JP3989325B2 - 送受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号をシリアル伝送するためのシリアルバス、例えば、IEEE発行の"IEEE Standard for a High Performance Serial Bus", -IEEE Std. 1394a-2000(以下、「IEEE Std. 1394a-2000」規格と呼ぶ)にて標準化された高速シリアルバス(以下、1394シリアルバスと呼ぶ)を有して成る送受信装置(パーソナルコンピュータやその周辺機器、AV[Audio/Visual]機器など)に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、「IEEE Std. 1394a-2000」規格について説明する。パーソナルコンピュータとプリンタ、ハードディスク、イメージスキャナ等の周辺機器、ディジタルカメラ等の映像機器や音響機器(以下、このような端末機器を総称してノードと呼ぶ)との間で制御信号や主信号を転送するネットワークにおいては、近年、該ネットワークを構築するノードとして、1394シリアルバスを搭載したノード(以下、1394シリアルバスノードと呼ぶ)が採用され始めている。
【0003】
図32は「IEEE Std. 1394a-2000」規格(p.63)準拠した物理層回路(以下、1394物理層回路と呼ぶ)の一例を示すブロック図である。本図に示すように、従来の1394物理層回路は、バス調停回路101と、DS−リンク・エンコーダ/デコーダ回路102と、リンク層インターフェイス回路103と、レジスタ回路104と、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した3つのトランシーバ回路105、106、107(以下、1394メタルトランシーバ回路105、106、107と呼ぶ)と、を有して成る。
【0004】
バス調停回路101は、1394物理層回路の動作に必要な諸設定及び1394シリアルバス上へのデータ信号及び制御信号の送出タイミングを制御する。該バス調停回路101には、1394物理層回路の動作条件が記述されたレジスタ回路104が接続されており、1394物理層回路は、該レジスタ回路104に記述された条件に従って動作する。
【0005】
DS−リンク・エンコーダ/デコーダ回路102は、上位層であるリンク層からのデータ信号をバス上で送受信するために、DS−リンク方式による変復調を行う。なお、DS−リンク変調とは、データ信号[Data]とクロック信号の排他的論理和をストローブ信号[Strobe]とし、データ信号[Data]とストローブ信号[Strobe]を2対の伝送路で送信する変調方法である。
【0006】
リンク層インターフェイス回路103は、上位層であるリンク層とのデータ信号と制御信号の受け渡しを行う回路である。レジスタ回路104は、通常、上位層であるリンク層から制御され、レジスタ回路104に格納された記述内容の読出し・書換えは、リンク層からリンク層インタフェイス回路103を介して行われる。1394メタルトランシーバ回路105、106、107は、それぞれ他ノードとの間で2対のケーブルを用いて主信号と制御信号の受け渡しを行う。
【0007】
図33はレジスタ回路104の記述内容を示すレジスタマップ(「IEEE Std. 1394a-2000」規格 (p.125)を参照)である。「IEEE Std. 1394a-2000」規格によると、該レジスタマップで示された記述内容は、リンク層からの制御によってのみ書換可能とされている。なお、該レジスタマップ中、0011番地・ビット4〜7のディレイ領域[Delay]には、1394物理層回路の伝送遅延値が割り当てられており、0100番地・ビット2〜4のジッタ領域[Jitter]には、ジッタ値が割り当てられている。その他の領域については説明を省略する。
【0008】
続いて、伝送遅延の異なるポートが混在したノードについて説明する。近年、「IEEE Std. 1394a-2000」規格を家庭内でのネットワークに使用しようとする動きが見られているが、「IEEE Std. 1394a-2000」規格では、メタルケーブルの最大長が4.5[m]と定められており、ケーブル長の制約で不便を強いられることがあった。
【0009】
そこで、1394物理層回路を構成する複数の1394メタルトランシーバのうち、少なくとも1つを光トランシーバ等に置き換え、その通信路をメタルケーブルから光ファイバ(POF[Plastic Optical Fiber]など)に置き換えることで、長距離伝送を可能とする「IEEE Std. 1394b」規格や「OP i.LINK」規格などが規格化されている。
【0010】
このような規格においては、1つのノードにメタルトランシーバと光トランシーバが混在することがあった。この際、該ノードでは、メタルポート用の信号を光ポート用の信号に変換する処理などが行われることもあり、光ポートはDSポートと比較して十分に大きな伝送遅延を持つ場合があった。また、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠したノードであって、光トランシーバを持たないノードであっても、「IEEE Std. 1394a-2000」規格には、ポートの伝送遅延などについて最大値の規定しか存在しないため、ポートによる伝送遅延の差異が存在する場合があった。
【0011】
次に、バスの最適化について説明する。「IEEE Std. 1394a-2000」規格において、異なるノードがパケットを同時にバス上へ流さないことを保証するために、調停信号[Arbitration]もデータも転送することができないバスアイドル時間(以下、ギャップ[gap]と呼ぶ)が定められている。なお、該ギャップには、非同期パケット[Asynchronous packet]と認識パケット[Acknowledge packet]の間のバスアイドル時間であるアクノリッジギャップ[Acknowledge gap]と、同期パケット[Isochronous packet]間のバスアイドル時間であるアイソクロナスギャップ[Isochronous gap]と、非同期パケット間のバスアイドル時間であるサブアクションギャップ[Subaction gap]と、調停後に再びバス所有権を競うようになるまでの最短バスアイドル時間(非同期パケット送信が各ノード毎に1回保証される平等間隔[fairness interval]開始時におけるバスアイドル時間)である調停リセットギャップ[Arbitration reset gap]という4種類があり、それぞれに最小値、最大値が定められている。
【0012】
上記ギャップのうち、アクノリッジギャップ及びアイソクロナスギャップは、0.04[μs]〜0.05[μs]の大きさで規定される。
【0013】
サブアクションギャップは、
【数1】
Figure 0003989325
の大きさで規定される。
【0014】
調停リセットギャップは、
【数2】
Figure 0003989325
の大きさで規定される。
【0015】
ここで、上式中のベースレート[BASE_RATE]は、98.294〜98.314[Mbit/s]の値をとる定数である。従って、上記ギャップを小さくするためには、上式中のギャップカウント[Gap_count]と物理層遅延[PHY_delay]を小さくする必要がある。なお、物理層遅延[PHY_delay]は、あるノードに信号が入力されてから該信号がリピートされるまでに要する時間である。また、ギャップカウント[Gap_count]は、バスのトポロジに従って転送効率を向上させるためにギャップを引き出す目的で用いられるものであり、可能な範囲で該ギャップカウント[Gap_count]を小さくすることによって、バスの転送効率向上を図ることができる。
【0016】
また、バスを管理するノード(以下、バスマネージャと呼ぶ)は、セルフIDパケットによって、バスのトポロジや個々の物理層遅延[PHY_delay]を知ることができ、次の(1)式を用いて、両端の物理層を含まない最長パスを介した信号伝達時間の2倍に相当する伝送遅延時間[Round-trip_delay]を計算することができる。
【数3】
Figure 0003989325
【0017】
なお、バスマネージャが最長パスにおける伝送遅延を計算する手法は、トポロジによって以下の3通りに分けられる。すなわち、(a)バスマネージャがリーフノードであり最長パス上に存在する場合、b)バスマネージャがリーフノードではなく最長パス上に存在する場合、(c)バスマネージャが最長パス上に存在しない場合、の3通りである。
【0018】
上記全ての場合において、バスマネージャは、自身と対象ノードの信号伝達時間[Propagation time](経路上における全てのケーブル遅延や物理層遅延を加えた時間)を測定し、該結果に基づいて伝送遅延時間[Round-trip_delay]を算出する。なお、バスマネージャは、ノードに対して一定時間内でセルフIDパケットを返すように要求するpingパケットの伝達時間と、該pingパケットに対してセルフIDパケットが返信されるまでの時間[ping time]を用い、次の(2)、(3)式に基づいて信号伝達時間[Propagation time]を測定する。
【数4】
Figure 0003989325
【0019】
なお、上式中のレスポンスタイム[RESPONSE_TIME]は、次に示す(4)式で定義される。
【数5】
Figure 0003989325
【0020】
続いて、上記(a)〜(c)各々における伝送遅延時間[Round-trip_delay]の求め方について、図34を参照しながら詳細説明する。図34は伝送遅延時間[Round-trip_delay]を求める際に用いるバストポロジの一例を示す図である。
【0021】
(a)のケースは、図34にてノードαとバスマネージャMしか存在しない場合に相当する。従って、バスマネージャMは、前出の(3)式を用いて伝送遅延時間[Round-trip_delay]を測定することができる。
【0022】
(b)のケースは、図34にてノードαとノードγとの間が最長パスである場合に相当する。従って、バスマネージャMは、次に示す(5)式に基づいて、自身とノードα間、自身とノードγ間の各信号伝達時間[Propagation time]を測定した上で、自身の物理層遅延[PHY_delay]を計上することにより、伝送遅延時間[Round-trip_delay]を求めることができる。
【数6】
Figure 0003989325
【0023】
(c)のケースは、図34にてノードγとノードδとの間が最長パスである場合に相当する。従って、バスマネージャMは、次に示す(6)式に基づいて、自身とノードγ間、自身とノードδ間の各信号伝達時間[Propagation time]と、最長パス上に存在するノードのうちバスマネージャMに最も近いノードまでの信号伝達時間[Propagation time]を測定した上で、余分に重複計測された物理層遅延[PHY_delay]を除くことにより、伝送遅延時間[Round-trip_delay]を求めることができる。
【数7】
Figure 0003989325
【0024】
また、このようにして求められた伝送遅延時間[Round-trip_delay]を次に示す(7)式に代入することにより、前出のギャップカウント[Gap_count]を求めることができる。
【数8】
Figure 0003989325
【0025】
続いて、「OP i.LINK」規格に準拠したノードのPHYレジスタについて説明を行う。本規格準拠のPHYレジスタマップは、「OP i.LINK」規格の光ポートをサポートするために「IEEE Std. 1394a-2000」規格準拠のPHYレジスタマップにいくつかの追加が為されたものであり、ノードの伝送遅延及びジッタに関しては、図35に示すOP i.LINKページ(「OP i.LINK ver.2」規格(p.85)参照)が図33で示したベースレジスタに付加された形となっている。
【0026】
図35に示すOP i.LINKページにおいて、1011番地・ビット0〜3のディレイOP−DS領域[Delay OP-DS]には、光ポート−DSポート間の最大伝送遅延値が割り当てられており、1011番地・ビット4〜7のジッタOP−DS領域[Jitter OP-DS]には、光ポート−DSポート間の最大ジッタ値が割り当てられている。また、続く1100番地・ビット0〜3のディレイDS−DS領域[Delay DS-DS]には、DSポート−DSポート間の最大伝送遅延値が割りあたられており、1100番地・ビット4〜7のジッタDS−DS領域[Jitter DS-DS]には、DSポート−DSポート間の最大ジッタ値が割り当てられている。
【0027】
さらに、1101番地〜1110番地に亘る領域[T0]〜[T15]には、ポートが[OP i.LINK」規格に準拠した光ポートであるかDSポートであるかについての情報が割り当てられている。なお、PHYレジスタマップ(図33参照)の0011番地・ビット4〜7のディレイ領域[Delay]には、OP−OPポート間の最大伝送遅延値が割り当てられており、0100番地・ビット2〜4のジッタ領域[Jitter]には、OP−OPポート間の最大ジッタ値が割り当てられている。その他の領域については説明を省略する。
【0028】
バスを管理するバスマネージャが「OP i.LINK」準拠ノードである場合、該バスマネージャは、まずpingパケットを目的ノードに送信し、これに対してノードが返したセルフIDパケット(図36参照)のp0〜pNフィールドを読むことでポートのアクティブ状態判定を行う。また、リモートアクセスパケットにより、OP i.LINKページの領域[T0]〜[T15]を読み、ポート種類を判別する。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述のようにメタルケーブルを光ファイバに置き換え、1394メタルトランシーバを光トランシーバに置き換えて伝送距離の拡張を行う場合を考える。例えば、DSポートのみを持つ「IEEE Std. 1394a-2000」規格準拠のノードであれば、DSポートの伝送遅延は十分小さく、また全てのDSポートの伝送遅延は同じとみなすことが可能であったため、どのポートの組み合わせにおいても物理層遅延[PHY_delay]及び物理層ジッタ[PHY_jitter]は同一となり、固定値で問題がなかった。
【0030】
しかし、光ポートはDSポートと比較して、その伝送遅延やジッタが大きくなる場合があり、光ポートの伝送速度によっても、その伝送遅延やジッタが異なる場合がある。そのため、通信に用いるポートの組み合わせによってはノードの伝送遅延やジッタに差違が生じる場合があり、ノードの伝送遅延やジッタの大きさを固定値にしておくと、最適な信号伝達時間[Propagation time]が求まらない場合があった。以下では、図37〜図41を参照しながら具体的に説明する。
【0031】
まず、図37に示す場合について説明する。ノードAは、物理層での伝送遅延を含んだ4ポートa101、a102、a103、a104を有して成り、各ポートにおける伝送遅延の大きさには、a102>a103>a104>a101という関係があるとする。また、ポートa101、a102、a104はアクティブ状態(他ノードと通信可能な状態)であり、ポートa103は非アクティブ状態(他ノードと通信不可能な状態;他ノードとの通信能力は有するが、他ノードと接続されていない状態、或いはサスペンド状態など)であるとする。
【0032】
このような場合、従来の手法では、全ポートa101〜a104の組合わせの中で、最大の伝送遅延を持つポートa102とポートa103との間の伝送遅延A1が、ノードAの伝送遅延として予め固定されていた。しかし、ポートa103は非アクティブ状態の不使用ポートであり、ノードAの実最大伝送遅延は、ポートa102とポート104との間の伝送遅延A2(<A1)であることから、従来の手法では、ノードAの伝送遅延を不要に大きく設定してしまう結果となっていた。このように伝送遅延を不要に大きく設定してしまうことは、信号伝達時間[Propagation time]の増大に繋がり、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を大きく取ってしまうことになるため、非効率的であった。
