JP3987622B2 - 自動変速機の変速操作入力装置 - Google Patents

自動変速機の変速操作入力装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機の変速操作入力装置、詳しくは、変速段を予め設定された変速特性に基づいて自動的に切り換える自動変速レンジと、運転者によるシフトレバーの揺動操作により変速段を切り換える手動変速レンジとが設けられた自動変速機の変速操作入力装置、特に、軸方向に移動することにより各レンジ用の油圧供給状態を選択的に達成するマニュアルバルブが備えられた自動変速機の変速操作入力装置の技術の分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両用の自動変速機として、変速段を予め設定されている変速特性に基づいて自動的に切り換える自動変速が達成される自動変速レンジの他に、シフトレバーを所定方向に揺動させることにより変速段を切り換える手動変速が達成される手動変速レンジを備えたものが実用化されつつあり、このような自動変速機として、例えば特開平7−280072号公報に開示されたものがある。
【0003】
この自動変速機においては、シフトレバーを車体前後方向に延びる第1のシフトゲート内において揺動操作することにより、P(駐車)、R(後退)、N(ニュートラル)、D(ドライブ)等の各レンジが選択可能とされ、上記Dレンジにおいて自動変速が達成されると共に、このDレンジの選択位置から横方向に延びる連絡ゲートを介して、シフトレバーを上記第1のシフトゲートに並行で手動変速が達成される手動変速レンジ(Mレンジ)用の第2のシフトゲートに切り換えて、この第2のシフトゲート内においてシフトレバーを中立位置から前方へ揺動操作することにより変速段が1段シフトアップし、後方へ揺動操作することにより変速段が1段シフトダウンするように構成されている。
【0004】
ところで、この種の自動変速機においては、一般に、作動圧の給排を受けて選択的に締結又は解放され、これによりエンジンと駆動輪との間の動力伝達経路を切り換えるクラッチやブレーキ等の複数の摩擦要素が備えられると共に、これらの摩擦要素に対する上記作動圧の給排制御を行なう油圧制御回路に、該回路における作動油の油路を各レンジに対応させて切り換えるバルブ部材(マニュアルバルブ)が備えられる。そして、このバルブ部材とシフトレバーとの間に例えば機械的連動機構を介してケーブルが配設されて、シフトレバーが上記レンジ選択のための揺動位置間で揺動されると、その揺動が上記ケーブルを経て機械的連動機構を介し上記油圧制御回路内のバルブ部材に伝達され、これにより、該バルブ部材がシフトレバーにより選択されたレンジに応じて移動して、そのレンジ用の油路が実現され、そのレンジ用の油圧供給状態が達成されるように構成されている。
【0005】
その場合に、上記のような手動変速レンジが自動変速レンジ等と共に並設されていると、次のような問題が起こり得るのである。すなわち、P、R、N、D等の各レンジ間切換えのための第1のシフトゲートと、Mレンジを構成する第2のシフトゲートとが相互に並行に配置されているため、手動変速のための該第2シフトゲート(Mレンジ)内におけるシフトレバーの揺動方向が、他のレンジ間切換えのための第1シフトゲート内におけるシフトレバーの揺動方向と同じとなり、その結果、Mレンジ内における手動変速時にも上記ケーブルないし機械的連動機構を介してバルブ部材が油圧制御回路内で移動するのである。
【0006】
したがって、このバルブ部材を介して設定されていた前進走行レンジ用の油路ないし油圧供給状態が、該バルブ部材の移動によって適正に実現されなくなる虞が生じ、例えば、Dレンジの選択位置の前方にNレンジの選択位置が配置されている場合では、シフトレバーをMレンジの中立位置から前方のシフトアップ位置へ揺動操作することが、Dレンジから前方のNレンジ方向へシフトレバーを近づけるように揺動操作することと同じ動作となって、その結果、油路がNレンジ用の油路に切り換わる方向に近づき、前進走行時に締結される摩擦要素に対する作動圧が低下ないし不足する等の不具合が生じ得るのである。
【0007】
そこで、上記公報には、シフトレバーを上記連絡ゲートを介してDレンジの選択位置からMレンジの選択位置の方向へ揺動させたときには、該レバーと上記ケーブルとの連係を切り離し、逆にシフトレバーをMレンジの選択位置からDレンジの選択位置の方向へ揺動させたときには、該レバーと上記ケーブルとの連係を復帰させるようにして、Pレンジ選択位置からDレンジ選択位置までの範囲内におけるレンジ選択のためのシフトレバーの揺動についてはその動きを上記バルブ部材に伝達する一方、Mレンジ選択位置内における手動変速のためのシフトレバーの揺動についてはその動きを上記バルブ部材に伝達しないようにする技術が併せて開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような公報開示の技術によれば、ケーブルとシフトレバーとの連係をDレンジからMレンジへの切換え時には切断し、MレンジからDレンジへの切換え時には接続し、そして他のレンジ間の切換え時には保持するという機構が必要となり、それによってシフトレバー周辺の変速操作入力装置の機械的な構造が複雑になって、部品点数、重量、コストが増大する。
【0009】
本発明は、シフトレバーの揺動によって変速段を切り換える手動変速レンジが設けられていると共に、該シフトレバーの揺動に連動して各レンジ用の油圧供給状態を達成するバルブ部材、及び該バルブ部材に上記シフトレバーのレンジ選択の動きを伝達するケーブル部材が備えられた変速操作入力装置における上記のような不具合に対処するもので、シフトレバー周辺の機械的構造を複雑化させることなく、手動変速レンジでのシフトレバーの揺動に伴う油圧供給状態の変化を回避することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では次のような手段を用いる。
【0011】
まず、本発明の特許請求の範囲における請求項1に記載の発明(以下「第1発明」という。)は、シフトレバーの揺動操作により選択されるレンジとして、非走行レンジと、前進レンジと、後退レンジとを有すると共に、上記前進レンジとして、予め設定された変速特性に基づいて変速を行う自動変速レンジと、シフトレバーの揺動により変速を行う手動変速レンジとが設けられ、これらのレンジの選択位置のうち、非走行レンジの選択位置と自動変速レンジの選択位置とが第1の方向において隣接して配設され、自動変速レンジの選択位置と手動変速レンジの選択位置とが上記第1の方向と直交する第2の方向において隣接して配設されて、手動変速レンジの選択位置内での上記第1の方向におけるシフトレバーの揺動により変速が行われるように構成されており、且つ、軸方向に移動することにより油圧の供給状態を切り換えるマニュアルバルブがシフトレバーの第1の方向における揺動により機械的連動機構を介して操作されるようになっている自動変速機の変速操作入力装置であって、上記マニュアルバルブが、非走行レンジ用、前進レンジ用、及び後退レンジ用の3つの油圧の供給状態を選択的に達成可能に構成されていると共に、このマニュアルバルブを、自動変速レンジの選択位置と、手動変速レンジの選択位置内での第1の方向におけるシフトレバーの揺動範囲内とにおいて、前進レンジ用の油圧供給状態に保持するマニュアルバルブ操作手段が備えられ、このマニュアルバルブ操作手段は、シフトレバーの揺動に連動して回転すると共に、マニュアルバルブに設けられた係合部と係合する係合溝が設けられたプレート部材を有し、このプレート部材の回転によって上記係合部が係合溝内を移動することによりマニュアルバルブが軸方向に移動するように構成されていると共に、マニュアルバルブが前進レンジ用の油圧供給状態を達成する位置にあるときに上記係合部が係合する係合溝の部分が、シフトレバーの手動変速レンジの選択位置内での揺動に伴うプレート部材の回転範囲内において、該プレート部材の回転中心に対して、同心円弧状に形成されていることを特徴とする。
【0013】
さらに、請求項2に記載の発明(以下「第2発明」という。)は、シフトレバーの揺動操作により選択されるレンジとして、非走行レンジと、前進レンジと、後退レンジとを有すると共に、上記前進レンジとして、予め設定された変速特性に基づいて変速を行う自動変速レンジと、シフトレバーの揺動により変速を行う手動変速レンジとが設けられ、これらのレンジの選択位置のうち、非走行レンジの選択位置と自動変速レンジの選択位置とが第1の方向において隣接して配設され、自動変速レンジの選択位置と手動変速レンジの選択位置とが上記第1の方向と直交する第2の方向において隣接して配設されて、手動変速レンジの選択位置内での上記第1の方向におけるシフトレバーの揺動により変速が行われるように構成されており、且つ、軸方向に移動することにより油圧の供給状態を切り換えるマニュアルバルブがシフトレバーの第1の方向における揺動により機械的連動機構を介して操作されるようになっている自動変速機の変速操作入力装置であって、上記マニュアルバルブが、非走行レンジ用、前進レンジ用、及び後退レンジ用の3つの油圧の供給状態を選択的に達成可能に構成されていると共に、このマニュアルバルブを、自動変速レンジの選択位置と、手動変速レンジの選択位置内での第1の方向におけるシフトレバーの揺動範囲内とにおいて、前進レンジ用の油圧供給状態に保持するマニュアルバルブ操作手段が備えられ、このマニュアルバルブ操作手段は、シフトレバーの揺動に連動して回転すると共に、揺動アームに設けられたピンと係合する係合溝が設けられたプレート部材を有し、上記揺動アームに設けられた係合溝にマニュアルバルブに設けられた係合部が係合しており、上記プレート部材の回転によって上記揺動アームのピンがプレート部材の係合溝内を移動することによりマニュアルバルブが軸方向に増幅されて移動するように構成されていると共に、マニュアルバルブが前進レンジ用の油圧供給状態を達成する位置にあるときに上記揺動アームのピンが係合するプレート部材の係合溝の部分が、シフトレバーの手動変速レンジの選択位置内での揺動に伴うプレート部材の回転範囲内において、該プレート部材の回転中心に対して、同心円弧状に形成されていることを特徴とする。
