JP3986522B2 - 熱硬化性水性組成物、それを用いた紙加工品及び繊維加工品 - Google Patents

熱硬化性水性組成物、それを用いた紙加工品及び繊維加工品 Download PDF

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Description

本発明は、熱硬化性水性組成物、それを用いた紙加工品及び繊維加工品に関する。
各種紙基材や繊維基材のバインダーとして、メラミン樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が使用されている。これらの熱硬化性樹脂は、基材の耐熱性、剛性、寸法安定性、耐水性、耐溶剤性などを向上させることができ、かつ安価なことから、これまで有用なバインダーとされてきた。
しかし、これらの熱硬化性樹脂は架橋反応時にホルムアルデヒドを発生する。近年、ホルムアルデヒドの人体に与える影響が問題視され、様々な分野、用途で法規制が適用されつつあり、メラミン樹脂やフェノール樹脂に代わる熱硬化性樹脂が強く要望されている。
ホルムアルデヒドを発生しない熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。しかし、これらの樹脂は、分子構造が疎水性であることや、水媒体中で反応性官能基が不安定であり、加水分解により失活して、物性が低下してしまうために、溶剤系樹脂の形態が一般的である。このような溶剤系樹脂は、加工時に溶剤が揮発して大気を汚染したり、労働環境を悪化させたり、火災の危険性を含むうえに、コストが高いという問題がある。
そこで、ポリカルボン酸とアルカノールアミンとを含有する水溶性の熱硬化性樹脂(例えば、特許文献1及び2参照)や、エチレン性不飽和モノマーを水性乳化重合して得られる水不溶性ポリマーと、カルボキシル基を有する水溶性ポリマーと、ヒドロキシル基を有するアミンとを含有する粉末状の熱硬化性樹脂(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
特表2001−515116号公報 特表2002−510356号公報 特表2003−525314号公報
しかしながら、上記従来の熱硬化性樹脂は、紙加工品や繊維加工品の耐水性、耐熱性、剛性などの物性において、メラミン樹脂と同等以上の物性を有するものではなかった。
従って、本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、メラミン樹脂やフェノール樹脂に代わるホルムアルデヒドを発生しない熱硬化性水性組成物及びそれを用いた耐水性、耐熱性、剛性などの諸物性に優れる紙加工品および繊維加工品を提供することを目的としている。
そこで、本発明者らは、種々の熱硬化性水性組成物について鋭意検討した結果、エチレン性不飽和モノカルボン酸、エチレン性不飽和ジカルボン酸又はこれらの混合物と、リン酸基を有する不飽和単量体とをラジカル重合して得られる重合体、及び2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物を含有する熱硬化性水性組成物を紙基材や繊維基材に用いることで、耐水性、耐熱性、剛性などの諸物性に優れる紙加工品及び繊維加工品が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、エチレン性不飽和モノカルボン酸、エチレン性不飽和ジカルボン酸又はこれらの混合物、下記一般式(1):
Figure 0003986522
(式中、XはH又はCHであり、YはH、CH又はCHClであり、nは1〜20の整数である)で表されるもの、その金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩であるリン酸基を有する不飽和単量体0.1〜20モル%をラジカル重合して得られる重合体、及び2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物を含有する熱硬化性水性組成物である。
前記重合体は、500〜1,000,000の重量平均分子量を有することが好ましい。
前記2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物は、50〜500,000の重量平均分子量を有することが好ましい。
前記重合体と前記2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物との質量比は、25:75〜75:25であることが望ましい。
また、本発明は、前記熱硬化性水性組成物を紙基材に熱架橋させた紙加工品である。
本発明は、前記熱硬化性水性組成物を繊維基材に熱架橋させた繊維加工品である。
