JP3990600B2 - 発電熱利用システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コージェネレーションシステム(電気と熱の併給システム)に関する。特に、発電に伴って発生する熱を利用して温水を得、その温水を給湯装置に供給し、その温水の熱を利用して暖房するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
電気と熱を同時に供給するコージェネレーションシステムが開発されている。コージェネレーションシステムでは、発電に伴って発生する発電熱を利用するが、発電熱の発生時期と発生量は、給湯装置や暖房装置等による熱の消費時期と消費量に必ずしも一致しない。そこで、発電熱を効率的に回収して蓄熱し、熱の消費時期に合わせて熱を供給する技術が重要となる。特開2001-248905号公報等に、発電熱を回収して暖房装置や給湯装置等に供給する技術が記載されている。
【0003】
図4に、特開2001−248905号公報に記載されている発電熱利用システムの第1構成例を示す。図4において、参照番号2は貯湯槽を示している。貯湯槽2の底部から上部にかけて水循環路4が設けられており、水循環路4の途中に熱交換器5とポンプ3と補助熱源8が設けられている。貯湯槽2の底部から取り出された水は水循環路4を通過して貯湯槽2の上部に戻される。発電機1と熱交換器5の間に、発電熱回収液循環路7が接続されている。発電熱回収液循環路7の途中にポンプ6が設けられている。発電機1が発生する発電熱によって高温となった発電熱回収液と、貯湯槽2の底部から取り出された水は、熱交換器5によって熱交換され、加熱された水が貯湯槽2の上部に戻される。発電熱は貯湯槽2内の水を加熱することによって蓄熱される。貯湯槽2内の温水は、給湯経路9によって図示しない給湯設備に供給される。
発電熱回収液循環路7には、切り替え弁10、11を介して分岐路14、12が接続されている。この分岐経路14、12には、暖房装置13とポンプ17が接続されている。また分岐路14、12には、切り替え弁18、15を介して、発電熱回収液を加熱する補助熱源16が設けられている。
このシステムでは、発電機1からの発電熱回収液の通過経路を、発電機1→切り替え弁10→分岐路14→切り替え弁18→切り替え弁15→暖房装置13→ポンプ17→分岐路12→切り替え弁11→ポンプ6→発電機1と循環させることによって暖房に利用できるように構成されている。発電熱回収液の温度が、暖房装置13が必要とする温度に満たない場合には、切り替え弁18、15によって発電熱回収液の経路が切り替えられて補助熱源16によって加熱される。
【0004】
このシステムでは、発電熱回収液が直接に暖房装置13に送られるために、発電熱が効率よく暖房に利用されるように思われる。しかしながら、発電熱を効率的に回収して発電機1を効率的に冷却するためには発電機1に送り込む発電熱回収液の温度が低いことが要求されるのに対し、暖房装置13から送り出される発電熱回収液の温度は高いことが要求され(暖房装置13から送り出される発電熱回収液の温度が低くては暖房ができない)、両者を満足させることができない。図4の構成では、発電機1の冷却効率が低いか、あるいは暖房装置13で充分に暖房できないかのいずれかが避けられない。
【0005】
図5のシステムでは、発電熱回収液循環路7と、暖房用熱媒体の循環路38、40が分離されている。それに代わって両者間で熱交換する熱交換器39が利用されている。この場合、加熱された発電熱回収液が熱交換器39によって暖房用熱媒体を加熱する。暖房装置13から送り出される暖房用熱媒体の温度が高いために、熱交換器39を通過した発電熱回収液の温度が高く、そのままでは発電機1を効率的に冷却することができない。図5のシステムでは、発電熱回収液が熱交換器5を通過するために、貯湯槽2の底部の低温水で冷却される。逆に、貯湯槽2の底部の低温水は加熱されて貯湯槽2の上部に戻される。
このシステムによると、発電機1を効率的に冷却し(そのために発電熱の回収効率が高い)、暖房装置13で充分に暖房することが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5に示した従来技術では、貯湯槽2に蓄熱するまでに、熱交換器5によって発電熱回収液と水との間で熱交換しなければならず、その間に熱損失があるために発電熱の回収効率が低い。また、暖房運転時に、ポンプ6、46、3の3台のポンプを駆動しなければならず、発電機で発電した電力がポンプ駆動のために消費され、コージェネレーションシステムの効率が低下する。そもそも3台のポンプを必要とすることから設備コストが増大するという問題もある。
