JP3986387B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置に関し、特に、動画表示に向けたフィールドシーケンシャル駆動等の液晶分子の高速スイッチングが必要な液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アクティブマトリクスを用いた液晶ディスプレイとしては、ネマティック液晶を用いた液晶表示装置がよく用いられている。近年、動画表示に向けたフィールドシーケンシャル駆動等の液晶表示装置が求められている。このような液晶表示装置では、液晶分子の高速スイッチングが必要である。そこで、さらに高い応答速度をもつ液晶表示装置が求められている。
【0003】
ネマティック液晶を用いた液晶表示装置において、液晶の応答速度を高めるためには、セル厚を薄くすることと、プレティルト角を大きくすることが有効である。液晶のプレティルトを実現するためには、ポリイミドやポリアミック酸といった有機配向膜を布でこするラビング処理を行うのが一般的である。しかし、ラビングで均一に高いプレティルト角を得ることは難しく、一般に6〜7度程度が限界である。また、ラビング処理を行うと、ゴミが発生し、静電気による素子の破壊が生じるといった問題が生じる。このため、特にアクティブ基板はラビング処理以外の方法で配向処理を行うことが望ましい。
【0004】
また、大きいプレティルト角を得るには、アルキル基を多く含む有機配向膜を使用し、配向膜の表面のアルキル基の密度を増やすことが有効である。しかし、このような手法で高いプレティルト角を得ようとすると、面内でのプレティルト角のバラツキに起因する表示ムラやラビングによるスジが目立つようになるという問題がある。
【0005】
ラビング以外の配向処理方法として、配向膜の表面に土手構造物を設ける方法や光配向法が提案されている。配向膜の表面に土手構造物を設ける方法では、一方の基板の配向膜に第1のストライプ状の土手を形成し、他方の基板の配向膜に第1のストライプ状の土手と平行で且つ第1のストライプ状の土手とはずらして第2のストライプ状の土手を形成する。第1のストライプ状の土手と第2のストライプ状の土手との間にある液晶分子がこれらのストライプ状の土手に垂直に配向する性質を利用して、全体の液晶分子の配向を制御する。しかし、土手構造物を設ける方法は垂直配向型液晶表示装置に適用され、TN型液晶表示装置には適用されない。
【0006】
また、光配向法では、紫外線をポリイミドやポリアミック酸を用いた配向膜に照射して、配向膜の表面に異方性を設けることにより液晶分子を配向させる。しかし、光配向法では配向規制力が弱く、大きなプレティルト角を実現することが難しい。光配向法では、プレティルト角は例えば1度程度である。
【0007】
また、液晶表示装置の配向制御技術としては、特開平5−173138号公報は配向分割を記載している。また、特開平9−146096号公報は、配向膜がストライプ状の垂直配向領域とストライプ状の水平配向領域とを交互に備え、配向膜を垂直配向領域及び水平配向領域に対して垂直な方向にラビングするようにした液晶表示装置を開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アクティブマトリクス構造が設けられた基板をラビングすることなく、応答速度の優れた液晶表示装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による液晶表示装置の製造方法は、一対基板と、前記一対の基板の間に配置された液晶層を備えた液晶表示装置の製造方法であって前記一対の基板の少なくとも一方に、アルキル構造を含む化合物を構成材料とする配向制御膜を形成する工程と前記配向制御膜の特定部分に紫外線を選択的に照射して前記配向制御膜のアルキル構造を切断することにより、液晶分子を基板面に対し略垂直に配向させる第1配向領域と、液晶分子を基板面に対し略平行に配向させる第2配向領域とを含む配向制御層を形成する工程と、を含む
ある実施形態は、前記一対の基板の間に、アルキル構造を含む化合物を添加した液晶材料を注入する工程と、前記一対の基板の少なくとも一方に、前記液晶材料に添加した化合物を吸着させて配向制御膜を形成する工程とを含む。
ある実施形態では、前記配向制御層に、前記第1配向領域及び前記第2配向領域が交互に複数形成される。
ある実施形態では、前記第1配向領域及び前記第2配向領域の各々の幅が10μm以下である。
ある実施形態では、前記配向制御膜を形成する工程において、前記一対の基板の両方に配向制御膜が形成され、前記配向制御層を形成する工程において、前記一対の基板の両方に配向制御層が形成される。
