JP3990163B2 - 光ディスク収納ケース用タイトルバー及びタイトルプリンター - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、直径12cmのコンパクトディスクなどの光ディスクを収納するケースに装着するタイトルバー及びタイトルプリンターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、12cm光ディスクの代表格である音楽CDおよびDVDのパッケージは、図41乃至図43に示すように、厚さ10mmのジュエルケース20に光ディスク31が収納され、数十枚保管可能なCDケースやCDボックス、棚などに整理されて保管されることが多い。また、ジュエルケース20の背表紙部22aに裏カードに印刷されたタイトルが現れる構造となっているため、保管場所から必要な光ディスク31を素早く取り出せる検索性に優れた構成になっている。
【0003】
ここで、図41はジュエルケースの上面図、図42は図41におけるA−A’線矢視方向の側面図、図43は図41におけるB−B’線矢視方向の断面図である。
【0004】
図において、厚さ10mmのジュエルケース20は、蓋部であるリッド21と、台座部であるボトム22、ボトム22に装着されたトレイ23から構成されている。リッド21はボトム22に対してヒンジ部24を介して連結されている。ヒンジ部24は、ボトム22の背表紙部22a側の両側面の端部に設けられた孔22dに、リッド21の2つのアーム部21aに設けられた突部21bが係合することにより構成されている。これにより、リッド21は両突部21bを結ぶ直線を軸として開閉可能となっている。
【0005】
リッド21とボトム22は光透過性を有するプラスチックからなり、トレイ23は有色の樹脂によって形成されている。
【0006】
トレイ23は、中央部に突状のディスククランパ23bを有し、背表紙部22aに対応する側でリッド21の面と平行して外部に露出する部分23aを有する。これにより、2つのヒンジ部24に挟まれた部分にボトム22とトレイ23によって囲まれたスペースが形成される。
【0007】
また、ボトム22の内底面とトレイ23との間に裏カード25Aが設けられ、リッド21の上面内側に表カード25Bが設けられている。
【0008】
しかし、上記の厚さ10mmジュエルケース20は、保管占有スペースおよびパッケージングコストの面で問題があり、CDや、CD−ROMなどの高価な光ディスクにおいてもスリムな(薄型の)簡易パッケージ化が進み、検索性が犠牲になってきている。例えば、一般にマルチケースと称される12cmCDを2〜4枚収納するためのプラスチック製のジュエルケースや、一般にマキシケースと称される主に直径12cmのマキシシングルCDやミニアルバムなどを1枚収納するための薄手のプラスチック製のジュエルケースなどの薄型のケースが用いられるようになってきた。
【0009】
一方、記録可能な直径12cmのCD−RやCD−RWなども、需要増大と価格低下に伴い、スリム且つ低コストのジュエルケースパッケージ、例えば厚さが5mmのケースへの移行が急速に展開されている。
【0010】
厚さが5mmのジュエルケースの一例を図44乃至図46に示す。図44はジュエルケースの上面図、図45は図44におけるA−A’線矢視方向の側面図、図46は図44におけるB−B’線矢視方向の断面図である。
【0011】
図において、40は5mm厚のジュエルケースで、リッド41とボトム42とで構成される2ピースタイプのケースである。リッド41とボトム42は光透過性を有するプラスチックによって形成されている。また、ボトム42は、その内底面中央部に突状のディスククランパ42bを有している。
【0012】
リッド41はボトム42に対してヒンジ部43を介して連結されて開閉可能となっている。即ち、ヒンジ部43は、ボトム42の一側面両端に形成された2つのアーム部42aのそれぞれに設けられた突部42cが、背表紙部41a側のリッド41の側面41bに形成された孔41cに係合することにより構成されている。これにより、リッド21は両突部42cを結ぶ直線を軸として開閉可能となっている。また、2つのヒンジ部43に挟まれたスペース部分は底面側が開放されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、厚さが5mmのジュエルケースでは、背表紙部41aにタイトル記載は不可能となった。これは、構造的にタイトル記載紙が背表紙部41aに収納できなくなり、またタイトル記載紙を背表紙部41aに収納できたとしてもそれに記載できる文字高さは3mm以下となるため手書きは不可能である。
【0014】
