JP3988398B2 - 光スイッチ、光信号変換装置および光信号変換方法 - Google Patents

光スイッチ、光信号変換装置および光信号変換方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光データ処理や光通信システムなどに利用される光スイッチに関するものである。
また、本発明は、光通信システムなどに利用される光分配(光デマルチプレックス)の手段として適用可能な光信号変換装置および光信号変換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在実用化されている光通信システムにおいては、伝送容量を増加させるために電子回路によってデータの時分割多重/分離が行われている。しかしながら、電子回路の応答速度制限(10〜20Gb/s)のために、現状のシステムのままでより一層の大容量化(1Tbit/s以上のビットレート)を実現することは困難である。そこで、電子回路を用いた時分割多重/分離に変わる方法として光学的にデータを時分割多重/分離、すなわち多重化された光信号をファイバー伝送したあと、非常に高速な光スイッチを用いて再び元のチャネルに分離する方法が考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
(本発明の第1の目的)
超高速動作が可能な光−光スイッチとして、文献「O plus E No.187(1995年6月、75頁〜77頁)に示されている光カー効果を利用した光スイッチ(以下、「光カースイッチ」と言うことがある。)がある。これは、制御光パルスによって誘起された非線形光学媒質の屈折率異方性によって、信号光の偏光面が回転することを利用している。
【0004】
図1に、光カースイッチの概略構成図を示す。図1に示されるように、光カースイッチは、互いに偏光軸が直交するように配置された偏光子(偏光手段)102および検光子(分離手段)104と、それらの間に設けられた光カー効果を示す非線形光学媒質106と、非線形光学媒質106に制御光パルスを照射する制御光パルス照射手段108と、から構成される。
【0005】
時間多重された信号光パルス列Aが、信号光パルス列照射手段110から偏光子102に照射されると、偏光子102の偏光軸と同一方向の直線偏光成分のみが抽出され、直線偏光パルス列Bとなり、そのまま非線形光学媒質106に照射される。一方、制御光パルス照射手段108により、直線偏光パルス列Bと同期し、直線偏光パルス列B中の直線偏光パルスに対して偏光方向が例えば45°傾けられた直線偏光の制御光パルスCが照射され、直線偏光パルス列Bとともに非線形光学媒質106の同一点に入射する。通常は、直線偏光パルス列Bおよび制御光パルスCともにレンズ等の手段を介して集光し、非線形光学媒質106上の同一点に重ねる。
【0006】
直線偏光パルス列Bが非線形光学媒質106に照射される際に制御光パルスCが入射しない時には、直線偏光パルス列Bは、非線形光学媒質106をそのまま透過し、さらに検光子104に達すると、直線偏光パルス列B中の直線偏光パルスの偏光方向と検光子104の偏光軸とが直交しているために、検光子104を通過することができない。
【0007】
一方、直線偏光パルス列Bが非線形光学媒質106に照射される際に制御光パルスCが入射した時には、非線形光学媒質106中に屈折率異方性が誘起され、直線偏光パルス列B中の直線偏光パルスの直交偏光成分間に位相差が生じ、該直線偏光パルスの偏光面が回転することにより、楕円偏光パルスDに変換される。すると、楕円偏光パルスDのうち、検光子104の偏光軸と略一致した成分のみが、検光子104を通過することができる。
【0008】
このように光カースイッチは、制御光パルスCの有無によって、信号光パルス列A(さらには直線偏光パルス列B)の偏光状態を制御することができるとともに、検光子104として用いる偏光制御素子(偏光子)の消光比は通常100,000:1と非常に大きく、制御光パルスCが入射していない時の背景光を限りなく0にすることが可能であるため、On/Off比を非常に大きくすることができる。
【0009】
光カー効果を利用した光カースイッチにおいては、非線形光学媒質の選択により光スイッチング特性が決定付けられる。また、非線形光学媒質の種類によっては、その製造に多大なコストを生じ、光カースイッチの実用化に大きな障害となっていた。
光カースイッチに用いる非線形光学媒質としては、例えば、特開平10−333192号公報や特開平6−160922号公報に記載の技術が挙げられる。
【0010】
特開平10−333192号公報においては、半導体層と有機物層の励起子効果を組み合わせた状態の物質を形成することによって、局所場効果により光変調特性を向上させる技術が開示されている。しかし、かかる技術においては、非線形光学媒質の作製プロセスが複雑であり、大掛かりな装置が必要であり、かつ、膜厚の精密な制御を要することから、製造コストが極めて高くなる他、光スイッチング特性の安定した光カースイッチを製造することが困難であった。
【0011】
一方、特開平6−160922号公報においては、スピンコート法やキャスティング法といった簡便な方法で形成可能な材料(非線形光学媒質)を用いた非線形光学装置(光カースイッチ)を実現している。しかし、かかる非線形光学装置では、光スイッチの応答速度を速くするために、非共鳴領域で作動させなければならず、そのため、光スイッチング効率が悪く、さらに光スイッチング効率を向上させるためには、導波路化等の工夫が必要となりコストアップにつながってしまう。
【0012】
したがって、低コストかつ形成容易な非線形光学媒質を用いることで、簡便にかつ安価に製造できるとともに、光スイッチング特性の良好な光カー効果を利用した光スイッチを提供することを本発明の第1の目的とする。
【0013】
(本発明の第2の目的)
多重化された信号光パルス列から各チャネルの光信号を分離する方法として、シリアル−パラレル変換を用いた一括多チャンネル光分離法が提案されている(特開平11−15031号公報)。この方法では、多重化された信号光パルス列と制御光パルスを空間的に広げ、信号光パルス列と制御光パルスのどちらか一方を非線形光学媒質に対して斜めに入射させる。
【0014】
制御光パルスと信号光パルス列が非線形光学媒質を通過する時、信号光パルス列内の各信号光パルスは、非線形光学媒質内の異なる領域(位置)で制御光パルスと交差する。このとき、制御光パルスによる非線形光学効果(吸収飽和)によって非線形光学媒質の透過率が大きくなり、各信号光パルスは異なる領域に振り分けられ、空間的にパラレルな信号光に変換される。
この方法は、一つの制御光パルスで多重化された光信号パルス列を複数のチャネルに分離できるので、装置の構成が簡単になるという利点を持っている。
【0015】
しかしながら、特開平11−15031号公報で提案されている上記方法では、時間多重された信号光パルス列を分離する際に、非線形光学媒質の吸収飽和によって生じる透過率変化を利用しているため、制御光パルスの有無によるOn/Off比が十分でないという問題がある。すなわち、制御光パルスが照射された場合とされない場合とで、一般的に透過率が数%しか変化しないことに加え、制御光パルスが照射がされない状態でも信号光パルスを完全に遮断することはできず、大きなOn/Off比をとることができない。
【0016】
超高速動作が可能な光−光スイッチとして、既述の光カースイッチがある。既述の通り、光カースイッチは、制御光パルスが照射がされない状態における背景光を限りなく0にすることが可能であるため、On/Off比を非常に大きくすることができる。
上記の光カースイッチを用いて時間多重された光信号を複数のチャネルに分離する方法として、N個の光カースイッチをN−1段にツリー状に接続し、一つの光クロックパルスで順々に光信号パルスを分離する方法が提案されている(K.Mori et al.,“All−optical multistagedemultiplexers operated by logical permutations of control pulses’,IEEEPhoton.Tchnol.Lett.,Vol.3,pp.1130〜1133(1991))。この方法では、複数の信号光パルス列を多重化した光パルス列と、各光信号のビットレートと同じビットレートの制御光パルスと、を光ファイバーに入射し、多重化された信号光パルス列のうち制御光パルスと時間的に重なっているチャネルの信号光パルス列の偏光面を光カー効果により回転させ、偏波ビームスプリッターを用いて制御光パルスと時間的に重なっているチャネルの信号光パルス列だけを抜き取る。さらに、光ファイバー中の分散を利用して信号光パルス列と制御光パルスとを1タイムスロット分だけすらし、次のファイバーに入力し同様の操作を繰り返すことで順次信号光パルス列を抜き取って行くという方法を採用している。しかしながら、この方法では、信号光パルス列の多重度が増えると、接続する光スイッチの数も多くなり、システム全体の装置構成が複雑になるという欠点を有している。
【0017】
したがって、上述の問題に鑑み、簡単な構成で、かつ高On/Off比で、時間多重された信号光パルス列を一括して多チャンネルに分配することが可能な光信号変換装置および光信号変換方法を提供することを本発明の第2の目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の第1の目的は、以下の<1>〜<5>に示される第1の本発明により達成される。また、上記本発明の第2の目的は、以下の<6>〜<27>に示される第2の本発明により達成される。すなわち、本発明は、
【0019】
<1>直線偏光パルス列が照射される透過型または反射型の非線形光学媒質と、
前記直線偏光パルス列中の直線偏光パルスに対して偏光方向が傾けられた制御光パルスを、前記非線形光学媒質に照射する制御光パルス照射手段と、
前記直線偏光パルス列中の前記非線形光学媒質を透過もしくは反射した成分のうち、前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が異なる特定の偏光成分だけを分離する分離手段と、
を備え、前記非線形光学媒質が、前記制御光パルスの照射によって屈折率異方性が誘起されるとともに、前記直線偏光パルス列中の、前記制御光パルスと同時にかつ同一箇所に照射された直線偏光パルスが、楕円偏光パルスに変換される光カー効果を利用した光スイッチであって、
前記非線形光学媒質が、色素のJ−会合体によるものであることを特徴とする光スイッチである。
【0020】
<2> さらに、時間多重された信号光パルス列から、直線偏光パルス列成分に変換する、または、該成分を抽出する偏光手段を有し、該偏光手段により得られた直線偏光パルス列を前記非線形光学媒質に照射することを特徴とする<1>に記載の光スイッチである。
<3> 前記偏光手段が、偏光子であることを特徴とする<1>または<2>に記載の光スイッチである。
【0021】
<4> 前記非線形光学媒質が、スクエアリリウム色素からなるJ−会合体によるものであることを特徴とする<1>〜<3>のいずれか1に記載の光スイッチである。
<5> 前記スクエアリリウム色素が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする<4>に記載の光スイッチである。
一般式(I)
【0022】
【化4】
Figure 0003988398
【0023】
(R1およびR2は同じでも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を示し、XはH、F、OH、CH3またはOCH3を示す。)
【0024】
<6> 時間多重された信号光パルス列を拡大して、平行信号光パルス列に変換する平行化手段と、
前記平行信号光パルス列から、直線偏光パルス列成分に変換する、または、該成分を抽出する偏光手段と、
得られた直線偏光パルス列が照射される透過型または反射型の非線形光学媒質と、
