を回動自在に支持してもよい。
図5および図6に示される縦型の放射線測定装置10Bにおいては、測定対象物15に対して本体ケーシング55の周側壁に周方向に間隔をおき、かつ上下方向に多段に設けられた気体供給手段61の各吹付ノズル60から清浄な気体を本体ケーシング55内の中心方向に対して反時計方向あるいは時計方向に角度を持たせて吹き出している。この気体の吹出しにより、測定室56の内部に渦巻き状あるいはヘリカル状の旋回流を形成している。
一方、測定対象物15の放射線源から放出される放射線により気体が電離され、イオン化され、プラスおよびマイナスイオンが生成される。生成されたイオンは、渦巻状あるいはヘリカル状の旋回流により測定対象物15から効果的に効率的に剥離させることができる。
測定対象物15から剥離されたイオンは、測定室55の底部が測定室仕切手段63で仕切られ、閉塞されていないので、旋回作用を受けながら気体とともに上昇し、イオン減衰の少ないベルマウス状あるいはラッパ状の吸込ノズル18からスムーズな縮径流(流線形の層流)となってイオン収集装置22に案内され、このイオン収集装置22で効率よくイオン収集される。
その際、イオン収集装置22は吸込ノズル18の出口側に直接取り付けられているので、測定室55からイオン収集装置22までのイオン輸送距離を短くすることができ、途中でのイオン減衰を有効的に防止できる。イオン収集装置22に案内される気体の流れがより一層スムーズな整流を形成するように、吸込ノズル18とイオン収集装置22との間に整流化手段を設けてもよい。
放射線測定装置10Bを図5および図6に示すように縦型配置構造とし、測定室56からイオン収集装置22までの距離を短く、かつ測定室56から気体輸送手段24までを直線状の気体流路とすることで、直線状気体流路の流路抵抗を小さくとることができ、測定室56からイオンを含む気体がイオン収集装置22にスムーズにかつ迅速に案内され、イオン収集効率を向上させることができる。
また、この放射線測定装置10Bは、円筒状測定室56内の気体を閉じた気体流路58a,58bにより循環型とし、測定室56に還流される気体は、フィルタ手段25で水分やダストが除去された清浄で乾いた気体であるので、放射線による電離作用に悪影響を不与えることがなく、放射線による気体のイオン化がスムーズに行なわれる。
複雑な形状の測定対象物15の放射線測定をする場合には、この放射線測定装置10Bでは、気体吹付手段61だけでなく、下方の吹出手段66を作動させたり、測定室仕切手段63を昇降作動させ、測定対象物15の大きさや形状に応じた測定室56のスペースが確保するように設定したり、設置テーブル57を図示しない回転手段で回動させるようになっている。
図7および図8は本発明に係る放射線測定装置の第4実施形態を示す図である。
この実施形態に示された放射線測定装置10Cは、第3実施形態に示された気体循環型の縦型放射線測定装置10Bを大気開放型としたものであり、第3実施形態に示された放射線測定装置10Bと同じ構成、作用には同一符号を付して、その説明を省略する。
第4実施形態に示された放射線測定装置10Cは大気開放型に構成したために、気体供給手段75は、複数系統、例えば2系統で構成される外気吹付手段であり、外気の水分やダストを除去するフィルタ手段76a,76bと、フィルタ手段76a,76bで浄化された外気を給送する送風ファン等の気体輸送手段77a,77bと、気体輸送手段77a,77bから給送される清浄な気体をヘッダ配管78a,78bを介して案内される各吹付ノズル60とを有する。
この放射線測定装置10Cは、第3実施形態に示された放射線測定装置10Bと異なる構成は、測定室56内の気体を吸い込む気体輸送手段から、吸い込まれた気体を大気に開放させる一方、気体供給手段75により外気を清浄化させて測定室56に取り込むように構成した点である。
他の構成は、第3実施形態に示された放射線測定装置10Bと異ならない。
この放射線測定装置10Cにおいては、気体吹付手段75により外気が浄化されて各吹付ノズル60から測定室56内に吹き出され、この吹き出される気体により測定室56内で渦巻き状あるいはヘリカル状の旋回流を生じさせる。この旋回流により、測定対象物15から放出される放射線により生成されるイオンを、測定対象物15から効果的に剥離させることができる。
円筒状測定室56の上方については、イオン減衰が小さなベルマウス形状あるいはラッパ形状の吸込ノズル18によりスムーズな流線形の縮径流となって案内され、この吸込ノズル18からイオン収集装置22にスムーズに案内される。イオン収集装置22では、イオンは気体とともに輸送され、浄化して外気に放出されるので、第3実施形態で示される放射線測定装置10Bと同様な作用効果を奏する。イオン収集装置22では、イオンを効率的に収集することができ、放射線量の測定精度を向上させることができる。