上記の5mm厚のジュエルケース40を用いてCD−RやCD−RWを保管する場合、CD−RやCD−RWのディスクレーベル面へのタイトルやインデックス等の手書きまたはプリンター印字は最低限必要であるため励行されているが、背表紙のタイトル表示がないため、検索性が著しく低下しているのが現状である。
【0015】
そのため、光ディスク31本体を収納するCDファイルを別途購入し、ジュエルケースからCDファイルに移行して検索性の一部改善と省スペースを行っているユーザも多い。この手段は、トータルコスト高とジュエルケースの無駄を伴い本来的ではない。
【0016】
本発明の目的は上記の問題点に鑑み、薄型の光ディスク収納ケースの背表紙部に容易にタイトル表示ができる光ディスク収納ケース用タイトルバー及びタイトルプリンターを提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために、光ディスクを固定する固定部を有するボトムとヒンジ部を介して前記ボトムに連結されたリッドとを備えた光ディスク収納ケースに装着するタイトルバーであって、前記収納ケースの光透過性を有する背表紙部の内側スペースに装着可能な棒状をなし、前記背表紙部の内側スペースに装着したときに前記ケースの背表紙部内面と対向するタイトル印字用の平面を有すると共に、長手方向両端部のうちの少なくとも一方に長手方向に伸縮するバネ構造を有し、前記内側スペースに装着したときに前記収納ケースに係止する係止手段を備えている光ディスク収納ケース用タイトルバーを提案する。
【0018】
本発明の光ディスク収納ケース用タイトルバーは、タイトル印字用の平面が前記背表紙部に対向するように前記収納ケースの背表紙部の内側スペースに装着され、前記係止手段によって収納ケースからの脱落が防止される。さらに、前記タイトルバーのタイトル印字用平面に、プリンターなどを用いて容易にタイトルを印字することができる。
【0019】
また、本発明のタイトルバーは、直径12cmの光ディスクを収納するケースの背表紙部の内側スペースに嵌着する形状をなしているので、一般に市販されているコンパクトディスクや、CD−R,CD−RWを収納する収納ケースに容易に嵌着することができる。さらに、タイトルバーの厚さを収納ケースの厚さに対応して設定することにより、厚さが10mm、7mm、5mmの収納ケースに容易に嵌着することができる。
【0020】
また、本発明では、タイトルバーの長手方向両端部のうちの少なくとも一方に長手方向に伸縮するバネ構造を設けることにより、前記収納ケースへの着脱を容易に行えるようにすると共に、前記収納ケースに対するタイトルバーの係止力の向上を図った。
【0021】
また、本発明では、タイトルバーをサーマルプリント可能なプラスチックによって形成することにより、前記タイトル印字用の平面に熱転写型プリンターを用いたタイトル印字を可能とした。
【0022】
また、本発明では、タイトルバーを金属板によって形成することにより、製造の容易性を図った。
【0023】
また、本発明では、前記タイトル印字用の平面に水性インク対応コート剤をコーティングすることにより、前記タイトル印字用の平面にインクジェットプリンターを用いたタイトル印字を可能とした。
【0024】
また、本発明のタイトルバーは、前記収納ケースの内側に露出している前記ヒンジ部のヒンジ軸受け穴に嵌合する凸部を長手方向の両端に設けることにより、収納ケースに対してタイトルバーを容易に係止させることができ、収納ケースからのタイトルバーの脱落を防止できる構成となっている。
【0025】
また、本発明では、光ディスクのレーベル面にタイトルを印刷するタイトルプリンターの光ディスクを保持するトレイ上に上記タイトルバーを保持する溝を、前記タイトルバーのタイトル印字面が印字可能領域に配置されるように設けることにより、タイトルプリンターを用いてタイトルバーへのタイトル印字を容易に可能とした。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の一実施形態を説明する。
【0027】
図1は本発明の第1実施形態におけるタイトルバーを装着した光ディスク収納ケースを示す上面図、図2は図1におけるA−A’線矢視方向側面図、図3は図1におけるB−B’線矢視方向断面図である。
【0028】
図において、40は光ディスク収納ケース、10はタイトルバーである。光ディスク収納ケース(以下、単に収納ケースと称する)40は、従来例で説明した厚さが5mmの収納ケースであり、従来例と同一部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。
【0029】