前記直線偏光パルス列と同期し、進行方向に垂直な面内で広がりのある制御光のパルスであって、前記直線偏光パルス列中の直線偏光パルスに対して偏光方向が傾けられた制御光パルスを、前記非線形光学媒質に照射する制御光パルス照射手段と、
前記直線偏光パルス列中の前記非線形光学媒質を透過もしくは反射した成分のうち、前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が異なる特定の偏光成分だけを分離して、パラレル信号光を得る分離手段と、
を備える光信号変換装置であって、
前記非線形光学媒質が、前記制御光パルスの照射によって屈折率異方性が誘起されるとともに、前記直線偏光パルス列中の、前記制御光パルスと同時にかつ同一箇所に照射された直線偏光パルス成分が、楕円偏光パルスに変換される性質を有し、
前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが、前記非線形光学媒質の表面における位置により、前記非線形光学媒質に照射される時間が異なることを特徴とする光信号変換装置である。
【0025】
<7> 前記制御光パルスが、前記直線偏光パルス列と所定の角度を以って前記非線形光学媒質に照射されるようにすることで、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが、前記非線形光学媒質の表面における位置により、前記非線形光学媒質に照射される時間を異ならせることを特徴とする<6>に記載の光信号変換装置である。
<8> 前記直線偏光パルス列の光路、および/または、前記制御光パルスの光路の中途に、各光路の進行方向に垂直な方向に異なる遅延時間を与える光遅延素子が配され、該光遅延素子により、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが、前記非線形光学媒質の表面における位置により、前記非線形光学媒質に照射される時間を異ならせることを特徴とする<6>または<7>に記載の光信号変換装置である。
【0026】
<9> 前記制御光パルス照射手段における制御光パルスの波長が、前記平行化手段における信号光パルス列の波長と異なり、かつ、前記分離手段の前または後の光路の中途に、前記信号光パルス列と略同一の波長の光のみを透過し得るバンドパスフィルターを配することを特徴とする<6>〜<8>のいずれか1に記載の光信号変換装置である。
<10> 前記直線偏光パルス列と前記制御光パルスとが交差するように出射され、かつ、前記直線偏光パルス列と前記制御光パルスとが交差する地点に、前記直線偏光パルス列および前記制御光パルスのいずれか一方を反射し、他方が透過するハーフミラーを所定の角度を以って配することで、前記直線偏光パルス列および前記制御光パルスを同一方向から非線形光学媒質に照射することを特徴とする<6>〜<9>のいずれか1に記載の光信号変換装置である。
【0027】
<11> 前記制御光パルス照射手段における制御光パルスの波長が、前記平行化手段における信号光パルス列の波長と異なり、かつ、前記ハーフミラーがダイクロイックミラーであることを特徴とする<10>に記載の光信号変換装置である。
<12> 前記偏光手段が、偏光子であることを特徴とする<6>〜<11>のいずれか1に記載の光信号変換装置である。
【0028】
<13> 前記非線形光学媒質が反射型であり、
前記直線偏光パルス列が前記非線形光学媒質に対して垂直に照射され、
前記偏光手段と前記分離手段とが、偏光ビームスプリッターにより兼ねられていることを特徴とする<6>〜<11>のいずれか1に記載の光信号変換装置である。
<14> 前記非線形光学媒質が、半導体微粒子分散ガラス、金属微粒子分散ガラス、半導体材料、半導体多重量子井戸、高分子有機薄膜、有機結晶薄膜、または、有機会合体薄膜であることを特徴とする<6>〜<13>のいずれか1に記載の光信号変換装置である。
【0029】
<15> 前記非線形光学媒質が、スクエアリリウム色素からなるJ−会合体によるものであることを特徴とする<6>〜<13>のいずれか1に記載の光信号変換装置である。
<16> 前記スクエアリリウム色素が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする<15>に記載の光信号変換装置である。
一般式(I)
【0030】
【化5】
Figure 0003988398
【0031】
(R1およびR2は同じでも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を示し、XはH、F、OH、CH3またはOCH3を示す。)
【0032】
<17> 時間多重された信号光パルス列を拡大して、平行信号光パルス列に変換する平行化工程と、
前記平行信号光パルス列を、直線偏光パルス列成分に変換する、または、該成分を抽出する偏光工程と、
得られた直線偏光パルス列、および、該直線偏光パルス列と同期し、進行方向に垂直な面内で広がりのある制御光のパルスであって、前記直線偏光パルス列中の直線偏光パルスに対して偏光方向が傾けられた制御光パルスを、透過型または反射型の非線形光学媒質に照射する照射工程と、
前記直線偏光パルス列中の前記非線形光学媒質を透過もしくは反射した成分のうち、前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が異なる特定の偏光成分だけを分離して、パラレル信号光を得る分離工程と、
を備える光信号変換方法であって、
前記非線形光学媒質が、前記制御光パルスの照射によって屈折率異方性が誘起されるとともに、前記直線偏光パルス列中の、前記制御光パルスと同時にかつ同一箇所に照射された直線偏光パルス成分が、楕円偏光パルスに変換される性質を有し、
前記照射工程において、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが前記非線形光学媒質に照射される時間を、前記非線形光学媒質の表面における位置により、異なるように制御することを特徴とする光信号変換方法である。
【0033】
<18> 前記照射工程において、前記制御光パルスを、前記直線偏光パルス列と所定の角度を以って前記非線形光学媒質に照射することで、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが前記非線形光学媒質に照射される時間を、前記非線形光学媒質の表面における位置により、異なるように制御することを特徴とする<17>に記載の光信号変換方法である。
<19> 前記照射工程において、前記直線偏光パルス列の光路、および/または、前記制御光パルスの光路の中途に、各光路の進行方向に垂直な方向に異なる遅延時間を与える光遅延素子を配し、前記直線偏光パルス列および/または前記制御光パルスについて前記光遅延素子を透過させることで、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが前記非線形光学媒質に照射される時間を、前記非線形光学媒質の表面における位置により、異なるように制御することを特徴とする<17>または<18>に記載の光信号変換方法である。
【0034】
<20> 前記照射工程における制御光パルスの波長を、前記平行化工程における信号光パルス列の波長と異ならせ、かつ、前記分離工程の前または後に、バンドパスフィルターにより前記信号光パルス列と略同一の波長の光のみ選択透過させる波長選択工程を有することを特徴とする<17>〜<19>のいずれか1に記載の光信号変換方法である。
<21> 前記照射工程において、前記直線偏光パルス列と前記制御光パルスとが交差するように出射され、かつ、前記直線偏光パルス列と前記制御光パルスとが交差する地点に、前記直線偏光パルス列および前記制御光パルスのいずれか一方を反射し、他方が透過するハーフミラーを所定の角度を以って配することで、前記直線偏光パルス列および前記制御光パルスを同一方向から非線形光学媒質に照射することを特徴とする<17>〜<20>のいずれか1に記載の光信号変換方法である。
【0035】
<22> 前記照射工程における制御光パルスの波長を、前記平行化工程における信号光パルス列の波長と異ならせ、かつ、前記ハーフミラーとしてダイクロイックミラーを用いることを特徴とする<21>に記載の光信号変換方法である。
<23> 前記偏光工程において、光の変換または抽出の操作を、偏光子を用いて行うことを特徴とする<17>〜<22>のいずれか1に記載の光信号変換方法である。
【0036】
<24> 前記非線形光学媒質として反射型のものを用い、
前記照射工程において、前記直線偏光パルス列を前記非線形光学媒質に対して垂直に照射し、
前記偏光工程における光の変換または抽出の操作、および、前記分離工程における光の分離の操作を、1の偏光ビームスプリッターを用いて行うことを特徴とする<17>〜<22>のいずれか1に記載の光信号変換方法である。
<25> 前記非線形光学媒質が、半導体微粒子分散ガラス、金属微粒子分散ガラス、半導体材料、半導体多重量子井戸、高分子有機薄膜、有機結晶薄膜、または、有機会合体薄膜であることを特徴とする<17>〜<24>のいずれか1に記載の光信号変換方法である。
【0037】
<26> 前記非線形光学媒質が、スクエアリリウム色素からなるJ−会合体によるものであることを特徴とする<17>〜<24>のいずれか1に記載の光信号変換方法である。
<27> 前記スクエアリリウム色素が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする<26>に記載の光信号変換方法である。
一般式(I)
【0038】
【化6】
Figure 0003988398
【0039】
(R1およびR2は同じでも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を示し、XはH、F、OH、CH3またはOCH3を示す。)
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、第1の本発明と第2の本発明とに分けて説明する。
[第1の本発明]
第1の本発明の光スイッチは、直線偏光パルス列が照射される透過型または反射型の非線形光学媒質と、前記直線偏光パルス列中の直線偏光パルスに対して偏光方向が傾けられた制御光パルスを、前記非線形光学媒質に照射する制御光パルス照射手段と、前記直線偏光パルス列中の前記非線形光学媒質を透過もしくは反射した成分のうち、前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が異なる特定の偏光成分だけを分離する分離手段と、を備え、前記非線形光学媒質が、前記制御光パルスの照射によって屈折率異方性が誘起されるとともに、前記直線偏光パルス列中の、前記制御光パルスと同時にかつ同一箇所に照射された直線偏光パルスが、楕円偏光パルスに変換される光カー効果を利用した光スイッチであって、前記非線形光学媒質が、色素のJ−会合体によるものであることを特徴とする。また、前記非線形光学媒質に照射する直線偏光パルス列としては、時間多重された信号光パルス列から、直線偏光パルス列成分に変換する、または、該成分を抽出する偏光手段により得られたものを用いることができる。すなわち、第1の本発明は、いわゆる光カースイッチの構成を具備し、用いる非線形光学媒質として、色素のJ−会合体によるものであることが特徴となる。
【0041】
第1の本発明の光スイッチは、構成上従来の光カースイッチと同様の構成であるため、以下、第1の本発明の光スイッチの説明においては、従来の技術の説明に用いた図1をそのまま用いて説明する。
【0042】
