JP3988418B2 - 情報記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、近接場光を用いた情報記録再生装置と、その光学系および光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
光を用いて記録媒体に情報を記録し、および/または情報を記録媒体から再生する(読取りを行う)装置である情報記録再生装置において、記録媒体での記録容量を増大させるためには、記録密度を向上させる必要がある。そのためには、情報の記録単位である記録スポットを小さくして、円盤状のディスクの円周方向および半径方向の2つの方向についての記録密度を上げることが考えられる。例えば、近接場光を記録再生用の光として用いると、記録スポットを小さくすることができるため、記録密度を向上させることが可能である。
【0003】
記録スポットを小さくすることにより記録密度を向上させるためには、情報を記録媒体上の正確な位置に記録し、また、記録された情報を正確な位置から読み取って再生する必要がある。そのため、記録媒体上において、光学素子などにより構成される光ヘッドを正確に位置決めして、トラッキング制御を行う技術が必要になる。
【0004】
このような記録再生用に近接場光を用いた場合のトラッキングの制度を高める技術としては、例えば、特開平7−192280号公報に示される技術が存在し、ここでは、通常の光学系からなる走査制御ヘッドを近接場光による記録再生を行う走査ヘッドに一体的に並設することにより、走査ヘッドを記録媒体の所定の位置へ精度良くトラッキングすることができる。しかし、走査ヘッドと走査制御ヘッドを一体的に連結する部材の熱膨張、熱収縮等によって両者の距離が変化することや、その連結部材の剛性が低い場合、トラッキング時に走査ヘッドが振動し、その振動がトラッキング制御に反映されない等の問題が生じる。
【0005】
この問題を解決するために、例えば、特開2001−110070号公報に示される技術が存在し、ここでは、波長の異なる記録再生用の近接場光とトラッキング用の伝搬光がともに同一の近接場光発生部材から射出されるので、上述した、走査ヘッドと走査制御ヘッドとが分かれているが故に、走査ヘッドと走査制御ヘッドとの相関関係の狂いに起因するトラッキング不良が発生せず、安定且つ高精度にトラッキングを行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ここでは、近接場光発生部材として固浸レンズなどを用いて、波長を短くすることにより、近接場光による記録スポットを小さくしているが、回折限界を超えた小さな記録スポットを得ることができない。
【0007】
そこで、本発明は前記問題点に鑑み、近接場光による記録スポットをより小さくして、記録媒体における記録密度をより向上させるとともに、記録媒体に対するトラッキング制御を高精度に行うことが可能な情報記録再生装置と、それに適した光学系および光学素子に関する技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、近接場光を用いて、トラッキングパターンを有する記録媒体に対して情報を記録又は記録媒体に記録された情報の再生を行う情報記録再生装置であって、(a) 第1と第2の光を供給する光供給手段と、(b) 前記第1と第2の光を受けて、前記トラッキングパターンを検出するためのトラッキング光と、前記近接場光と、をそれぞれ発生する光学系と、を備え、前記光学系が、微小開口が形成された微小開口領域と、前記微小開口領域の周辺の外部に存在して前記第1の光に対する透過性を有する透過領域と、前記第1の光を前記透過領域に導いて前記トラッキング光を発生するとともに、前記第2の光を前記微小開口に導いて前記近接場光を発生する単一の集光要素とを備える。
【0012】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の情報記録再生装置であって、前記光供給手段が、前記第1の光を前記光学系に与える角度と、前記第2の光を前記光学系に与える角度とを、相対的に変更する光学調整手段を備える。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項2に記載の情報記録再生装置であって、前記トラッキングパターンは、相互に区別される第1の領域と第2の領域とを、所定方向に交互に配置することにより形成されており、前記光学系は、前記近接場光のスポットを前記第1の領域の上に生成させ、かつ前記トラッキング光のスポットを前記第2の領域の上に生成させる。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1に記載の情報記録再生装置であって、前記光供給手段が、前記光学系への前記第1の光の入射角を段階的に変化させることにより、前記微小開口と前記トラッキング光の発生位置との相対的位置関係を複数の位置関係に段階的に変更可能な光学調整手段を備える。
【0015】
また、請求項5の発明は、請求項4に記載の情報記録再生装置であって、前記トラッキングパターンは、相互に区別される第1の領域と第2の領域とを、所定方向に交互に配置することにより形成されており、前記光学系は、前記トラッキング光のスポットを前記第1の領域の上に生成させるとともに、前記近接場光のスポットを前記第2の領域の上に生成させ、前記光学調整手段は、前記トラッキング光と前記近接場光のスポットとの相対的位置関係を複数の位置関係に段階的に変更することにより、前記第2の領域の前記所定方向における前記近接場光の位置を、前記第1の領域を飛び越すことなく変化させることが可能である。
【0016】
また、請求項6の発明は、請求項1に記載の情報記録再生装置であって、前記光供給手段が、前記光学系へ入射する際の前記第1の光の収束または発散角度を段階的に変化させることにより、前記微小開口と前記トラッキング光の収束位置との相対的位置関係を複数の位置関係に段階的に変更可能な光学調整手段を備える。
【0017】
また、請求項7の発明は、近接場光を用いて、トラッキングパターンを有する記録媒体に対して情報を記録又は記録媒体に記録された情報の再生を行う情報記録再生装置であって、(a) 第1と第2の光を供給する光供給手段と、(b) 前記第1と第2の光を受けて、前記トラッキングパターンを検出するためのトラッキング光と、前記近接場光と、をそれぞれ発生する光学系と、を備え、前記光学系が、前記第1の光に対する透過性を有する一方で前記第2の光を遮断するフィルタに微小開口が形成された領域と、前記第1の光を前記領域において透過させて前記トラッキング光を発生するとともに、前記第2の光を前記微小開口に導いて前記近接場光を発生する単一の集光要素とを備える。
【0018】
なお、各請求項の発明と、後述する各実施形態との対応関係は、図面で見れば以下のようになっている(各実施形態に固有の図のみ指摘している)。
【0019】
請求項1の発明・・・図9〜図18、図21〜図25。
【0020】
請求項2の発明・・・図19、図20、図26〜図30。
【0021】
請求項3の発明・・・図9〜図30。
【0022】
請求項4の発明・・・図9〜図18、図21〜図25。
【0023】
請求項5の発明・・・図7、図8。
【0024】
請求項6の発明・・・図9、図21〜図25。
【0025】
請求項7の発明・・・図7、図8、図15〜図18。
【0026】
請求項8の発明・・・図15〜図18。
【0027】
請求項9の発明・・・図6、図10〜図12。
【0028】
請求項10の発明・・・図19、図20、図26〜図30。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0030】
<1. 情報記録再生装置の一例>
まず、この発明に係る近接場光を利用した情報記録再生装置について説明する。図1は、この発明の実施の形態の一例である情報記録再生装置Aを概念的に示した図であり、一点鎖線DIで分割し、詳細を図示したものが図2および図3である。
【0031】
情報記録再生装置Aは、円盤状の記録媒体20を収容する記録媒体収容部4と、近接場光発生装置NEと、この近接場光発生装置NEを記録媒体20に対し記録媒体20の径方向に相対的に移動させる近接場光発生装置駆動装置Mと、近接場光発生装置駆動装置Mの動作を制御するトラッキング制御部CONTと、再生した情報を出力する外部出力装置OSを有している。
【0032】
記録媒体収容部4は、記録媒体20の支持回転体SPを有し、さらにこれの回転駆動装置(図示省略)を有しており、当該回転駆動装置によって支持回転体SPを回転させることで、近接場光発生装置NEは記録媒体20に対し周方向に相対的に移動できる。
【0033】
近接場光発生装置NEは、記録媒体収容部4に収容される記録媒体20に近接配置され、近接場光NPを発生させる光学素子の代表例として固浸レンズSILを用いる場合を挙げることができる。したがって、ここでは、固浸レンズSILから記録媒体20に対して照射するための近接場光を発生させるための記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLを得るための光発生部1と、トラッキング用光を種々調整するためのトラッキング用光調整部2と、固浸レンズSILおよび記録媒体20の周辺である光学素子周辺部3とを備えている。なお、この発明においては、トラッキング用光TLは「第1の光」とも呼ばれ、記録再生用光DLは、最終的に固浸レンズSILなどの光学素子で近接場光を生成するまでの光路上では「第2の光」とも呼ばれる。すなわち、後述するように、記録再生用光DL(第2の光)から近接場光NPが生成され、トラッキング用光TLのうち光学素子から射出するまでの部分に相当する「第1の光」から(狭義の)トラッキング用光が生成される。
【0034】
記録媒体20は、トラッキング制御のためのトラッキングパターンを有しており、トラッキングパターンはランド部20Lおよびグルーブ部20Gとによる凹凸によって形成されており、ランド部20Lとグルーブ部20Gとが、径方向に交互に同心円状または螺旋状に配置されている。また、記録媒体20は、図示を省略しているが、上述した支持回転体SP側が基板であり、固浸レンズSIL側が記録層である。基板は、例えばSiO2(二酸化珪素)などの材料で形成されている。また、記録層は、情報の記録に用いられる材料で形成されればよく、たとえば、フォトクロミック分子の薄膜に対して特定の波長の光を照射することによって照射部分の吸収率などの光学特性が変化する性質を利用して、デジタル情報の記録が行われる。また、再生時には、比較的弱い強度の光を照射して吸収率の変化等を検出することで、記録されたデジタル情報の再生(読取り)が可能となる。
【0035】
光発生部1は、第1レーザーダイオード1A、第1コリメータレンズ11、回折格子12を備えており、第1レーザーダイオード1Aは半導体レーザー等によって構成され、記録媒体20に対して照射するための所定のレーザー光L1を発生させる。第1レーザーダイオード1Aからのレーザー光L1は第1コリメータレンズ11によって所定の光束幅を有する平行光に変換され、回折格子12によって、0次光と1次回折光とに分割する。ここでは、0次光が記録再生用光DLであり、1次回折光がトラッキング用光TLであり、記録再生用光DLとトラッキング用光TLは別の光路を通って固浸レンズSILに至る。ここでは、図2に示すように、1つの光源、すなわち第1レーザーダイオード1Aのみから記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの両方を得るため、記録再生用光DLとトラッキング用光TLの波長は、同じ波長となるが、記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLのうち一方を波長変換することにより、異なる波長として用いても良い。
【0036】
まず、光発生部1で発生した記録再生用光DLが固浸レンズSILに至るまでの光路について以下に説明する。光発生部1において発生した記録再生用光DLは、第1ビームスプリッタ13に入射する。第1ビームスプリッタ13は、偏光透過率特性を持ち、記録再生用光DLに対しP波は透過し、S波は反射する(図において電場振動面が紙面内にある場合がP波)。このとき、第1レーザーダイオード1Aは射出光が水平偏光(図2において電場の振動面が紙面内である波)になるように配置され、第1レーザーダイオード1Aと第1ビームスプリッタ13とは記録再生用光DLがP波の状態で第1ビームスプリッタ13を通過する位置関係になっている。
【0037】
第1ビームスプリッタ13を通過した記録再生用光DLは、水平偏波成分だけからなり、次に4分の1波長板15を通過する。このとき水平偏波成分のみからなる記録再生用光DLが円偏光となる。円偏光となった記録再生用光DLは、ハーフミラー16に入射され、半透面16Aで半分透過し、半分反射する。ハーフミラー16を通過した光は、第1集光レンズ17で集光され、固浸レンズSILに入射される。
【0038】