【0010】
本発明によれば、第1配向領域に位置する液晶の一部と第2配向領域に位置する液晶の一部と互いに影響し合って連続的に配向し、高いプレティルト角を有する、応答速度の高い液晶表示装置を得ることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は本発明の第1実施例の液晶表示装置の基本的な構成を示す略断面図である。液晶表示装置10は、一対の対向する透明なガラス基板12,14と、一対のガラス基板12,14の間に挿入された液晶層16とを備える。第1のガラス基板12は共通電極18及び配向膜(配向制御層)20を有する。第2のガラス基板14は画素電極22及び配向膜(配向制御層)24を有する。第2のガラス基板14はアクティブマトリクス構造を含むものである。
【0013】
図2は図1の液晶表示装置10の第2のガラス基板14の配向膜24についての作用を示す略断面図である。図3は図1の第2のガラス基板14の画素電極22の上の配向膜24の一部を示す略図である。図3において、配向膜24は、1表示画素領域において、液晶分子を基板面に対し略垂直に配向させる複数の長い第1の配向領域24Vと、液晶分子を基板面に対し略平行に配置させる複数の長い第2の配向領域24Hとを含む。第1の配向領域24Vと第2の配向領域24Hとは、まっすぐなストライプ状に形成され、互いに平行に且つ交互に配置されている。
【0014】
図4は液晶表示装置10が完成した状態での図3の矢印Aから見た液晶のプレチルト角を示す図である。図4において、第1の配向領域24Vの液晶分子のプレティルト角はθv で示され、第2の配向領域24Hの液晶分子のプレティルト角はθh で示されている。θv は基板面に対し略垂直であり、θh は基板面に対し略平行である。さらに、液晶層16のバルク部(配向膜20,24の間にあって配向膜20,24に接する液晶の部分を除く、液晶層16の主要部分)におけるティルト角がθb で示されている。本発明においては、液晶層16のバルク部における液晶が、θh <θb <θv を満足する関係でほぼ一様に配向する。
【0015】
図2において、配向膜20の第1の配向領域24Vに位置する液晶のうち、第1の配向領域24Vに接する液晶の部分16Vaは基板面に対してほぼ垂直に配向する。配向膜20の第1の配向領域24Vに位置する液晶のうち、第1の配向領域24Vから離れたバルク部に位置する液晶の部分16Vbは基板面に対して傾斜して配向する。一方、配向膜20の第2の配向領域24Hに位置する液晶のうち、第2の配向領域24Hに接する液晶の部分16Haは基板面に対してほぼ平行に配向する。この場合、液晶は各領域24V,24Hの長手方向と平行な方向に配向する。配向膜20の第2の配向領域24Hに位置する液晶のうち、第2の配向領域24Hから離れたバルク部に位置する液晶の部分16Hbは基板面に対して傾斜して配向する。
【0016】
本発明においては、第1の配向領域24Vにあってバルク部に位置する液晶の部分16Vbと、第2の配向領域24Hにあってバルク部に位置する液晶の部分16Hbとは、互いに影響し合い、液晶層16のバルク部での配向が平均化され、第1の配向領域24V及び第2の配向領域24Hに位置する液晶の部分16Vb,16Hbは連続的にほぼ一様に配向するようになる。
【0017】
この場合、第1の配向領域24V及び第2の配向領域24Hの一方又は両方が比較的に広い幅を有していると、その領域の中心部に位置する液晶の部分は隣の領域に位置する液晶の部分から受ける影響が小さくなり、液晶層16のバルク部での配向が平均化されず、液晶はその領域全体で垂直に又は水平に配向するようになる。従って、第1の配向領域24V及び第2の配向領域24Hの各々の幅は、バルク部に位置する液晶の部分が互いに影響し合うようにかなり狭い幅をもつことが必要である。第1の配向領域24V及び第2の配向領域24Hの各々の幅は、10μm以下であることが望ましい。より望ましくは、幅は5μm以下である。
【0018】
このようにして、本発明によれば、アクティブマトリクス構造が設けられた基板はラビングする必要がなく、高いプレティルト角を実現して、応答速度の優れた液晶表示装置を実現可能となる。製造プロセス上の歩留り、スループットも向上させることができる。さらに、狭いギャップとの組み合わせに適したフィールドシーケンシャル駆動用液晶表示装置を提供することが可能になる。
【0019】