図1に示す光スイッチは、第1の本発明の光スイッチの一実施形態であり、時間多重された信号光パルス列Aから、直線偏光パルス列成分を抽出する偏光手段である偏光子102と、光カー効果を示す透過型の非線形光学媒質106と、前記直線偏光パルス列中の直線偏光パルスに対して偏光方向が傾けられた(例えば45°)制御光パルスを、前記非線形光学媒質に照射する制御光パルス照射手段108と、前記直線偏光パルス列中の前記非線形光学媒質を透過もしくは反射した成分のうち、前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が異なる特定の偏光成分、例えば前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が90°異なる偏光成分だけを分離する分離手段である検光子104と、から構成される。
時間多重された信号光パルス列Aが、信号光パルス列照射手段110から偏光子102に照射されると、偏光子102の偏光軸と同一方向の直線偏光成分のみが抽出され、直線偏光パルス列Bとなり、そのまま非線形光学媒質106に照射される。
【0043】
本実施形態では、偏光手段として、時間多重された信号光パルス列Aから、直線偏光パルス列成分を抽出する偏光子102を用いたが、本発明においては、これに限定されるものではない。例えば、時間多重された信号光パルス列から、直線偏光パルス列成分に変換する機能を有するものを用いることもできる。さらに、信号光パルス列照射手段110から照射される時間多重された信号光パルス列Aが、既に直線偏光パルス列となっている場合には、偏光手段を省略することができる。
【0044】
一方、制御光パルス照射手段108により、直線偏光パルス列Bと同期し、直線偏光パルス列B中の直線偏光パルスに対して偏光方向が例えば45°傾けられた直線偏光の制御光パルスCが照射され、直線偏光パルス列Bとともに非線形光学媒質106の同一点に入射する。通常は、直線偏光パルス列Bおよび制御光パルスCともにレンズ等の手段を介して集光し、非線形光学媒質106上の同一点に重ねる。このとき、直線偏光パルス列Bおよび制御光パルスCを集光するためのレンズ等の手段としては、同一のものでもよいし、異なるものでもよい。
【0045】
ここで、「直線偏光パルス列Bと同期」するとは、信号光パルス列Aから抽出された、制御すべき直線偏光パルス列Bの少なくとも一部と同時に非線形光学媒質106に照射されるように、タイミングを合わせて制御光パルスCが照射されることを示す。
【0046】
制御光パルス照射手段108は、一般的に、光パルス列を出射し得る発光装置と、集光レンズと、該集光レンズにより集光された光の光路に配される1/2波長板等の偏光手段と、から構成されるが、勿論かかる構成に限定されるものではない。また、非線形光学媒質106表面において、制御光パルスCは、直線偏光パルス列Bの入射方向に対して一定の角度を以って入射しているが、ハーフミラー等を用いて、直線偏光パルス列Bの入射方向と同一方向から入射させても構わない。この場合、後に詳述する第2の本発明におけるハーフミラーを用いた構成が、好ましく適用される。
【0047】
分離手段である検光子104としては、主として偏光子が用いられ、前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が90°異なる偏光成分だけを分離する場合には、偏光子102に対して、偏光軸が直交するように配置される。以下、偏光子102および検光子104が、互いに偏光軸が直交するように配置された場合を例に挙げて、第1の本発明の光スイッチの作用について説明する。
【0048】
直線偏光パルス列Bが非線形光学媒質106に照射される際に制御光パルスCが入射しない時には、直線偏光パルス列Bは、非線形光学媒質106をそのまま透過し、さらに検光子104に達すると、直線偏光パルス列B中の直線偏光パルスの偏光方向と検光子104の偏光軸とが直交しているために、検光子104を通過することができない。
【0049】
一方、直線偏光パルス列Bが非線形光学媒質106に照射される際に制御光パルスCが入射した時には、非線形光学媒質106中に屈折率異方性が誘起され、直線偏光パルス列B中の直線偏光パルスの直交偏光成分間に位相差が生じ、該直線偏光パルスの偏光面が回転することにより、楕円偏光パルスDに変換される。すると、楕円偏光パルスDのうち、検光子104の偏光軸と略一致した成分のみが、検光子104を通過することができる。
【0050】
このように本実施形態の光スイッチは、制御光パルスCの有無によって、信号光パルス列A(さらには直線偏光パルス列B)の偏光状態を制御することができるとともに、検光子104として用いる偏光子の消光比は通常100,000:1と非常に大きく、制御光パルスCが入射していない時の背景光を限りなく0にすることが可能であるため、On/Off比を非常に大きくすることができる。
【0051】
非線形光学媒質としては、本実施形態において透過型のものを用いたが、本発明においては反射型のものを用いることもできる。この場合、直線偏光パルス列は、非線形光学媒質に対して斜めに照射することで、その反射光を分離手段で分離することができる。また、直線偏光パルス列を、非線形光学媒質に対して垂直に照射して、その反射光をハーフミラーや偏光ビームスプリッターにて分離する構成とすることもできる。この場合、後に詳述する第2の本発明におけるハーフミラーを用いた構成や偏光ビームスプリッターを用いた構成が、好ましく適用される。
【0052】
非線形光学媒質106は、前記制御光パルスの照射によって屈折率異方性が誘起されるとともに、前記直線偏光パルス列中の、前記制御光パルスと同時にかつ同一箇所に照射された直線偏光パルスが、楕円偏光パルスに変換される光カー効果を有するものであり、第1の本発明においては、色素のJ−会合体によるものであることが特徴である。
【0053】
第1の本発明に用いられる色素のJ−会合体について詳細に説明する。「色素のJ−会合体」とは、数十〜数百の色素分子が規則正しく配列して緩く結合し、光学的にあたかも一つの超分子として振る舞うようになるJ−会合体を言う。J−会合体を形成するものは、光吸収効率が増大するだけでなく、吸収飽和に必要な光強度の閾値が低くなり、さらに回復速度が短縮される。J−会合体についての詳細は、M.Furuki, L.S.Pu, F.Sasaki, S.Kobayashi and T.Tani, Appl.Phys.Lett.,72,21(1998)2648等に記載がある。
【0054】
第1の本発明に用いられる色素のJ−会合体の材料としては、特に制限はないが、実用上好適な非線形光学特性を有し、化学的、熱的および光学的な安定性等の観点から、スクエアリリウム色素からなるJ−会合体であることが好ましい。
色素のJ−会合体は、ストークシフトの小さな蛍光を発し、吸収ピーク付近の波長の光に対して極めて大きな相互作用を持ち、しかも、3次の非線形光学効果である吸収飽和の回復が非常に速い。そのため、スピンコート膜のように膜厚が薄くても効率良く光スイッチを動作させることができる。また、大面積(直系数cm〜数十cm程度)の色素会合体膜を容易に形成することができる。さらに、スクエアリリウム色素からなるJ−会合体の光に対する応答時間は、300fs程度と非常に速いので、テラビット級の信号光パルス列(さらには直線偏光パルス列)に対しても十分に適用可能である。
色素会合体膜を形成する好ましいスクエアリリウム色素としては、下記一般式(I)で表される化合物が挙げられる。
【0055】
一般式(I)
【化7】
Figure 0003988398
【0056】
(R1およびR2は同じでも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を示し、XはH、F、OH、CH3またはOCH3を示す。)
【0057】
上記一般式(I)において、R1およびR2は、アルキル基を示すが、炭素数3〜7の低級アルキル基が好ましく、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基がより好ましく、n−プロピル基またはiso−プロピル基が特に好ましい。また、上記一般式(I)中、Xは、H、F、OH、CH3またはOCH3を示すが、H、OHまたはCH3が好ましく、Hがより好ましい。
非線形光学媒質は、これらスクエアリリウム色素等の色素を用いて、固体基板上に有機薄膜(色素会合体膜)を形成することにより得られる。有機薄膜を固体基板上に形成する方法として、LB法(ラングミュア・プロジェット法)の他、色素を適当な溶媒に溶解して得られた塗布液を、固体基板上に塗布して薄膜を形成することも可能である。
塗布液による場合の詳細について、以下に説明する。
【0058】
色素を溶解する溶媒としては、特に限定されないが、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロルエタン等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルエチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、プロピルアミン、エチルアミン等のアミン類を用いることができる。これらの中でも、一般式(I)で表されるスクエアリリウム色素を用いる場合は、ジクロロエタン、エタノールが特に好ましい。
【0059】
なお、上記一般式(I)で表されるスクエアリリウム色素は、高分子化合物とともに溶媒中に溶解すると、会合体の形成を促進させることができ、好ましい。高分子化合物としては、色素の波長域で光学的に透明なポリマーであればすべて使用可能であり、例えば、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸フェニル等のメタクリル酸系ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルカルバゾール等のビニル系ポリマー、ポリカーボネート、ポリエチレングリコール、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルやその誘導体、およびそれらの共重合体等を用いることができる。これらの中でも、ポリビニルアルコールは特に好ましい。
【0060】
上記一般式(I)で表されるスクエアリリウム色素を高分子化合物とともに溶媒に溶解する場合、スクエアリリウム色素の重量割合は、スクエアリリウム色素と高分子化合物との合計重量に基づいて、10〜30質量%とすることが好ましい。混合比をかかる範囲とすることで、良質の色素会合体を形成することができる。
【0061】
また、上記一般式(I)で表されるスクエアリリウム色素の溶媒中の濃度は、1〜5質量%とすることが好ましく、1〜3重量%とすることが特に好ましい。濃度をかかる範囲とすることにより、色素会合体の形成が顕著となる。
【0062】
溶液の固体基板上への塗布方法としては、従来より知られた方法を採用することができ、例えば、スピンコート法、キャストコート法、ディップコート法、ラングミュア・プロジェット法(LB法)等を挙げることができる。
【0063】
形成される色素会合体膜の厚みとしては、0.001〜1μm程度が好ましく、0.005〜0.05μm程度がより好ましい。色素会合体膜の厚みが厚すぎると散乱が強くなり、また光学濃度が高くなりすぎて信号光が弱くなり、逆に薄すぎると安定性が低下し、また信号強度の変化が小さくなり、それぞれ好ましくない。
【0064】
前記固体基板としては、ガラス、石英、サファイア、プラスチック等の誘電体、Si、Ga−As、InP等の半導体、あるいは、金、銀、銅、アルミニウム等の金属基板を用いることができる。固体基板の厚みには特に制限はないが、裏面からの光入射等を考慮すると、1mm程度が望ましい。光スイッチの構成によっては、基板からの反射光を利用するため、反射率を合わせた金属、あるいは誘電体多層膜を表面にコーティングしたものも、必要に応じて使用される。
【0065】
図1に示すような透過型の非線形光学媒質を用いる場合には、固体基板としては、ガラス、石英、サファイアおよびプラスチック等透明な材料を用いることが必須となり、基本的に固体基板および色素会合体膜のみで非線形光学媒質全体が構成される。勿論、色素会合体膜を固体基板から剥がして、膜状のまま用いても構わない。
