JP3985686B2 - Elディスプレイ駆動装置及びelディスプレイの駆動方法 - Google Patents

Elディスプレイ駆動装置及びelディスプレイの駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査電極とデータ電極との交点に形成される無機EL素子を画素としてなるELディスプレイを線順次走査方式で駆動する駆動装置、及びELディスプレイの駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
無機EL素子を画素としてなるELディスプレイは、一般に250V前後の高電圧によって交流駆動される。そのため、ドライバに使用するICには高耐圧性が要求され、液晶ディスプレイの駆動装置などに比較するとコストが高くなりがちである。特に、基本的な構造がデータ電極側に比べて簡単であることから、走査側駆動回路に用いられるドライバICには、より高い耐圧が要求される。
【0003】
斯様な問題を解決するために、特許文献1には、走査側駆動回路にオフセット駆動方式を導入した技術が開示されている。即ち、ELディスプレイを構成する画素の電極間に電圧Vr(通常、約230〜260V)を印加させて発光させる場合、データ側駆動回路に用いるドライバICの電源電圧Vm(約40〜60V)をオフセット電圧(Vo)とする。従って、走査側ドライバICの耐圧は(Vr−Vm)以上とすれば良く、要求される耐圧をオフセット電圧の分だけ低下させることができる。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−54566号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、特許文献1のようなオフセット駆動方式では、オフセット電圧Voを高く設定するほど走査側ドライバICの耐圧を低くすることができる。ところで、この駆動方式では、ELディスプレイを構成する画素にオフセット電圧Voが常時印加されるようになっている。しかしながら、その状態がELディスプレイにおける表示に対してどのように影響を及ぼすのかについては、着目されていなかった。
【0006】
そこで、発明者らが上記の影響について解析を行なった結果、オフセット電圧Voが常時印加されることで、線順次走査を行なう方向について輝度むらを発生させる原因となっていることが判明した。その測定結果を図8に示す。測定ポイント▲1▼〜▲3▼はELディスプレイの上端側であり、測定ポイント▲4▼〜▲6▼はELディスプレイの下端側である。そして、線順次走査方向は、上端側から下端側へとなっている。
【0007】
この図8から明らかなように、上端側の測定ポイント▲1▼〜▲3▼は輝度が高く、下端側の測定ポイント▲4▼〜▲6▼は輝度が低く、走査方向について輝度むらが発生している。尚、オフセット電圧Voは、52.5Vである。そして、この輝度むらは、オフセット電圧Voが高くなるほど顕著となることが判明した。
【0008】
この輝度むらの発生原因は、以下のように推定される。即ち、ELディスプレイの各画素が発光する場合、発光層の両端に発生した分極電荷の量は時間と共に低下すると考えられる。そして、EL素子は、その内部分極電荷によって発生している電界に対して逆向きの電界を外部より印加することで発光するが、内部電界と外部電界との差が大きいほど強い発光が生じる。
【0009】
ところが、オフセット駆動方式では、走査順が遅い電極に形成されているEL素子はオフセット電圧の印加時間もそれだけ長くなるため、走査順が遅い電極に形成されているEL素子よりも内部分極電荷がより多く漏洩し、電荷量が低下することになる。従って、駆動電圧(外部電界)を印加した場合に発生する電位差も小さくなり、発光強度が低下する。加えて、その際に発生する分極電荷量も減少する。
以上のような原理に基づいて、ELディスプレイの走査方向における輝度むらが発生していると考えられる。
【0010】
上記の輝度むらが発生する直接の原因は、EL素子の発光層における内部分極電荷の漏洩(リーク電流)であり、その漏洩度合いは、発光層に対する印加電圧レベルが高いほど、また、印加電圧時間が長いほど大きくなる。従って、発光層に印加する電圧レベルを低減することが考えられるが、それはオフセット電圧を低下させることになり、ドライバICの耐圧を低下させて低コスト化を図る、というオフセット駆動方式を導入した本来の目的から外れてしまう。