次に、光発生部1で発生したトラッキング用光TLが固浸レンズSILに至るまでの光路について以下説明する。光発生部1において発生したトラッキング用光TLは、第2ビームスプリッタ21に入射する。第2ビームスプリッタ21は、第1ビームスプリッタ13と同様に、偏光透過率特性を持ち、トラッキング用光TLに対しP波は透過し、S波は反射する。前述したように、このとき第1レーザーダイオード1Aは射出光が水平偏光(図2において電場の振動面が紙面内である波)になるように配置され、第1レーザーダイオード1Aと第2ビームスプリッタ21とはトラッキング用光TLがP波の状態で第2ビームスプリッタ21を通過する位置関係になっている。
【0039】
第2ビームスプリッタ21を通過したトラッキング用光TLは、水平偏波成分だけからなり、次にトラッキング用光調整部2に入射する。
【0040】
トラッキング用光調整部2は、4分の1波長板22、第1レンズ23、第2レンズ24および全反射ミラー25とから構成される。トラッキング用光調整部2に入射したトラッキング用光TLは、まず、4分の1波長板22を通過する。このとき水平偏波成分のみからなるトラッキング用光TLが円偏光となる。円偏光となったトラッキング用光TLは、第1レンズ23に入射し、集光され、集光点を超えた後に第2レンズ24を通過する。この第1レンズ23と第2レンズ24との間隔は、例えば、第2レンズ24を通過した後のトラッキング用光TLの光束が若干拡散するように設定される。第2レンズ24を通過したトラッキング用光TLは、全反射ミラー25で反射されてトラッキング用光調整部2から射出する。なお、ここでは、全反射ミラー25は固定されているが、これに限られるものではなく、後述する可動式平行平板50と同様な機構により、トラッキング用光TLに対する全反射ミラー25の角度を種々変更することにより、トラッキング用光調整部2から射出するトラッキング用光TLの光路をずらすことができるようにしても良い。また、ここでは、第2レンズ24を通過した後のトラッキング用光TLの光束が若干発散するように設定されているが、これに限定されるものではなく、記録再生用光DLとトラッキング用光TLの波長等にしたがって、第2レンズ24を通過した後のトラッキング用光TLの光束の収束または発散の程度が変更されても良い。
【0041】
トラッキング用光調整部2から射出したトラッキング用光TLは、ハーフミラー16に入射され、半透面16Aで半分透過し、半分反射する。ハーフミラー16で反射したトラッキング用光は、第1集光レンズ17で集光され、固浸レンズSILに入射される。
【0042】
ここでは、固浸レンズSILに対して入射される記録再生用光DLとトラッキング用光TLの光路がずれるようにしている。この光路のずれは、全反射ミラー25の設置角度によって調整されている。
【0043】
固浸レンズSILに入射した記録再生用光DLは、固浸レンズSILにおいて近接場光を発生し、記録媒体20のランド部20L上に記録再生用スポットを生じ、ランド部20L上に記録ピットDPを形成してデジタル情報の記録を行う。また、記録再生用光DLの強度を、記録ピットDPを形成するときよりも比較的弱くした場合、記録媒体20のランド部20L上で反射光を生じる。固浸レンズSILおよび記録媒体20等からなる光学素子周辺部3における記録再生用光DLの光学的作用等についての詳細は後述する。
【0044】
記録媒体20のランド部20L上で反射された光は、第1ビームスプリッタ13まで、これまでの光路とほぼ逆に進む。具体的には、固浸レンズSILを通り、集光レンズ17を透過し、ハーフミラー16に入射される。そして、ハーフミラー16の半透面16Aを半分透過した記録再生用光DLが4分の1波長板15に入射される。ここで、4分の1波長板15に入射される記録再生用光DLは一度記録媒体20で反射しているので、固浸レンズSIL側に向かって入射されたときとは偏光方向が逆回転となる。すなわち、4分の1波長板15を透過した後は垂直偏波(図3において電場の振動面が紙面に垂直な波)となる。その後、第1ビームスプリッタ13に入射される。このとき、記録再生用光DLはS波であるため第1ビームスプリッタ13に反射され、第2集光レンズ26によって集光され、第1検出センサ(情報光検出センサ)1Bに検出されて外部出力装置OSに再生信号を送る。
【0045】
一方、固浸レンズSILに入射したトラッキング用光TLは、固浸レンズSILを透過し、記録媒体20のグルーブ部20G上にトラッキング用スポットTSを生じる。トラッキング用光TLは、記録媒体20のグルーブ部20Gにおいて反射光を生じる。固浸レンズSILおよび記録媒体20などからなる光学素子周辺部3におけるトラッキング用光TLの光学的作用等についての詳細は後述する。なお、ここでは、記録媒体20上に対して情報の記録および再生を行う光は近接場光NPであるが、記録媒体20上に対してトラッキングを行うためのトラッキング用スポットTSを生じる光は伝搬光である。
【0046】
記録媒体20のグルーブ部20G上で反射されたトラッキング用光TLは、第2ビームスプリッタ21まで、これまでの光路とほぼ逆に進む。具体的には、固浸レンズSILを通り、集光レンズ17を透過し、ハーフミラー16に入射される。そして、ハーフミラー16の半透面16Aを半分反射したトラッキング用光TLが全反射ミラー25で反射され、第2レンズ24および第1レンズ23を通して、平行光に変換される。第1,2レンズ23,24において変換された平行光は4分の1波長板22に入射される。ここで、4分の1波長板22に入射されるトラッキング用光TLは一度記録媒体20で反射しているので、固浸レンズSIL側に向かって入射されたときとは偏光方向が逆回転となる。すなわち、4分の1波長板22を透過した後は垂直偏光(図3において電場の振動面が紙面に垂直な波)となる。その後、第2ビームスプリッタ21に入射される。このとき、トラッキング用光TLはS波であるため第2ビームスプリッタ21に反射され、第3集光レンズ27に集光されて、第2検出センサ(トラッキング情報光検出センサ)2Bにてトラッキング情報が検出され、検出されたトラッキング情報をトラッキング制御部CONTに送る。
【0047】
トラッキング制御部CONTに送られてきたトラッキング情報をもとに近接場光発生装置駆動装置Mに指示を送り、トラッキングを行う。以上で、記録媒体20に対して情報を記録する手順および記録された情報を再生する手順の概要を述べたが、情報の記録および再生を行っている間は常にトラッキング動作が行われている。また、情報の記録および(又は)消去を行う場合は使用する記録再生用光DLの波長や出力を変えるなどして行う。
【0048】
固浸レンズSILを含む光学素子周辺部3については、図9に拡大図が示されている。図9(a)は、光学素子周辺部3の断面図であり、図9(b)は、固浸レンズSILの底面図であり、図9(c)は、固浸レンズSILから射出される記録再生用の近接場光NPとトラッキング用光TLが記録媒体20上に生成するスポットと記録媒体20との位置関係を説明する図であり、図9(d)は、記録媒体20に形成される記録ピットDPを説明する図である。なお、図9(a)におけるトラッキング用光TLは、この断面位置における光束の代わりに、断面位置より奥(図9(b)で上方)に収束する光束を収束位置での断面光束を便宜上表記しています。
【0049】
図9(a),(b)に示すように、光学素子は、主に固浸レンズSILから構成される。固浸レンズSILは、ランタンシリカ系ガラスや鉛シリカ系ガラス等の高屈折率物質によって略半球状体の本体部18として構成され、略半球面状に形成された球面部18Sと略平面状に形成された平面部(底面部)18Uとを有する。また、固浸レンズSILの平面部18Uの中央付近には略円形の微小開口形成用の薄膜19が形成されている。薄膜19には微小開口19Hが形成される。この微小開口19Hは、記録再生用光DLが固浸レンズSILの平面部18U近傍に集光して形成される光スポットの大きさよりも小さくなるように形成される。これにより、固浸レンズSILの底面側からは、集光位置における光スポットよりもさらに微小なスポットの近接場光NPを浸み出させることができる。薄膜19には、Al,Ni,Cr等の金属膜を用いることができ、周知のフォトリソグラフィー等の微細加工技術により微小開口19Hを形成する。ここでは、薄膜19の大きさは、記録再生用光DLのスポットよりも少し大きければ良く、また、平面部18Uのうち薄膜19が設けられていない部分は、トラッキング用光TLが透過することができる。
【0050】
記録再生用光DLは第1集光レンズ17により集光され、固浸レンズSILの球面部18Sの所定の入射位置から固浸レンズSILの内部側に入射する。固浸レンズSILに入射した記録再生用光は固浸レンズSILの平面部18Uの略中央部に集光される。固浸レンズSILは高屈折率媒質で形成されているため、その媒質中の集光されている光スポットは、空気中に形成されるスポットに比べて微小なスポットとなる。例えば、固浸レンズSILを形成する高屈折率媒質の屈折率にもよるが、固浸レンズSILの内部に形成される光スポットの直径を記録再生用光DLの波長の半分以下となるように設計することもできる。このため、記録再生用光DLの波長が400nm程度であれば、固浸レンズSIL内部の平面部18U近傍に形成される光スポット径を200nm程度にまで絞り込むことが可能である。
【0051】
この光スポットの位置に微小開口19Hが形成されていると、近接場光の一部はそのまま微小開口19Hより下方側に浸み出す。微小開口19Hは光スポット径よりも小さく形成されるため、近接場光NPのスポット径は固浸レンズSILの内部に形成されるスポット径よりもさらに小さなものとなる。近接場光NPは非伝搬光であるため、固浸レンズSILに形成された微小開口19Hの近傍領域(ニアフィールド領域)にのみ存在する。
【0052】
図9(a),(b)に示すように、微小開口19Hから浸み出した近接場光NPは、記録媒体20のランド部20L上に照射され、ランド部20L上に記録再生用スポットDSを発生させ、ランド部20L上に記録ピットDPを形成したり、ランド部20L上で反射光を生じる。また、トラッキング用光TLは、第1集光レンズ17により集光され、固浸レンズSILの球面部18Sの所定の入射位置から固浸レンズSILの内部側に入射する。固浸レンズSILに入射したトラッキング用光TLは固浸レンズSILの平面部18Uのうち薄膜19が設けられていない部分を透過し、記録媒体20のグルーブ部20G上に照射され、グルーブ部20G上にトラッキング用スポットTSを生成させ、グルーブ部20G上で反射光を生じる。
【0053】
図9(c)は、記録媒体20を上から見た図であり、参考のために固浸レンズSILの位置を破線で示している。近接場光NPによる記録再生用スポットDSはランド部20L上に生じ、トラッキング用光TLによるトラッキング用スポットTSはグルーブ部20G上に生じている。ここでは、トラッキング用スポットTSは、記録再生用スポットDSに対して、記録媒体20の周方向にも径方向にもずれた位置となっており、このようにすることで、薄膜19によってトラッキング用光TLが遮られることなく、記録媒体20上において、少しでも記録再生用スポットDSとトラッキング用スポットTSとの径方向に対する距離を近くに設定することができる。ここで、もしも、トラッキング用スポットTSを、記録再生用スポットDSに対して、記録媒体20の径方向にのみずらしたとすると、薄膜19の存在によって、図9(c)に示す状態よりも、記録再生用スポットDSとトラッキング用スポットTSとの径方向に対する距離を遠くにしか設定することができない。したがって、図9(c)に示すような状況では、ランド部20Lの幅を比較的狭くすることができるため、記録媒体20上において、径方向の記録密度が向上する。
【0054】
図9(d)は、記録媒体20上に形成される記録ピットDPを示している。記録媒体20は回転し、記録媒体20に対して、光学素子はトラッキングパターンに沿って、相対的に移動するため、トラッキングパターンに沿って、記録ピットDPを形成する。ここでは、ランド部20Lの幅を比較的狭くすることができるだけでなく、微小開口19Hにおいて発生した近接場光NPによって、微小な記録再生用スポットDSが得られるため、記録ピットDPも比較的微小なピットとすることが可能であり、結果的に、ランド部20L上における記録ピットDP同士の間隔(周方向のピッチ)を狭くすることが可能となる。
【0055】
図1〜図3および図9において、本発明に係る実施例の一例を示したが、光発生部1、トラッキング用光調整部2および光学素子周辺部3のそれぞれについては、さらに後述する具体例が存在し、それらの具体例を種々組み合わせることによって、本発明の種々の実施形態を構成することができる。以下、光発生部1、トラッキング用光調整部2および光学素子周辺部3のそれぞれの具体例について説明し、具体例の組合せについては後述する。
【0056】
<2. 光発生部1の具体例>
上述の図2において、光発生部1の第1の具体例を示したが、光発生部1には、以下の第2の具体例がある。
【0057】
<2.1. 第2の具体例>