【0014】
さらに、請求項3に記載の発明(以下「第3発明」という。)は、上記第1発明又は第2発明のいずれかにおいて、非走行レンジとして、駐車レンジとニュートラルレンジとが設定され、これらの両レンジにおいて、マニュアルバルブが同じ位置で非走行レンジ用の油圧供給状態を達成するように構成されていることを特徴とする。
【0015】
以上のような手段を用いることにより、本発明によれば次のような作用が得られる。
【0016】
まず、第1発明によれば、シフトレバーの揺動操作により選択されるレンジとして非走行レンジと前進レンジと後退レンジとが設けられ、これらのレンジの選択位置のうち、非走行レンジの選択位置と、前進レンジとしての自動変速レンジの選択位置とが第1の方向において隣接配置され、且つ、上記自動変速レンジの選択位置と、同じく前進レンジとしての手動変速レンジの選択位置とが上記第1方向と直交する第2方向において隣接配設されていると共に、さらに、上記手動変速レンジにおいて手動変速を達成するためのシフトレバーの揺動が、上記第1方向とされているから、結局、自動変速レンジと非走行レンジとの間のレンジ切換のためのシフトレバーの揺動の方向と、手動変速のためのシフトレバーの揺動の方向とが、相互に平行で、共に上記の第1の方向に沿うものとなるのみならず、自動変速レンジから非走行レンジへの切換操作時においてシフトレバーを揺動させる動作と、手動変速時において変速段をシフトアップさせるためにシフトレバーを揺動させる動作又はシフトダウンさせるためにシフトレバーを揺動させる動作のうちの一方の動作とが、上記の第1の方向に沿う揺動動作として同じ動作となり、したがって、各レンジに応じて油圧の供給状態を選択的に切り換えるマニュアルバルブが、常に、シフトレバーの第1の方向における揺動によって操作されるようになっていると、手動変速レンジ選択位置内でシフトアップ動作又はシフトダウン動作が行なわれたときに、前進レンジ用に達成されていた油圧供給状態が、非走行レンジ用の油圧供給状態に近づき、これにより、前進走行時に締結される摩擦要素に供給される作動圧が低下して、該摩擦要素の締結力が不足する等の不具合が生じることになる。
【0017】
しかしながら、この第1発明によれば、マニュアルバルブ操作手段が備えられ、この操作手段によって、マニュアルバルブが、自動変速レンジが選択されたときだけでなく、手動変速レンジが選択され、且つ、その手動変速レンジにおいて手動変速が達成されるようにシフトレバーが第1の方向において揺動されたときにおいても、その揺動の範囲内にシフトレバーがあるうちは、前進レンジ用の油圧供給状態に保持されるから、シフトレバーが手動変速レンジ達成位置内でシフトアップ又はシフトダウンのために第1の方向に沿って揺動されても、前進レンジ用の油圧供給状態は維持され、これにより、前進走行時に締結される摩擦要素に供給される作動圧が低下して該摩擦要素の締結力が不足する等の不具合が回避されると共に、シフトレバーが同じ動作で自動変速レンジ達成位置から非走行レンジ達成位置へ向けて第1の方向に沿って揺動されたときには、油圧供給状態は前進レンジ用から非走行レンジ用に切り換えられることになる。
【0018】
そして、この場合、上記マニュアルバルブ操作手段が、マニュアルバルブを前進レンジ用の油圧供給状態に保持するものであり、例えばシフトレバーとケーブルとを機械的に切り離したりするようなものではないから、シフトレバー周辺の機械的な構造が複雑化したりすることがなく、部品点数、重量、コストの増大を回避することができる。
【0020】
さらに、第1発明によれば、特に、上記マニュアルバルブ操作手段がプレート部材を有し、このプレート部材の係合溝とマニュアルバルブの係合部とが係合して、シフトレバーの揺動に連動してプレート部材が回転すると上記係合部が係合溝内を移動し、これによりマニュアルバルブが軸方向に移動するように構成されたものであって、この場合に、前進レンジ用の油圧供給状態が達成されているときに上記係合部が係合する係合溝の部分が、シフトレバーの手動変速時の揺動に伴うプレート部材の回転範囲内において、該プレート部材の回転中心に対して、同心円弧状に形成されているから、この範囲内においては、いくらプレート部材が回転しても、マニュアルバルブがこれと連動して軸方向に移動することがなく、これにより、油圧供給状態の切換えが確実に回避されることになる。
【0021】
また、プレート部材の係合溝をこのような形状とすることにより、例えば、自動変速レンジを備えず、代わりに前進レンジとしてDレンジの他にSレンジやLレンジを設け、これらのレンジ選択位置を相互に隣接配置して、これらのD,S,Lの各レンジでそれぞれ前進レンジ用の油圧供給状態を維持するように構成された自動変速機においても、このプレート部材ないし機械的連動機構あるいはマニュアルバルブを兼用することが可能となり、部品の共通化が図られて、生産性向上に寄与し得ることになる。第2発明によれば、マニュアルバルブが軸方向に増幅されて移動される。
【0022】
そして、第3発明によれば、特に、駐車レンジとニュートラルレンジとが非走行レンジとされ、いずれのレンジが選択されても、マニュアルバルブが同じ位置に移動して非走行レンジ用の油圧供給状態が達成されるから、駐車レンジが選択されたときと、ニュートラルレンジが選択されたときとで、マニュアルバルブが異なる位置に移動し、そして、両位置において同じ非走行レンジ用の油圧供給状態を達成させる場合に比べて、上記マニュアルバルブや油圧制御回路ないし油路の形状が複雑にならなくて済む。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0024】
図1は、この実施の形態に係る変速操作入力装置1の外観を示すもので、この変速操作入力装置1は、運転席と助手席との間のコンソールXに備えられ、該コンソールXの上面に設けられた開口Y内に上記装置のカバー2が取り付けられている。このカバー2には、車体前後方向(図1及び図2において上下の方向並びに図3において左右の方向をいい、以下単に「前後方向」ともいう。)及び車体幅方向(図1及び図2において左右の方向並びに図3において手前向こう間の方向をいい、以下単に「幅方向」又は「左右方向」ともいう。)にそれぞれ延びる複数の短い直線状の貫通溝が組み合わされて全体として車体前後方向に長いジグザグ形状とされた開口2aが形成され、この開口2aを介してシフトレバー3の上部が上方に突出している。
【0025】
シフトレバー3は、特に図3に示すように、その上半部を構成する円柱部材4と、下半部を構成する樹脂性の基部材5とがインサート成形により一体化されたもので、該レバー3の上端部を構成する上記円柱部材4の上端部に運転者がレバー操作をする際グリップするノブ4aが取り付けられて操作部とされている。
【0026】
上記カバー2の下方には、当該変速操作入力装置1の下層部分を構成するベース部材6が配置され、該ベース部材6は前後四箇所のボルト穴7…7(図3参照)に挿通されたボルト8…8(図2参照)によって車体に取り付けられていると共に、このベース部材6の上方には、当該変速操作入力装置1の上層部分を構成するアッパープレート9が配置され、該アッパープレート9は図示しないビス等の締結部材によって上記ベース部材6に取り付けられている。そして、このアッパープレート9の両側部の前後4箇所に設けられた突起10…10(図2参照)と、これに対応させて上記カバー2の両側部の前後四箇所に設けられたフック(図示せず)との係合を介して上記カバー2がこのアッパープレート9に上方から係止され、該アッパープレート9が上記カバー2により覆われている。
【0027】
ベース部材6の中央部には下方へ突出する中空箱状の突出部11が設けられ、シフトレバー3は、後に詳しく説明するように、この突出部11内において、ケース部材12を介して、車体前後方向及び車体幅方向に揺動自在に支持されていると共に、アッパープレート9には、この揺動支点から上方に延び、カバー2から突出するシフトレバー3が挿通するようにシフトゲート13が形成されている。
【0028】
その場合に、このシフトゲート13は、図2に示すように、円柱部材4で表わされるシフトレバー3の図示の位置から左へ所定の長さだけ延びる第1連通路G1と、該第1連通路G1の終端部から後ろへ延びる第2連通路G2と、該第2連通路G2の終端部から右へ上記第1連通路G1の長さより短い長さだけ延びる第3連通路G3と、該第3連通路G3の終端部からさらに後ろへ延びる第4連通路G4と、該第4連通路G4の終端部からさらに右へ延びて上記第1連通路G1の始端部と幅方向において同じ位置に戻る第5連通路G5と、該第5連通路G5の終端部からさらに後ろへ所定の長さだけ延びる第6連通路G6と、該第6連通路G6の終端部から再び左へ上記第1連通路G1の長さと同じ長さだけ延びて上記第1連通路G1の終端部ないし第3連通路G3の始端部と幅方向において同じ位置に至る第7連通路G7と、該第7連通路G7の終端部から前へ上記第6連通路G6の長さより短い長さだけ延びる第8連通路G8と、上記第7連通路G7の終端部から後ろへ上記第8連通路G8の長さと略同じ長さだけ延びる第9連通路G9とから構成されて、上記カバー2の開口2aと同様に、全体として車体前後方向に長いジグザグ形状とされている。
【0029】
そして、このアッパープレート9のシフトゲート13と上記カバー2の開口2aとが相互に形状が対応するように上下に重なり合って配置され、シフトレバー3がこれらのシフトゲート13と開口2aとを同時に挿通していると共に、シフトレバー3が前後左右に揺動されたときには、このレバー3は、シフトゲート13、より具体的には該シフトゲート13の縁部とのみ当接し、カバー2の開口2aとは当接しないようになっている。したがって、このシフトレバー3とシフトゲート13との当接によって該レバー3の揺動が規制され、これにより、該シフトレバー3の揺動経路が実質的に上記シフトゲート13の形状によって決定されて、このシフトレバー3の揺動経路は上記第1〜第9連通路G1〜G9に沿うものとなっている。
【0030】
