JP3990524B2 - 臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気圧縮冷凍サイクルを、凝縮器入口冷却媒体の温度によって、高圧側を通常の飽和領域運転とする臨界未満運転と、高圧側を超臨界領域運転とする超臨界運転とを選択的に切替え可能で、また、超臨界運転でも充分な冷凍出力を発揮可能な、或は凝縮器出口冷媒温度に応じて臨界未満、超臨界域に亘って、充分な冷凍出力と、凝縮器出口冷媒温度で制約される最大或は略最大の成績係数を発揮可能で、凝縮器からの温熱も利用する冷温同時利用やヒートポンプにも使用できる圧縮冷凍装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気圧縮冷凍サイクルは、飽和蒸気或は若干過熱蒸気の状態の冷媒ガスを圧縮機で吸入して高圧高温の過熱ガスの状態にまで圧縮し、凝縮器(超臨界で使用する場合は放熱器となる)で冷却水や空気等で冷却して飽和液或は若干過冷却液の状態まで冷却して凝縮させ、この冷媒液を膨張弁(絞り弁)で減圧して低圧低温の気液2相の状態にして蒸発器に入れ、そこで空気やブライン等の被冷却体から熱を吸収して飽和蒸気或は若干過熱蒸気の状態にして再び圧縮機に吸入する閉回路をなすサイクルである。
【0003】
従来圧縮冷凍装置の冷媒として多用されてきたハロゲン化炭化水素(フロン)系冷媒はオゾン層破壊をもたらす原因物質として規制され、フロンに代わる冷媒として、オゾン層破壊の心配もなく温室効果も小さい自然冷媒である二酸化炭素(CO2)を用いる冷凍装置が見直されつつある。
CO2は、従来から一部の冷凍装置には冷媒として用いられていたが、その臨界温度が31℃と従来のフロンの臨界温度(例えばR12では約112℃)と比べて低いので、圧縮された冷媒を冷却する凝縮器へ入る冷却水或は冷却空気の温度が高い夏季等では、冷凍出力を確保するために、高圧側が超臨界域となる超臨界運転とすることが行われる。その場合、高圧側ではCO2は超臨界状態であるから、凝縮器で凝縮することはない。
【0004】
図11に示すCO2の圧力―比エンタルピー線図で説明すると、C.P.は臨界点で、圧力は75.3kg/cm2、 温度は 31.06℃である。臨界未満運転では、圧縮機によってCO2の圧力が▲1▼の乾き飽和蒸気から▲2▼’の過熱蒸気に圧縮されて圧力と温度が上がり、凝縮器で▲2▼’から等圧で温度T1の▲3▼’の飽和液の状態に冷却され、膨張弁で等エンタルピーで▲4▼’に減圧されて圧力と温度が下がって気液2相状態になり、蒸発器で等圧で蒸発して▲1▼の乾き飽和蒸気の状態に戻る。
なお実際には▲1▼は図の位置よりも若干右に寄った過熱蒸気の状態まで加熱されたり、▲3▼’は図の位置より若干左によった過冷却の状態まで冷却されるのが一般である。
【0005】
ところで、圧縮されたCO2冷媒を凝縮器に供給される冷却媒体例えば冷却水の温度が高くて凝縮器出口の冷媒の温度がT1よりも高いT2までしか冷却できない場合には、圧縮機でCO2の圧力を超臨界域の▲2▼まで上げると、▲1▼−▲2▼−▲3▼−▲4▼−▲1▼のサイクルを行って比エンタルピー差▲1▼−▲4▼の冷凍効果を得る。凝縮器出口冷媒温度がT2で圧縮圧力が▲2▼’の場合には冷凍効果はマイナスとなる。圧力が▲2▼’と▲2▼の中間で温度がT2の場合は、冷凍効果は圧力が▲2▼の場合に比べて非常に小さいことが図11よりわかり、超臨界運転で充分な冷凍効果を得るには高圧側圧力を相当に高くする必要がある。
【0006】
冷媒の圧縮圧力(高圧側圧力)を▲2▼より更に高くすると冷凍効果は若干増大するが、一方圧縮機の軸仕事も増大し、得られた冷熱量と圧縮機の軸仕事の商で定義される成績係数(COP)が却って小さくなり効率の悪い運転をすることになる。成績係数は圧縮機出口側の冷媒の圧力と凝縮器出口の冷媒の温度とによって決まるので(蒸発器での温度と圧力も影響するが実際には蒸発器側はほぼ一定の条件で運転されるので固定値としてよい)、成績係数が高い、即ち効率の良い運転を行うには、凝縮器出口の冷媒の温度に応じて圧縮機出口側の冷媒の圧力を適切な値に保つ必要がある。
【0007】
高圧側圧力を高くするのは、高圧側の冷媒充填量を増大することによって行われる。凝縮器冷却媒体の入口温度が高く凝縮器出口冷媒温度が高い場合は、高圧側の冷媒充填量を増大することによって、高圧側圧力を超臨界域の適切な圧力まで高くして冷凍効果を高めることができる。
【0008】
冷媒としてCO2を使用する場合、CO2の臨界温度は31℃であり、一方凝縮器(凝縮器)出口のCO2の温度は、冷却媒体である冷却水や冷却空気の凝縮器(凝縮器)入口温度より高くなるので、冷却水や冷却空気の凝縮器入口温度が31℃より低い温度で凝縮器出口のCO2の温度は臨界温度に達してしまう。冷却水や冷却空気の凝縮器入口温度が高い場合には、冷凍出力を確保するために冷媒の圧縮圧力を高くして高圧側を超臨界領域で運転する具体的方法のいくつかが特公平7―18602号に開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記特公平7―18602号の開示によると、冷凍サイクルの閉回路中に、蒸発器の後に設けたレシーバに液相の冷媒を貯蔵したり、或は凝縮器と膨張弁との間にレシーバを設けて超臨界状態の冷媒を貯蔵したり、或は高圧側(凝縮器出口側)と低圧側(蒸発器入口側)の間に設けたレシーバに高圧側と低圧側の中間圧力で冷媒を貯蔵し、冷凍出力を増大させたい場合には、貯蔵した冷媒を回路に放出して高圧側の冷媒充填量を増大することによって高圧側圧力を高くして冷凍出力を増大しているが、後2者の場合は比較的大容積の耐圧レシーバを必要とし、その分装置が大きくなり製作コストも増大する。