【0066】
第1の本発明においては、既述の通り非線形光学媒質として反射型のものを用いることも可能であり、この場合には、固体基板として光を反射し得る材料を用いるか、固体基板と色素会合体膜との間に反射層を設けることが必須となる。反射層を形成する材料としては、金、銀、アルミニウム、クロム等の金属膜や、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の誘電体が挙げられる。反射層は多層構成とすることが好ましい。反射層の厚みとしては、特に制限はないが一般的に、金属膜については50nm〜10μm程度であり、100nm〜1μm程度が好ましい。一方、誘電体多層膜については、一般的に、高屈折率のものと低屈折率のものとを、用いる光の波長に対して1/4波長の光学厚みで交互に積層したものを用い、該積層の周期の数としては、1〜20周期程度であり、5〜10周期程度が好ましい。
【0067】
[第2の本発明]
第2の本発明の光信号変換装置は、時間多重された信号光パルス列を拡大して、平行信号光パルス列に変換する平行化手段と、前記平行信号光パルス列から、直線偏光パルス列成分に変換する、または、該成分を抽出する偏光手段と、得られた直線偏光パルス列が照射される透過型または反射型の非線形光学媒質と、前記直線偏光パルス列と同期し、進行方向に垂直な面内で広がりのある制御光のパルスであって、前記直線偏光パルス列中の直線偏光パルスに対して偏光方向が傾けられた制御光パルスを、前記非線形光学媒質に照射する制御光パルス照射手段と、前記直線偏光パルス列中の前記非線形光学媒質を透過もしくは反射した成分のうち、前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が異なる特定の偏光成分だけを分離して、パラレル信号光を得る分離手段と、を備える光信号変換装置であって、前記非線形光学媒質が、前記制御光パルスの照射によって屈折率異方性が誘起されるとともに、前記直線偏光パルス列中の、前記制御光パルスと同時にかつ同一箇所に照射された直線偏光パルス成分が、楕円偏光パルスに変換される性質を有し、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが、前記非線形光学媒質の表面における位置により、前記非線形光学媒質に照射される時間が異なることを特徴とするものである。
【0068】
同様に、第2の本発明の光信号変換方法は、時間多重された信号光パルス列を拡大して、平行信号光パルス列に変換する平行化工程と、前記平行信号光パルス列から、直線偏光パルス列成分に変換する、または、該成分を抽出する偏光工程と、得られた直線偏光パルス列、および、該直線偏光パルス列と同期し、進行方向に垂直な面内で広がりのある制御光のパルスであって、前記直線偏光パルス列中の直線偏光パルスに対して偏光方向が傾けられた制御光パルスを、透過型または反射型の非線形光学媒質に照射する照射工程と、前記直線偏光パルス列中の前記非線形光学媒質を透過もしくは反射した成分のうち、前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が異なる特定の偏光成分だけを分離して、パラレル信号光を得る分離工程と、を備える光信号変換方法であって、前記非線形光学媒質が、前記制御光パルスの照射によって屈折率異方性が誘起されるとともに、前記直線偏光パルス列中の、前記制御光パルスと同時にかつ同一箇所に照射された直線偏光パルス成分が、楕円偏光パルスに変換される性質を有し、前記照射工程において、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが前記非線形光学媒質に照射される時間を、前記非線形光学媒質の表面における位置により、異なるように制御することを特徴とするものである。
【0069】
<第2の本発明の図面による具体的な説明>
以下、第2の本発明の光信号変換装置および光信号変換方法について、好ましい実施形態を挙げて、図面に則して説明する。
(第1の実施形態)
図2は、第2の本発明の第1の実施形態を表す概略構成図である。本実施形態の光信号変換装置は、時間多重された信号光パルス列Eを拡大して、平行信号光パルス列Fに変換する拡大光学系(平行化手段)212と、平行信号光パルス列Fから直線偏光パルス列G成分を抽出する偏光子(偏光手段)202と、得られた直線偏光パルス列Gが照射される透過型の非線形光学媒質206と、制御光パルスHを非線形光学媒質206に照射する制御光パルス照射手段220と、直線偏光パルス列G中の非線形光学媒質206を透過した成分Iのうち、直線偏光パルス列Gに対して偏光方向が異なる特定の偏光成分(直線偏光パルス列Gに対して偏光方向が90°異なる偏光成分)だけを分離して、パラレル信号光Jを得る検光子(分離手段)204と、から構成される。
【0070】
本実施形態では、非線形光学媒質206として、前記一般式(I)中のR1およびR2がn−プロピル基で、XがHであるスクエアリリウム色素を用い、固体基板(ガラス、厚さ1mm)上にスピンコート法により色素会合体膜(厚さ0.1μm)を形成したもの(以下、「色素会合体膜A」という。)を例に挙げて説明する。当該色素会合体Aには、非線形光学効果があり、エネルギー密度0.1J/m2以上の光パルスが入射されると色素会合体の吸収飽和により光透過率が増大すると同時に、色素会合体の吸収飽和に伴い屈折率も変化する。色素会合体のように等方的な媒質においては、屈折率変化量が光パルスの偏光方向と平行な方向と垂直な方向で異なっている。したがって、光パルスが入射した時に色素会合体に屈折率の異方性が誘起される。
【0071】
信号光パルス列照射手段210からは、時間多重された信号光パルス列Eが照射される。本実施形態において、時間多重された信号光パレス列Eには、波長770nm、パルス幅200fs、繰返し周波数1kHzのフェムト秒光パルス1Aと1Bとを時間的にシリアルに多重化した、ビットレートが1Tbit/s、パルス間隔が1psの2連光パルス列を用いた。
【0072】
時間多重された信号光パルス列Eは、拡大光学系212により拡大され、ビーム直径10mmの平行信号光パルス列Fに変換される。拡大光学系212は、例えば通常のレンズ(またはレンズの組合せ)が用いられる。平行信号光パルス列Fは、そのまま矢印の方向に進行し、偏光子202に照射され、偏光状態が整った直線偏光に変えられ(抽出され)、直線偏光パルス列Gとされ、非線形光学媒質206に照射される。
【0073】
一方、制御光パルス照射手段220は、光パルス発生手段214と、平行光光学系216と、1/2波長板218とからなり、光パルス発生手段214から出射した制御光Kを、例えば通常のレンズ(またはレンズの組合せ)からなる平行光光学系216により進行方向に垂直な面内で広がりのあるビーム直径10mmの平行化制御光Lとし、さらに1/2波長板218により、直線偏光パルス列G中の直線偏光パルスに対して偏光方向が傾けられた制御光パルスHとした上で、非線形光学媒質206に照射する手段である。このとき、制御光Kには、波長800nm、パルス幅200fs、繰返し周波数1kHzのフェムト秒光パルスを用い、変換後の制御光パルスHは、一つで直線偏光パルス列G中のパルス1Aおよび1Bの2つのパルスに対して使用され、これをシリアル信号−パラレル信号変換する。本実施形態においては、直線偏光パルス列G中の直線偏光パルスの偏光状態を効率よく変化させるため、制御光パルスHの偏光方向を当該直線偏光パルスに対して45°傾けている。
【0074】
図2に示されるように、直線偏光パルス列Gと制御光パルスHとは、それぞれ異なる方向から非線形光学媒質206に入射する。本実施形態においては、直線偏光パルス列Gは非線形光学媒質206に対して垂直な方向で、制御光パルスHはそれに対し17.5°傾けられた入射角で入射する。すなわち、制御光パルスHが、直線偏光パルス列Gと所定の角度(17.5°)を以って非線形光学媒質206に照射されるようにすることで、制御光パルスHが斜めに入射し、非線形光学媒質206の表面における位置により、非線形光学媒質206に照射される時間が異なってくる。このとき、直線偏光パルス列Gと制御光パルスHとが、非線形光学媒質4にそれぞれ同時に入射するように調整される(同期が取られる)。
【0075】
非線形光学媒質206においては、制御光パルスHの照射によって屈折率異方性が誘起され、直線偏光パルス列G中の、制御光パルスHと同時にかつ同一箇所に照射された直線偏光パルス成分が、楕円偏光パルスIに変換されるが、その詳細について図3を用いて説明する。
【0076】
図3は、直線偏光パルス列Gが楕円偏光パルスIに変換される状態を(a)〜(c)に順に時系列的に示す概略断面図である。図3(a)は、非線形光学媒質206に直線偏光パルス列G中の直線偏光パルス1Aが入射した瞬間を示す模式側面図であり、制御光パルスHの一部も非線形光学媒質206に入射している。図3(a)に示すように、直線偏光パルス1Aは制御光パルスHと非線形光学媒質206内で交差する。この非線形光学媒質206内で両者が交差している領域Waでは、制御光パルスHによって屈折率異方性が生じている。当該屈折率異方性により、制御光パルスHと同時に入射した直線偏光パルス1A波面のうち、領域Waを透過する部分のみ、偏光状態が直線偏光から楕円偏光に変えられる。
【0077】
次に、図3(b)は、非線形光学媒質206に直線偏光パルス列G中の直線偏光パルス1Bが入射した瞬間を示す模式側面図であり、制御光パルスHの一部も非線形光学媒質206に入射している。なお、図3(b)において、直線偏光パルス1A波面のうち、領域Waを透過して偏光状態が楕円偏光にされた部分は、斜線ハッチングで示している。図3(b)に示すように、直線偏光パルス1Bは、非線形光学媒質206内における、領域Waとは異なる領域Wbで制御光パルスHとで交差する。そして、制御光パルスHによる非線形光学媒質206の屈折率異方性で、直線偏光パルス1B波面のうち、領域Wbを透過した部分のみが楕円偏光にされる。
【0078】
さらに、図3(c)は、非線形光学媒質206を直線偏光パルス列G中の直線偏光パルス1Aおよび1Bの双方が透過した後の状態を示す模式側面図であり、直線偏光パルス1A波面のほか、直線偏光パルス1B波面についても偏光状態が楕円偏光にされた部分が、斜線ハッチングで示されている。このように直線偏光パルス列G中の各直線偏光パルス1Aおよび1B波面の一部のみ偏光状態が楕円偏光にされる。
【0079】
以上のようにして変換された楕円偏光パルスIは、図2に示すように矢印方向に進行し検光子204に照射される。検光子204は、偏光子202に対して90°傾けられた偏光子であり、楕円偏光パルスIのうち、直線偏光パルス列Gに対して偏光方向が90°異なる偏光成分だけが当該検光子204を透過することができる。すなわち、図3(c)に示す斜線ハッチングで示される部分のみが、楕円偏光成分を有しており、当該箇所のみが選択的に検光子204を透過する。すると、図2に示されるようにパラレル信号光Jとなる。すなわち、直線偏光パルス列G中の各直線偏光パルス波面のうち、検光子204を透過できる領域は、非線形光学媒質206内での制御光パルスHと交差する位置に対応しており、それぞれのパルスで異なっている。このように、時間多重された信号光パルス列Eが、空間的に分離されたパラレル信号光Jに変換される。一方、制御光パルスHと直線偏光パルス列G中の各直線偏光パルスとが、非線形光学媒質206内で交差していない領域、すなわち非線形光学媒質206内におけるWaおよびWb以外の領域は、楕円偏光成分を有さずかつ検光子204を透過することもないので、得られるパラレル信号光JのOn/Off比(コントラスト)が極めて高いものとなる。このようにして、時間的にシリアルな信号光パルス列Eを、On/Off比が極めて高い、空間的に1次元のパラレル信号光Jに変換することができる。パラレル信号光Jは、読み出しプレート(光検出器)222表面にパラレル信号として照射される。