そして、図1に示すように、シフトレバー3の図示の位置、すなわち第1連通路G1の始端部がPレンジの選択位置とされ、以下ここから後方に向って順に、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジの各選択位置が上記シフトゲート13ないし該レバー3の揺動経路に沿って配置されて、具体的には第3連通路G3の終端部及び第4連通路G4の始端部がRレンジの選択位置、第5連通路G5の終端部及び第6連通路G6の始端部がNレンジの選択位置、第6連通路G6の終端部及び第7連通路G7の始端部がDレンジの選択位置とされている。
【0031】
ここで、この変速操作入力装置1を搭載した車両の自動変速機は、上記Dレンジが選択されたときには、予め車速やエンジン負荷(スロットル開度)等に応じて設定された変速特性に基づいて変速段を切り換える自動変速を達成するようになっているが、同じ前進走行レンジとしてDレンジとは別にMレンジが設けられ、このMレンジが選択されたときには、シフトレバー3の揺動に応じて変速段を切り換える手動変速を達成するようになっている。そして、このMレンジの選択位置もまた上記シフトゲート13ないし該レバー3の揺動経路に沿って配置されて、具体的には、図1に示すように、上記Dレンジ選択位置の左側方の第7連通路G7の終端部並びに第8及び第9連通路G8,G9の始端部がMレンジの中立位置、第8連通路G8の終端部が変速段を一段シフトアップさせるMレンジのシフトアップ位置、第9連通路G9の終端部が変速段を一段シフトダウンさせるMレンジのシフトダウン位置とされている。
【0032】
以上により、図1、図2に図示したようにPレンジ選択位置にあるシフトレバー3を第1連通路G1に沿って左へ揺動させたのち(以下、シフトレバー3が揺動されるこの方向を適宜「セレクト方向」といい、また、この「セレクト方向」におけるシフトレバー3の揺動操作を適宜「セレクト操作」という。)、第2連通路G2に沿って後ろへ揺動させ(以下、シフトレバー3が揺動されるこの方向を適宜「シフト方向」といい、また、この「シフト方向」におけるシフトレバー3の揺動操作を適宜「シフト操作」という。)、次に第3連通路G3に沿ってセレクト方向において右へ揺動させることによってRレンジが選択され、ここからさらに第4連通路G4に沿ってシフト方向において後ろへ揺動させたのち、第5連通路G5に沿ってセレクト方向において右へ揺動させることによってNレンジが選択され、ここからさらに第6連通路G6に沿ってシフト方向において後ろへ揺動させることによってDレンジが選択され、ここからさらに第7連通路G7に沿ってセレクト方向において左へ揺動させることによってMレンジが選択されて、このMレンジの選択位置を全体として構成し、且つMレンジ選択位置内における手動変速のためのシフトレバー3の揺動通路を全体として構成する第8及び第9連通路G8,G9に沿ってシフトレバー3を中立位置からシフト方向において前へ揺動させることによって変速段が一段シフトアップされ、同じくシフト方向において後ろへ揺動させることによって変速段が一段シフトダウンされることになる。
【0033】
なお、後述するように、シフトレバー3は常時セレクト方向において右へ付勢されており、したがって、例えばPレンジからRレンジへの切換え時には、運転者の行なう操作としては、シフトレバー3を上記付勢力に抗してセレクト方向において左へ揺動させたのち、シフト方向において後ろへ揺動させればよく、シフトレバー3は、第2連通路G2の終端部に至った時点で上記付勢力によって第3連通路G3の終端部までひとりでに揺動することになる。
【0034】
このように、この変速操作入力装置1においては、シフトレバー3の揺動位置としての該レバー3によるP、R、N、D、Mの5つのレンジ選択位置が、シフト方向において4ポジション、セレクト方向において3ポジション(Pレンジ選択位置とRレンジ選択位置との間の切換え操作時にシフトレバー3が通過する第2連通路G2を含めて考える。)となるように展開配置されている。特に、Mレンジ選択位置を、Rレンジ選択位置や、あるいは該Rレンジ選択位置とPレンジ選択位置との間の切換え操作時にシフトレバー3が通過する第2連通路G2と同様に、セレクト方向において同じ位置で一列配置されたPレンジ選択位置、Nレンジ選択位置及びDレンジ選択位置の左側に配置したことにより、該Mレンジ選択位置だけを右側に配置したとき、すなわち、シフト方向において4ポジション、セレクト方向においても4ポジション(同じく、Pレンジ選択位置とRレンジ選択位置との間の切換え操作時にシフトレバー3が通過する第2連通路G2を含めて考える。)としたときに比べて、上記レバー3のセレクト方向における操作幅が短くコンパクトになり、運転者が該シフトレバー3の揺動操作に窮屈さを感じることが回避され、とりわけMレンジ選択位置内における手動変速操作時に窮屈さを感じることが回避される。
【0035】
ここで、図3に示すように、カバー2とアッパープレートと9の間には、上記開口2a及びシフトゲート13を閉鎖するようにスライドシート14が挟み込まれている。このスライドシート14はそのスライド移動が前後方向においてのみ可能とされていると共に、幅方向に延びる長穴15(図1参照)を介してシフトレバー3に係合され、該シフトレバー3がセレクト方向において揺動されたときには、該レバー3が上記長穴15内を移動するのみとなるが、該レバー3がシフト方向において揺動されたときには、その揺動に連動して上記スライドシート14が前後方向にスライドするようになっている。
【0036】
次に、この変速操作入力装置1の上記カバー2より下方に配置された部分の構造を詳しく説明する。
【0037】
まず、ベース部材6に対するシフトレバー3の取付構造について説明すると、前述したように、このシフトレバー3はベース部材6にケース部材12を介して車体前後方向及び車体幅方向に揺動自在に支持されている。
【0038】
ここで、シフトレバー3の下半部を構成する基部材5は、図3に示すように、上半部を構成する円柱部材4が突入する略四角柱状の本体21と、該本体21の左側面上部に設けられた左側方に延びる矩形状のピン部材22と、同じく本体21の前面上部右寄りに設けられた前方に延びる板状体23と、同じく本体21の左側面中央部に設けられた左側方に突出する当接部材24とを有する構成で、上記本体21の下端部には前後方向に延びる円柱ボス部25が形成されている。
【0039】
また、ケース部材12は、前部左寄りの位置に、後述するマニュアルバルブ26をシフトレバー3の揺動に応じてバルブボディ内で移動させて各レンジ用の油圧供給状態を達成させるための操作ケーブル27の一端が連結された上方延設部28と、複数のディテント凹部が形成された側面視で扇形状の右側面29とを有する構成とされている。
【0040】
そして、図3に示すように、ベース部材6の下方突出部11には、該突出部11の左右の両側面間に渡って挿通された支軸31が備えられ、この支軸31に、ケース部材12がベース部材6に対して前後方向に揺動自在に支持されていると共に、図5ないし図7に示すように、ケース部材12の前後の両側面間に渡って第2の支軸32が挿通され、この支軸32に、シフトレバー3の基部材5が上記ケース部材12内に収容された状態で、該基部材5の下端ボス部25が回動自在に支持されて、このシフトレバー3がケース部材12に左右方向に揺動自在に備えられている。
【0041】
したがって、上記ケース部材12はベース部材6に対して前後方向においてのみ揺動自在とされていると共に、シフトレバー3は、このケース部材12に対して左右方向において揺動自在とされて、これにより、該シフトレバー3がベース部材6に車体前後方向及び車体幅方向において揺動自在に支持されていることになる。
【0042】
そして、例えば、該レバー3がシフト方向において揺動されたときには、その揺動に伴ってケース部材12もまた左右方向に架設された上記第1の支軸31を中心に前後方向に揺動する一方で、該レバー3がセレクト方向において揺動されたときには、該レバー3のみが前後方向に架設された上記第2の支軸32を中心に左右方向に揺動し、上記ケース部材12が連動して同じように左右方向に揺動することがないように構成されている。
【0043】
そして、この変速操作入力装置1においては、上記ベース部材6とアッパープレート9との間に、シフトレバー3をセレクト方向において右へ付勢するレバー付勢機構、シフトレバー3の揺動操作に節度感を与えるレバー操作節度機構、Mレンジ選択位置内においてシフトレバー3を該Mレンジの中立位置へ付勢する中立付勢機構、シフトレバー3のDレンジ選択位置からのセレクト操作によりMレンジが選択されたことを検出するMレンジスイッチの操作機構、Mレンジ選択位置内におけるシフトレバー3のシフトアップ操作及びシフトダウン操作を検出するシフトアップスイッチ及びシフトダウンスイッチの操作機構、シフトレバー3がPレンジ選択位置にないときは運転席のキー操作部におけるキーシリンダからのエンジン始動キーの抜取りを規制するキーインターロック機構、より具体的には、該キーインターロック機構においてロックケーブルをシフトレバー3のPレンジ選択位置に対する動きに連動させて移動させるケーブル移動機構、並びにPレンジ選択位置及びNレンジ選択位置からのシフトレバー3のセレクト操作を規制するシフトロック機構等が配設されており、次に、この変速操作入力装置1に具備されたこれらの各機構の構成について順に説述すると共に、その際、各機構により得られる作用についても上記シフトゲート13ないし揺動経路に沿うシフトレバー3の動作と関連させて併せて述べることとする。
【0044】
まず、レバー付勢機構から説明すると、この機構は、図4、図6及び図7に示すように、シフトレバー3の右側方で前後方向に延びるようにベース部材6の上面に立設された壁部41と、シフトレバー3の基部材5における四角柱状本体21の後面にビス止めされた板バネ部材42とで構成されている。
【0045】
上記立設壁部41のシフトレバー3側の面は、前述の下方突出部12の右側内面と連続する平坦面とされているが、該壁部41の反シフトレバー3側の面、すなわち右側外面は、その前半部において、上方に幅が狭く下方に幅が広くなるように形成された弧状面41aとされている。