【0010】
また、前者の蒸発器後にレシーバを設ける方法は、蒸発器から過熱蒸気がレシーバに流入するとレシーバ内の液相の冷媒が蒸発してしまうために、レシーバに液相の冷媒を貯蔵する際には蒸発器からは常に飽和蒸気がレシーバ内に供給されねばならない。液相冷媒が圧縮機に吸入されて圧縮機の損傷を招くことがないように、一般に圧縮機入口の冷媒は過熱の蒸気とする必要がある。従ってレシーバに供給された飽和蒸気が過熱度不足の状態で圧縮機に吸込まれないように、また過熱度不足分に伴う冷凍出力の低下を防ぐために、蒸発器から圧縮機へ供給される冷媒と該冷媒よりは高温の凝縮器から膨張弁へ供給される冷媒との間で熱交換を行う熱交換器が必要となり、さらに容積、重量が増大すると共に製作コストも増大する。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑み、最小限の内容積の容器で所要の冷媒量を貯蔵できることを第一の目的とする。他の目的は、凝縮器入口の冷却水や冷却空気の温度が低い冬季と前記温度が高い夏季で臨界未満運転と超臨界運転を簡単容易に切替えることができる圧縮冷凍装置を提供することであり、さらには、凝縮器出口冷媒温度に応じた最大の成績係数を発揮する運転を行うことができる圧縮冷凍装置を提供することである。また、前記冷凍装置をヒートポンプとして運転可能とすることも含まれる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を用いる。
請求項1記載の発明は、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐出された冷媒を冷却する凝縮器と、該凝縮器で冷却された冷媒を膨張させて減圧する膨張弁と、膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器とを直列に接続してなる圧縮冷凍装置において、
前記膨張弁と前記蒸発器を接続するメイン管路に並列に液状冷媒を貯蔵できるタンクを接続するとともに、
前記タンクをメイン管路に並列に接続するための複数のタンク分岐管路のうち、冷媒流れの上流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側に開口して接続し、冷媒流れの下流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側とは異なる方向側に開口して接続することを特徴とする。
かかる発明は、前記膨張弁の一時的開閉により臨界未満運転と超臨界運転の切替えを可能としたものである。即ち、臨界未満運転では前記タンク内に液状冷媒が貯蔵された状態で運転し、超臨界運転では前記タンク内の冷媒が前記蒸発器を経て前記圧縮機に吸入されて高圧側に充填された状態で運転する。その切替え操作は次のように行われる。
【0013】
即ち、前記タンク内に液状冷媒が貯蔵されている臨界未満運転時に前記膨張弁を一時的に閉じると、該膨張弁から低圧側に流出する冷媒が阻止され、前記タンク内の冷媒が前記蒸発器を通って前記圧縮機に吸込まれて高圧側に送込まれ、高圧側冷媒充填量が増大する。前記タンク内に液状冷媒が貯蔵されていない、或いは貯蔵量が少ない超臨界運転時に前記膨張弁を一時的に開くと、前記圧縮機によって吸込まれる冷媒量よりも多量の冷媒が前記膨張弁から低圧側に流出するので、該膨張弁からの流出量と前記圧縮機に吸込まれる量との差が前記タンクに貯蔵され、高圧側冷媒充填量が減少する。前記タンク内冷媒量が所定の量になったら前記膨張弁の一時的開閉は解除して元の通常の状態に戻す。
【0014】
請求項2記載の発明は、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐出された冷媒を冷却する凝縮器と、該凝縮器で冷却された冷媒を膨張させて減圧する膨張弁と、膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器とを直列に接続してなる圧縮冷凍装置において、
前記圧縮機を容積比可変型圧縮機とするとともに、前記膨張弁と前記蒸発器を接続するメイン管路に並列に液状冷媒を貯蔵できるタンクを接続するとともに、
前記タンクをメイン管路に並列に接続するための複数のタンク分岐管路のうち、
冷媒流れの上流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側に開口して接続し、
