JP3985977B2 - 化合物半導体の気相成長方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物半導体薄膜の結晶成長方法に関わり、特にIII−V族化合物半導体薄膜の有機金属気相成長法(MOCVD)に関する。
【0002】
また、有機金属気相成長法で形成された化合物半導体膜からなる発光素子に関するものである。
【0003】
【従来の技術】
光デバイス又は高周波電子デバイス用として供されるIII−V族化合物半導体の結晶成長方法としては、液相成長法(LPE)、有機金属気相成長法(MOCVD)、分子線エピタキシャル法(MBE)があるが、その中でもMO−CVD法は量産性や超薄膜層の制御性及びその再現性に優れることから、将来的にも最も技術の向上が期待されている。現状のMOCVD法ではIII族原料に液体又は固体の有機金属化合物を用い、V族原料に気体の水素化合物又は液体の有機金属化合物を用いられている。これらの原料はキャリアガスによって反応室に導入され、さらに配管中又は反応室内で混合され、加熱された基板上に供給される。原料ガスは基板上で熱分解し、その結果、基板上に化合物半導体薄膜が結晶成長する。一般に、原料を基板上に輸送するためのキャリアガスとしては不活性であり、且つ高純度なものが要求されており、パラジウム膜透過の精製水素が広く用いられ、実際に光デバイス及び高周波電子デバイスの生産が行われている。以下に従来のMOCVD法をAlGaAs結晶薄膜の成長を例にとって詳細に説明をする。
【0004】
図4は従来のMOCVD法によってAlGaAs結晶を成長する場合のガス供給概念図を示す。III族原料としてトリメチルガリウム(TMG)並びにトリメチルアルミニウム(TMA)、V族原料としてアルシン(AsH3)、p型、n型のドーピング原料としてジエチル亜鉛(DEZn)、セレン化水素(H2Se)をそれぞれ用いる。III族原料のTMG、TMAとp型ドーピング原料のDEZnはいずれも常温で液体の有機金属であり、マスフローコントローラ(MFC)で流量調整された水素によってバブリングされ、さらにMFCによって流量調整された水素で希釈されて反応室に導入される。一方V族原料のAsH3とn型ドーピング原料のH2Seは常温で気体の水素化合物であり、MFCによって単独で流量調整され、さらにMFCによって流量調整された水素で希釈されて反応室に導入される。これらの原料ガスはそれぞれ単独の供給ラインで反応室に導入された後、反応室で混合されて基板上に供給される。この方法では、TMAとTMGのバブリング流量比を変化させることによって、所定の混晶比組成のAlGaAs結晶薄膜を再現性良く作製できる。また、pn制御もドーピングガスの流量制御によって容易に行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように作製された化合物半導体結晶薄膜中には少なからず不純物が混入し、結晶品質を低下させる場合がある。とりわけ、酸素の混入は発光デバイスにおいて著しく特性を劣化させる要因となる。酸素混入の起源としては、原料として用いる有機金属や水素化物中に水分や会合水分子或いはメトキシ基のような酸素を含んだ化合物として存在することが知られている。このような酸素を含んだ化合物はキャリアガスで原料とともに反応室に輸送され、酸素が成長結晶中に取り込まれてしまうという問題があった。また、このような原料中に含まれる酸素化合物が供給配管の管壁に吸着し、メモリー効果によって数ランの成長をかさねても結晶品質が回復しないという問題もある。特に反応室の洗浄等のメンテナンス時には反応室自体と配管の一部が大気に晒されるため、それらの表面に酸素化合物が吸着し、デバイス作製のための結晶品質を確保するためのベーキングと空成長に相当の時間を要する。
【0006】