図に示すように、タイトルバー10は、収納ケース40のスペース44に装着されている。前述したように、厚さが5mmの薄型ジュエルケースは、総厚を薄くするために、トレイを省き、裏カードも装着できない構成であるが、図に示すように、背表紙部後方に約118×9×4mmのオープンスペース44があり、従来利用されていない空間である。本実施形態は、このスペース44に適合するタイトルバー10を構成した。
【0030】
タイトルバー10の詳細を図4乃至図6に示す。図4はタイトルバー10を示す上面図、図5は図4におけるA−A’線矢視方向側面図、図6は図4におけるB−B’線矢視方向側面図である。
【0031】
本実施形態では、タイトルバー10の材質として、コストおよび着色、透明性等の選択性を考慮して、熱転写印字が可能なPS(ポリスチレン)などのプラスチック材を使用した。また、タイトルバー10の形状は、図4乃至図6に示すように、概略直方体形状の棒状をなし、長さLが約119mm、幅Wが約6mm、厚さTが約4mmである。
【0032】
タイトルバー10の上面10aと底面10bは収納ケース40に装着したときの安定性を考慮して互いに平行な平面に形成されている。また、タイトルバー10の長手方向の一端部には、上面10aから底面10bに貫通する略L字形状の切り欠き部11を形成することによって、略L字形状のバネ部12が形成されている。さらに、バネ部12の先端部すなわちタイトルバー10の一端側の側面10cには、収納ケース40のヒンジ部43に形成されている孔41cに挿入可能な突部13が設けられ、同様に、タイトルバー10の他端側の側面10dにも孔41cに挿入可能な突部14が設けられている。
【0033】
また、上底面10a、10bに直角に交わるタイトルバー10の長手方向に延びる2つの面10e,10fのうちの一方の面(前面)10eが平面を成してタイトル印字面15を形成している。このタイトル印字面15には後述するタイトルプリンターを用いて、図7に示すように6pt.〜7pt.サイズのタイトル文字が印字され、収納ケース40のスペース44にタイトル印字面が背表紙部41a側に向くようにして装着される。
【0034】
収納ケース40にタイトルバー10を装着するときには、バネ部12を押し縮めて、図8に示すように、タイトルバー10の両端に設けられている突部13,14のそれぞれを、収納ケース40のヒンジ部43に形成されている孔41cの余剰部分に挿入する。これにより、タイトルバー10は収納ケース40に係止され、収納ケース40に衝撃が加わったときにタイトルバー10が脱落することがない。
【0035】
上記第1実施形態では、タイトル印字面15に熱転写印字が可能な構成としたが、インクジェットプリントを可能とするには、図9乃至図11に示す第2実施形態のタイトルバー10Aのように、タイトル印字面15に水性インク印刷が可能なUV系レジンに吸水性部材を添加したコート剤16をコーティングすればよい。このコート剤は、市販されているCD−Rプリンタブルに使用されているコート剤と同一のものでよい。
【0036】
次に、本発明の第3実施形態として、上記タイトルバー10のタイトル印字面15にタイトル印字を用に可能なプリンタを説明する。図12は第3実施形態のプリンタを示す上面図である。
【0037】
図において、50はプリンタで、本体51とトレイ52を備えたもので、一般に市販されているCD用レーベルプリンタとほぼ同一な構成である。現在市販されているプリンタと異なる部分は、トレイ52にタイトルバー10をタイトル印字面15を上にして挿入する溝55が設けられている点である。
【0038】
即ち、トレイ52の上面にはCD−Rを位置決めして装着する円形の保持部54が設けられている。さらに、本体51に設けられた印字ヘッド53の位置に対応してトレイ52上の印字可能領域56内にタイトル印字面15を配置できるように溝55が設けられている。尚、印字ヘッド53は熱転写型であってもインクジェット型であっても良い。
【0039】
上記プリンタ50を用いてCD−Rなどの光ディスク31のレーベル面に印字すると、図13に示すように主タイトル32と演奏者などの副タイトル33を容易に印字可能である。さらに、溝55にタイトルバー10を装着することによって、タイトルバー10のタイトル印字面15に容易にタイトルを印字することができる。
【0040】
前述のように本発明のタイトルバー10を装着した複数の収納ケース40を並べて収納ボックスに収納した様子を図14に示す。図において、35は収納ボックスで、20個以上の収納ケース40が並べて収納されている。向かって右側の部分36に収納されている収納ケース40にはタイトルバー10は装着されていない。向かって左側の部分37に収納されている収納ケース40にはタイトルバー10が装着され、タイトルバー10にタイトル印字が成されている。このようにタイトルバー10を装着することにより光ディスクの検索性が改善される。