【0011】
また、発光層に電圧を印加する時間(即ち、電圧パルス幅)を短くすることも考えられるが、そのパルス幅は、ELディスプレイを構成する各画素容量や電極の配線抵抗などに基づいて必要な時間が決定されるため、短くするにも限界がある。
【0012】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ELディスプレイを線順次走査方式で、且つオフセット駆動方式により駆動する場合に、走査方向に発生する輝度むらをより効果的に抑制することができるELディスプレイ駆動装置、及びELディスプレイの駆動方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のELディスプレイ駆動装置によれば、走査電極に対して線順次走査を行なう方向を一定周期毎に反転させる。即ち、オフセット駆動方式では、EL素子にオフセット電圧を印加した直後は、その電圧は発光層と絶縁層とで分圧されて発光層両端の電圧が高くなり、リーク電流が増加する。そして、選択電圧が与えられ、発光しきい値を超える合成電圧が両端に印加されることでEL素子が発光した後は、既に前記分圧電位が発光層に印加された状態で分極電荷が生成されるため、リーク電流は少ない。
【0014】
以上のように、リーク電流量は、EL素子にオフセット電圧が印加されてから発光しきい値を超える合成電圧が印加されるまでの時間が長いほど増加する。また、ユーザによって視認されるELディスプレイの発光輝度は1回の発光強度だけで決まるわけではなく、その発光が繰り返された場合の時間的な平均値で決まる。
【0015】
そこで、本発明では、線順次走査を行なう方向を一定周期毎に反転させることで、走査方向に配列される各画素における分極電荷の発生状態を平均化する。それに伴い、ELディスプレイの走査方向における発光輝度も平均化されるので、オフセット電圧を低下させることなく輝度むらを良好に解消することができる。
【0016】
具体的には、線順次走査方向を、画素に印加する合成電圧極性を反転させる毎に反転させる。即ち、無機EL素子においては、高輝度で且つ輝度むらの無い良好な発光状態を得るため、印加電圧極性を交互に反転させるフィールド反転駆動方式が一般に導入されている。従って、その反転タイミングに合わせて線順次走査方向を反転させれば、走査方向に発生しようとする輝度むらを良好に解消することができる。
【0017】
請求項記載のELディスプレイ駆動装置によれば、走査電圧をなすオフセット電圧を60V以上とする。即ち、本発明の駆動方式を用いれば、オフセット電圧を従来よりも高く設定することで、1回の走査について発生する輝度むらの度合いが多少上昇したとしても、走査方向を反転させることで輝度むらを時間平均的に解消することが可能である。従って、オフセット電圧がより高く設定されるものに有効に適用することができる。
【0018】
請求項記載のELディスプレイ駆動装置によれば、線順次走査方向を2回反転させる周波数を50Hz以上に設定するので、フリッカの発生を抑制することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図1乃至図5を参照して説明する。尚、本発明は線順次走査方式に特徴を有するものであり、図5に示す基本的な構成は特許文献1に開示されているものと同様である。以下、ELディスプレイ駆動装置の全体構成を概略的に説明する。
【0020】
EL表示パネル(ELディスプレイ)1は、透明電極(走査電極)、背面電極(データ電極)を行列状に複数配置して、マトリクス表示を行うように構成されている。具体的には、行方向に奇数走査電極201、202、・・・、偶数走査電極301、302、・・・が形成され、列方向にデータ電極401、402、403、・・・が形成されている。
【0021】
走査電極201、301、202、302、・・・とデータ電極401、402、403、・・・との夫々の交差領域には、画素たる無機EL素子111、112、・・・121、・・・が形成されている。このEL表示パネル1の表示駆動を行うために、走査側ドライバIC(走査側駆動回路)2、3及びデータ側ドライバIC(データ側駆動回路)4が設けられている。