本発明によれば、従来から使用されているメラミン樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性水性組成物と同等以上の耐水性、耐熱性、剛性などの諸物性を有し、且つ架橋反応時にホルムアルデヒドを発生しない熱硬化性水性組成物を提供することができる。また、この熱硬化性水性組成物を紙基材や繊維基材に用いることで、耐水性、耐熱性、剛性などの諸物性に優れる紙加工品および繊維加工品を提供することもできる。
本発明による熱硬化性水性組成物は、エチレン性不飽和モノカルボン酸、エチレン性不飽和ジカルボン酸又はこれらの混合物と、リン酸基を有する不飽和単量体とをラジカル重合して得られる重合体(以下、成分Aということがある)、及びヒドロキシル基を有する化合物(以下、成分Bということがある)を含有するものである。前記熱硬化性水性組成物において、成分Aと成分Bとの質量比は、特に限定されるものではないが、25:75〜75:25であることが好ましく、40:60〜60:40であることがより好ましい。この範囲内であれば、ポリマー分子間のエステル化により、十分な架橋構造が形成され、加工品の耐水性、耐熱性、剛性などが向上するため好ましい。
本発明における成分Aとしての重合体は、エチレン性不飽和モノカルボン酸、エチレン性不飽和ジカルボン酸又はこれらの混合物と、リン酸基を有する不飽和単量体とをそれぞれ少なくとも1種選択し、これらをラジカル重合することによって得ることができる。エチレン性不飽和モノカルボン酸、エチレン性不飽和ジカルボン酸又はこれらの混合物と、リン酸基を有する不飽和単量体との重合割合は、特に限定されるものではないが、エチレン性不飽和モノカルボン酸、エチレン性不飽和ジカルボン酸又はこれらの混合物に対し、リン酸基を有する不飽和単量体を0.1〜20モル%、好ましくは1〜10モル%用いることで、熱硬化性水性組成物の架橋効率が向上し、各種基材へより優れた耐水性、耐熱性及び剛性を付与できるため好ましい。
また、得られる重合体(成分A)の重量平均分子量は、500〜1,000,000であることが好ましく、10,000〜500,000であることがより好ましい。この範囲内であれば、優れた耐水性、耐熱性及び剛性を保持しつつ、各種基材への適用時の作業性を向上させることができるため好ましい。ここで、重合体の重量平均分子量は、例えば、Shodex GPC−101(昭和電工株式会社製、カラム1:OH SB−806MHQ2つ及びカラム2:SB−800RL2つを接続、検出器:RI−71S、ポンプ:DU−H7000)を用いて、0.1M硝酸ナトリウム水溶液を溶離液とし、サンプル濃度:0.1wt%、測定時の流量:1mL/分で測定することができる。
本発明において使用できるエチレン性不飽和モノカルボン酸及びエチレン性不飽和ジカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、2−メチルマレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸無水物、それらの金属塩、アンモニウム塩又はそれらの混合物を挙げることができ、中でもエステル化効率を向上させる観点から、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましい。
リン酸基を有する不飽和単量体としては、下記一般式(1):
Figure 0003986522
(式中、XはH又はCHであり、YはH、CH又はCHClであり、nは1〜20整数である)で表されるもの、その金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩を挙げることができる。このような不飽和単量体の具体例としては、アシッド・ホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクロイル・オキシエチルアシッドホスフェート・モノエタノールアミン塩、3−クロロ−2−アシッド・ホスホオキシプロピル(メタ)アクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アシッド・ホスホオキシポリオキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、それらの金属塩、アンモニウム塩及びアミン塩を挙げることができ、中でもエステル化効率を向上させる観点から、一般式(1)中のnが3以上の不飽和単量体が好ましい。
また、エチレン性不飽和モノカルボン酸、エチレン性不飽和ジカルボン酸又はこれらの混合物と、リン酸基を有する不飽和単量体とをラジカル重合する際、エテン、プロペン、ブテン、イソブテン、ペンテン、シクロペンテン、ヘキセン、シクロヘキセン、オクテン、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、メチルスチレン、(メタ)アクリル酸エステル化合物から選択される少なくとも1種の不飽和単量体を併用することで、樹脂皮膜及び加工品の常態強度、耐水強度、耐熱強度、引裂き強度、剛軟性、耐水性、耐薬品性などの諸物性を向上させることができる。
