JP3986520B2 - 軸シール機構 - Google Patents

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Description

本発明は、ガスタービン、蒸気タービン、圧縮機、水車、冷凍機、ポンプ等の大型流体機械の回転軸に対しての軸シール機構に関し、特に、回転軸の周面とこの回転軸に同軸状で静止した静止部材の内周面との隙間においての高圧側から低圧側への作動流体の漏れを抑える軸シール機構に関する。
一般に、ガスタービンや蒸気タービン等の大型流体機械においては、圧縮空気や燃焼ガスや蒸気等の作動流体(以下、単に「ガス」と記すことがある)を本質的に流動させる主流路以外に、回転軸の周面とこの回転軸に同軸状で静止した静止部材(例えば静翼の内周端を保持する環状部材)の内周面との間に環状の隙間が形成されるのは避けられない。その隙間に対して何ら工夫を施さなければ、その隙間を通じてガスが高圧側から低圧側へ向けて不用意に漏れ、結果として流体機械の効率が低下してしまう。従って、その隙間を通じたガスの漏れを最小限に抑えることは極めて重要であり、これを実現すべく、その隙間に軸シール機構が適用される。
軸シール機構としては、従来一般には、静止部材の内周面から複数のフィンが突出して成る非接触型のいわゆるラビリンスシールが幅広く用いられる。しかし、ラビリンスシールでは、回転過渡期の軸振動や熱過渡的な熱変形時にもフィン先端が回転軸の周面に接触しないように構成する必要があるため、回転軸の周面とフィン先端との隙間をある程度確保しなければならず、その結果、ガスの漏れを大きく抑えることができないという問題がある。
一方近年では、ガスの漏れ量を格段に低減できる軸シール機構として、回転軸の軸方向に一定幅を有する平板状の薄板を回転軸の周方向に多重に配置した構造となるいわゆるリーフシールがある(例えば特許文献1参照)。以下、このリーフシールの詳細構成について、図4〜図11を参照しながら説明していく。なお、ここではリーフシールが適用される大型流体機械として、その代表格であるガスタービンを一例に挙げて説明する。
図4に示すガスタービンGtは、多量の空気を内部に取り込んで圧縮する圧縮機1と、圧縮機1にて圧縮された空気に燃料を混合して燃焼させる燃焼器2と、燃焼器2で発生した高温高圧の燃焼ガスが内部に導入されこの燃焼ガスの熱エネルギーを回転エネルギーに変換するタービン3と、タービン3の回転エネルギーを直接受けてその一部を圧縮機1の動力として伝達する回転軸4と、を有している。
タービン3では、回転軸4に軸方向で複数段設けられた複数の動翼10が、吹き付けられた燃焼ガスの圧力を受けることで回転軸4と共に回転する。こうして、燃焼ガスの熱エネルギーを回転軸4の回転という機械的な回転エネルギーに変換して動力が発生する。回転軸4に与えられた回転エネルギーは軸端から取り出されて発電に利用される。また、タービン3には、回転軸4側の動翼10の他に、タービン3のケーシング9側に複数の静翼11が設けられていて、これら動翼10と静翼11とが、回転軸4の軸方向に交互に配置される。そして、回転軸4と静翼11(実際には、静翼11の内周端を保持する環状の静止部材)との間には、その隙間を通じて高圧側から低圧側へ漏れる燃焼ガスの漏れ量を低減するための軸シール機構として、リーフシール20が設けられる。
また、圧縮機1は回転軸4にてタービン3と同軸につながれており、タービン3での回転軸4の回転を利用して、外気を吸引するとともに圧縮してこの圧縮空気を燃焼機2に供給する。圧縮機1でもタービン3と同様に、回転軸4に複数の動翼6と、圧縮機1のケーシング5側に複数の静翼7とが設けられており、動翼6と静翼7とが回転軸4の軸方向に交互に配置される。そして、回転軸4と静翼7(ここでも実際には、静翼7の内周端を保持する環状の静止部材)との間には、その隙間を通じて高圧側から低圧側に漏れる圧縮空気の漏れ量を低減するための軸シール機構として、リーフシール20が設けられる。
更に、圧縮機1のケーシング5が回転軸4を支持する軸受け部8や、タービン3のケーシング9が回転軸4を支持する軸受け部12においても、その隙間を通じて高圧側から低圧側に圧縮空気や燃焼ガスが漏れるのを防止するための軸シール機構として、リーフシール20が設けられる。