本発明は上記の問題を解決することを目的とするものである。つまり、有機金属気相成長方法において、成長結晶中の不純物の低減やアンドープ結晶のキャリア濃度の低減を図って結晶品質を向上することができる結晶成長の方法を提供するものである。特にこの結晶成長方法で得た化合物半導体膜で構成して、特性の向上を図った半導体レーザ、LED等の発光素子を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の化合物半導体の気相成長方法は、反応室と、該反応室にIII族原料を導入するための単独の供給ラインであるIII族供給ラインと、該反応室にV族原料を供給するための単独の供給ラインであるV族供給ラインとを備えた気相成長装置によって、前記III族原料としてトリメチルガリウムを用い、前記V族原料としてアンモニア(NH)を用い、これらの各原料をキャリアガスによってそれぞれ前記III族供給ラインおよびV族供給ラインを介して前記反応室に導入してGaN系III−V族化合物半導体を結晶成長させる方法において、前記III族供給ラインおよびV族供給ラインにおける少なくとも一方のキャリアガスとして、水素とモノシラン(SiH)の混合ガス窒素とモノシラン(SiH)の混合ガスのいずれか一方又は両方を用いることを特徴とする
【0008】
前記キャリアガスの全体中のモノシランガスの濃度が、1〜1000ppbであってもよい。
【0015】
以下、本発明の作用を記載する。
【0016】
本発明によれば、III族原料として有機金属化合物を用い、V族原料として水素化合物又は有機金属化合物を用い、これらをキャリアガスによって反応室に導入して化合物半導体薄膜を結晶成長させる方法において、キャリアガスに水素とモノシラン(SiH)の混合ガス又は窒素とモノシラン(SiH)の混合ガスのいずれか或いは両方を用いるため、原料として用いる有機金属や水素化物中の水分や会合水分子或いはメトキシ基のような酸素を含んだ化合物は充填容器中でモノシラン(SiH)と反応し、SiO或いはSiHとなって装置外に排出又は非常に蒸気圧低い物質に変換されるため、反応室に輸送される有機金属や水素化物ガス中の酸素濃度が減少する。また、供給配管及び反応室の管壁に吸着した酸素化合物も、モノシラン(SiH)と反応し、SiOx或いはSiHとなって成長膜中に取り込まれにくくなり、装置外に排出されるため、供給配管の管壁、反応室の管壁及び反応室内の雰囲気が清浄化される。
【0017】
このように、酸素及び酸素化合物は結晶膜内に取り込まれないため、不純物及び結晶欠陥の低減が出来、その電気的、光学的特性が向上する。とりわけ、n型ドーピングにおいてはドーピング効率の向上が図られる等有効な手段となる。また、デバイス作製のための結晶品質を確保するためのベーキングと空成長が不要となり、生産効率が飛躍的に向上する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0019】
実施例1(キャリアガスに水素とモノシランを用いたAl0.5Ga0.5As成長)
n型GaAs基板上にAl0.5Ga0.5As薄膜を成長するのにトリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、H2で10%に希釈したアルシン(AsH3)を原料として用い、V族原料であるAsH3とIII族原料であるTMGa、TMAlのキャリアガスに水素(H2)とモノシラン(SiH4)の混合ガスを使用した。
【0020】
用いた気相成長装置は図1に示した有機金属気相成長装置で、炉内圧力は76Torr、基板温度750℃に安定した後、全キャリアガス中のモノシラン(SiH4)濃度を30ppbとして、n型GaAs基板上にTMGa、TMAl、AsH3を供給し、Al0.5Ga0.5As薄膜を成長させた。成長時間は90minで2μmの厚さを有するAl0.5Ga0.5As薄膜が得られた。
【0021】
得られた成長層の結晶性を2結晶X線回折ロッキングカーブの半値幅で評価した。また、比較例としてキャリアガスを水素に変えて得られたAl0.5Ga0.5As薄膜も同時に2結晶X線回折ロッキングカーブの半値幅で評価した。
【0022】
得られた結果は、キャリアガスに水素のみを用いて得られたAl0.5Ga0.5As薄膜の2結晶X線回折ロッキングカーブの半値幅は15秒、キャリアガスに水素とモノシランの混合ガスを用いて得られたAl0.5Ga0.5As薄膜の2結晶X線回折ロッキングカーブの半値幅は12秒となり、キャリアガスに水素とモノシランの混合ガスを用いた方が、得られる成長膜の結晶性が向上している事がわかる。また、成長後の表面欠陥密度も、キャリアガスに水素のみを用いて得られたAl0.5Ga0.5As薄膜に比べて、水素とモノシランの混合ガスを用いて得られたAl0.5Ga0.5As薄膜の方が、欠陥密度を半減することが出来た。
【0023】