本発明における成分Bとしてのヒドロキシル基を有する化合物は、2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物であれば特に限定されるものではない2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物を少なくとも1種用いることで、熱硬化性水性組成物の架橋効率が向上し、各種基材により優れた耐水性、耐熱性及び剛性を付与できるため好ましい。
また、ヒドロキシル基を有する化合物(成分B)の重量平均分子量は、50〜500,000であることが好ましく、100〜200,000であることがより好ましい。この範囲内であれば、優れた耐水性、耐熱性及び剛性を保持しつつ、各種基材への適用時の作業性を向上させることができるため好ましい。
このようなヒドロキシル基を有する化合物としては、アルカノールアミン類、多価アルコール類、ヒドロキシル基を有する水溶性高分子、ヒドロキシル基を有する不飽和単量体をラジカル重合したポリマーなどが挙げられる。
アルカノールアミン類の具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メチルジエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、メチルジイソプロパノールアミンを挙げることができ、トリエタノールアミンが特に望ましい。
多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロパントリオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールを挙げることができ、プロパントリオールが特に望ましい。
ヒドロキシル基を有する水溶性高分子の具体例としては、各種セルロース誘導体、各種デンプン誘導体、ポリビニルアルコール誘導体、デキストラン、ポリビニルピロリドンを挙げることができ、ポリビニルアルコール誘導体が特に望ましい。
ヒドロキシル基を有する不飽和単量体をラジカル重合したポリマーの具体例としては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを用いたポリマーを挙げることができる。
前記成分A、成分Bそれぞれをラジカル重合によって得る場合、重合は開始剤の存在下にて行われる。開始剤の使用量は、モノマーに対して0.01〜20質量%が好ましく、0.2〜10質量%がより好ましい。このような開始剤としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイドを挙げることができ、反応によっては適当な還元剤を使用してもよい。
また、前記成分A、成分Bそれぞれをラジカル重合によって得る場合、重量平均分子量を調整するために連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤の使用量は、モノマーに対して0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜5質量%がより好ましい。このような連鎖移動剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類、2−メルカプトエタノール、2−メルカプトプロパノール、メルカプト酢酸、t−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタンなどのチオール類を挙げることができる。
なお、本発明による熱硬化性水性組成物は、公知の添加剤の添加を拒むものではなく、使用目的に応じて、充填剤、防腐剤、着色剤、消泡剤、発泡剤、分散剤、乳化剤、流動性調整剤、可塑剤、pH調整剤、油剤などの各種添加剤を添加してもよい。
本発明による熱硬化性水性組成物は、各種紙又は繊維基材に原液あるいは任意の割合に希釈した状態で適用することができる。本発明において紙基材としては、合成紙、洋紙、和紙、板紙等が挙げられる。また、繊維基材としては、パルプ、綿、レーヨン繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維などの有機質繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維、ロックウール繊維、スラグ繊維などの無機質繊維からなる織布、不織布、編物等が挙げられる。
本発明による熱硬化性水性組成物の基材への含浸量又は塗布量は、基材の種類等に応じて適宜変えればよい。含浸方法は特に限定されるものではないが、例えば、熱硬化性水性組成物の溶液に紙または繊維基材を含浸した後、適用量が上記範囲内となるように二本マングル等で絞ればよい。塗布方法としては特に限定されるものではないが、例えば、スクリーン印刷法、バーコーター法、ロールコーター法、リバースコーター法、グラビア印刷法、ドクターブレード法、ダイコーター法等を挙げることができる。
