JP3985812B2 - 感温型回路遮断膜装置とこれを用いた通電回路装置 - Google Patents

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本発明は、所定温度において作動して回路を遮断する感温型回路遮断膜装置とこれを用いた通電回路装置に関するものである。
電流ヒューズ等の感温型回路遮断部品では、一般に、過電流が流れた場合に電気抵抗により導電材料が自己発熱し、溶融することにより回路が遮断される。そして、このような溶融性の導電材料としては、90℃程度で溶融する低融点金属が使用されている。(例えば、特許文献1)
しかし、より低い温度で回路遮断効果を発揮するためには、鉛を多く用いる必要があり、環境負荷の面から鉛フリー材料への変更が望まれていた。また、火傷防止等の安全面を考慮すれば、より低い温度で作動することも望まれていた。
殊に、現状において実用的に使用されている各社の電子機器や電子部品にあっては、室温(約30℃以下)では安定に導通しても、35℃以上の温度では誤作動してしまう非常に熱に敏感なものも少くない。このため、35℃以上から60℃程度までのより低い温度においても応答性を有し、回路遮断の信頼性の高い感温型回路遮断膜装置の実現が望まれていた。 そしてまた、従来の感温型回路遮断部品では、その構造上、小型化が困難であるという問題があったことから、小型化を可能とする装置構成の実現も望まれていた。
特開2000−138022号公報
本願発明は、以上のとおりの背景から、従来技術の問題点を解消し、35℃以上60℃程度までのより低い温度での応答性を有し、小型化が可能な、新しい感温型回路遮断膜装置とこれを用いた通電回路装置を提供することを課題としている。
本願発明は、上記の課題を解決するものとして、以下のことを特徴としている。
第1:基板と、基板上に設けられた少くとも1対の電極と、該電極間に配設された樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに一体化されて電極間を連通するように配設された導電性パラフィン膜とを有する感温型回路遮断膜装置であって、樹脂フィルムは、導電性パラフィン膜をその上下部において挾み込んでおり、該樹脂フィルムは熱応答変形性を有し、導電性パラフィン膜は、該樹脂フィルムの変形温度よりも低い融点を有し、樹脂フィルムの熱応答変形により寸断されるものである感温型回路遮断膜装置。
第2:基板と、基板上に設けられた少くとも1対の電極と、該電極間に配設された樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに一体化されて電極間を連通するように配設された導電性パラフィン膜とを有する感温型回路遮断膜装置であって、樹脂フィルムは、導電性パラフィン膜の上部または下部において、一方の電極側端部が基板もしくは電極に固定されており、該樹脂フィルムは熱応答変形性を有し、導電性パラフィン膜は、該樹脂フィルムの変形温度よりも低い融点を有し、樹脂フィルムの熱応答変形により寸断されるものである感温型回路遮断膜装置。
第3:基板と、基板上に設けられた少くとも1対の電極と、該電極間に配設された樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに一体化されて電極間を連通するように配設された導電性パラフィン膜とを有する感温型回路遮断膜装置であって、樹脂フィルムは、導電性パラフィン膜をその上下部において挾み込んでいるとともに、上下部の樹脂フィルムの一方の電極側端部のいずれもが基板もしくは電極に固定されており、該樹脂フィルムは熱応答変形性を有し、導電性パラフィン膜は、該樹脂フィルムの変形温度よりも低い融点を有し、樹脂フィルムの熱応答変形により寸断されるものである感温型回路遮断膜装置。
第4:樹脂フィルムは、熱収縮フィルムである上記第1から第3のいずれかの感温型回路遮断膜装置。
第5:樹脂フィルムは、片面または両面があらかじめ粗化処理されたものである上記第1から第4のいずれかの感温型回路遮断膜装置。
第6:導電性パラフィン膜は、導電性フィラーとして銀を含有するものである上記第1から第5のいずれかの感温型回路遮断膜装置。
第7:上記第1から第6のいずれかの感温型回路遮断膜装置を構成の少くとも一部としている通電回路装置。