続いて図5及び図6に示すように、リーフシール20は、静翼7,11及び軸受け部8,12(図4参照)に相当する静止部材であるステータ60に挿入されて、回転軸4の周面とステータ60の内周面との隙間の環状空間におけるガスの漏れを防ぐための軸シール機構として設置される。このリーフシール20は、回転軸4の周方向に互いに微小隙間を隔てて多重に積み重ねられた複数の薄板21より成る環状の薄板群と(図7(a)参照)、この薄板群を薄板21の外周基端側において軸方向での両側から挟持する各々コの字型のリテーナ22,23と、薄板群における高圧側(ガス圧が高い側)に位置する一側と一方のリテーナ22とで挟み込まれて薄板群のその一側に接触する分割環状の高圧側側板24と、薄板群における低圧側(ガス圧が低い側)に位置する他側と他方のリテーナ23とで挟み込まれて薄板群のその他側に接触する分割環状の低圧側側板25と、リテーナ22,23同士を薄板21の外周側で接続する接続部材26と、リテーナ22,23で狭持された各薄板21のがたつきを抑制するスペーサ27と、リテーナ22,23で狭持された薄板群が回転軸4に対して一定位置となるように付勢力を与える板バネ28と、を備える。
薄板群の構成要素である各薄板21は、図6に示すように、外周側基端における回転軸4の軸方向での幅が内周端側の幅に比べて広い略T字型の薄い鋼板によって構成され、その両側には、その幅の段差部分において切欠き部21a,21bが設けられる。ここで、各薄板21は、圧延成形された厚さ0.1mm程度の鋼板(例えばステンレス、インコネル、ハステロイ等の金属鋼板)を素材とし、これをプレス等によって型抜きすることで先ずは一定厚さの所定形状(T字型)に成形される。そして、図8に示すように、この薄板21の外周側基端部をそのまま残しつつ内周端側の片面のみ(図8の網掛け部分21dに相当)をエッチングして取り除くことで、その厚みに段差が形成される。但し、こうしたT字型の輪郭形成と段差形成とをエッチングによって同時に成形することも可能である。
このような薄板21を回転軸4の軸方向に同一の幅となるように重ねるとともに、図7(b)に示すように、その外周基端及び外周基端側となる幅広部分の側面に溶接Wdを施して固定し、これにより薄板群が形成される。また、各薄板21はエッチングされた内周端側の板厚tで決まる所定の剛性を回転軸4の周方向に持つように設計されるとともに、回転軸4の回転方向に対して回転軸4の周面となす角θが鋭角となるようにリテーナ22,23で保持される。なお、薄板群においては、各薄板21のエッチングにて取り除かれる部分21dの深さcが、薄板21同士の微小隙間となる。
高圧側側板24及び低圧側側板25には、それぞれの外周縁部において、回転軸4の軸方向に突出する突起24a,25aが設けられており、この突起24a,25aは、薄板群の切欠き部21a,21bにそれぞれ嵌め込まれる。また、高圧側に位置するリテーナ22は、薄板群における外周基端側の高圧側である一側に対向する面に凹溝22aを備え、他方の低圧側に位置するリテーナ23は、薄板群における外周基端側の低圧側である他側に対向する面に凹溝23aを備える。そして、切欠き部21a,21bに高圧側側板24及び低圧側側板25それぞれの突起24a,25aが嵌め込まれた薄板群は、その外周基端側の高圧側である一側がリテーナ22の凹溝22aに嵌め込まれるとともに、その外周基端側の低圧側である他側がリテーナ23の凹溝23aに嵌め込まれる。
ここで、高圧側側板24は、その内径が回転軸の径よりも若干量大きく、低圧側側板25は、その内径が高圧側側板24の内径よりも所定量大きくなっている。従って、薄板群における各薄板21の内周端部は、高圧側である一側よりも低圧側である他側の方が軸方向での表出域がはるかに大きくなる。
薄板群の外周基端側が嵌め込まれたリテーナ22,23の間には、接続部材26が挿入されるとともに、この接続部材26がリテーナ22,23と溶接されることで、リテーナ22,23が固定される。薄板群の外周基端とリテーナ22,23との間には、両者の隙間を埋めるスペーサ27が挿入される。更に、スペーサ27が挿入されたリテーナ22,23の外周側には凹溝22b,23bが設けられていて、この凹溝22b,23bによって形成される1つの凹溝に板バネ28が嵌め込まれ、これにより板バネ28がリテーナ22,23の外周側に固定される。
このような構成のリーフシール20は、図6に示すように、分割環状の取付け用ピース62と一体で、ステータ60側の内周壁面に周方向に沿って形成された環状の取付け用凹溝61に、リテーナ22,23側から周方向に沿って嵌め込まれる。ここで、凹溝61は、回転軸4の軸方向において、底となる外周側の幅が内周側の幅よりも広くなるように、薄板群の高圧側である一側と対向する側面に段差が設けられた形状とし、この段差の外周側の面61aが、リーフシール20のリテーナ22の内周面と摺接する摺接面となる。更に、凹溝61の底である外周面61bが、リーフシール20の外周側に設けられる板バネ28と摺接する摺接面となる。また、凹溝61の内周側の幅は、回転軸4の軸方向の幅において、リーフシール20の幅よりも十分に広くなるように形成される。