図4は、光発生部1の第2の具体例を示す図である。この例では、第2レーザーダイオード21A、第3レーザーダイオード22A、第2コリメータレンズ211、第3コリメータレンズ212を備えている。第2,3レーザーダイオード21A,22Aは半導体レーザー等によって構成され、それぞれ、記録媒体20に対して照射するための記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLを発生させる。第2レーザーダイオード21Aからの記録再生用光DLは、第2コリメータレンズ211によって所定の光束幅を有する平行光に変換され、第3レーザーダイオード22Aからのトラッキング用光TLも同様に、第3コリメータレンズ212によって所定の光束幅を有する平行光に変換される。ここでは、記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの波長は、同じ波長であっても良いし、異なる波長であっても良い。また、第2,3レーザーダイオード21A,22Aから発生する光は、水平偏光(図4において電場の振動面が紙面内である波)になるように配置されている。
【0058】
<3. トラッキング用光調整部2の具体例>
上述の図3において、トラッキング用光調整部2の第1の具体例を示したが、トラッキング用光調整部2には、他に以下の具体例がある。なお、以下に示す具体例においては、相互に同様な部分があるため、そのような部分については同じ符号を付している。
【0059】
<3.1. 第2の具体例>
図5は、トラッキング用光調整部2の第2の具体例を示す図である。この例では、4分の1波長板22、凸面全反射ミラー325とから構成される。トラッキング用光調整部2に入射したトラッキング用光TLは、まず、4分の1波長板22を通過する。このとき水平偏波成分のみからなるトラッキング用光TLが円偏光となる。円偏光となったトラッキング用光TLは、凸面全反射ミラー325で反射される。この凸面全反射ミラー325は、トラッキング用光TLを反射する面が、凸面状となっており、凸面全反射ミラー325で反射されたトラッキング用光TLの光束が若干拡散するように設定されている。凸面全反射ミラー325で反射されたトラッキング用光TLは、トラッキング用光調整部2から射出する。
【0060】
なお、ここでは、凸面全反射ミラー325の凸面の状態は、記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの波長等によって決定されるため、場合によっては、平面や凹面とすることにより、反射後のトラッキング用光TLを平行光または収束光としても良い。また、凸面全反射ミラー325は、固定であるものに限定されず、後述する可動式平行平板50と同様な機構により、トラッキング用光TLに対する相対的角度関係が変更でき、凸面全反射ミラー325で反射された後のトラッキング用光TLの光路をずらすことができるものであっても良い。
【0061】
<3.2. 第3の具体例>
図6は、トラッキング用光調整部2の第3の具体例を示す図である。なお、図6には、後述する可動式レンズ240の移動方向を明確にするため、移動方向40A,40Bを付している。この例では、4分の1波長板22、第1レンズ23、可動式レンズ240、連結棒241、支持駆動部242および全反射ミラー25とから構成される。トラッキング用光調整部2に入射したトラッキング用光TLは、まず、4分の1波長板22を通過する。このとき水平偏波成分のみからなるトラッキング用光TLが円偏光となる。円偏光となったトラッキング用光TLは、第1レンズ23に入射し、集光され、集光点を超えてある程度光束が拡散したところで可動式レンズ240に入射する。可動式レンズ240は、連結棒241によって支持駆動部242と連結され、主にCPU等から構成されるレンズ駆動制御部MOの指示によって、図中に示す40Aおよび40Bの方向に移動するため、第1レンズ23と可動式レンズ240との間隔を種々変更させることにより、可動式レンズ240を通過した後のトラッキング用光TLの光束の拡散または収束角度を種々変更させることができる。
【0062】
具体的には、図6(a)の状態から、可動式レンズ240を40Aの方向に移動させた後の状態を図6(b)に示している。なお、図6(b)では、可動式レンズ240の移動を明確にするため、移動前(図6(a)の状態)の可動式レンズ240aおよび連結棒241aを破線で示している。図6(a)および図6(b)に示すように、第1レンズ23と可動式レンズ240との間隔を種々変更させることにより、可動式レンズ240を通過した後のトラッキング用光TLの光束の拡散または収束角度を種々変更させることができる。可動式レンズ240を通過したトラッキング用光TLは、全反射ミラー25で反射されてトラッキング用光調整部2から射出する。なお、ここでは、全反射ミラー25は、固定であるものに限定されず、後述する可動式平行平板50と同様な機構により、トラッキング用光TLに対する相対的角度関係が変更でき、全反射ミラー25で反射された後のトラッキング用光TLの光路をずらすことができるものであっても良い。
【0063】
<3.3. 第4の具体例>
図7は、トラッキング用光調整部2の第4の具体例を示す図である。なお、図7には、後述する可動式平行平板50の回動方向および光路のずれ方向を明確にするため、可動式平行平板50の回動方向50A,50Bおよび光路のずれ方向50C,50Dを付している。この例では、4分の1波長板22、可動式平行平板50、回動軸棒51および凸面全反射ミラー325とから構成される。トラッキング用光調整部2に入射したトラッキング用光TLは、まず、4分の1波長板22を通過する。このとき水平偏波成分のみからなるトラッキング用光TLが円偏光となる。円偏光となったトラッキング用光TLは、可動式平行平板50に入射する。可動式平行平板50は、材質としてはガラス板等で、側面において、回動軸棒51によって図示を省略する回動モーターと連結され、主にCPU等から構成される回動モーター制御部MRの指示によって、回動軸棒51を軸として図中に示す50Aおよび50Bの方向に回動する機構となっている。したがって、可動式平行平板50に入射するトラッキング用光TLと可動式平行平板50とのなす角度を種々変更させることにより、可動式平行平板50におけるトラッキング用光TLの屈折を利用して、トラッキング用光調整部2から射出するトラッキング用光TLの光路を50Cおよび50Dの方向に種々ずらすことができる。具体的な例として、図7(a)の状態から、可動式平行平板50を50Bの方向に回動させた後の状態を図7(b)に示している。なお、図7(b)では、可動式平行平板50の回動を明確にするため、回動前(図7(a)の状態)の可動式平行平板50aを破線で示し、さらに、光路のずれ方向も明確にするため、可動式平行平板50の回動前の光路も示している。図7(a)および図7(b)に示すように、可動式平行平板50を50Bの方向に回動させることにより、可動式平行平板50に入射するトラッキング用光TLと可動式平行平板50とのなす角度を変更させ、可動式平行平板50を通過した後のトラッキング用光TLの光路を図中50Dの方向にずらすことができる。可動式平行平板50を通過したトラッキング用光TLは、凸面全反射ミラー325で反射されてトラッキング用光調整部2から射出する。
【0064】
<3.4. 第5の具体例>
図8は、トラッキング用光調整部2の第5の具体例を示す図である。この例は、図6および図7で示したトラッキング用光調整部2の第3,4の具体例を組み合わせたものである。なお、図8にも、図6または図7と同様に、可動式レンズ240の移動方向、可動式平行平板50の回動方向および光路のずれ方向を明確にするため、可動式レンズ240の移動方向40A,40B、可動式平行平板50の回動方向50A,50Bおよび光路のずれ方向50C,50Dを付している。この例では、4分の1波長板22、第1レンズ23、可動式レンズ240、連結棒241、支持駆動部242、可動式平行平板50、回動軸棒51および全反射ミラー25とから構成される。トラッキング用光調整部2に入射したトラッキング用光TLは、まず、図6と同様に、4分の1波長板22を通過する。このとき水平偏波成分のみからなるトラッキング用光TLが円偏光となる。円偏光となったトラッキング用光TLは、第1レンズ23に入射し、集光され、集光点を超えて、ある程度光束が拡散したところで、可動式レンズ240に入射する。可動式レンズ240は、図6で示したものと同様の機構により、図中に示す40Aおよび40Bの方向に移動するため、第1レンズ23と可動式レンズ240との間隔を種々変更させることにより、可動式レンズ240を通過した後のトラッキング用光TLの光束の拡散または収束角度を種々変更させることができる。可動式レンズ240を通過したトラッキング用光TLは、可動式平行平板50に入射する。可動式平行平板50は、材質としてはガラス板等であり、図7で示したものと同様の機構により、図中に示す50Aおよび50Bの方向に回動するため、可動式平行平板50に入射するトラッキング用光TLと可動式平行平板50とのなす角度を種々変更させることにより、トラッキング用光調整部2を射出するトラッキング用光TLの光路を50Cまたは50Dの方向に種々ずらすことができる。なお、図8においては、トラッキング用光調整部2の具体的な動作として、可動式平行平板50のみが回動する例を図8(a)および図8(b)に示している。この例の説明については、図7(a)および図7(b)において説明したものと同様なものとなるため、ここでは省略する。可動式平行平板50を通過したトラッキング用光TLは、全反射ミラー25で反射されてトラッキング用光調整部2から射出する。ここでは、可動式レンズ240の移動および可動式平行平板50の回動によって、トラッキング用光調整部2から射出するトラッキング用光TLの光束の拡散または収束角度の変更および光路をずらすことが可能となる。
【0065】
<4. 光学素子周辺部3の具体例>
上述の図9において、光学素子周辺部3の第1の具体例を示したが、光学素子周辺部3には、他に以下の具体例がある。
【0066】
<4.1. 第2の具体例>
図10および図11は、光学素子周辺部3の第2の具体例を示す図である。ここでは、固浸レンズSILに対して入射するトラッキング用光TLの光束の収束角度を2段階に切り換えて、トラッキング用光TLによってトラッキングを行なう位置を、ランド部20L上とグルーブ部20G上との両方に切り換えることにより、記録媒体20のランド部20Lの真上およびグルーブ部20Gの真上の両方に記録ピットDPを形成する。図10は、トラッキング用光TLによってグルーブ部20G上においてトラッキングを行なっている状態を示しており、図11は、トラッキング用光TLによってランド部20L上においてトラッキングを行なっている状態を示している。したがって、図10と図11とは、固浸レンズSILに対して入射するトラッキング用光TLの光束の収束角度が若干変更するのみであり、トラッキング用光TLの光束の収束角度の変更に伴う、記録媒体20に対するトラッキング用光TLの収束深さ、記録媒体20における記録再生用スポットDSおよびトラッキング用スポットTSの位置の変化が生じる他は、構造上の変化等は全くない。
【0067】
図10および図11は、図9と同様に、図10(a)および図11(a)は、光学素子周辺部3の断面図であり、図10(b)および図11(b)は、固浸レンズSILの底面図であり、図10(c)および図11(c)は、固浸レンズSILから射出される記録再生用の近接場光NPとトラッキング用光TLが生成するスポットと記録媒体20との位置関係を説明する図であり、図10(d)および図11(d)は、記録媒体20上に形成される記録ピットDPを説明する図である。
【0068】
図10および図11では、図9と同様となる部分が多いため、図9と同様な部分については、同じ符号を付しており、説明を省略する。図9との相違点は、固浸レンズSILの平面部18Uに形成される薄膜19と、記録媒体20の構造、およびトラッキング用光TLの光路が異なる点であり、また、以上の相違点にともなって、その他の部分についても若干の相違点が生じる。以下、図9と相違する部分について説明するとともに、図10および図11における特徴を述べる。
【0069】
まず、光学素子周辺部3の第2の具体例の構造について説明する。図10(a)および図10(b)に示すように、固浸レンズSILの平面部18Uには、ほぼ全体に微小開口形成用の薄膜19が形成され、薄膜19の中央付近には微小開口19Hが形成され、また、微小開口19Hに接することなく、微小開口19Hを取り囲むような輪帯状の輪帯状開口19Sが形成される。輪帯状開口19Sの内径は、微小開口19Hに集光される記録再生用光DLの光スポットよりも大きくなるように形成されている。つまり、記録再生用光DLの一部が輪帯状開口19Sを透過しないようにしている。一方、ここでは、平面部18Uの輪帯状開口19Sよりトラッキング用光TLが透過することができる。
【0070】
ここでは、記録媒体20は、図9の場合と類似しているが、記録媒体20の固浸レンズSIL側には記録層20Mが形成されており、記録層20Mのうち固浸レンズSILに対して反対側、つまり、記録層20Mの裏面に図9と同様なトラッキングパターンが形成されている。ここでは、トラッキング用光TLは記録層20Mを透過することができる。なお、記録媒体20のトラッキングパターンの下側には、記録層20Mとは屈折率が異なるトラッキング層である基板20Tが形成されていても良いし、何も形成されなくても良い。