【0046】
また、板バネ部材42は、シフトレバー3の基部材5から右側方に延び、ケース部材12の右側面に形成された開口43を経て、その先端部が上記立設壁部41の右側外面の弧状面41aに係り止まっている。
【0047】
その場合に、この板バネ部材42が係止する立設壁部41の弧状面41aは、シフトレバー3がセレクト方向において左に揺動され、それに伴って上記板バネ部材42が全体としてこの立設壁部41から左方向に遠ざかったときには、該板バネ部材42の先端部が上記弧状面41aに沿って上方に持ち上げられ、その結果、該板バネ部材42に下方に押し戻ろうとする弾性復元力が生じるような形状に形成されており、このような立設壁部41と板バネ部材42との係合によって、シフトレバー3に常に右方向への付勢力が作用するようになっている。そして、そのような形状に形成された弧状面41aは、シフトレバー3がPレンジ選択位置とNレンジ選択位置との間にある範囲内において上記板バネ部材42が係止するように、立設壁部41の前半部に設けられている。
【0048】
したがって、シフトレバー3が、シフトゲート15ないし揺動経路の最右端部に位置するPレンジ選択位置にあるときは、上記の右方向への付勢力によって、該レバー3は安定的に上記Pレンジ選択位置に位置し、ここからシフトレバー3をRレンジ選択位置へ移動させるときには、これらのレンジ選択位置間に相互に直交する第1連通路G1と第2連通路G2と第3連通路G3とがあるから、まず上記付勢力に抗して該レバー3を第1連通路G1に沿って左へセレクト操作する必要が生じ、その付勢力が作用している状態で該シフトレバー3を第2連通路G2に沿って後方へシフト操作することになる。そののち、第3連通路G3に沿う該レバー3の右への揺動は上記の付勢力によって行なわれることになる。そして、このRレンジ選択位置にシフトレバー3があるときは、該レバー3にはまだ幾分の右への付勢力が作用している状態にある。
【0049】
一方、Rレンジ選択位置からNレンジ選択位置へのシフトレバー3の移動は、これらのレンジ選択位置間に相互に直交する第4連通路G4と第5連通路G5とがあるが、第5連通路G5に沿う該レバー3の揺動が上記の付勢力によって行なわれることになるから、操作としては、単に該レバー3を幾分まだ付勢力が作用している状態で第4連通路G4に沿って後方へシフト操作すればよく、また、該Nレンジ選択位置からDレンジ選択位置へのシフトレバー3の移動は、これらのレンジ選択位置間にシフト方向に延びる第6連通路G6があるのみであるから、単に上記シフトレバー3を後方へシフト操作すればよい。そして、このDレンジ選択位置にシフトレバー3が揺動された時点では、該レバー3の板バネ部材42と上記壁部41における前半部の弧状面41aとの係合が終了している。
【0050】
次に、レバー操作節度機構について説明する。この機構は、図3、図4、図6及び図7に示すように、上記板バネ部材42が通過する上記開口43が形成され、側面視で扇形状のケース部材12の右側面と、図2及び図3に示すように、シフトレバー3の後方右寄りの位置で前方に延びるように備えられた第2の板バネ部材44とで構成されている。
【0051】
上記扇状右側面29の上縁は、シフトレバー3の前後方向の揺動支点である第1の支軸31を中心としたほぼ円弧面とされ、この円弧面に後方からPレンジ用、Rレンジ用、Nレンジ用、及びD,M両レンジ兼用の各位置決めのためのディテント凹部p,r,n,dが設けられている。
【0052】
また、上記の第2の板バネ部材44は、アッパプレート9の後部下面にボルト45及び回り止めピン46を用いて後端部が固定されて前方へ延びていると共に、その前端部は曲折成形された係合部とされて、上記扇状右側面28の各レンジ用凹部p,r,n,dのうちのシフトレバー3の揺動位置に対応する凹部に係合される。これによって、シフトレバー3が各レンジ選択位置において位置決めされて、シフトレバー3がPレンジ選択位置とDレンジ選択位置との間の範囲でシフト方向に揺動されたときに、そのレンジ選択操作に節度感が与えられるようになっている。
【0053】
一方、前述のシフトレバーの付勢機構を構成する立設壁部41の後半部は、図4、図6及び図7に示すように、該レバー付勢用の前半部の上記弧状面41aが途切れて、その代わりに、やはり上方に幅が狭く下方に幅が広くなるように形成された曲折面41bとされ、その上端部が上記レバー付勢用の前半部の弧状面41aの上端部よりも低くなるように形成されている。そして、シフトレバー3がDレンジ選択位置に揺動されたときには、該レバー3に備えられた上記の第1の板バネ部材42がこの後半部の曲折面41bに係止し、該シフトレバー3がこのDレンジ位置と該Dレンジ位置の左側方に配置されたMレンジ選択位置との間でセレクト方向に揺動されたときに、上記第1板バネ部材42が、その弾性復元力に抗して、この後半部の曲折面41bにおける中間部の山高部を乗り越えるようになっている。これによって、シフトレバー3がDレンジ選択位置とMレンジ選択位置との間でセレクト方向に揺動されたときに、そのレンジ選択操作に節度感が与えられるようになっている。
【0054】
なお、このD,Mレンジ間の選択操作の際には、上記のようにシフトレバー3がセレクト方向において揺動されるが、このレバー3とケース部材12とは、セレクト方向においては一体となっては揺動しないから、ケース部材12の上記扇状右側面29と第2の板バネ部材44との係合は、D,M両レンジ兼用ディテント凹部dにおいて留まっている。
【0055】
このように、Pレンジ選択位置とDレンジ選択位置との範囲内でのシフト方向におけるレンジ選択操作に対しては、扇状右側面29と第2の板バネ部材44との係合により節度感が与えられ、上記シフト方向と直交するセレクト方向におけるDレンジ選択位置とMレンジ選択位置との間でのレンジ選択操作に対しては、立設壁部41の後半部の曲折面41bと第1の板バネ部材42との係合により節度感が与えられるようになっている。
【0056】
次に、Mレンジ選択位置内におけるシフトレバー3の中立付勢機構、Mレンジスイッチの操作機構、並びにシフトアップスイッチ及びシフトダウンスイッチの操作機構を併せて説明する。
【0057】
図3、図5、図6及び図7に示すように、ベース部材6の下方突出部11に備えられて上記ケース部材12を揺動自在に支持する前述の第1の支軸31には、該ケース部材12の左側において、上縁部に切欠き50aが形成された長尺のレバー体50が前後方向に揺動自在に軸支されている。また、アッパープレート9の後部下面で左寄りの位置には、前述の第2の板バネ部材44と並設されるようにして、第3の板バネ部材51の後端部がボルト52及び回り止めピン53を用いて固定されており、この第3の板バネ部材51が上記レバー体50の上縁部に向けて前方へ延びている。
【0058】
そして、この板バネ部材51の前端部が曲折成形されて係合部51aとされていると共に、レバー体50の上縁部において上記切欠き50aの後方にはディテント凹部50bが形成されて、これらの板バネ部材51の係合部51aとレバー体50のディテント凹部50bとが係合しており、これにより、上記レバー体50が板バネ部材51によって所定の位置に付勢保持されている。
【0059】
一方、前述したように、レンジがPレンジからRレンジ、Nレンジ、Dレンジと順に選択されるに従って、シフトレバー3がシフト方向において後方へ揺動されるが、その場合に、該レバー3が第6連通路G6に沿ってNレンジの選択位置からDレンジの選択位置へ揺動されたときには、該レバー3の基部材5が、上記第3板バネ部材51によって所定の位置に付勢保持された状態のレバー体50とほぼ側面視で重なり合うように位置し、そして、このDレンジの選択位置からシフトレバー3が第7連通路G7に沿ってセレクト方向において左方向へMレンジの選択位置まで、より具体的にはMレンジの中立位置まで揺動されたときには、該レバー3の基部材5に形成された前述の矩状形ピン部材22が上記所定位置のレバー体50の切欠き50aと嵌合するようになっている。
【0060】
したがって、この状態でシフトレバー3が前後に揺動されると、それに伴って、上記レバー体50も同様に前後に揺動されると共に、このレバー体50の揺動によって、上記第3板バネ部材51の先端の係合部51aが上方に持ち上げられ、その結果、Mレンジ選択位置内におけるシフトレバー3の手動変速操作に、該Mレンジの中立位置への付勢力が作用することになる(シフトレバー3の中立付勢機構)。
【0061】
また、図3及び図8に示すように、上記レバー体50の後縁部における上下方向のほぼ中間部には、シフトレバー3がMレンジ選択位置に投入されたことを検出するMレンジスイッチ54が取り付けられている。その場合に、該Mレンジスイッチ54は、そのオンオフ操作で押圧される切片がシフトレバー3側に配置され、且つ、該シフトレバー3がMレンジ選択位置に投入されたときの左右方向の傾斜に対応させて、上部が左方向に傾斜された状態で備えられている。
【0062】
したがって、シフトレバー3がDレンジ選択位置から第7連通路G7に沿ってセレクト方向において左方向へMレンジ選択位置まで揺動されたときには、該レバー3の基部材5における四角柱状本体21の左側面が上記Mレンジスイッチ54の切片を押圧し、これにより該Mレンジスイッチ54がオンされると共に、この状態でシフトレバー3が手動変速のために前後に揺動されたときには、前述のように、レバー体50も一体となって揺動するから、シフトレバー3のMレンジスイッチ54に対する押圧は解除されず、該Mレンジスイッチ54は手動変速中も継続してオンされ続けることになる(Mレンジスイッチの操作機構)。
【0063】
一方、シフトレバー3の左側方におけるベースプレート6上には、前後方向に延び、その上端部がアッパープレート9の下面に突入された左縦壁部55が立設されている。この左縦壁部55の比較的後部には、前後方向に延びる円弧形状の長穴55a(図8参照)が形成されていると共に、この左縦壁部55と対向する上記レバー体50の左側面には、上記の中立付勢機構を構成するディテント凹部50bの下方の位置において、左方向へ突出する押圧ピン50cが設けられており、この押圧ピン50cが上記の円弧状の長穴55a内に突入して、シフトレバー3ないしレバー体50が前後方向に揺動したときには、該長穴55aに沿って前後に移動するようになっている。