冷媒流れの下流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側とは異なる方向側に開口して接続することを特徴とする。
かかる発明も前記請求項1の発明と同様に、前記膨張弁の一時的開閉によって臨界未満運転と超臨界運転の切替えを可能とするものである。
【0015】
前述したように、超臨界運転時には臨界未満運転時よりも高圧側圧力を相当に高くする必要がある。一方低圧側圧力は略一定で運転されるので、超臨界運転時には臨界未満運転時よりも前記圧縮機による冷媒圧縮比を相当に大きくする必要がある。冷凍装置に広く用いられるスクリュー圧縮機は、用途による適正圧縮比の違いに対応するため、内部容積比或いは設計容積比と呼ばれる容積比の異なる圧縮機が幾機種か提供されているが、圧縮の効率を確保するために1機種で対応できる圧縮比の範囲は限られている。容積比可変型のスクリュー圧縮機は前記容積比を用途に応じて変更できる圧縮機であり、1機種で臨界未満運転と超臨界運転に対応することが可能である。従って、前記圧縮機を容積比可変型圧縮機とすることによって、1台の圧縮機で臨界未満及び超臨界運転に亘って効率的に運転することができる。臨界未満及び超臨界運転の切替え操作については上記請求項1の発明の場合と同様である。
【0016】
請求項3記載の発明は、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐出された冷媒を冷却する凝縮器と、該凝縮器で冷却された冷媒を膨張させて減圧する膨張弁と、膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器とを直列に接続してなる圧縮冷凍装置において、
前記圧縮機を、容量制御弁を所要の開度に保持可能な圧縮機又は容量制御弁を所要の開度に保持可能な容積比可変型圧縮機とするとともに、前記膨張弁と前記蒸発器を接続するメイン管路に並列に液状冷媒を貯蔵できるタンクを接続するとともに、
前記タンクをメイン管路に並列に接続するための複数のタンク分岐管路のうち、
冷媒流れの上流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側に開口して接続し、
冷媒流れの下流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側とは異なる方向側に開口して接続することを特徴とする。
【0017】
かかる発明は、前記圧縮機の容量制御弁の一時的開閉により、臨界未満運転と超臨界運転の切替えを可能としたものであり、その切替え操作については図面を参照する実施例の説明で記述するが、臨界未満運転では前記タンクに冷媒が貯蔵された状態で運転し、超臨界運転では前記タンク内の冷媒が前記蒸発器を通って前記圧縮機に吸入され高圧側に充填された状態で運転する。
【0018】
臨界未満運転と超臨界運転では、後述のように高圧側の冷媒充填量にはかなり大きな差があり、それを全て貯蔵するには前記タンク内容積は相当大きくならざるを得ないが、超臨界運転から臨界未満運転に切替える際に、前記タンクには膨張弁を出たフラッシュ状の冷媒のうち、密度の高い液相の冷媒が貯蔵されるので、タンクの内容積は比較的小さくて済む。
【0019】
請求項4記載の発明は、前記タンクが前記膨張弁と前記蒸発器を接続するメイン管路に対して並列接続となるように、開閉弁を備えたタンク分岐管路を介して前記タンクが前記メイン管路に接続されていることを特徴とするもので、後述する前記タンク内冷媒を加熱して前記メイン管路への送出を促進する際に、冷媒流れの上流側のタンク分岐管路の開閉弁を閉じ、下流側のタンク分岐管路は開いて、前記送出を有利にするものである。なお、前記下流側のタンク分岐管路には開閉弁を設けなくてもよい。
【0020】
請求項5記載の発明は、前記タンクが前記凝縮器と前記膨張弁を接続するメイン管路に対して並列接続となるように、開閉弁を備えたタンク分岐管路を介して前記タンクが前記メイン管路に接続されていることを特徴とするもので、本発明の冷凍装置をヒートポンプとしても使用可能化するものである。即ち、冷凍時とヒートポンプ時とでは冷媒の流れ方向が逆方向となるので、前記タンクに冷凍時用とヒートポンプ時用のタンク分岐管路を設けたものであり、冷凍時にはヒートポンプ用のタンク分岐路を閉じ、ヒートポンプ時には冷凍時用のタンク分岐路を閉じる。
【0021】
そして前記いずれの発明も、前記タンクをメイン管路に並列に接続する場合のタンク分岐管路のうち、冷媒流れの上流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側に開口して接続し、冷媒流れの下流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側とは異なる方向側に開口して接続することを要旨とするもので、膨張弁から流出したフラッシュ状冷媒のうち、主として液相の冷媒が冷媒流れの上流側でメイン管路の下側に開口したタンク分岐管路の開口から自重によって前記タンクに流入し、下流側でメイン管路の下側とは異なる方向側に開口したタンク分岐管路の開口からはガス状の冷媒が流出するので、タンク内への液相冷媒の流入が容易である。