【0033】
次に、図38に示す場合について説明する。ノードBは、物理層での伝送遅延を含んだ3ポートb101、b102、b103を有して成り、各ポートにおける伝送遅延の大きさには、b101>>b102>b103という関係があるとする。また、ポートb101に信号が入力され、同ポートから出力されるまでの伝送遅延B2が、他のどのポート間における伝送遅延よりも大きいとする。
【0034】
このような場合、従来の手法では、全ポートb101〜b103の組合わせの中で、最大の伝送遅延を持つポートb101とポートb102との間の伝送遅延B1が、ノードBの伝送遅延として予め固定されていた。しかし、ポートb101から入力された信号が同ポートから出力される場合、ノードBの伝送遅延として予め設定された伝送遅延B1よりも、実際の伝送遅延B2の方が大きな値となるため、ギャップカウント[Gap_count]が適切な値よりも小さな値となり、十分なギャップを保証できなくなるおそれがあった。
【0035】
次に、図39に示す場合について説明する。本図に示すように、バスマネージャBMが最長パス上にない場合、前出した(6)式を用いることで伝送遅延時間[Round-trip_delay]を求めることができるのは、先に述べた通りである。
【0036】
このような場合、従来の手法では、最大のポート間伝送遅延をノードの伝送遅延として設定していたため、PHY_delay_[Node_C0]の値として、伝送遅延C3とは関係のない伝送遅延、すなわち(6)式の意図するPHY_delay_[Node_C0]とは異なる伝送遅延を設定してしまう結果となっていた。このように意図しない伝送遅延を設定してしまうことは、信号伝達時間[Propagation time]の増大に繋がり、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を大きく取ってしまうことになるため、非効率的であった。
【0037】
なお、先に述べた通り、ノードが「OP i.LINK」規格に準拠している場合、そのベースレジスタに割り当てられたディレイ領域には、光ポート−光ポート間の伝送遅延値が格納されており、OP i.LINKページに割り当てられたディレイOP−DS領域とディレイDS−DS領域には、それぞれ光ポート−DSポート間、DS−DSポート間の伝送遅延値が格納されている(図35参照)。従って、バス上に存在するバスマネージャが「OP i.LINK」規格に準拠したノードである場合ならば、該バスマネージャはベースレジスタに格納された光ポート−光ポート間の伝送遅延値だけでなく、OP i.LINKページに格納された光ポート−DSポート間、DS−DSポート間の伝送遅延値も読み出すことができる。
【0038】
しかし、バス上に存在するバスマネージャが「OP i.LINK」規格に準拠していないノードである場合、該バスマネージャはベースレジスタに格納された光ポート−光ポート間の伝送遅延値しか読み出すことができない。従って、光ポートを有した「OP i.LINK」規格準拠のノードにおいて、DSポートのみがアクティブ状態である場合、「OP i.LINK」規格に準拠していないバスマネージャは、DS−DSポート間の伝送遅延ではなく、より大きな値となる光ポート−光ポート間の伝送遅延をノードの伝送遅延として判断してしまっていた。このように伝送遅延を不要に大きく設定してしまうことは、ギャップカウント[Gap_count]、引いてはギャップ自体を大きく取ってしまうことになるため、非効率的であった。
【0039】
続いて、図40に示す場合について説明する。ノードEは、物理層での伝送遅延を含んだ4ポートe101、e102、e103、e104を有して成る。なお、ポートe101、e102、e104はアクティブ状態であり、ポートe103は非アクティブ状態であるとする。
【0040】
このような場合、従来の手法では、全ポートe101〜e104の中で最大のジッタを持つ組合わせがポートe102とポートe103との組合わせである場合、そのジッタE1がノードEのジッタとして予め固定されていた。しかし、ポートe103は非アクティブ状態の不使用ポートであるため、従来の手法では、ノードEのジッタを不要に大きく設定してしまう結果となっていた。このようにジッタを不要に大きく設定してしまうことは、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を大きく取ってしまうことになるため非効率的であった。
【0041】
最後に、図41に示す場合について説明する。本図に示すノードF_0では、ポートf101、f102、f103、f104が各々ノードF_1、F_2、F_3、F_4に接続されて通信可能状態とされている。なお、ポートf101を含む組合わせでの最大ジッタは、ポートf101とポートf102を組み合わせたときのジッタF1であるとする。また、全ポートを含む組み合わせでの最大ジッタは、ポートf102とポートf103を組み合わせたときのジッタF2であるとする。
【0042】
このような場合、従来の手法では、全ポートを含む組み合わせでの最大ジッタF2がノードF_0のジッタとして予め固定されていた。しかし、信号伝達時間[Propagation time]を計算する際に必要となる値は、信号が入力されたポートを含む組合わせでの最大ジッタである。そのため、例えばノードF_1に接続されたポートf101から制御信号が入力された場合、従来の手法では、ノードF_0のジッタを不要に大きく設定してしまう結果となっていた。このようにジッタを不要に大きく設定してしまうことは、ギャップカウント[Gap_count]、引いてはギャップ自体を大きく取ってしまうことになるため非効率的であった。
【0043】
なお、先に述べた通り、ノードが「OP i.LINK」規格に準拠している場合、そのベースレジスタに割り当てられたジッタ領域には、光ポート−光ポート間のジッタ値が格納されており、OP i.LINKページに割り当てられたジッタOP−DS領域とジッタDS−DS領域には、それぞれ光ポート−DSポート間、DS−DSポート間のジッタ値が格納されている(図35参照)。従って、バス上に存在するバスマネージャが「OP i.LINK」規格に準拠したノードである場合ならば、該バスマネージャはベースレジスタに格納された光ポート−光ポート間のジッタ値だけでなく、OP i.LINKページに格納された光ポート−DSポート間、DS−DSポート間のジッタ値も読み出すことができる。
【0044】
しかし、バス上に存在するバスマネージャが「OP i.LINK」規格に準拠していないノードである場合、該バスマネージャはベースレジスタに格納された光ポート−光ポート間のジッタ値しか読み出すことができない。従って、光ポートを有した「OP i.LINK」規格準拠のノードにおいて、DSポートのみがアクティブ状態である場合、「OP i.LINK」規格に準拠していないバスマネージャは、DS−DSポート間のジッタではなく、より大きな値となる光ポート−光ポート間のジッタをノードのジッタとして判断してしまっていた。このようにジッタを不要に大きく設定してしまうことは、ギャップカウント[Gap_count]、引いてはギャップ自体を大きく取ってしまうことになるため、非効率的であった。
【0045】
本発明は、上記の問題点に鑑み、効率の良い通信を行うことが可能な送受信装置を提供することを目的とする。
【0053】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート間におけるジッタ値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値を保持する参照テーブルと、を有し、前記レジスタに割り当てる送受信装置のジッタ値として、前記アクティブ判定手段の出力信号に応じて前記参照テーブルから読み出された値を用いる構成にしてもよい。このような構成とすることにより、ジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0054】
また、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート毎に、該ポートと他ポートとの間におけるジッタ値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値を保持する参照テーブルと、を有し、前記レジスタに割り当てる送受信装置のジッタ値として、前記アクティブ判定手段の出力信号と前記バス調停回路で得られた入力ポート情報に応じて前記参照テーブルから読み出された値を用いる構成としてもよい。このような構成とすることにより、ジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0055】
また、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述される第1、第2レジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、該アクティブ判定手段の出力信号と第2レジスタを参照してアクティブポートの種類を判別し、その判別結果に応じて第2レジスタに格納されたジッタ値を第1レジスタに割り当てるジッタ設定手段と、を有する構成としてもよい。このような構成とすることにより、バスを管理するバスマネージャの準拠規格に依ることなく、アクティブポートの種類に応じたジッタ値を設定することができるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0056】
また、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述される第1、第2レジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、該アクティブ判定手段の出力信号と第2レジスタを参照してアクティブポートの種類を判別するとともに、前記バス調停回路と第1、第2レジスタを各々接続する信号線を監視して他ノードから第1、第2レジスタへのアクセス状況を判別し、その判別結果に応じて第2レジスタに格納されたジッタ値を第1レジスタに割り当てるジッタ設定手段と、を有する構成としてもよい。このような構成とすることにより、バスを管理するバスマネージャの準拠規格に依ることなく、アクティブポートの種類に応じたジッタ値を設定することができるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0057】
また、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述される第1、第2レジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、該アクティブ判定手段の出力信号と第2レジスタを参照してアクティブポートの種類を判別するとともに、前記バス調停回路と第1、第2レジスタを各々接続する信号線を監視して他ノードから第1、第2レジスタへのアクセス状況を判別し、その判別結果に応じて第2レジスタに格納されたジッタ値を他ノードへの返信パケットに割り当てるジッタ設定手段と、を有する構成としてもよい。このような構成とすることにより、バスを管理するバスマネージャの準拠規格に依ることなく、アクティブポートの種類に応じたジッタ値を設定することができるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0061】
また、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート間におけるジッタ値を保持する参照テーブルと、前記アクティブ判定手段の出力信号に応じて前記参照テーブルに格納された全ジッタ値の中からアクティブポート間における最大ジッタ値を選択し、前記レジスタに割り当てるジッタ選択手段と、を有する構成にしてもよい。このような構成とすることにより、ジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0062】
また、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート間におけるジッタ値を保持する参照テーブルと、前記アクティブ判定手段の出力信号と前記バス調停回路で得られた入力ポート情報に応じて、前記参照テーブルに格納された全ジッタ値の中から信号入力ポートと他アクティブポートとの間における最大伝送遅延値を選択し、前記レジスタに割り当てるジッタ選択手段と、を有する構成にしてもよい。このような構成とすることにより、ジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0063】
また、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部における伝送遅延値を保持する参照テーブルと、前記アクティブ判定手段の出力信号に応じて前記参照テーブルに格納されたアクティブポートにおける伝送遅延値の中から大きいものを順に2つ選択し、両値に物理層での信号処理に要する最大伝送遅延値を加算して前記レジスタに割り当てる遅延算出手段と、を有する構成としてもよい。このような構成とすることにより、伝送遅延値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0064】
また、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポート毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部における伝送遅延値を保持する参照テーブルと、前記参照テーブルに格納された伝送遅延値の中から大きいものを順に2つ選択して足し合わせた伝送遅延値と、あるポート単独での信号入出力に要する伝送遅延値を比較し、より大きい値に物理層での信号処理に要する最大伝送遅延値を加算して、前記レジスタに割り当てる遅延算出手段と、を有する構成としてもよい。このような構成とすることにより、同一ポートで信号の入出力が為される場合でも、送受信装置の伝送遅延値を過小設定してしまうことがなくなるため、確実な通信を行うことが可能となる。
【0065】
また、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部における伝送遅延値を保持する参照テーブルと、前記アクティブ判定手段の出力信号と前記バス調停回路で得た入力ポート情報に応じて、前記参照テーブルに格納された信号入力ポートを除いたアクティブポートにおける伝送遅延値の中から大きいものを順に2つ選択して足し合わせた伝送遅延値と、信号入力ポート単独での信号入出力に要する伝送遅延値を比較し、より大きい値に物理層での信号処理に要する最大伝送遅延値を加算して、前記レジスタに割り当てる遅延算出手段と、を有する構成にしてもよい。このような構成とすることにより、伝送遅延値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0066】
また、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部におけるジッタ値を保持する参照テーブルと、前記アクティブ判定手段の出力信号に応じて前記参照テーブルに格納されたアクティブポートにおけるジッタ値の中から大きいものを順に2つ選択し、両値に物理層での信号処理に要する最大ジッタ値を加算して前記レジスタに割り当てるジッタ算出手段と、を有する構成としてもよい。このような構成とすることにより、ジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0067】