一方、取付け用ピース62は、回転軸4の軸方向において、図6に示すように、外周側の幅が内周側の幅よりも狭くなるように、薄板群の低圧側である他側と対向する側面に段差が設けられた形状とし、この段差の外周側の面62aが、リーフシール20のリテーナ23の内周面と摺接する摺接面となる。更に、この取付け用ピース62は、回転軸4の軸方向での幅の広い内周側の部分において、薄板群の低圧側である他側と対向する側面62bが、低圧側側板25と当接する受圧面となる。なお、この取付け用ピース62の内周面の一部を突出させた形状とすることで、ラビリンスシール62dを具備する。つまり、リーフシール20の下流側に取付け用ピース62が設置され、これにより、リーフシール20よりも下流において、ガスの漏れ量を更に低減させるラビリンスシール62dが設置されることとなる。
このように、リーフシール20は、取付け用ピース62と共に、ステータ60の凹溝61に対しその外周基端側で保持されることとなる。つまり、リテーナ22,23それぞれの内周面が、凹溝61の摺接面61a及び取付け用ピース62の摺接面62aと摺接するとともに、リテーナ22,23の外周側に固定された板バネ28が凹溝61の摺接面61bと摺接することで、リーフシール20がステータ60に対して嵌め込まれた状態で維持される。ちなみに、取付け用ピース62を用いてリーフシール20がステータ60の凹溝61に嵌め込まれるため、その組み付け作業を容易に行うことができる。
このとき、リーフシール20は、凹溝61内に対して、回転軸4の軸方向に若干の相対移動が可能である。そのため、高圧側領域から低圧側領域に向かってガスが流れるとき、そのガス圧がリーフシール20の各薄板21に作用するため、リーフシール20が低圧側領域に向かって移動し、後述するように、低圧側側板25が取付け用ピース62の受圧面62bと当接するようになる。
引き続き、このように構成されるリーフシール20の作用について説明する。図9(a)に示すように、高圧側領域から低圧側領域に向かうガス圧が各薄板21に加わった場合に、各薄板21に対して、内周端側で且つ最も高圧側領域に位置する角部r1で最もガス圧が高く、対角の角部r2に向かって徐々にガス圧が弱まるガス圧分布70aが形成される。なお、図6では各薄板21をT字型形状としているが、図5や図9では、便宜上、撓みを生じる長方形部分のみを図示している。
また、図9(b)に示す回転軸4の周方向に沿った断面図のように、各薄板21の回転軸4に面した面を下面21qとするとともに、その裏側を上面21pとする。そして、各薄板21に対して高圧側領域から低圧側領域に向かうガス圧が加わって、図9(a)のようなガス圧分布70aが形成されるとき、各薄板21の断面に沿った任意位置における上面21pに加わるガス圧よりも下面21qに加わるガス圧の方が高くなるように、ガス圧が調整される。
このとき、高圧側領域から低圧側領域に向かって流れるガスgは、高圧側側板24と回転軸4の周面との間から流入する。そして、ガスgは、図9(a)のように、回転軸4の周面と薄板21の内周端との間を流れるとともに、互いに隣接する各薄板21の上面21p及び下面21qとの隙間に沿って、角部r1から角部r2の方向へ放射状に流れる。このようにガスgが流れることで、各薄板21の外周基端に向かって低圧の領域が広がる。そのため、図9(b)に示すように、各薄板21の上面21p及び下面21qに垂直に加わるガス圧分布70b,70cは、各薄板21の内周端部分に近いほど大きくなるとともに各薄板21の外周基端に向かうほど小さくなる三角分布形状となる。
この上面21p及び下面21qそれぞれにおけるガス圧力分布70b,70cは、略等しい形状となるが、回転軸4の周面に対する角度θが鋭角となるように各薄板21が配置されているので、これら上面21p及び下面21qにおける各ガス圧分布70b,70cの相対位置が薄板21に対してずれる。これにより、薄板21の外周基端側から内周端側に向かう任意の点Pにおける上面21p及び下面21qのガス圧に差が生じる。こうして、各薄板21において、下面21qに加わるガス圧が上面21pに加わるガス圧よりも高くなることから、回転軸4の周面と薄板21の内周端との間を流れるガスのガス圧が、各薄板21の内周端を回転軸4より浮かせる方向に発生する。
このように、各薄板21の上面21p及び下面21q間に圧力差を生じさせることで、各薄板21の内周端が回転軸4の周面より浮くように変形する。つまり、回転軸4の回転停止時には薄板21の内周端は所定の予圧で回転軸4の周面に接触しているが(図7(a)参照)、回転軸4の回転時には回転軸4が回転することで生じる動圧効果によって薄板21の内周端が浮上するため、薄板21と回転軸4の周面が非接触状態となる(図7(c)参照)。こうして、リーフシール20は、回転軸4の周囲の空間を高圧側領域と低圧側領域とに分け、回転軸4の外周をシールする。