なお、本発明による熱硬化性水性組成物と、エマルジョン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の各種樹脂組成物とを混合したものも用いることができる。このような各種樹脂組成物との混合割合は任意でよい。
熱硬化性水性組成物を適用した後、熱硬化性水性組成物の架橋開始温度以上で加熱することにより、優れた耐熱性、剛性、寸法安定性、耐水性及び耐溶剤性を各種基材に付与することができる。一般的に、加熱温度は架橋を効率よく行なうために150℃以上であることが好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。ただし、それらは例示であって、本発明を限定するものではない。なお、実施例及び比較例に示す「部」や「%」は、特に明記しない限り、それぞれ質量部及び質量%とする。
(実施例1)
まず、成分Aとしての重合体を調製する。イオン交換水560gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら76℃まで加熱した。アクリル酸235g、メタアクリル酸10g、アクリロニトリル25g、アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(ユニケミカル株式会社製、ホスマーPE)25g、イオン交換水220gを均一に混合し、その内の10%を釜内に添加し、さらに過硫酸カリウム2.6gを添加して反応を開始した。15分間攪拌後、セパラブルフラスコ内の温度を86℃に調整した。残りのモノマー水溶液90%分は2時間30分かけてセパラブルフラスコ内に添加し、それと同時に3%過硫酸カリウム水溶液62gを3時間かけて添加した。モノマー水溶液添加終了後、86℃で1時間30分間攪拌して反応を終了した。セパラブルフラスコ内を冷却し、20%水酸化ナトリウム水溶液を60g添加し、系内を中和した。得られた水溶液樹脂を成分A−1とする。この成分A−1の重量平均分子量は約300,000、リン酸基を有する不飽和単量体の量は2.5モル%/全不飽和カルボン酸であった。
次いで成分Bとしてのヒドロキシル基を有する化合物を調製する。イオン交換水850gを1Lの五つ口セパラブルフラスコに入れ、攪拌しながらポリビニルアルコール(ケン化度99%、重合度500)150gを添加し、混合した。その後、セパラブルフラスコ内の温度を90℃に昇温し、1時間30分間攪拌した。得られた水溶液樹脂を成分B−1とする。この成分B−1の重量平均分子量は約22,000であった。
このようにして得られた成分A−1と成分B−1とを1:2の質量割合にて、室温で30分間攪拌混合して、実施例1の熱硬化性水性組成物を得た。
(実施例2)
アシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(ユニケミカル株式会社製、ホスマーPE)の代わりにアシッド・ホスホオキシエチルメタクリレート(ユニケミカル株式会社製、ホスマーM)を用いる以外は実施例1と同様にして水溶性樹脂を得た。得られた水溶液樹脂を成分A−2とする。この成分A−2の重量平均分子量は約250,000、リン酸基を有する不飽和単量体の量は4.3モル%/全不飽和カルボン酸であった。この成分A−2と先述の成分B−1とを1:2の質量割合にて、室温で30分間攪拌混合して、実施例2の熱硬化性水性組成物を得た。
(実施例3)
成分B−1の代わりに成分B−2としてトリエタノールアミン(試薬特級、和光純薬工業株式会社製、重量平均分子量は約149である)を用いる以外は実施例1と同様にして成分A−1と成分B−2とを1:2の質量割合にて、室温で30分間攪拌混合して、実施例3の熱硬化性水性組成物を得た。
(実施例4)
成分A−1のアシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(ユニケミカル株式会社製、ホスマーPE)の添加量を0.5倍にした以外は実施例1と同様にして水溶性樹脂を得た。得られた水溶液樹脂を成分A−3とする。この成分A−3の重量平均分子量は約250,000、リン酸基を有する不飽和単量体の量は1.3モル%/全不飽和カルボン酸であった。この成分A−3と先述の成分B−1とを1:2の質量割合にて、室温で30分間攪拌混合して、実施例4の熱硬化性水性組成物を得た。
(比較例1)
成分A−1のアシッド・ホスホオキシポリオキシエチレングリコールモノメタクリレート(ユニケミカル株式会社製、ホスマーPE)を添加せずに実施例1と同様にして水溶性樹脂を得た。得られた水溶液樹脂を成分A−4とする。この成分A−4の重量平均分子量は約280,000であった。この成分A−4と先述の成分B−1とを1:2の質量割合にて、室温で30分間攪拌混合して、比較例1の熱硬化性水性組成物を得た。
