JP3987936B2 - 地下水排除施設用集水管の目詰まり防止装置 - Google Patents

地下水排除施設用集水管の目詰まり防止装置 Download PDF

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Description

この発明は、地下水排除施設用集水管内に付着・堆積する目詰まり物質を、集水した地下水を断続的に排出することにより、この地下水とともに集水管から除去する装置に関し、地すべり防止工事で設置される集水井、横ボーリングなどの地下水排除施設や、水田や畑の暗渠などに好適なものである。
地すべり対策技術の一つとして、ストレーナを施した地下水集水管を地中に埋設し、この集水管を通じて地中に含まれた地下水を地表に排出して、地下水位を低下させ、地すべりの発生を抑制する方法が知られている。この地下水集水管を用いた地すべり対策は、多数の地域において実施されている。しかし、ストレーナの目詰まりによる地下水排除機能の低下が確認されており、地すべり抑止効果への影響が危惧されている。なお、この目詰まりを生じさせている物質は、本出願人の土木研究所による研究によって、主に地下水中の鉄分を利用する鉄細菌が生成していることが確認されている。
そこで、この好気性細菌である鉄細菌の増殖を抑制して目詰まりを防止しようとする装置が提案されている。すなわち、集水管にパイプを接続するとともにこのパイプ内への空気の侵入を阻止して組立てるようにした装置(例えば、特許文献1)や、集水管に接続したパイプの排水端部である開口端を水面下に没するように配置した装置(例えば、特許文献2)が知られている。しかし、これらの装置では、充分な防止効果が認められない場合があった。
このため、これまでは高水圧水によって地下水集水管の内壁を洗浄し、この集水管内に付着・堆積した目詰まり物質の除去を行なって、低下した地下水排除機能を回復させていた。しかしながら、高水圧水による洗浄では、地下水集水管の定期的なメンテナンスが必要となる。このため、これに起因して膨大な維持管理費用が生じており、合理的で低コスト化を図れる地下水集水管の機能維持管理技術を開発することが課題となっている。
そこで、本出願人は、地下水集水管の排出口に接続して設置され、地下水集水管に集水した地下水を断続的に排出することにより集水管から目詰まり物質を除去する地下水排除施設集水管目詰まり防止装置を先に提案した(特許文献3)。
この目詰まり防止装置50は、図4に示すように、地山Aに傾斜して埋設された集水管2が有した土壁面3から突出した下端開口部に、略S字状に形成された延長管7を接続した構成としている。この延長管7は、流れ方向を直角に曲げる曲り円管であるエルボ管5a〜5eと、これらのエルボ管5a〜5eの間を接続した直管である短管6a〜6eとを用いて、概略が下向きに凸となる屈曲部と、これに後続して上向きに凸となる屈曲部とを形成した横向きの略S字状の流路を形成し、最終的に垂直方向に設けられた短管6eの下端開口から排出するようにしている。短管6eの下向き開口は、排水路8に臨んで排水路8の底面部から所定距離、離れた上方位置を占めて設けられている。なお、10は集水管2用の通気管、11は通気管の留め具である。
したがって、地山Aの地下水がストレーナ4から集水管2内に流入し、この流入した地下水は集水管2から短管6cに至るまでの管路に一旦、貯留される。そして、集水管2内への地下水のさらなる流入に伴い、前記の管路に貯留された地下水の水位が、延長管7における短管6cの上端を越えて短管6dの高さ位置まで高くなった時点で、サイホンの作用により前記管路の地下水が延長管7の短管6e側に移動して、この短管6eの下端開口部から排水路8に勢いよく排出される。この際、集水管2内に生成された目詰まり物質が、地下水とともに一気に排出される。この排出に伴い、地下水が、短管6b内になくなると、短管6dに空気が侵入しサイホンの作用が成立しなくなり、地下水の排出が停止される。そして、再び地下水の貯留が始まり、同様なサイクルが繰り返される。すなわち、目詰まり防止装置50によれば、地山Aに地下水がある限り、地下水を集水して貯留することと、サイホン作用が得られるまで地下水を貯留すると一気に排出することとを交互に繰り返すサイクルが継続され、目詰まり物質を除去しながら、地山Aから地下水の排除が行なわれる。
しかしながら、上記の構成では、集水管2に集水される地下水の流量〔m3/s〕が少ない場合には、サイホンが形成されにくいという問題点があった。そこで、同出願人は、サイホン形成を促進させる構成の目詰まり防止装置を、さらに国内優先出願の形で提案した(同特許文献3)。
この目詰まり防止装置60は、図5に示すように、延長管7の短管6eの下端開口部に、延長管7のサイホン形成を誘発する第2の延長管9を接続した構成としている。すなわち、第2の延長管9はエルボ管5f、水平向き短管6f及び揺動可能な短管6gが順次連結されて構成され、この短管6は釣合重り18の自重によって、短管6内に地下水が充填されると下向き傾斜になり、これ以外では上向き傾斜となる程度の力で付勢されている。