【0071】
次に、図10に示す光学素子周辺部3の第2の具体例における情報の記録再生およびトラッキング動作等の光学的作用について説明する。図10(a)に示すように、微小開口19Hから浸み出した近接場光NPは、記録媒体20のグルーブ部20Gの真上に位置する記録層20M上に照射され、記録層20M上に記録再生用スポットDSを生成し、記録ピットDPを形成したり、当該記録層20M上で反射光を生じる。また、固浸レンズSILに入射したトラッキング用光TLは固浸レンズSILの平面部18Uの輪帯状開口19Sを透過し、記録媒体20の記録層20Mも透過して、トラッキングパターンのグルーブ部20G上に照射され、トラッキング用スポットTSを生成し、グルーブ部20G上で反射光を生じる。
【0072】
図10(c)は、記録媒体20を上から見た図であり、参考のために固浸レンズSILの位置を破線で示している。近接場光NPによる記録再生用スポットDSはグルーブ部20Gの真上に生成し、トラッキング用光TLによるトラッキング用スポットTSはグルーブ部20Gに生成している。ここでは、トラッキング用スポットTSと記録再生用スポットDSとは、記録媒体20の周方向にも径方向にも同じ位置となっている。したがって、記録媒体20では、情報の記録再生を行う位置と、トラッキングを行う位置とが平面方向において同一となるため、精度良くトラッキングを行うことができる。
【0073】
また、図10(d)は、記録媒体20に形成される記録ピットDPを示している。ここでは、精度良くトラッキングを行うことができるだけでなく、微小開口19Hにおいて発生した近接場光NPによって、微小な記録再生用スポットDSが得られるため、記録ピットDPも比較的微小なピットとすることが可能であり、結果的に、グルーブ部20Gの真上の記録層20Mにおける記録ピットDP同士の間隔(周方向のピッチ)を狭くすることが可能となるため、記録密度を向上させることができる。
【0074】
次に、図11について説明する。図11における光学素子周辺部3の第2の具体例の構造は、図10と全く同様となるため、説明を省略する。
【0075】
さらに、図11に示す光学素子周辺部3の第2の具体例における情報の記録再生およびトラッキング動作等の光学的作用について説明する。図11(a)に示すように、微小開口19Hから浸み出した近接場光NPは、記録媒体20のランド部20Lの真上に位置する記録層20M上に照射され、記録再生用スポットDSを生成し、記録ピットDPを形成したり、当該記録層20M上で反射光を生じる。また、固浸レンズSILに入射したトラッキング用光TLは固浸レンズSILの平面部18Uの輪帯状開口19Sを透過し、記録媒体20の記録層20Mも透過して、トラッキングパターンのランド部20L上に照射され、トラッキング用スポットTSを生成し、当該ランド部20L上で反射光を生じる。
【0076】
図11(c)は、記録媒体20を上から見た図であり、参考のために固浸レンズSILの位置を破線で示している。近接場光NPによる記録再生用スポットDSはランド部20Lの真上に生成し、トラッキング用光TLによるトラッキング用スポットTSはランド部20L上に生成する。ここでは、図10の場合と同様に、トラッキング用スポットTSと記録再生用スポットDSとは、記録媒体20の周方向にも径方向にも同じ位置となっている。したがって、記録媒体20において情報の記録再生を行う位置と、トラッキングを行う位置とが平面方向について同一となるため、精度良くトラッキングを行うことができる。
【0077】
また、図11(d)は、記録媒体20に形成される記録ピットDPを示している。ここでは、図10の場合と同様に、精度良くトラッキングを行うことができるだけでなく、微小開口19Hにおいて発生した近接場光NPによって、微小な記録再生用スポットDSが得られるため、記録ピットDPも比較的微小なピットとすることが可能であり、結果的に、ランド部20Lの真上の記録層20M上における記録ピットDP同士の間隔(周方向のピッチ)を狭くすることが可能となるため、記録密度を向上させることができる。
【0078】
図10と図11に示す状態は、固浸レンズSILに入射するトラッキング用光TLの光束の収束角度を調整することによって相互に状態を切り換えることが可能である。ここでの、固浸レンズSILに入射するトラッキング用光TLの光束の拡散または収束の程度の調整は、第1集光レンズ17に入射するトラッキング用光TLの光束の拡散または収束角度を変更するトラッキング用光調整部2によって達成される。
【0079】
ここで、輪帯状開口19Sの大凡の大きさについて具体例あげて説明すると、例えば、トラッキング用光TLのスポットが生成している位置が、記録媒体20の表面つまり記録層20Mの表面から100μm奥に位置する場合において、トラッキング用光TLの開口数を0.85、記録層20Mの屈折率を1.5とすると、トラッキング用光TLは、記録層20Mの表面において、記録再生用スポットDSから約70μm外周を通過する。また、輪帯状開口19Sの内径は、平面部18Uに生成する記録再生用光のスポットよりも大きければ良く、望ましくは1μm以上であり、外径は上記約70μmより大きければ良い。この輪帯状開口19Sの大きさは、記録層20Mの表面からトラッキング用光TLのスポットが生成している位置までの距離や、トラッキング用光TLの開口数等によって変化する。
【0080】
図12は、上述した図10と図11に示す状態を相互に切り換えた場合に、記録媒体20上に形成される記録ピットDPを説明する図である。図12に示すように、ここでは、ランド部20Lの真上およびグルーブ部20Gの真上を問わず記録層20M上に記録ピットを形成することができる。したがって、精度の良いトラッキングが可能であるばかりでなく、記録媒体20における径方向への記録密度も向上させることが可能である。
【0081】
<4.2. 第3の具体例>
図13および図14は、光学素子周辺部3の第3の具体例を示す図である。ここでは、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射領域を入射角度と連動させて2段階に切り換えることによって、ランド部20L上に2列の記録ピット列DPA,DPBを形成する。図13は、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射領域を入射角度と連動させて切り換える前の状態を示しており、図14は、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射領域を入射角度と連動させて切り換えた後の状態を示している。したがって、図13と図14との相違点は、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度と連動した入射領域が若干変化する点であり、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域の切り換えに伴う、記録再生用スポットDSおよびトラッキング用スポットTSの位置に変化が生ずる他は、構造上の相違点等は全くない。
【0082】
また、図9と同様に、図13(a)および図14(a)は、光学素子周辺部3の断面図であり、図13(b)および図14(b)は、固浸レンズSILの底面図であり、図13(c)および図14(c)は、固浸レンズSILから射出される記録再生用の近接場光NPとトラッキング用光TLが形成するスポットと記録媒体20A,20Bとの位置関係を説明する図であり、図13(d)および図14(d)は、記録媒体20A,20Bに形成される記録ピット列DPA,DPBを説明する図である。
【0083】
図13は、図9とほとんど同様であり、図13と図9との相違点は、記録媒体20のランド部20Lの径方向の幅が広くなっている点と、記録ピットDPの列を記録ピット列DPAとしている点と、トラッキング用光TLを切り換える前のトラッキング用光TLおよび記録媒体20をそれぞれトラッキング用光TLAおよび記録媒体20Aとしている点と、トラッキング用光TLを切り換えた後のトラッキング用光TLB、記録媒体20B、記録媒体20B上に形成されるトラッキング用スポットTSBおよび記録ピット列DPBが破線で示されている点のみである。トラッキング用光TLを切り換えた後の状態については、図14に示しているので後述することにする。
【0084】
ここでは、記録媒体20Aにおけるランド部20Lの径方向の幅が広くなっているため、図13(d)に示すように、記録ピット列DPAがランド部20Lの半径方向の略中央に形成されず、少しずれた位置に形成される。また、図13におけるその他の部分については、図9と同様であるので、説明を省略する。
【0085】
次に、図13からトラッキング用光TLを切り換えた後の状態を示す図14について説明する。図14には、図13とは逆に、トラッキング用光TLを切り換えた後のトラッキング用光TLBが太線で示され、記録媒体20B、記録媒体20B上に形成されるトラッキング用スポットTSBおよび記録ピット列DPBが実線で示されており、一方、トラッキング用光TLの切り換えを行う前のトラッキング用光TLA、記録媒体20A、記録媒体20A上に生成されるトラッキング用スポットTSおよび記録ピット列DPAが破線で示されている。
【0086】
図14においては、図13における記録媒体20上に形成されるトラッキング用光のスポットの位置を、径方向に、ランド部20Lの幅から記録再生用スポットDSの直径を引いた距離よりも若干短い距離だけ、微小開口を挟んで移動させたものである。なお、ここでは、トラッキング用光TLを切り換えた後も、トラッキング用光TLは、薄膜19によって遮断されることのないようにしている。また、記録媒体20上に生成されるトラッキング用光のスポットの位置の変更、すなわち切り換えは、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を変更することにより実施する。このトラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域の変更は、前述したトラッキング用光調整部2において、トラッキング用光TLの光路をずらし、集光レンズ17へのトラッキング用光TLの入射角度と、集光レンズ17への記録再生用光DLの入射角度とを、相対的に変更することにより達成される。このように、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を切り換えることにより、図14(c)に示すような位置にトラッキング用スポットTSBおよび、記録再生用スポットDSが生成されるため、結果として、図14(d)に示すように、図13(d)において示された記録ピット列DPAとは異なる位置に、記録ピット列DPBが形成される。
【0087】
また、トラッキング用光TLを切り換える前後におけるトラッキング用光のスポットの距離、つまりトラッキング用スポットTSAとトラッキング用スポットTSBとの距離があまりにも近過ぎて、記録ピット列DPA,DPBが重ならないように、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域の切り換えが設定されている。また、図13および図14においては、記録媒体20が固浸レンズSILに対して移動しているかのごとく示されているが、これは、図示の関係上便宜的に図13および図14のように示したもので、実際には、記録媒体20は回転しているのみで、固浸レンズSILが記録媒体20に対して記録媒体20の径方向に移動する。
【0088】
ここでは、図13および図14に示すように、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度と連動した入射領域を切り換えることによって生じる2つのトラッキング用スポットTSA,TSBを切り換えることによって、記録媒体20の1つのランド部20L上に、2列の記録ピット列DPA,DPBを形成することができる。したがって、記録媒体20の径方向についての記録密度を向上させることができる。
【0089】
<4.3. 第4の具体例>
図15〜図18は、光学素子周辺部3の第4の具体例を示す図である。ここでは、図12および図13で示した光学素子周辺部3の第3の具体例と同様な手法によって、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を4段階に切り換えることによって、ランド部20Lに4列の記録ピット列DP1〜DP4を形成する。図15は、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を切り換える前の状態を示しており、図16〜図18は、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を段階的に切り換えた後の状態を示している。したがって、図15〜図18では、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域が若干変更するのみであり、トラッキング用光TLの変更に伴い、記録媒体20上に生成する記録再生用スポットDSおよびトラッキング用スポットTSの位置の変更が生ずる他は、構造上の変化等は全くない。
【0090】