【0022】
請求項6記載の発明は、前記冷媒流れ上流側のタンク分岐管路は流れに向かう方向に開口し、下流側のタンク分岐管路は流れに沿う方向に開口することを特徴とするもので、前記タンクへの冷媒の取込みがさらに容易になる。
【0023】
請求項7記載の発明は、膨張弁と蒸発器との間に並列に接続されたタンクにその内部を加熱するヒータを設けたことを特徴とするもので、臨界未満運転から超臨界運転に切替える際に、前記ヒータによって前記タンク内の冷媒液の温度を高めて蒸発を促進してタンク内の圧力を高め、タンク内の冷媒を早急にメイン管路に送って高圧側の冷媒充填量を増大するものである。
上記発明では、前記タンクから蒸発した冷媒が前記蒸発器の圧力を高め、冷凍負荷が増大したのと同じ効果をもたらすので、圧縮機の容量制御が働いて吐出量が増大し、後述のように圧縮機の容量制御弁を一時的に閉じなくても、ある程度の高圧側の冷媒充填量増大効果をもたらす。
【0024】
請求項8記載の発明は、凝縮器出口冷媒温度に対して成績係数(COP)が最大となる高圧側圧力となるようなタンク内の冷媒液面高さを算定しておき、タンク内冷媒液面高さが前記算定液面高さとなるように、タンク分岐管路の開閉と圧縮機容量制御弁の一時的開閉により、凝縮器出口冷媒温度に応じて冷凍機の成績係数(COP)が最大或は略最大で運転されるように制御するものである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施例を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載される寸法、形状、その相対位置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。冷媒として二酸化炭素(CO2)を用い、蒸発器内の冷媒の状態を−15℃、23kg/cm2の飽和状態として、凝縮器出口のCO2の温度をパラメータにして圧縮機出口の冷媒圧力と冷凍サイクルの成績係数(COP)の関係を計算した結果は図12のようである。但し圧縮機の断熱効率と機械効率は共に100%として計算してある。凝縮器出口のCO2温度が高くなるとCOPが最大となる圧縮機出口圧力は高くなり、またその最大値そのものは低下している。特に凝縮器出口CO2温度が臨界温度31.06℃付近を超えると圧縮機の吐出圧力はかなり大幅に増大しないとCOP最大が得られないことがわかる。
【0026】
前述のように、超臨界運転では高圧側の圧力を高くするために高圧側の冷媒充填量を臨界未満運転時よりも大幅に増大する必要がある。例えば、高圧側機器内容積412lit、低圧側機器内容積 62lit とし、低圧側は同じ条件として、
(a)高圧側圧力 90 kg/cm2:冷媒ガス密度;凝縮器入口219.6kg/m3 (65℃)
: 冷媒ガス密度;凝縮器出口662kg/m3(35℃)
(b)高圧側圧力65kg/cm2: 冷媒ガス密度;凝縮器入口132.2kg/m3(65℃)
:冷媒ガス密度;凝縮器出口239.6kg/m3(25℃)
:冷媒液密度;凝縮器出口712.0kg/m3(25℃)
の場合、(a)の高圧側の冷媒充填量は(b)の約1.7倍である。
(a)と(b)とで高圧側の冷媒ガス充填量の差は36kgとなる。即ち両場合に対応するためには、タンク5は約40kgの冷媒を貯蔵できるものでなければならない。冷媒が全て液体状態で貯蔵されるとしてもその容積は約56litとなる。
【0027】
図1は、本発明の参考例を、図10は従来の圧縮冷凍装置の一例を模式的に示す。図1において、圧縮機1と、該圧縮機1で高圧高温に圧縮された冷媒ガスを冷却水で冷却する凝縮器2と、冷却された冷媒を膨張させて減圧する膨張弁3と、該膨張弁3を出た気液2相状態の冷媒がブラインから熱を奪って蒸発しブラインを冷却する蒸発器4とが直列に接続されてなる閉回路の前記膨張弁3と蒸発器4の間にタンク5が直列に配置されている。9は前記圧縮機1を駆動する電動機である。
【0028】
なお、図1における▲1▼等の符号を付した箇所の冷媒の状態は図11における▲1▼等の符号を付した状態に対応する。前記閉回路の接続管路をメイン管路と呼ぶ。
前記圧縮機1が容量制御弁を所定の開度に保持可能な圧縮機又は容量制御弁を所定の開度に保持可能な容積比可変型圧縮機である場合について説明する。冷凍装置が定常状態で運転されている時に、前記容量制御弁を一時的に閉じて前記圧縮機1の吐出流量を増大させると、前記膨張弁3から流出する冷媒流量よりも前記圧縮機1に吸込まれて高圧側へ送り込まれる冷媒流量の方が多くなるので、その差の分は前記タンクから吸出され、タンク内冷媒量が減少する。
【0029】
逆に前記容量制御弁を一時的に開いて前記圧縮機1の吐出流量を減少させると、前記膨張弁3から流出する冷媒流量よりも前記圧縮機1に吸込まれて高圧側へ送り込まれる冷媒流量の方が少なくなるので、その差の分は前記タンク5に貯蔵され、タンク内冷媒液量が増大する。タンク内冷媒量が所要の量になったら前記容量制御弁の一時的開度の保持を解除する。