【0064】
そして、シフトレバー3がMレンジの中立位置にあるときのこの押圧ピン50cの位置を挟んで、上記左縦壁部55の内面、すなわちシフトレバー3側の右側面に、前後一対のシフトアップスイッチ56及びシフトダウンスイッチ57が配置されている。
【0065】
したがって、シフトレバー3がMレンジ選択位置に投入され、該シフトレバー3と上記レバー体50とが一体となって前後に揺動されると、上記の押圧ピン50cもまた左縦壁部55の長穴55a内を前後に移動して、これにより、シフトレバー3が中立位置から前方へ揺動されたときには、前側のシフトアップスイッチ56の切片が上記押圧ピン50cで押圧されてオン操作され、逆に、シフトレバー3が中立位置から後方へ揺動されたときには、後側のシフトダウンスイッチ57の切片が上記押圧ピン50cで押圧されてオン操作される(シフトアップスイッチ及びシフトダウンスイッチの操作機構)。そして、この間、上記のMレンジスイッチ操作機構によってMレンジスイッチ54はオンされ続けており、このMレンジスイッチ54がオンの状態のもとでシフトアップスイッチ56又はシフトダウンスイッチ57がオンされることによって、変速段の切換え動作が実行されることになる。
【0066】
次に、キーインターロック機構について説明する。なお、この実施の形態においては、上記キーインターロック機構とシフトロック機構とがほぼ同じ構成のもとに備えられているので、まず、これらの両機構の全体構成を図9を参照して併せて説明する。
【0067】
すなわち、当該変速操作入力装置1が搭載された車両の運転席において、ステアリングハンドル61を回動自在に支持するステアリングコラム62の比較的上部における下面には、運転者によりエンジン始動キーKがLOCK(シフトロック)、Acc(アクセサリ)、ON(エンジン電気系統オン)、START(エンジン始動)等の複数の回動位置に回動操作されるキー操作部60が配置され、このキー操作部60と当該変速操作入力装置1との間にロックケーブル70が矢印A,Bで示すように軸方向に移動可能に配設されている。
【0068】
このロックケーブル70は、当該変速操作入力装置1のシフトレバー3が他のレンジ選択位置からPレンジ選択位置に投入されたときに矢印A方向(変速操作入力装置1については前方)に移動し、逆に、シフトレバー3がPレンジ選択位置から他のレンジ選択位置に投入されたときには矢印B方向(変速操作入力装置1については後方)に移動する。
【0069】
そして、このロックケーブル70が矢印A方向に移動したときには、上記キー操作部60で始動キーKを他の回動位置から該キーKが抜き取り可能なLOCK位置へ回動することができ、逆に、ロックケーブル70が矢印B方向に移動したときには、上記キー操作部60で始動キーKを他の回動位置から上記LOCK位置へ回動することができないようになっている。
【0070】
これにより、シフトレバー3をPレンジ選択位置に投入しなければ、始動キーKの抜き取りを禁止するキーインターロックが実現すると共に、始動キーKが抜き取られた状態においては、シフトレバー3をPレンジ選択位置から他のレンジ選択位置へ揺動できないようにするシフトロックが実現することになる。
【0071】
そして、当該変速操作入力装置1においては、上記キーインターロック機構においてケーブルをA,B方向に移動させるケーブル移動機構が備えられている。この機構は、図2に示すように、シフトレバー3の前方で上下方向に延びる柱状の部材81と、該レバー3の基部材5における本体21の前面から前方に延設された板状体23とを有する。
【0072】
上記柱状部材81は、ベース部材6の上面に突設された支軸(図示せず)と、アッパープレート9の下面に形成されたボス部82とにそれぞれ上下両端部が回動自在に支持されて、これらのベース部材6とアッパープレート9とに跨がって架設されていると共に、アッパープレート9に近いその上部に、シフトレバー3側に後方に延びる上側延設部83が、また、ベース部材6に近いその下部に、右側方に延びる下側延設部84がそれぞれ設けられて、この下側延設部84の水平に延びる端部に上記ロックケーブル70の他端が連結されている。
【0073】
そして、柱状部材81は、この下側延設部84とベース部材6とに両端部がそれぞれ係止されたツル巻きバネ85によって、常に図2において時計回り方向へ付勢されており、上側延設部83が左方向に、下側延設部84が後方向にそれぞれ移動している。
【0074】
そして、シフトレバー3がPレンジ以外の他のレンジ選択位置からこのPレンジ選択位置に揺動されるときには、その際上記第1連通路G1に沿って行なわれるセレクト方向における右への揺動によって、シフトレバー3の基部材5から前方に突出する前側板状体23が上記上側延設部83を右方向へ押圧し、その結果、その押圧力を受けて、柱状部材81がツル巻きバネ85の付勢力に抗して反時計回りに回動し、これにより、上記ケーブル70が前方、つまりA方向に移動して、キー操作部60において始動キーKが抜き取り可能となると共に、逆に、シフトレバー3がPレンジ選択位置からそれ以外の他のレンジ選択位置に揺動されるときには、その際上記第1連通路G1に沿って行なわれるセレクト方向における左への揺動によって、上記前側板状体23の上側延設部83に対する押圧力が除去され、その結果、上記ツル巻きバネ85の付勢力を受けて、柱状部材81が時計回りに回動し、これにより、上記ケーブル70が後方、つまりB方向に移動して、キー操作部60において始動キーKが抜き取り不能となることになる。
【0075】
その場合に、回動することによって、ロックケーブル70を、キーKの抜取りが可能な位置と不能な位置との間で移動させる上記柱状部材81が上下方向に延設され、シフトレバー3の押圧力が入力される入力部を構成する延設部83が上部に、上記ケーブル70が連結される連結部を構成する延設部84が下部に、それぞれ離間して配置されているから、ロックケーブル70を、アッパープレート9の前端部やスライドシート14等の他の部材と干渉させることなく、レイアウト性よくキー操作部60との間に配設することができると共に、シフトレバー3の押圧力が入力される上記延設部83がシフトレバー3の揺動支点から上方に比較的離れたアッパプレート9に近接した部位に配置されているから、前述のMレンジにおけるスイッチ機構と同様、この上側延設部83は、該レバー3のセレクト方向における一定角度の揺動に対して大きなストロークで押圧、回動操作されることになる。
【0076】
したがって、上記柱状部材81やその上下の延設部83,84において、多少の寸法精度ないし取付位置の誤差が生じても、上記柱状部材81はシフトレバー3の揺動により確実に大きな振り幅で回動され、これにより、ロックケーブル70を確実に有効な長さだけA,B方向に移動することができて、キーインターロック機構の信頼性が図られることになる。そして、このように二つの延設部83,84における相互に異なる目的がそれぞれ達成されて、各目的の両立が図られることになる。
【0077】
また、柱状部材81は、その上下の両端部がアッパープレート9とベース部材6とに支持されて、これら二つの部材6,9に上下に渡って架設されているから、その支持剛性が高められると共に、さらに、アッパープレート9の上方にはカバー2が備えられ、この柱状部材81がこれら二つの部材2,9の重なり合った場所の下方に配置されているから、乗員室内で誤って例えば飲料がこぼれて、コンソールXの開口Yから内部に侵入しても、その飲料はカバー2の上面を伝ってベース部材6に落下し、この柱状部材81にかかって汚染されるというような不具合が回避される。
【0078】
一方、前述したように、上記始動キーKがLOCK位置にある間は、上記ケーブル70のB方向への移動が阻止され、したがってシフトレバー3を前方のPレンジ選択位置から後方の他のレンジ選択位置へシフト方向において揺動させることが規制されるが、これ以外に、図9に示すように、ブレーキペダル71の踏込みを検出する検出ユニット72と、この検出ユニット72でブレーキペダル71の踏込みが検出されたときには、該ユニット72からのオン信号によって励磁されるソレノイド73とが備えられ、ブレーキペダル71が踏み込まれないとソレノイド73がオンされず、これによってシフトレバー3をPレンジ選択位置からセレクト方向において左へ揺動させることが阻止されるようになっている。
【0079】
次に、このフットブレーキ連動のシフトロック機構について説明する。すなわち、図3に示すように、前述のシフトアップスイッチ56及びシフトダウンスイッチ57が取り付けられたシフトレバー3の左側方の立設縦壁55には、その比較的前方部における内面に、前後一対のレバー部材90,95がそれぞれ回転自在に支持されている。各レバー部材90,95は、その回転支軸を有する下部の円形体91,96と、該円形体91,96から上方に延び、幅方向に所定の厚みを有する延設体92,97とからなり、上記円形体91,96の周面にはギア歯が形成されている。
【0080】
そして、これらのレバー部材90,95の上記ギア歯同士が相互に噛み合わされており、また、前側レバー部材90の上方延設体92の略中間部には、ベース部材6の上面に備えられた上記ソレノイド73のプランジャ99が連結されており、該ソレノイド73が非励磁のときには、プランジャ99が飛び出して、前側レバー部材90の上方延設体92がその円形体91の回転支軸を中心に後方へ揺動されると共に、上記のギア歯同士の噛み合いを介して、後側レバー部材95の上方延設体97がその円形体96の回転支軸を中心に前方へ揺動され、一方、該ソレノイド73が励磁されたときには、プランジャ99が引き込んで、前側レバー部材90の上方延設体92が前方へ揺動されると共に、後側レバー部材95の上方延設体97が後方へ揺動されるようになっている。
【0081】