また、本発明に係る送受信装置は、複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部におけるジッタ値を保持する参照テーブルと、前記アクティブ判定手段の出力信号と前記バス調停回路で得た入力ポート情報に応じて、信号入力ポート単独での信号入出力に要するジッタ値と、前記参照テーブルに格納された信号入力ポートを除いたアクティブポートにおける最大ジッタ値と、物理層での信号処理に要する最大ジッタ値を加算して、前記レジスタに割り当てるジッタ算出手段と、を有する構成としてもよい。このような構成とすることにより、ジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0068】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る送受信装置の実施形態について詳細な説明を行う。
【0069】
(本発明に係る送受信装置の第1実施形態)
まず、本発明に係る送受信装置の第1実施形態について、図1及び図2を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明に係る送受信装置の第1実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g100と、参照テーブルg101と、バス調停回路g102と、ベースレジスタg103と、4ポートg105、g106、g107、g108と、を有して成る。
【0070】
アクティブ判定回路g100は、信号線h105、h106、h107、h108を介して得られた各ポートg105〜g108のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg105〜g108がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h101を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)を参照テーブルg101に送出する。
【0071】
参照テーブルg101は、各ポートg105〜g108間における伝送遅延値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値を保持しており、アクティブ判定回路g100の出力信号(アクティブポートの組合わせ)に応じた値を読み出して、信号線h103経由でベースレジスタg103のディレイ領域(図33参照)に割り当てる。
【0072】
バス調停回路g102は、IEEEシリアルバスの調停を行う。また、バス調停回路g102には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg103が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg103に記述された条件に従って動作する。ポートg105〜g108は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0073】
図2は参照テーブルg101の格納内容を示すデータマップである。本データマップ中のポートアクティブ値[port_active]は、アクティブポートの組合わせを表わすパラメータであり、第1(最上位)〜第4ビット(最下位)が各々ポートg105〜ポートg108の状態に対応している。なお、ビット値「1」はアクティブポートであることを示し、ビット値「0」は非アクティブポートであることを示している。例えば、ポートアクティブ値「1101」は、ポートg105、g106、g108がアクティブ状態であり、ポートg107が非アクティブ状態であることを示している。
【0074】
また、本データマップでは、上記ポートアクティブ値[port_active]毎に、各ポートg105〜g108間における伝送遅延値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値(伝送遅延値自体ではなく、実伝送遅延値から所定の計算式によって求められた計算値であり、数字が大きいほど伝送遅延も大きい。以下同様)が記されている。すなわち、本データマップに記述された伝送遅延値には非アクティブポートとの間の伝送遅延値が含まれていない。なお、伝送遅延値が存在しない場合は、アクティブポートの組合わせに応じた最大伝送遅延値として便宜上「0」が挿入されている。
【0075】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg105、g106、g108がアクティブ状態であり、ポートg107が非アクティブ状態である場合について考える。この場合、従来の手法では、非アクティブ状態のポートg107を含む全ポートの組合わせ中で最大の伝送遅延値「9」(参照テーブルg101でポートアクティブ値「1111」に対応して格納された値であり、ポートg106とポートg107との間の伝送遅延値)がノードの伝送遅延値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、非アクティブ状態のポートg107を除く各ポートの組合わせ中で最大の伝送遅延値「5」(参照テーブルg101でポートアクティブ値「1101」に対応して格納された値であり、ポートg106とポートg108との間の伝送遅延値)がノードの伝送遅延値として選択され、ベースレジスタg103のディレイ領域に割り当てられる。
【0076】
このような構成とすることにより、送受信装置の伝送遅延値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0077】
(本発明に係る送受信装置の第2実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第2実施形態について説明する。本実施形態の送受信装置は、前述の第1実施形態と同一のブロック構成(図1参照)から成り、参照テーブルg101に格納されるポートアクティブ値[port_active]毎の最大伝送遅延値として、各ポートg105〜g108間における伝送遅延値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値と、各ポートg105〜g108単独での信号入出力に要する伝送遅延値(あるポートに制御信号が入力され、同ポートから前記制御信号に対する制御信号を返すまでの伝送遅延値)の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値のうち、より大きい値を保持している点に特徴を有している。
【0078】
例えば、各ポートg105〜g108間における伝送遅延値が前述の第1実施形態(図2参照)と同一であり、各ポートg105〜g108単独での信号入出力に要する伝送遅延値が順に「1」、「7」、「10」、「4」である場合、参照テーブルg101には、図3に示したデータマップが格納されることになる。
【0079】
このような構成とすることにより、同一ポートで信号の入出力が為される場合でも、送受信装置の伝送遅延値を過小設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップを保証して、確実な通信を行うことが可能となる。
【0080】
なお、ポートのアクティブ判定を行わないのであれば、図1の構成からアクティブ判定回路を除いた構成(図4参照)としてもよい。この場合、参照テーブルg111には、各ポートg115〜g118間における伝送遅延値と、各ポートg115〜g118単独での信号入出力に要する伝送遅延値のうち、最も大きい値(ポートアクティブ値「1111」に対応して格納されていた値;図3参照)のみを格納しておけばよい。
【0081】
(本発明に係る送受信装置の第3実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第3実施形態について、図5及び図6を参照しながら詳細に説明する。図5は本発明に係る送受信装置の第3実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g120と、参照テーブルg121と、バス調停回路g122と、ベースレジスタg123と、5つのポートg125、g126、g127、g128、g129と、を有して成る。
【0082】
アクティブ判定回路g120は、信号線h125、h126、h127、h128、h129を介して得られた各ポートg125〜g129のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg125〜g129がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h120を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)を参照テーブルg121に送出する。
【0083】
バス調停回路g122は、IEEEシリアルバスの調停を行うとともに、各ポートg125〜g129との間で信号線h124を介した信号の授受を行う。このとき、バス調停回路g122は、いずれのポートから信号が入力されたかを判別し、信号線h122を介して該判別結果(入力ポート情報)を参照テーブルg121に送出する。また、バス調停回路g122には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg123が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg123に記述された条件に従って動作する。ポートg125〜g129は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0084】
参照テーブルg121は、各ポートg125〜g129毎に、該ポートを除いた他ポート間における伝送遅延値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値と、該ポート単独での信号入出力に要する伝送遅延値のうち、より大きい値を保持しており、アクティブ判定回路g120の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とバス調停回路g122で得た入力ポート情報に応じた値を読み出して信号線h121経由でベースレジスタg123のディレイ領域(図33参照)に割り当てる。
【0085】
図6は参照テーブルg121の格納内容を示すデータマップである。なお、本図では、各ポートg125〜g129毎に格納されたデータマップのうち、ポートg125から制御信号が入力された場合に参照されるデータマップのみを例示している。本図中のポートアクティブ値[port_active]は、アクティブポートの組合わせを表わすパラメータであり、第1(最上位)〜第5ビット(最下位)が各々ポートg125〜ポートg129の状態に対応している。なお、ビット値「1」はアクティブポートであることを示し、ビット値「0」は非アクティブポートであることを示している。例えば、ポートアクティブ値「11110」は、ポートg125〜g128がアクティブ状態であり、ポートg129が非アクティブ状態であることを示している。
【0086】
また、本データマップでは、上記ポートアクティブ値[port_active]毎に、信号入力ポートg125を除いた他ポートg126〜g129間における伝送遅延値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値と、信号入力ポートg125単独での信号入出力に要する伝送遅延値のうち、より大きい値が記されている。このように、本データマップに記述された伝送遅延値には、信号入力ポートg125と非アクティブポートとの間の伝送遅延値や、信号入力ポートg125と他アクティブポートとの間における伝送遅延値、並びに他アクティブポート単独での信号入出力に要する伝送遅延値が含まれていないので、前述の第1実施形態に比べて、さらに無駄のない伝送遅延値設定を行うことができる。
【0087】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg129以外がアクティブ状態であって、ポートg125に信号が入力された場合について考える。この場合、従来の手法では、非アクティブ状態のポートg129を含む全ポートの組合わせ中で最大の伝送遅延値がノードの伝送遅延値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、信号入力ポートg125を除いた他アクティブポートg126〜g128間における最大伝送遅延値と、信号入力ポートg125単独での信号入出力に要する伝送遅延値のうち、より大きい値「10」(参照テーブルg121でポートアクティブ値「11110」に対応して格納された値)がノードの伝送遅延値として選択され、ベースレジスタg123のディレイ領域に割り当てられる。
【0088】
このような構成とすることにより、送受信装置の伝送遅延値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0089】
(本発明に係る送受信装置の第4実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第4実施形態について、図7を参照しながら詳細に説明する。図7は本発明に係る送受信装置の第4実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「OP i.LINK」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g130と、遅延設定回路g131と、バス調停回路g132と、ベースレジスタg133と、OP i.LINKページg134と、3ポートg135、g136、g137と、を有して成る。
【0090】
アクティブ判定回路g130は、信号線h135、h136、h137を介して得られた各ポートg135〜g137のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg135〜g137がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h130を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)を遅延設定回路g131に送出する。
【0091】
遅延設定回路g131は、アクティブ判定回路g130の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とOP i.LINKページg134を参照し、アクティブなポートがDSポートのみであると判断した場合には、OP i.LINKページg134のディレイDS−DS領域に格納された値(図35参照)を読み出して、信号線h134、h133経由でベースレジスタg133のディレイ領域(図33参照)に割り当てる。
【0092】
バス調停回路g132はバスの調停を行う。また、バス調停回路g132には送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg133及びOP i.LINKページg134が接続されており、送受信装置は、両レジスタg133、g134に記述された条件に従って動作する。ポートg135〜g137は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0093】
上記構成から成る送受信装置において、アクティブポートがDSポートのみである場合について考える。この場合、従来の手法では、「OP i.LINK」規格に準拠していないバスマネージャによってバスが管理されていると、DS−DSポート間の伝送遅延ではなく、より大きな値となる光ポート−光ポート間の伝送遅延がノードの伝送遅延とされていたが、本実施形態の送受信装置では、アクティブ判定回路g130の出力信号とOP i.LINKページg134に基づいてアクティブポートがDSポートのみであると判断され、OP i.LINKページg134のディレイDS−DS領域に格納された値がベースレジスタg133のディレイ領域に割り当てられる。