その際、このようにガスgが高圧側領域から低圧側領域に向かって流れるため、薄板群に対して、図10(a)に示すように、高圧側領域から低圧側領域に向かって流体力Fが作用する。この流体力Fを薄板群が受けることで、リーフシール20が高圧側領域から低圧側領域に向かって移動する。そして、図10(b)に示すように、低圧側側板25が取付け用ピース62の受圧面62bに当接することで、リーフシール20の位置が規制され、このとき、薄板群における低圧側である他側と取付け用ピース62の受圧面62bとの距離が、低圧側側板25の厚さと等しくなる。
これは、低圧側側板25の内径が薄板群の内径よりも大きいため、薄板群における各薄板21の内周端側において、低圧側側板25と当接しない表出域が存在することになるからであり、その結果として、薄板群における各薄板21の内周端側において、低圧側である他側と取付け用ピース62の受圧面62bとの間に、低圧側側板25の厚さと等しい隙間を確保できるわけである。一方、高圧側側板24の内径が低圧側側板25の内径よりも小さいことから、結果として、薄板群における各薄板21の内周端側において、高圧側での表出域が低圧側での表出域よりも小さくなる。
従って、図9(a)のように、高圧側側板24の内周面と回転軸4の周面との隙間を通じて各薄板21(薄板群)へ流入したガスgは、各薄板21の上面21p及び下面21qに沿って対角に向かって広く流れるとともに、薄板21の外周基端側に低圧の領域が広がって、各薄板21の内周端を回転軸4の周面から浮上させ、低圧側側板25の内周面と回転軸4の周面との隙間を通じて流出する。このように、高圧側側板24及び低圧側側板25は、各薄板21の内周端を有効に浮上させるべく、各薄板21へのガスの流入量やガス圧を調整するというリーフシール20にとって重要な機能を果たす。
なお、上記のリーフシール20では、各薄板21をT字型形状としているが、単なる長方形状としても構わない。また、薄板群とリテーナ22,23との間にスペーサ27がないものとしても構わないし、リテーナ22,23と接続部材26とがボルトで固定されるものとしても構わないし、板バネ28がないものとしても構わない。
また、リーフシール20を大型流体機械に組み付ける場合、環状の状態のまま回転軸4に軸方向に沿って挿入して取り付けることは困難であることから、回転軸4の周面に沿って環状に構成されるリーフシール20は、実際には、図11に示すように、その周方向に4〜8分割された複数の分割体より構成される。このとき、分割体個々の端面が回転軸4の回転方向に対して回転軸4の周面となす角度は、各薄板21が回転軸4の周面となす角度と等しい角度となる。
特開2002−13647号公報
ところで、高圧側領域と低圧側領域の圧力差が極めて大きい個所のステータ60に、上記したリーフシール20を設置しようとする場合は、1つのリーフシール20では、その圧力差に耐えることが困難であるため、リーフシール20を回転軸4の軸方向に複数段に亘って設置し、これらのリーフシール20でその圧力差を分担するようにしている。その一例として、リーフシール20を3段に設置した状況を図12に示す。ここでは、高圧側領域から低圧側領域に向けて順に、第1段目のリーフシール120、第2段目のリーフシール220、及び最終段である第3段目のリーフシール320が設置されている。高圧側領域である第1段目のリーフシール120の高圧側に存在する圧力P1のガスは、第1段目のリーフシール120を通じて圧力P2に低下し、更に第2段目のリーフシール220を通じてP3に低下し、最後に第3段目のリーフシール320を通じて圧力P4に低下して低圧側領域に至る。
ここで一般には、設計工数の削減や部品管理の容易化といった観点から、第1、第2、第3段目のリーフシール120、220、320は、互いに同一寸法の設計となっており、流通する作動流体(ガス)の漏れ量に対してのシール性能は同一である。そのため、取り扱う作動流体が圧縮性流体である場合、その作動流体が第1段目のリーフシール120、第2段目のリーフシール220、及び第3段目のリーフシール320を順に経るに従って、その各時点での圧力がP2、P3、及びP4へと単調増加的に低下していくようになる。つまり、第1段目のリーフシール120が負担する圧力差(P1−P2)や第2段目のリーフシール220が負担する圧力差(P2−P3)に比べて、最終段である第3段目のリーフシール320が負担する圧力差(P3−P4)が格段に大きくなるという現象が生じる(図12中の下段のグラフ参照)。