そして、このシフトロック機構においては、前述したように、シフトレバー3がPレンジ選択位置にある場合は、ブレーキペダル71が踏み込まれたときに、上記ソレノイド73が励磁されると共に、それ以外にも、シフトレバー3がNレンジ選択位置にある場合は、車速が所定以下に下がったときに上記ソレノイド73が励磁されるように構成されている。そして、前側レバー部材90の上方延設体92が後方に揺動している状態では、該延設体92がシフトゲート13の第1連通路G1上に進出し、前方に揺動している状態では、該延設体92が第1連通路G1上から退避する一方、後側レバー部材95の上方延設体97が前方に揺動している状態では、該延設体97がシフトゲート13の第5連通路G5上に進出し、後方に揺動している状態では、該延設体97が第5連通路G5上から退避するようになっている。
【0082】
これによって、シフトレバー3がPレンジ選択位置にある場合では、ブレーキペダル71を踏まないとソレノイド73が励磁されず、したがって、プランジャ99が飛び出したままとなって、前側レバー部材90の上方延設体92が後方へ揺動された状態となり、その結果、該延設体92がシフトゲート13の第1連通路G1上に進出しているから、シフトレバー3をPレンジ選択位置からセレクト操作したときには、図3及び図5に示すように、該レバー3の左側面から突出した当接部材24が、上記前側レバー部材90の上方延設体92に当接し、これにより、シフトレバー3をPレンジ選択位置から後方のRレンジ選択位置側へ操作することが阻止されることになる(Pレンジシフトロック)。
【0083】
また、走行中に前進後退の切り返しを行なう場合では、車速が所定車速以下に下がらないとソレノイド73が励磁されず、したがって、プランジャ99が飛び出したままとなって、後側レバー部材95の上方延設体97が前方へ揺動された状態となり、その結果、該延設体97がシフトゲート13の第5連通路G5上に進出しているから、シフトレバー3をNレンジ選択位置からセレクト操作したときには、図3及び図5に示すように、該レバー3の左側面から突出した当接部材22が、上記後側レバー部材95の上方延設体97に当接し、これにより、シフトレバー3をNレンジ選択位置を経由させてDレンジ選択位置側から前方のRレンジ選択位置側へ操作することが阻止されることになる(Nレンジシフトロック)。
【0084】
そして、特に、前者のPレンジシフトロックの動作を、前述のキーインターロック動作と組み合わせると、結局、始動時には、レンジがPレンジになければエンジンを始動させることができず、しかも、エンジン始動後において、ブレーキペダル71が踏み込まれた状態でなければ、シフトレバー3を走行レンジへ移動させることができないことになる。これによって、発進時の不意な急の飛び出しが有効に回避されることになる。
【0085】
その場合に、シフトレバー3の基部材5の左側面の当接部材24と、各レバー部材90,95の上方延設体92,97とが当接することにより、該レバー3のセレクト操作が阻止されるようになっているから、そのシフトロックの際の当接時の衝撃が、これらのレバー部材90,95、特に、上方延設体92,97に加わることになる。しかし、該レバー部材90,95がベース部材6に立設された左側方の縦壁55に支持されており、また、上方延設体92,97の左端部が該縦壁55の内面に対接しているから、上記シフトロックの際の衝撃が加わえられるも、これらのレバー部材90,95は左側方縦壁55によってその背後から、つまり、シフトレバー3からの当接力が加えられる右側と反対の左側から支援されて、上記衝撃力がこの縦壁55により受け止められることになり、これにより、上記レバー部材90,95ないし上方延設体92,97が回転支軸を中心に外方向に撓んだり、その結果、破損したりするというような耐久性の低下の問題が抑制されることになる。
【0086】
さらに、Pレンジシフトロック用のレバー部材90とNレンジシフトロック用のレバー部材95との前後の二つのレバー部材にそれぞれギア歯を設けて相互に噛み合わせることにより、単一のソレノイド73で両レバー部材90,95を連動させて作動させるようにしたので、各レバー部材90,95にそれぞれ専用のソレノイドを備えて個別に作動させるようにしたときと比べて、当該変速操作入力装置1の部品点数、重量、コスト等の軽減が図られる。
【0087】
そして、以上の各機構に加えて、当該変速操作入力装置1には、自動変速機における油圧制御回路の油路を、上記シフトレバー3で選択されたレンジに応じて切り換えて、各レンジ用の油圧供給状態を達成するマニュアルバルブ26の操作機構が備えられている。次に、このマニュアルバルブ操作機構について説明する。
【0088】
すなわち、当該変速操作入力装置1が搭載された車両の自動変速機における油圧制御回路には、図10に示すように、マニュアルバルブ26が配設されている。この回路においては、オイルポンプ(図示せず)から吐出された作動圧がレギュレータバルブによって所定のライン圧に調圧され、その調圧された所定のライン圧がメインラインL1に供給される。一方、この回路には、Dレンジ、Mレンジ及びRレンジで作動圧が供給される油路L2と、Dレンジ及びMレンジで作動圧が供給される油路L3と、Rレンジ及びNレンジ(ないしPレンジ)で作動圧が供給される油路L4とが設けられ、これらの油路L2〜L4と上記メインラインL1との間に上記マニュアルバルブ26が配設されている。
【0089】
そして、例えば、DレンジやMレンジの前進走行レンジでは、該マニュアルバルブ26(より具体的には該バルブのスプール)が図10に実線で示した位置に軸方向に移動し、これにより、メインラインL1と油路L2及びL3とがこのバルブ26を介して連通して、これらの油路L2,L3に作動圧が導かれ、その結果、前進走行時に締結されるべきクラッチやブレーキ等の摩擦要素(図示せず)の油圧室に作動圧が供給されて該摩擦要素が締結されることになる。
【0090】
また、NレンジやPレンジの非走行レンジでは、マニュアルバルブ26が図10に鎖線で示した位置まで右方向に移動し、これにより、油路が切り換えられて、メインラインL1と油路L4がこのバルブ26を介して連通し、且つ、油路L2,L3に導かれていた作動圧がドレンされて、その結果、それまで締結されていた摩擦要素が解放され、ニュートラル状態が実現することになる。
【0091】
なお、この回路には、Dレンジ、Mレンジ及びNレンジで作動圧が導かれる油路L5が併設されている。この油路L5に作動圧が導かれたときには、該作動圧がレギュレータバルブにフィードバックされ、生成されるライン圧がRレンジのときに比べて減圧されるようになっている。
【0092】
そして、このマニュアルバルブ26は、上記シフトレバー3のシフト方向の揺動に連動して上記のように軸方向に移動するように構成されている。すなわち、前述したように、シフトレバー3を左右方向に揺動自在に支持するケース部材12の前部左寄りの位置には上方延設部28が設けられており、この上方延設部28に操作ケーブル27の一端が連結されている。このとき、シフトレバー3とケース部材12とは前後方向における揺動に関しては一体となって揺動するので、結局、シフトレバー3が前方に揺動されると、ケース部材12もまた前方へ揺動し、そして、その揺動に伴って上記操作ケーブル27が前方に移動することになり、逆に、シフトレバー3が後方に揺動されると、ケース部材12もまた後方へ揺動し、そして、その揺動に伴って上記操作ケーブル27が後方に移動することになる。
【0093】
この操作ケーブル27の他端は、図11に示す機械的連動機構101のマニュアルシャフト102に連結され、該ケーブル27が前方へ移動すると、このマニュアルシャフト102が図面上時計回りに回動し、逆に後方へ移動すると、このマニュアルシャフト102が図面上反時計回りに回動するようになっている。
【0094】
上記マニュアルシャフト102は、変速機ケース103の下部開口付近で、該ケース103の図面上手前側の側面にボルトで固定された支持ブラケット104と、該ケース103の図面上向こう側の側面とで回動自在に支持されていると共に、このマニュアルシャフト102には、後述する所定形状のガイド溝105が形成されたマニュアルプレート106が組み付けられており、このマニュアルプレート106がマニュアルシャフト102と一体に回動するようになっている。
【0095】
その場合に、上記マニュアルプレート106の周縁部には、シフトレバー3で選択される各レンジに対応させて、ディテント凹部106d…106dが形成されていると共に、上記支持ブラケット104の上端部に設けられた支軸107にディテントアーム108が回動自在に支持され、このディテントアーム108の先端部のローラ109が上記ディテント凹部106d…106dと係合し、且つ、該ローラ109が上記支軸107に巻き掛けられたつる巻きバネ110によって常にマニュアルプレート106側に付勢されており、これにより、マニュアルプレート106の回動についての位置決めが図られている。
【0096】
そして、上記支軸107には、さらに、マニュアルプレート106のガイド溝105と係合するピン111が突設された揺動アーム112が回動自在に支持されており、この揺動アーム112の下端部に形成された係合溝113に、上記マニュアルバルブ26の端部に形成された係合ピン26aが摺動自在に係合連結されている。
【0097】
なお、マニュアルプレート106には、Pレンジにおいて変速機ケース103の開口103aから進出し、その先端のカム体114がアクチュエータ115のテーパ面に沿ってせり上がってパーキングポール116を上方に押し上げ、このポール116に形成された突起116aを出力軸のパーキングギア117に噛み合わせて該出力軸をロックするパーキングロッド118が連結されている。
【0098】
このような構成により、運転者のレンジ選択操作によりシフトレバー3及びケース部材12がシフト方向において揺動されると、該ケース部材12に連結された操作ケーブル27がこれと連動して当該変速操作入力装置1に対して前後方向に移動し、それに伴って機械的連動機構101のマニュアルシャフト102及びマニュアルプレート106が回動する。そして、このマニュアルプレート106の回動によって、揺動アーム112のピン111が該マニュアルプレート106のガイド溝105に沿って従動し、これにより、該揺動アーム112が支持ブラケット104の上部支軸107を中心に揺動する。そして、この揺動アーム112の揺動運動が、上記ピン111の位置よりも下方に配置されたマニュアルバルブ26に、上記係合ピン26aと係合溝113との係合を介して、その軸方向の移動運動に増幅されて変換伝達され、これにより、該マニュアルバルブ26が各レンジ用の位置に移動し、上記油圧制御回路の油路がシフトレバー3で選択されたレンジに応じて切り換えられることになる。