本願の上記第1の発明の感温型回路遮断膜装置によれば、導電性パラフィン膜と熱応答変形性の樹脂フィルムを用いて、導電性パラフィン膜をその上下部において樹脂フィルムが挾み込む構造としていることから、通常では、電極間が導電性パラフィン膜により連通されて通電可能とされているが、35℃以上60℃程度という従来に比べてより低い温度であっても、所定温度まで加熱されると熱応答変形性の樹脂フィルムが変形するようにしているので、上下部の樹脂フィルムの大きな変形応力によって、溶融している、または溶融をはじめている導電性パラフィン膜が寸断され、電極間の通電が遮断されることになる。このため、電流量に関わらずに温度上昇を感知して、従来に比べてより低い温度であっても、回路遮断効果が発揮される。
また、基板、電極、樹脂フィルム、そして導電性パラフィン膜の厚さを各々1mm以下にまで調整できることから小型化が可能とされる。
また、本願の上記第2の発明の感温型回路遮断膜装置によれば、導電性パラフィン膜が一体化配設されている熱応答変形性の樹脂フィルムを、導電性パラフィン膜の上部または下部において、一方の電極側端部を基板もしくは電極に固定していることから、樹脂フィルムの熱応答変形の応力を確実に導電性パラフィン膜に作用させてこれを寸断することができ、上記第1の発明と同等の回路遮断効果が発揮されることになる。また同様に小型化も可能とされる。
本願の上記第3の発明の感温型回路遮断膜装置によれば、熱応答変形性の樹脂フィルムが導電性パラフィン膜をその上下部において挾み込んでいるとともに、上下部の樹脂フィルムの一方の電極側端部のいずれも基板もしくは電極に固定していることから、熱応答変形の応力を第1および第2の発明以上に確実に導電性パラフィン膜に作用させてこれを寸断することができ、第1および第2の発明と同等以上の回路遮断効果が発揮されることになる。また、同様に小型化も可能とされる。
さらに上記第4の発明によれば、熱応答変形性樹脂フィルムとして特定温度で収縮する熱収縮フィルムを用いる。したがって、特定温度に達した場合には、樹脂フィルムが収縮し、電極間に形成された導電性パラフィン膜または電極−導電体間を連通させる導電性パラフィン部位が寸断され、通電が遮断される。
第5の発明によれば、熱応答変形性フィルムはあらかじめその片面もしくは両面が粗面化処理されていることから、導電性パラフィン膜とのすべり抵抗を大きくして、樹脂フィルムの変形をより確実に効率的に導電性パラフィン膜に作用させることができる。
第6の発明によれば、導電性パラフィンにおける導電性フィラーを銀とすることにより、高い導電性が得られるとともに、環境に配慮した鉛フリーの感温型回路遮断膜が得られる。
そして、上記第7の発明の通電回路では、前記の感温型回路遮断膜装置が用いられることから、電流量が小さい場合でも、温度が所定の温度以上に上昇した場合には、感度高く、確実に通電回路が遮断される。したがって、火傷、装置の故障、火災等が防止される。
本願発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に、図面によって例示しつつ、本願発明の実施の形態について説明する。
図1は、本願第1発明の感温型回路遮断膜装置の一実施形態をその動作状態とともに例示した概要平面図と正面図であって、感温型回路遮断膜装置は、基板(1)と、基板(1)上に設けられた少なくとも1対の電極(2a,2b)の間に配設された上下の樹脂フィルム(3a,3b)と、この上下の樹脂フィルム(3a,3b)に挾み込まれて、電極(2a,2b)間を連通させるように一体化形成された導電性パラフィン膜(4)を備えている。このような感温型回路遮断膜において、樹脂フィルム(3a,3b)は、所定の温度で変形する熱応答性樹脂フィルムであり、導電性パラフィン膜(4)は、前記の樹脂フィルム(3)の変形温度よりも低い融点を有するものである。
この出願の発明の感温型回路遮断膜は、電極(2a、2b)間にリード線(5)等を配線することにより通電回路に組み込まれる。そして、電極(2a、2b)間を連通する導電性パラフィン膜(4)を介して通電される(図1A)。
しかし、温度上昇して所定温度、すなわち樹脂フィルム(3a,3b)の変形温度を超えると、樹脂フィルム(3)の変形が始まる。このとき、導電性パラフィン膜(4)は、樹脂フィルム(3a,3b)の変形温度より低い融点を有することから、軟化している。そのため、樹脂フィルム(3a,3b)の変形応力により、電極(2a,2b)間を連通させていた導電性パラフィン膜(4)は寸断され、回路が遮断される(図1B)。