【0080】
なお、図3においては、説明の容易の観点から、直線偏光パルス1Aおよび1Bの下端部分および上端部分が楕円偏光されたように描いているが、実際には、直線偏光パルス1Aおよび1Bは、その上下部分が省略されており、得られるパラレル信号光Jの各中心同士の間隔(周期)は、約1mm間隔である。
【0081】
図4に、読み出しプレート222表面に照射されたパラレル信号光Jを、CCDカメラを用いて直接撮影した拡大映像を示す。図4に示すCCDカメラによる映像は、パラレル信号光Jの強度変化だけを抽出したものではなく、検光子204を透過してきたパラレル信号光Jの出力を直接観測したもので、吸収飽和を用いたパラレル信号光変換の場合と比べてOn/Off比コントラストが大幅に向上していることがわかる。なお、本実施例においては、制御光パルスHの散乱光によるノイズの混入を避けるために、CCDカメラの直前に、透過域が770nm±5nmのバンドパスフィルターを配置しておいた。
【0082】
(第2の実施形態)
図5は、第2の本発明の第2の実施形態を表す概略斜視図である。本実施形態の光信号変換装置は、第1の実施形態に近似しているが、制御光パルスHの光路にさらに光遅延素子224が配されている点が異なる。
なお、図5において、その他第1の実施形態と同一の機能を表す部材には、図2と同一の符号を付すことでその詳細な説明は省略することとする。また、各光パルスを示すアルファベットが同一のものは、基本的には同一の機能を有する光パルスを示すが、アルファベットに添え字の「1」が付されているものは、光パルスの数、周期等が本実施形態特有のものであることを指す。ただし、勿論、他の実施形態と同一になる事を妨げるものではない。
【0083】
本実施形態においては、既述の如く、制御光パルスHの光路、詳しくは1/2波長板と非線形光学媒質206との間に、にさらに光遅延素子224が配されている。
すなわち、本実施形態では、まず、第1の実施形態同様、制御光パルスH(さらにはH1)が、直線偏光パルス列Gと所定の角度(17.5°)を以って非線形光学媒質206に照射されるようにすることで、制御光パルスH(さらにはH1)が斜めに入射し、非線形光学媒質206の表面における位置、詳しくは図面における左右方向で、非線形光学媒質206に照射される時間が異なってくる。
【0084】
そして、制御光パルスHが光遅延素子224を透過することで、その透過箇所により透過する時間が異なり、非線形光学媒質206の表面における位置、詳しくは図面における上下方向で、非線形光学媒質206に照射される時間が異なってくる。
つまり、制御光パルスH1の中でも、図面上、1Hの右側が最も最初に非線形光学媒質206に入射し、その後順次、1Hの左側、2Hの右側、そして最後に2Hの左側が入射する。このように、非線形光学媒質206の表面における位置により、制御光パルスHが照射される時間が異なってくる。
【0085】
一方、本実施形態において、信号光パルス列照射手段210からは、第1の実施形態と同様、時間多重された信号光パルス列E1が照射されるが、正確には、フェムト秒光パルス1Aと1Bと同様のパルスがさらに繰り返されてなる、光パルス2A、2B、2Cおよび2Dの4連光パルス列を用いた。
光遅延素子224としては、本実施形態で用いているように、例えば端面が一方向に階段状になっている階段状ガラス基板が挙げられる。その他の方法でも、制御光パルスHを非線形光学媒質206面内の異なる場所に、それぞれ異なる時刻に入射できるものであれば、特に制限無く適用することができる。階段状ガラス基板の光遅延素子224を透過した制御光パルスHは、階段状ガラス基板の厚さに対応した一定間隔の時間遅延が生じる。階段状ガラス基板の段差数と厚さは、直線偏光パルス列G1を空間的に分離する際の、直線偏光パルス列G1の多重度と、制御光パルスH1の進行方向に垂直な面内におけるチャンネル数によって決定される。本実施形態のように、繰返し周波数1THz、4多重度の直線偏光パルス列G1を2×2のパラレル信号光に分離するためには、階段状ガラス基板の段差数を2とし、制御光パルス1Hと2Hとが、遅延時間2psなるように階段状ガラス基板の段差を1.2mm(ガラスの屈折率1.5)とした。
【0086】
本実施形態においては、4つの直線偏光パルス2A、2B、2Cおよび2Dが、それぞれ制御光パルスH1の1Hの右側、1Hの左側、2Hの右側および2Hの左側と同時に非線形光学媒質206に入射する。すなわち、非線形光学媒質206の異なる位置(図面上左右に2列とそれに垂直な方向に2列の計4列)で、直線偏光パルス列G1および制御光パルスH1が交差する。制御光パルスH1による非線形光学媒質206の屈折率異方性で、2×2の4つの領域が楕円偏光パルスI1にされ、検光子204でこれが分離され、2×2に分離された2次元のパラレル信号光J1が得られる。このようにして、時間的にシリアルな信号光パルス列E1を、On/Off比が極めて高い、空間的に2次元のパラレル信号光J1に変換することができる。
【0087】
(第3の実施形態)
図6は、第2の本発明の第3の実施形態を表す概略構成図である。本実施形態の光信号変換装置は、第1および第2の実施形態とは異なり、直線偏光パルス列G2と制御光パルスHとが交差するように出射され、かつ、直線偏光パルス列G2と制御光パルスHとが交差する地点に、制御光パルスHを反射し直線偏光パルス列G2が透過するハーフミラー226を所定の角度を以って配することで、直線偏光パルス列G2および制御光パルスHを同一方向から非線形光学媒質206に照射している。また、直線偏光パルス列G2の光路に光遅延素子228が配されている。
【0088】
なお、図6において、その他の実施形態と同一の機能を表す部材には、図2〜図5と同一の符号を付すことでその詳細な説明は省略することとする。また、各光パルスを示すアルファベットが同一のものは、基本的には同一の機能を有する光パルスを示すが、アルファベットに添え字の「2」が付されているものは、光パルスの数、周期等が本実施形態特有のものであることを指す。ただし、勿論、他の実施形態と同一になる事を妨げるものではない。
【0089】
直線偏光パルス列G2の光路に配される光遅延素子228は、上記第2の実施形態で用いた光遅延素子224と同様、階段状ガラス基板でよい。ただし、階段状ガラス基板の段差数と厚さは、直線偏光パルス列G2の多重度によって決定される。本実施形態では、ビットレート1THz、4多重度の直線偏光パルス列G2(2A,2B,2Cおよび2D)を1×4のパラレル信号光J2に分離するため、段差数を4段、それぞれの直線偏光パルス列G2の遅延時間が1psとなるように、各段差を0.6mm(ガラスの屈折率1.5)とした。すなわち図面上、上下方向への4段の階段状で、下方から上方へ順次光が遅延する。そして、直線偏光パルス2Aの下から2段目の位置は一番下における直線偏光パルス2Bの位置と一致し、順次下方から上方へ段が上がる毎に1パルス分だけ遅延していく。すると、一番下における直線偏光パルス2Dの位置(矢印aの位置)で、2A,2B,2Cおよび2Dが1直線状に並ぶ。このように、直線偏光パルス列G2の光路の中途に配された光遅延素子228により、直線偏光パルス列G2中の各直線偏光パルスが、非線形光学媒質206の表面における位置、詳しくは図面における上下方向で、非線形光学媒質206に照射される時間が異なってくる。
【0090】
一方、制御光パルス照射手段220により出射された制御光パルスHは、直線偏光パルス列G2と垂直に交差する。当該交差する箇所には、制御光パルスHおよび直線偏光パルス列G2の双方と45°の傾きとなるようにハーフミラー226が配され、直線偏光パルス列G2は透過し、制御光パルスHは反射する。そして、直線偏光パルス列G2のうち先ほどの矢印aの位置が、ハーフミラー226により反射された制御光パルスHと重なり、同一方向(垂直方向)から非線形光学媒質206に照射される。すると、制御光パルスHと直線偏光パルス列G2とが重なった状態で非線形光学媒質206に照射された箇所のみ、制御光パルスH1による非線形光学媒質206の屈折率異方性で、直線偏光パルス列G2が楕円偏光され楕円偏光パルスI2にされ、検光子204で1列に並んだ4つの領域に分配され、1次元のパラレル信号光J2が得られる。このようにして、時間的にシリアルな信号光パルス列E2を、On/Off比が極めて高い、空間的に1次元のパラレル信号光J2に変換することができる。
【0091】
(第4の実施形態)
図7は、第2の本発明の第4の実施形態を表す概略斜視図である。本実施形態の光信号変換装置は、第3の実施形態に近似しているが、直線偏光パルス列G3の光路に配されている光遅延素子230が段差数2段のものであり、制御光パルスHの光路にさらに光遅延素子232が配されている点が異なる。また、光遅延素子232と光遅延素子230との段差の向きが図面上直交するように配置されており、ハーフミラー226により直線偏光パルス列G3および制御光パルスH3が重ね合わせられたときに、両者の光遅延による段差も直交するようになっている。
【0092】
なお、図7において、その他の実施形態と同一の機能を表す部材には、図2〜図6と同一の符号を付すことでその詳細な説明は省略することとする。また、各光パルスを示すアルファベットが同一のものは、基本的には同一の機能を有する光パルスを示すが、アルファベットに添え字の「3」が付されているものは、光パルスの数、周期等が本実施形態特有のものであることを指す。ただし、勿論、他の実施形態と同一になる事を妨げるものではない。
【0093】
光遅延素子232および光遅延素子230は、それぞれ上記第2の実施形態で用いた光遅延素子224と同様、階段状ガラス基板でよい。ただし、階段状ガラス基板の段差数と厚さは、直線偏光パルス列G2の多重度と、パラレル信号光J3へ分離する時の立て方向および横方向のチャンネル数と、によって決定される。本実施形態では、ビットレート1THz、4多重度の直線偏光パルス列G3(2A,2B,2Cおよび2D)を2×2のパラレル信号光J3に分離するため、光遅延素子232および光遅延素子230の2つの階段状ガラス基板の段差数は共に2段とし、光遅延素子230の段差の厚さは1.2mm(遅延時間差2ps、ガラスの屈折率1.5)、光遅延素子232の段差の厚さは0.6mm(遅延時間差1ps、ガラスの屈折率1.5)とした。
【0094】
すなわち図面上、光遅延素子230は、上下方向への2段の階段状で、下方から上方へ光が遅延し、光遅延素子232は、左右方向への2段の階段状で、左から右へ光が遅延する。光遅延素子230を透過した直線偏光パルス列G3は、図面上、直線偏光パルス2Aの上方の位置は下方における直線偏光パルス2Cの位置と一致し(矢印bの位置)、直線偏光パルス2Bの上方の位置は下方における直線偏光パルス2Dの位置と一致した(矢印cの位置)、直線偏光パルス列G3’となる。一方、光遅延素子232を透過した制御光パルスHは、図面上、先行する左側の1Hと、それに遅延する右側の2Hとからなる制御光パルスH3となる。そして、ハーフミラー226により直線偏光パルス列G3’および制御光パルスH3が重ね合わせられて非線形光学媒質206に照射される際に、非線形光学媒質206の表面における位置により、両光パルスの照射される時間が異なってくる。すなわち、本実施形態では、光遅延素子を2つ異なる光路に配する事で、同一方向から照射される直線偏光パルス列G3’および制御光パルスH3の双方の、非線形光学媒質206の表面における位置での照射時間を異ならせている。
【0095】