すなわち、この短管6gの基端には枢支軸14が設けられ、この枢支軸14は、排水路8上に設置された支持スタンド15に軸支されている。また、短管6gの流入口と短管6fの流出口との間は、図示しないジャバラ状体など可撓性を有した部材で連結されている。さらに、枢支軸14の軸端部には、この軸に直交する向きに延在された取付軸16の基端が固定されている。取付軸16の略中間部にはストッパ17が設けられ、このストッパ17と先端部との間には釣合重り18が遊嵌されており、釣合重り18を、両方向の矢印で示される軸長手方向の範囲を往復動自在にしている。さらに釣合重り18の重さは、釣合重り18が位置し、短管6gの先端まで地下水が充填された場合に、短管6gの転倒を開始させる一方、地下水が充分に充填されない場合には、短管6gを起立させる重さに設定されている。そのほかの構成は、図4に示された上記の構成と同様であるので、同様な部分に同一符号を付して説明を省略または簡略化する。
前記のような構成によれば、第2の延長管9内の地下水の量が少ない場合には、釣合重り18は下方の位置にある。このため、第2の延長管9の短管6gが、実線で示す上向きに傾斜した起立姿勢となっている状態では、集水管2から流入した地下水が、延長管7を通り、第2の延長管9内に貯留される。地下水が第2の延長管9内を徐々に満たすにつれ、短管6gの重さと釣合重り18の重さとの重量バランスが崩れ、短管6gが枢支軸14を支点に転倒を開始する。このように転倒する経過中に、この支点よりも上方に釣合重り18が持ち上がると、釣合重り18が取付軸16上をストッパ17側に移動して、短管6gを起立させる重量バランスをさらに推進するように作用するので、一旦開始された短管6gの転倒が確実化される。このため、短管6gの転倒が確実なものとなり、短管6gは鎖線で示す下方に向けて傾斜した姿勢となる。このようにして第2の延長管9内に貯留された地下水は、下向きとなった短管6gの開口部から勢いよく排出され、第2の延長管9からの地下水の移動に伴い、延長管7の上方屈曲部(短管6d、エルボ管5d,5e付近)内に負圧が生じる。この結果、上方屈曲部内の負圧によって、短管6cから集水管2に至るまでの管路に貯留されていた地下水が延長管7の下流側方向に吸引されて、上方屈曲部に移動し、サイホンが形成される。すなわち、この一体的に移動する地下水が、サイホン流れとなる。
特開2001−40673号公報(第2,3頁、図3) 特開2001−90094号公報(第2,3頁、図1) 特開2004−885号(第2〜3頁、図1,3)
しかしながら、上記した集水管に集水される地下水の流量が少ないことに対処した構成では、小型化しながら、サイホン形成の確実化を充分に図れないという問題点が生じた。
すなわち、集水管に流れ込む地下水の流量が少ない場合に、サイホン形成を誘発するのに充分な水量を確保するためには、短管6gを長くして短管6gの貯留容積を拡大する必要がある。したがって、この長い短管6gの起立および転倒に必要な動作スペースが大きくなり、装置として小型化が図れないことになる。
他方、短管6gの管径を大きくして短管6gの貯留容積を拡大すると、動作スペースを増大させずに済むが、地下水を充填した場合の短管6gとしての全重量が増加する。このため、短管6gを所定に起倒させる釣合重り18とのバランスをとり難くなり、短管6gの転倒動作が不安定になる。すなわち、短管6gに転倒を生起させる水量の許容範囲が広がり、謂わば短管6gの転倒を起動させる感度が低下する。このため、短管6gが上向き傾斜姿勢を安定できる重量バランスを設定すると、短管6gが転倒する水量が充填されても短管6gが転倒せずに、短管6gの上側を向いた端部開口から、地下水が漏れ続けるおそれがある。他方、短管6gが下向きに姿勢変更しやすい重量バランスを設定すると、充分な水量を貯留する前に短管6gが転倒して、短管6gから地下水を排出してしまうことになる。したがって、短管6gの管径を大きくして装置の小型化を図った場合には、サイホン形成の確実化を図れなくなる。
そこでこの発明は、前記従来の問題点を解決し、小型化とサイホン形成の確実化とを両立できる地下水排除施設用集水管の目詰まり防止装置を提供することを目的とする。
前記課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、ストレーナが穿設されて下向き傾斜に埋設され、ストレーナから管内に集水した地下水を下端の排出口から排出する地下水排除施設用集水管において、前記集水管の排出口に接続されて、この排出口よりも下方位置に集水管からの地下水を貯留する流路と、この流路の下流側に前記集水管の下端開口よりも高い位置を占めて流れるように形成されたサイホン流路とを有する第1の延長管と、この第1の延長管の排出口に接続され、地下水を一時的に貯留するとともにこの貯留した地下水を排出して前記第1の延長管のサイホン形成を誘発させる第2の延長管とが具えられ、前記第2の延長管には、貯留タンクと、この貯留タンクの下流側に起倒可能に設けられた管体とが設けられ、前記管体は、該管体の開口先端を基端よりも上方に位置させた上向きの傾斜姿勢となるように付勢され、かつ、この付勢する力は、前記管体に地下水が充填されて該地下水の重量が追加されると管体が下向き傾斜姿勢となるように設定されており、前記貯留タンクは、その上端が上向き傾斜姿勢の前記管体の開口先端よりも下方に位置するように配置され、サイホン形成時に第1の延長管内の空気を管外へ排出する空気抜きパイプが、その一端を、前記第1の延長管に形成されたサイホン流路の頂部に接続するとともに、他端を、前記第2の延長管の管体から管外に排出された地下水の水面下となるようにして設置されていることを特徴とする地下水排除施設用集水管の目詰まり防止装置である。