【0041】
次に、本発明のタイトルバーの他の例について説明する。
【0042】
図15乃至図17は、本発明の第4実施形態のタイトルバー10Bを示す図で、図15はタイトルバー10Bの上面図、図16は図15におけるA−A’線矢視方向側面図、図17は図15におけるB−B’線矢視方向側面図である。図において、前述した第1実施形態のタイトルバー10と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。また、第4実施形態のタイトルバー10Bと前述した第1実施形態のタイトルバー10との相違点は、第4実施形態のタイトルバー10Bには長手方向の両端部にバネ部が設けられている点である。
【0043】
即ち、タイトルバー10Bの長手方向の一端部には、前述したように略L字形状の切り欠き部11が形成され、これにより略L字形状のバネ部12が形成されている。また、他端部にも同様に上面10aから底面10bに貫通する略L字形状の切り欠き部17が形成され、これにより略L字形状のバネ部18が形成されている。さらに、バネ部12の先端部すなわちタイトルバー10の一端側の側面10cには、収納ケース40のヒンジ部43に形成されている孔41cに挿入可能な突部13が設けられ、同様に、他端側の側面10dにも孔41cに挿入可能な突部14が設けられている。
【0044】
この様にタイトルバー10Bの長手方向の両端部にバネ部12,18を設けることにより、タイトルバー10Bの長手方向の伸縮を大きくすることができるので、収納ケース40へのタイトルバー10Bの装着をさらに容易に行うことができる。
【0045】
図18乃至図20は、本発明の第5実施形態のタイトルバー10Cを示す図で、図18はタイトルバー10Cの上面図、図19は図18におけるA−A’線矢視方向側面図、図20は図18におけるB−B’線矢視方向側面図である。図において、前述した第1実施形態のタイトルバー10と同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。また、第5実施形態のタイトルバー10Cと前述した第1実施形態のタイトルバー10との相違点は、第5実施形態のタイトルバー10Cではタイトル印字面15側とその反対側の側面のそれぞれに上面10aから底面10bに貫通し、幅方向の中心に延びる複数の切り欠き部11が交互に形成されている。これにより、蛇行形状のバネ部12が形成されている。
【0046】
この様にバネ部12を蛇行形状に形成することにより、タイトルバー10Cの長手方向の伸縮を大きくすることができるので、収納ケース40へのタイトルバー10Cの装着をさらに容易に行うことができる。
【0047】
図21乃至図23は、本発明の第6実施形態のタイトルバー10Dを示す図で、図21はタイトルバー10Dの上面図、図22は図21におけるA−A’線矢視方向側面図、図23は図21におけるB−B’線矢視方向側面図である。図において、前述した第5実施形態のタイトルバー10Cと同一構成部分は同一符号をもって表しその説明を省略する。また、第6実施形態のタイトルバー10Dと前述した第5実施形態のタイトルバー10Cとの相違点は、第6実施形態のタイトルバー10Dには長手方向の両端部にバネ部が設けられている点である。
【0048】
即ち、タイトルバー10Dの長手方向の一端部には、前述したように複数の切り欠き部11が形成され、これにより蛇行形状のバネ部12が形成されている。また、他端部にも同様に上面10aから底面10bに貫通する複数の切り欠き部17が形成され、これにより蛇行形状のバネ部18が形成されている。さらに、バネ部12の先端部すなわちタイトルバー10の一端側の側面10cには、収納ケース40のヒンジ部43に形成されている孔41cに挿入可能な突部13が設けられ、同様に、他端側の側面10dにも孔41cに挿入可能な突部14が設けられている。
【0049】
この様にタイトルバー10Dの長手方向の両端部に蛇行形状のバネ部12,18を設けることにより、タイトルバー10Dの長手方向の伸縮を大きくすることができるので、収納ケース40へのタイトルバー10Dの装着をさらに容易に行うことができる。
【0050】
次に、本発明の第7実施形態のタイトルバーを図24乃至図28を参照して説明する。
【0051】
図24は第7実施形態のタイトルバーを示す上面図、図25は図24におけるA−A’線矢視方向側面図、図26は図24におけるB−B’線矢視方向側面図、図27は展開図、図28は収納ケースへの装着状態を示す断面図である。
【0052】