【0094】
このような構成とすることにより、バスマネージャが「OP i.LINK」規格に準拠していなくても、ノードのアクティブポートが全てDSポートであった場合には、DSポート間の伝送遅延値をノードの伝送遅延値として設定することができるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0095】
(本発明に係る送受信装置の第5実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第5実施形態について、図8を参照しながら詳細に説明する。図8は本発明に係る送受信装置の第5実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「OP i.LINK」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g140と、遅延設定回路g141と、バス調停回路g142と、ベースレジスタg143と、OP i.LINKページg144と、3ポートg145、g146、g147と、を有して成る。
【0096】
アクティブ判定回路g140は、信号線h145、h146、h147を介して得られた各ポートg145〜g147のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg145〜g147がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h140を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)を遅延設定回路g141に送出する。
【0097】
遅延設定回路g141は、アクティブ判定回路g140の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とOP i.LINKページg144を参照するとともに、バス調停回路g142とベースレジスタg143及びOP i.LINKページg144を各々接続する信号線h142a、h142bを監視しており、アクティブなポートがDSポートのみであるときに、他ノード(バスマネージャ)からのリモートアクセスパケットによって、OP i.LINKページg144にアクセスされることなく、ベースレジスタg143のみにアクセスされたと判断した場合には、OP i.LINKページg144のディレイDS−DS領域に格納された値(図35参照)を読み出して、信号線h144、h143経由でベースレジスタg143のディレイ領域(図33参照)に割り当てる。
【0098】
バス調停回路g142はバスの調停を行う。また、バス調停回路g142には送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg143及びOP i.LINKページg144が接続されており、送受信装置は、両レジスタg143、g144に記述された条件に従って動作する。ポートg145〜g147は、それぞれ他ノードとの間で信号の受渡しを行う。
【0099】
上記構成から成る送受信装置において、アクティブポートがDSポートのみである場合について考える。この場合、従来の手法では、「OP i.LINK」規格に準拠していないバスマネージャによってバスが管理されていると、DS−DSポート間の伝送遅延ではなく、より大きな値となる光ポート−光ポート間の伝送遅延がノードの伝送遅延とされていたが、本実施形態の送受信装置では、アクティブ判定回路g140の出力信号とOP i.LINKページg144に基づいてアクティブポートがDSポートのみであると判断され、信号線h142a、h142bの監視結果に基づいて、他ノード(バスマネージャ)からOP i.LINKページg144にアクセスされることなく、ベースレジスタg143のみにアクセスされたと判断された時点で、OP i.LINKページg144のディレイDS−DS領域に格納された値がベースレジスタg143のディレイ領域に割り当てられる。
【0100】
このような構成とすることにより、バスマネージャが「OP i.LINK」規格に準拠していなくても、ノードのアクティブポートが全てDSポートであった場合には、DSポート間の伝送遅延値をノードの伝送遅延値として設定することができるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0101】
(本発明に係る送受信装置の第6実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第6実施形態について、図9を参照しながら詳細に説明する。図9は本発明に係る送受信装置の第6実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「OP i.LINK」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g150と、遅延設定回路g151と、バス調停回路g152と、ベースレジスタg153と、OP i.LINKページg154と、3ポートg155、g156、g157と、を有して成る。
【0102】
アクティブ判定回路g150は、信号線h155、h156、h157を介して得られた各ポートg155〜g157のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg155〜g157がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h150を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)を遅延設定回路g151に送出する。
【0103】
遅延設定回路g151は、アクティブ判定回路g150の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とOP i.LINKページg154を参照するとともに、バス調停回路g152とベースレジスタg153及びOP i.LINKページg154を各々接続する信号線h152a、h152bを監視しており、アクティブなポートがDSポートのみであるときに、他ノード(バスマネージャ)からのリモートアクセスパケットによって、OP i.LINKページg154にアクセスされることなく、ベースレジスタg153のみにアクセスされたと判断した場合には、OP i.LINKページg154のディレイDS−DS領域に格納された値(図35参照)を読み出して、信号線h151経由でバス調停回路g152に送出し、他ノードに返信されるリモートリプライパケットの所定データ領域に割り当てる。
【0104】
バス調停回路g152はバスの調停を行う。また、バス調停回路g152には送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg153及びOP i.LINKページg154が接続されており、送受信装置は、両レジスタg153、g154に記述された条件に従って動作する。ポートg155〜g157は、それぞれ他ノードとの間で信号の受渡しを行う。
【0105】
上記構成から成る送受信装置において、アクティブポートがDSポートのみである場合について考える。この場合、従来の手法では、「OP i.LINK」規格に準拠していないバスマネージャによってバスが管理されていると、DS−DSポート間の伝送遅延ではなく、より大きな値となる光ポート−光ポート間の伝送遅延がノードの伝送遅延とされていたが、本実施形態の送受信装置では、アクティブ判定回路g150の出力信号とOP i.LINKページg154に基づいてアクティブポートがDSポートのみであると判断され、信号線h152a、h152bの監視結果に基づいて、他ノード(バスマネージャ)からOP i.LINKページg154にアクセスされることなく、ベースレジスタg153のみにアクセスされたと判断された時点で、OP i.LINKページg154のディレイDS−DS領域に格納された値がリモートリプライパケットの所定データ領域に割り当てられる。
【0106】
このような構成とすることにより、バスマネージャが「OP i.LINK」規格に準拠していなくても、ノードのアクティブポートが全てDSポートであった場合には、DSポート間の伝送遅延値をノードの伝送遅延値として設定することができるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0107】
(本発明に係る送受信装置の第7実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第7実施形態について、図10及び図11を参照しながら詳細に説明する。図10は本発明に係る送受信装置の第7実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示す通り、アクティブ判定回路g200と、参照テーブルg201と、バス調停回路g202と、ベースレジスタg203と、4ポートg205、g206、g207、g208と、を有して成る。
【0108】
アクティブ判定回路g200は、信号線h205、h206、h207、h208を介して得られた各ポートg205〜g208のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg205〜g208がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h201を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)を参照テーブルg201に送出する。
【0109】
参照テーブルg201は、各ポートg205〜g208間におけるジッタ値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値を保持しており、アクティブ判定回路g200の出力信号(アクティブポートの組合わせ)に応じた値を読出して、信号線h203経由でベースレジスタg203のジッタ領域(図33参照)に割り当てる。
【0110】
バス調停回路g202は、IEEEシリアルバスの調停を行う。また、バス調停回路g202には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg203が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg203に記述された条件に従って動作する。ポートg205〜g208は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0111】
図11は参照テーブルg201の格納内容を示すデータマップである。本データマップ中のポートアクティブ値[port_active]は、アクティブポートの組合わせを表わすパラメータであり、第1(最上位)〜第4ビット(最下位)が各々ポートg205〜ポートg208の状態に対応している。なお、ビット値「1」はアクティブポートであることを示し、ビット値「0」は非アクティブポートであることを示している。例えば、ポートアクティブ値「1101」は、ポートg205、g206、g208がアクティブ状態であり、ポートg207が非アクティブ状態であることを示している。
【0112】
また、本データマップでは、上記ポートアクティブ値[port_active]毎に、各ポートg205〜g208間におけるジッタ値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値(ジッタ値自体ではなく、実ジッタ値から所定の計算式によって求められた計算値であり、数字が大きいほどジッタも大きい。以下同様)が記されている。すなわち、本データマップに記述されたジッタ値には非アクティブポートとの間のジッタ値が含まれていない。なお、ジッタ値が存在しない場合は、アクティブポートの組合わせに応じた最大ジッタ値として便宜上「0」が挿入されている。
【0113】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg205、g206、g208がアクティブ状態であり、ポートg207が非アクティブ状態である場合について考える。この場合、従来の手法では、非アクティブ状態のポートg207を含む全ポートの組合わせ中で最大のジッタ値「9」(参照テーブルg201でポートアクティブ値「1111」に対応して格納された値であり、ポートg206とポートg207との間のジッタ値)がノードのジッタ値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、非アクティブ状態のポートg207を除く各ポートの組合わせ中で最大のジッタ値「5」(参照テーブルg201でポートアクティブ値「1101」に対応して格納された値であり、ポートg206とポートg208との間のジッタ値)がノードのジッタ値として選択され、ベースレジスタg203のジッタ領域に割り当てられる。
【0114】
このような構成とすることにより、送受信装置のジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0115】
(本発明に係る送受信装置の第8実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第8実施形態について、図12及び図13を参照しながら詳細に説明する。図12は本発明に係る送受信装置の第8実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示す通り、アクティブ判定回路g210と、参照テーブルg211と、バス調停回路g212と、ベースレジスタg213と、4ポートg215、g216、g217、g218と、を有して成る。
【0116】
アクティブ判定回路g210は、信号線h215、h216、h217、h218を介して得られた各ポートg215〜g218のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg215〜g218がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h210を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)を参照テーブルg211に送出する。
【0117】
バス調停回路g212は、IEEEシリアルバスの調停を行うとともに、各ポートg215〜g218との間で信号線h214を介した信号の授受を行う。このとき、バス調停回路g212は、いずれのポートから信号が入力されたかを判別し、信号線h212を介して該判別結果(入力ポート情報)を参照テーブルg211に送出する。また、バス調停回路g212には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg213が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg213に記述された条件に従って動作する。ポートg215〜g218は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0118】
参照テーブルg211は、各ポートg215〜g218毎に、該ポートと他ポートとの間におけるジッタ値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値を保持しており、アクティブ判定回路g210の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とバス調停回路g212で得た入力ポート情報に応じた値を読み出して信号線h211経由でベースレジスタg213のジッタ領域(図33参照)に割り当てる。
【0119】