後述のように、高圧側冷媒充填量は前記タンク5内の冷媒液量により決まるとしてよいので、タンク内冷媒液量を所要の量で運転すれば、所要の高圧側冷媒充填量で運転されることになる。前記タンク5内の冷媒液量は図示しない液面計で検知し、外気温度或は冷却水温度に対して適切なタンク内冷媒液面高さを設定しておくとよい。
図10に従来の圧縮冷凍装置の一例を示すが、従来は膨張弁と蒸発器の間に冷媒を貯蔵する容器(タンク)を配置する構成としたものはない。図中、20は蒸発器の冷媒量が変化しても円滑な運転が行われるためのレシーバである。
【0030】
外気温度が低く凝縮器2で冷媒を冷却する冷却水の凝縮器入口温度が20℃を超えない場合は、液状冷媒を前記タンク5に貯蔵する臨界未満運転を選択し、外気温度が高く前記凝縮器入口の冷却水温度が20℃を超える場合は、前記タンク5内の液状冷媒を前記蒸発器4を通って前記圧縮機1に吸入させて高圧側冷媒充填量増大させた超臨界運転を選択するのもよい。
その場合、臨界未満運転では高圧側の圧力を65kg/cm2に維持できるような冷媒充填量としておけば、凝縮器出口冷媒温度が25℃以下の場合は、図12より、COPは低くても4.6が確保される。
【0031】
超臨界運転ではタンクに貯蔵されている冷媒を、高圧側に充填して高圧側圧力を90kg/cm2に維持すれば、凝縮器出口冷媒温度が35℃以下の場合は、図12より、COPは低くても3.3が確保される。この場合、タンク5の内容積は少なくとも、高圧側圧力を90kg/cm2に保つに必要な冷媒量と、65kg/cm2に保つに必要な冷媒量との差を貯蔵できる大きさとする。
【0032】
図2は、本発明の第1実施例を示す模式図であり、上記した参考例と同じ構成には図1に用いた符号と同じ符号が付してある。タンク5は、タンク分岐管路7’、8’を介して膨張弁3と蒸発器4を接続するメイン管路に並列に接続される。図3は、本発明の第2実施例のタンクの配置を示す模式図であり、タンク5を前記メイン管路に並列に接続するタンク分岐管7、8には電磁弁6、60が配設されている。冷媒流れ下流側のタンク分岐管8の電磁弁60は配設しなくても差支えない。
【0033】
上記第1、2実施例における冷媒のタンク5への取込み及び該タンクからの吸出しは、第1実施例での説明と同様にして行われる。第2実施例においては、タンク5への冷媒取込み時は電磁弁6、60は開かれるが、吸出し時は電磁弁6は閉じてもよいし、開いてもよい。
上記第2実施例では電磁弁6、60を閉じると、前記タンクはメイン管路から遮断された状態になる。負荷変動がない安定運転状態では前記電磁弁6、60を閉じて運転してもよい。
【0034】
図4は、本発明の第3実施例のタンクの配置を示す模式図であり、前記タンク5には、前記膨張弁3と蒸発器4を接続するメイン管路からの電磁弁6、60が配設されたタンク分岐管路7、8の他に、前記凝縮器2と膨張弁3を接続するメイン管路からのタンク分岐管路70、80が設けられ、両分岐管路70、80には電磁弁61、62が配設されている。
本実施例は、冷凍装置をヒートポンプ兼用とする場合に採用される実施例である。冷凍とヒートポンプサイクルとでは、冷媒の流れ方向が逆であり、図示しない弁と管路により冷媒流れ方向が切替えられるので、ヒートポンプサイクルでは前記蒸発器4が凝縮器となり、前記凝縮器が蒸発器として作用する。
本実施例の上記構成では、冷凍サイクル時は前記電磁弁61、62は閉じられ、ヒートポンプサイクル時には前記電磁弁6、60は閉じられるので、冷凍、ヒートポンプサイクルに関らず前記タンク5は常に膨張弁と蒸発器の間に並列に配置された状態になる。
【0035】
図5は、本発明の第4実施例のタンク分岐管路とメイン管路の接続部を示す模式図で、膨張弁3と蒸発器4を接続するメイン管路に前記タンクを並列に接続するタンク分岐管路7、8のうち、冷媒の流れの上流側(膨張弁側)で接続するタンク分岐管路7は、前記メイン管路の重力方向下側に開口7aするように接続し、下流側(蒸発器側)の分岐管路8は前記メイン管路の重力方向上側に開口8aするように接続してある。前記開口8aは上側ではなく例えば横方向でも斜め上或は斜め下の方向側でもよい。
【0036】
このように接続することによって、膨張弁3を出たフラッシュ状(液ガス混合状態)で液ガスの密度差が大きく液の割合も多い冷媒中の主として液相冷媒の一部が自重によって、前記メイン管路の下側に設けられている前記開口7aから上流側分岐管路7を通って前記タンク5に流入し、液相冷媒に付随して流入したフラッシュガスは下流側の分岐管路8を通って前記メイン管路の上部に設けられた開口8aからメイン管路に入るので、液相冷媒の前記タンク5への流入、貯蔵が容易である。
図6は前記冷媒流れ上流側分岐管7の開口7aを冷媒流れに向かう方向に開口させ、下流側分岐管8の開口8aを冷媒流れに沿う方向に開口させてあり、前記タンクへの冷媒取込みがさらに容易になる。
【0037】
図7は、本発明に係わる圧縮冷凍装置の第6実施例を示す模式図であり、上記した第2実施例と同じ構成には図2に用いた符号と同じ符号が付してある。7、8は電磁弁6、60がそれぞれ配設されたタンク分岐管路である。なお、電磁弁60は配設しなくてもよい。