まず、図15について説明する。図13と同様に、図15(a)は、光学素子周辺部3の断面図であり、図15(b)は、固浸レンズSILの底面図であり、図15(c)は、固浸レンズSILから射出される記録再生用の近接場光NPとトラッキング用光TLが形成するスポットと記録媒体20との位置関係を説明する図であり、図15(d)は、記録媒体20に形成される記録ピット列DPAを説明する図である。
【0091】
図15は、図13とほとんど同様であり、図15と図13との相違点は、記録媒体20のランド部20Lの径方向の幅が広くなっている点と、図13では、記録ピット列DPAとしていたものを、図15では、記録ピット列DP1としている点と、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を切り換えた後の記録媒体20上に生成されるトラッキング用スポットTS2,TS3,TS4および記録ピット列DP2,DP3,DP4が破線で示されている点のみである。トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を段階的に切り換えた後の状態については、図16〜図18に示しているので後述することにする。
【0092】
ここでは、記録媒体20におけるランド部20Lの径方向の幅が広くなっているため、図15(d)に示すように、記録ピット列DP1がランド部20Lの半径方向の略中央に形成されず、端のほうに形成される。図15におけるその他の部分については、図13と同様であるので、説明を省略する。
【0093】
次に、図16は、図15からトラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を切り換えた後の状態を説明する図である。図16では、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を切り換えた後に、固浸レンズSILから射出される記録再生用の近接場光NPとトラッキング用光TLとが生成するスポットと記録媒体20との位置関係を説明する図16(a)、および記録媒体20に形成される記録ピット列DP2を説明する図16(b)を示している。
【0094】
図16では、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を切り換えた後に記録媒体20上に生成されるトラッキング用スポットTS2および記録ピット列DP2が実線で示されており、一方、その他のトラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域の切り換えに対応して記録媒体20上に生成されるトラッキング用スポットTS1,TS3,TS4および記録ピット列DP1,DP3,DP4が破線で示されている。
【0095】
また、図16においては、図15において記録媒体20上に生成されるトラッキング用光TLのスポットの位置を、径方向に、記録再生用スポットDSの直径よりも若干長い距離だけ移動させ、さらに、周方向にも若干移動させたものである。なお、ここでは、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を切り換えた後も、トラッキング用光TLは、薄膜19によって遮断されることのないようにしている。また、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を切り換えることにより、図16(a)に示すような位置にトラッキング用スポットTS2および、記録再生用スポットDSが形成されるため、結果として、図16(b)に示すように、図15(d)において示された記録ピット列DP1とは異なる位置に、記録ピット列DP2が形成される。
【0096】
さらに、図16からトラッキング用光TLを切り換えた後の状態を図17および図18に示している。図16から図17への変化および図17から図18への変化は、上述した図15から図16への変化と同様にトラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を段階的に切り換えることにより、図17(a)および図18(a)に示すような位置にトラッキング用スポットTS3,TS4および記録再生用スポットDSが形成されるため、結果として、図17(b)および図18(b)に示すように、図16(b)において示された記録ピット列DP2とはさらに異なる位置に、記録ピット列DP3,DP4が形成される。
【0097】
このように、図15〜図18に示すように、トラッキング用光TLの固浸レンズSILに対する入射角度に連動した入射領域を切り換えることによって生成する4段階のトラッキング用スポットTS1〜TS4を切り換えることによって、記録再生用スポットDSが、グルーブ部20Gを飛び越すことなく、記録媒体20における1つのランド部20L上に、4列の記録ピット列DP1〜DP4を形成することができる。したがって、記録媒体20の径方向についての記録密度をさらに向上させることができる。
【0098】
<4.4. 第5の具体例>
図19は、光学素子周辺部3の第5の具体例を示す図である。ここでは、固浸レンズSILの平面部18Uに設けられた微小開口19Hを形成する薄膜をトラッキング用光透過膜190とし、記録再生用光DLを透過させず、トラッキング用光TLのみを透過させることにより、記録媒体20に対して、近接場光NPによる情報の記録再生およびトラッキング用光TLによるトラッキングを行なう。
【0099】
まず、図19について説明する。図9と同様に、図19(a)は、光学素子周辺部3の断面図であり、図19(b)は、固浸レンズSILの底面図であり、図19(c)は、固浸レンズSILから射出される記録再生用の近接場光NPとトラッキング用光TLが生成するスポットと記録媒体20との位置関係を説明する図であり、図19(d)は、記録媒体20上に形成される記録ピットDPを説明する図である。
【0100】
図19では、図9と同様となる部分が多いため、ここでは、図9と同様な部分については、同じ符号を付し、説明を省略する。図19と図9との相違点は、固浸レンズSILの平面部18Uに形成されるトラッキング用光透過膜190、およびトラッキング用光TLの光路が異なる点であり、また、以上の相違点にともなって、その他の部分についても若干の相違点を生じる。以下、図9と相違する部分について、図19における特徴とあわせて説明する。
【0101】
まず、光学素子周辺部3の第5の具体例の構造について説明する。図19(a)および図19(b)に示すように、固浸レンズSILの平面部18Uには、ほぼ全体に微小開口形成用のトラッキング用光透過膜190が形成され、トラッキング用光透過膜190の中央付近には微小開口19Hが形成される。ここでは、記録再生用光DLとトラッキング用光TLの波長は異なり、トラッキング用光透過膜190は、記録再生用光DLの波長の光を透過させず、トラッキング用光TLの波長の光を透過させる特性を持ち、特定の範囲の波長の光を選択的に透過させるフィルタの役割を果たす。このような特性を持つトラッキング用光透過膜190としては、ダイクロイック膜等がある。
【0102】
次に、図19に示す光学素子周辺部3の第5の具体例における情報の記録再生およびトラッキング動作等の光学的作用について説明する。図19(a)に示すように、微小開口19Hから浸み出した近接場光NPは、記録媒体20のランド部20L上に照射されて、記録再生用スポットDSを生成し、ランド部20L上において記録ピットDPを形成したり、反射光を生じる。また、固浸レンズSILに入射したトラッキング用光TLは、固浸レンズSILの平面部18Uのうち微小開口のある領域において、トラッキング用光透過膜190を透過し、記録媒体20のランド部20L上に照射され、ランド部20L上にトラッキング用スポットTSを発生させ、また、反射光を生じる。
【0103】
図19(c)は、記録媒体20を上から見た図であり、参考のために固浸レンズSILの位置を破線で示している。近接場光NPによる記録再生用スポットDSはランド部20L上に生成し、トラッキング用光TLによるトラッキング用スポットTSもランド部20L上に生成する。ここでは、トラッキング用スポットTSと記録再生用スポットDSの生じる位置は同一となっている。したがって、記録媒体20において、情報の記録再生を行う位置と、トラッキングを行う位置とが同一となるため、精度良くトラッキングを行うことができる。
【0104】
また、図19(d)は、記録媒体20に形成される記録ピットDPを示している。ここでは、精度良くトラッキングを行うことができるだけでなく、微小開口19Hにおいて発生した近接場光NPによって、微小な記録再生用スポットDSが得られるため、記録ピットDPも比較的微小なピットとすることが可能であり、また、ランド部20L上の同一位置で情報の記録再生およびトラッキングを行なうため、記録媒体20におけるグルーブ部20Gの径方向への幅を狭くすることが可能である。したがって、ランド部20L上における記録ピットDP同士の間隔(周方向のピッチ)を狭くすることができ、また、グルーブ部20Gの幅を狭くすることによって、ランド部20L同士の間隔(周方向へのピッチ)を狭くすることが可能であるため、記録密度を向上させることができる。
【0105】
図20は、トラッキング用光透過膜190に対するトラッキング用光TLの波長(λ1(TL))および記録再生用光DLの波長(λ2(DL))の透過特性を示す概念図である。
【0106】
図20(a)は、トラッキング用光TLの波長の方が、記録再生用光DLの波長よりも長い場合であり、トラッキング用光TLの透過率をαとする。このとき、記録再生用光DLの波長を比較的短く設定することができるため、より小さいスポットがえられ、微小開口19Hにおいて発生する近接場光NPのスループットを向上させることができる。
【0107】
また、図20(b)は、トラッキング用光TLの波長の方が、記録再生用光DLの波長よりも短い場合であり、トラッキング用光TLの透過率をβとする。このとき、トラッキング用光TLの波長を比較的短く設定することができるため、図20(a)に示す場合よりも、記録媒体20のランド部20L上に生成するトラッキング用スポットTSを小さくすることができる。したがって、ランド部20Lの径方向への幅を狭くすることができるため、さらに記録密度を向上させることができる。
【0108】
<5. 具体例の組み合わせ>
以上、光発生部1の第1および第2の具体例、トラッキング用光調整部2の第1〜第5の具体例、および光学素子周辺部3の第1〜第5の具体例について説明した。そして、光発生部1の第1または第2の実施例のうちの任意の1つと、トラッキング用光調整部2の第1〜第5の具体例のうちの任意の1つと、光学素子周辺部3の第1〜第5の具体例のうちの任意の1つとを組み合わせることによって、この発明の種々の実施形態を構成することができる。ただし、トラッキング用光調整部2の第1、第2および第4の具体例と、光学素子周辺部3の第2の具体例との組み合わせは以下の理由により除外される。
【0109】
トラッキング用光調整部2の第1、第2または第4の具体例では、トラッキング用光TLの光束の発散または収束角度を変更することができないので、トラッキング用光TLの光束の発散または収束角度の変更を利用する光学素子周辺部3の第2の具体例に対して、トラッキング用光調整部2の第1、第2または第4の具体例は適用することができない。
【0110】
以上説明したように、光学素子周辺部3の第5の具体例を含む実施形態を除き、
高屈折率媒質によって形成される本体部18と、微小開口19Hが形成された微小開口領域とから構成される光学素子において、微小開口領域の周辺の外部にてトラッキングパターンを検出するためのトラッキング用光TLを透過させ、微小開口19Hにおいて近接場光NPを発生させることにより、高分解能にあるいは高密度に情報の記録又は再生を行うことができる。また、光学素子において、微小開口19Hとトラッキング用光が透過する位置とを近くに設定することができ、結果として記録媒体20におけるトラッキングおよび記録再生を行う位置を近くにすることができるため、正確なトラッキングが可能となる。さらに、微小開口領域の周辺の外部においてトラッキング用光が透過するため、微小開口領域の材料選択の自由度が高くなり、微小開口領域の遮光性を向上させることができ、結果として近接場光NPによる記録媒体20におけるスポット径の縮小や、微小開口19Hにおける記録再生用の光のスループットの向上を達成することが可能となる。
【0111】
また、光学素子周辺部3の第5の具体例を含む実施形態については、トラッキングパターンを検出するためのトラッキング用光TLを選択的に透過させるフィルタに近接場光NPを発生させるための微小開口19Hを形成し、微小開口19Hにおいて近接場光NPを発生させることにより、高分解能にあるいは高密度に情報の記録又は再生を行うことができる。さらに、微小開口19Hとトラッキング用光TLとが透過する位置を同一とすることができるため、結果として記録媒体20におけるトラッキングおよび記録再生を行う位置を同一とすることができ、正確なトラッキングが可能となる。
【0112】
<6. 変形例>
<6.1. 固浸ミラー>