上記構成において、第1の配向領域24Vと第2の配向領域24Hとは別の配向膜材料で形成されることができる。あるいは、第1の配向領域24Vと第2の配向領域24Hとは単一の配向膜材料で形成され、選択的に処理されることができる。この場合、配向膜24の構成材料として、直鎖アルキル構造を有する化合物を用い、第2の配向領域24Hは第1の配向領域24Vよりもアルキル構造を疎にすればよい。アルキル構造の疎な領域とアルキル構造の密な領域とを形成するためには、疎とする領域でアルキルを弾かせる、もしくはアルキルを後処理で減らすといった処理を行えばよい。具体的な方法としては、下記の手段を用いることができる。
【0020】
(a)構造物を第2の配向領域24Hに形成しておき、その後、第2の基板14の全面に垂直配向膜材料を塗布し、配向膜24を形成する。構造物は、垂直配向膜材料が構造物には付着しにくく、垂直配向材料を弾くものを選択する。垂直配向膜材料の塗布量が、構造物がない領域で多くなり、構造物がある領域で少なくなり、それによって、第1の配向領域24Vと第2の配向領域24Hとを規定する。好ましくは、構造物は、表面エネルギーが50mN/m以下であるようにし、垂直配向膜材料をはじくようにする。構造物は配向膜の一部を弾かせて、アルキルを疎にし、配向膜を異なった領域に区分するためのものであり、構造物の高さは問題ではない。構造物の高さは1μm以下でよい。また、構造物を設けたことにより配向膜の表面が凹凸形状になるが、配向膜材料が垂れることにより(図9参照)、配向膜が平坦化される。
【0021】
(b)配向膜24を形成後、紫外線を第2の配向領域24Hに照射し、アルキルを切断し、水平配向性をもたせる。
【0022】
(c)直鎖アルキルを有する化合物を添加した液晶を基板間に注入後、両基板に前記化合物を吸着させる。吸着された化合物の層が垂直配向作用をもつ配向制御層となり、配向膜塗布、形成プロセスをなくすことができる。この場合、安定性の面から、直鎖アルキルを有する化合物が光反応基を有することが望ましい。そして、直鎖アルキルを有する化合物を含む液晶を注入後、化合物を第1の配向領域24V及び第2の配向領域24Hの一方に選択的に(もしくは一方の領域により多く)吸着させればよい。この場合にも、構造物を設け、基板上に極性の異なる領域を設ける、又は選択的に紫外線を照射する等の方法を採用することができる。
【0023】
図5は本発明の第2実施例の液晶表示装置10を示す略断面図である。図2においては、液晶の配向を第2のガラス基板14の配向膜24との関係でのみ説明した。このことは、第1のガラス基板12の配向膜20は種々に構成されることができる可能性を示している。図5においては、液晶の配向を第1のガラス基板12の配向膜20及び第2のガラス基板14の配向膜24との関係で説明している。
【0024】
図5に示される液晶表示装置10は、図1に示される液晶表示装置10と基本的に同様の構成を有する。すなわち、液晶表示装置10は、一対の対向する透明なガラス基板12,14と、一対のガラス基板12,14の間に挿入された液晶層16とを備える。第1のガラス基板12は共通電極18及び配向膜(配向制御層)20を有する。第2のガラス基板14は画素電極22及び配向膜(配向制御層)24を有する。第2のガラス基板14はアクティブマトリクス構造を含むものである。
【0025】
図5においては、構造物32が画素電極22と配向膜24との間に配置される。構造物32は図3の第2の配向領域24Hと同様にストライプ状に延び、配向膜24は構造物32を覆っている。上記したように、構造物32は、垂直配向膜材料が構造物32には付着しにくく、垂直配向膜材料を弾くものを選択する。好ましくは、構造物32は、表面エネルギーが50mN/m以下のものにする。従って、配向膜24は、2つの構造物32の間の間隙部に位置する第1の配向領域24Vと、構造物32の上に位置する第2の配向領域24Hとを備える。第1の配向領域24Vと第2の配向領域24Hの作用は図1から図4のものの作用と同様である。
【0026】
図6は図5の実施例の第1及び第2のガラス基板12,14を示す略図である。図7は図6の部分Bを示す拡大図である。図6は、第1のガラス基板12と、第2のガラス基板14とを示している。第2のガラス基板14は画素電極22を有し、図7に示されるように、各画素電極22の上には第1の配向領域24Vと、第2の配向領域24Hとが形成される。つまり、複数の長い構造物32が1つの画素電極22の上に形成される。第1の配向領域24Vは液晶分子を基板面に対し略垂直に配向させるものであり、第2の配向領域24Hは液晶分子を基板面に対し略平行に配置させるものである。
【0027】