制御光パルスH3は、直線偏光パルス列G3と垂直に交差する。当該交差する箇所には、制御光パルスH3および直線偏光パルス列G3の双方と45°の傾きとなるようにハーフミラー226が配され、直線偏光パルス列G3は透過し、制御光パルスH3は反射する。そして、直線偏光パルス列G3のうち先ほどの矢印bの位置が、ハーフミラー226により反射された制御光パルスH3の1Hの位置と重なり、また、直線偏光パルス列G3のうち先ほどの矢印cの位置が、ハーフミラー226により反射された制御光パルスH3の2Hの位置と重なり、同一方向から非線形光学媒質206に照射される。このとき、両光パルスが重なって非線形光学媒質206に照射される箇所は、2次元格子状(2×2)に並んでいる。すると、制御光パルスH3と直線偏光パルス列G3とが重なった状態で非線形光学媒質206に照射された箇所のみ、制御光パルスH3による非線形光学媒質206の屈折率異方性で、直線偏光パルス列G3が楕円偏光され楕円偏光パルスI3にされる。さらに、検光子204で、2次元格子状(2×2)に並んだ状態の4つの領域に分配され、2次元のパラレル信号光J3が得られる。このようにして、時間的にシリアルな信号光パルス列E3を、On/Off比が極めて高い、空間的に2次元のパラレル信号光J3に変換することができる。
【0096】
(第5の実施形態)
図8は、第2の本発明の第5の実施形態を表す概略構成図である。本実施形態の光信号変換装置は、基本的には第1の実施形態に近似しており、反射型の非線形光学媒質206’を用いている点で、第1の実施形態とは異なる。非線形光学媒質206’としては、金の反射層が形成された固体基板の片面に、第1の実施形態の非線形光学媒質206の色素会合体膜Aを形成したものを用いた。
【0097】
なお、図8において、その他の実施形態と同一の機能を表す部材には、図2〜図7と同一の符号を付すことでその詳細な説明は省略することとする。また、各光パルスを示すアルファベットが同一のものは、基本的には同一の機能を有する光パルスを示すが、アルファベットに添え字の「4」が付されているものは、光パルスの数、周期等が本実施形態特有のものであることを指す。ただし、勿論、他の実施形態と同一になる事を妨げるものではない。
【0098】
また、直線偏光パルス列G4と制御光パルスHとは、それぞれ異なる方向から非線形光学媒質206’に入射するが、本実施形態においては、制御光パルスHは非線形光学媒質206’に対して垂直な方向で、直線偏光パルス列G4はそれに対し17.5°傾けられた入射角で入射する。すなわち、直線偏光パルス列G4が、制御光パルスHと所定の角度(17.5°)を以って非線形光学媒質206’に照射されるようにすることで、直線偏光パルス列G4が斜めに入射し、非線形光学媒質206’の表面における位置により、非線形光学媒質206’に照射される時間が異なってくる。
【0099】
直線偏光パルス列G4は、第2の実施形態同様、光パルス2A、2B、2Cおよび2Dの4連光パルス列を用いた。直線偏光パルス2A、2B、2Cおよび2Dは、全てが非線形光学媒質206’のいずれかの面に照射されたときに、制御光パルスHと重ね合わされる。すると、制御光パルスHと重なる部位が、直線偏光パルス2A、2B、2Cおよび2Dでそれぞれ異なり、非線形光学媒質206’が制御光パルスHの照射で屈折率異方性が誘起され、楕円偏光パルス列J4が形成される。そして、検光子204でこれが分離され、4つに分離された1次元のパラレル信号光J4が得られる。このようにして、時間的にシリアルな信号光パルス列E4を、On/Off比が極めて高い、空間的に1次元のパラレル信号光J4に変換することができる。
【0100】
(第6の実施形態)
図9は、第2の本発明の第6の実施形態を表す概略構成図である。本実施形態の光信号変換装置は、第1の実施形態に近似しているが、反射型の非線形光学媒質206’を用いており、また、第1の実施形態における偏光子202および検光子204の代わりに、両者の機能、すなわち、偏光手段と分離手段の双方の機能を兼ね備える偏光ビームスプリッター234を用いている点が異なる。
【0101】
なお、図9において、その他の実施形態と同一の機能を表す部材には、図2〜図8と同一の符号を付すことでその詳細な説明は省略することとする。また、各光パルスを示すアルファベットが同一のものは、基本的には同一の機能を有する光パルスを示すが、アルファベットに添え字の「5」が付されているものは、光パルスの数、周期等が本実施形態特有のものであることを指す。ただし、勿論、他の実施形態と同一になる事を妨げるものではない。
【0102】
偏光ビームスプリッターとは、光パルスのうち、特定の偏光成分のみを選択的に透過または反射することで、偏光成分により光パルスを選別する性質を有するものであり、本実施形態において用いる偏光ビームスプリッター234は、平行信号光パルス列F中の直線偏光成分を抽出しこれのみを透過して直線偏光パルス列G5を得ることができるとともに、これが非線形光学媒質206’に照射され、制御光パルスHによる光学異方性で楕円偏光されることで得られた、非線形光学媒質206’の反射光である楕円偏光パルスI5が正反射して戻ってくると、楕円偏光パルスI5中の楕円偏光成分(前記直線偏光成分と90°傾きがある、すなわち直交する成分)のみを分離する性質を有するものである。
【0103】
直線偏光パルス列G5を非線形光学媒質206’に対して垂直に入射した場合、その反射光である楕円偏光パルスI5は、直線偏光パルス列G5の入射方向と同じ光路を逆向きに伝搬する。そこで、本実施形態では、直線偏光パルス列G5を非線形光学媒質206’に入射するための偏光手段と、直線偏光パルス列G5に対して偏光方向が異なる特定の偏光成分(直線偏光パルス列Gに対して偏光方向が90°異なる偏光成分)だけを分離する分離手段と、の2つの手段を一つの偏光ビームスプリッター234で実現している。したがって、偏光状態が変化した楕円偏光パルス列I5だけが偏光ビームスプリッター234で反射されるので、入射光である直線偏光パルス列G5と分離することができる。その他の構成の機能、作用、効果は、反射型である事を除き、第1の実施形態(非線形光学媒質206’のみ第5の実施形態)と同様であるため、説明を割愛する。
【0104】
以上のようにして、時間的にシリアルな信号光パルス列E5を、On/Off比が極めて高い、空間的に1次元のパラレル信号光J5に変換することができる。
【0105】
(第7の実施形態)
図10は、第2の本発明の第7の実施形態を表す概略斜視図である。本実施形態の光信号変換装置は、第5の実施形態に近似しているが、制御光パルスHの光路にさらに光遅延素子224が配されている点が異なる。
なお、図10において、その他の実施形態と同一の機能を表す部材には、図2〜図9と同一の符号を付すことでその詳細な説明は省略することとする。また、各光パルスを示すアルファベットが同一のものは、基本的には同一の機能を有する光パルスを示すが、アルファベットに添え字の「6」が付されているものは、光パルスの数、周期等が本実施形態特有のものであることを指す。ただし、勿論、他の実施形態と同一になる事を妨げるものではない。また、図10においては、他の図で描かれている読み出しプレート222は省略されている。
【0106】
本実施形態では、まず、第5の実施形態同様、制御光パルスHは非線形光学媒質206’に対して垂直な方向で、直線偏光パルス列G6はそれに対し17.5°傾けられた入射角で入射することで、直線偏光パルス列G4が斜めに入射し、非線形光学媒質206’の表面における位置により、非線形光学媒質206’に照射される時間が異なってくる。
【0107】
さらに、制御光パルスHが光遅延素子224を透過することで、その透過箇所により透過する時間が異なり、非線形光学媒質206’の表面における位置、詳しくは図面における上下方向で、非線形光学媒質206’に照射される時間が異なってくる。光遅延素子224は、第2の実施形態における同一符号の部材と同一の機能のものである。
その他、非線形光学媒質206’における直線偏光パルス列G6の楕円偏光化、検光子204によるパラレル化の作用については、他の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0108】
以上のようにして、時間的にシリアルな信号光パルス列E6を、On/Off比が極めて高い、空間的に2次元のパラレル信号光J6に変換することができる。
勿論、第5の実施形態と同様に、直線偏光パルス列G6は垂直に、制御光パルスHは所定の入射角で、それぞれ非線形光学媒質206’に入射させた場合にも、第5の実施形態と同様偏光ビームスプリッターを用いる事で、本実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0109】
(第8の実施形態)
図11は、第2の本発明の第8の実施形態を表す概略斜視図である。本実施形態の光信号変換装置は、基本的には第3の実施形態に近似しており、反射型の非線形光学媒質206’を用いている点で、第3の実施形態とは異なる。また、これに付随して、ハーフミラー226により重ね合わされた直線偏光パルス列G7’および制御光パルスHは、非線形光学媒質206’に対して垂直方向ではなく、所定の角度を以って照射される。
【0110】
なお、図11において、その他の実施形態と同一の機能を表す部材には、図2〜図10と同一の符号を付すことでその詳細な説明は省略することとする。また、各光パルスを示すアルファベットが同一のものは、基本的には同一の機能を有する光パルスを示すが、アルファベットに添え字の「7」が付されているものは、光パルスの数、周期等が本実施形態特有のものであることを指す。ただし、勿論、他の実施形態と同一になる事を妨げるものではない。
【0111】
本実施形態では、直線偏光パルス列G4が非線形光学媒質206’に照射される時間について異なる作用、並びに、制御光パルスHと直線偏光パルス列G7’の一部とが、矢印dの部分で重なる作用については、第3の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
その他、非線形光学媒質206’における直線偏光パルス列G7の楕円偏光化、検光子204によるパラレル化の作用については、他の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0112】
以上のようにして、時間的にシリアルな信号光パルス列E7を、On/Off比が極めて高い、空間的に1次元のパラレル信号光J7に変換することができる。
【0113】
(第9の実施形態)
図12は、第2の本発明の第9の実施形態を表す概略斜視図である。本実施形態の光信号変換装置は、第3の実施形態および第6の実施形態の双方の構成を併せ持つものである。
すなわち、第3の実施形態と同様、直線偏光パルス列G8と制御光パルスHとが交差するように出射され、かつ、直線偏光パルス列G8と制御光パルスHとが交差する地点に、制御光パルスHを反射し直線偏光パルス列G8が透過するハーフミラー226を所定の角度(両者に対して45°)を以って配することで、直線偏光パルス列G8および制御光パルスHを同一方向から非線形光学媒質206’に照射している。なお、光遅延素子228は、偏光ビームスプリッター234により直線偏光パルス列G8に変更される前の平行信号光パルス列F8の光路に配されている。
【0114】
一方、第6の実施形態と同様、反射型の非線形光学媒質206’を用いており、また、偏光子および検光子の代わりに、両者の機能、すなわち、偏光手段と分離手段の双方の機能を兼ね備える偏光ビームスプリッター234を用いている。
【0115】
なお、図12において、その他の実施形態と同一の機能を表す部材には、図2〜図11と同一の符号を付すことでその詳細な説明は省略することとする。また、各光パルスを示すアルファベットが同一のものは、基本的には同一の機能を有する光パルスを示すが、アルファベットに添え字の「8」が付されているものは、光パルスの数、周期等が本実施形態特有のものであることを指す。ただし、勿論、他の実施形態と同一になる事を妨げるものではない。
【0116】
拡大光学系212により拡大されて平行化した平行信号光パルス列Fは、その光路に配された光遅延素子228によって、位置により光の進行が遅延される。すなわち図面上、上下方向への4段の階段状で、下方から上方へ順次光が遅延するが、その詳細は、第3の実施形態における直線偏光パルス列G2の遅延と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0117】