この場合、特に最終段である第3段目のリーフシール320について、これが設計仕様上で許容できる圧力差の限界値を超えてしまうおそれがある。従来は、このような事態を回避するために、リーフシール20の段数を更に増やすことで対処していた。リーフシール20の設置段数の増加に従って、最終段のリーフシール20が負担する圧力差を軽減できるからである。
しかし、リーフシール20の設置段数が多いと、その分部品点数が増すことから製造コストが悪化し、経済性の面で不利である。その上、リーフシール20を設置するための軸方向へのスペースをより確保しなければならないため、これが適用される流体機械の軸方向への大型化を招き、回転軸4の軸振動の発生にも敏感になるという弊害がある。
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、リーフシールを複数段備えた軸シール機構であって、リーフシールの設置段数の更なる増加を伴うことなく、最終段のリーフシールが負担する圧力差を軽減できる軸シール機構を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明による軸シール機構は、回転軸の周面とこの回転軸に同軸状で静止した静止部材の内周面との隙間においての高圧側から低圧側への作動流体の漏れを抑える軸シール機構であって、前記回転軸の軸方向に一定幅を有し、各々が前記回転軸の周方向へ互いに微小隙間を隔てながら前記回転軸の周面に対して鋭角に積み重ねられつつ、各々の内周端が回転停止時の前記回転軸の周面に接触する可撓性のある多数の薄板より成る環状の薄板群と、この薄板群における軸方向での両側のうちの高圧側に位置する一側に当接し、前記回転軸の径よりも所定量大きい内径を有する環状の高圧側側板と、前記薄板群における軸方向での両側のうちの低圧側に位置する他側に当接し、前記高圧側側板の内径よりも所定量大きい内径を有する環状の低圧側側板と、前記薄板群、前記高圧側側板、及び前記低圧側側板をこれらの外周部で一体に保持する環状の保持部材と、より成る軸シール部材を、前記静止部材に対して軸方向へ複数段取り付けた軸シール機構において、以下の点を特徴とする。
第1の特徴点としては、高圧側の軸シール部材ほどシール性能が高まるように、前記各段の軸シール部材における前記各薄板群は、高圧側に近い軸シール部材における薄板群ほど前記各薄板同士の微小隙間が狭く、低圧側に近い軸シール部材における薄板群ほど前記各薄板同士の微小隙間が広くなっている。このようにすれば、各軸シール部材すなわち各リーフシールにおいては、各薄板同士の間に回転軸の軸方向に沿って流入したガスのうちでそのまま各薄板同士の間を軸方向に流れて流出するガスの体積流量が、高圧側に近いほど少なく、逆に低圧側に近いほど多くなり、結果として、リーフシールのシール性能が、高圧側に近いほど高く、低圧側に近いほど低くなる。そのため、作動流体が高圧側から低圧側へ向けて各リーフシールを順に経るに従って、その各時点での圧力がほぼ均一に低下していくようになる。従って、最終段のリーフシールが負担する圧力差は、他のリーフシールが負担する圧力差とほぼ同等になり、設計仕様上での限界値内に軽減される。
第2の特徴点としては、高圧側の軸シール部材ほどシール性能が高まるように、前記各段の軸シール部材における前記各高圧側側板は、高圧側に近い軸シール部材における高圧側側板ほど内径が小さく、低圧側に近い軸シール部材における高圧側側板ほど内径が大きくなっている。このようにしても、軸シール部材すなわちリーフシールにおいては、各薄板同士の間に回転軸の軸方向に沿って流入したガスのうちでそのまま各薄板同士の間を軸方向に流れて流出するガスの体積流量が、高圧側に近いほど少なく、逆に低圧側に近いほど多くなり、結果として、リーフシールのシール性能が、高圧側に近いほど高く、低圧側に近いほど低くなる。そのため、上記した第1の特徴点の場合と同様、最終段のリーフシールが負担する圧力差は、他のリーフシールが負担する圧力差とほぼ同等になり、設計仕様上での限界値内に軽減される。
第3の特徴点としては、高圧側の軸シール部材ほどシール性能が高まるように、前記各段の軸シール部材における前記各低圧側側板は、高圧側に近い軸シール部材における低圧側側板ほど軸方向での厚さが薄く、圧側に近い軸シール部材における低圧側側板ほど軸方向での厚さが厚くなっている。このようにすれば、軸シール部材すなわちリーフシールにおいては、各薄板同士の間に回転軸の軸方向に沿って流入したガスのうちで各薄板同士の間を広がって流れて流出するガスの体積流量が、高圧側に近いほど少なく、逆に低圧側に近いほど多くなり、結果として、リーフシールのシール性能が、高圧側に近いほど高く、低圧側に近いほど低くなる。そのため、上記した第1の特徴点の場合と同様、最終段のリーフシールが負担する圧力差は、他のリーフシールが負担する圧力差とほぼ同等になり、設計仕様上での限界値内に軽減される。