本発明はこの課題に鑑みてなされたものであり、発電熱の回収効率が向上したシステムを提供することを課題とする。また、設備コストが安価で、暖房運転時の電力消費量が少なくてすむシステムを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段と作用】
請求項1の発明は、発電に伴って発生する発電熱を利用して給湯暖房するシステムであり、以下の構成を備えている。
この発電熱利用システムは、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽内の水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、熱媒体を利用する暖房装置と、暖房装置に熱媒体を循環させる暖房用循環路と、前記水循環路の発電機から貯湯槽に水を戻す経路と前記暖房用循環路との間で熱交換する暖房用熱交換器を備えている。
【0008】
本システムでは、図5に示される従来のシステムに対して、熱交換器5を利用しないで発電熱回収用循環路を流れる温水をそのまま貯湯槽で貯湯する点において相違し、貯湯槽内の水(あるいは温水)を効率的に加熱することができる。また、発電熱回収用循環路を流れる温水と、暖房用循環路を流れる熱媒体を分離して暖房用熱交換器で熱交換するために、暖房用循環路を流れる熱媒体の種類を自在に選択することができる。不凍液等の水以外の媒体を選択することができる。さらには、貯湯槽底部の低温水を発電機に送り込むことができ、発電機を効率的に冷却しながら効率的に発電熱を回収することができる。
【0009】
請求項1の発電熱利用システムは、貯湯槽の高さの異なる複数箇所に前記水循環路を循環する循環水の取水口が設けられている。また、暖房装置の稼働中に発電機に送り込む水の温度が所定温度となるように各々の取水口から取水する割合を調節する弁が設けられている。
貯湯槽内の水(あるいは温水)の温度は高さ方向に分布しており、低部では低温であり、上部では高温である。高さが異なる取水口から取水する割合を調節することで、発電機に送り込む発電熱回収用の水の温度を調節することができ、発電機を効率的に冷却しながら効率的に発電熱を回収することができる。また、発電機から送り出される発電熱回収水の温度を調節することができ、暖房装置が必要とする適温に調整することができる。
【0010】
請求項2に示されるように、暖房用循環路に、暖房用熱交換器をバイパスするバイパス路と、暖房用熱交換器を通過する経路とバイパス路との間で熱媒体の通過経路を切り替える弁が設けられていることが好ましい。
これにより、暖房用熱交換器で熱交換が必要ない場合には、暖房用循環路の熱媒体はバイパス路を通って循環し、熱交換は行われない。発電熱は効率的に貯湯槽に蓄熱される。
【0011】
請求項3に示されるように、暖房用循環路を循環する熱媒体が不凍液であることが好ましい。
不凍液を用いることによって、暖房を行わないときに、暖房装置や暖房用循環路内で熱媒体が凍結することを防止できる。
【0012】
本発明は、発電機に改質器付燃料電池を用いた発電熱利用システムに適用が可能である。発電機に改質器付燃料電池を用いた場合は、請求項4に示されるように、燃料電池を通過する冷却水が循環する冷却用循環路と前記水循環路との間で熱交換する第1の発電熱回収用熱交換器と、改質器からの燃焼排ガスと前記水循環路との間で熱交換する第2の発電熱回収用熱交換器を有することが好ましい。
この場合、発電に伴って改質器が発生する熱と燃料電池が発生する熱の両者が回収され、必要に応じて暖房に用いられたり蓄熱されたりする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に説明する実施例の主要な特徴を次に列記する。
(形態1)発電熱回収用水循環路と暖房用循環路の各々にポンプが設けられている。
(形態2)貯湯槽の底部と中間高さに取水口があり、貯湯槽の上部に発電熱回収用水循環路を循環した温水の入水口がある。
(形態3)貯湯槽の高さの異なる2カ所の取水口からの経路が合流する箇所に、三方弁が設けられている。
(形態4)暖房用循環路を水が循環し、暖房装置は温水を利用して暖房する。
(形態5)暖房用循環路のバイパス路が分岐する前にサーミスタが取り付けられており、そのサーミスタで検出される熱媒体の温度によって、暖房用熱交換器を通過する経路とバイパス路との間で熱媒体の通過路を切り替える弁が切り替えられる。
(形態6)暖房用熱交換器を通過する経路とバイパス路は、合流した後にシスターンに入る。
(形態7)シスターンを出た暖房用循環路は、高温暖房装置に熱媒体を循環させる経路と低温暖房装置に熱媒体を供給する経路に分岐する。