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記第2の延長管が有した管体を付勢する付勢手段は、管体に取り付けられた釣合重り部材であり、この釣合重り部材の自重で管体を上向きの傾斜姿勢となるように付勢している。
請求項3に記載の発明は、請求項2において、前記釣合重り部材は、前記管体が起倒する中心軸と交差する方向に延在されて管体の基端に固定された取付軸と、この取付軸の軸長手方向に移動可能に設けられた釣合重りとを有している。
請求項4に記載の発明は、請求項3において、前記取付軸にはケースが取り付けられ、このケース内に前記釣合重りが、前記取付軸の延在方向に向けて転動自在に収容されている。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかにおいて、前記集水管には、この集水管内の奥部を大気側に開放する通気管が設けられている。
この発明によれば、管体の上流側に貯留タンクを設けたので、この貯留タンクの貯留容量によって、地下水の流量が少ない場合でも、サイホン誘発用に充分な量の地下水を確保しながら、装置の小型化を図ることが可能となる。すなわち、管体の長さに依存することなく、貯留タンクによってサイホン形成を誘発させるために必要な地下水量を貯留して確保できる。このため、管体の長さを短縮でき、管体の姿勢変更に必要なスペースを削減できる。この結果、装置として小型化できる。
またこの発明によれば、サイホンを短時間に形成でき、集水管の目詰まり物質を除去する掃流力を向上できる。すなわち、サイホンを形成する管路から空気を排出するための専用の空気抜きパイプを設けていることにより、排水経路とは別系統でしかも直接的な排出経路を確保しているので、サイホンの流れを形成する過程で、滞留しやすい前記の管路内の空気を管外に、すみやかに排出できる。このため、短時間でサイホンを形成できる。
この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
この発明の実施形態を図面により説明する。図1は、この地下水排除施設用集水管の目詰まり防止装置の全体構成を示す概略図である。なお、この実施形態では、地下水排除施設用の集水管として、地山に傾斜して埋設された集水管に適用した例を説明する。
すなわち、図1に示すように、Aは地山で、この地山Aの地下水面Bよりも下方位置には、集水管2がその開口端を下向きにして傾斜した状態で埋設されている。この集水管2は、中空円筒管からなり、その上端が閉塞され、上端から土砂が入らないようにしており、その開口した下端が地山Aの土壁面3から突出されている。集水管2の長さ方向には、集水管2の管壁を貫通した孔であるストレーナ4が所定の間隔で複数個、穿設されている。したがって、ストレーナ4が施された集水管2が、地山Aに上端から下端に向け下向き傾斜の姿勢で埋設されているので、地山Aからストレーナ4を介して集水管2内に収集した地下水を、土壁面3から突出して開口された下端の排出口から自然に流出させるようにしている。
この目詰まり防止装置1は、集水管2の排出口に接続されこの排出口よりも下方に地下水の貯留箇所を設けた略U字状の第1の流路を形成し、この貯留箇所の下流側に集水管2の下端開口よりも高い位置を占めて流れるサイホン流路を設けて上下が反転した略逆U字状の第2の流路を形成した第1の延長管である延長管7と、この延長管7に接続され地下水を貯留しこの貯留した地下水を断続的に排出して延長管7にサイホン流を誘発させる第2の延長管である第2の延長管9とを有し、この第2の延長管9は、所定量の地下水を貯留可能な貯留タンク21と、この貯留タンク21の下流側に接続され目詰まり防止装置1としての排出口を有して起倒可能に設けられた管体である短管6gとを有し、延長管7におけるサイホン流が形成される第2の流路には、空気抜きパイプ22の一端を接続した構成としている。
また集水管2には、管内を大気側に開放する通気管10が設けられている。すなわち、エルボ管5aの上部から集水管2内の長手方向の奥部に向けて通気管10が挿入されており、この通気管10によって、集水管2の最奥部が管外に連絡され大気側に開放されている。