図9および図10は、本発明に係る放射線測定装置10Dの第5実施形態を示すものである。
この実施形態に示された放射線測定装置10Dは、横置きタイプの気体循環型放射線測定装置であり、この放射線測定装置10Dは左右2系統の気体循環型放射線測定手段80a,80bを有する。第1実施形態の放射線測定装置10の構成と同じ構成には同じ符号を付して説明を省略する。
放射線測定装置10Dは、横置きタイプの筒状本体ケーシング81を有し、この本体ケーシング81内に円筒状測定室82が形成される。測定室82内には、設置台としての設置テーブル83が設けられ、この設置テーブル83上に測定対象物15が設けられる。放射線源である測定対象物15は、測定室82内に収納される。
放射線測定装置10Dは、図9に示すように、本体ケーシング81の両側に2系統の放射線測定手段80a,80bがそれぞれ設けられる。両放射線測定手段80a,80bは互いに構成を同じくするので、一方についてのみ説明し、他方には同じ符号を付ける。
放射線測定手段80aは閉じた循環型の気体流路85を有し、この気体流路85は、ベルマウス状あるいはラッパ状吸込ノズル18、イオン収集装置22、バッファタンク23、送風ファン等の気体輸送手段24、水分やダストを除去するフィルタ手段25、ヘッダ配管86および複数の吹出ノズル87を順次接続して本体ケーシング81との間で気体循環型の閉じたサイクルを構成している。
放射線測定装置10Dは、吹出ノズル87を本体ケーシング81の外周壁に沿って周方向に複数個、例えば4個ずつ間隔をおいて配設してノズル群を構成し、このノズル群を複数系列、例えば2系列がケーシング軸方向(長手方向)に間隔をおいて配置される。各吹出ノズル87は気体供給手段を構成しており、ノズル口が図10に示すように、本体ケーシング81の中心方向から所要の鋭角をなして反時計方向(あるいは時計方向)を向くように取り付けられ、各吹出ノズル87から噴出される気体(空気)により、測定室82内に渦巻き状あるいはヘリカル状の旋回流を生成させるようになっている。
また、本体ケーシング81の側方に取り付けられる気体流出手段としてのベルマウス状あるいはラッパ状吸込ノズル18は、測定室82からの気体が滑らかな流線形の縮径流を形成するように構成され、この吸込ノズル18の出口側にイオン収集装置22が接続され、このイオン収集装置22で気体中のイオンを電界により収集している。
イオン収集装置22で収集されたイオンを電流として測定する電流測定装置33が設けられ、この電流測定装置33で測定された電流測定値が共通なデータ処理手段34に送られてデータ処理される。データ処理手段34には、他方の放射線測定手段80bの電流測定装置33で測定された電流測定値も送られる。データ処理手段34は、双方の電流測定装置33,33からの電流測定値を加算処理するようになっている。
放射線測定手段80aは吸込ノズル18からバッファタンク23まで直線状をなすように気体流路85が構成され、この気体流路85はバッファタンク23で反転した気体輸送手段24に導かれる構成をとるため、第1実施形態で示された放射線測定装置10と同じ構成をとり、同様な作用効果を奏する。
次に、図9に示された放射線測定装置の作用を説明する。
この放射線測定装置10Dは、本体ケーシング81内に形成される測定室82に、2系統の放射線測定手段80a,80bのノズル群88から吹き出される気体により、渦巻き状あるいはヘリカル状の旋回流を発生させ、この旋回流を測定対象物15に周囲から吹き付けている。
放射線源の測定対象物15の右側半分で生成したイオンは、主に一方の放射線測定手段80aにより、また左側半分で生成したイオンは、主に他方の放射線測定手段80bにより処理される。測定対象物15の周囲に生成されたイオンは、各吹出ノズル87から吹き出される気体の渦巻き状旋回流により効果的に剥離させることができる。
測定対象物15の右側部分で生成されたイオンは、一方の放射線測定手段80aの吸込ノズル18から気体流路85に滑らかな流線形の縮径流となってイオン収集装置22に気体とともに輸送され、このイオン収集装置22で効果的にイオンが収集される。
双方のイオン収集装置22でそれぞれ収集されたイオンによるイオン電流は電流測定装置33で測定され、測定された電流測定値はデータ処理手段34に送られて加算処理される。データ処理手段34では、電流値から放射線量への換算定数を使用して放射線量を求めることができる。