(形態8)暖房用熱交換器は、低温暖房装置に熱媒体を供給する経路に設けられている。
(形態9)高温暖房装置用の循環路には、補助熱源が設けられている。
【0014】
【実施例】
以下に、本発明の発電熱利用システムの実施例を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
(第一実施例)
図1は、本発明の第一実施例に係わる、発電熱利用システムの構成を示している。本実施例の発電熱利用システムは、電力と発電熱を発生する発電機21と、貯湯槽22と、貯湯槽22内の水を発電機21に送って発電熱で加熱して貯湯槽22に戻す水循環路24、25と、熱媒体を利用する暖房装置30と、暖房装置30に熱媒体を循環させる暖房用循環路27、28と、水循環路24、25と暖房用循環路27、28との間で熱交換する暖房用熱交換器26を備えている。
【0015】
貯湯槽22の底部には、発電熱回収用の水の取水口33が設けられており、取水口33から取り込まれた水は、水循環路24に設けられている循環ポンプ23によって発電機21に送り込まれ、発電熱で加熱されて水循環路25に戻る。発電熱で加熱された水循環路25内の温水は、暖房用熱交換器26を通過して暖房用熱媒体を加熱し、貯湯槽22の上部に設けられた入水口34から貯湯槽22に戻される。貯湯槽22には、上部に給湯路32が設けられており、下部に給水路31が設けられている。
暖房装置30が利用する熱媒体は不凍液であり、暖房用循環路27、28には不凍液を循環させる循環ポンプ29が設けられている。
【0016】
暖房用循環路27、28の熱媒体は、貯湯槽22に熱を蓄える前の高温の温水で加熱されるために、暖房装置30に効率よく熱を伝達することができる。その結果、発電熱を効率良く利用して暖房装置30によって効果的に暖房することができる。熱媒体の温度は、熱媒体を循環させる循環ポンプ29が流量を調節することで行われる。
発電熱回収用の水循環路24,25による水の循環によって、貯湯槽22の上部には、高温の温水が蓄えられる。貯湯槽22内ではいわゆる「積層沸き上げ」がなされ、上部の温水と底部の冷水は混じりあわない。給湯路32から給湯を行うと、給水路31から新たな水が供給される。貯湯層22内の全ての水が高温となっていない場合でも、給湯路32からは高温の給湯が行われる。
【0017】
この場合、貯湯槽22の底部の低温水を発電機21に送り込むために、発電機21は効率的に冷却され、発電熱は水循環路25を流れる水によって効率的に回収される。
暖房装置30を通過した熱媒体は比較的に高温であり(概ね45℃)、従って熱交換器26を通過した水も比較的に高温である。このままでは発電機21を効率的に冷却することができないが、本実施例では熱交換器26を通過した水を貯湯槽22に戻すとともに、貯湯槽22の底部の低温水を発電機21に送り込むために、発電機21を効率的に冷却し(そのために発電熱の回収効率が高い)、暖房装置30で充分に暖房することが可能となる。
貯湯槽22には発電熱で加熱された温水がそのまま貯湯され、発電熱を効率的に貯湯槽22に蓄熱することができる。従来の技術のように、発電熱回収液と温水を分離しておいて熱交換するのに対して、温水を直接に加熱するために蓄熱効率が高い。
【0018】
(第二実施例)
本実施例に係わる、発電熱利用システムの構成を図2に示す。第一実施例と同一の構成のものについては、重複説明を割愛する。
【0019】
本実施例では、電力と発電熱を発生する発電機160に、改質器を備えた固体高分子型の燃料電池セル150を利用している。
本実施例における発電熱回収用水循環路67、66と発電機160の間には、発電機160の燃料電池150を通過する冷却水が循環する冷却用循環路140の冷却水と、発電熱回収用水循環路67、66を循環する水との間で熱交換する第1の回収用熱交換器62と、改質器からの燃焼排ガス162と発電熱回収用水循環路67、66を循環する水との間で熱交換する第2の回収用熱交換器64が設けられている。
冷却水循環路140には純水が流れ、ポンプ142で循環される。冷却水の温度が高くなって燃料電池150を適正に冷却できない場合には、バルブ144と148によって、冷却ファン70によって冷却水を冷やす経路146を開く。
【0020】
発電熱回収用水循環路66、67を循環する水は、発電熱を回収すると共に、発電機160の燃料電池150を通過する冷却水を冷却する役割も果たす。そのために、発電熱回収用水循環路67を循環する水の温度は45℃以下であることが必要とされる。発電熱を効率的に回収するには、水循環路67を循環する水の温度が低い方が好ましい。