第1のガラス基板12の配向膜20は矢印Rの方向にラビングされている。ラビング方向Rは第2のガラス基板14の構造物32の長手方向(第1の配向領域24V及び第2の配向領域24Hの長手方向)に対してほぼ85度をなすようになっている。ただし、ラビング方向を構造物32に対して直交させることもできる。
【0028】
図8は第2のガラス基板14の変形例を示す平面図である。図8において、第2のガラス基板14は、画素電極22と、ゲートバスライン26と、データバスライン28と、TFT30とを含む。配向膜24は、第1の配向領域24Vと、第2の配向領域24Hとを含む。第1の配向領域24Vと第2の配向領域24Hとは、まっすぐなストライプ状に形成され、互いに平行に且つ交互に配置されている。第1の配向領域24Vと第2の配向領域24Hとは、ゲートバスライン26及びデータバスライン28に対してほぼ45度の角度で形成されている。画素電極22の幅は約50μmであり、第1の配向領域24V及び第2の配向領域24Hの各々の幅は約6〜7μmである。矢印Rは第1のガラス基板12の配向膜20のラビング方向である。第1の配向領域24Vと第2の配向領域24Hは、ラビング方向Rに対してほぼ直交する角度で形成されている。
【0029】
次に、図5の液晶表示装置10の製造方法及び作用について説明する。第2のガラス基板14のITOの画素電極22の上に幅5μmの構造物32をシプレイ社レジストS1808を用いて同じ間隙幅をもたせるように形成した。ここで、構造物32の高さは0.7μmとした。構造物32を含む第2のガラス基板14にJSR社製垂直配向膜材料JALS−2004を塗布し、配向膜24を形成した。
【0030】
第1のガラス基板12には、JSR社製水平配向膜材料AL−3046を塗布し、配向膜20を形成した。配向膜20に矢印Rで示す方向にラビング処理を行った。このときのラビング方向は対向基板14に形成した構造物32の長手方向と85度をなすようにした。2つのガラス基板12,14を張り合わせ、ポジ型液晶(誘電率異方性が正)を注入し、液晶セルを作製した。
【0031】
同様の構造をもち、構造物32の幅を変えた4種類の液晶セルのサンプルを作製した。構造物32の幅は、5μm,7.5μm,10μm,12.5μmであった。2つの構造物32間の間隙の幅は構造物32の幅と同じであった。
【0032】
これらの液晶セルの配向状態を観察した結果、幅5μm,7.5μmの構造物32を有する液晶表示装置10については、構造物32の形成領域(第2の配向領域24H)においてツイステッドネマチック(TN)モードの配向が得られた。一方、構造物32間の間隙(第1の配向領域24V)ではハイブリッド(HAN)モードの配向となっていた。
【0033】
幅10μm,12.5μmの構造物32を有する液晶表示装置10については、構造物32の形成領域(第2の配向領域24H)においては水平配向、構造物32間の間隙(第1の配向領域24V)においてはハイブリッド配向の交互の配向状態となった。
【0034】
幅5μmの構造物32を有する液晶表示装置10について、クリスタルローテーション法を利用したプレティルト測定装置を用いてプレティルト角を求めたところ、プレティルト角は約10度となった。一方、幅12.5μmの構造物を有する液晶表示装置10について、水平配向している領域のプレティルト角を求めたところ、プレティルト角は約2度となった。
【0035】
次に、図5の液晶表示装置10の変形例について説明する。図5の液晶表示装置10と同様の構成をもつ液晶表示装置10を作製した。ただし、この変形例においては、垂直配向膜材料は、JSR社製垂直配向膜材料JALS−2004と同じ分子構造をもつが、垂直配向成分が液晶を垂直に立たせられる限界まで減らしたものであった。こうして作製した液晶セルの配向状態を観察した結果、幅5μm,7.5μm,10μmの構造物32を有する液晶表示装置10については、構造物32の形成領域(第2の配向領域24H)にツイステッドネマチック(TN)モードの配向が得られた。一方、構造物32間の間隙(第1の配向領域24V)ではハイブリッド(HAN)モードの配向となっていた。
【0036】
幅12.5μmの構造物32を有する液晶表示装置10については、構造物32の形成領域(第2の配向領域24H)では水平配向、構造物32間の間隙(第1の配向領域24V)ではハイブリッド配向の交互の配向状態となった。
【0037】
次に、図5の液晶表示装置10の他の変形例について説明する。図5の液晶表示装置10と同様の構成をもつ液晶表示装置10を作製した。ただし、この変形例においては、構造物32を形成した後、第2のガラス基板14にプラズマアッシング処理を行って構造物32の表面張力を変化させ、それから垂直配向膜材料を塗布した。