以上の構成において、基板(1)としてはどのようなものであってもよく、その材質、形状、大きさ等はとくに限定されない。好ましくは、ガラス製、樹脂製、セラミックス製等の絶縁性のものが例示される。また、フレキシブルテープ状の形態でも使用可能である。
また、基板(1)上に配設される電極(2a,2b)は、高い導電性を示す材質のものであればよく、とくに限定されないが、例えば金、銅、白金、銀、アルミニウムの単独、合金、これらの組み合わせが適用できる。このような電極(2a,2b)は、湿式塗布、真空蒸着、リソグラフィー、融着、メッキ、金属箔張り、リードフレーム配線等の方法により基板(1)上に形成できる。
一方、この出願の発明の感温型回路遮断膜装置において、樹脂フィルム(3a,3b)は、回路遮断を起こしたい所定の温度で変形するものを適宜選択すればよく、その材質等はとくに限定されない。このような樹脂フィルム(3a,3b)としては、熱収縮フィルムや形状記憶樹脂フィルムが例示される。具体的には、1軸延伸または2軸延伸されたポリスチレン系、ポリエチレン系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリオレフィン系等の熱収縮フィルムやポリウレタン系等の形状記憶樹脂フィルムが挙げられる。例えば、ポリエチレン系の熱収縮フィルムでは、35℃〜50℃で30〜70%程度の収縮がまた、ポリスチレン系の熱収縮フィルムでは、通常、60〜70℃で30〜60%の収縮が見られるものがある。したがって、このような熱収縮フィルムを樹脂フィルム(3a,3b)として採用すれば、従来の回路遮断装置の温度(たとえば70℃以上から90℃前後)に比べてはるかに低い温度、35℃以上から60℃程度までの温度でも、樹脂フィルム(3a,3b)の収縮が起こり、前記の導電性パラフィン膜(4)を上下部において挾持一体化している熱応答変形性の樹脂フィルム(3a,3b)の変形応力の作用機構により感度高く回路が遮断される。
なお、樹脂フィルム(3a,3b)の幅は、導電性パラフィン膜(4)の幅と同じであってもよいし、図1の例のように、導電性パラフィン膜(4)の幅よりも大きくてもよい。樹脂フィルム(3a,3b)の幅が、導電性パラフィン膜(4)のそれよりも大きい場合には、はみ出している分の樹脂フィルムがフリーに変形し易いため、回路の遮断が起こりやすくなる。
樹脂フィルム(3a,3b)は、電極(2a,2b)の間に配設され、その所定温度における変形により、導電性パラフィン膜(4)を寸断できるものであればよく、電極(2a、2b)に接してもよいし、図1に示されるように、電極(2a,2b)そのものには接しなくてもよい。
導電性パラフィン膜(4)については、感温型回路遮断膜の使用温度範囲では個体であり、回路遮断を起こしたい温度、すなわち、前記の樹脂フィルム(3a,3b)の変形温度より低い温度で軟化、溶融する導電性パラフィンを上下の樹脂フィルム(3a,3b)の少くともおずれかに塗布し、サンドイッチ構造として上下の樹脂フィルム(3a,3b)が挾み込んで薄膜化させたものとすることができる。樹脂フィルム(3a,3b)の導電性パラフィン膜(4)に接する表面は、あらかじめ、薬剤やプラズマ処理、あるいはサンドペーパー等による機械的処理で粗面化しておき、すべり抵抗を大きくして樹脂フィルム(3a,3b)の変形応力より確実に効率的に導電性パラフィン膜に伝わるようにすることも有効である。
樹脂フィルム(3a,3b)の変形温度より低い温度で軟化、溶融する導電性パラフィンとしては、パラフィンに適当な導電性フィラーを添加したものが適用できる。このとき、パラフィンに分子量や構造、粘度、組成等はとくに限定されないが、融点が35℃から60℃になるものとしては、炭素数20から24のノルマルパラフィンをベースに必要に応じて、粒度分布を調整したり、イソパラフィンを併用したものが好ましい。
導電性フィラーとしては、金、銀、銅などの単独、合金、これらの組み合わせからなる金属を用いることができる。中でも銀が好ましい。導電性パラフィンにおける導電性フィラーの添加量は、前記金属の粒子間の接触が十分に起こり、通電が可能となる範囲、例えば、11〜62vol%とすることができる。もちろん、この添加量は、前記金属の粒子の形状や粒径、導電性パラフィンの粘度等に応じて適宜変更できる。例えば、銀フィラーをフレーク状のものとすれば銀粒子間の十分な接触が確保され、高い導電性が得られるが、導電性パラフィンの粘度が上昇しやすくなるため、粒状の銀フィラーとフレーク状の銀フィラーを併用することが望ましい。