また、ハーフミラー226により、直線偏光パルス列G8の矢印eの位置および制御光パルスHが重ね合わされて、同一方向から非線形光学媒質206’に照射されるが、この作用についても第3の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
さらに、偏光ビームスプリッター234により偏光手段および分離手段が兼ねられる作用については、第6の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0118】
以上のようにして、時間的にシリアルな信号光パルス列E8を、On/Off比が極めて高い、空間的に1次元のパラレル信号光J8に変換することができる。
【0119】
(第10の実施形態)
図13は、第2の本発明の第9の実施形態を表す概略斜視図である。本実施形態の光信号変換装置は、第4の実施形態に近似しているが、反射型の非線形光学媒質206’を用いている点が異なる。また、これに付随して、ハーフミラー226により重ね合わされた直線偏光パルス列G9’および制御光パルスH9は、非線形光学媒質206’に対して垂直方向ではなく、所定の角度を以って照射される。
【0120】
なお、図13において、その他の実施形態と同一の機能を表す部材には、図2〜図12と同一の符号を付すことでその詳細な説明は省略することとする。また、各光パルスを示すアルファベットが同一のものは、基本的には同一の機能を有する光パルスを示すが、アルファベットに添え字の「9」が付されているものは、光パルスの数、周期等が本実施形態特有のものであることを指す。ただし、勿論、他の実施形態と同一になる事を妨げるものではない。
【0121】
直線偏光パルス列G9’および制御光パルスH9が重ね合わせられて、非線形光学媒質206に照射されるところまでは、第4の実施形態と同一であるため、その詳細な説明は割愛する。
その他、非線形光学媒質206’における直線偏光パルス列G9’の楕円偏光化、検光子204によるパラレル化の作用については、他の実施形態と同様であるため、その詳細な説明は割愛する。
【0122】
以上のようにして、時間的にシリアルな信号光パルス列E9を、On/Off比が極めて高い、空間的に2次元のパラレル信号光J9に変換することができる。
勿論、第5の実施形態と同様に、直線偏光パルス列G6は垂直に、制御光パルスHは所定の入射角で、それぞれ非線形光学媒質206’に入射させた場合にも、第5の実施形態と同様偏光ビームスプリッターを用いる事で、本実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0123】
以上、第2の本発明の「光信号変換装置および光信号変換」について、10の実施形態を挙げて説明したが、上記実施形態は、あくまでも例示であり、第2の本発明はこれらに限定されるものではなく、第2の本発明の構成を具備する限り、従来公知の如何なる構成をも転用および/または付加することができる。特に、上記実施形態における具体的な数値は、いずれも構成を説明するために便宜的に用いたものであり、本発明を具現化するに当たり、当業者は、所望とする作用・効果に応じて自由に設計することができる。
【0124】
例えば、各光パルスのビット数は、上記実施形態においてはいずれも2ビットもしくは4ビットとしたが、勿論、より少ない、あるいは、より多くのビット数であっても問題なく、その場合には、直線偏光パルス列および/または制御光パルスをかかるビット数に応じて非線形光学媒質に照射される時間を異ならせることとすればよい。この場合、光遅延素子の段数を変えたり、直線偏光パルス列および/または制御光パルスの非線形光学媒質への照射角度を適切に調整する等の対応をとればよい。
また、上記10の実施形態におけるそれぞれの構成要素を任意に適用することもできる。例えば、本発明においては、ハーフミラーと、偏光ビームスプリッターと、光遅延素子2個とを全て含む形態も考えられる。
【0125】
<第2の本発明の好ましい他の態様・構成要素に関する説明>
以下、第2の本発明の光信号変換装置および光信号変換方法について、特に好ましい他の態様、並びに、好ましい他の構成要素の詳細について説明する。
第2の本発明において、前記直線偏光パルス列および前記制御光パルスが、空間的に異なる方向から前記非線形光学媒質に入射している場合には、両者が前記非線形光学媒質を透過あるいは反射し、分離手段を通過する過程で、両者を空間的に分離することは比較的容易ではあるが、前記非線形光学媒質などによって散乱された制御光パルスの影響を除去し、背景光をより少なくしてOn/Off比を上げる為に、制御光パルスと信号光パルス列に異なる波長の光を用いて、光検出器(各実施形態における読み出しプレート222)の前に、前記信号光パルス列と略同一の波長の光のみを透過し得るバンドパスフィルターを配することもできる。バンドパスフィルターは、分離手段の前に配することもできる。
【0126】
第2の本発明において、前記直線偏光パルス列および前記制御光パルスが、空間的に同一方向から前記非線形光学媒質に入射している場合には、両者が両者が同一光路をとりながら、前記非線形光学媒質を透過あるいは反射し、分離手段を通過するため、両者を空間的に分離することは困難である。したがってこの場合、上記「制御光パルスと信号光パルス列に異なる波長の光を用いて、分離手段の前後いずれかに、前記信号光パルス列と略同一の波長の光のみを透過し得るバンドパスフィルターを配することは、On/Off比を上げる為に極めて効果的である。
【0127】
上記実施形態において、光遅延素子は、階段状のものが用いられているが、既述の如く、第2の本発明においては他の構成のものも問題なく用いることができる。また、例えば階段状のものを用いた場合、階段の段の方向を直交させた2つの光遅延素子を重ね、この重ねられた光遅延素子を1つの光路上に配し、これに光パルスを照射することで、2次元的に光パルスに遅延がもたらされた状態となる。この場合、配すべき光路は、前記直交偏光パルス列の光路でも、制御光パルスの光路でも、問題無い。勿論、第4や第10の実施形態に挙げられるように、2つの光遅延素子を異なる光路上に配して、結果として2次元的に光パルスの遅延を生じさせてもよい。
【0128】
第2の本発明において、前記直線偏光パルス列と前記制御光パルスとが交差するように出射され、かつ、前記直線偏光パルス列と前記制御光パルスとが交差する地点にハーフミラーを所定の角度を以って配する構成の場合には、前記制御光パルスと前記信号光パルス列とを異なる波長のものとし、かつ、前記ハーフミラーとしてダイクロイックミラーとすることが好ましい。すなわち、制御光パルスの波長に対しては高反射率、信号光パルス列(さらには直線偏光パルス列)の波長に対しては反射せず透過するようなダイクロイックミラーを用いることが好ましい。この場合、ダイクロイックミラーは、既述のバンドパスフィルターとしての機能も有するとともに、ハーフミラーによる制御光の損失をなくすることができ、第2の本発明の光信号変換装置および光信号変換方法のスイッチング効率を向上することができる。さらに、ダイクロイックミラーとバンドパスフィルターを併用してOn/Offコントラストをさらに高めることもできる。
【0129】
第2の本発明において用いる非線形光学媒質としては、制御光パルスの照射により屈折率異方性を誘起し得るものであれば、問題無く適用されるが、例を挙げると、半導体微粒子分散ガラス、金属微粒子分散ガラス、半導体材料、半導体多重量子井戸、高分子有機薄膜、有機結晶薄膜、および、有機会合体薄膜等が挙げられる。
【0130】
具体的には、半導体微粒子分散ガラスとしては、硫化カドミウム(CdS)超微粒子分散ガラス等が挙げられ、金属微粒子分散ガラスとしては、銅(Cu)または銀(Ag)の微粒子等が挙げられ、半導体材料としては、GaAs等が挙げられ、半導体多重量子井戸としては、GaAs/AlGaAs超格子材料等が挙げられ、高分子有機薄膜としては、ポリアセチレン、ポリジアセチレン等が挙げられ、有機結晶薄膜としては、p−(ジエチルアミノ)−β−ニトロスチレン(DEANST)等が挙げられる。
【0131】
非線形光学媒質としては、第1の本発明と同様、中でも色素のJ−会合体によるものが好ましい。色素のJ−会合体は、ストークシフトの小さな蛍光を発し、吸収ピーク付近の波長の光に対して極めて大きな相互作用を持ち、しかも、3次の非線形光学効果である吸収飽和の回復が非常に速い。そのため、スピンコート膜のように膜厚が薄くても効率良く光スイッチを動作させることができる。また、大面積(直系数cm〜数十cm程度)の色素会合体膜を容易に形成することができる。さらに、スクエアリリウム色素からなるJ−会合体の光に対する応答時間は、300fs程度と非常に速いので、テラビット級の信号光パルス列(さらには直線偏光パルス列)に対しても十分に適用可能である。
【0132】
色素会合体膜を形成する好ましいスクエアリリウム色素としては、第1の本発明で説明した一般式(I)で表される化合物が挙げられる。色素会合体膜を用いた非線形光学媒質の好ましい(層)構成、製造方法等は、第1の本発明で説明した通りである
【0133】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の本発明によれば、低コストかつ形成容易な非線形光学媒質を用いることで、簡便にかつ安価に製造できるとともに、光スイッチング特性の良好な光カー効果を利用した光スイッチを提供することができる。
【0134】
また、第2の本発明によれば、簡単な構成で、かつ高On/Off比で、時間多重された信号光パルス列を一括して多チャンネルに分配することが可能な光信号変換装置および光信号変換方法を提供することができる。第2の本発明によれば、1Tbit/s以上というシリアル信号光を一括してOn/Off比コントラストの高い多チャンネルのパラレル信号光に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の光カースイッチ、並びに、第1の本発明の光スイッチの一実施形態を示す概略構成図である。
【図2】 第2の本発明の第1の実施形態を表す概略構成図である。
【図3】 直線偏光パルス列Gが楕円偏光パルスIに変換される状態を(a)〜(c)に順に時系列的に示す図である。
【図4】 図2における読み出しプレート表面に照射されたパラレル信号光Jを、CCDカメラを用いて直接撮影した拡大映像を示す。
【図5】 第2の本発明の第2の実施形態を表す概略構成図である。
【図6】 第2の本発明の第3の実施形態を表す概略構成図である。
【図7】 第2の本発明の第4の実施形態を表す概略構成図である。
【図8】 第2の本発明の第5の実施形態を表す概略構成図である。
【図9】 第2の本発明の第6の実施形態を表す概略構成図である。
【図10】 第2の本発明の第7の実施形態を表す概略構成図である。
【図11】 第2の本発明の第8の実施形態を表す概略構成図である。
【図12】 第2の本発明の第9の実施形態を表す概略構成図である。
【図13】 第2の本発明の第10の実施形態を表す概略構成図である。
【符号の説明】
102、202 偏光子(偏光手段)
104、204 検光子(分離手段)
106、206、206’ 非線形光学媒質
108 制御光パルス照射手段
110、210 信号光パルス列照射手段
212 拡大光学系(平行化手段)
214 光パルス発生手段
216 平行光光学系
218 1/2波長板
220 制御光パルス照射手段
222 読み出しプレート(光検出器)
224、228、230、232 光遅延素子
226 ハーフミラー
234 偏光ビームスプリッター

Claims (27)

  1. 線偏光パルス列が照射される透過型または反射型の非線形光学媒質と、
    前記直線偏光パルス列中の直線偏光パルスに対して偏光方向が傾けられた制御光パルスを、前記非線形光学媒質に照射する制御光パルス照射手段と、