【0022】
走査側ドライバIC2は、プッシュプルタイプの駆動回路であり、奇数走査電極201、202、・・・に接続されたFET21a、22a、・・・とFET21b、22b、・・・を有し、制御回路20からの出力に従って奇数走査電極201、202、・・・に走査電圧を印加する。また、FET21a、21b、22a、22b、・・・の夫々には寄生ダイオード21c、21d、22c、22d、・・・が形成されており、走査電極を所望の基準電圧に設定する。
【0023】
走査側ドライバIC3も同様の構成で、制御回路30、FET31a、32a、・・・とFET31b、32b、…・・・を有し、偶数走査電極301、302、・・・に走査電圧を供給する。データ側ドライバIC4も同様に、制御回路40、FET41a、42a、・・・とFET41b、42b、・・・を有し、データ電極401、402、403、・・・にデータ電圧を供給する。
【0024】
走査側ドライバIC2、3には、走査電圧を供給するための走査電圧供給回路5、6が設けられている。走査電圧供給回路5はスイッチング素子51、52を有し、そのオンオフ状態に応じて直流電圧(選択電圧)Vrまたは負側のオフセット直流電圧−Vo2を、走査側ドライバIC2、3におけるFETソース側共通線L1に供給する。
【0025】
走査電圧供給回路6はスイッチング素子61、62を有し、そのオンオフ状態に応じて負側の選択電圧(−Vr+Vm)または正側のオフセット電圧Vo1を、走査側ドライバIC2、3におけるFETソース側共通線L2に供給する。
【0026】
また、データ側ドライバIC4に対し、データ電圧供給回路7が設けられており、データ側ドライバIC4のFETソース側共通線に直流電圧(変調電圧)Vmを供給し、FETソース側共通線に接地電圧を供給する。上記構成においてEL素子111等を発光させるには、走査電極とデータ電極との間に交流のパルス電圧を印加する必要があり、このためフィールド毎に正負に極性反転するパルス電圧を各走査線毎に作成して駆動する(フィールド反転駆動)。
【0027】
次に、本実施例の作用について図1乃至図4,図6及び図7をも参照して説明する。
(正フィールド)
スイッチング素子51、62をオン、52、61をオフにする。この時、走査電極201等の基準電圧は、ダイオード21c及び21dの作用によりオフセット電圧Vo1(例えば、67.5V)となっている。また、データ側ドライバIC4のFET41a、42a、43a、・・・側をオンし、データ電極の電圧をVmにする。
【0028】
それから、正フィールドでの発光動作を開始する。まず、走査側ドライバIC2のFET21aをオンにして1行目の走査電極201の電圧をVr(例えば、250V)にする。また、他の走査電極については走査側ドライバIC2、3の出力段FETを全てオフにしてフローティング状態にする。
【0029】
この時、発光させるEL素子のデータ電極についてはデータ側ドライバIC4のPチャネルFETをオフ、NチャネルFETをオンにし、その他のデータ電極についてはデータ側ドライバIC4のPチャネルFETをオン、NチャネルFETをオフにする。
【0030】
すると、発光させるEL素子のデータ電極が接地電圧になり、EL素子にしきい値電圧Vt以上の電圧Vrがかかり発光する。また、発光させないEL素子のデータ電極の電圧はVm(例えば、52.5V)となり、そのEL素子の両端には電圧(Vr−Vm)が印加される。
【0031】
図1のタイミングチャートでは、データ側ドライバIC4のFET41aをオフ、FET41bをオンにしてEL素子111に選択電圧Vrを印加し、発光させる状態を示している。この後、走査側ドライバIC2のFET21aをオフ、FET21bをオンすることで、走査電極201上のEL素子に蓄積した電荷を放電する。
それから、同様にして2行目以降の走査を進めて発光駆動を行う。
【0032】
以上に述べたEL素子の発光状態について、図3,図4及びに図6示すQV特性図を参照して説明する。QV特性図は、EL素子に印加する合成電圧Vと、EL素子に蓄積された電荷Qとの関係を示すものである。