この通気管10は、集水管2と同程度の長さを有した小径中空管で形成され、エルボ管5aを貫通して一端が支持される一方、他端が集水管2内に設けられた留め具11で留められて支持されており、集水管2内における上部側で管長手方向に向かわせて通気管10の大部分を延在して配置されているとともに、通気管10の他端を集水管2の最奥部に到達させている。また通気管10の他端が、集水管2の奥側である閉塞部の近くで開口されている一方、一端が、エルボ管5aを貫通して外部に突出したうえ、下向きに屈曲され下方に開口されている。したがって、管外に突出された通気管10の一端は、下方に開口され、しかも土壁面3との間に延長管7の一部であるエルボ管5aが介在して遮蔽されているので、降雨や土埃が吹込まれて閉塞されることなく、常に大気に開放した状態を維持できるようにしている。さらに、この通気管10がエルボ管5aを貫通した箇所には、図示しないシール部材が配設され、このシール部材によって、通気管10が貫通した箇所を水密状態に保つようにしている。したがって、このように構成された通気管10によって、集水管2内の気圧は負圧にならないように常に大気圧に調整される。このように集水管2の最奥部である上端側から外部の空気を供給し、しかも集水管2内における上側に通気管10を設置して、通気管10内の下側を何ら妨げるものがない一様に平坦な管内面を確保しているので、集水管2の上端から下端に向けて地下水を自然に流れやすくしている。この結果、地山Aから集水管2内に収集された地下水を、集水管2の下端に向けてスムーズに流下させ、この下端の排出口から安定して排出できる。
延長管7は、エルボ管5a、垂直向き短管6a、エルボ管5b、水平向き短管6b、エルボ管5c、垂直向き短管6c、エルボ管5d、水平向き短管6d、エルボ管5e、垂直向き短管6eを、順次連結した構成としている。すなわち、延長管7の流入口としてエルボ管5aの上端開口部が、集水管2の下端開口部に接続され、排出口として短管6eの下端開口部が、下向きに開口され、これらの間の延長管7の中間部としては、エルボ管5a、短管6a、エルボ管5b、短管6b、エルボ管5c、短管6cとによって下向きに凸状に屈曲されたU字状の流路が形成され、この流路に後続した流路である、同短管6c、エルボ管5d、短管6d、エルボ管5e、短管6eとによって上向きに凸状に屈曲された逆U字状の流路が形成されている。
第2の延長管9は、エルボ管5f、水平向き短管6f、および転倒可能に設けられた短管6gを、順次連結した構成とされ、このエルボ管5fは貯留タンク21を介して短管6eの下端に接続されて連通され、また短管6gは釣合重りによって所定に付勢され、短管6gを所定姿勢に起立させるようにしている。すなわち、短管6eとエルボ管5fとの間、換言すれば、第2の延長管9が有した短管6gに対して上流側の管路には、貯留タンク21が介装されている。
また、延長管7および第2の延長管9が有した各管の高さ位置は、少なくとも、垂直方向に設置された各短管6a、6c、6eの管長さ寸法によって、予め所定に設定されている。すなわち、延長管7の短管6bの高さ位置(前記地下水の貯留箇所として最底部の高さ位置)h1は、集水管2の下端開口部の高さ位置h2よりも低く設定されている。短管6dの高さ位置(前記サイホン形成箇所として頂部の高さ位置)h3は、集水管2の上端の高さ位置(集水管2として地下水を貯留可能な最高の高さ位置である集水管2の上端閉塞部の頂部の高さ位置)h4よりも低く、かつ高さ位置h2よりも高い範囲内に収まるように設定されている。短管6f、または下向き傾斜した短管6gの地下水流入側端部の高さ位置(サイホンを誘発する地下水の経路として最高の高さ位置)h5は、短管6bの高さ位置h1よりも低くなるように設定されている。
したがって、集水管2内から短管6cの上端に至るまでの管路を、この管路の下流にサイホンの流れを形成するための地下水の貯留箇所としている。すなわち、延長管7におけるエルボ管5aから短管6cに至る管路、および集水管2の一部である下端側には、短管6cの上端の高さ位置と同一高さ位置の水位となるまで地下水が貯留される。他方、短管6cから下向き傾斜した短管6gに至るまでの管路によって、h2の位置から下方のh1に位置した地下水を、h1よりも一旦上方のh3に位置させてから再び下方のh5の位置まで流す、所謂、サイホン流れを形成するようにしている。これにより集水管2内に集水された地下水を含めたサイホン流れを形成でき、このサイホンの作用(原理)により集水管2内に付着・堆積した目詰まり物質も、地表面に勢いよく排出できる。
また、このように地下水の流れ方向を所定に変更する曲がり管としてのエルボ管5a〜5fと、これらのエルボ管5a〜5f同士の間を連結した直管としての短管6a〜6fとを組合わせて、延長管7を構成したので、短管6a〜6fの長さを適宜選択するだけで、地山Aから予測される頻度の高い集水量や、集水管2が有した傾斜角度などのように、設置場所の状況に応じて、上記のh1,h3,h5を簡単に任意の最適なものに設定できる。他方、特に延長管7および第2の延長管9をすべて同一の管径とした場合には、各エルボ管5a〜5fを互換性のある同一部材で構成できるので、大幅なコストダウンが可能となる。
この短管6gの基端には、水平な枢支軸14を固定して設けており、この枢支軸14は、支持スタンド15によって排水路8から上方に離れた所定距離を確保して起倒可能に軸支され、短管6fに対して連通状態を維持しながら、短管6gの先端側に位置した開口を、図中に実線で示す上向きに向けて傾斜した起立の姿勢から仮想線で示す略水平方向の下向きに向けて傾斜した転倒の姿勢まで、およびこれと逆方向の転倒姿勢から起立姿勢まで、両方向に姿勢変更を可能に構成されている。