一方、発電機160の発電熱で加熱された発電熱回収用水循環路66内の温水は、暖房用熱交換器70によって、暖房用循環路132の熱媒体を加温する必要がある。暖房装置126の稼働中には、発電熱回収用水循環路66内の温水温度ができるだけ高温であることが好ましい。
【0021】
発電機160の冷却水と熱交換を行う前の発電熱回収用水循環路67の循環水の温度を、暖房装置126が稼働していないときには低温とし、暖房装置126の稼働中には45℃に近い温度に調整するために、貯湯槽50には、貯湯槽50の底部に設けられている底部取水口54と、貯湯槽50の中間高さに設けられている中間取水口52が設けられている。発電熱回収用水循環路67の取水口54と52からの経路が合流する箇所には、各々の経路からの流入量を調節するための三方混合弁56が設けられている。三方混合弁56には、例えば、汎用のボールバルブ等を使用することができる。
貯湯槽50の内の温水は、「積層沸き上げ」によって、上部に向かうにつれて高温の温水が蓄えられている。中間取水口52を活用すると、底部取水口54を活用するよりも高温の循環水を得ることができる。三方混合弁56は、暖房装置126の運転状況と、両取水口52、54から流入する水の温度に応じて、各々の取水口から取水する割合を調節する。
暖房装置126の稼働中には、発電機160の冷却水と熱交換を行う前の循環水の温度が約45℃に調整される(図3のステップS8、S10、S12参照)。発電熱回収用水循環路67の水の温度を約45℃に調整すると、発電機160内の2台の熱交換62、64を経由することによって、約70℃前後の温水に加熱される。即ち、発電熱回収用水循環路66の水の温度は約70℃前後となり、暖房装置126が必要とする温度以上に加熱される。
【0022】
本実施例の暖房装置のうち、床暖房などの比較的低温で利用される低温暖房装置126を流れる熱媒体は、熱交換装置70によって、発電熱回収用水循環路66を流れる水(約70℃)で加熱される。浴室暖房機などの比較的高温で利用される高温暖房装置100を流れる熱媒体は補助熱源94で加熱される。本実施例のいずれの暖房装置126、100も温水を使用するために、暖房用循環路98、124内には熱媒体となる水が循環する。
【0023】
暖房用循環路124には、暖房用熱交換器70をバイパスするバイパス経路134が設けられている。バイパス路134が分岐する前に、サーミスタ(温度検知器)128が取り付けられており、分岐点には、暖房用熱交換器70を通過する経路132とバイパス路134との間で熱媒体の通過路を切り替える三方弁130が取り付けられている。
【0024】
暖房用熱交換器70は、発電機160で加熱された発電熱回収用水循環路66の温水と、暖房用循環路124の水との間で熱交換を行う。ここで、熱交換前の発電熱回収用水循環路66内の温水温度と暖房用循環路124の熱媒体の温度との差が小さい場合、もしくは、暖房用循環路124の熱媒体の温度が高い場合は、熱交換は不要となるため、三方弁130が切り替えられ、暖房用循環路124の熱媒体はバイパス路134を通過し、熱交換を行わない(図3のステップS16、S18)。
【0025】
熱交換を行うか否かは、熱交換前の発電熱回収用水循環路66内の温水温度と暖房用循環路124内の温水温度との差が10℃以上であるか否かによる(図3のステップS14)。温度差が10℃以上であれば、暖房用循環路124の熱媒体を熱交換器70に流して熱媒体を加熱する(図3のステップS20、S22、S24)。熱交換後に、発電熱回収用水循環路66を流れる温水は貯湯槽50に入り、熱を蓄える。
【0026】
暖房用熱交換器70で熱交換を行う経路132とバイパス路134は合流してシスターン90に戻る。暖房装置126、100を循環する熱媒体(温水)は、シスターン90に一旦蓄えられる。
【0027】
シスターン90を経由後に、暖房用循環路は、高温暖房装置100に熱媒体を循環させる分岐路98と、低温暖房装置126に熱媒体を循環させる分岐路124に分岐する。
高温暖房装置100側の分岐路98には、補助熱源94が設けられており、熱媒体の熱量が不足した場合には補助熱源94で加温して不足熱量を補う。さらに分岐路98は、切り替え弁96、107によって熱媒体の循環路を切り替えて、熱交換器108に高温温水を流す経路116が接続されている。熱交換器108は高温温水によって浴槽110の温水を追い炊きする。高温暖房装置100に熱を供給した分岐路102は、シスターン90に接続する経路106と合流する。分岐路124も、低温暖房装置126に熱を供給した後、暖房用循環路106に戻る。暖房用熱交換器70は、低温暖房装置126に熱を供給して冷却された熱媒体を加温する。
【0028】