第7実施形態のタイトルバー60は、収納ケース40のスペース44に装着可能な形状を有し、前述と同様の機能を備えたタイトルバーを金属板にて形成したものである。この場合、脱落防止の突部を設ける変わりにシャープエッジ部63,64のバネ圧で摩擦係数を高めて脱落防止を図った。
【0053】
即ち、タイトルバー60は、1枚の金属板を図27に示す形状に切り取ったのち、破線に沿って折り曲げて形成され、上面61とタイトル印字面62、シャープエッジ部63,64から構成されている。シャープエッジ部63,64のそれぞれは、三角形を成し、タイトル印字面62の長手方向の両端部に設けられている。
【0054】
上記構成のタイトルバー60を収納ケース40に装着するときは、リッド41の上面内側に上面61を当接させ、且つタイトル印字面62が背表紙部41aの内面に当接するように装着する。このとき、シャープエッジ部63,64の先端がヒンジ部43のリッド側面41bの内側を押圧して、タイトルバー60が収納ケース40に係止される。
【0055】
タイトルバー60のタイトル印字面62には熱転写印字が可能であるため、熱転写プリンタを用いて容易にタイトルを印字することができる。また、タイトル印字面に前述したコート剤16をコーティングすることによりインクジェットプリンタによるタイトル印字も可能となる。
【0056】
次に、本発明に係る第1参考例のタイトルバーを図29乃至図31を参照して説明する。
【0057】
図29は第1参考例のタイトルバーの上面図、図30は図29におけるA−A’線矢視方向側面図、図31は図29におけるB−B’線矢視方向側面図、図32は収納ケースへの装着状態を示す断面図である。
【0058】
第1参考例のタイトルバー80は、ポリスチレンなどの熱転写印字可能なプラスチックからなり、収納ケース40のスペース44に装着可能な直方体形状をなしている。さらに、上面80aには両面粘着テープ82が設けられている。
【0059】
タイトルバー80のタイトル印字面81には熱転写印字が可能であるため、熱転写プリンタを用いて容易にタイトルを印字することができる。尚、タイトル印字面81に前述したコート剤16をコーティングすることによりインクジェットプリンタによるタイトル印字も可能となる。
【0060】
上記構成のタイトルバー80を収納ケース40のスペース44内に装着するときは、タイトル印字面81を背表紙部41aの内面に当接させた状態で、リッド41の上面内側に両面粘着テープ82を接着すればよい。これにより、タイトルバー80を収納ケース40に係止させることができる。
【0061】
前述したように、第1参考例のタイトルバーを用いることにより薄型の収納ケースにも容易に背表紙部のタイトル印字を行うことができる。
【0062】
尚、上記第1参考例では主に厚さ5mmの収納ケースに適応したタイトルバーについて説明したが、厚さ7mmや10mmの収納ケース用のタイトルバーも同様の構成で対応できる。この場合は、収納ケースの構造上、衝撃によるタイトルバーの脱落の心配はないため、上記の様なヒンジ部の孔に係止する突部を設ける必要はなくなる。
【0063】
また、7mmジュエルケースの場合は着脱のためのバネ部、またはケース蓋のバネ性を利用する半球の突部を設けたタイトルバーで対応できる。例えば、図33乃至図36に、前述した厚さ10mmや厚さ5mmの収納ケースとは構造が異なる厚さ7mmの収納ケースに装着するタイトルバーの一例を示す。
【0064】
図33は第2参考例のタイトルバーの上面図、図34は図33におけるA−A’線矢視方向側面図、図35は図33におけるB−B’線矢視方向側面図、図36は収納ケースへの装着状態を示す断面図である。
【0065】
図において、90はタイトルバーで、ポリスチレンなどの熱転写印字可能なプラスチックからなり、6つの面90a〜90fを有し、厚さ7mmの収納ケース100のスペース102に装着可能な直方体形状をなしている。また、、底面90bには2つの半球状の突部92が形成されている。これらの突部92は、スペース102内にタイトルバー90を装着したときにタイトルバーの脱落を防止するためのもので、タイトル印字面91とは反対側の側面がわに設けられている。
【0066】
即ち、厚さ7mmの収納ケース100は、厚さ5mmの収納ケース40と同様にリッド101とボトム102とから構成されているが、背表紙部102aの内側スペース102bはボトム102を形成する部材によって囲まれて袋状になっている。このスペース102にタイトルバー90を挿入すると、ボトム102の底面102cに上面90aが当接すると対向面102dを突部92が押圧するので、スペース102bからタイトルバー90が脱落し難くなる。
【0067】