圧縮機1(図1参照)の吐出側から分岐する、電磁弁11を配設した圧縮冷媒分岐管路10が、タンク5の下部に接続してある。臨界未満運転時にはタンク5には冷媒液が貯蔵されており、超臨界運転に切替えるために前記タンク内冷媒をタンクから吸出すため圧縮機1は一時的にその容量制御弁を閉じて吐出量を増大するが、高負荷運転中で吐出量増大余裕が少ない場合は、前記タンク内冷媒を全部吸出すにはある程度の時間を要する。
【0038】
その際には、前記圧縮冷媒分岐管10の電磁弁11を開くと、前記圧縮機出口から高圧高温の圧縮冷媒が前記タンクの底部に導入されてタンク内冷媒の温度を上昇し、該冷媒のタンクからの送出を促進する。その際、冷媒流れ上流側タンク分岐管7の電磁弁6を閉じるのがよい。
【0039】
前記圧縮冷媒分岐管路10を前記タンク5内部まで延長して、該延長部に多数の小孔を設け、高温高圧の冷媒ガスを小さな気泡として冷媒液中に放出すると、冷媒液との熱交換が促進されて冷媒の温度上昇を早めるので、冷媒のメイン管路への送出に効果的である。なお、前記タンク5の下部に導入される冷媒は高温高圧であるので、導入量は小量でよく、前記電磁弁11は小型でよい。図8は、本発明の第7実施例のタンク部分を示す模式図で、タンク5に、その内部の冷媒液を加熱する電気ヒータ12を設けてあり、ヒータに通電して前記タンク内の冷媒液を加熱し、冷媒のメイン管路への送出を促進する効果は上記第7実施例と略同様である。
【0040】
図11に示すように、圧縮冷凍機の成績係数(COP)は、凝縮器出口冷媒温度に応じて最大となる圧縮機吐出圧力(高圧側圧力)があり、冷凍機は常にCOP最大で運転することが望ましい。高圧側容積は一定であり、超臨界運転の場合高圧側の冷媒は単相の状態であるから、高圧側圧力は高圧側冷媒充填量と高圧側冷媒温度によって定まる。高圧側冷媒温度は場所によって異なるが、高圧側冷媒温度の代表として凝縮器出口冷媒温度を採ると、高圧側圧力は高圧側冷媒充填量と凝縮器出口冷媒温度とによって決まると言える。
【0041】
低圧側容積は一定であるから、低圧側が或る一定温度の飽和蒸気圧に保たれるとすると、低圧側冷媒量は定まる。通常、低圧側圧力は、圧縮機の吐出流量を変える容量制御によって一定に保たれる。
即ち、冷凍負荷が減少して膨張弁が絞られた場合、膨張弁から低圧側に流出する冷媒流量が減少し、圧縮機の吐出流量が同じならば低圧側圧力が低下するので、圧縮機の吐出流量が減少するように圧縮機の容量制御が行われ、低圧側圧力は回復する。冷凍負荷が増大した場合は上述とは逆方向に圧縮機の容量制御が行われ、低圧側圧力は一定に保たれる。
【0042】
高圧側の冷媒充填量は、冷媒の総充填量からタンク以外の低圧側の冷媒量とタンク貯蔵量とを差引いたものである。上述のように、低圧側冷媒量は一定に保たれるので、高圧側冷媒量はタンク内の液状冷媒量によって知ることができ、タンク内液状冷媒量は液面高さによって検知することができる。
結局、超臨界運転の場合は、凝縮器出口冷媒温度とタンクの冷媒液面高さによって高圧側圧力を推定することができるので、凝縮器出口温度に応じた最大のCOPとなるような高圧側圧力を維持するには、凝縮器出口冷媒温度に応じた最大のCOPとなるような液面高さを維持すればよいことになる。
【0043】
臨界未満運転の場合は、高圧側は気液2相状態であり、高圧側圧力は高圧冷媒充填量と凝縮器出口冷媒温度によって単純には定まらないが、実験或はシミュレーションにより両者の関係を大体把握できるので、臨界未満運転時も高圧側圧力は高圧側冷媒充填量と凝縮器出口冷媒温度によって略推定することができ、従ってタンク内冷媒液面高さによって略推定可能であり、臨界未満運転の場合も凝縮器出口冷媒温度に応じたCOPが略最大となるようなタンク内冷媒液面高さを定めることができる。
【0044】
図9は本発明の第8実施例を示す模式図で、上記した第2実施例と同じ構成には図2に用いた符号と同じ符号が付してある。図中、5aはタンク5内の液面高さを検出する液面センサ、14は凝縮器出口冷媒温度を検出する温度センサ、13は制御装置、15、16、17、18、19は信号を搬送する手段である。
制御装置13は液面センサ5aの液面高さ信号と温度センサ14の温度信号を受けて、上述の凝縮器出口冷媒温度に応じたCOPが最大或は略最大となるタンク内冷媒液面高さ算定値と比較し、液面高さが前記算定液面高さになるように、圧縮機1の容量制御弁を一時的に開閉作動させる信号と電磁弁6、60を開閉させる信号を送ってそれらを作動させ、臨界未満、超臨界運転に関らずCOPが最大或は略最大になるように自動的に制御する。
【0045】
タンク内冷媒液面高さの変更は実施例1で述べた方法で行われる。該液面高さ変更操作は、電磁弁6、60を開いた状態で行ってもよいし、液面高さを減じる際は前記電磁弁6のみ閉じて行ってもよい。また、電磁弁60は配設しなくてもよい。従って、上述の自動制御するために電磁弁6、60を開閉させる信号については、前記電磁弁6、60を常に開いた状態で運転する場合は送る必要がなく、前記液面高さを減じる際に前記電磁弁6を閉じる場合は該電磁弁6の開閉信号を送ればよい。