図13は参照テーブルg211の格納内容を示すデータマップである。なお、本図は、各ポートg215〜g218毎に格納されたデータマップのうち、ポートg215から制御信号が入力された場合に参照されるデータマップのみを例示している。本図中のポートアクティブ値[port_active]は、アクティブポートの組合わせを表わすパラメータであり、第1(最上位)〜第5ビット(最下位)が各々ポートg215〜ポートg218の状態に対応している。なお、ビット値「1」はアクティブポートであることを示し、ビット値「0」は非アクティブポートであることを示している。例えば、ポートアクティブ値「1101」は、ポートg215、g216、g218がアクティブ状態であり、ポートg217が非アクティブ状態であることを示している。
【0120】
また、本データマップでは、上記ポートアクティブ値[port_active]毎に、信号入力ポートg215と他ポートg216〜g218の間におけるジッタ値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値が記されている。このように、本データマップに記述されたジッタ値には、信号入力ポートg215と非アクティブポートとの間のジッタ値や、信号入力ポートg215以外のアクティブポート相互間におけるジッタ値が含まれていないので、前述の第7実施形態に比べてさらに無駄のないジッタ値設定を行うことができる。
【0121】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg217以外がアクティブ状態であって、ポートg215に信号が入力された場合について考える。この場合、従来の手法では、非アクティブ状態のポートg217を含む全ポートの組合わせ中で最大のジッタ値がノードのジッタ値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、信号入力ポートg215と他アクティブポートg216、g218の間における最大ジッタ値「3」(参照テーブルg211でポートアクティブ値「1101」に対応して格納された値であり、ポートg215とポートg216間のジッタ値)がノードのジッタ値として選択され、ベースレジスタg213のジッタ領域に割り当てられる。
【0122】
このような構成とすることにより、送受信装置のジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0123】
(本発明に係る送受信装置の第9実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第9実施形態について、図14を参照しながら詳細に説明する。図14は本発明に係る送受信装置の第9実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「OP i.LINK」規格準拠の送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g220と、ジッタ設定回路g221と、バス調停回路g222と、ベースレジスタg223と、OP i.LINKページg224と、4つのポートg225、g226、g227、g228と、を有して成る。
【0124】
アクティブ判定回路g220は、信号線h225、h226、h227、h228を介して得られた各ポートg225〜g228のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg225〜g228がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h220を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)をジッタ設定回路g221に送出する。
【0125】
ジッタ設定回路g221は、アクティブ判定回路g220の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とOP i.LINKページg224を参照し、アクティブなポートがDSポートのみであると判断した場合には、OP i.LINKページg224のジッタDS−DS領域に格納された値(図35参照)を読み出して、信号線h224、h223経由でベースレジスタg223のジッタ領域(図33参照)に割り当てる。
【0126】
バス調停回路g222はバスの調停を行う。また、バス調停回路g222には送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg223及びOP i.LINKページg224が接続されており、送受信装置は、両レジスタg223、g224に記述された条件に従って動作する。ポートg225〜g228は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0127】
上記構成から成る送受信装置において、アクティブポートがDSポートのみである場合について考える。この場合、従来の手法では、「OP i.LINK」規格に非準拠のバスマネージャによってバスが管理されていると、DS−DSポート間のジッタではなく、より大きな値となる光ポート−光ポート間のジッタがノードのジッタとされていたが、本実施形態の送受信装置では、アクティブ判定回路g220の出力信号とOP i.LINKページg224に基づいてアクティブポートがDSポートのみであると判断され、OP i.LINKページg224のジッタDS−DS領域に格納された値がベースレジスタg223のジッタ領域に割り当てられる。
【0128】
このような構成とすることにより、バスマネージャが「OP i.LINK」規格に準拠していなくても、ノードのアクティブポートが全てDSポートであった場合には、DSポート間のジッタ値をノードのジッタ値として設定することができるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0129】
(本発明に係る送受信装置の第10実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第10実施形態について、図15を参照しながら詳細に説明する。図15は本発明に係る送受信装置の第10実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「OP i.LINK」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g230と、ジッタ設定回路g231と、バス調停回路g232と、ベースレジスタg233と、OP i.LINKページg234と、4つのポートg235、g236、g237、g238と、を有して成る。
【0130】
アクティブ判定回路g230は、信号線h235、h236、h237、h238を介して得られた各ポートg235〜g238のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg235〜g238がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h230を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)をジッタ設定回路g231に送出する。
【0131】
ジッタ設定回路g231は、アクティブ判定回路g230の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とOP i.LINKページg234を参照するとともに、バス調停回路g232とベースレジスタg233及びOP i.LINKページg234を各々接続する信号線h232a、h232bを監視しており、アクティブなポートがDSポートのみであるときに、他ノード(バスマネージャ)からのリモートアクセスパケットによって、OP i.LINKページg234にアクセスされることなくベースレジスタg233のみにアクセスされたと判断した場合には、OP i.LINKページg234のジッタDS−DS領域に格納された値(図35参照)を読出して、信号線h234、h233経由でベースレジスタg233のジッタ領域(図33参照)に割り当てる。
【0132】
バス調停回路g232はバスの調停を行う。また、バス調停回路g232には送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg233及びOP i.LINKページg234が接続されており、送受信装置は、両レジスタg233、g234に記述された条件に従って動作する。ポートg235〜g238は、それぞれ他ノードとの間で信号の受渡しを行う。
【0133】
上記構成から成る送受信装置において、アクティブポートがDSポートのみである場合について考える。この場合、従来の手法では、「OP i.LINK」規格に準拠していないバスマネージャによってバスが管理されていると、DS−DSポート間のジッタではなく、より大きな値となる光ポート−光ポート間のジッタがノードのジッタとされていたが、本実施形態の送受信装置では、アクティブ判定回路g230の出力信号とOP i.LINKページg234に基づいてアクティブポートがDSポートのみであると判断され、信号線h232a、h232bの監視結果に基づいて、他ノード(バスマネージャ)からOP i.LINKページg234にアクセスされることなく、ベースレジスタg233のみにアクセスされたと判断された時点で、OP i.LINKページg234のジッタDS−DS領域に格納された値がベースレジスタg233のジッタ領域に割り当てられる。
【0134】
このような構成とすることにより、バスマネージャが「OP i.LINK」規格に準拠していなくても、ノードのアクティブポートが全てDSポートであった場合には、DSポート間のジッタ値をノードのジッタ値として設定することができるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0135】
(本発明に係る送受信装置の第11実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第11実施形態について、図16を参照しながら詳細に説明する。図16は本発明に係る送受信装置の第11実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「OP i.LINK」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g240と、ジッタ設定回路g241と、バス調停回路g242と、ベースレジスタg243と、OP i.LINKページg244と、4つのポートg245、g246、g247、g248と、を有して成る。
【0136】
アクティブ判定回路g240は、信号線h245、h246、h247、h248を介して得られた各ポートg245〜g248のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg245〜g248がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h240を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)をジッタ設定回路g241に送出する。
【0137】
ジッタ設定回路g241は、アクティブ判定回路g240の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とOP i.LINKページg244を参照するとともに、バス調停回路g242とベースレジスタg243及びOP i.LINKページg244を各々接続する信号線h242a、h242bを監視しており、アクティブなポートがDSポートのみであるときに、他ノード(バスマネージャ)からのリモートアクセスパケットによって、OP i.LINKページg244にアクセスされることなくベースレジスタg243のみにアクセスされたと判断した場合には、OP i.LINKページg244のジッタDS−DS領域に格納された値(図35参照)を読み出して、信号線h241経由でバス調停回路g242に送出し、他ノードに返信されるリモートリプライパケットの所定データ領域に割り当てる。
【0138】
バス調停回路g242はバスの調停を行う。また、バス調停回路g242には送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg243及びOP i.LINKページg244が接続されており、送受信装置は、両レジスタg243、g244に記述された条件に従って動作する。ポートg245〜g248は、それぞれ他ノードとの間で信号の受渡しを行う。
【0139】
上記構成から成る送受信装置において、アクティブポートがDSポートのみである場合について考える。この場合、従来の手法では、「OP i.LINK」規格に準拠していないバスマネージャによってバスが管理されていると、DS−DSポート間のジッタではなく、より大きな値となる光ポート−光ポート間のジッタがノードのジッタとされていたが、本実施形態の送受信装置では、アクティブ判定回路g240の出力信号とOP i.LINKページg244に基づいてアクティブポートがDSポートのみであると判断され、信号線h242a、h242bの監視結果に基づいて、他ノード(バスマネージャ)からOP i.LINKページg244にアクセスされることなく、ベースレジスタg243のみにアクセスされたと判断された時点で、OP i.LINKページg244のジッタDS−DS領域に格納された値がリモートリプライパケットの所定データ領域に割り当てられる。
【0140】
このような構成とすることにより、バスマネージャが「OP i.LINK」規格に準拠していなくても、ノードのアクティブポートが全てDSポートであった場合には、DSポート間のジッタ値をノードのジッタ値として設定することができるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0141】
(本発明に係る送受信装置の第12実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第12実施形態について、図17及び図18を参照しながら詳細に説明する。図17は本発明に係る送受信装置の第12実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g300と、参照テーブルg301と、バス調停回路g302と、ベースレジスタg303と、遅延選択回路g304と、4つのポートg305、g306、g307、g308と、を有して成る。
【0142】
アクティブ判定回路g300は、信号線h305、h306、h307、h308を介して得られた各ポートg305〜g308のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg305〜g308がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h300を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)を遅延選択回路g304に送出する。
【0143】
参照テーブルg301は、各ポートg305〜g308間における全ての伝送遅延値を保持している。図18は参照テーブルg301の格納内容を示すデータマップである。本図に示すように、参照テーブルg301には、各ポートg305〜g308間における全ての伝送遅延値(伝送遅延値自体ではなく、実伝送遅延値から所定の計算式によって求められた計算値であり、数字が大きいほど伝送遅延も大きい。以下同様)がマトリックス状に格納されている。
【0144】
バス調停回路g302は、IEEEシリアルバスの調停を行う。また、バス調停回路g302には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg303が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg303に記述された条件に従って動作する。ポートg305〜g308は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0145】