また、厚さ10mmの収納ケース用のタイトルバーの場合は、図37乃至図40に示す第8実施形態のように、タイトルバー10Eの一部に着脱のためのバネ部を設けたタイトルバーで対応できる。即ち、第8実施形態のタイトルバー10Eは、前述した第1実施形態のタイトルバー10から長手方向両端の突部を除去し、厚さを約8mmにしたものである。
【0068】
このタイトルバー10Eは、厚さ10mmの収納ケース20に装着するとボトム22とトレイ23によって挟まれた状態になるので、脱落が防止される。
【0069】
以上のタイトルバーを活用することにより、収納ケース入り光ディスクのファイリングケース35から必要なタイトルのディスクを容易に抽出ことができるようになる。
【0070】
尚、本発明のタイトルバーは、CD−RやCD−RWに限らずCD−ROMやDVDなどの収納ケースにも適応可能であることは言うまでもないことである。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光ディスク用の厚さ5mmの薄型収納ケースに何らかの形状変更を加えずに、背表紙部へのタイトル表示が可能となり必要なディスクの取り出しが著しく早められ、検索性と省スペースを両立させることが可能となる。これにより、薄型収納ケースの欠点が解消され、原価コストの高い厚さ10mm収納ケース入りの光ディスクの生産比率を低減させることが可能となり、需要と供給の両サイドにとってコストメリットの向上を図ることができる。特にオーディオ記録の頻度およびその光ディスクの繰り返し検索頻度は高く、省スペース、検索性の効果は顕著である。
【0072】
また、すでに市販されている各種熱転写式タイトルプリンターに、本発明のタイトルバーが装着可能な構造への改造及びタイトルバーへの印刷ソフトの追加は容易であり、従って新規のタイトルバー専用プリンターを製品化する必要はなく、既存タイトルプリンターの機能向上に寄与できると同時にタイトルバーの普及を促進することができる。
【0073】
また、厚さ10mmの収納ケース入りCD−RやCD−RWは背表紙へのタイトル記載は手書き対応可能であるが、近年、ディスクレーベル面へのタイトルやインデックス記載が手書きからタイトルプリンター印字に移行しているので、背表紙タイトルも同時に印字できるタイトルバーを広く普及させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態におけるタイトルバーを装着した光ディスク収納ケースを示す上面図
【図2】 図1におけるA−A’線矢視方向側面図
【図3】 図1におけるB−B’線矢視方向断面図
【図4】 本発明の第1実施形態のタイトルバーを示す上面図
【図5】 図4におけるA−A’線矢視方向側面図
【図6】 図4におけるB−B’線矢視方向側面図
【図7】 本発明の第1実施形態のタイトルバーへのタイトル印字例を示す図
【図8】 本発明の第1実施形態のタイトルバーの収納ケースへの装着時の要部を示す断面図
【図9】 本発明の第2実施形態のタイトルバーを示す上面図
【図10】 図9におけるA−A’線矢視方向側面図
【図11】 図9におけるB−B’線矢視方向側面図
【図12】 本発明の第3実施形態におけるタイトルプリンターを示す上面図
【図13】 本発明に係る光ディスクのレーベル印刷の一例を示す図
【図14】 本発明のタイトルバーを装着した収納ケースの収納ボックスへの収納状態を示す図
【図15】 本発明の第4実施形態のタイトルバーを示す上面図
【図16】 図15におけるA−A’線矢視方向側面図
【図17】 図15におけるB−B’線矢視方向側面図
【図18】 本発明の第5実施形態のタイトルバーを示す上面図
【図19】 図18におけるA−A’線矢視方向側面図
【図20】 図18におけるB−B’線矢視方向側面図
【図21】 本発明の第6実施形態のタイトルバーを示す上面図
【図22】 図21におけるA−A’線矢視方向側面図
【図23】 図21におけるB−B’線矢視方向側面図
【図24】 本発明における第7実施形態のタイトルバーを示す上面図
【図25】 図24におけるA−A’線矢視方向側面図
【図26】 図24におけるB−B’線矢視方向側面図
【図27】 本発明における第7実施形態のタイトルバーの展開図
【図28】 本発明における第7実施形態の収納ケースへの装着状態を示す断面図
【図29】 本発明に係る第1参考例のタイトルバーを示す上面図
【図30】 図29におけるA−A’線矢視方向側面図
【図31】 図29におけるB−B’線矢視方向側面図
【図32】 本発明に係る第1参考例の収納ケースへの装着状態を示す断面図
【図33】 本発明に係る第2参考例のタイトルバーを示す上面図
【図34】 図33におけるA−A’線矢視方向側面図