さらに、導電性パラフィン膜(4)は、電極(2a,2b)間が十分に連通され、かつ前記の樹脂フィルム(3)の変形により確実に寸断される厚さのものであればよい。したがって、前記のとおりの導電性パラフィンの塗布量は、導電性パラフィン膜(4)の膜厚、導電性パラフィンの粘度等を考慮して決定すればよい。
図2は、本願の第2発明の一実施形態をその動作状態とともに例示した概要平面図と正面図である。この図2の例においては、上記図1の例と相違して、導電性パラフィン膜(4)の下部において、樹脂フィルム(3b)の一方の電極側端部(3c)が基板(1)に固定されている。この場合、基板(1)に代えて、あるいは基板(1)とともに、電極(2b)に固定されていてもよい。
この図2の構造においては、上記同様の樹脂フィルム(3b)の変形は、固定されている電極側端部(3c)方向に向かいやすく、変形応力の作用も、一方向性をもって、導電性パラフィン膜(4)の寸断をより確実なものとしやすい。
樹脂フィルム(3b)の一方の端部の固定は、接着でもよいし、融着等によるものであってもよい。
そして図3は、本願第3発明の一実施形態を例示したものであるが、この例から明らかなように、図1および図2の例の構造的特徴を相乗的効果として実現可能としたものである。つまり、樹脂フィルム(3a,3b)は、導電性パラフィン膜(4)をその上下部において挾み込んで一体化しているとともに、樹脂フィルム(3a,3b)の一方の電極側の端部のいずれもが、各々、基板(1)と電極(2b)に固定されている。これによって、さらに確実、かつ効率的に、樹脂フィルム(3a,3b)の変形応力を導電性パラフィン膜(4)の寸断のために作用させることができる。
たとえば以上例示の構造においては、必要に応じてたとえば樹脂フィルム(3a,3b)の変形温度の調整のために複数枚のフィルムを積層して樹脂フィルム(3a,3b)を構成してもよいし、通電性等を調整するために、樹脂フィルム(3a,3b)には、気相蒸着やメッキ等によりその表面に金、銀、銅、アルミニウム等の金属や合金の導電層を形成し、これを導電性パラフィン膜(4)と直接に、あるいは接着剤を介して接するようにしてもよい。
尚、本感温型回路遮断膜装置を外部からの機械的な力や埃から保護するために、最上層部にカバーフィルムを貼ってもよい。カバーフィルムは、非粘着性であって、樹脂フィルム(3a,3b)、導電性パラフィン膜(4)の収縮機構を妨害しないことが好ましい。更には、同様の理由から、本感温型回路遮断膜装置をプラスチックや絶縁された金属製等のケースに収納してもよい。
いずれの構造においても、基板(1)、電極(2a,2b)樹脂フィルム(3a,3b)、導電性パラフィン膜(4)の各々を1mm以下の厚みとすることができ、小型化された感温型回路遮断膜装置が実現される。導電性パラフィン膜が寸断される所定の温度についてはこの感温型回路遮断膜装置の使用目的、用途に応じて、樹脂フィルム(3a,3b)、導電性パラフィン膜(4)の種類、その特性、厚み等を定めればよい。
そしてこのような回路遮断膜装置を用いた通電回路装置では、所定温度を超えた場合には通電回路が遮断され、異常昇温による火傷、装置故障、火災等を未然に防ぐことができる。
以下、実施例を示し、この出願の発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、この出願の発明は以下の例に限定されるものではなく、細部については様々な耐用が可能であることは言うまでもない。
<実施例17>
ガラス基材エポキシ樹脂銅張り積層板の銅回路を部分的に金メッキして得た金電極10×10mm)を1対形成し、二つの電極の間にこれを連通する導電性パラフィン膜(30×5mm、厚さ100μm)と熱収縮フィルム(1軸延伸PETフィルム、60℃での収縮率60%、20×5mm、厚さ50μm)を上記の図1、図2および図3の各々の構造に従って構造I、II、IIIとして配設した。このとき、熱収縮フィルムは、基板の電極間の線方向と同じ方向で収縮するようにカットし、配設した。
導電性パラフィン膜については、融点35℃のパラフィンに、銀フィラーを30vol%添加し、50℃に加熱しながら混合して調製した。なお、銀フィラーは、銀フィラー全量の50vol%を大きさ5μm程度のフレーク状のものとし、残りを平均粒径3.5μmの粒子状のものとした。
得られた感温型回路遮断膜装置をホットプレート上に設置し、各々所定温度まで加熱した。加熱により導電性パラフィン膜が寸断され、通電が遮断されるかどうかの検証と遮断されるまでの時間測定を行った。
その結果を表1に示した。