すなわち、枢支軸14は、側面視が略逆T字状の支持スタンド15の上端で枢支され、この支持スタンド15の脚部は排水路8に接して設置されている。また両管6g,6fの接続部は、図示を省略したジャバラ状体などの可撓性を有した部材で形成され、短管6gの起倒時に両管6g,6fの相対的な角度位置が変化してもこれに応じて可撓性部材が変形することにより、両管6g,6fを水密状態を保って連通するようにしている。
さらに枢支軸14を、短管6gが起立する回転方向に付勢する手段として、この方向に重りの自重によって付勢する釣合重り部材13が設けられている。この釣合重り部材13は、前記の枢支軸14に付与する回転力として、釣合重り18の常時、垂下方向に働く自重によって生じる回転モーメント力を取付軸16を介して枢支軸14に伝達した構成としており、付勢力としての回転力を、短管6gの姿勢状態によって可変に、つまり取付軸16の回転角度位置で増減するように構成している。
この釣合重り部材13は、枢支軸14の軸端部に接続された所定長さの取付軸16と、この取付軸16の先端に設けられた密閉ケース19と、この密閉ケース19内を移動可能に収容された釣合重り18とを有している。すなわち、枢支軸14の軸端部には、この軸に直交する向きに延在された取付軸16の基端が固定されている。また短管6gに対する取付軸16の取り付け角度、つまり取付軸16の軸中心線と、短管6gの管体中心線とが成す角度は、枢支軸14として最先端部となる密閉ケース19が排水路8に接した姿勢状態で、実線で示すように短管6gが垂直に近い上向き傾斜となる角度に設定されている。この取付軸16の先端には、密閉ケース19が取り付けられて設けられ、この密閉ケース19は、取付軸16が延在された方向に長い中空箱形状に形成され、密閉ケース19内には、釣合重り18が矢印で示すように取付軸16の軸線方向に転動自在に収容されている。釣合重り18は、例えば1個又は複数個の金属球からなり、この金属球はケース内空間の最小寸法よりも小径に形成されている。
したがって、取付軸16の先端を実線で示すように下方に向けて取付軸16が下向きに傾いている状態では、密閉ケース19の先端側に釣合重り18が位置し、取付軸16の先端を仮想線で示すように上方に向けて取付軸16が傾いている状態では、釣合重り18が転動して密閉ケース19の基端側に位置する。このように取付軸16の傾斜状態に応じて釣合重り18が密閉ケース19内を転動して移動するので、取付軸16つまり短管6gが、一方の傾斜状態から他方の傾斜状態に変化する場合に、このような変化を後戻りすることなく推進し確実化させるアンバランス作用を生成できる。すなわち、短管6gが上向き傾斜状態から下向き傾斜状態に移行する場合には、取付軸16が上向になった時点で、回転中心である枢支軸14側に釣合重り18が近づくので、回転モーメント力を形成する一方の構成要素である回転モーメント・アームとしての距離が短くなり、この移行する動きに抵抗する力として作用する力、つまり枢支軸14に起立方向の付勢力として作用する回転モーメント力は減少する。
これに加えて、図1中に仮想線で示すように、取付軸16が垂直に近い深い傾斜角度となった場合には、付勢力としての回転モーメント力が最小となる。すなわち、釣合重り18による垂下方向の加重は、回転軸中心方向に向かう分力と、取付軸16に直交する分力とにベクトル分解され、この直交する分力が、回転モーメント力を形成する他方の構成要素である作用点に加わる力となる。このため、取付軸16が深い傾斜角度となった場合には、釣合重り18の加重の大部分が回転軸中心方向に向かう分力となり、直交する分力が小さくなる。この結果、これによっても、付勢力が減少される。したがって、このように短管6gが下向き傾斜姿勢になった状態では、短管6gを起立状態に復帰させる付勢力が可及的に減少されるので、短管6g内の地下水流量が少なくなって短管6gの重さが満水時よりも減少しても、短管6gの下向き傾斜姿勢が維持され、結果として、第2の延長管9全体から地下水を排出しきることが可能となる。
他方、可動部材として転動する釣合重り18が、密閉ケース19内に収容されて保護されているので、アンバランス作用を生成させる作動の不良がなく、故障の少ない信頼性の高い機構となるという効果が得られる。
なお、このように枢支軸14を介して、取付軸16を短管6gに固定した構成としたが、取付軸16を直接、短管6gに固定した構成としてもよい。また釣合重り18は、金属球以外に、円筒形状の金属ローラ部材でもよい。
貯留タンク21は、その上部が短管6eの下端開口に接続され、下部がエルボ管5fの上端開口に接続され、短管6eの管内をタンク内空間を介してエルボ管5fの管内に連通している。この貯留タンク21には、所定の水量を貯留可能なタンク容量が確保されており、このタンク容量としては、短管6gが転倒を開始する直前までに、短管6gに充填された水量を含めて、延長管7にサイホン流を誘発して形成させるのに充分な水量を貯留可能なタンク容量とされている。この貯留タンク21は、少なくとも、その上部が、起立した状態における短管6gの先端開口の高さ位置よりも低い位置を占めるように、設置されている。したがって、短管6gを転倒させるだけの地下水が短管6gに充填された場合には、前記の水量を確保して貯留タンク21が満杯となるようにしている。