【0099】
ここにおいて、運転者がレンジを選択するためにシフトレバー3をシフト方向において揺動させるときだけでなく、Mレンジ選択位置内で手動変速を行なうためにシフトレバー3をシフト方向において揺動させるときにおいても、そのレバー3の揺動に連動して、機械的連動機構101のマニュアルシャフト102及びマニュアルプレート106が回動し、そして、それに伴い、該マニュアルプレート106に形成された上記ガイド溝105の位置が変化する。
【0100】
その場合に、上記ガイド溝105は、シフトレバー3がPレンジ選択位置からDレンジ選択位置を経てMレンジ選択位置に切り換えられ、そして該Mレンジ選択位置内におけるシフトダウン位置に至るまで、前方から後方に揺動されても、上記揺動アーム112のピン111が係合し得るように、マニュアルプレート106の周縁部のディテント凹部106d…106dに沿って延びるように設けられていると共に、その形状は、始端部から終端部にかけてマニュアルプレート106の周縁部側に向けて延びる前半部の直線状の第1係合溝105aと、この第1係合溝105aの終端部からマニュアルプレート106の中心部側に向けて延びる中間部の直線状の第2係合溝105bと、この第2係合溝105bの終端部からマニュアルプレート106の回動中心、すなわち、マニュアルシャフト102の軸心Oに対して同心円弧状に延びる後半部の第3係合溝105cとが連続する形状とされている。
【0101】
そして、シフトレバー3がPレンジの選択位置にあるときは、上記揺動アーム112のピン111が、図中鎖線で示すように、前半部の第1係合溝105aにおいて符号アで示す位置に相当する位置に位置し、Rレンジの選択位置にあるときは、同じく鎖線で示すように、第1係合溝105aにおいて符号イで示す位置に相当する位置に位置し、Nレンジの選択位置にあるときは、図中実線で示すように、中間部の第2係合溝105bにおいて符号ウで示す位置に位置し、Dレンジの選択位置及びMレンジの中立位置にあるときは、図中鎖線で示すように、後半部の第3係合溝105cにおいて符号エで示す位置に相当する位置に位置し、Mレンジのシフトアップ位置にあるときは、同じく鎖線で示すように、第3係合溝105cにおいて符号オで示す位置に相当する位置に位置し、そして、Mレンジのシフトダウン位置にあるときには、同じく鎖線で示すように、第3係合溝105cにおいて符号カで示す位置に相当する位置に位置するようになっている。
【0102】
さらに、その場合に、Pレンジにおける上記ピン111の位置アとマニュアルプレート106の回動中心Oとの間の距離と、Nレンジにおける上記ピン111の位置ウとマニュアルプレート106の回動中心Oとの間の距離とが等しくなるように設定され、また、これらの距離に比べて、Rレンジにおける上記ピン111の位置イとマニュアルプレート106の回動中心Oとの間の距離が大きくなるように設定されている。
【0103】
一方、Dレンジ及びMレンジにおける上記ピン111の位置エ、オ、カは全てマニュアルプレート106の回動中心Oに対して同心円弧状の第3係合溝105cにあるから、これらの位置エ、オ、カとマニュアルプレート106の回動中心Oとの間の距離は全て等しくなると共に、この距離に比べて、Pレンジにおける上記ピン111の位置アないしNレンジにおける上記ピン111の位置ウとマニュアルプレート106の回動中心Oとの間の距離が大きくなるように設定されている。
【0104】
ガイド溝105がこのような形状とされていることにより、シフトレバー3が各レンジ選択位置間で揺動されたときの揺動アーム112のピン111は、マニュアルプレート106の揺動中心Oから相互に異なる3種類の距離の位置に移動することになり、これに応じてマニュアルバルブ26もまたその係合ピン26aと係合溝113との係合を介して3種類の位置に移動し、その結果、3種類の油圧供給状態が達成されることになる。
【0105】
そして、Dレンジの選択位置もしくはMレンジの選択位置に揺動されているときにピン111が係合する第3係合溝105cは、シフトレバー3がMレンジの選択位置内でシフトアップもしくはシフトダウンのための揺動操作が行なわれても、それに伴うピン111の移動がマニュアルプレート106の揺動中心Oから同じ距離である同心円弧状になるように形成されているので、シフトレバー3がMレンジ選択位置内で上記揺動操作が行なわれても、DレンジもしくはMレンジ用の油圧供給状態が維持されることになる。したがって、シフトレバー3がシフトアップ位置に揺動されたときのピン111の位置がNレンジのときの位置に近づき、よってマニュアルバルブ26がNレンジ用の位置に近づくことになり、油圧供給状態がNレンジ用の供給状態に近づいて、前進走行時に締結される摩擦要素に供給される作動圧が低下して該摩擦要素の締結力が不足する等の不具合が回避されると共に、シフトレバー3が同じ動作でDレンジ達成位置からNレンジ達成位置へ向けて揺動されたときには、油圧供給状態はDレンジ用からNレンジ用に切り換えられることになる。
【0106】
さらに、このように、単にガイド溝105をこのような形状に形成するだけで、シフトレバー3とケーブル27とを機械的に切り離したりするようなものではないので、シフトレバー3周辺の機械的な構造が複雑化したりすることがなく、部品点数、重量、コストの増大を回避することができる。
【0107】
また、PレンジとNレンジのいずれのレンジが選択されても、マニュアルバルブ26が同じ位置に移動して同じ油圧供給状態が達成されるから、Pレンジが選択されたときと、Nレンジが選択されたときとで、マニュアルバルブ26が異なる位置に移動し、その上で両レンジで同じ油圧供給状態を達成させるように構成するというような場合に比べて、上記マニュアルバルブ26や油路の形状等が複雑にならなくて済むことになる。
【0108】
そして、例えば、Mレンジを備えず、前進レンジとしてDレンジの他にSレンジやLレンジを設け、これらのレンジ選択位置を相互に隣接配置して、これらのD,S,Lの各レンジで同じ油圧供給状態を維持するように構成された自動変速機との間で、マニュアルバルブ等を兼用することが可能となり、部品の共通化が図られて、生産性向上に寄与し得ることになる。
【0109】
そして、マニュアルプレート106の回動が、該プレート106の凹部106d…106dとディテントアーム108とで構成されるディテント機構によって、各レンジ位置で規制されるので、揺動アーム112の揺動量、つまりマニュアルバルブ26の移動量が各レンジ毎に確定され、さらに、Pレンジでは、出力軸がロックされ、駐車中の自走が防止されることになる。
【0110】
なお、Mレンジの選択位置内でシフトレバー3が揺動されても、油圧供給状態がDレンジもしくはMレンジの油圧供給状態に維持される構成としては、上記の構成の他に、例えば、上記マニュアルプレート106に設けたガイド溝105の第3係合溝105cを円弧状に形成せず、シフトアップ位置もしくはシフトダウン位置ではDレンジまたはMレンジの中立位置のときの位置を中心として上記ピン111が前後に移動するように構成すると共に、そのシフトアップ位置もしくはシフトダウン位置でマニュアルバルブ26が移動しても、油圧供給状態が変わらないように、該マニュアルバルブ26のスプールの形状または構成及び油路の配置を定めるようにしてもよい。
【0111】
さらに、この実施の形態においては、マニュアルバルブ26を揺動アーム112を介してマニュアルプレート106の回動に連動させるように構成されているが、マニュアルバルブ26の軸方向の移動運動を増幅させる必要のない場合は、マニュアルバルブ26の係合ピン26aをマニュアルプレート106のガイド溝105に直接係合させてもよいのは言うまでもない。
【0112】
また、この実施の形態においては、前後方向がシフト方向、左右方向がセレクト方向とされたが、シフト方向ないしセレクト方向はこのような車体の向きと無関係に設定されることはいうまでもない。
【0113】
【発明の効果】
まず、第1発明によれば、シフトレバーの揺動操作により選択されるレンジとして非走行レンジと前進レンジと後退レンジとが設けられ、これらのレンジの選択位置のうち、非走行レンジの選択位置と、前進レンジとしての自動変速レンジの選択位置とが第1の方向において隣接配置され、且つ、上記自動変速レンジの選択位置と、同じく前進レンジとしての手動変速レンジの選択位置とが上記第1方向と直交する第2方向において隣接配設されていると共に、さらに、上記手動変速レンジにおいて手動変速を達成するためのシフトレバーの揺動が、上記第1方向とされているから、結局、自動変速レンジと非走行レンジとの間のレンジ切換のためのシフトレバーの揺動の方向と、手動変速のためのシフトレバーの揺動の方向とが、相互に平行で、共に上記の第1の方向に沿うものとなるのみならず、自動変速レンジから非走行レンジへの切換操作時においてシフトレバーを揺動させる動作と、手動変速時において変速段をシフトアップさせるためにシフトレバーを揺動させる動作又はシフトダウンさせるためにシフトレバーを揺動させる動作のうちの一方の動作とが、上記の第1の方向に沿う揺動動作として同じ動作となり、したがって、各レンジに応じて油圧の供給状態を選択的に切り換えるマニュアルバルブが、常に、シフトレバーの第1の方向における揺動によって操作されるようになっていると、手動変速レンジ選択位置内でシフトアップ動作又はシフトダウン動作が行なわれたときに、前進レンジ用に達成されていた油圧供給状態が、非走行レンジ用の油圧供給状態に近づき、これにより、前進走行時に締結される摩擦要素に供給される作動圧が低下して、該摩擦要素の締結力が不足する等の不具合が生じることになる。
【0114】