その際、測定室82あるいは測定対象物15の右側半分は一方の放射線測定手段80aで生成されたイオン測定が行なわれ、左側半分は他方の放射線測定手段80bで生成されたイオン測定が行なわれ、測定対象物15からの放射線により生成されたイオンは、イオン発生部からイオン収集装置22でのイオン測定部までの距離を短くし、かつイオンは気体とともに直線状の気体流路85を輸送させるので、イオンの減衰を少なくすることができ、イオンの収集効率を向上させることができる。
両方の放射線測定手段80a,80bの各イオン収集装置22で収集され、回収されたイオンは、電流測定装置33,33でそれぞれイオン電流として測定され、それぞれの電流測定値はデータ処理手段34で加算処理され、予め用意された電流値と放射線量との換算定数を使用して、放射線量を求めることができる。
このため、測定対象物15が複雑な形状を有し、長尺物であっても、効率的にイオン収集を行なうことができ、放射線量の測定精度を向上させることができる。
図11は、放射線測定装置の第6実施形態を示すものである。
この放射線測定装置10Eは、横置きタイプで大気開放型の放射線測定装置であり、第5実施形態と同様、2系統の放射線測定手段90a,90bを有する。第5実施形態の放射線測定装置10Dと同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
第6実施形態に示された放射線測定装置10Eは、大気開放型の放射線測定装置であるために、放射線測定手段90a,90bにはバッファタンクが備えられていない。代わりに、放射線測定手段90a,90bは、イオン収集装置22の下流側に気体輸送手段24およびフィルタ手段25が順次設けられる。2系統の放射線測定手段90a,90bは、気体流出手段としての吸込ノズル18からイオン収集装置22を経てフィルタ手段25に至るまで直線状の気体流路91を構成し、気体流路91の流路抵抗が小さくなるように形成される。
両放射線測定手段90a,90bは、本体ケーシング81の両側に取り付けられ、互いに同じ構成を有する。放射線測定手段90a,90bは大気開放型であるため、測定室82内に外気を浄化して供給する気体供給手段93を有する。
気体供給手段93は、外気から水分、ダスト等を除去するフィルタ手段94と、浄化された外気を輸送する気体輸送手段95と、気体輸送手段95から送られる外気(気体)を分流させるヘッダ配管96と、このヘッダ配管96に接続された複数の吹出ノズル97とを有する。
放射線測定装置10Eの各吹出ノズル97は、本体ケーシング81の周側壁に周方向に沿って複数個、例えば4個が間隔を置いて配設され、ノズル群98を構成している。ノズル群98は本体ケーシング81の軸線方向に間隔をおいて複数配設され、複数列、例えば4列のノズル群98,98を構成している。
各ノズル群98を構成する吹出ノズル97は、本体ケーシング81の中心軸線に向う半径方向に対し時計方向(または反時計方向)に鋭角をなすように設けられる。各吹出ノズル97を本体ケーシング81の半径方向内方(中心方向)に対して一定方向に角度を持たせて配設することにより、各吹出ノズル97から吹き出される気体(外気)により、測定室82内で渦巻き状あるいはヘリカル状の旋回流が形成される。
この放射線測定装置10Eにおいては、外気供給手段93の各吹出ノズル97から浄化された気体が偏心して吹き出され、測定室82内に渦巻き状あるいはヘリカル状の旋回流が生成される。この旋回流により測定対象物15の周囲に、浄化された気体(外気)が吹き付けられる。この吹付けにより測定対象物15の周辺に生成されるイオンが、測定対象物15から剥離され、剥離されたイオンは気体輸送手段25の作動により気体とともに吸引され、吸込ノズル18を経てイオン収集装置22に送られ、このイオン収集装置22でイオンが収集される。
両イオン収集装置22で収集されたイオンによる電流値を電流測定装置33で測定し、この測定電流値をデータ処理手段34に送って加算処理することにより、第5実施形態と同様に、測定対象物15から放出される放射線量を求めることができる。
この放射線測定装置10Eは、外気供給手段93の各吹出ノズル97から吹き出される気体により測定室82内に渦巻き状またはヘリカル状の旋回流を形成して測定対象物15に気体を吹き付ける。測定対象物15で発生する放射線により生成されるイオンは、測定室82両側の放射線測定手段90a,90bに気体とともに吸引され、イオン収集装置22により収集される。