遅延選択回路g304は、アクティブ判定回路g300の出力信号(アクティブポートの組合わせ)に応じて参照テーブルg301に格納された全伝送遅延値の中からアクティブポート間における最大伝送遅延値を選択し、信号線h303経由でベースレジスタg303のディレイ領域(図33参照)に割り当てる。
【0146】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg305、g306、g308がアクティブ状態であり、ポートg307が非アクティブ状態である場合について考える。この場合、従来の手法では、非アクティブ状態のポートg307を含む全ポートの組合わせ中で最大の伝送遅延値「9」(参照テーブルg301において、ポートg306とポートg307との間の伝送遅延値として格納された値)がノードの伝送遅延値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、非アクティブ状態のポートg307を除く各ポートの組合わせ中で最大の伝送遅延値「5」(参照テーブルg301において、ポートg306とポートg308との間の伝送遅延値として格納された値)がノードの伝送遅延値として選択され、ベースレジスタg303のディレイ領域に割り当てられる。
【0147】
このような構成とすることにより、送受信装置の伝送遅延値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0148】
(本発明に係る送受信装置の第13実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第13実施形態について説明する。本実施形態の送受信装置は、前述の第12実施形態と同一のブロック構成(図17参照)から成り、参照テーブルg301に格納される伝送遅延値として、各ポートg305〜g308間における伝送遅延値だけでなく、各ポートg305〜g308単独での信号入出力に要する伝送遅延値(あるポートに制御信号が入力され、同ポートから前記制御信号に対する制御信号を返すまでの伝送遅延値)を保持している点に特徴を有している。
【0149】
例えば、各ポートg305〜g308間における伝送遅延値が第12実施形態(図18参照)と同一であり、各ポートg305〜g308単独での信号入出力に要する伝送遅延値が順に「1」、「7」、「10」、「4」である場合、参照テーブルg301には、図19に示したデータマップが格納されることになる。
【0150】
このような構成とすることにより、同一ポートで信号の入出力が為される場合でも、送受信装置の伝送遅延値を過小設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップを保証して、確実な通信を行うことが可能となる。
【0151】
なお、ポートのアクティブ判定を行わないのであれば、図17の構成からアクティブ判定回路を除いた構成(図20参照)としてもよい。この場合、参照テーブルg311には、各ポートg315〜g318間における伝送遅延値と、各ポートg315〜g318単独での信号入出力に要する伝送遅延値のうち、最も大きい値のみを格納しておけばよい。
【0152】
(本発明に係る送受信装置の第14実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第14実施形態について、図21及び図22を参照しながら詳細に説明する。図21は本発明に係る送受信装置の第14実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g320と、参照テーブルg321と、バス調停回路g322と、ベースレジスタg323と、遅延選択回路g324と、5つのポートg325、g326、g327、g328、g329と、を有して成る。
【0153】
アクティブ判定回路g320は、信号線h325、h326、h327、h328、h329を介して得られた各ポートg325〜g329のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg325〜g329がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h320を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)を遅延選択回路g324に送出する。
【0154】
参照テーブルg321は、各ポートg325〜g329間における全ての伝送遅延値と、各ポートg325〜g329単独での信号入出力に要する伝送遅延値を保持している。図22は参照テーブルg321の格納内容を示すデータマップである。本図に示すように、参照テーブルg321には、各ポートg325〜g329間における全ての伝送遅延値と、各ポートg325〜g329単独での信号入出力に要する伝送遅延値がマトリックス状に格納されている。
【0155】
バス調停回路g322は、IEEEシリアルバスの調停を行うとともに、各ポートg325〜g329との間で信号線h324を介した信号の授受を行う。このとき、バス調停回路g322は、いずれのポートから信号が入力されたかを判別し、信号線h322を介して該判別結果(入力ポート情報)を遅延選択回路g324に送出する。また、バス調停回路g322には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg323が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg323に記述された条件に従って動作する。ポートg325〜g329は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0156】
遅延選択回路g324は、アクティブ判定回路g320の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とバス調停回路g322で得た入力ポート情報に応じて、参照テーブルg321に格納された全伝送遅延値の中から、信号入力ポートを除いた他アクティブポート間における伝送遅延値と信号入力ポート単独での信号入出力に要する伝送遅延値の中で最も大きい値を選択し、信号線h323経由でベースレジスタg323のディレイ領域(図33参照)に割り当てる。
【0157】
例えば、ポートg329以外がアクティブ状態であって、ポートg325に信号が入力された場合には、図22において破線円で囲まれた数字が遅延選択回路g324の選択対象とされる。このように、遅延選択回路g324の選択対象とされる伝送遅延値には、信号入力ポートと非アクティブポートとの間における伝送遅延値や、信号入力ポートと他アクティブポートとの間における伝送遅延値、並びに他アクティブポート単独での信号入出力に要する伝送遅延値が含まれていないので、前述の第12実施形態に比べて、さらに無駄のない伝送遅延値設定を行うことができる。
【0158】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg329以外がアクティブ状態であって、ポートg325に信号が入力された場合について考える。この場合、従来の手法では、非アクティブ状態のポートg329を含む全ポートの組合わせ中で最大の伝送遅延値「11」(参照テーブルg321において、ポートg325とポートg328との間の伝送遅延値として格納された値)がノードの伝送遅延値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、信号入力ポートg325を除いた他アクティブポートg326〜g328間における伝送遅延値と、信号入力ポートg225単独での信号入出力に要する伝送遅延値の中で最も大きい値「9」(参照テーブルg321において、ポートg326とポートg327との間の伝送遅延値として格納された値)がノードの伝送遅延値として選択され、ベースレジスタg323のディレイ領域に割り当てられる。
【0159】
このような構成とすることにより、送受信装置の伝送遅延値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0160】
(本発明に係る送受信装置の第15実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第15実施形態について、図23及び図24を参照しながら詳細に説明する。図23は本発明に係る送受信装置の第15実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g400と、参照テーブルg401と、バス調停回路g402と、ベースレジスタg403と、ジッタ選択回路g404と、4ポートg405、g406、g407、g408と、を有して成る。
【0161】
アクティブ判定回路g400は、信号線h405、h406、h407、h408を介して得られた各ポートg405〜g408のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg405〜g408がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h400を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)をジッタ選択回路g404に送出する。
【0162】
参照テーブルg401は、各ポートg405〜g408間における全てのジッタ値を保持している。図24は参照テーブルg401の格納内容を示すデータマップである。本図に示す通り、参照テーブルg401には、各ポートg405〜g408間における全ジッタ値(ジッタ値自体ではなく、実ジッタ値から所定の計算式によって求められた計算値であり、数字が大きいほどジッタも大きい。以下同様)がマトリックス状に格納されている。
【0163】
バス調停回路g402は、IEEEシリアルバスの調停を行う。また、バス調停回路g402には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg403が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg403に記述された条件に従って動作する。ポートg405〜g408は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0164】
遅延選択回路g404は、アクティブ判定回路g400の出力信号(アクティブポートの組合わせ)に応じて参照テーブルg401に格納された全ジッタ値の中からアクティブポート間における最大ジッタ値を選択し、信号線h403経由でベースレジスタg403のジッタ領域(図33参照)に割り当てる。
【0165】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg405、g406、g408がアクティブ状態であり、ポートg407が非アクティブ状態である場合について考える。この場合、従来の手法では、非アクティブ状態のポートg407を含む全ポートの組合わせ中で最大のジッタ値「9」(参照テーブルg401において、ポートg406とポートg407との間のジッタ値として格納された値)がノードのジッタ値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、非アクティブ状態のポートg407を除く各ポートの組合わせ中で最大のジッタ値「5」(参照テーブルg401において、ポートg406とポートg408との間のジッタ値として格納された値)がノードのジッタ値として選択され、ベースレジスタg403のジッタ領域に割り当てられる。
【0166】
このような構成とすることにより、送受信装置のジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0167】
(本発明に係る送受信装置の第16実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第16実施形態について、図25及び図26を参照しながら詳細に説明する。図25は本発明に係る送受信装置の第16実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g410と、参照テーブルg411と、バス調停回路g412と、ベースレジスタg413と、ジッタ選択回路g414と、4ポートg415、g416、g417、g418と、を有して成る。
【0168】
アクティブ判定回路g410は、信号線h415、h416、h417、h418を介して得られた各ポートg415〜g418のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg415〜g418がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h410を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)をジッタ選択回路g414に送出する。
【0169】
参照テーブルg411は、各ポートg415〜g418間における全てのジッタ値を保持している。図26は参照テーブルg411の格納内容を示すデータマップである。本図に示す通り、参照テーブルg411には、各ポートg415〜g418間における全てのジッタ値がマトリックス状に格納されている。
【0170】
バス調停回路g412は、IEEEシリアルバスの調停を行うとともに、各ポートg415〜g418との間で信号線h414を介した信号の授受を行う。このとき、バス調停回路g412は、いずれのポートから信号が入力されたかを判別し、信号線h412を介して該判別結果(入力ポート情報)をジッタ選択回路g414に送出する。また、バス調停回路g412には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg413が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg413に記述された条件に従って動作する。ポートg415〜g418は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0171】
遅延選択回路g414は、アクティブ判定回路g410の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とバス調停回路g412で得た入力ポート情報に応じて、参照テーブルg411に格納された全伝送遅延値の中から、信号入力ポートと他アクティブポート間における最大伝送遅延値を選択し、信号線h413経由でベースレジスタg413のジッタ領域(図33参照)に割り当てる。
【0172】
例えば、ポートg417以外がアクティブ状態であって、ポートg415に信号が入力された場合には、図26において破線円で囲まれた数字がジッタ選択回路g414の選択対象とされる。このように、ジッタ選択回路g414の選択対象とされるジッタ値には、信号入力ポートと非アクティブポートとの間におけるジッタ値や、信号入力ポートを除いた他アクティブポート間におけるジッタ値が含まれていないので、前述の第15実施形態に比べて、さらに無駄のないジッタ値設定を行うことができる。
【0173】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg417以外がアクティブ状態であって、ポートg415に信号が入力された場合について考える。この場合、従来の手法では、非アクティブ状態のポートg417を含む全ポートの組合わせ中で最大のジッタ値「9」(参照テーブルg411において、ポートg416とポートg417との間のジッタ値として格納された値)がノードのジッタ値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、信号入力ポートg415と他アクティブポートg416、g418との間における最大ジッタ値「3」(参照テーブルg411において、ポートg415とポートg416との間のジッタ値として格納された値)がノードのジッタ値として選択され、ベースレジスタg413のジッタ領域に割り当てられる。