本実施例では、すべての原料のキャリアガスとして水素とモノシランの混合ガスを用いているが、III族原料のキャリアガスのみに水素とモノシランの混合ガスを用いても良いし、V族原料のキャリアガスのみに水素とモノシランの混合ガスを用いても良い。さらに、窒素とモノシランの混合ガスをキャリアガスとして用いた場合も同様の効果がある。
【0024】
また、本実施例では、V族原料として水素化合物であるAsH3を用いているが、有機金属化合物であるターシャリーブチルアルシン(TBAs)を用いても、同様の効果が得られる。
【0025】
実施例2(キャリアガスに水素とモノシランを用いたp型及びn型Al0.5Ga0.5As成長)
n型GaAs基板上にn型GaAs薄膜を成長し、その上にp型及びn型Al0.5Ga0.5As薄膜を成長するのにトリメチルガリウム(TMGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、H2で10%に希釈したアルシン(AsH3)、p型不純物原料としてジエチルジンク(DEZn)を原料に用い、キャリアガスは水素(H2)とモノシラン(SiH4)の混合ガス及び水素を使用した。
【0026】
用いた気相成長装置は図1に示した有機金属気相成長装置で、炉内圧力は76Torr、基板温度750℃に安定した後、全キャリアガス中のモノシラン(SiH4)濃度を200ppbとして、n型GaAs基板上にTMGa、AsH3を供給し、0.5μmの厚さを有するn型GaAs薄膜を成長させた。
【0027】
その後、全キャリアガス中のモノシラン(SiH4)濃度を10ppbとして、n型GaAs薄膜上にTMGa、TMAl、AsH3、DEZnを供給し、2μmの厚さを有するp型Al0.5Ga0.5As薄膜を成長させた。また、この時、TMGa、TMAl、DEZnのキャリアガスに水素を使用し、AsH3のキャリアガスに水素(H2)とモノシラン(SiH4)の混合ガスを使用した。
【0028】
さらに、全キャリアガス中のモノシラン(SiH4)濃度を200ppbとして、p型Al0.5Ga0.5As薄膜上にTMGa、TMAl、AsH3を供給し、2μmの厚さを有するn型Al0.5Ga0.5As薄膜を成長させた。
【0029】
まず、得られたp型Al0.5Ga0.5As薄膜のキャリア濃度をC−V測定で評価した。また、比較例としてp型Al0.5Ga0.5As薄膜成長時のキャリアガスを水素だけにして得られたp型Al0.5Ga0.5As薄膜も同時にC−Vで評価した。
【0030】
得られた結果は、キャリアガスに水素のみを用いて得られたp型Al0.5Ga0.5As薄膜のキャリア濃度は5×1017cm-3、キャリアガスに水素とモノシランの混合ガスと水素を用いて得られたp型Al0.5Ga0.5As薄膜のキャリア濃度は8×1016cm-3となり、キャリアガスに水素とモノシランの混合ガスを用いることにより、2×1017cm-3以下の低キャリア濃度を得られることがわかる。
【0031】
次に、n型Al0.5Ga0.5As薄膜層を2結晶X線回折ロッキングカーブの半値幅で評価した。実施例1で述べたように2結晶X線回折ロッキングカーブの半値幅はキャリアガスに水素とモノシランの混合ガスを用いた方が狭くなり、得られる成長膜の結晶性が向上している事がわかった。
【0032】
実施例3(キャリアガスに水素とモノシランを用いた半導体レーザ)
図2は実施例3の半導体レーザ素子の断面図である。n型GaAs基板1上にn型GaAsバッファ層2、n型AlGaAsクラッド層3、AlGaAs活性層4、p型AlGaAs第一クラッド層5、p型GaAsエッチングストップ層6、p型AlGaAs第二クラッド層7、p型GaAs保護層8が順次積層される。p型GaAsエッチングストップ層6の上部よりストライプ状のメサ構造をなす。メサストライプの両側は、n型AlGaAs電流ブロック層9、n型GaAs電流ブロック層10、p型GaAs平坦化層11で埋め込まれる。p型GaAs保護層8とp型GaAs平坦化層11の上には、p型GaAsコンタクト層12が形成されている。p型GaAsコンタクト層12の上にはp側金属電極13、n型GaAs基板上1にはn側金属電極14が蒸着されている。
【0033】
上記半導体レーザ素子の1〜14の各層は、Ga原料としてトリメチルガリウム(TMGa)、Al原料としてトリメチルアルミニウム(TMAl)、As原料としてアルシン(AsH3)、n型不純物であるSi原料としてジシラン(Si26)、p型不純物であるZn原料としてジエチルジンク(DEZn)を用い、キャリアガスは水素(H2)とモノシラン(SiH4)の混合ガス及び水素を使用した。