収集されたイオンによる電流値は電流測定装置33で測定され、各電流測定装置33からの電流測定値がデータ処理手段34で加算処理されて放射線量を求めることができる。このため、この放射線測定装置10Eでは、測定室82内に設置される測定対象物15が複雑な形状を有し、長尺物であっても、効率的にイオンを収集させることができ、放射線量の測定精度を向上させることができる。
次に、本発明に係る放射線測定装置に適用されるイオン収集装置の第1実施例について図12ないし図14を参照して説明する。
このイオン収集装置22は、イオン検出器あるいは電離箱として構成される。
イオン収集装置22は、図12に示すように、細長いスリーブ状あるいは直管状の外側電極としての外筒30を有し、この外筒30内に数mmφ〜10数mmφの棒状の中心電極31が配置される。外筒30は、導電性材料で形成され、例えば100mmφ程度の直径Dと、数10cmないし数m程度、例えば1mの軸方向長さを有する。中心電極31は外筒30内に同心状に配設され、かつ外筒30の軸線と共通の軸線を有するように配置される細長い長尺ロッドである。
イオン検出器22内に配設される中心電極31の両端部は筒状の内側絶縁材100で覆設され、この内側絶縁材100をガードリング、保護メンバとしてのスリーブ状、円筒状あるいはリング状保護筒101で覆っている。保護筒101は導電体材料で形成され、外筒30内にサポートメンバ、外側絶縁材としての絶縁性支持脚102で保持される。支持脚102は保護筒101から複数本、例えば3本が放射状に延設され、保護筒101を外筒30から絶縁状態に固定保持している。
支持脚102は、保護筒101を外筒30から絶縁させて保持しているが、支持脚102の表面は大部分が導電体で覆われている。支持脚102の平断面は、翼断面形状に形成され、外筒30内を通る気体の流路抵抗を小さくしている。しかして、各支持脚102の平断面は脚外表面が気体流れ方向に上流側から下流側にかけて流線形に構成される。
また、保護筒101は10数mm〜30数mm、例えば20mm程度の外径Dを有し、10数mmから20数mm程度の内径Dを有する。外筒30内に保護筒101および中心電極31が同心状に設けられる。
このようにして、支持脚102、保護筒101および絶縁材100により電極保持手段105が構成され、この電極保持手段105は中心電極31の両側端部に設けられ、外筒30内に中心電極31を同心状に2点支持している。中心電極31は3点以上で支持してもよい。外側電極30は必要に応じてアースされる。
イオン検出器22は、外側電極である外筒30と保護筒101および中心電極31との間に直流電源35からの電圧が印加される。直流電源35は、中心電極31および保護筒101がプラス側、外筒30がマイナス側にそれぞれ接続され、外筒30内に電界を形成している。電源35としては100V〜数百Vの直流電源、例えば200Vの直流電源が用いられる。
また、イオン検出器22は中心電極31とガードリングとしての保護筒101との間の電流値を測定可能に電流測定装置33に接続され、この電流測定装置33により中心電極31と外筒30との間の電流値を10−10〜10−15Aのオーダで検出している。
次に、イオン収集装置22としてのイオン検出器の作用を説明する。
このイオン検出器22は、直管状あるいは筒状の細長い本体筒としての外筒30内に中心電極31が電極保持手段105により同心状に絶縁保持され、外筒30と中心電極31との間を絶縁している。電極保持手段105は小型化されており、保護筒101は外筒30に対し充分に小さく、例えば直径で数分の1〜10数分の1程度に構成される。また、電極保持手段105はサポートメンバである絶縁性支持脚102の平断面が翼形状に形成され、流路抵抗を小さくしている。
したがって、外筒30内に気体流路の流路断面を広くとることができ、気体が流れても渦の発生を少なく抑えることができ、かつ気体を層流状態で流すことができる。このため、外筒30内を軸方向に沿って流れる気体中のイオンを、高効率で収集することができる。気体の流速は1m/sec〜10m/sec、例えば数m/sec程度である。
イオン検出器22は、外筒30と保護筒101および中心電極31との間に電圧を印加させると、外筒30と保護筒101および中心電極31との間に直流電源35の電位差Vが生じ、外筒30内に電界が形成される。この電界により、気体中に含まれるイオンはプラスイオンが外筒30側に、マイナスイオンが中心電極31側に、電界中で偏向される。マイナスイオンは中心電極31に回収され、イオン収集される。また、外筒30に直流電源35のプラス側を、このマイナス側を中心電極31及び保護筒101に作用させてもよい。