    前記直線偏光パルス列中の前記非線形光学媒質を透過もしくは反射した成分のうち、前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が異なる特定の偏光成分だけを分離する分離手段と、
    を備え、前記非線形光学媒質が、前記制御光パルスの照射によって屈折率異方性が誘起されるとともに、前記直線偏光パルス列中の、前記制御光パルスと同時にかつ同一箇所に照射された直線偏光パルスが、楕円偏光パルスに変換される光カー効果を利用した光スイッチであって、
    前記非線形光学媒質が、色素のJ−会合体によるものであることを特徴とする光スイッチ。
  2. さらに、時間多重された信号光パルス列から、直線偏光パルス列成分に変換する、または、該成分を抽出する偏光手段を有し、該偏光手段により得られた直線偏光パルス列を前記非線形光学媒質に照射することを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
  3. 前記偏光手段が、偏光子であることを特徴とする請求項1または2に記載の光スイッチ。
  4. 前記非線形光学媒質が、スクエアリリウム色素からなるJ−会合体によるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の光スイッチ。
  5. 前記スクエアリリウム色素が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項4に記載の光スイッチ。
    一般式(I)
    Figure 0003988398
    (R1およびR2は同じでも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を示し、XはH、F、OH、CH3またはOCH3を示す。)
  6. 時間多重された信号光パルス列を拡大して、平行信号光パルス列に変換する平行化手段と、
    前記平行信号光パルス列から、直線偏光パルス列成分に変換する、または、該成分を抽出する偏光手段と、
    得られた直線偏光パルス列が照射される透過型または反射型の非線形光学媒質と、
    前記直線偏光パルス列と同期し、進行方向に垂直な面内で広がりのある制御光のパルスであって、前記直線偏光パルス列中の直線偏光パルスに対して偏光方向が傾けられた制御光パルスを、前記非線形光学媒質に照射する制御光パルス照射手段と、
    前記直線偏光パルス列中の前記非線形光学媒質を透過もしくは反射した成分のうち、前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が異なる特定の偏光成分だけを分離して、パラレル信号光を得る分離手段と、
    を備える光信号変換装置であって、
    前記非線形光学媒質が、前記制御光パルスの照射によって屈折率異方性が誘起されるとともに、前記直線偏光パルス列中の、前記制御光パルスと同時にかつ同一箇所に照射された直線偏光パルス成分が、楕円偏光パルスに変換される性質を有し、
    前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが、前記非線形光学媒質の表面における位置により、前記非線形光学媒質に照射される時間が異なることを特徴とする光信号変換装置。
  7. 前記制御光パルスが、前記直線偏光パルス列と所定の角度を以って前記非線形光学媒質に照射されるようにすることで、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが、前記非線形光学媒質の表面における位置により、前記非線形光学媒質に照射される時間を異ならせることを特徴とする請求項6に記載の光信号変換装置。
  8. 前記直線偏光パルス列の光路、および/または、前記制御光パルスの光路の中途に、各光路の進行方向に垂直な方向に異なる遅延時間を与える光遅延素子が配され、該光遅延素子により、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが、前記非線形光学媒質の表面における位置により、前記非線形光学媒質に照射される時間を異ならせることを特徴とする請求項6または7に記載の光信号変換装置。
  9. 前記制御光パルス照射手段における制御光パルスの波長が、前記平行化手段における信号光パルス列の波長と異なり、かつ、前記分離手段の前または後の光路の中途に、前記信号光パルス列と略同一の波長の光のみを透過し得るバンドパスフィルターを配することを特徴とする請求項6〜8のいずれか1に記載の光信号変換装置。
  10. 前記直線偏光パルス列と前記制御光パルスとが交差するように出射され、かつ、前記直線偏光パルス列と前記制御光パルスとが交差する地点に、前記直線偏光パルス列および前記制御光パルスのいずれか一方を反射し、他方が透過するハーフミラーを所定の角度を以って配することで、前記直線偏光パルス列および前記制御光パルスを同一方向から非線形光学媒質に照射することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1に記載の光信号変換装置。
  11. 前記制御光パルス照射手段における制御光パルスの波長が、前記平行化手段における信号光パルス列の波長と異なり、かつ、前記ハーフミラーがダイクロイックミラーであることを特徴とする請求項10に記載の光信号変換装置。
  12. 前記偏光手段が、偏光子であることを特徴とする請求項6〜11のいずれか1に記載の光信号変換装置。
  13. 前記非線形光学媒質が反射型であり、
    前記直線偏光パルス列が前記非線形光学媒質に対して垂直に照射され、
    前記偏光手段と前記分離手段とが、偏光ビームスプリッターにより兼ねられていることを特徴とする請求項6〜11のいずれか1に記載の光信号変換装置。
  14. 前記非線形光学媒質が、半導体微粒子分散ガラス、金属微粒子分散ガラス、半導体材料、半導体多重量子井戸、高分子有機薄膜、有機結晶薄膜、または、有機会合体薄膜であることを特徴とする請求項6〜13のいずれか1に記載の光信号変換装置。
  15. 前記非線形光学媒質が、スクエアリリウム色素からなるJ−会合体によるものであることを特徴とする請求項6〜13のいずれか1に記載の光信号変換装置。
  16. 前記スクエアリリウム色素が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項15に記載の光信号変換装置。
    一般式(I)
    Figure 0003988398
    (R1およびR2は同じでも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を示し、XはH、F、OH、CH3またはOCH3を示す。)
  17. 時間多重された信号光パルス列を拡大して、平行信号光パルス列に変換する平行化工程と、
    前記平行信号光パルス列を、直線偏光パルス列成分に変換する、または、該成分を抽出する偏光工程と、
    得られた直線偏光パルス列、および、該直線偏光パルス列と同期し、進行方向に垂直な面内で広がりのある制御光のパルスであって、前記直線偏光パルス列中の直線偏光パルスに対して偏光方向が傾けられた制御光パルスを、透過型または反射型の非線形光学媒質に照射する照射工程と、
    前記直線偏光パルス列中の前記非線形光学媒質を透過もしくは反射した成分のうち、前記直線偏光パルス列に対して偏光方向が異なる特定の偏光成分だけを分離して、パラレル信号光を得る分離工程と、
    を備える光信号変換方法であって、
    前記非線形光学媒質が、前記制御光パルスの照射によって屈折率異方性が誘起されるとともに、前記直線偏光パルス列中の、前記制御光パルスと同時にかつ同一箇所に照射された直線偏光パルス成分が、楕円偏光パルスに変換される性質を有し、
    前記照射工程において、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが前記非線形光学媒質に照射される時間を、前記非線形光学媒質の表面における位置により、異なるように制御することを特徴とする光信号変換方法。
  18. 前記照射工程において、前記制御光パルスを、前記直線偏光パルス列と所定の角度を以って前記非線形光学媒質に照射することで、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが前記非線形光学媒質に照射される時間を、前記非線形光学媒質の表面における位置により、異なるように制御することを特徴とする請求項17に記載の光信号変換方法。
  19. 前記照射工程において、前記直線偏光パルス列の光路、および/または、前記制御光パルスの光路の中途に、各光路の進行方向に垂直な方向に異なる遅延時間を与える光遅延素子を配し、前記直線偏光パルス列および/または前記制御光パルスについて前記光遅延素子を透過させることで、前記直線偏光パルス列中の各直線偏光パルス、および/または、前記制御光パルスが前記非線形光学媒質に照射される時間を、前記非線形光学媒質の表面における位置により、異なるように制御することを特徴とする請求項17または18に記載の光信号変換方法。
  20. 前記照射工程における制御光パルスの波長を、前記平行化工程における信号光パルス列の波長と異ならせ、かつ、前記分離工程の前または後に、バンドパスフィルターにより前記信号光パルス列と略同一の波長の光のみ選択透過させる波長選択工程を有することを特徴とする請求項17〜19のいずれか1に記載の光信号変換方法。
  21. 前記照射工程において、前記直線偏光パルス列と前記制御光パルスとが交差するように出射され、かつ、前記直線偏光パルス列と前記制御光パルスとが交差する地点に、前記直線偏光パルス列および前記制御光パルスのいずれか一方を反射し、他方が透過するハーフミラーを所定の角度を以って配することで、前記直線偏光パルス列および前記制御光パルスを同一方向から非線形光学媒質に照射することを特徴とする請求項17〜20のいずれか1に記載の光信号変換方法。
  22. 前記照射工程における制御光パルスの波長を、前記平行化工程における信号光パルス列の波長と異ならせ、かつ、前記ハーフミラーとしてダイクロイックミラーを用いることを特徴とする請求項21に記載の光信号変換方法。
  23. 前記偏光工程において、光の変換または抽出の操作を、偏光子を用いて行うことを特徴とする請求項17〜22のいずれか1に記載の光信号変換方法。
  24. 前記非線形光学媒質として反射型のものを用い、
    前記照射工程において、前記直線偏光パルス列を前記非線形光学媒質に対して垂直に照射し、
    前記偏光工程における光の変換または抽出の操作、および、前記分離工程における光の分離の操作を、1の偏光ビームスプリッターを用いて行うことを特徴とする請求項17〜22のいずれか1に記載の光信号変換方法。
  25. 前記非線形光学媒質が、半導体微粒子分散ガラス、金属微粒子分散ガラス、半導体材料、半導体多重量子井戸、高分子有機薄膜、有機結晶薄膜、または、有機会合体薄膜であることを特徴とする請求項17〜24のいずれか1に記載の光信号変換方法。
  26. 前記非線形光学媒質が、スクエアリリウム色素からなるJ−会合体によるものであることを特徴とする請求項17〜24のいずれか1に記載の光信号変換方法。
  27. 前記スクエアリリウム色素が、下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とする請求項26に記載の光信号変換方法。
    一般式(I)
    Figure 0003988398
    (R1およびR2は同じでも異なっていてもよく、それぞれアルキル基を示し、XはH、F、OH、CH3またはOCH3を示す。)
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