JP3988412B2 - サンプル検査紙及びサンプル検査紙の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気泳動法を用いてDNA,RNA等の生体関連物質を構成するたんぱく質を主体とするサンプルの構成の解析を行うのに用いるサンプル検査紙及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、遺伝子の解析等たんぱく質を主体とする物質の分析が活発に行なわれている。従来、酵素や遺伝子等のたんぱく質や核酸の分離方法としては、電気泳動による方法が行われている。電気泳動は、+(プラス)の電気を帯びた物質に電圧をかけると−(マイナス)の電極に移動し、−(マイナス)の電気を帯びた物質に電圧をかけると+(プラス)の電極に移動する性質を、たんぱく質に応用したもので、全体として+の電気を帯びているたんぱく質に電圧をかけると−の電極に移動し、−の電荷を帯びているたんぱく質に電圧を加えると+の電極に移動する。これらの移動は、真空中で行なうこともでき、その場合質量の違いにより、加速度が異なることを利用して、質量分析などに利用されている。しかし、たんぱく質等生物に必要な物質は真空中に浮揚させることは難しく、水にイオンとして溶かし、そこに電圧をかけて水溶液中を移動させ、これにより物質を特定することが行なわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
電気泳動を用いてたんぱく質の分離を行なう装置として、両端に1組のホルダーを配し、このホルダーの間に2枚のガラス等からなる平板を平行に配置して泳動槽とし、ここに泳動ゲルを満たした泳動槽とし、ここに主としてたんぱく質からなるサンプルをマイクロピペットを用いて注入し、これにレーザー光等の励起光を照射し、その励起状態でサンプルに含まれる物質を特定する構成のものが用いられている。
【0004】
しかし、この方法によると、検査対象のサンプルの注入はマイクロピペットを用いて1点1点行なわなければならず、例えば48〜96wellでサンプルを注入するのに1時間かかる等、非常に時間がかかり、またサンプルの注入量が多すぎると泳動跡が濃くなり、また注入量が少なすぎると泳動跡が薄くなるなど適量の注入ができないと検査に支障を来すこととなり、支障を来さないようサンプルを適量注入するのには熟練を要していた。
【0005】
これに対処するために、最近は濾紙等からなる検査紙に一旦サンプルを適量付着させ、これを泳動槽に挿入する方法が行われているが、異なる種類のサンプルを同時に注入しようとすると、検査紙に付着したサンプルが検査紙内で拡散してしまい、泳動槽への挿入前にサンプル同士が検査紙内で混ざり合い、正しい測定ができなくなっていた。
【0006】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、電気泳動法を用いてDNA,RNA等の生体関連物質を構成するたんぱく質を主体とするサンプルの構成の解析を行うのに用いる、サンプルを簡便に、効率よく注入でき、多数の異なる種類のサンプルが混合するのを防止できるサンプル検査紙及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、サンプル検査紙において、たんぱく質を主成分とするサンプルの構成成分を電気泳動法にて検査するサンプル検査紙において、該サンプル検査紙は複数のサンプル注入部位を有し、前記注入部位に注入したサンプル同士が混合するのを防ぐための160℃〜200℃に加熱溶融した細幅のワックスを凹版印刷にて内部に含浸させたものから成るサンプル混合防止手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明は、請求項1記載のサンプル検査紙において、サンプル検査紙の構成が、吸水性を有する紙全面にプラスチックフィルムを貼り合せたものであることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載のサンプル検査紙において、サンプル検査紙の構成が、長さの異なる2枚のプラスチックフィルムで構成し、前記2枚のフィルムを1端を揃えて貼り合せ、長さの長い方のプラスチックフィルムのその非貼り合せ部分全体を覆うように紙を貼り合せたものであることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、請求項1または2記載のサンプル検査紙において、サンプル検査紙の構成が、長さの異なる2枚のプラスチックフィルムで構成し、前記2枚のフィルムを1端を揃えて貼り合せ、長さの長い方のプラスチックフィルムのその非貼り合せ部分全体を吸水性の物質を塗布したものであることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明は、請求項1または2記載のサンプル検査紙において、たんぱく質を主成分とするサンプルの構成成分を検査するサンプル検査紙において、紙全面にプラスチックフィルムを貼り合せ、該紙は少なくともサンプル注入部位相当長さの細幅のワックスを複数箇所に渡って線状に含浸させ、該サンプル注入部位に注入したサンプル同士が混合するのを防止したものであることを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明は、たんぱく質を主成分とするサンプルの構成成分を電気泳動法にて検査するサンプル検査紙の製造方法において、該サンプル検査紙が複数のサンプル注入部位を有するよう、紙の少なくともサンプル注入部相当長さの細幅のワックスを160℃〜200℃に加熱溶融したワックスを凹版印刷にて内部に含浸形成させることで線状に形成してサンプル混合防止手段を設け、これにプラスチックフイルムを貼り合せることを特徴とするサンプル検査紙の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明のサンプル検査紙は、たんぱく質を主成分とするサンプルの構成成分を検査するサンプル検査紙において、該サンプル検査紙は複数のサンプル注入部位を有し、前記注入部位に注入したサンプル同士が混合するのを防ぐためのサンプル混合防止手段を設けたことを特徴とするものであり、本発明のサンプル検査紙で検査可能なサンプルは、たんぱく質を主体とするものであるが、例えばDNA,RNA,酵素、遺伝子等である。