気体に含まれるイオンを回収した中心電極31と保護筒101との間の電位差がほとんどないので、イオン収集によるイオン電流は、全て電流測定装置33に案内され、絶縁材100,102側に漏洩することがない。このため、中心電極31と外筒30との間の電流値を電流測定装置33で測定すれば、外筒30内部を通過するイオンを、印加電圧による漏洩電流のノイズを低減させた電流値として、正確に精度よく測定することができる。
この電極保持構造をとるイオン検出器22では、直流電源35から印加される電圧Vの大半は、外側の絶縁材である支持脚102側に作用し、その結果、漏れ電流は、電流測定装置33の測定電流値Iには寄与せず、悪影響を与えない。
図12ないし図14に示されるイオン検出器22においては、外筒30内部を通過する気体の流れを乱す障害物を少なくすることができ、しかも、外筒30内を直接的に流すので、イオンの減衰が少なく、効率的にイオンを収集することができる。イオンを効率的に収集させることができるので、イオン収集量を電流値の変化で測定でき、放射線量の強さを測定することができる。
図15および図16は、イオン収集装置110の第2実施例を示すものである。
この実施例に示されたイオン収集装置110もイオン検出器あるいは電離箱として構成される。このイオン検出器110も各実施形態に示された放射線測定装置に組み込まれる。
イオン検出器110は角筒状の細長い外筒111を有し、この外筒111の上下方向あるいは幅方向の略中心にその長手方向に沿って矩形プレート状の中心平板電極112が配設され、この中心平板電極112を挟むように2枚の周辺平板電極113が設けられる。中心平板電極112は外筒111内を略幅方向(高さ方向)に延び、外筒111の両側面(上下面)近傍で終端し、外筒111の側面に非接触状態に絶縁保持される。
中心平板電極112は長手方向両端部に、かつ幅方向両側端部の四隅部に、プレート状あるいはブロック状の内側絶縁材115が設けられ、この内側絶縁材115を介して導電材料で形成された保護メンバとしての保護板116が一対設けられる。保護板116もプレート状あるいはブロック状に形成され、この保護板116は対の周辺平板電極113との間にロッド状のサポートメンバである中間絶縁材117が設置され、さらに、対の周辺平板電極113と外筒111との間にプレート状あるいはブロック状の外側絶縁材118が設置される。
各絶縁部材115,117,118および保護板116から電極保持手段120が構成され、この電極保持手段120は矩形プレート状の中心平板電極112および周辺平板電極113の四隅部にそれぞれ設けられる。電極保持手段120により外筒111内に各平板電極112,113を所要の間隔をおいて互いに平行に保持している。
このイオン検出器110においては、周辺平板電極113と、保護板116および中心平板電極112との間に、直流電源33から数10V〜数百V、例えば200Vの電圧が印加される。保護板116および中心平板電極112には直流電源33からプラスの電圧を、周辺平板電極113には、マイナスの電圧をそれぞれ印加させる。周辺平板電極113はノイズを無くすために、必要に応じてアースさせる。その際、保護板116と中心平板電極112との間の電位差はほぼ0である。
また、周辺平板電極113が角筒状の外筒111内に絶縁状態で保持されるので、周辺平板電極113に直流電源35のプラス側を、このマイナス側を中心平板電極112および保護板116に作用させてもよい。
さらに、図15および図16はイオン検出器110の外筒111内に直線状の気体流路が形成されるが、この気体流路の中央部分には、薄板状の中心平板電極112しか存在しないので、流路抵抗を小さく抑えることができ、イオンを含む気体を外筒内でスムーズに流すことができる。周辺平板電極113は、角筒状の外筒111の周辺近傍に設けられるので、気体の流れを阻害することが少ない。
次に、イオン検出器110の作用を説明する。
このイオン検出器110は、角筒状の外筒111の上下壁(または左右側壁)近くに一対の周辺平板電極113が、外筒111内の中央部に中心平板電極112が設けられ、中心平板電極112とこの電極112に挟む周辺平板電極113との間が平行に保持される。中心平板電極112と周辺平板電極113とは外筒111内に電極保持手段120により絶縁保持される。中心平板電極112と周辺平板電極113に対し、電極保持手段120に、中心平板電極112の両側に設けられる保護板116も電気絶縁状態に保持される。
その際、電極保持手段120は、主に絶縁性の柱状サポートメンバで形成されて小型化されており、角筒状の外筒111の周壁近くに設けられているので流路抵抗が小さく、イオンを含む気体の流れを阻害することが少ない。