【0033】
まず、分極電荷のリークを考慮しないケースの図6を参照して特性の概略を説明する。EL素子に対して電圧が全く印加されていない状態を原点▲1▼とする。この状態から発光電圧を印加すると、蓄積電荷量Qは▲2▼を経て状態▲3▼に至る。状態▲1▼−▲2▼間は、EL素子の発光層に伝導電流は流れず発光しない。そして、EL素子は状態▲2▼でクランプし(EL素子が容量的な特性から抵抗体的な特性に変化する)、状態▲2▼−▲3▼間では、EL素子の発光層に伝導電流が流れて発光する。この場合の伝導電流の大きさは、クランプ後の電荷量(移動電荷量)で大凡決まる。
【0034】
次に、状態▲3▼から電圧を0Vにすると状態▲4▼に遷移する。そして、伝導電流が流れたことで分極電荷が発光層の両端に発生しており、EL素子は発光層が絶縁層に挟み込まれた二重絶縁膜構造のキャパシタンスをなしているから、発生した分極電荷は消滅せず、0Vに戻っても正電荷が残留している。それから、負側の発光電圧を印加すると、残留分極電荷の影響により状態▲5▼でクランプし、状態▲6▼を経て状態▲7▼に至る。状態▲4▼−▲5▼間では、EL素子の発光層に伝導電流が流れず発光しないが、状態▲5▼−▲7▼間では伝導電流が流れて発光する。
【0035】
そして、状態▲7▼から電圧を0Vにすると状態▲8▼に遷移する。この場合は、状態▲4▼と大きさが等しい負電荷が残留する。そして、状態▲8▼から再び正の発光電圧(255V)を印加すると、残留分極電荷の影響により状態▲9▼でクランプし、状態▲2▼を経て状態▲3▼に至る。
【0036】
以降は、上記の状態▲3▼より開始されるプロセスを繰り返す。このように、無機EL素子は、電圧が印加されると分極電荷が発生し、その影響によってQV特性が平行四辺形を描くように変化する。従って、同一極性の電圧を印加し続けても発光しない。
尚、これらの図では、右半分側が正フィールドに対応し、左半分側が負フィールドに対応する。
【0037】
続いて、図3及び図4を参照し、分極電荷のリークを考慮したケースについて説明する。1行目の走査電極201にオフセット電圧V01を印加し、それに続いて選択電圧Vrを印加すると、両者の印加間隔は短いため前回の発光の際に生じた発光層両端の内部分極電荷は未だ殆どリークしていない。従って、移動電荷量は多く、発光輝度は高い。
【0038】
次に、2行目の走査電極301が選択され、走査電極201と同様にして合成電圧Vrが印加されると、その印加タイミングが遅い分だけ内部分極電荷のリークが進んでいるため、発光輝度が若干減少する。そのようにして線順次走査が進んでゆくと、最後に走査される走査電極30Nでは内部分極電荷のリークがより多くなっている。即ち、前回負フィールドにおいて発光したことで発生している負極性の分極電荷が減少する結果、相対的に正極性の電荷が増加する。その分だけ合成電圧Vrが印加された場合の移動電荷量はより小さく、従って発光輝度は比較的大きく減少することになる(図4参照)。また、この時、発光しきい値電圧Vt’は若干高くなる方向にシフトしている。
【0039】
(負フィールド)
スイッチング素子52、61をオン、51、62をオフにし、極性を反転させて正フィールドと同様な動作を行う。この時、走査電極の基準電圧は、やはりダイオード21c及び21dの作用によって負のオフセット電圧−V02となっている。但し、走査電極に走査電圧を印加する場合は、FET21b側をオンにする。また、データ側ドライバIC4のFET41b、42b、43b・・・側をオンし、データ電極を接地電圧にする。
【0040】
負フィールドでは、表示選択を行う行の走査電極に選択電圧(−Vr+Vm,−197.5V)を印加する。この場合は、FET21b側をオンにする。データ電極側では、発光させるEL素子のデータ電極の電圧をVmにし、その他のEL素子のデータ電極は接地電圧にする。
【0041】
即ち、選択電圧(−Vr+Vm)が印加されている走査電極に対し、データ電極に電圧Vmが印加されると、対応するEL素子に電圧−Vrが印加されEL素子が発光する。また、データ電極の電圧が接地電圧であればEL素子にはしきい値電圧−Vtより低い電圧(−Vr+Vm)が印加されるため発光しない。
【0042】