短管6dの頂部には、空気抜きパイプ22の一端が接続され、この空気抜きパイプ22は、その下端が排水路8に排出された地下水Cの水面下に浅く没するように配置されている。
すなわち、空気抜きパイプ22は、所定の長さを有した小径中空管で形成されており、一端が、短管6dの管体周面における最上部に接続され、空気抜きパイプ22内と短管6d内とが連通されている。また、空気抜きパイプ22は、図示しない支持部材などによって支持され、その下端開口が排水路8に滞留した地下水Cの水位よりも、所定に下方に位置するように配置されている。したがって、空気抜きパイプ22の下端開口を浅く地下水Cの水面下に保持しているので、この下端開口に作用する水圧を低くして、空気抜きパイプ22を介して空気を排出しやすくしているとともに、何ら機械的な構造の逆止め弁を不要にして、空気の排出だけを行なわせるようにしている。すなわち、空気抜きパイプ22の下端開口から排出した空気が逆経路で戻ることを防止し、かつ、この下端開口から空気が流入することを防止して、サイホン流れが形成する場合に短管6d付近の負圧を保てるようにしている。このように空気抜きパイプ22の空気排出口としての下端開口を水面下に保持し、可動弁体を有した構成である機械的な逆止め弁を不要にして、管外への一方向にだけ空気を排出させる構成としたので、構成が簡素になり、機械的な故障による動作不良を未然に回避でき、また低コスト化を図れる。
次に、このように構成された目詰まり防止装置1の動作を説明する。すなわち、図2(a)に示すように、地山Aから集水管2に集水される地下水の流量が少ない場合には、まず集水管2から延長管7に排出された地下水は、集水管2内から短管6cの上端に至るまでの管路に徐々に貯留され、この貯留水位が緩慢に上昇する。このため、集水管2に集水される地下水の流量が少ないことが継続される限り、サイホンが形成されてこの貯留した地下水全体が短管6d側に引き込まれように動くことがなく、この地下水の一部だけが、細流となって短管6d,エルボ管5eを通過して第2の延長管9に向けて漏れ続け、第2の延長管9に徐々に貯留される。
すなわち、集水管2に少流量の地下水が集水され続けると、図2(b)に示すように、前記した管路の貯留水量を維持したまま、第2の延長管9には、短管6g内と貯留タンク21内とに同一水位で地下水が貯留され、この水位が緩慢に上昇する。このため、上述したように、短管6gの上端開口まで水位が上昇すると、短管6gの転倒が開始され、図2(c)に示すように、短管6gが先端開口を下向きにした傾斜姿勢となり、この短管6gの先端開口から第2の延長管9として貯留したすべての水量が一気に排出される。すなわち、短管6g内の水量に加えて、同一の水位を有して満杯の貯留タンク21からの水量が排出される。したがって、第2の延長管9における短管6gの先端開口側に移動した水面から、前記の管路に貯留された地下水面に至るまでの管路内の空間に対して、つまり概略短管6eから上流側のエルボ管5dに至るまで管路内に対して、サイホン形成を誘発させる充分な負圧を発生させる。このため、前記の管路に貯留された地下水は、まとまった連続的な流れとしてその全体が、下流側に急激に移動して、サイホンが形成される。なお、この負圧の発生時には、空気抜きパイプ22内の空気が、前記のエルボ管5dに至るまで管路内に引き込まれることになるが、空気抜きパイプ22が小径で、しかも他端が水面下にあって他端から水を引き込む抵抗が大きく、また引き込んだ水を垂直方向の上方に移動させているので、結局、空気抜きパイプ22から前記の管路内に引き込まれる空気量としては僅かな量となり、生成した負圧に対して影響を与えずに済む。
他方、このサイホン形成する過程の途中状態によっては、サイホン流により管内の上部に空気が押し込まれて、空気が滞留するおそれがある。しかしながら、この構成によれば、管内上部に残留した空気が、短管6dの頂部に接続された空気抜きパイプ22を介して排出される。すなわち、同図2(c)に示すように、このサイホン流れの途中で、かつこのサイホン流れに対して上方に位置させて、空気抜きパイプ22の一端が開口されているので、残留した空気がこの空気抜きパイプ22の一端に流れ込んで、他端から排出される。したがって、専用の空気抜きパイプ22を設けて短管6dの頂部からの空気を排出させやすくしているので、サイホン流れを形成する管内に頂部にまで、水流が充填された完成度が高いサイホン流れを形成できる。他方、このような完全なサイホン流を形成するまでの時間を短縮できる。このため、管内において、サイホン流を形成する前の状態と、サイホン流を形成した状態との間に生じる圧力差や、単位時間当たりの流量の変動幅を拡大できる。この結果、集水管に対する掃流力の強化が図れ、集水管内の目詰まり物質を排除する効果を高めることができる。
このようにして形成したサイホンの作用によって、集水管2内に堆積した目詰まり物質も、最終的に短管6gの下端開口部から排出される。