本発明の軸シール機構によれば、リーフシールの設置段数を更に増やさなくても、最終段のリーフシールが負担する圧力差を軽減できる。勿論、リーフシールが適用される流体機械の軸方向への大型化を招くことはない。
以下に、本発明の実施形態であるリーフシールを採用した軸シール機構について、図面を参照しながら詳述する。図1は本実施形態におけるリーフシールを複数段設置した状況を示す図、図2はその各リーフシールの特性を説明するための回転軸の軸方向に沿う断面図、図3はその各リーフシールの特性を説明するための回転軸の径方向に沿う断面図である。なお、図中で図4〜図12と同じ名称で同じ機能を果たす部分には同一の符号を付し、重複する説明は適宜省略するとともに、本発明の特徴点について特筆する。特に本実施形態では、リーフシール20を3段に設置し、これらのリーフシール20で高圧側領域と低圧側領域の圧力差を分担する場合を一例として示す。
図1に示すように、ステータ60には、回転軸4の軸方向に沿って高圧側領域から低圧側領域に向けて順に、第1段目のリーフシール120、第2段目のリーフシール220、及び最終段である第3段目のリーフシール320が設置されている。高圧側領域である第1段目のリーフシール120の高圧側に存在する圧力P1のガスは、第1段目のリーフシール120を通じて圧力P2に低下し、更に第2段目のリーフシール220を通じてP3に低下し、最後に第3段目のリーフシール320を通じて圧力P4に低下して低圧側領域に至る。
本実施形態では、取り扱う作動流体が圧縮性流体であることを前提として、最終段である第3段目のリーフシール320が負担する圧力差(P3−P4)の軽減を図るべく、その圧力差(P3−P4)と、第1段目のリーフシール120が負担する圧力差(P1−P2)と、第2段目のリーフシール220が負担する圧力差(P2−P3)がほぼ同等となるようにする(図1中の下段のグラフ参照)。その手法を続いて説明する。
第1、第2、第3段目のリーフシール120、220、320各々においては、その特性として、次式(1)及び次式(2)を満たす。
G1i=k1・bi・hi 3・(Pi 2−Pi+1 2)/Li ・・・式(1)
但し、iは1,2,3,・・・,nであって、第i段目のリーフシール20について表す。本実施形態では、n=3が最終となる。また、図2及び図3に示すように、G1iは各薄板121、221、321同士の間に回転軸4の軸方向に沿って流入したガスのうちでそのまま各薄板121、221、321同士の間を軸方向に流れて流出するガスの体積流量である。k1は係数である。biは各薄板121、221、321の内周端と高圧側側板124、224、324の内周とで形成される表出領域の径方向での幅である。hiは各薄板121、221、321同士の微小隙間である。Piはリーフシール120、220、320の高圧側の圧力であり、Pi+1はその低圧側の圧力である。Liは各薄板121、221、321の軸方向での幅である。
G2i=k2・ei・PMi ・・・式(2)
但し、iは上記の式(1)の場合と同様、1,2,3,・・・,nであって、第i段目のリーフシール20について表す。本実施形態では、n=3が最終となる。また、図2に示すように、G2iは各薄板121、221、321同士の間に回転軸4の軸方向に沿って流入したガスのうちで各薄板121、221、321同士の間を広がって流れて流出するガスの体積流量である。k2は係数である。eiは低圧側側板125、225、325の軸方向での厚さである。PMiはリーフシール120、220、320の低圧側における低圧側側板125、225、325の内周近傍での圧力である。
ここで、リーフシール120、220、320のシール性能が、高圧側領域に近いものほど高く、逆に低圧側領域に近いものほど低くなるように設定する。これは、上記の式(1)において、ガスの体積流量G1iが、高圧側領域に近いリーフシール20ほど少なく、逆に低圧側領域に近いリーフシール20ほど多くなるようにすればよい。具体的には、各薄板21同士の微小隙間hiが、高圧側領域に近いリーフシール20ほど狭く、低圧側領域に近いリーフシール20ほど広くなっている。つまり、第1のリーフシール120での微小隙間h1、第2のリーフシール220での微小隙間h2、第3のリーフシール320での微小隙間h3の順に広がるように設定する。
このような各薄板21同士の微小隙間hiの形成にあたっては、図7及び図8に示すように、高圧側領域に近いリーフシール20ほど各薄板21のエッチング深さcを浅く、すなわち各薄板21のエッチングされた内周端側の板厚tを厚くし、逆に低圧側領域に近いリーフシール20ほど各薄板21のエッチング深さcを深く、すなわち各薄板21のエッチングされた内周端側の板厚tを薄くすれば足りる。