図12に示されるように、凝縮器出口冷媒温度が高いとCOPは低くなるが、凝縮器出口水温を温熱として利用する場合、COPをある程度犠牲にして凝縮器出口水温を高くした運転を選択することもできる。
【0046】
本実施形態においては、凝縮器出口冷媒圧力の代替としてのタンク内冷媒液面高さを検出して該液面高さを制御して高圧側冷媒充填量を制御するが、凝縮器出口冷媒圧力を直接検出して該圧力を凝縮器出口冷媒温度に応じたCOPが最大或は略最大になるように自動的に制御してもよい。
【0047】
上記各実施形態においては、圧縮機1の容量制御弁を一時的に開閉してタンク内冷媒液面高さを変える場合について記述したが、先に課題を解決する手段で述べたように、膨張弁3を一時的に開閉して前記液面高さを変えてもよい。その場合は、圧縮機1の容量制御弁を一時的に開いて前記圧縮機1の冷媒吐出流量を一時的に減少することは、膨張弁3を一時的に開いて低圧側への冷媒流入流量を一時的に増大することに相当し、前記容量制御弁を閉じて圧縮機1の冷媒吐出流量を増大することは、前記膨張弁3を閉じて低圧側への冷媒流入流量を減少することに相当する。
【0048】
なお、前記各実施例におけるタンク分岐管路の電磁弁は、開度を調節する電磁弁であってもよく、また、それらの電磁弁は電磁弁以外の開閉弁装置或は弁開度を調整する装置であってもよく、さらに、第4実施例における電気ヒータは電気式以外の加熱装置であってもよい。
【0049】
冷凍装置の臨界未満運転と超臨界運転とでは、高圧側と低圧側の圧力比が大幅に変わり、スクリュー圧縮機の場合1台の圧縮機で対応するのは困難である。内部容積比可変型スクリュー圧縮機は、1台で幅広い圧力比に対応して効率的な運転ができるので、本発明の装置に適する。
【0050】
【発明の効果】
以上記載したように、本発明によれば、膨張弁で減圧し温度が下げられた液ガス密度差の大きいフラッシュ状(液ガス混合状態)冷媒の液相部をタンクに導いて液相で貯蔵するので、タンクの内容積は最小限でよく、タンクを小型化できる。
また、タンクは低圧側に配置されるので高耐圧性が要求されず、軽量化できる。さらに、外気温度に応じて臨界未満運転と超臨界運転とを弁操作によって簡単容易に切替えることができる。
さらに、タンクの冷媒液面高さを、凝縮器出口冷媒温度に応じて成績係数が最大或は略最大となるように算定された高さに維持するように制御することによって、凝縮器出口冷媒温度で規制される最大或は略最大の成績係数(COP)のもとで運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置の参考例を示す模式図である。
【図2】 本発明に係わる臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置の第1実施例を示す模式図である。
【図3】 本発明に係わる臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置の第2実施例のタンクの配置を示す模式図である。
【図4】 本発明に係わる臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置の第3実施例のタンクの配置を示す模式図である。
【図5】 本発明に係わる臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置の第4実施例におけるタンク分岐管のメイン管路への接続部を示す模式図である。
【図6】 本発明に係わる臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置の第5実施例におけるタンク分岐管のメイン管路への接続部を示す模式図である。
【図7】 本発明に係わる臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置の第6実施例を示す模式図である。
【図8】 本発明に係わる臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置の第7実施例のタンク部を示す模式図である。
【図9】 本発明に係わる臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置の第8実施例を示す模式図である。
【図10】 従来の圧縮冷凍装置を示す模式図である。
【図11】 二酸化炭素の圧力―比エンタルピー線図である。
【図12】 凝縮器出口冷媒温度をパラメータとして凝縮器出口冷媒圧力と成績係数(COP)との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 圧縮機
2 凝縮器
3 膨張弁
4 蒸発器
5 タンク
5a 液面センサ
6 電磁弁
7 タンク分岐管路(上流側)
8 タンク分岐管路(下流側)
9 電動機
10 圧縮冷媒分岐管路
11 電磁弁
12 電気ヒータ
13 制御装置
14 温度センサ
Claims (9)