貯湯槽50には、給水路74と、給湯路78が設けられており、給湯路78によって風呂や台所等の温水を必要とする箇所に温水を供給する。貯湯槽50から供給される温水は、ミキシングユニット80で水と混合されて適温の温水として供給される。また、補助熱源84で加温されてより高温で給湯される他、一部はシスターン90に供給されて暖房用循環路の熱媒体の補給としても用いられる。貯湯槽50に温水が貯湯されていない場合でも、貯湯槽50内の冷水を補助熱源84で加温することによって必要な湯温にまで加熱して必要箇所に供給することができる。
【0029】
低温暖房装置126の運転中に発電機160が発電していれば、暖房用熱媒体は発電排熱で加熱される。発電熱と暖房熱はバランスすることが多く、発電熱は暖房に効果的に利用される。低温暖房装置126の運転中に発電機160が発電していなければ、第1次的には、水循環路67の入水口を中間高さの入水口52に切り替えて水循環路66の温度を高温温水とする。この場合、貯湯槽50に蓄熱されている高温温水を利用して暖房に供する。貯湯槽50による温水では、暖房用熱媒体よりも10℃以上高い温水がえられない場合には、補助熱源94を利用する。高温暖房用の熱媒体と低温暖房用の熱媒体は、シスターン90で混合されるために、低温暖房用熱媒体の循環路124に補助熱源を設けて置く必要はない。
【0030】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、実施例では、電力と発電熱を発生する発電機を、改質器付の固体高分子型の燃料電池について説明を行ったが、他の種類の燃料電池もしくはエンジンを用いることも可能である。暖房用循環路の中を循環する熱媒体も、暖房装置の種類によっては、不凍液等の水以外の液体を利用することが可能である。その他、実施例の図中に示した給水路、給湯路の配管や構成は、装置の構成によって自由に変更が可能である。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本願発明の発電熱利用システムによると、発電機と貯湯槽の間を循環する回収用水循環路の中の水が、発電熱を回収し、暖房用循環路を循環する熱媒体に優先的に熱を伝える。この熱媒体を利用する暖房装置によって、発電熱を利用した暖房が効率よく行われる。熱交換を終えた回収用水循環路の中の水は貯湯槽に入り、貯湯槽に熱を蓄えることで、給湯も効率よく行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一実施例における、発電熱利用システムの構成を模式的に示す図。
【図2】 本発明の第二実施例における、発電熱利用システムの構成を模式的に示す図。
【図3】 本発明の第二実施例における、回収用循環路と暖房用循環路の、循環路の切り替えフローを模式的に示す図。
【図4】 従来の発電熱利用システムの構成の一例を模式的に示す図。
【図5】 従来の発電熱利用システムの構成の他の例を模式的に示す図。
Claims (4)
- 発電に伴って発生する発電熱を利用するシステムであり、電力と発電熱を発生する発電機と、貯湯槽と、貯湯槽内の水を発電機に送って発電熱で加熱して貯湯槽に戻す水循環路と、熱媒体を利用する暖房装置と、暖房装置に熱媒体を循環させる暖房用循環路と、前記水循環路の発電機から貯湯槽に水を戻す経路と前記暖房用循環路との間で熱交換する暖房用熱交換器を備えており、
貯湯槽の高さの異なる複数箇所に前記水循環路を循環する循環水の取水口が設けられており、
暖房装置の稼働中に発電機に送り込む水の温度が所定温度となるように各々の取水口から取水する割合を調節する弁が設けられていることを特徴とする発電熱利用システム。 - 暖房用循環路に、暖房用熱交換器をバイパスするバイパス路と、暖房用熱交換器を通過する経路とバイパス路との間で熱媒体の通過経路を切り替える弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発電熱利用システム。
- 暖房用循環路を循環する熱媒体が不凍液であることを特徴とする請求項1又は2に記載の発電熱利用システム。
- 発電機は改質器付の燃料電池であり、燃料電池を通過する冷却水が循環する冷却用循環路と前記水循環路との間で熱交換する第1の発電熱回収用熱交換器と、改質器からの燃焼排ガスと前記水循環路との間で熱交換する第2の発電熱回収用熱交換器を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の発電熱利用システム。
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JP2004020081A (ja) | 2004-01-22 |
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