又は、高圧側領域に近いリーフシール20ほど各薄板21の内周端を回転軸4へ向けて伸ばし、逆に低圧側領域に近いリーフシール20ほど各薄板21の内周端を回転軸4より縮めることでも足りる。各薄板21の伸縮の応じて、各薄板21の内周端側での互いの接触が増減し、その結果として、各薄板21同士の微小隙間hiが平均的に狭広するからである。
このような構成にすれば、作動流体が第1段目のリーフシール120、第2段目のリーフシール220、及び第3段目のリーフシール320を順に経るに従って、その各時点での圧力がP2、P3、及びP4へとほぼ均一に低下していくようになる。従って、リーフシール20の設置段数を更に増やさなくても、最終段である第3段目のリーフシール320が負担する圧力差(P1−P2)は、他の第1、第2のリーフシール120、220が負担する圧力差(P2−P3)、(P3−P4)とほぼ同等になり、設計仕様上での限界値内に軽減されることになる。勿論、リーフシール20が適用される流体機械の軸方向への大型化を招くことはなく、回転軸4の軸振動の発生にも懸念はない。
また、別の構成として、リーフシール120、220、320のシール性能が、高圧側領域に近いものほど高く、逆に低圧側領域に近いものほど低くなるように設定すべく、上記の式(1)において、ガスの体積流量G1iが、高圧側領域に近いリーフシール20ほど少なく、逆に低圧側領域に近いリーフシール20ほど多くなるようにするために、リーフシール20の表出領域の幅biが、高圧側領域に近いリーフシール20ほど狭く、逆に低圧側領域に近いリーフシール20ほど広くなっていてもよい。つまり、第1のリーフシール120での表出領域の幅b1、第2のリーフシール220での表出領域の幅b2、第3のリーフシール320での表出領域の幅b3の順に広がるように設定する。これは、高圧側領域に近いリーフシール20ほど高圧側側板24の内径を小さく、低圧側領域に近いリーフシール20ほど高圧側側板24の内径を大きくすれば足りる。
また、別の構成として、リーフシール120、220、320のシール性能が、高圧側領域に近いものほど高く、逆に低圧側領域に近いものほど低くなるように設定すべく、上記の式(2)において、ガスの体積流量G2iが、高圧側領域に近いリーフシール20ほど少なく、逆に低圧側領域に近いリーフシール20ほど多くなるようにしてもよい。具体的には、低圧側側板25の厚さeiが、高圧側領域に近いリーフシール20ほど薄く、逆に低圧側領域に近いリーフシール20ほど厚くなっている。つまり、第1のリーフシール120での低圧側側板125の厚さe1、第2のリーフシール220での低圧側側板225の厚さe2、第3のリーフシール320での低圧側側板325の厚さe3の順に厚くなるように設定する。
これらのような構成にしても、作動流体が第1段目のリーフシール120、第2段目のリーフシール220、及び第3段目のリーフシール320を順に経るに従って、その各時点での圧力がP2、P3、及びP4へとほぼ均一に低下していくようになるため、上記と同様の効果を奏する。
なお、本実施形態では、リーフシール20を3段に設置した構成について説明したが、2段であってもよいし、4段以上であってもよい。
その他本発明は上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、図4に示すガスタービンにリーフシールを採用しているものを例示しているが、それに限定されるものではなく、蒸気タービン、圧縮機、水車、冷凍機、ポンプ等の大型流体機械のように、軸の回転と作動流体の流動の関係でエネルギーを仕事に変換するものに広く採用することができる。また、回転軸の周面に沿った軸方向での作動流体の流動を抑えるためにも用いることができる。
本発明は、大型流体機械の回転軸に対しての軸シール機構として有用である。
本発明におけるリーフシールを複数段設置した状況を示す図である。 本発明における各リーフシールの特性を説明するための回転軸の軸方向に沿う断面図である。 本発明における各リーフシールの特性を説明するための回転軸の径方向に沿う断面図である。 従来一般のリーフシールを備えた大型流体機械の一例であるガスタービンの構成を示す概略図である。 従来一般のリーフシールの基本構成を示す斜視図である。 従来一般のリーフシールを備えた大型流体機械の要部を示す回転軸の軸方向に沿う断面図である。 従来一般のリーフシールの基本構成を示す回転軸の周方向に沿う側面図及び断面図である。 従来一般のリーフシールの構成要素である薄板の側面図である。 従来一般のリーフシールの作用を説明するための模式図である。 従来一般のリーフシールの作用を説明するための模式図である。 従来一般のリーフシールを環状に配置した状態を示す平面図である。 従来におけるリーフシールを複数段設置した状況を示す図である。