直流電源35から例えば200Vの電圧が周辺平板電極113と中心平板電極112および保護板116との間に印加されると、両電極112と113との間に電位差Vの電気力線が作用し、電界が外筒111内に形成される。外筒111内を通る気体中に含まれるイオンは、プラスイオンが周辺平板電極113側に、マイナスイオンが中心平板電極112側に偏向して回収され、イオン収集される。
中心平板電極112のイオン収集により生成されるイオン電流は、中心平板電極112の両側に配置される保護板116との間の電位差がゼロであるので、内側絶縁材115に漏洩することがなく、電流測定装置33に効果的に案内され、この電流測定装置33で測定される。電流測定装置33は抵抗値が極めて小さい電流計またはエレクトロメータで構成される。
中心平板電極112の両側に保護板116を設けない場合、中心平板電極112と周辺平板電極113との間に絶縁材が介在されているので、絶縁状態に保持されているが、実際には、両電極112,113間の電位差に起因して絶縁材115、117に漏洩電流が発生するので、中心平板電極112側に生成されたイオン電流はこの漏洩電流とともに電流測定装置33で測定されるので、正確なイオン電流を測定することができない。
また、このイオン検出器110は、中心平板電極112および周辺平板電極113を電極保持手段120で支持しているが、この電極保持構造は流路抵抗の小さな支持構造であり、しかも、角筒状の外筒111内に形成される気体流路は直線状であり、実質的な流路断面を広くとることができ、流路の向きを変更させることもないので、気体を層流状態で流すことができ、渦の発生を少なく抑えることができるので、気体中に含まれるイオンを効率的に高効率で回収することができる。気体の流速は1m/sec〜10m/sec、例えば数m/sec程度である。
このようにして、気体に含まれるイオンを回収した中心平板電極112と周辺平板電極113との間の電流値を電流測定装置33で測定し、この測定電流値をデータ処理手段に送ってデータ処理することで、外筒111内を通るイオンを、ノイズを低減させた電流値として測定でき、放射線量を正確に、精度よく測定できる。
本発明に係る放射線測定装置の第1実施形態を簡略的に示す構成図。 図1の放射線測定装置に備えられる測定量を示す正面図。 本発明に係る放射線測定装置の第2実施形態を簡略的に示す構成図。 図3の放射線測定装置に備えられる測定量を示す正面図。 本発明に係る放射線測定装置の第3実施形態を簡略的に示す構成図。 図5のVI−VI線に沿う平断面図。 本発明に係る放射線測定装置の第4実施形態を簡略的に示す構成図。 図7のVIII−VIII線に沿う平断面図。 本発明に係る放射線測定装置の第5実施形態を簡略的に示す構成図。 図9のX−X線に沿う側断面図。 本発明に係る放射線測定装置の第6実施形態を簡略的に示す構成図。 本発明に係る放射線測定装置に備えられるイオン検出器の第1実施例を示す縦断面図。 図12に示されたイオン検出器のXIII−XIII線に沿う断面図。 図12に示されたイオン検出器の電極支持構造を示す部分的な断面図。 イオン検出器の第2実施例を示す縦断面図。 図15に示されたイオン検出器のXVI−XVI線に沿う断面図。 従来の放射線測定装置を示す図。
符号の説明
10…放射線測定装置、11…本体ケーシング、12…測定室、13…回転テーブル(設置台)、14…回転手段、15…測定対象物、16…放射線測定手段、17…吹出ノズル(気体供給手段)、18…吸込ノズル(気体流出手段)、19…整流化ノズルブレード、20…気体流路(気体経路)、21…整流化手段、22…イオン収集装置、23…バッファタンク、24…気体輸送手段、25…フィルタ手段、26…バッファタンク、30…本体筒、31…電極、33…電流測定装置、34…データ処理手段、35…電極、37…気体吹付装置(気体吹付手段)、38…吹付ノズル、39…フィルタ手段、40…気送手段、41…気送配管、44…測定室仕切手段、45…本体仕切板、46…補助仕切板、50…フィルタ手段、51…気体輸送手段、55…本体ケーシング、56…測定室、57…設置テーブル(設置台)、58…気体流路、60…吹付ノズル、61…気体吹付手段(気体供給手段)、63…測定室仕切手段、64…主仕切板、65…補助仕切板、66…気体吹出手段、67…下方吹出ノズル、68…ノズル支持台、69…角度調節手段、70…フィルタ手段、71…気送手段、75…気送供給手段(外気吹付手段)、76a,76b…フィルタ手段、77a,77b…気体輸送手段、78a,78b…ヘッダ配