しかしながら、この第1発明によれば、マニュアルバルブ操作手段が備えられ、この操作手段によって、マニュアルバルブが、自動変速レンジが選択されたときだけでなく、手動変速レンジが選択され、且つ、その手動変速レンジにおいて手動変速が達成されるようにシフトレバーが第1の方向において揺動されたときにおいても、その揺動の範囲内にシフトレバーがあるうちは、前進レンジ用の油圧供給状態に保持されるから、シフトレバーが手動変速レンジ達成位置内でシフトアップ又はシフトダウンのために第1の方向に沿って揺動されても、前進レンジ用の油圧供給状態は維持され、これにより、前進走行時に締結される摩擦要素に供給される作動圧が低下して該摩擦要素の締結力が不足する等の不具合が回避されると共に、シフトレバーが同じ動作で自動変速レンジ達成位置から非走行レンジ達成位置へ向けて第1の方向に沿って揺動されたときには、油圧供給状態は前進レンジ用から非走行レンジ用に切り換えられることになる。
【0115】
そして、この場合、上記マニュアルバルブ操作手段が、マニュアルバルブを前進レンジ用の油圧供給状態に保持するものであり、例えばシフトレバーとケーブルとを機械的に切り離したりするようなものではないから、シフトレバー周辺の機械的な構造が複雑化したりすることがなく、部品点数、重量、コストの増大を回避することができる。
【0117】
さらに、第1発明によれば、特に、上記マニュアルバルブ操作手段がプレート部材を有し、このプレート部材の係合溝とマニュアルバルブの係合部とが係合して、シフトレバーの揺動に連動してプレート部材が回転すると上記係合部が係合溝内を移動し、これによりマニュアルバルブが軸方向に移動するように構成されたものであって、この場合に、前進レンジ用の油圧供給状態が達成されているときに上記係合部が係合する係合溝の部分が、シフトレバーの手動変速時の揺動に伴うプレート部材の回転範囲内において同心円弧状に形成されているから、この範囲内においては、いくらプレート部材が回転しても、マニュアルバルブがこれと連動して軸方向に移動することがなく、これにより、油圧供給状態の切換えが確実に回避されることになる。
【0118】
また、プレート部材の係合溝をこのような形状とすることにより、例えば、自動変速レンジを備えず、代わりに前進レンジとしてDレンジの他にSレンジやLレンジを設け、これらのレンジ選択位置を相互に隣接配置して、これらのD,S,Lの各レンジで前進レンジ用の油圧供給状態を維持するように構成された自動変速機との間で、このプレート部材ないし機械的連動機構あるいはマニュアルバルブを兼用することが可能となり、部品の共通化が図られて、生産性向上に寄与し得ることになる。第2発明によれば、マニュアルバルブが軸方向に増幅されて移動される。
【0119】
そして、第3発明によれば、特に、駐車レンジとニュートラルレンジとが非走行レンジとされ、いずれのレンジが選択されても、マニュアルバルブが同じ位置に移動して非走行レンジ用の油圧供給状態が達成されるから、駐車レンジが選択されたときと、ニュートラルレンジが選択されたときとで、マニュアルバルブが異なる位置に移動し、そして、両位置において同じ非走行レンジ用の油圧供給状態を達成させる場合に比べて、上記マニュアルバルブや油圧制御回路ないし油路の形状が複雑にならなくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る自動変速機の変速操作入力装置において、乗員室で外観できる部分の平面図である。
【図2】 同装置の概略平面図である。
【図3】 同装置の左側面図である。
【図4】 同装置の要部を示す右側面図である。
【図5】 同装置におけるシフトレバーの周辺構造を示す前方からの概略縦断面図である。
【図6】 同じく後方からの概略縦断面図である。
【図7】 同じく後方からの概略縦断面図である。
【図8】 同装置におけるMレンジ用スイッチのオン状態を示す後方からの概略縦断面図図である。
【図9】 同装置におけるキーインターロック機構及びシフトロック機構の全体構成を示す説明図である。
【図10】 マニュアルバルブ周辺の油圧制御回路の説明図である。
【図11】 マニュアルバルブの操作機構において、変速機ケース内に備えられた部分の説明図である。
【符号の説明】
1 変速操作入力装置
3 シフトレバー
12 ケース部材
22 当接部材
23 前側板状体
26 マニュアルバルブ
27 操作ケーブル
29 扇状右側面
41 壁部
41a 弧状面
41b 曲折面
42 第1板バネ部材
44 第2板バネ部材
50 レバー体
50a 切欠き
50b ディテント凹部
50c 押圧ピン
51 第3板バネ部材
54 Mレンジスイッチ
56 シフトアップスイッチ
57 シフトダウンスイッチ
70 ロックケーブル
73 ソレノイド
90 前側レバー部材
95 後側レバー部材
99 メインライン
101 機械的連動機構
105 ガイド溝
105a 第1係合溝
105b 第2係合溝
105c 第3係合溝
106 マニュアルプレート
111 ピン
112 揺動アーム
113 係合溝
G1〜G9 第1〜9連通路
L1 メインライン
L2〜L5 油路
ア Pレンジにおけるピンの位置
イ Rレンジにおけるピンの位置
ウ Nレンジにおけるピンの位置
エ DレンジまたはMレンジにおけるピンの位置
オ シフトアップ位置におけるピンの位置
カ シフトダウン位置におけるピンの位置

Claims (3)

  1. シフトレバーの揺動操作により選択されるレンジとして、非走行レンジと、前進レンジと、後退レンジとを有すると共に、
    上記前進レンジとして、予め設定された変速特性に基づいて変速を行う自動変速レンジと、シフトレバーの揺動により変速を行う手動変速レンジとが設けられ、
    これらのレンジの選択位置のうち、非走行レンジの選択位置と自動変速レンジの選択位置とが第1の方向において隣接して配設され、自動変速レンジの選択位置と手動変速レンジの選択位置とが上記第1の方向と直交する第2の方向において隣接して配設されて、手動変速レンジの選択位置内での上記第1の方向におけるシフトレバーの揺動により変速が行われるように構成されており、且つ、
    軸方向に移動することにより油圧の供給状態を切り換えるマニュアルバルブがシフトレバーの第1の方向における揺動により機械的連動機構を介して操作されるようになっている自動変速機の変速操作入力装置であって、
    上記マニュアルバルブが、非走行レンジ用、前進レンジ用、及び後退レンジ用の3つの油圧の供給状態を選択的に達成可能に構成されていると共に、
    このマニュアルバルブを、自動変速レンジの選択位置と、手動変速レンジの選択位置内での第1の方向におけるシフトレバーの揺動範囲内とにおいて、前進レンジ用の油圧供給状態に保持するマニュアルバルブ操作手段が備えられ
    このマニュアルバルブ操作手段は、
    シフトレバーの揺動に連動して回転すると共に、マニュアルバルブに設けられた係合部と係合する係合溝が設けられたプレート部材を有し、
    このプレート部材の回転によって上記係合部が係合溝内を移動することによりマニュアルバルブが軸方向に移動するように構成されていると共に、
    マニュアルバルブが前進レンジ用の油圧供給状態を達成する位置にあるときに上記係合部が係合する係合溝の部分が、シフトレバーの手動変速レンジの選択位置内での揺動に伴うプレート部材の回転範囲内において、該プレート部材の回転中心に対して、同心円弧状に形成されていることを特徴とする自動変速機の変速操作入力装置。
  2. シフトレバーの揺動操作により選択されるレンジとして、非走行レンジと、前進レンジと、後退レンジとを有すると共に、
    上記前進レンジとして、予め設定された変速特性に基づいて変速を行う自動変速レンジと、シフトレバーの揺動により変速を行う手動変速レンジとが設けられ、
    これらのレンジの選択位置のうち、非走行レンジの選択位置と自動変速レンジの選択位置とが第1の方向において隣接して配設され、自動変速レンジの選択位置と手動変速レンジの選択位置とが上記第1の方向と直交する第2の方向において隣接して配設されて、手動変速レンジの選択位置内での上記第1の方向におけるシフトレバーの揺動により変速が行われるように構成されており、且つ、
    軸方向に移動することにより油圧の供給状態を切り換えるマニュアルバルブがシフトレバーの第1の方向における揺動により機械的連動機構を介して操作されるようになっている自動変速機の変速操作入力装置であって、
    上記マニュアルバルブが、非走行レンジ用、前進レンジ用、及び後退レンジ用の3つの油圧の供給状態を選択的に達成可能に構成されていると共に、
    このマニュアルバルブを、自動変速レンジの選択位置と、手動変速レンジの選択位置内での第1の方向におけるシフトレバーの揺動範囲内とにおいて、前進レンジ用の油圧供給状態に保持するマニュアルバルブ操作手段が備えられ、
    このマニュアルバルブ操作手段は、
    シフトレバーの揺動に連動して回転すると共に、揺動アームに設けられたピンと係合する係合溝が設けられたプレート部材を有し、
    上記揺動アームに設けられた係合溝にマニュアルバルブに設けられた係合部が係合して おり、
    上記プレート部材の回転によって上記揺動アームのピンがプレート部材の係合溝内を移動することによりマニュアルバルブが軸方向に増幅されて移動するように構成されていると共に、
    マニュアルバルブが前進レンジ用の油圧供給状態を達成する位置にあるときに上記揺動アームのピンが係合するプレート部材の係合溝の部分が、シフトレバーの手動変速レンジの選択位置内での揺動に伴うプレート部材の回転範囲内において、該プレート部材の回転中心に対して、同心円弧状に形成されていることを特徴とする自動変速機の変速操作入力装置。
  3. 非走行レンジとして、駐車レンジとニュートラルレンジとが設定され、これらの両レンジにおいて、マニュアルバルブが同じ位置で非走行レンジ用の油圧供給状態を達成するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の自動変速機の変速操作入力装置。
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