【0038】
図9はアッシング前とアッシング後の構造物32を示す図である。図9(a)はアッシング前の構造物32を示し、図9(b)はアッシング後の構造物32を示す。アッシング後の構造物32の表面は粗くなり、表面張力はアッシング前の構造物32と比べて大きくなる。アッシング前の構造物32の表面張力は42mN/mであり、飽和時は65mN/mであった。得られた液晶セルの配向状態を観察した結果、表面張力が50mN/m以下である場合には、ツイステッドネマチック(TN)モードの配向が得られたが、表面張力が50mN/mを越える場合には、ハイブリッドの配向状態になった。
【0039】
図10は本発明の第3実施例の液晶表示装置の第2のガラス基板14を示す略断面図である。この実施例においては、構造物32を形成する代わりに、配向膜24に選択的に紫外線照射を行う。第2のガラス基板14の画素電極22の上にJSR社製垂直配向膜材料JALS−2004を塗布し、配向膜24を形成する。この配向膜24に、幅5μm,7.5μm,10μm,12.5μmのスリットパターンを形成したマスク34をのせて、紫外線照射を行った。紫外線が照射された領域では、アルキルが切断され、垂直配向性が弱くなる。第1のガラス基板12には、JSR社製水平配向膜材料AL−3046を塗布し、配向膜20を形成し、ラビング処理を行った。このときのラビング方向はマスク34のスリットパターンと85度をなすようにした。2つのガラス基板12,14を張り合わせ、ポジ型液晶を注入し、液晶セルを作製した。
【0040】
液晶セルの配向状態を観察した結果、図5の実施例と同様に、ツイステッドネマチック(TN)モードの配向が得られた。
【0041】
図11は本発明の第4実施例の液晶表示装置を示す略断面図である。この実施例においては、図5の実施例と同様に、構造物32が画素電極22と配向膜24との間に配置される。さらに、構造物36が第1のガラス基板12の画素電極18と配向膜20との間に配置される。構造物36は構造物32と同様のパターンで形成されるが、構造物32に対して直交または85度をなして配置される。この場合、第1のガラス基板12にはラビングは行われない。
【0042】
この液晶表示装置の製造においては、第1及び第2のガラス基板12,14の電極18,22上に、幅5μmの構造物32,36をシプレイ社レジストS1808を用いて同じ間隙幅をもたせるようにかつお互いのパターンの長手方向が直交して張り合わせられるように形成した。ここで、構造物32,36の高さは0.7μmとした。その後、構造物32,36を覆ってJSR社製垂直配向膜材料JALS−2004を塗布して、配向膜20,24を形成した。2つのガラス基板12,14を張り合わせ、カイラル入りのポジ型液晶を注入し、液晶セルを作製した。
【0043】
図12は図11の液晶表示装置10の作用を示す略断面図である。液晶セルの配向状態を観察した結果、構造物32,36の形成領域(第2の配向領域24H)にツイステッドネマチック(TN)モードの配向が得られた。一方、構造物32,36間の間隙(第1の配向領域24V)では垂直配向(VA)となった。
【0044】
図13は本発明の第5実施例の液晶表示装置を示す略断面図である。図13においては、図11の実施例と同様に、第1及び第2のガラス基板12,14上に、幅5μmの構造物32,36をシプレイ社レジストS1808を用いて、同じ間隙幅をもたせるようにかつお互いのパターンの長手方向が85度をなすように形成する。構造物32,36の高さは0.7μmとした。この実施例においては、配向膜20,24を塗布せずに、第1及び第2のガラス基板12,14を張り合わせる。その後、アルキルを有する化合物を添加した液晶を張り合わせたセルに注入し、紫外線の照射を行った。液晶に添加された化合物は下記の2つのアクリレートモノマーA,Bを15:1の比率で含む。
【0045】
【化1】
Figure 0003986387
【0046】
化合物の垂直配向成分が第1及び第2のガラス基板12,14に吸着され、配向制御層38,40となる。配向制御層38,40の構成要素として、直鎖アルキル構造を有する化合物を用い、液晶分子を略水平に配向させる第2の配向領域24Hは液晶分子を略垂直に配向させる第1の配向領域24Vよりも直鎖アルキル構造を疎にしてなる。
【0047】