符号の説明
4 回転軸
20,120,220,320 リーフシール
21,121,221,321 薄板
22,23,122,123,222,223,322,323 リテーナ
24,124,224,324 高圧側側板
25,125,225,325 低圧側側板
60 ステータ
61,161,261,361 取付け用凹溝
62,162,262,362 取付け用ピース

Claims (3)

  1. 回転軸の周面とこの回転軸に同軸状で静止した静止部材の内周面との隙間においての高圧側から低圧側への作動流体の漏れを抑える軸シール機構であって、
    前記回転軸の軸方向に一定幅を有し、各々が前記回転軸の周方向へ互いに微小隙間を隔てながら前記回転軸の周面に対して鋭角に積み重ねられつつ、各々の内周端が回転停止時の前記回転軸の周面に接触する可撓性のある多数の薄板より成る環状の薄板群と、この薄板群における軸方向での両側のうちの高圧側に位置する一側に当接し、前記回転軸の径よりも所定量大きい内径を有する環状の高圧側側板と、前記薄板群における軸方向での両側のうちの低圧側に位置する他側に当接し、前記高圧側側板の内径よりも所定量大きい内径を有する環状の低圧側側板と、前記薄板群、前記高圧側側板、及び前記低圧側側板をこれらの外周部で一体に保持する環状の保持部材と、より成る軸シール部材を、前記静止部材に対して軸方向へ複数段取り付けた軸シール機構において、
    前記各段の軸シール部材における前記各薄板群は、高圧側に近い軸シール部材における薄板群ほど前記各薄板同士の微小隙間を狭くするとともに、低圧側に近い軸シール部材における薄板群ほど前記各薄板同士の微小隙間を広くして、高圧側の軸シール部材ほどシール性能を高めることを特徴とする軸シール機構。
  2. 回転軸の周面とこの回転軸に同軸状で静止した静止部材の内周面との隙間においての高圧側から低圧側への作動流体の漏れを抑える軸シール機構であって、
    前記回転軸の軸方向に一定幅を有し、各々が前記回転軸の周方向へ互いに微小隙間を隔てながら前記回転軸の周面に対して鋭角に積み重ねられつつ、各々の内周端が回転停止時の前記回転軸の周面に接触する可撓性のある多数の薄板より成る環状の薄板群と、この薄板群における軸方向での両側のうちの高圧側に位置する一側に当接し、前記回転軸の径よりも所定量大きい内径を有する環状の高圧側側板と、前記薄板群における軸方向での両側のうちの低圧側に位置する他側に当接し、前記高圧側側板の内径よりも所定量大きい内径を有する環状の低圧側側板と、前記薄板群、前記高圧側側板、及び前記低圧側側板をこれらの外周部で一体に保持する環状の保持部材と、より成る軸シール部材を、前記静止部材に対して軸方向へ複数段取り付けた軸シール機構において、
    前記各段の軸シール部材における前記各高圧側側板は、高圧側に近い軸シール部材における高圧側側板ほど内径を小さくするとともに、低圧側に近い軸シール部材における高圧側側板ほど内径を大きくして、高圧側の軸シール部材ほどシール性能を高めることを特徴とする軸シール機構。
  3. 回転軸の周面とこの回転軸に同軸状で静止した静止部材の内周面との隙間においての高圧側から低圧側への作動流体の漏れを抑える軸シール機構であって、
    前記回転軸の軸方向に一定幅を有し、各々が前記回転軸の周方向へ互いに微小隙間を隔てながら前記回転軸の周面に対して鋭角に積み重ねられつつ、各々の内周端が回転停止時の前記回転軸の周面に接触する可撓性のある多数の薄板より成る環状の薄板群と、この薄板群における軸方向での両側のうちの高圧側に位置する一側に当接し、前記回転軸の径よりも所定量大きい内径を有する環状の高圧側側板と、前記薄板群における軸方向での両側のうちの低圧側に位置する他側に当接し、前記高圧側側板の内径よりも所定量大きい内径を有する環状の低圧側側板と、前記薄板群、前記高圧側側板、及び前記低圧側側板をこれらの外周部で一体に保持する環状の保持部材と、より成る軸シール部材を、前記静止部材に対して軸方向へ複数段取り付けた軸シール機構において、
    前記各段の軸シール部材における前記各低圧側側板は、高圧側に近い軸シール部材における低圧側側板ほど軸方向での厚さを薄くするとともに圧側に近い軸シール部材における低圧側側板ほど軸方向での厚さを厚くして、高圧側の軸シール部材ほどシール性能を高めることを特徴とする軸シール機構。
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