【0174】
このような構成とすることにより、送受信装置のジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0175】
(本発明に係る送受信装置の第17実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第17実施形態について、図27を参照しながら詳細に説明する。図27は本発明に係る送受信装置の第17実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g500と、参照テーブルg501と、バス調停回路g502と、ベースレジスタg503と、遅延算出回路g504と、4つのポートg505、g506、g507、g508と、を有して成る。
【0176】
アクティブ判定回路g500は、信号線h505、h506、h507、h508を介して得られた各ポートg505〜g508のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg505〜g508がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h500を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)を遅延算出回路g504に送出する。
【0177】
参照テーブルg501は、各ポートg505〜g508毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部における伝送遅延値(伝送遅延値自体ではなく実伝送遅延値から所定の計算式によって求められた計算値であり、数字が大きいほど伝送遅延も大きい。以下同様)を保持している。
【0178】
バス調停回路g502は、IEEEシリアルバスの調停を行う。また、バス調停回路g502には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg503が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg503に記述された条件に従って動作する。ポートg505〜g508は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0179】
遅延算出回路g504は、アクティブ判定回路g500の出力信号(アクティブポートの組合わせ)に応じて、参照テーブルg501に格納されたアクティブポートにおける伝送遅延値の中から大きいものを順に2つ選択し、両値に物理層での信号処理に要する最大伝送遅延値を加算して、信号線h503経由でベースレジスタg503のディレイ領域(図33参照)に割り当てる。
【0180】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg505、g506、g508がアクティブ状態であり、ポートg507が非アクティブ状態である場合について考える。この場合、従来の手法では、非アクティブ状態のポートg507を含む全ポートの組合わせ中で最大の伝送遅延値がノードの伝送遅延値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、アクティブポートg505、g506、g508における伝送遅延値の中から大きいものが順に2つ選択され、両値に物理層での信号処理に要する最大伝送遅延値が加算されて、ベースレジスタg503のディレイ領域に割り当てられる。
【0181】
このような構成とすることにより、送受信装置の伝送遅延値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0182】
(本発明に係る送受信装置の第18実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第18実施形態について、図28を参照しながら詳細に説明する。図28は本発明に係る送受信装置の第18実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、参照テーブルg511と、バス調停回路g512と、ベースレジスタg513と、遅延算出回路g514と、4つのポートg515、g516、g517、g518と、を有して成る。
【0183】
参照テーブルg511は、各ポートg515〜g518毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部における伝送遅延値を保持している。
【0184】
バス調停回路g512は、IEEEシリアルバスの調停を行う。また、バス調停回路g512には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg513が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg513に記述された条件に従って動作する。ポートg515〜g518は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0185】
遅延算出回路g514は、参照テーブルg511に格納された伝送遅延値の中から大きいものを順に2つ選んで足し合わせた伝送遅延値と、あるポート単独での信号入出力に要する伝送遅延値(あるポートに制御信号が入力され、同ポートから前記制御信号に対する制御信号を返すまでの伝送遅延値)を比較し、より大きい値に物理層での信号処理に要する最大伝送遅延値を加算して、信号線h513経由でベースレジスタg513のディレイ領域(図33参照)に割り当てる。
【0186】
このような構成とすることにより、同一ポートで信号の入出力が為される場合でも、送受信装置の伝送遅延値を過小設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップを保証して、確実な通信を行うことが可能となる。
【0187】
(本発明に係る送受信装置の第19実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第19実施形態について、図29を参照しながら詳細に説明する。図29は本発明に係る送受信装置の第19実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g520と、参照テーブルg521と、バス調停回路g522と、ベースレジスタg523と、遅延算出回路g524と、5つのポートg525、g526、g527、g528、g529と、を有して成る。
【0188】
アクティブ判定回路g520は、信号線h525、h526、h527、h528、h529を介して得られた各ポートg525〜g529のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg525〜g529がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h520を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)を遅延算出回路g524に送出する。
【0189】
参照テーブルg521は、各ポートg525〜g529毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部における伝送遅延値を保持している。
【0190】
バス調停回路g522は、IEEEシリアルバスの調停を行うとともに、各ポートg525〜g529との間で信号線h524を介した信号の授受を行う。このとき、バス調停回路g522は、いずれのポートから信号が入力されたかを判別し、信号線h522を介して該判別結果(入力ポート情報)を遅延算出回路g524に送出する。また、バス調停回路g522には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg523が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg523に記述された条件に従って動作する。ポートg525〜g529は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0191】
遅延算出回路g524は、アクティブ判定回路g520の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とバス調停回路g522で得た入力ポート情報に応じて、参照テーブルg521に格納された信号入力ポートを除いたアクティブポートにおける伝送遅延値の中から大きいものを順に2つ選択して足し合わせた伝送遅延値と、信号入力ポート単独での信号入出力に要する伝送遅延値を比較し、より大きい値に物理層での信号処理に要する最大伝送遅延値を加算して、信号線h523経由でベースレジスタg523のディレイ領域(図33参照)に割り当てる。
【0192】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg529以外がアクティブ状態であって、ポートg525に信号が入力された場合について考える。この場合、従来の手法では、非アクティブ状態のポートg529を含む全ポートの組合わせ中で最大の伝送遅延値がノードの伝送遅延値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、信号入力ポートg525を除いたアクティブポートg526〜g528における伝送遅延値の中から大きいものを順に2つ選択して足し合わせた伝送遅延値と、信号入力ポートg525単独での信号入出力に要する伝送遅延値を比較し、より大きい値に物理層での信号処理に要する最大伝送遅延値を加算した伝送遅延値がノードの伝送遅延値として算出され、ベースレジスタg523のディレイ領域に割り当てられる。
【0193】
このような構成とすることにより、送受信装置の伝送遅延値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0194】
(本発明に係る送受信装置の第20実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第20実施形態について、図30を参照しながら詳細に説明する。図30は本発明に係る送受信装置の第20実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g600と、参照テーブルg601と、バス調停回路g602と、ベースレジスタg603と、ジッタ算出回路g604と、4ポートg605、g606、g607、g608と、を有して成る。
【0195】
アクティブ判定回路g600は、信号線h605、h606、h607、h608を介して得られた各ポートg605〜g608のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg605〜g608がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h600を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)をジッタ算出回路g604に送出する。
【0196】
参照テーブルg601は、各ポートg605〜g608毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部におけるジッタ値(ジッタ値自体ではなく実ジッタ値から所定の計算式によって求められた計算値であり、数字が大きいほどジッタも大きい。以下同様)を保持している。
【0197】
バス調停回路g602は、IEEEシリアルバスの調停を行う。また、バス調停回路g602には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg603が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg603に記述された条件に従って動作する。ポートg605〜g608は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0198】
ジッタ算出回路g604は、アクティブ判定回路g600の出力信号(アクティブポートの組合わせ)に応じて、参照テーブルg601に格納されたアクティブポートにおけるジッタ値の中から大きいものを順に2つ選択し、両値に物理層での信号処理に要する最大ジッタ値を加算して、信号線h603経由でベースレジスタg603のジッタ領域(図33参照)に割り当てる。
【0199】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg605、g606、g608がアクティブ状態であり、ポートg607が非アクティブ状態である場合について考える。この場合、従来手法では、非アクティブ状態のポートg607を含む全ポートの組合わせ中で最大のジッタ値がノードのジッタ値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、アクティブポートg605、g606、g608におけるジッタ値の中から大きいものが順に2つ選択され、両値に物理層での信号処理に要する最大ジッタ値が加算されて、ベースレジスタg603のジッタ領域に割り当てられる。
【0200】
このような構成とすることにより、送受信装置のジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0201】
(本発明に係る送受信装置の第21実施形態)
次に、本発明に係る送受信装置の第21実施形態について、図31を参照しながら詳細に説明する。図31は本発明に係る送受信装置の第21実施形態を示すブロック図である。本実施形態の送受信装置は、「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した送受信装置であり、本図に示すように、アクティブ判定回路g610と、参照テーブルg611と、バス調停回路g612と、ベースレジスタg613と、ジッタ算出回路g614と、4ポートg615、g616、g617、g618と、を有して成る。
【0202】
アクティブ判定回路g610は、信号線h615、h616、h617、h618を介して得られた各ポートg615〜g618のアクティブ状態信号に基づいて、各ポートg615〜g618がアクティブ状態であるか否かを判別し、信号線h610を介して該判別結果(アクティブポートの組合わせ)をジッタ算出回路g614に送出する。
【0203】
参照テーブルg611は、各ポートg615〜g618毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部におけるジッタ値を保持している。
【0204】
バス調停回路g612は、IEEEシリアルバスの調停を行うとともに、各ポートg615〜g618との間で信号線h614を介した信号の授受を行う。このとき、バス調停回路g612は、いずれのポートから信号が入力されたかを判別し、信号線h612を介して該判別結果(入力ポート情報)をジッタ算出回路g614に送出する。また、バス調停回路g612には、送受信装置の動作条件が記述されたベースレジスタg613が接続されており、送受信装置は、ベースレジスタg613に記述された条件に従って動作する。ポートg615〜g618は、それぞれ他ノードとの間で信号の受け渡しを行う。
【0205】
ジッタ算出回路g614は、アクティブ判定回路g610の出力信号(アクティブポートの組合わせ)とバス調停回路g612で得られた入力ポート情報に応じて、信号入力ポート単独での信号入出力に要するジッタ値と、参照テーブルg611に格納された信号入力ポートを除いたアクティブポートにおける最大ジッタ値と、物理層での信号処理に要する最大ジッタ値を加算して、信号線h613経由でベースレジスタg613のジッタ領域(図33参照)に割り当てる。