【図35】 図33におけるB−B’線矢視方向側面図
【図36】 本発明に係る第2参考例の収納ケースへの装着状態を示す断面図
【図37】 本発明における第8実施形態のタイトルバーを示す上面図
【図38】 図37におけるA−A’線矢視方向側面図
【図39】 図37におけるB−B’線矢視方向側面図
【図40】 本発明における第8実施形態の収納ケースへの装着状態を示す断面図
【図41】 従来例の厚さ10mmのジュエルケースの上面図
【図42】 図41におけるA−A’線矢視方向の側面図
【図43】 図41におけるB−B’線矢視方向の断面図
【図44】 従来例の厚さ5mmのジュエルケースの上面図
【図45】 図44におけるA−A’線矢視方向側面図
【図46】 図44におけるB−B’線矢視方向断面図
【符号の説明】
10、10A〜10E…タイトルバー、10a…上面、10b…底面、10c,10d…側面、10e…前面、10f…後面、11…切り欠き、12…バネ部、13、14…突部、15…タイトル印字面、16…コーティング剤、17…切り欠き、18…バネ部、20…収納ケース、21…リッド、21a…アーム部、21b…突部、22…ボトム、22a…背表紙部、22d…孔、23…トレイ、24…ヒンジ部、31…光ディスク、32,33…タイトル、35…収納ボックス、40…収納ケース、41…リッド、41a…背表紙部、41b…側面、41c…孔、42…ボトム、42a…アーム部、42b…ディスククランパ、42c…突部、50…タイトルプリンター、51…本体、52…トレイ、53…印字ヘッド、54…保持部、55…溝、56…印字可能領域、60…タイトルバー、61…上面、62…タイトル印字面、63,64…シャープエッジ部、80…タイトルバー、80a…上面、80b…底面、80c、80d…側面、80e…前面、80f…後面、81…タイトル印字面、82…両面粘着テープ、90…タイトルバー、90a…上面、90b…底面、90c、90d…側面、90e…前面、90f…後面、91…タイトル印字面、100…収納ケース、101…リッド、102…ボトム、102a…背表紙部、102b…スペース。
Claims (8)
- 光ディスクを固定する固定部を有するボトムとヒンジ部を介して前記ボトムに連結されたリッドとを備えた光ディスク収納ケースに装着するタイトルバーであって、
前記収納ケースの光透過性を有する背表紙部の内側スペースに装着可能な棒状をなし、
前記背表紙部の内側スペースに装着したときに前記ケースの背表紙部内面と対向するタイトル印字用の平面を有すると共に、
長手方向両端部のうちの少なくとも一方に長手方向に伸縮するバネ構造を有し、前記内側スペースに装着したときに前記収納ケースに係止する係止手段を備えている
ことを特徴とする光ディスク収納ケース用タイトルバー。 - 直径12cmの光ディスクを収納するケースの背表紙部の内側スペースに嵌着する形状をなしている
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク収納ケース用タイトルバー。 - 10mm、7mm、5mmのうちの何れかの厚さを有する収納ケースの背表紙部の内側スペースに嵌着する形状をなしている
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク収納ケース用タイトルバー。 - サーマルプリント可能なプラスチックからなることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク収納ケース用タイトルバー。
- 金属板からなることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク収納ケース用タイトルバー。
- 前記タイトル印字用の平面に水性インク対応コート剤がコーティングされていることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク収納ケース用タイトルバー。
- 前記収納ケースの内側に露出している前記ヒンジ部のヒンジ軸受け穴に嵌合する凸部が長手方向の両端に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク収納ケース用タイトルバー。 - 光ディスクのレーベル面にタイトルを印刷するタイトルプリンターにおいて、
光ディスクを保持するトレイ上に上記請求項1記載のタイトルバーを保持する溝が、前記タイトルバーのタイトル印字面が印字可能領域に配置されるように設けられている
ことを特徴とするタイトルプリンター。
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