そして、負フィールドにおいては、正フィールドと逆順で線順次走査を行う。即ち、正フィールドでは、走査電極201,301,202,302,・・・,30Nの順で走査したのに対して、負フィールドでは走査電極30N,20N,20(N−1),30(N−1),・・・,301,201のように逆順で走査する。
【0043】
この場合のEL素子の発光状態について、図3及び図4に示すQV特性図を参照して説明する。1行目の走査電極301については、オフセット電圧V01を印加した直後に選択電圧(−Vr+Vm)が印加されるため、両者の印加間隔は短かく、前回の発光の際に生じた発光層両端の内部分極電荷は未だ殆どリークしていない。従って、移動電荷量は多く、発光輝度は高い(図4参照)。
【0044】
そして、正フィールドとは逆順で走査が進み、最後に走査される走査電極201では内部分極電荷のリークがより多くなっている。即ち、前回正フィールドにおいて発光したことで発生している正極性の分極電荷が減少する結果、相対的に負極性の電荷が増加する。その分だけ合成電圧−Vrが印加された場合の移動電荷量はより小さく、発光輝度は比較的大きく減少することになる(図3参照)。また、発光しきい値電圧−Vt’は若干負側に高くなる方向にシフトしている。
【0045】
以上のように、正フィールド,負フィールドの駆動により1サイクルの表示動作が終了し、これを繰り返し行う。すると、図3に示すように、正フィールドにおいて発光タイミングが早く発光輝度が高かった画素は、負フィールドにおける発光タイミングが遅くなり発光輝度が低くなる。また、図4に示すように、負フィールドにおいて発光タイミングが早く発光輝度が高かった画素は、逆に正フィールドにおける発光タイミングが遅く発光輝度が低くなる。
【0046】
これに対して、図6及び図7には従来の駆動方式の場合に対応する。即ち、従来の駆動方式では、図6に示すように、正フィールドにおいて発光タイミングが早く発光輝度が高かった画素は、負フィールドにおいても発光輝度が高い。また、図7に示すように、正フィールドにおいて発光タイミングが遅く発光輝度が低かった画素は、正フィールドにおいても発光輝度が低くなる。従来はこの状態が固定されてしまうことで、走査方向について輝度むらが生じていた。
【0047】
ここで、図2には、図7に示したものと同様のELディスプレイについて負フィールドの走査順を正フィールドと逆にした場合に、測定ポイント▲1▼〜▲6▼の輝度を測定したものである。この図2から明らかなように、負フィールドにおける発光輝度の高低は正フィールドに対して逆であり、測定ポイント▲4▼〜▲6▼が高く、▲1▼〜▲3▼側が低くなっている。
【0048】
従って、上記の駆動方式を繰り返し行なえば、EL表示パネル1の発光輝度は、上端側と下端側とが交互に高くなるので、人間の目には平均化されて輝度むらが解消されているように感じられることになる。尚、この場合、フリッカ(ちらつき)の発生を防止するため、正負フィールドの駆動サイクルは50Hz以上に設定する。
【0049】
以上のように本実施例によれば、EL表示パネル1を表示させるため走査電極201等に対して線順次走査を行なう方向を一定周期毎に反転させるようにした。従って、走査方向に配列される各画素111等における分極電荷の発生状態を平均化することができ、EL表示パネル1の走査方向における発光輝度も平均化されるので、オフセット電圧を低下させることなく輝度むらを良好に解消することができる。
【0050】
そして、フィールド反転駆動方式において、そのフィールドの反転タイミングに同期して走査方向の反転を行うので、走査方向の制御が容易になると共に、輝度むらの解消を良好に行なうことができる。また、線順次走査方向を2回反転させる周波数を50Hz以上に設定するので、フリッカの発生を抑制することができる。
【0051】
加えて、走査電圧をなすオフセット電圧を従来よりも高い60V以上に設定した。即ち、本発明の駆動方式を用いれば、オフセット電圧を高くして1回の走査につき発生する輝度むらの度合いが多少上昇したとしても、走査方向を反転させることで輝度むらを時間平均的に解消することができる。
【0052】
本発明は上記し且つ図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形または拡張が可能である。