次に、前記のまとまった連続流としての地下水の流れが通過して、第2の延長管9を流れる地下水量が減少するに伴い、短管6gの重さと釣合重り18の重さとのバランスが崩れ、図2(d)に示すように、短管6gが枢支軸14を支点に起き上がりを開始する。そのとき、釣合重り18は元の位置側に傾き、取付軸16上を枢支軸14から離れる側に移動し、バランスがさらに崩れるように作用する。このことにより、短管6gの起き上がりが確実なものになり、短管6gは、取付軸16の最先端にある密閉ケース19が接地されて、開口先端を基端よりも上方に位置させた上向きに傾斜した元の姿勢状態に復帰する。そして、地山Aから集水管2に地下水が集水される限り、上述した一連の動作からなるサイクルが繰り返される。
以上のように、この実施形態の目詰まり防止装置によれば、目詰まり防止装置が形成した管路の末端に位置して起倒可能に設けられその転倒時にサイホン形成を誘発させるための排水を行なう管体である短管の上流側に貯留タンクを設けたので、この貯留タンクの貯留容量によって、地下水の流量が少ない場合でも、サイホン誘発用に充分な量の地下水を確保しながら、装置の小型化を図ることが可能となる。すなわち、自らの管内に存在した地下水量の重さに応じて自立的に起倒動作する短管の長さや管径に依存することなく、貯留タンクに任意の水量の地下水を貯留できるので、この貯留タンクによって、サイホン形成を誘発させるために必要な地下水量を補充したり、充分に確保したりできる。したがって、サイホン誘発用の水量を確保するために、短管自体の長さや管径を変更せずに済み、短管を長くしてこの短管に必要な動作スペースが拡大されたり、短管の管径を太くして短管の転倒動作を不安定にさせたりすることを未然に回避できる。換言すれば、サイホン形成用の分量の地下水を貯留して確保する機能を、短管から分離して、貯留タンクに集約させているので、短管はその転倒動作に必要な水量だけを貯留できれば済むことになる。このため、短管に対する設計上の制約が緩和され、短管として本来の機能である転倒動作に最適な短管の長さや管径を選択することができるので、野外に設置されても風雨などの外乱の影響を受けさせることなく、サイホン誘発の起点となる短管が転倒する動作の信頼性を向上できる。他方、起倒動作する短管の長さを短縮でき、この起倒時における短管の姿勢変更に必要なスペースを削減して、装置として小型化できる。この結果、この目詰まり防止装置では、地下水の流量が少ない場合でも、小型化とサイホン形成の確実化とを両立させながら、集水管内で生成される目詰まり物質を速やかに地表に排出して、集水管の目詰まりを防止できる。他方、タンク容量にもよるが、短管に対する流量をある程度、安定化する緩衝機能を貯留タンクに期待でき、これによってもサイホン形成の確実化が図れる。すなわち、貯留タンクに一旦貯留したうえで、その下流側に位置した短管に地下水を送流しているので、貯留タンクよりも上流側からの地下水の流量の変動に拘わることなく、貯留タンクから短管に常に安定した一定流量を確保できる。このため、サイホン形成時の短管が転倒した状態が安定化され、またこの転倒による排出動作の継続時間の変動幅を少なくできる。
特に、この目詰まり防止装置では、基本的に貯留タンクのタンク容量を変更するだけで、排水路に対して様々な高さ位置に設置された集水管に対応できるので、各種の大幅なコストダウンが可能となる。すなわち、例えば図3(a)に示される貯留タンクを設けない従来の装置60では、短管6eが延長されると(排水路8に対して集水管2が、より高い位置に設置されていると)、短管6g自体の長さを延長する必要があるのに対して、図3(b)に示されるこの実施形態の目詰まり防止装置1では、貯留タンク21の容量を増加すればよいので、短管6gの長さを延長しなくても済む。したがって、従来の構成では、短管6gの重量(地下水の未充填時および充填時)が増加するので、釣合重りを変更つまり短管6gと釣合重りとのバランスを再設定する必要があるのに対して、この構成では、短管6gをそのまま使用でき、釣合重りの構成も変更せずに済む。このように複数の高さ位置の異なる集水管に応じて、それぞれ短管6eおよび貯留タンク21のタンク容量だけが異なり、他は同一構成の目詰まり防止装置1を用いることができるので、製作コストを低減できる。特に、様々な高さ位置に設けられた複数の集水管2に対して、単一の排水路8を共有して、前記のようにほぼ同一な構成の複数の目詰まり防止装置1を配置しそれぞれの集水管2に接続した地下水排除施設とできるので、設備コストの低廉化を図ることができる。
他方、目詰まり防止装置では、ランニングコストの負担を軽減できる。すなわち、目詰まり防止装置に対して上方に位置して自然に流下する地下水の位置エネルギーを用いているので、地山から地下水が収集される限り、動作を継続できる。このため、装置としては人工的な動力を用いることなく無動力となり、動力用コストが掛からなくなる。また前記したように、ほぼ同一な構成の目詰まり防止装置で、多様な高さ位置の集水管に対処できるので、多数の目詰まり防止装置を配置した場合に、これらの装置の点検作業や補修部品の共通化が図れ、保守コストも削減できる。他方、自然エネルギーとして地下水が有した位置エネルギーを利用しているので、環境負荷を低減できる。さらに複雑な電気的および機械的な構成要素を不要としているので、簡素な構成で安価にできる。
なお、上記の実施形態においては、目詰まり防止装置を、地山などから地下水を排出する集水管に適用した例を説明したが、これに限られることなく、他の施設や装置に適用してもよい。すなわち、すべての管体を連続的に充填させない程度の流量が予測され、または充填させない程度の流量である頻度が高く、サイホン流の生成と解除とを交互に繰り返す必要がある他の施設や装置にも、適用することができる。