以上に示した実施形態では、近接場光NPを発生させる光学素子として、固浸レンズSILを用いた例について説明したが、近接場光NPを発生させる光学素子として固浸ミラーSIMを用いても良い。ここでは、固浸ミラーSIMを用いた具体例を図21〜図30に示している。固浸ミラーSIMを用いる場合は、固浸ミラーSIMそれ自体が集光作用を示すため、第1集光レンズ17を設ける必要性がないので、以下の固浸ミラーSIMを用いる場合の説明では、第1集光レンズ17を除いたものについて説明する。
【0113】
図21〜図25は、図9に示す固浸レンズSILと第1集光レンズ17とを組み合わせたものと同様な作用を奏する固浸ミラーSIMを示した図であり、また、図26〜図30は、図19に示す固浸レンズSILと第1集光レンズ17とを組み合わせたものと同様な作用を奏する固浸ミラーSIMを示した図である。そして、図21(a)、図22(a)、図23(a)、図24(a)、図25(a)、図26(a)、図27(a)、図28(a)、図29(a)、図30(a)は固浸ミラーSIMの断面図、図21(b)、図22(b)、図23(b)、図24(b)、図25(b)、図26(b)、図27(b)、図28(b)、図29(b)、図30(b)は固浸ミラーSIMの底面図、図21(c)、図22(c)、図23(c)、図24(c)、図25(c)、図26(c)、図27(c)、図28(c)、図29(c)、図30(c)は固浸ミラーSIMの上面図を示している。
【0114】
<6.1.1. 固浸ミラーの第1の具体例>
まず、図21に示す固浸ミラーSIMについて説明する。図21では、固浸ミラーSIMは、ランタンシリカ系ガラスや鉛シリカ系ガラス等の高屈折率物質によって構成された本体部180を有し、本体部180の上面側である第1面180Sは凸面状に形成され、下面側である第2面180Uは略平面状に形成される。第1面180Sの中央部には固浸ミラーSIMの内部で光を反射させるための反射膜MI1が形成されている。また、第2面180Uにも固浸ミラーSIMの内部で光を反射させるための反射膜MI2が形成されており、その反射膜MI2のほぼ中央位置に微小開口19Hが形成され、また、微小開口19Hから少し離れた位置にトラッキング用開口180Hが形成される。なお、微小開口19Hおよびトラッキング用開口180H周辺部の反射膜MI2は反射のためではなく、遮光のために用いられている。反射膜MI1,MI2はAl,Au,Ag,Cu,Ni等の金属材料を用いて周知のスパッタ法等の薄膜技術により形成される。
【0115】
固浸ミラーSIMの第1面180Sに平行光である記録再生用光DLを入射させると、第1面180Sの反射膜MI1が形成されていない周縁部分から固浸ミラーSIM内部に入射する。固浸ミラーSIMの内部に入射した光は第2面180Uに形成された反射膜MI2で反射し、さらに第1面180Sに形成された反射膜MI1で反射する。この結果、固浸ミラーSIMに入射した記録再生用光DLは、第2面180Uの略中央部上に集光され、その光スポットは空気中に形成されるスポットに比べて微小なスポットとなる。そして、スポットの形成されている位置に固浸ミラーSIMの第2面180Uに形成された微小開口19Hがあると、微小開口19Hから微小な光スポットの近接場光NPが下方側に浸み出すこととなる。
【0116】
トラッキング用光TLについては、記録再生用光DLに対して少し光束を傾けて、固浸ミラーSIMの第1面180Sに入射させると、記録再生用光DLと同様な反射を示した後に、第2面180Uに形成されたトラッキング用開口180Hを透過して固浸ミラーSIMの外部に射出する。ここでは、記録媒体20に対する記録再生用スポットDS、トラッキング用スポットTS、および記録ピットDPの生成については、図9に示す場合と全く同様となるため、ここでは省略する。
【0117】
<6.1.2. 固浸ミラーの第2〜第5の具体例>
図22〜図25には、図21に示す固浸ミラーSIMをさらに変形させた例を示している。図22〜図25に示す固浸ミラーSIMは、図21に示す固浸ミラーSIMと同質の材料で構成されている。また、構造についても、全て、図21に示す固浸ミラーSIMと同様に、固浸ミラーSIMの下面側である第2面180Uには、反射膜(遮光膜)M12が形成されており、図23に示す固浸ミラーSIMを除いて、その反射膜(遮光膜)MI2のほぼ中央位置に微小開口19Hが形成され、また、微小開口19Hから少し離れた位置にトラッキング用開口180Hが形成される。図23に示す固浸ミラーSIMについては、反射膜MI2の中央から少しずれた位置に微小開口19Hが形成され、また、微小開口19Hから少し離れた位置にトラッキング用開口180Hが形成される。なお、図21〜図25に示す固浸ミラーSIMにおける微小開口19Hとトラッキング用開口180Hとの位置関係は、全て同様とする。さらに、ここでは、記録再生用スポットDS、トラッキング用スポットTS、および記録ピットDPの形成については、図21に示す場合と全く同様となる。そこで、ここでは、図21と同様な部分については同じ符号を付しており、説明を省略する。
【0118】
図22〜図25に示す固浸ミラーSIMの構造は、図21に示す固浸ミラーSIMの構造とは、若干異なり、この構造の相違に伴って、記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの光路も若干異なる。以下に、それぞれの相違点とあわせて特徴について簡単に説明する。
【0119】
<6.1.3. 固浸ミラーの第2の具体例>
図22に示す固浸ミラーSIMは、本体部180の上面側である第1面180Sは回転楕円体状に形成され、略中央部に凹面部180Dが形成されている。また、下面側である第2面180Uは略平面状に形成される。第1面180Sの窪み部180Dを除く部分には固浸ミラーSIMの内部で光を反射させるための反射膜MI1が形成されている。また、第2面180Uにも固浸ミラーSIMの内部で光を反射させるための反射膜MI2が形成されている。したがって、ここでは、固浸ミラーSIMの第1面180Sに平行光である記録再生用光DLを入射させると、第1面180Sの反射膜MI1が形成されていない窪み部180Dから固浸ミラーSIM内部に入射する。その後は、図21における説明と同様に、固浸ミラーSIMの内部で反射し、結果として、微小開口19Hから、近接場光NPが下方側に浸み出すこととなる。また、トラッキング用光TLについても、記録再生用光DLに対して少し光束を傾けて、固浸ミラーSIMの第1面180Sにトラッキング用光TLを入射させると、記録再生用光DLと同様な反射を示した後に、第2面180Uに形成されたトラッキング用開口180Hを透過して固浸ミラーSIMの外部に射出する。ここでは、固浸ミラーSIMの構造上、第2面180Uにおいてスポットを形成する記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの開口数は大きくなり、微小開口19Hにおける記録再生用の光のスループットの向上が達成可能となる。また、記録媒体20上に形成するトラッキング用光TLのスポットを小さくすることができる。
【0120】
<6.1.4. 固浸ミラーの第3の具体例>
図23に示す固浸ミラーSIMは、本体部180の上面側である第1面180Sは回転放物面状に形成され、下面側である第2面180Uは略平面状に形成され、側面部である第3面180Wは略平面状に形成されている。第1面180Sの全体には固浸ミラーSIMの内部で光を反射させるための反射膜MI1が形成されている。また、第2面180Uには光を遮光するための遮光膜MI2が形成されている。ここでは、固浸ミラーSIMの第3面180Wにおいて、平行光である記録再生用光DLが固浸ミラーSIM内部に入射すると、固浸ミラーSIMの内部に入射した光は第1面180Sに形成された反射膜MI1で反射する。この結果、固浸ミラーSIMに入射した記録再生用光DLは、第2面180U上に形成された微小開口19H上に集光され、近接場光NPが下方側に浸み出すこととなる。また、トラッキング用光TLについても、記録再生用光DLに対して少し光束を傾けて、固浸ミラーSIMの第3面180Wに入射させると、記録再生用光DLと同様な反射を示した後に、第2面180Uに形成されたトラッキング用開口180Hを通して固浸ミラーSIMの外部に射出する。図23では、図3に示す記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの光学素子周辺部3に対する入射方向と記録媒体20との位置関係が異なっているが、ここでは、記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの光学素子に対する入射方向が記録媒体20の径方向に対してほぼ平行となるように情報記録再生装置A全体が配置されているものとする。したがって、ここでは、記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの光学素子周辺部3に対する入射方向を記録媒体20の径方向とほぼ平行とすることができる。
【0121】
<6.1.5. 固浸ミラーの第4の具体例>
図24に示す固浸ミラーSIMは、本体部180の上面側である第1面180Sは略平面状に形成され、下面側である第2面180Uは回転放物面状に形成される。第1面180Sの中央部には固浸ミラーSIMの内部で光を反射させるための反射膜MI1が形成されている。また、第2面180Uにも固浸ミラーSIMの内部で光を反射させるための反射膜MI2が形成されている。したがって、ここでは、固浸ミラーSIMの第1面180Sに平行光である記録再生用光DLを入射させると、第1面180Sの反射膜MI1が形成されていない周縁部分から固浸ミラーSIM内部に入射する。その後は、図21における説明と同様に、固浸ミラーSIMの内部で反射し、結果として、微小開口19Hから、近接場光NPが下方側に浸み出すこととなる。また、トラッキング用光TLについても、記録再生用光DLに対して少し光束を傾けて、固浸ミラーSIMの第1面180Sにトラッキング用光TLを入射させると、記録再生用光DLと同様な反射を示した後に、第2面180Uに形成されたトラッキング用開口180Hを透過して固浸ミラーSIMの外部に射出する。なお、第2面180Uにおいて、微小開口19Hおよびトラッキング用開口180Hが形成されている部分は、記録媒体20の表面に対して平行な面としても良い。ここでは、固浸ミラーSIMの第2面180Uを回転放物面状とすることにより、図21に示す固浸ミラーSIMと比較して、第2面180Uが記録媒体20に接近する部分が少なくなるため、固浸ミラーSIMの取り付け精度が緩和される。
【0122】
<6.1.6. 固浸ミラーの第5の具体例>
図25に示す固浸ミラーSIMは、本体部180の上面側である第1面180Sは略平面状に形成され、下面側である第2面180Uは略平面状に形成され、側面である第3面180Wは回転放物面状に形成される。ここでは、第1面180Sは、第2面180Uよりも面積が相対的に大きくなっている。第2面180Uには光を遮光するための遮光膜MI2が形成され、第3面180Wには固浸ミラーSIMの内部で光を反射させるための反射膜MI3が形成されている。したがって、ここでは、固浸ミラーSIMの第1面180Sに平行光である記録再生用光DLを入射させると、第3面180Wで反射し、第2面180Uに形成されている微小開口19Hに集光する。なお、固浸ミラーSIMの入射光は、遮光部材150によって、光束の中央部が遮光され、本体部に入射する光は全て固浸ミラーSIMの第3面180Wで反射し、微小開口19Hに集光する。また、入射する平行光に対して、複数回反射させることにより、リング状の光束断面に変換する光学部材を使えば、光束を有効に使うことができる。ここでも、微小開口19Hに記録再生用光DLが集光されるため、微小開口19Hから、近接場光NPが下方側に浸み出すこととなる。また、トラッキング用光TLについても、記録再生用光DLに対して少し光束を傾けて、固浸ミラーSIMの第1面180Sにトラッキング用光TLを入射させると、記録再生用光DLと同様な反射を示した後に、第2面180Uに形成されたトラッキング用開口180Hを透過して固浸ミラーSIMの外部に射出する。ここでは、固浸ミラーSIMの構造上、第2面180Uにおいてスポットを形成する記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの開口数は大きくなり、微小開口19Hにおける記録再生用光のスループットトの向上が達成可能となる。また、記録媒体20上に形成するトラッキング用光TLのスポットを小さくすることができる。
【0123】
<6.1.7. 固浸ミラーの第6の具体例>
図26に示す固浸ミラーSIMでは、図21に示す固浸ミラーSIMと同様な部分が多く、異なる点は、固浸ミラーSIMの下面部である第2面180Uと、この相違点に伴うトラッキング用光TLの光路の変化のみである。また、ここでは、固浸ミラーSIMに入射する記録再生用光DLとトラッキング用光TLの波長は異なるものとする。なお、図26においては、図21と同様な部分については、同じ符号を付しており、説明を省略する。
【0124】