- 冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐出された冷媒を冷却する凝縮器と、該凝縮器で冷却された冷媒を膨張させて減圧する膨張弁と、膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器とを直列に接続してなる圧縮冷凍装置において、
前記膨張弁と前記蒸発器を接続するメイン管路に並列に液状冷媒を貯蔵できるタンクを接続するとともに、
前記タンクをメイン管路に並列に接続するための複数のタンク分岐管路のうち、
冷媒流れの上流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側に開口して接続し、
冷媒流れの下流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側とは異なる方向側に開口して接続することを特徴とする臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置。 - 冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐出された冷媒を冷却する凝縮器と、該凝縮器で冷却された冷媒を膨張させて減圧する膨張弁と、膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器とを直列に接続してなる圧縮冷凍装置において、
前記圧縮機を容積比可変型圧縮機とするとともに、前記膨張弁と前記蒸発器を接続するメイン管路に並列に液状冷媒を貯蔵できるタンクを接続するとともに、
前記タンクをメイン管路に並列に接続するための複数のタンク分岐管路のうち、
冷媒流れの上流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側に開口して接続し、
冷媒流れの下流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側とは異なる方向側に開口して接続することを特徴とする臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置。 - 冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機から吐出された冷媒を冷却する凝縮器と、該凝縮器で冷却された冷媒を膨張させて減圧する膨張弁と、膨張した冷媒を蒸発させる蒸発器とを直列に接続してなる圧縮冷凍装置において、
前記圧縮機を、容量制御弁を所要の開度に保持可能な圧縮機又は容量制御弁を所要の開度に保持可能な容積比可変型圧縮機とするとともに、前記膨張弁と前記蒸発器を接続するメイン管路に並列に液状冷媒を貯蔵できるタンクを接続するとともに、
前記タンクをメイン管路に並列に接続するための複数のタンク分岐管路のうち、
冷媒流れの上流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側に開口して接続し、
冷媒流れの下流側のタンク分岐管路は前記メイン管路の重力方向下側とは異なる方向側に開口して接続することを特徴とする臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置。 - 前記タンクが前記膨張弁と前記蒸発器を接続するメイン管路に対して並列接続となるように、開閉弁を備えたタンク分岐管路を介して前記タンクが前記メイン管路に接続されていることを特徴とする請求項1,2若しくは3記載の臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置。
- 前記タンクが前記凝縮器と前記膨張弁を接続するメイン管路に対して並列接続となるように開閉弁を備えたタンク分岐管路を介して前記タンクが前記メイン管路に接続したことを特徴とする請求項4記載の臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置。
- 前記冷媒流れ上流側のタンク分岐管路は流れに向かう方向に開口し、下流側のタンク分岐管路は流れに沿う方向に開口することを特徴とする請求項1,2若しくは3記載の臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置。
- 前記タンクにその内部を加熱するヒータを設けたことを特徴とする請求項1乃至6記載の何れか1項記載の臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置。
- 前記凝縮器の出口冷媒温度に応じて成績係数が最大となる前記タンク内の冷媒液面高さを予め算定しておき、前記タンク内の冷媒液面を前記算定された液面高さになるように制御する制御手段を具えたことを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置。
- 冷媒として二酸化炭素を用いたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の臨界未満及び超臨界運転共用圧縮冷凍装置。
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