また、この実施形態では、集水管2、延長管7、第2の延長管9、通気管10、空気抜きパイプ22などは、それぞれを形成する材質として、非金属製の合成樹脂材を用いて製作するのが、目詰まり物質を生成する鉄細菌に鉄分を供給させない観点で好ましく、また野外設置に必要な耐候性や、耐腐食性、経済性(製作費用)などの観点から好ましい。さらに、集水管2の長さおよび径の寸法や形状など、集水管2に設けられるストレーナ4の大きさ、個数、互いの間隔距離など、延長管7、第2の延長管9の寸法、形状や構成部材なども任意であり、実施に際して適宜にその設計を変更したり修正したりすることが可能である。
この発明の実施形態の目詰まり防止装置を示し、地下水排除施設用集水管に適用され、貯留タンクおよび空気抜きパイプが設けられた第2の延長管を有した目詰まり防止装置の全体構成を示す概略図である。 この実施形態の目詰まり防止装置の動作を示し、(a)は、第1の延長管が地下水を貯留する過程を主体に、(b)は、第2の延長管が地下水を貯留する過程を主体に、(c)は、第2の延長管が地下水を排出して第1の延長管がサイホンを形成する過程を主体に、(d)は、目詰まり防止装置として貯留したすべての地下水を排出して貯留前の状態に復帰する過程を主体に、それぞれ示す概略縦断面図である。 この発明の構成と従来の構成とを対比して示し、排水路に対して高所に集水管が設置された場合における、(a)は、従来の目詰まり防止装置を、(b)は、この発明の貯留タンクおよび空気抜きパイプが設けられた目詰まり防止装置を、それぞれ示す概略図である。 従来の構成の目詰まり防止装置を示し、地下水排除施設用集水管に適用した目詰まり防止装置の全体構成を示す概略図である。 従来の構成の目詰まり防止装置を示し、地下水排除施設用集水管に適用された第2の延長管を有した目詰まり防止装置の全体構成を示す概略図である。
符号の説明
1 目詰まり防止装置 2 集水管
3 土壁面 4 ストレーナ
5a〜5f エルボ管 6a〜6f 短管
6g 短管(管体) 7 延長管(第1の延長管)
8 排水路 9 第2の延長管
10 通気管 11 留め具
13 釣合重り部材 14 枢支軸
15 支持スタンド 16 取付軸
18 釣合重り 19 密閉ケース
21 貯留タンク 22 空気抜きパイプ
A 地山 B 地山の地下水面
C 排水路に排出された地下水

Claims (5)

  1. ストレーナが穿設されて下向き傾斜に埋設され、ストレーナから管内に集水した地下水を下端の排出口から排出する地下水排除施設用集水管において、
    前記集水管の排出口に接続されて、この排出口よりも下方位置に集水管からの地下水を貯留する流路と、この流路の下流側に前記集水管の下端開口よりも高い位置を占めて流れるように形成されたサイホン流路とを有する第1の延長管と、この第1の延長管の排出口に接続され、地下水を一時的に貯留するとともにこの貯留した地下水を排出して前記第1の延長管のサイホン形成を誘発させる第2の延長管とが具えられ、
    前記第2の延長管には、貯留タンクと、この貯留タンクの下流側に起倒可能に設けられた管体とが設けられ、
    前記管体は、該管体の開口先端を基端よりも上方に位置させた上向きの傾斜姿勢となるように付勢され、かつ、この付勢する力は、前記管体に地下水が充填されて該地下水の重量が追加されると管体が下向き傾斜姿勢となるように設定されており、
    前記貯留タンクは、その上端が上向き傾斜姿勢の前記管体の開口先端よりも下方に位置するように配置され、
    サイホン形成時に第1の延長管内の空気を管外へ排出する空気抜きパイプが、その一端を、前記第1の延長管に形成されたサイホン流路の頂部に接続するとともに、他端を、前記第2の延長管の管体から管外に排出された地下水の水面下となるようにして設置されていることを特徴とする地下水排除施設用集水管の目詰まり防止装置。
  2. 前記第2の延長管が有した管体を付勢する付勢手段は、管体に取り付けられた釣合重り部材であり、この釣合重り部材の自重で管体を上向きの傾斜姿勢となるように付勢していることを特徴とする請求項1記載の地下水排除施設用集水管の目詰まり防止装置。
  3. 前記釣合重り部材は、前記管体が起倒する中心軸と交差する方向に延在されて管体の基端に固定された取付軸と、この取付軸の軸長手方向に移動可能に設けられた釣合重りとを有していることを特徴とする請求項2記載の地下水排除施設用集水管の目詰まり防止装置。
  4. 前記取付軸にはケースが取り付けられ、このケース内に前記釣合重りが、前記取付軸の延在方向に向けて転動自在に収容されていることを特徴とする請求項3に記載の地下水排除施設用集水管の目詰まり防止装置。
  5. 前記集水管には、この集水管内の奥部を大気側に開放する通気管が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の地下水排除施設用集水管の目詰まり防止装置。
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