図26に示す固浸ミラーSIMの下面側である第2面180Uには、第2面180Uのほぼ中央の部分を除いて、固浸ミラーSIMの内部で光を反射させるための反射膜MI2が形成されており、第2面のほぼ中央の部分、つまり反射膜MI2の形成されていない部分にトラッキング用光透過膜190が形成されている。さらに、トラッキング用光透過膜190のほぼ中央部には、微小開口19Hが形成される。トラッキング用光透過膜190は、上述したように、光の波長によって選択的に透過させる特性を有しており、特定の範囲の波長の光を選択的に透過させるフィルタの役割を果たすダイクロイック膜等によって形成されている。ここでは、トラッキング用光透過膜190は、記録再生用光DLの波長の光を透過させないが、トラッキング用光TLの波長の光を透過させる。
【0125】
次に、トラッキング用光TLについて説明する。記録再生用光DLに対してほぼ平行に、固浸ミラーSIMの第1面180Sにトラッキング用光TLを入射させると、第1面180Sの反射膜MI1が形成されていない周縁部分から固浸ミラーSIM内部に入射する。固浸ミラーSIMの内部に入射した光は第2面180Uに形成された反射膜MI2で反射し、さらに第1面180Sに形成された反射膜MI1で反射する。この結果、固浸ミラーSIMに入射したトラッキング用光TLは、第2面180Uの中央部付近に形成されたトラッキング用光透過膜190を透過して、固浸ミラーSIMの外部に射出する。ここでは、記録媒体20に対する記録再生用スポットDS、トラッキング用スポットTS、および記録ピットDPの形成については、図19に示す場合と全く同様となるため、ここでは省略する。なお、固浸ミラーSIMの屈折率は、トラッキング用光TL等の波長によって異なるため、固浸ミラーSIMに入射するトラッキング用光TLの光束の発散または収束角度は、トラッキング用光TLおよび記録再生用光DLの波長によって異なる。
【0126】
<6.1.8. 固浸ミラーの第7〜第10の具体例>
図27〜図30には、図26に示す固浸ミラーSIMをさらに変形させた例を示している。図27〜図30に示す固浸ミラーSIMは、図26に示す固浸ミラーSIMと同質の材料で構成されている。また、構造についても、図28および図30に示す固浸ミラーSIMを除いて、図26に示す固浸ミラーSIMと同様に、固浸ミラーSIMの下面側である第2面180Uには、第2面180Uのほぼ中央の部分を除いて、固浸ミラーSIMの内部で光を反射させるための反射膜MI2が形成されており、第2面のほぼ中央の部分、つまり反射膜MI2の形成されていない部分にトラッキング用光透過膜190が形成されている。さらに、トラッキング用光透過膜190のほぼ中央部には、微小開口19Hが形成される。図28に示す固浸ミラーSIMについては、第2面180Uの全体がトラッキング用光透過膜190に覆われており、トラッキング用光透過膜190の略中央付近から少しずれた位置に微小開口19Hが形成される。図30に示す固浸ミラーSIMについては、第2面180Uの全体にトラッキング用光透過膜190が形成されており、トラッキング用光透過膜190のほぼ中央に微小開口19Hが形成される。
【0127】
また、第2面180Uを除く固浸ミラーSIMの構造については、図27〜図30に示す具体例は、図22〜図25に示す具体例と全く同様となるため、同じ符号を付し、ここでは、説明を省略する。しかし、図27〜図30に示す固浸ミラーSIMの構造と、図22〜図25に示す固浸ミラーSIMの構造とは、第2面180Uが異なるため、この構造の相違に伴って、トラッキング用光TLの光路が若干異なる。以下に、それぞれの記録再生用光DLとトラッキング用光TLの光路および特徴について簡単に説明する。なお、記録媒体20に対する記録再生用スポットDS、トラッキング用スポットTS、および記録ピットDPの形成については、図26つまり図19に示す場合と全く同様となる。
【0128】
<6.1.9. 固浸ミラーの第7の具体例>
図27に示すように、固浸ミラーSIMの第1面180Sに平行光である記録再生用光DLを入射させると、第1面180Sの反射膜MI1が形成されていない窪み部180Dから固浸ミラーSIM内部に入射する。その後は、図22における説明と同様に、固浸ミラーSIMの内部で反射し、結果として、微小開口19Hから、近接場光NPが下方側に浸み出すこととなる。また、記録再生用光DLに対してほぼ平行に、固浸ミラーSIMの第1面180Sにトラッキング用光TLを入射させると、第1面180Sの反射膜MI1が形成されていない窪み部180Dから固浸ミラーSIM内部に入射し、記録再生用光DLと同様な反射を示した後に、第2面180Uに形成されたトラッキング用光透過膜190を透過して固浸ミラーSIMの外部に射出する。ここでは、固浸ミラーSIMの構造上、第2面180Uにおいてスポットを形成する記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの開口数は大きくなり、微小開口19Hにおける記録再生用の光のスループットの向上が達成可能となる。また、記録媒体20上に生成するトラッキング用光TLのスポットを小さくすることができる。
【0129】
<6.1.10. 固浸ミラーの第8の具体例>
図28に示すように、固浸ミラーSIMの第3面180Wに平行光である記録再生用光DLを固浸ミラーSIM内部に入射すると、図22における説明と同様に、固浸ミラーSIMの内部で反射し、微小開口19Hによって、近接場光NPが下方側に浸み出すこととなる。また、記録再生用光DLに対してほぼ平行に、固浸ミラーSIMの第3面180Wにトラッキング用光TLを入射させると、記録再生用光DLと同様な反射を示した後に、第2面180Uに形成されたトラッキング用光透過膜190のうち微小開口19Hのある領域を透過して固浸ミラーSIMの外部に射出する。図28では、図3に示す記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの光学素子に対する入射方向と記録媒体20との位置関係が異なっているが、ここでは、記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの光学素子に対する入射方向が記録媒体20の径方向に対してほぼ平行となるように情報記録再生装置A全体が配置されているものとする。したがって、ここでは、記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの光学素子周辺部3に対する入射方向を記録媒体20の径方向とほぼ平行とすることができる。
【0130】
<6.1.11. 固浸ミラーの第9の具体例>
図29に示すように、固浸ミラーSIMの第1面180Sに平行光である記録再生用光DLを入射させると、第1面180Sの反射膜MI1が形成されていない周縁部から固浸ミラーSIM内部に入射する。その後は、図24における説明と同様に、固浸ミラーSIMの内部で反射し、結果として、微小開口19Hから、近接場光NPが下方側に浸み出すこととなる。また、記録再生用光DLに対してほぼ平行に、固浸ミラーSIMの第1面180Sにトラッキング用光TLを入射させると、記録再生用光DLと同様な反射を示した後に、第2面180Uに形成されたトラッキング用光透過膜190を透過して固浸ミラーSIMの外部に射出する。なお、第2面180Uにおいて、トラッキング用光透過膜190のある部分は、記録媒体20に対して平行な面としても良い。ここでは、固浸ミラーSIMの第2面180Uを回転放物面状とすることにより、図26に示す固浸ミラーSIMと比較して、第2面180Uが記録媒体20に接近する部分が少なくなるため、固浸ミラーSIMの取り付け精度が緩和される。
【0131】
<6.1.12. 固浸ミラーの第10の具体例>
図30に示すように、固浸ミラーSIMの第1面180Sに平行光である記録再生用光DLを入射させると、図25における説明と同様な反射を示し、微小開口19H上に記録再生用光DLが集光されるため、微小開口19Hから、近接場光NPが下方側に浸み出すこととなる。また、記録再生用光DLに対してほぼ平行に、固浸ミラーSIMの第1面180Sにトラッキング用光TLを入射させると、記録再生用光DLと同様な反射を示した後に、第2面180Uに形成されたトラッキング用光透過膜190を透過して固浸ミラーSIMの外部に射出する。ここでは、固浸ミラーSIMの構造上、第2面180Uにおいてスポットを形成する記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLの開口数は大きくなり、微小開口19Hにおける記録再生用の光のスループットの向上が達成可能となる。また、記録媒体20上に形成するトラッキング用光TLのスポットを小さくすることができる。
【0132】
なお、固浸ミラーSIMを用いた光学素子は、以上に示す具体例に限られるものではなく、例えば、図10に示す固浸レンズSILと第1集光レンズ17とを組み合わせたものと同様な作用を奏する固浸ミラーSIM等であっても良い。
【0133】
<7. その他>
上述した実施形態においては、記録媒体20上にトラッキング用スポットTSを生じる光は全て伝搬光であったが、これに限られるものではなく、上述した実施形態において、トラッキング用光TLが光学素子の底面を透過する位置に対して、トラッキング用光TLを集光するようにし、全反射光による近接場光を記録媒体20の方向に発生させ、この近接場光を記録媒体20に対するトラッキングを行うための光として用いても良い。なお、このとき、光学素子の底面に集光するトラッキング用光TLは、光学素子の底面で全反射する光のみからなるものとする。
【0134】
また、図10〜図12に示した、光学素子周辺部3の第2の具体例では、図10と図11とに示した状態を組合せた場合について説明したが、これに限られるものではなく、両方の状態を組合すことなく図10の状態と図11の状態とを別々の光学素子周辺部3の具体例としても良い。
【0135】
また、図13および図14に示した、光学素子周辺部3の第3の具体例等では、図2に示すような同じ光源から記録再生用光DLおよびトラッキング用光TLを得ている場合は、回折格子12において生じた+1次回折光のみをトラッキング用光TLとして使用しており、トラッキング用光TLが固浸レンズSILに入射する位置を変化させるために、トラッキング用光調整部2において、トラッキング用光TLの光路をずらしているが、これに限られるものではなく、回折格子12において生じる−1次回折光をもう1つのトラッキング用光TLとして使用し、2つのトラッキング用光(+1次回折光、−1次回折光)を切り換えて使用するような構成としても良い。
【0136】
また、以上の実施形態においては、記録媒体20は、円盤状であり、トラッキング制御のためのトラッキングパターンはランド部20Lおよびグルーブ部20Gとによる凹凸によって形成されており、ランド部20Lとグルーブ部20Gとが、径方向に交互に同心円状または螺旋状に配置されていたが、これに限られるものではなく、記録媒体20は、四角形の盤状のものなど他の形状でも良く、トラッキングパターンは、直線状のランド部20Lおよびグルーブ部20Gとによる凹凸を一定方向に配置したもの等でも良い。
【0137】
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0138】
(1) 近接場光を用いて、トラッキングパターンを有する記録媒体に対して情報を記録又は記録媒体に記録された情報の再生を行う情報記録再生装置であって、
(a) 第1と第2の光を供給する光供給手段と、
(b) 前記第1と第2の光を受けて、前記トラッキングパターンを検出するためのトラッキング光と、前記近接場光と、をそれぞれ発生する光学系と、
を備え、
前記光学系が、
微小開口が形成された微小開口領域と、
前記微小開口領域の周辺の外部に存在して前記第1の光に対する透過性を有する透過領域と、
前記第1の光を前記透過領域に導いて前記トラッキング光を発生するとともに、前記第2の光を前記微小開口に導いて前記近接場光を発生する単一の集光要素と、
を備えるとともに、
前記光供給手段が、
前記光学系への入射する際の前記第1の光の収束または発散角度を段階的に変化させることにより、前記微小開口と前記トラッキング光の収束深さとの相対的距離関係を複数の距離関係に段階的に変更可能な光学調整手段、
を備えることを特徴とする情報記録再生装置。
【0139】
この構成により、トラッキングパターンの形状に応じて、トラッキング用スポットの生成される厚さ方向の位置を変化させることができるため、記録媒体のトラッキングが可能な領域を増加させることができる。さらに、微小開口で発生する近接場光によるスポットを小さくして、記録媒体に対する記録密度を向上させることもできる。
【0140】
(2) 請求項10の発明において、第1の光が微小開口を含む領域範囲を透過してトラッキング光が発生されることを特徴とする情報記録再生装置。
【0141】
この構成により、記録媒体において、近接場光のスポットとトラッキング用のスポットとを同一の位置に形成することができる。
【0142】
(3) 請求項10の発明において、トラッキング光のスポットが前記近接場光の発生範囲に形成されることを特徴とする情報記録再生装置。
【0143】
この構成により、正確なトラッキングが可能となり、かつ微小開口で発生する近接場光によるスポットが小さくなるので、記録密度が向上する。