【0034】
用いた気相成長装置は図1に示した有機金属気相成長装置で、炉内圧力は76Torr、基板温度700℃、III族元素を含む原料化合物の供給量(TMGa供給量または、TMGa供給量とTMAl供給量の和)とV族元素を含む原料化合物の供給量(AsH3)の比を60とし、結晶成長を行った。
【0035】
n型GaAs層(2、11)を成長する場合、TMGa、AsH3、Si26を基板上に供給し、n型AlGaAs(3、10)を成長する場合、TMGa、TMAl、AsH3、Si26を基板上に供給し、AlGaAs活性層4を成長する場合、TMGa、TMAl、AsH3を基板上に供給し、p型GaAs層(6、8、12、13)を成長する場合、TMGa、AsH3、DEZnを基板上に供給し、p型AlGaAs層(5、7)を成長する場合、TMGa、TMAl、AsH3、DEZnを基板上に供給する。
【0036】
n型結晶膜を形成するときのキャリアガスは、全ての原料に対して水素とモノシランの混合ガスを使用し、p型結晶膜を形成するときのキャリアガスは、AsH3に対して水素とモノシランの混合ガスを使用し、TMGa、TMAl、DEZnに対して水素を使用した。この時の全キャリアガス中のモノシラン(SiH4)濃度は10ppbである。
【0037】
以上の方法によって得られた本発明の半導体レーザ素子の電流ブロック部の不純物分析を2次イオン質量分析(SIMS)装置で測定し、得られた結果を図3に示す。又、比較のため、キャリアガスを全ての原料に対して水素を使用して得られた半導体レーザ素子の電流ブロック部の不純物分析を2次イオン質量分析(SIMS)装置で測定し、得られた結果を図5に示す。図3、5において横軸は成長膜深さを表し、縦軸はシリコン(Si)及び酸素(O)の不純物濃度を表す。
【0038】
キャリアガスを水素から水素とモノシランの混合ガスにすることにより、AlGaAs層内の酸素原子濃度が6×1016cm-3からSIMSの検出限界以下である2×1016cm-3に低減され、また、基板との界面及び再成長界面の酸素のスパイクが低くなっている。このことから、キャリアガスに水素とモノシランの混合ガスを用いることにより、飛躍的に不純物の低減と結晶性の向上が可能となることが解る。
【0039】
本発明の半導体レーザ素子は再現性も良く、60℃、35mW出力の信頼性試験においても5000時間安定に走行している。また、従来方法による半導体レーザ素子と比較すると、歩留まりが飛躍的に向上した。
【0040】
本実施例ではn型添加不純物としてSiを用いたが、Seであっても同様の効果が得られる。また、本実施例ではp型添加不純物としてZnを用いたが、Mg及びBeであっても同様の効果が得られる。
【0041】
実施例4(キャリアガスに窒素とモノシラン(SiH4)の混合ガス又は窒素と水素とモノシラン(SiH4)の混合ガスを用いたGaN成長法)
サファイア(0001)1inch基板上にGaN薄膜を成長するのにトリメチルガリウム(TMGa)、アンモニア(NH3)を原料として用い、V族原料であるNH3と、III族原料であるTMGaのキャリアガスに窒素(N2)とモノシラン(SiH4)の混合ガスを使用した。用いた気相成長装置は有機金属気相成長装置で、炉内圧力は740Torr、基板温度を水素フロー中で1200℃に上昇させ、その後550℃に下降させ、550℃に安定した後、全キャリアガス中のモノシラン(SiH4)濃度を30ppbとして、サファイヤ基板上にTMGa、NH3を供給し、GaNバッファ層を30nm成長させる。バッファ層成長後、原料の供給を止め、NH3及び窒素フロー中で、基板温度を1100℃に上昇させ、TMGa、NH3を供給し、GaNを4μm成長させた。成長時のTMG供給量は4×10-6mol/min、アンモニアの供給量は2×10-2mol/minであり、リアクタ内のガスの流速の平均は2.3m/secである。
【0042】
得られた成長層の結晶性を2結晶X線回折ロッキングカーブの半値幅で評価した。また、比較例としてキャリアガスを窒素のみで得られたGaN薄膜も同時に2結晶X線回折ロッキングカーブの半値幅で評価した。得られた結果は、キャリアガスに窒素のみを用いて得られたGaN薄膜の2結晶X線回折ロッキングカーブの半値幅は5分、キャリアガスに窒素とモノシランの混合ガスを用いて得られたGaN薄膜の2結晶X線回折ロッキングカーブの半値幅は3.8分となり、キャリアガスに窒素とモノシランの混合ガスを用いた方が、得られる成長膜の結晶性が向上している事がわかる。得られた薄膜の表面モホロジーについてもキャリアガスに窒素とシランの混合ガスを持ちいた場合、1inch全面が良好なモホロジーで有るのに対し、キャリアガスが窒素のみでは成長膜(1inch基板)の中心から8mmより外側では6角形の表面構造が現れた。