(比較例2)
成分A−1のみを使用して、比較例2の熱硬化性樹脂を得た。
(比較例3)
メラミン樹脂(ミルベンレジンSM−300、昭和高分子株式会社製)のみを使用して、比較例3の熱硬化性樹脂を得た。
実施例1〜4、比較例1〜3で得られた熱硬化性樹脂を用いて、加工品の物性評価を行なった。加工品の加工条件及び評価内容については以下に示す。また、結果を表1に示した。
(加工品の加工条件−1)
実施例1〜4、比較例1〜3で得られた水溶性樹脂をイオン交換水で10%に希釈し、加工浴液とした。紙基材としてろ紙(No.2、東洋濾紙株式会社製)を用い、先述の浴液に含浸処理を行なった。ろ紙に対して樹脂量が約12g/m(樹脂固形分基準)となるように二本マングルで絞った後、110℃で10分間乾燥した。更にその後、170℃で10分間熱処理した。
(加工品の加工条件−2)
実施例1〜4、比較例1〜3で得られた水溶性樹脂をイオン交換水で10%に希釈し、加工浴液とした。繊維基材として綿金巾(3号、株式会社 谷頭商店製)を用い、先述の浴液に含浸処理を行なった。綿金巾に対して樹脂量が約15g/m(樹脂固形分基準)となるように二本マングルで絞った後、150℃で5分間乾燥した。
(加工品の評価内容)
先述の方法にて加工した試験体の常態強度、湿潤強度、耐熱強度、剛軟性について評価した。なお、常態強度、湿潤強度、耐熱強度は加工条件−1の紙加工品を用い、剛軟性については加工条件−2の繊維加工品を用いた。
(常態強度)
樹脂加工後、23℃、65%RHの条件下に12時間以上静置した試験体を25×100mmに裁断し、AUTOGRAPH(AG−2000A、株式会社 島津製作所製)を用いて、200mm/分の速度で引っ張り強度測定を行なった。この時のチャック間距離は50mmとした。
(湿潤強度)
樹脂加工後、23℃、65%RHの条件下に12時間以上静置した試験体を25×100mmに裁断し、イオン交換水に10分間浸漬した後、常態強度と同様の方法で強度測定を行なった。
(耐熱強度)
樹脂加工後、23℃、65%RHの条件下に12時間以上静置した試験体を25×100mmに裁断し、170℃の雰囲気下において、常態強度と同様の方法で強度測定を行なった。
(剛軟性)
樹脂加工後、23℃、65%RHの条件下に12時間以上静置した試験体を150×150mmに裁断し、JIS L 1096(1990)一般織物試験方法に記載される8.19.5 E法(ハンドルオメータ法)に準拠し、測定を行なった。
Figure 0003986522
表1の結果から明らかなように、実施例1〜4で得られた熱硬化性水性組成物を用いた紙および繊維加工品は、常態強度、湿潤強度、耐熱強度および剛軟性すべてにおいて、比較例1〜3を用いたものよりも優れている。また、実施例1〜4で得られた熱硬化性水性組成物の架橋反応は、成分Aのカルボキシル基と成分Bのヒドロキシル基との縮合反応であるため、加工時又は加工品からホルムアルデヒドが発生せず、使用環境を汚染することがない。

Claims (6)

  1. エチレン性不飽和モノカルボン酸、エチレン性不飽和ジカルボン酸又はこれらの混合物、下記一般式(1):
    Figure 0003986522
    (式中、XはH又はCHであり、YはH、CH又はCHClであり、nは1〜20の整数である)で表されるもの、その金属塩、アンモニウム塩又はアミン塩であるリン酸基を有する不飽和単量体0.1〜20モル%をラジカル重合して得られる重合体、及び2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物を含有する熱硬化性水性組成物。
  2. 前記重合体が、500〜1,000,000の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の熱硬化性水性組成物。
  3. 前記2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物が、50〜500,000の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性水性組成物。
  4. 前記重合体と前記2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物との質量比が、25:75〜75:25であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の熱硬化性水性組成物。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の熱硬化性水性組成物を紙基材に熱架橋させた紙加工品。
  6. 請求項1〜4の何れか一項に記載の熱硬化性水性組成物を繊維基材に熱架橋させた繊維加工品。
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