【0144】
(4) (3)の構成を有する情報記録再生装置において、
第1の光の波長が第2の光の波長よりも相対的に長いことを特徴とする情報記録再生装置。
【0145】
この構成により、微小開口における記録再生用の光のスループットを増大させることができ、より高分解能でかつ高速な記録再生が可能となる。
【0146】
(5) (3)の構成を有する情報記録再生装置において、
第2の光の波長が第1の光の波長よりも相対的に長いことを特徴とする情報記録再生装置。
【0147】
この構成により、トラッキング光のスポットが小さくなり、記録媒体におけるトラッキングを行う領域を狭くすることができるため、記録密度を向上させることができる。
【0148】
(6) 請求項3の発明において、
固浸レンズをさらに備え、
前記固浸レンズは、
微小開口領域と、透過領域とを備えることを特徴とする光学系。
【0149】
固浸レンズの使用によって、第1または第2の光の波長が縮小するため、トラッキング用の光のスポット径の縮小や、微小開口における記録再生用の光のスループットを増大させることができる。
【0150】
(7) 請求項3の発明において、
単一の集光要素は、固浸ミラーであり、
前記固浸ミラーは、
微小開口領域と、透過領域とを備えることを特徴とする光学系。
【0151】
固浸ミラーの使用によって、第1または第2の光の波長を縮小し、開口数を大きくすることができるため、トラッキング用の光のスポット径の縮小や、微小開口における記録再生用の光のスループットを増大させることができる。
【0152】
(8) 請求項1の発明において、
高屈折率媒質によって形成された本体部が固浸レンズであることを特徴とする光学素子。
【0153】
固浸レンズの使用によって、光の波長を縮小させることができるため、トラッキング用の光のスポット径の縮小や、微小開口における記録再生用の光のスループットを増大させることができる。
【0154】
(9) 請求項1の発明において、
高屈折率媒質によって形成された本体部が固浸ミラーであることを特徴とする光学素子。
【0155】
固浸ミラーの使用によって、第1または第2の光の波長を縮小し、開口数を大きくすることができるため、トラッキング用の光のスポット径の縮小や、微小開口における記録再生用の光のスループットを増大させることができる。
【0156】
(10) 請求項2の発明において、
フィルタを支持する支持体が固浸レンズであることを特徴とする光学素子。
【0157】
固浸レンズの使用によって、光の波長を縮小させることができるため、トラッキング用の光のスポット径の縮小や、微小開口における記録再生用の光のスループットを増大させることができる。
【0158】
(11) 請求項2の発明において、
フィルタを支持する支持体が固浸ミラーであることを特徴とする光学素子。
【0159】
固浸ミラーの使用によって、第1または第2の光の波長を縮小し、開口数を大きくすることができるため、トラッキング用の光のスポット径の縮小や、微小開口における記録再生用の光のスループットを増大させることができる。
【0163】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、単一の集光要素によって、トラッキングパターンを検出するための第1の光を微小開口が形成された微小開口領域の周辺の外部に導いて透過させ、近接場光を発生させるための第2の光を微小開口に導くことによって、微小開口において発生する近接場光により、高分解能にあるいは高密度に情報の記録又は再生を行うことができる。また、微小開口と第1の光が透過する位置とを近くに設定することができ、結果として記録媒体におけるトラッキングおよび記録再生を行う位置を近くに設定することができるため、正確なトラッキングが可能となる。さらに、微小開口領域の周辺の外部を第1の光が透過するため、微小開口領域の材料選択の自由度が高くなり、微小開口領域の遮光性を向上させることができ、結果として近接場光による記録媒体におけるスポット径の縮小や、微小開口における記録再生用の光のスループットの向上を達成することが可能となる。
【0164】
また、請求項2の発明によれば、トラッキングパターンを検出するための第1の光を光学系に与える角度と、近接場光を発生させるための第2の光を光学系に与える角度とを、相対的に変更することによって、記録媒体の異なる位置に近接場光のスポットとトラッキング光のスポットを形成することができる。
【0165】
また、請求項3の発明によれば、記録媒体において、所定方向に配置された相互に区別される第1の領域と第2の領域とに、それぞれ、トラッキング光のスポットと、近接場光のスポットとを生成させることによって、記録媒体の第2の領域の幅を微小開口において発生する近接場光のスポットの大きさ程度の微小開口程度に狭めることができ、記録媒体における記録密度を向上させることができる。
【0166】
また、請求項4の発明によれば、微小開口と第1の光からトラッキング光が発生する位置との相対的位置関係を複数の位置関係に段階的に変更することによって、記録媒体における近接場光のスポットとトラッキング光のスポットとの距離を段階的に変化させることができる。
【0167】
また、請求項5の発明によれば、記録媒体において、所定方向に配置された相互に区別される第1の領域と第2の領域とに、それぞれ、トラッキング光のスポットと、近接場光のスポットとを生成させ、トラッキング光のスポットと近接場光のスポットとの相対的位置関係を複数の位置関係に段階的に変化させることによって、第2の領域の所定方向における近接場光の位置を第1の領域を飛び越すことなく変化させることにより、記録媒体の第2の領域における記録密度を向上させることができる。
【0168】
また、請求項6の発明によれば、光学系に入射する第1の光の収束および発散の角度を段階的に変化させることにより、トラッキング光のスポットが形成される収束深さを種々変更することができるため、トラッキングパターンの形状にかかわらず、トラッキング可能な領域を増加させることができる。
【0169】
また、請求項7に記載の発明によれば、トラッキングパターンを検出するための第1の光を選択的に透過させるフィルタに近接場光を発生させるための微小開口を形成させ、微小開口において近接場光を発生させることによって、高分解能にあるいは高密度に情報の記録又は再生を行うことができる。さらに、微小開口の位置と第1の光が透過する位置とを同一とすることができ、結果として記録媒体におけるトラッキングおよび記録再生を行う位置を同一とすることができるため、正確なトラッキングが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態の一例である情報記録再生装置Aを概念的に示した図である。
【図2】 図1に示す情報記録再生装置Aの一部の詳細を示す図である。
【図3】図1に示す情報記録再生装置Aの一部の詳細を示す図である。
【図4】光発生部1の第2の具体例を示す図である。
【図5】トラッキング用光調整部2の第2の具体例を示す図である。
【図6】トラッキング用光調整部2の第3の具体例を示す図である。
【図7】トラッキング用光調整部2の第4の具体例を示す図である。
【図8】トラッキング用光調整部2の第5の具体例を示す図である。
【図9】光学素子周辺部3の第1の具体例を示す図である。
【図10】光学素子周辺部3の第2の具体例を示す図である。
【図11】光学素子周辺部3の第2の具体例を示す図である。
【図12】光学素子周辺部3の第2の具体例を示す図である。
【図13】光学素子周辺部3の第3の具体例を示す図である。
【図14】光学素子周辺部3の第3の具体例を示す図である。
【図15】光学素子周辺部3の第4の具体例を示す図である。
【図16】光学素子周辺部3の第4の具体例を示す図である。
【図17】光学素子周辺部3の第4の具体例を示す図である。
【図18】光学素子周辺部3の第4の具体例を示す図である。
【図19】光学素子周辺部3の第5の具体例を示す図である。
【図20】光学素子周辺部3の第5の具体例を説明する図である。
【図21】固浸ミラーSIMの第1の具体例を示す図である。
【図22】固浸ミラーSIMの第2の具体例を示す図である。
【図23】固浸ミラーSIMの第3の具体例を示す図である。
【図24】固浸ミラーSIMの第4の具体例を示す図である。
【図25】固浸ミラーSIMの第5の具体例を示す図である。
【図26】固浸ミラーSIMの第6の具体例を示す図である。
【図27】固浸ミラーSIMの第7の具体例を示す図である。
【図28】固浸ミラーSIMの第8の具体例を示す図である。
【図29】固浸ミラーSIMの第9の具体例を示す図である。
【図30】固浸ミラーSIMの第10の具体例を示す図である。
【符号の説明】
1 光発生部
2 トラッキング用光調整部
3 光学素子周辺部
4 光記録媒体収容部
19 薄膜
19H 微小開口
20 記録媒体
20L ランド部
20G グルーブ部
23 第1レンズ
24 第2レンズ
50 可動式平行平板
51 回動軸棒
180H トラッキング用開口
190 トラッキング用光透過膜
240 可動式レンズ
241 連結棒
242 支持駆動部
A 情報記録再生装置
DL 記録再生用光
DS 記録再生用スポット
DP 記録ピット
TL トラッキング用光
TS トラッキング用スポット
CONT トラッキング制御部
OS 外部出力装置
M 近接場光発生装置駆動装置
MO レンズ駆動制御部
MR 回動モーター制御部
NE 近接場光発生装置
SIL 固浸レンズ
SIM 固浸ミラー
Claims (7)
- 近接場光を用いて、トラッキングパターンを有する記録媒体に対して情報を記録又は記録媒体に記録された情報の再生を行う情報記録再生装置であって、
(a) 第1と第2の光を供給する光供給手段と、
(b) 前記第1と第2の光を受けて、前記トラッキングパターンを検出するためのトラッキング光と、前記近接場光と、をそれぞれ発生する光学系と、
を備え、
前記光学系が、
微小開口が形成された微小開口領域と、
前記微小開口領域の周辺の外部に存在して前記第1の光に対する透過性を有する透過領域と、
前記第1の光を前記透過領域に導いて前記トラッキング光を発生するとともに、前記第2の光を前記微小開口に導いて前記近接場光を発生する単一の集光要素と、
を備えることを特徴とする情報記録再生装置。 - 請求項1に記載の情報記録再生装置であって、
前記光供給手段が、
前記第1の光を前記光学系に与える角度と、前記第2の光を前記光学系に与える角度とを、相対的に変更する光学調整手段、
を備えることを特徴とする情報記録再生装置。 - 請求項2に記載の情報記録再生装置であって、
前記トラッキングパターンは、相互に区別される第1の領域と第2の領域とを、所定方向に交互に配置することにより形成されており、
前記光学系は、前記近接場光のスポットを前記第1の領域の上に生成させ、かつ前記トラッキング光のスポットを前記第2の領域の上に生成させることを特徴とする情報記録再生装置。 - 請求項1に記載の情報記録再生装置であって、
前記光供給手段が、
前記光学系への前記第1の光の入射角を段階的に変化させることにより、前記微小開口と前記トラッキング光の発生位置との相対的位置関係を複数の位置関係に段階的に変更可能な光学調整手段、
を備えることを特徴とする情報記録再生装置。 - 請求項4に記載の情報記録再生装置であって、
前記トラッキングパターンは、相互に区別される第1の領域と第2の領域とを、所定方向に交互に配置することにより形成されており、
前記光学系は、前記トラッキング光のスポットを前記第1の領域の上に生成させるとともに、前記近接場光のスポットを前記第2の領域の上に生成させ、
前記光学調整手段は、
前記トラッキング光と前記近接場光のスポットとの相対的位置関係を複数の位置関係に段階的に変更することにより、前記第2の領域の前記所定方向における前記近接場光の位置を、前記第1の領域を飛び越すことなく変化させることが可能であることを特徴とする情報記録再生装置。 - 請求項1に記載の情報記録再生装置であって、
前記光供給手段が、
前記光学系へ入射する際の前記第1の光の収束または発散角度を段階的に変化させることにより、前記微小開口と前記トラッキング光の収束位置との相対的位置関係を複数の位置関係に段階的に変更可能な光学調整手段、
を備えることを特徴とする情報記録再生装置。 - 近接場光を用いて、トラッキングパターンを有する記録媒体に対して情報を記録又は記録媒体に記録された情報の再生を行う情報記録再生装置であって、
(a) 第1と第2の光を供給する光供給手段と、
(b) 前記第1と第2の光を受けて、前記トラッキングパターンを検出するためのトラッキング光と、前記近接場光と、をそれぞれ発生する光学系と、
を備え、
前記光学系が、
前記第1の光に対する透過性を有する一方で前記第2の光を遮断するフィルタに微小開口が形成された領域と、
前記第1の光を前記領域において透過させて前記トラッキング光を発生するとともに、前記第2の光を前記微小開口に導いて前記近接場光を発生する単一の集光要素と、
を備えることを特徴とする情報記録再生装置。
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