【0014】
また、本発明において用いられるサンプルを付着させる紙は、吸水性に優れることが必要であり、例えば濾紙、コースター原紙、水溶紙、無サイズ紙等の水分吸水性に優れた、厚さ50μm〜500μmの紙が適している。また紙の代りに吸水性の物質を用いてもよく、例えば炭酸カルシウム、セルロース粉末、バリウム等の無機粉末等が用いられる。
【0015】
また、本発明のサンプル検査紙は、紙にプラスチックフィルムを貼り合せたものが使用可能である。プラスチックフィルムを貼り合わせる理由としては、検査紙の支持及び挿入をし易くするために、十分な腰を持たせるためである。具体的には、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)、ポリカーボネート等が使用できる。さらに、紙部分をサンプル注入部のみの必要最小限にし、それ以外はプラスチックフィルムを貼り合わせたものを用いてもよい。
【0016】
本発明のサンプル検査紙は、検査の効率を上げるために、サンプルに複数のサンプルを注入することが可能である。この場合サンプル同士が接触して混合してしまうのを防ぐために、サンプル混合防止手段を設ける。具体的には、160℃から200℃に加熱・溶融したワックスを彫刻、エッチング等で製造した、幅0.5〜5mm,版深0.01〜0.15mmの凹版を用い、印刷によりワックスを含浸させる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
【0018】
<実施例1>
図1(1a)は、実施例1における本発明のサンプル検査紙の構成の平面図である。また、図1(1b)は、(1a)で示した平面図をX−Y方向で切断した断面図である。厚さ0.18mmの濾紙1(ワットマン社製)に幅0.7mm、版深0.8mmに彫刻された版を用い、約180℃に熱したポリエチレン製のワックスを線状に印刷した後、約200℃で全面に厚さ0.2mmのPETフィルム2(フジフィルム社製)を貼り合せた。この時、先に濾紙表面に印刷・固化されたワックスが溶融、濾紙内部に浸透・拡散し、所望の幅(1mm又は2mm)が得られるとともに、ワックスによる濾紙内の隔壁3を得ることができた。このワックス間で隔てられた個々の濾紙面にサンプルを吸着せしめ、電気泳動法による検出を行なったところ、非常にシャープな影像を得ることができた。また、ワックスに着色を施し、濾紙部分(サンプル着床部分)が容易に黙視でき、サンプルの着床を容易にした。
【0019】
【発明の効果】
以上本発明のサンプル検査紙及びその製造方法について述べてきたが、本発明により、以下の効果を奏する。すなわち、本発明のサンプル検査紙は、サンプル注入部位に、印刷によりワックスを含浸してできる隔壁を設けたので、サンプルが他のサンプル注入部位に浸透していくのを防止することができ、シャープな影像を得ることが可能となった。また、サンプルの注入量のコントロールが事前に容易にできるので、適量の注入が可能となり、また注入に要する時間も短縮できるようになった。また、サンプル同士交じり合うことのない検査紙の製造が容易にできるようになった。本発明のサンプル検査紙は、DNA,RNA等の生体関連物質を構成するたんぱく質を主体とするサンプルの構成の解析を行う電気泳動法に好適に用いられるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (1a)は、実施例1における本発明のサンプル検査紙の構成の一例を示した平面図である。(1b)は、(1a)に示した平面図をX−Y方向で切断した断面図である。
【符号の説明】
1……濾紙
2……プラスチック(PET)フィルム
3……ワックスによる濾紙内の隔壁
Claims (6)
- たんぱく質を主成分とするサンプルの構成成分を電気泳動法にて検査するサンプル検査紙において、該サンプル検査紙は複数のサンプル注入部位を有し、前記注入部位に注入したサンプル同士が混合するのを防ぐための160℃〜200℃に加熱溶融した細幅のワックスを凹版印刷にて内部に含浸させたものから成るサンプル混合防止手段を設けたことを特徴とするサンプル検査紙。
- サンプル検査紙の構成が、吸水性を有する紙全面にプラスチックフィルムを貼り合せたものであることを特徴とする請求項1記載のサンプル検査紙。
- サンプル検査紙の構成が、長さの異なる2枚のプラスチックフィルムで構成し、前記2枚のフィルムを1端を揃えて貼り合せ、長さの長い方のプラスチックフィルムのその非貼り合せ部分全体を覆うように紙を貼り合せたものであることを特徴とする請求項1または2記載のサンプル検査紙。
- サンプル検査紙の構成が、長さの異なる2枚のプラスチックフィルムで構成し、前記2枚のフィルムを1端を揃えて貼り合せ、長さの長い方のプラスチックフィルムのその非貼り合せ部分全体を吸水性の物質を塗布したものであることを特徴とする請求項1または2記載のサンプル検査紙。
- たんぱく質を主成分とするサンプルの構成成分を検査するサンプル検査紙において、紙全面にプラスチックフィルムを貼り合せ、該紙は少なくともサンプル注入部位相当長さの細幅のワックスを複数箇所に渡って線状に含浸させ、該サンプル注入部位に注入したサンプル同士が混合するのを防止したものであることを特徴とする請求項1または2記載のサンプル検査紙。
- たんぱく質を主成分とするサンプルの構成成分を電気泳動法にて検査するサンプル検査紙の製造方法において、該サンプル検査紙が複数のサンプル注入部位を有するよう、紙の少なくともサンプル注入部相当長さの細幅のワックスを160℃〜200℃に加熱溶融したワックスを凹版印刷にて内部に含浸形成させることで線状に形成してサンプル混合防止手段を設け、これにプラスチックフイルムを貼り合せることを特徴とするサンプル検査紙の製造方法。
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