【0043】
本実施例では、すべての原料のキャリアガスとして窒素とモノシランの混合ガスを用いているが、III族原料のキャリアガスのみに窒素とモノシランの混合ガスを用いても良いし、V族原料のキャリアガスのみに窒素とモノシランの混合ガスを用いても良い。さらに、水素をキャリアガスとして用いた場合も同様の効果があり、III族原料のキャリアガスのみに窒素とモノシランの混合ガスを用い、V族原料のキャリアガスのみに水素とモノシランの混合ガスという組み合わせでも従来にない高い品質の結晶薄膜が得られる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように、III族原料として有機金属化合物を用い、V族原料として水素化合物又は有機金属化合物を用い、これらをキャリアガスによって反応室に導入して化合物半導体薄膜を結晶成長させる方法において、キャリアガスに水素とモノシラン(SiH)の混合ガス又は窒素とモノシラン(SiH)の混合ガスのいずれかを用いるため、本発明によれば、従来の化合物半導体の気相成長方法とは異なって、前記原料中の酸素を含んだ化合物及び供給配管及び反応室の管壁に吸着した酸素関連の物質はまずモノシラン(SiH)と反応し、SiO或いはSiHとなって装置外に排出又は非常に蒸気圧低い物質に変換されるため、反応室に輸送される有機金属や水素化物ガス中の酸素濃度が減少する。
【0045】
また、供給配管及び反応室の管壁に吸着した酸素化合物も、モノシラン(SiH)と反応し、SiO或いはSiHとなって成長膜中に取り込まれにくくなり、装置外に排出されるため、酸素及び酸素化合物は結晶膜内に取り込まれず、不純物及び結晶欠陥の低減が出来、結晶基板上に良好な結晶性を有する化合物半導体を形成することができ、半導体レーザ、LED等の発光素子の特性向上に寄与するところが大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1〜3の実施例に関わる有機金属気相成長装置を示す概略図である。
【図2】本発明の第3の実施例に関わる半導体レーザ素子の断面を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施例に関わるSIMS測定結果を示す図である。
【図4】従来例を示す図である。
【図5】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 n型GaAs基板
2 n型GaAsバッファ層
3 n型AlGaAsクラッド層
4 AlGaAs活性層
5 p型AlGaAs第一クラッド層
6 p型GaAsエッチングストップ層
7 p型AlGaAs第二クラッド層
8 p型GaAs保護層
9 n型AlGaAs電流ブロック層
10 n型GaAs電流ブロック層
11 p型GaAs平坦化層
12 p型GaAsコンタクト層
13 p側金属電極
14 n側金属電極

Claims (2)

  1. 反応室と、該反応室にIII族原料を導入するための単独の供給ラインであるIII族供給ラインと、該反応室にV族原料を供給するための単独の供給ラインであるV族供給ラインとを備えた気相成長装置によって、前記III族原料としてトリメチルガリウムを用い、前記V族原料としてアンモニア(NH)を用い、これらの各原料をキャリアガスによってそれぞれ前記III族供給ラインおよびV族供給ラインを介して前記反応室に導入してGaN系III−V族化合物半導体を結晶成長させる方法において、
    前記III族供給ラインおよびV族供給ラインにおける少なくとも一方のキャリアガスとして、水素とモノシラン(SiH)の混合ガス窒素とモノシラン(SiH)の混合ガスのいずれか一方又は両方を用いることを特徴とする化合物半導体の気相成長方法。
  2. 前記キャリアガスの全体中のモノシランガスの濃度が、1〜1000ppbであることを特徴とする請求項1に記載の化合物半導体の気相成長方法。
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