【0206】
上記構成から成る送受信装置において、例えば、ポートg617以外がアクティブ状態であって、ポートg615に信号が入力された場合について考える。この場合、従来の手法では、非アクティブ状態のポートg617を含む全ポートの組合わせ中で最大のジッタ値がノードのジッタ値として固定設定されていたが、本実施形態の送受信装置では、信号入力ポートg615単独での信号入出力に要するジッタ値と、信号入力ポートg615を除いたアクティブポートg616、g618における最大ジッタ値と、物理層での信号処理に要する最大ジッタ値を加算した値が、ノードのジッタ値としてベースレジスタg613のジッタ領域に割り当てられる。
【0207】
このような構成とすることにより、送受信装置のジッタ値を不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、ギャップカウント[Gap_count]引いてはギャップ自体を最適化して、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【0208】
なお、上記実施形態(第4〜第6実施形態、第9〜第11実施形態を除く)では、「IEEE Std. 1394a-2000」規格準拠の送受信装置に本発明を適用した場合を例示して説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、「IEEE Std. 1394b」規格や「OP i.LINK」規格などに準拠した送受信装置についても本発明を適用することが可能である。
【0209】
また、上記実施形態では、アクティブ判定動作や遅延値・ジッタ値設定動作等をハードウェアで実現した場合を例に挙げて説明を行ったが、これらの動作については、ソフトウェアで実現しても構わない。
【0210】
【発明の効果】
上記したように、本発明に係る送受信装置であれば、ノードの持つ伝送遅延やジッタを複数ポートの稼動状況に応じて的確に絞り込むことで、伝送遅延やジッタを不要に大きく設定してしまうことがなくなるので、効率の良い通信を行うことが可能となる。また、本発明に係る送受信装置であれば、バスを管理するバスマネージャに返信するノードの伝送遅延やジッタをアクティブポートの種類に応じて的確に設定することができるので、バスマネージャの準拠規格に依ることなく、効率の良い通信を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る送受信装置の第1、2実施形態を示すブロック図である。
【図2】参照テーブルg101の格納内容(第1実施形態)を示すデータマップである。
【図3】参照テーブルg101の格納内容(第2実施形態)を示すデータマップである。
【図4】第2実施形態の送受信装置の別構成例を示すブロック図である。
【図5】本発明に係る送受信装置の第3実施形態を示すブロック図である。
【図6】参照テーブルg121の格納内容を示すデータマップである。
【図7】本発明に係る送受信装置の第4実施形態を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る送受信装置の第5実施形態を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る送受信装置の第6実施形態を示すブロック図である。
【図10】本発明に係る送受信装置の第7実施形態を示すブロック図である。
【図11】参照テーブルg201の格納内容を示すデータマップである。
【図12】本発明に係る送受信装置の第8実施形態を示すブロック図である。
【図13】参照テーブルg211の格納内容を示すデータマップである。
【図14】本発明に係る送受信装置の第9実施形態を示すブロック図である。
【図15】本発明に係る送受信装置の第10実施形態を示すブロック図である。
【図16】本発明に係る送受信装置の第11実施形態を示すブロック図である。
【図17】本発明に係る送受信装置の第12、第13実施形態を示すブロック図である。
【図18】参照テーブルg301の格納内容(第12実施形態)を示すデータマップである。
【図19】参照テーブルg301の格納内容(第13実施形態)を示すデータマップである。
【図20】第13実施形態の送受信装置の別構成例を示すブロック図である。
【図21】本発明に係る送受信装置の第14実施形態を示すブロック図である。
【図22】参照テーブルg321の格納内容を示すデータマップである。
【図23】本発明に係る送受信装置の第15実施形態を示すブロック図である。
【図24】参照テーブルg401の格納内容を示すデータマップである。
【図25】本発明に係る送受信装置の第16実施形態を示すブロック図である。
【図26】参照テーブルg411の格納内容を示すデータマップである。
【図27】本発明に係る送受信装置の第17実施形態を示すブロック図である。
【図28】本発明に係る送受信装置の第18実施形態を示すブロック図である。
【図29】本発明に係る送受信装置の第19実施形態を示すブロック図である。
【図30】本発明に係る送受信装置の第20実施形態を示すブロック図である。
【図31】本発明に係る送受信装置の第21実施形態を示すブロック図である。
【図32】従来の「IEEE Std. 1394a-2000」規格に準拠した物理層回路の一例を示すブロック図である。
【図33】レジスタ回路104の記述内容を示すレジスタマップである。
【図34】伝送遅延時間[Round-trip_delay]を求める際に用いるバストポロジの一例を示す図である。
【図35】「OP i.LINK」規格で定められたOP i.LINKページのレジスタマップである。
【図36】セルフIDパケットの内容を示す図である。
【図37】アクティブポートと非アクティブポートが存在するノードの一例を示す図である。
【図38】同一ポートにおける信号送受信時の伝送遅延が最大であるノードの一例を示す図である。
【図39】バスマネージャが最長パス上にない場合におけるバストポロジの一例を示す図である。
【図40】アクティブポートと非アクティブポートが存在するノードの一例を示す図である。
【図41】 あるポートから制御信号が入力された際におけるジッタの問題を説明するための図である。
【符号の説明】
g1x0(x=0、2〜5) アクティブ判定回路
g1x1(x=0〜2) 参照テーブル
g1x1(x=3〜5) 遅延設定回路
g1x2(x=0〜5) バス調停回路
g1x3(x=0〜5) ベースレジスタ
g1x4(x=3〜5) OP i.LINKページ
g1x5〜g1x7(x=0〜5) ポート
g1x8(x=0〜2) ポート
g1x9(x=2) ポート
g2x0(x=0〜4) アクティブ判定回路
g2x1(x=0、1) 参照テーブル
g2x1(x=2〜4) ジッタ設定回路
g2x2(x=0〜4) バス調停回路
g2x3(x=0〜4) ベースレジスタ
g2x4(x=2〜4) OP i.LINKページ
g2x5〜g2x8(x=0〜4) ポート
g3x0(x=0、2) アクティブ判定回路
g3x1(x=0〜2) 参照テーブル
g3x2(x=0〜2) バス調停回路
g3x3(x=0〜2) ベースレジスタ
g3x4(x=0〜2) 遅延選択回路
g3x5〜g3x8(x=0〜2) ポート
g3x9(x=2) ポート
g4x0(x=0、1) アクティブ判定回路
g4x1(x=0、1) 参照テーブル
g4x2(x=0、1) バス調停回路
g4x3(x=0、1) ベースレジスタ
g4x4(x=0、1) ジッタ選択回路
g4x5〜g4x8(x=0、1) ポート
g5x0(x=0、2) アクティブ判定回路
g5x1(x=0〜2) 参照テーブル
g5x2(x=0〜2) バス調停回路
g5x3(x=0〜2) ベースレジスタ
g5x4(x=0〜2) 遅延算出回路
g5x5〜g5x8(x=0〜2) ポート
g5x9(x=2) ポート
g6x0(x=0、1) アクティブ判定回路
g6x1(x=0、1) 参照テーブル
g6x2(x=0、1) バス調停回路
g6x3(x=0、1) ベースレジスタ
g6x4(x=0、1) ジッタ算出回路
g6x5〜g6x8(x=0、1) ポート

Claims (13)

  1. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート間におけるジッタ値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値を保持する参照テーブルと、を有し、前記レジスタに割り当てる送受信装置のジッタ値として、前記アクティブ判定手段の出力信号に応じて前記参照テーブルから読み出された値を用いることを特徴とする送受信装置。
  2. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート毎に、該ポートと他ポートとの間におけるジッタ値の中でアクティブポートの組合わせに応じた最大値を保持する参照テーブルと、を有し、前記レジスタに割り当てる送受信装置のジッタ値として、前記アクティブ判定手段の出力信号と前記バス調停回路で得られた入力ポート情報に応じて前記参照テーブルから読み出された値を用いることを特徴とする送受信装置。
  3. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述される第1、第2レジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、該アクティブ判定手段の出力信号と第2レジスタを参照してアクティブポートの種類を判別し、その判別結果に応じて第2レジスタに格納されたジッタ値を第1レジスタに割り当てるジッタ設定手段と、を有することを特徴とする送受信装置。
  4. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述される第1、第2レジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、該アクティブ判定手段の出力信号と第2レジスタを参照してアクティブポートの種類を判別するとともに、前記バス調停回路と第1、第2レジスタを各々接続する信号線を監視して他ノードから第1、第2レジスタへのアクセス状況を判別し、その判別結果に応じて第2レジスタに格納されたジッタ値を第1レジスタに割り当てるジッタ設定手段と、を有することを特徴とする送受信装置。
  5. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述される第1、第2レジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、該アクティブ判定手段の出力信号と第2レジスタを参照してアクティブポートの種類を判別するとともに、前記バス調停回路と第1、第2レジスタを各々接続する信号線を監視して他ノードから第1、第2レジスタへのアクセス状況を判別し、その判別結果に応じて第2レジスタに格納されたジッタ値を他ノードへの返信パケットに割り当てるジッタ設定手段と、を有することを特徴とする送受信装置。
  6. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート間におけるジッタ値を保持する参照テーブルと、前記アクティブ判定手段の出力信号に応じて前記参照テーブルに格納された全ジッタ値の中からアクティブポート間における最大ジッタ値を選択し、前記レジスタに割り当てるジッタ選択手段と、を有することを特徴とす る送受信装置。
  7. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート間におけるジッタ値を保持する参照テーブルと、前記アクティブ判定手段の出力信号と前記バス調停回路で得られた入力ポート情報に応じて、前記参照テーブルに格納された全ジッタ値の中から信号入力ポートと他アクティブポートとの間における最大伝送遅延値を選択し、前記レジスタに割り当てるジッタ選択手段と、を有することを特徴とする送受信装置。
  8. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部における伝送遅延値を保持する参照テーブルと、前記アクティブ判定手段の出力信号に応じて前記参照テーブルに格納されたアクティブポートにおける伝送遅延値の中から大きいものを順に2つ選択し、両値に物理層での信号処理に要する最大伝送遅延値を加算して前記レジスタに割り当てる遅延算出手段と、を有することを特徴とする送受信装置。
  9. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポート毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部における伝送遅延値を保持する参照テーブルと、
    前記参照テーブルに格納された伝送遅延値の中から大きいものを順に2つ選択して足し合わせた伝送遅延値と、あるポート単独での信号入出力に要する伝送遅延値を比較し、より大きい値に物理層での信号処理に要する最大伝送遅延値を加算して、前記レジスタに割り当てる遅延算出手段と、
    を有することを特徴とする送受信装置。
  10. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、
    各ポート毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部における伝送遅延値を保持する参照テーブルと、
    前記アクティブ判定手段の出力信号と前記バス調停回路で得た入力ポート情報に応じて、前記参照テーブルに格納された信号入力ポートを除いたアクティブポートにおける伝送遅延値の中から大きいものを順に2つ選択して足し合わせた伝送遅延値と、信号入力ポート単独での信号入出力に要する伝送遅延値を比較し、より大きい値に物理層での信号処理に要する最大伝送遅延値を加算して、前記レジスタに割り当てる遅延算出手段と、
    を有することを特徴とする送受信装置。
  11. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、各ポート毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部におけるジッタ値を保持する参照テーブルと、前記アクティブ判定手段の出力信号に応じて前記参照テーブルに格納されたアクティブポートにおけるジッタ値の中から大きいものを順に2つ選択し、両値に物理層での信号処理に要する最大ジッタ値を加算して前記レジスタに割り当てるジッタ算出手段と、を有することを特徴とする送受信装置。
  12. 複数の異なる種類のポートと、各ポートからシリアルバス上への信号送出タイミングを制御するバス調停回路と、該バス調停回路の動作条件が記述されるレジスタと、を有して成る送受信装置において、
    各ポートがアクティブ状態であるか否かを判別するアクティブ判定手段と、
    各ポート毎に、該ポート及び該ポート用信号フォーマット変更部におけるジッタ値を保持する参照テーブルと、
    前記アクティブ判定手段の出力信号と前記バス調停回路で得た入力ポート情報に応じて、信号入力ポート単独での信号入出力に要するジッタ値と、前記参照テーブルに格納された信号入力ポートを除いたアクティブポートにおける最大ジッタ値と、物理層での信号処理に要する最大ジッタ値を加算して、前記レジスタに割り当てるジッタ算出手段と、
    を有することを特徴とする送受信装置。
  13. 他ノードとの通信路に適用される通信規格が、 IEEE Std. 1394a-2000 、或いは IEEE Std. 1394b のいずれかであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項6〜請求項12のいずれかに記載の送受信装置。
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