管、80a,80b…放射線測定手段、81…本体ケーシング、82…測定室、83…設置テーブル、85…気体流路(気体経路)、86…ヘッダ配管、87…吹出ノズル(外気供給手段)、88…ノズル群、90a,90b…放射線測定手段、91…気体流路、93…外気供給手段、94…フィルタ手段、95…気体輸送手段、96…ヘッダ配管、97…吹出ノズル、98…ノズル群、100…絶縁材、101…保護筒、102…支持脚(サポートメンバ)、105…電極保持手段、110…イオン収容装置(イオン検出器)、111…外筒、112…中心平板電極、113…周辺平板電極、115…内側絶縁材、116…保護板、117…中間絶縁材、118…外側絶縁材、120…電極保持手段。

Claims (17)

  1. 測定室を形成した本体ケーシングと、
    上記測定室内で放射線を放出する測定対象物を設けた設置台と、
    前記本体ケーシング内に設けられ、上記測定対象物から生成されたイオンを気体とともに、縮径流として流出させるベルマウス状あるいはラッパ状ノズルからなる気体流出手段と、
    この気体流出手段の下流側に設けられ、気体中に含まれるイオンを電界により収集するイオン収集装置および収集されたイオンを電流として測定する電流測定装置を有する放射線測定手段と、
    前記測定室に浄化された気体を流入させる気体供給手段とを備え、
    前記放射線測定手段は気体流出手段からイオン収集装置を経てその下流側に至る気体流路を直線状に構成する一方、
    前記イオン収集装置の下流側に気体流路を反転させるバッファタンクを備え、
    このバッファタンクの下流側に気体輸送手段を設け、この気体輸送手段を前記気体供給手段に接続して気体循環型の閉じた気体流路を構成し、
    上記気体輸送手段は、測定室内の気体をイオン収集装置に輸送するとともに輸送された気体を測定室に気体供給手段を介して還流させることを特徴とする放射線測定装置。
  2. 前記本体ケーシング内の測定室に収容された測定対象物に浄化された気体を吹き付ける気体吹付手段と、
    前記測定室のチャンバ容積を変更可能に仕切る測定室仕切手段とをさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
  3. 前記本体ケーシングの収納室に設置された設置台を回動させる回転手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
  4. 前記気体吹付手段は、本体ケーシングの気体供給手段側に設けられ、かつ複数の吹付ノズルを有することを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
  5. 前記放射線測定手段は、外気開放型の気体流路を構成する一方、前記放射線測定手段は、イオン収集装置の下流側に気体を浄化して外気に放出するフィルタ手段と、
    外気を浄化して測定室に供給する気体供給手段とを有し、
    前記測定室の測定対象物に浄化された気体を吹き付ける気体吹付手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置。
  6. 円筒状の測定室を立設状態に形成した本体ケーシングと、
    上記測定室内に放射線を放出する測定対象物を設けた設置台と、
    前記本体ケーシングの上部に設けられ、上記測定対象物から生成されたイオンを気体とともに縮径流として上方に流出させるベルマウス状あるいはラッパ状ノズルからなる気体流出手段と、
    前記本体ケーシングの下部に測定室のチャンバ容積を仕切板で変更可能に仕切る測定室仕切手段と、
    前記気体流出手段の上方に設けられ、気体中に含まれるイオンを電界により収集するイオン収集手段および収集されたイオンを電流として測定する電流測定装置を有する放射線測定手段と、
    前記測定室に浄化された気体を供給する気体供給手段とを備え、
    前記放射線測定手段は、気体流出手段からイオン収集装置を経てその下流側に至る気体流路を直線状に構成する一方、
    前記測定室下部の仕切板上に設けられ、測定対象物に向けて浄化された気体を下方から吹き付ける気体吹付手段を有することを特徴とする放射線測定装置。
  7. 前記気体吹付手段は、吹付ノズルを有し、この吹付ノズルは、測定対象物の形状に連動してノズルの気体吹出角度を変更可能なノズル角度調節手段を備えたことを特徴とする請求項6記載の放射線測定装置。
  8. 前記放射線測定手段は、大気開放型の気体流路を構成する一方、前記放射線測定手段は、イオン収集装置の下流側に気体を浄化して外気に放出するフィルタ手段と、