上記したように、直鎖アルキルを有する化合物を添加した液晶を第1及び第2のガラス基板12,14間に注入後、前記化合物を第1及び第2のガラス基板12,14に吸着させる。吸着された化合物の層が垂直配向作用をもつ配向制御層38,40となる。このため、配向膜20,24を塗布し、形成するプロセスをなくすことができる。この場合、安定性の面から、直鎖アルキルを有する化合物が光反応基を有することが望ましい。そして、直鎖アルキルを有する化合物を含む液晶を注入後、化合物を第1の配向領域24V及び第2の配向領域24Hの一方に選択的に(もしくは一方の領域により多く)吸着させる。この場合にも、構造物32,36を設け、基板12,14上に極性の異なる領域を設ける、あるいは選択的に紫外線を照射して極性を変化させてもよい。構造物32,36は化合物の吸着を少なくして第2の配向領域24Hを規定する。光反応基を有する化合物を用いた場合には、注入後の紫外線照射後に基板の極性によって、第1の配向領域24Vと第2の配向領域24Hとを形成することができる。
【0048】
得られた液晶セルの配向状態を観察した結果、紫外線照射領域(第2の配向領域24H)にツイステッドネマチック(TN)モードの配向が得られた。一方、紫外線照射領域間の間隙(第1の配向領域24V)では垂直配向(VA)となった。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少なくともアクティブマトリクスを設けた基板にはラビングを行うことなしに、高いプレティルト角を得ることができる。これによって、応答速度の優れた液晶表示装置を実現可能となる。製造プロセス上の歩留り、スループットも向上させながら、高品質の液晶表示装置を提供することが可能になる。また、アルキルを有する化合物、特にアクリレート基を有する材料を用いて、配向膜を塗布、形成することなく(当然ラビングレスで)高いプレティルト角を得ることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の液晶表示装置を示す略断面図である。
【図2】図1の液晶表示装置の第2のガラス基板の配向膜についての作用を示す略断面図である。
【図3】図1の第2のガラス基板の画素電極上の配向膜を示す平面図である。
【図4】液晶表示装置が完成した状態での図3の矢印Aから見た液晶のプレチルト角を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例の液晶表示装置を示す略断面図である。
【図6】図5の実施例の第1及び第2のガラス基板を示す略図である。
【図7】図6の部分Bを示す拡大図である。
【図8】第2のガラス基板の変形例を示す平面図である。
【図9】アッシング前とアッシング後の構造物を示す図である。
【図10】本発明の第3実施例の液晶表示装置の第2のガラス基板を示す略断面図である。
【図11】本発明の第4実施例の液晶表示装置を示す略断面図である。
【図12】図11の液晶表示装置の作用を示す略断面図である。
【図13】本発明の第5実施例の液晶表示装置を示す略断面図である。
【符号の説明】
10…液晶表示装置
12…ガラス基板
14…ガラス基板
16…液晶層
20…配向膜
24…配向膜
24V…第1の配向領域
24H…第2の配向領域
32…構造物
34…マスク
36…構造物
38…配向制御層
40…配向制御層

Claims (5)

  1. 一対基板と、前記一対の基板の間に配置された液晶層を備えた液晶表示装置の製造方法であって
    前記一対の基板の少なくとも一方に、アルキル構造を含む化合物を構成材料とする配向制御膜を形成する工程と
    前記配向制御膜の特定部分に紫外線を選択的に照射して前記配向制御膜のアルキル構造を切断することにより、液晶分子を基板面に対し略垂直に配向させる第1配向領域と、液晶分子を基板面に対し略平行に配向させる第2配向領域とを含む配向制御層を形成する工程と、を含む液晶表示装置の製造方法
  2. 前記一対の基板の間に、アルキル構造を含む化合物を添加した液晶材料を注入する工程と、
    前記一対の基板の少なくとも一方に、前記液晶材料に添加した化合物を吸着させて配向制御膜を形成する工程と、を含む請求項1に記載の製造方法
  3. 前記配向制御層に、前記第1配向領域及び前記第2配向領域が交互に複数形成される、請求項1又は2に記載の製造方法
  4. 前記第1配向領域及び前記第2配向領域の各々の幅が10μm以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法
  5. 前記配向制御膜を形成する工程において、前記一対の基板の両方に配向制御膜が形成され、
    前記配向制御層を形成する工程において、前記一対の基板の両方に配向制御層が形成される、請求項1から4のいずれか1項に記載の製造方法
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