走査方向の反転は、必ずしもフィールド反転タイミングに同期して行う必要はなく、例えば、反転サイクルの数周期毎に1回行うようにしても良い。
線順次走査方向を2回反転させる周波数は、必ずしも50Hz以上にする必要はない。
また、オフセット電圧を60V未満に設定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例であり、EL表示パネルに印加する駆動電圧のタイミングチャート
【図2】 ELディスプレイの各測定ポイントについて輝度を測定した結果を示す図
【図3】 QV特性図(その1)
【図4】 QV特性図(その2)
【図5】 ELディスプレイ駆動装置の全体構成を概略的に説明する図
【図6】 従来の駆動方式によるQV特性図(その1)
【図7】 QV特性図(その2)
【図8】 図2相当図
【符号の説明】
1はEL表示パネル(ELディスプレイ)、2,3は走査側ドライバIC(走査側駆動回路)、4はデータ側ドライバIC(データ側駆動回路)、111、112、・・・121、・・・は無機EL素子(画素)、201、202、・・・301、302、・・・は走査電極、401、402、403、・・・はデータ電極を示す。

Claims (6)

  1. 走査電極とデータ電極との交点に形成される無機EL素子を画素としてなるELディスプレイを駆動するもので、オフセット電圧と選択電圧とに基づいて出力される走査電圧を前記走査電極に印加可能に構成される走査側駆動回路と、データ電圧を前記データ電極に印加するデータ側駆動回路とを備え、前記走査電圧と前記データ電圧との合成電圧を線順次走査方式により各画素に印加するELディスプレイ駆動装置において、
    前記走査電極に対して線順次走査を行なう方向を、前記画素に印加する合成電圧極性を反転させる毎に反転させるように構成したことを特徴とするELディスプレイ駆動装置。
  2. 走査電極とデータ電極との交点に形成される無機EL素子を画素としてなるELディスプレイを駆動するもので、オフセット電圧と選択電圧とに基づいて出力される走査電圧を前記走査電極に印加可能に構成される走査側駆動回路と、データ電圧を前記データ電極に印加するデータ側駆動回路とを備え、前記走査電圧と前記データ電圧との合成電圧を線順次走査方式により各画素に印加するELディスプレイ駆動装置において、
    前記走査電極に対して線順次走査を行なう方向を、一定周期毎に反転させるように構成すると共に、前記走査電圧をなすオフセット電圧が、60V以上であることを特徴とするELディスプレイ駆動装置。
  3. 前記線順次走査方向を2回反転させる周波数を、50Hz以上に設定したことを特徴とする請求項1または2記載のELディスプレイ駆動装置。
  4. 走査電極とデータ電極との交点に形成される無機EL素子を画素としてなるELディスプレイを駆動する際に、オフセット電圧と選択電圧とに基づいて出力される走査電圧を前記走査電極に印加すると共に、データ電圧を前記データ電極に印加することで、前記走査電圧と前記データ電圧との合成電圧を線順次走査方式により各画素に印加する駆動方法において、
    前記走査電極に対して線順次走査を行なう方向を、前記画素に印加する合成電圧極性を反転させる毎に反転させることを特徴とするELディスプレイ駆動方法
  5. 走査電極とデータ電極との交点に形成される無機EL素子を画素としてなるELディスプレイを駆動する際に、オフセット電圧と選択電圧とに基づいて出力される走査電圧を前記走査電極に印加すると共に、データ電圧を前記データ電極に印加することで、前記走査電圧と前記データ電圧との合成電圧を線順次走査方式により各画素に印加する駆動方法において、
    前記走査電極に対して線順次走査を行なう方向を、一定周期毎に反転させると共に、
    前記走査電圧をなすオフセット電圧を、60V以上とすることを特徴とするELディスプレイの駆動方法。
  6. 前記線順次走査方向を2回反転させる周波数を、50Hz以上に設定することを特徴とする請求項4または5記載のELディスプレイの駆動方法。
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