    外気を浄化して測定室に供給する気体供給手段とを有し、
    上記気体供給手段は、本体ケーシングの周側壁に周方向に沿って複数の吹付ノズルを、ノズル口を本体ケーシングの中心方向から時計方向および反時計方向に向けて設けたことを特徴とする請求項6記載の放射線測定装置。
  9. 横置きタイプの円筒状測定室を形成した本体ケーシングと、
    上記測定室内に放射線を放出する測定対象物を設けた設置台と、
    前記本体ケーシングの両側に設けられ、上記測定対象物から生成されたイオンを気体とともに縮径流として流出させるベルマウス状あるいはラッパ状ノズルからなる対の気体流出手段と、
    上記各気体流出手段の下流側に設けられ、気体中に含まれるイオンを電界により収集するイオン収集装置および収集されたイオンを電流として測定する電流測定装置とを有する放射線測定手段と、
    前記本体ケーシングの周側壁に設けられ、測定室内に浄化された気体を供給する気体供給手段とを備え、
    前記放射線測定手段は、気体流出手段からイオン収集装置を経てその下流側に至る気体流路をそれぞれ直線状に構成する一方、
    前記対をなす放射線測定手段は、イオン収集装置の下流側に気体流路を反転させるバッファタンクを備え、
    このバッファタンクの下流側に気体輸送手段を設け、この気体輸送手段を前記気体供給手段に接続して気体循環型の閉じた気体流路を構成したことを特徴とする放射線測定装置。
  10. 前記放射線測定手段は、外気開放型の気体流路を構成する一方、
    前記放射線測定手段は、イオン収集装置の下流側に気体を浄化して外気に放出するフィルタ手段と、
    外気を浄化して測定室に供給する気体供給手段とを有することを特徴とする請求項9記載の放射線測定装置。
  11. 前記気体供給手段は、本体ケーシングの周側壁に周方向に沿って間隔をおいて配設された複数の吹出ノズルからなるノズル群を有し、
    このノズル群を本体ケーシングの軸方向に沿って一段以上配設する一方、
    前記各吹出ノズルは、ノズル口が本体ケーシングの中心から時計方向あるいは反時計方向に向けて開口されたことを特徴とする請求項9記載の放射線測定装置。
  12. 前記対をなす放射線測定手段の各電流測定装置で測定された電流値をそれぞれ入力して加算処理するデータ処理手段を有することを特徴とする請求項9記載の放射線測定装置。
  13. 前記イオン収集装置は、
    外側電極を構成する筒状の外筒と、
    この外筒内に同心状に設けられる中心電極と、
    この中心電極の両端部に絶縁材を介して設けられるリング状あるいは筒状をなす導電性の保護筒と、
    上記保護筒を外筒内に放射状配列の複数の絶縁性支持脚により保持する電極保持手段とを有し、
    前記外筒内に電界を構成する一方、直線状の気体流路を構成したことを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置
  14. 前記電極保持手段は、絶縁性支持脚の平断面が上流側から下流側に向けて流線形状の脚表面を構成する一方、
    前記保護筒は、外筒の内径の数分の1から10数分の1の外径を有することを特徴とする請求項13記載の放射線測定装置
  15. 前記保護筒および中心電極に直流電源のプラス側を、前記外筒に直流電源のマイナス側をそれぞれ接続し、上記中心電極と外筒との間のイオン電流を測定することを特徴とする請求項13記載の放射線測定装置
  16. 前記イオン収集装置は、
    角筒状の外筒と、
    この外筒の高さ方向あるいは幅方向の中心部に配置される中心平板電極と、
    この中心平板電極に対向して両側に配置される外筒壁近傍の対の周辺平板電極と、
    前記中心平板電極の四隅部に絶縁材を介して保持される導電性の保護部材と、
    この保護部材を周辺平板電極とともに外筒内で絶縁状態に支持する電極保持手段とを有し、
    上記電極保持手段は、前記各平板電極を四隅部で外筒内に保持し、外筒内に周辺平板電極と中心平板電極との間に電界を構成する一方、直線状の気体流路を構成したことを特徴とする請求項1記載の放射線測定装置
  17. 前記中心平板電極と前記導電性の保護部材に直流電源のブラス側を、前記周辺平板電極に直流電源のマイナス側をそれぞれ接続し、
    前記中心平板電極と周辺平板電極との間のイオン電流を測定することを特徴とする請求項16記載の放射線測定装置
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