なお、表1における実施例7では、樹脂フィルムに対し、あらかじめサンドペーパーによる粗面化処理が施されている。
なお、調製された導電性パラフィンを用いて40×40×3mmの導電性パラフィン膜を形成し、4端子法のミリオームメーターにより抵抗値を測定し、比抵抗を産出した。導電性回路を形成する上では、比抵抗の値が1×10-3Ωcm以下のものが採用されるが、産出された比抵抗値は、1×10-4Ωcmであった。
<比較例1〜4>
実施例の構造に代えて、図4に示したように、基板(1)上に樹脂フィルム(3b)と導電性パラフィン膜(4)とを配設して感温型回路遮断膜装置を構成した。実施例1〜4、7のようなサンドイッチ状の構造I(図1)、そして実施例5の構造II(図2)、実施例6の構造III(図3)とは相違している。
基板(1)、電極(2a,2b)、樹脂フィルム(3b)、導電性パラフィン膜(4)の各々には、実施例と同じものが用いられている。
この装置について実施例と同様の検証と遮断されるまでの時間測定を行った。その結果も表1に示した。
Figure 0003985812
実施例1〜7においては、いずれも35℃〜60℃の温度範囲において短時間のうちに遮断されることが確認された。一方、比較例1〜4では、低温度においては遮断せず、50℃〜60℃の温度においてもより長い時間がかかることがわかった。
本願第1発明の一実施形態を例示した概要平面図と正面図である。 本願第2発明の一実施形態を例示した概要平面図と正面図である。 本願第3発明の一実施形態を例示した概要平面図と正面図である。 比較例での感温型回路遮断膜装置を示した正面図である。
符号の説明
1 基板
2a 電極
2b 電極
3a 樹脂フィルム
3b 樹脂フィルム
3c 端部
4 導電性パラフィン膜

Claims (7)

  1. 基板と、基板上に設けられた少くとも1対の電極と、該電極間に配設された樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに一体化されて電極間を連通するように配設された導電性パラフィン膜とを有する感温型回路遮断膜装置であって、樹脂フィルムは、導電性パラフィン膜をその上下部において挾み込んでおり、該樹脂フィルムは熱応答変形性を有し、導電性パラフィン膜は、該樹脂フィルムの変形温度よりも低い融点を有し、樹脂フィルムの熱応答変形により寸断されるものであることを特徴とする感温型回路遮断膜装置。
  2. 基板と、基板上に設けられた少くとも1対の電極と、該電極間に配設された樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに一体化されて電極間を連通するように配設された導電性パラフィン膜とを有する感温型回路遮断膜装置であって、樹脂フィルムは、導電性パラフィン膜の上部または下部において、一方の電極側端部が基板もしくは電極に固定されており、該樹脂フィルムは熱応答変形性を有し、導電性パラフィン膜は、該樹脂フィルムの変形温度よりも低い融点を有し、樹脂フィルムの熱応答変形により寸断されるものであることを特徴とする感温型回路遮断膜装置。
  3. 基板と、基板上に設けられた少くとも1対の電極と、該電極間に配設された樹脂フィルムと、該樹脂フィルムに一体化されて電極間を連通するように配設された導電性パラフィン膜とを有する感温型回路遮断膜装置であって、樹脂フィルムは、導電性パラフィン膜をその上下部において挾み込んでいるとともに、上下部の樹脂フィルムの一方の電極側端部のいずれもが基板もしくは電極に固定されており、該樹脂フィルムは熱応答変形性を有し、導電性パラフィン膜は、該樹脂フィルムの変形温度よりも低い融点を有し、樹脂フィルムの熱応答変形により寸断されるものであることを特徴とする感温型回路遮断膜装置。
  4. 樹脂フィルムは、熱収縮フィルムであることを特徴とする請求項1から3のいずれかの感温型回路遮断膜装置。
  5. 樹脂フィルムは、片面または両面があらかじめ粗化処理されたものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかの感温型回路遮断膜装置。
  6. 導電性パラフィン膜は、導電性フィラーとして銀を含有するものであることを特徴とする請求項1から5のいずれかの感温型回路遮断膜装置。
  7. 請求項1から6のいずれかの感温型回路遮断膜装置を構成の少くとも一部としていることを特徴とする通電回路装置。
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